(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-156961(P2017-156961A)
(43)【公開日】2017年9月7日
(54)【発明の名称】キーボードユニットの取付構造
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20170810BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20170810BHJP
【FI】
G06F1/16 312U
G06F3/02 310A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-39163(P2016-39163)
(22)【出願日】2016年3月1日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細矢 暁史
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰彦
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020DD51
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でキーボードユニットをキーボードカバーのベースプレート上の平面に密着固定することができるキーボードユニットの取付構造を提供すること。
【解決手段】複数のキー3が配置された平板プレート10の周縁に取付穴が形成されたタブ11,12の基部であってキー3の配置側にリブ21,22が設けられ、取付穴を介した取付ネジ31,32によってタブ11,12を係合フランジ4に取り付け、平板プレート10の中央部分がベースプレート5側に凸となる反りを形成し、平板プレート10を平板プレート10より剛性が高いベースプレート5上の平面に押圧して密着固定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーが配置された平板プレートの周縁に取付穴が形成されたタブが設けられたキーボードユニットを、前記キーボードユニットが配設されるキーボードカバーのベースプレートと該ベースプレートの周縁上部に設けられた係合フランジとによって形成された挿入空間に挿入して前記キーボードユニットを前記ベースプレート上の平面に密着固定するキーボードの取付構造であって、
前記タブの基部であって前記キーの配置側に突起部が設けられ、前記取付穴を介した取付ネジによって前記タブを前記係合フランジに取り付け、前記平板プレートの中央部分が前記ベースプレート側に凸となる反りを形成し、前記平板プレートを前記平板プレートより剛性が高い前記ベースプレート上の平面に押圧して密着固定することを特徴とするキーボードユニットの取付構造。
【請求項2】
前記突起部は、前記係合フランジの前記挿入空間側の平面であって前記タブの基部に対応する位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のキーボードユニットの取付構造。
【請求項3】
前記突起部は、前記平板プレートの周縁方向に延びるリブであることを特徴とする請求項1または2に記載のキーボードユニットの取付構造。
【請求項4】
前記突起部は、前記平板プレートの中央部に向けて傾斜が高くなる傾斜部であることを特徴とする請求項1または2に記載のキーボードユニットの取付構造。
【請求項5】
前記突起部は、前記平板プレートの周縁部のうちの長辺に対応する位置に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のキーボードユニットの取付構造。
【請求項6】
前記突起部は、前記平板プレートの向かい合う周縁部に対応する位置に設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のキーボードユニットの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な構成でキーボードユニットをキーボードカバーのベースプレート上の平面に密着固定することができるキーボードユニットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの電子機器に搭載されるキーボードの下面に下方に向けて突出する係止爪を複数設ける一方、キーボードを搭載する電子機器本体の上面にキーボードに設けた係止爪が係止される係止穴を複数設け、キーボードの下面に設けた係止爪が電子機器本体に設けた係止穴に係止された状態で、電子機器本体とキーボードとをネジ止めすることにより、キーボードを電子機器本体に取り付けたキーボードの取付構造が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−294809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したキーボードユニットを、キーボードユニットが配設されるキーボードカバーのベースプレート上の平面に密着固定する場合、キーボードユニットのプレートは、プレートの中央部分がベースプレート側に凸となる反りを予め形成しておき、キーボードのプレートの周縁をネジ止めしていた。この場合、このキーボードユニットのプレートの反り形成工程が必要となる。このプレートの反り形成は反り制御が難しく、時間と労力とがかかっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でキーボードユニットをキーボードカバーのベースプレート上の平面に密着固定することができるキーボードユニットの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、複数のキーが配置された平板プレートの周縁に取付穴が形成されたタブが設けられたキーボードユニットを、前記キーボードユニットが配設されるキーボードカバーのベースプレートと該ベースプレートの周縁上部に設けられた係合フランジとによって形成された挿入空間に挿入して前記キーボードユニットを前記ベースプレート上の平面に密着固定するキーボードの取付構造であって、前記タブの基部であって前記キーの配置側に突起部が設けられ、前記取付穴を介した取付ネジによって前記タブを前記係合フランジに取り付け、前記平板プレートの中央部分が前記ベースプレート側に凸となる反りを形成し、前記平板プレートを前記平板プレートより剛性が高い前記ベースプレート上の平面に押圧して密着固定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、上記の発明において、前記突起部は、前記係合フランジの前記挿入空間側の平面であって前記タブの基部に対応する位置に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、上記の発明において、前記突起部は、前記平板プレートの周縁方向に延びるリブであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、上記の発明において、前記突起部は、前記平板プレートの中央部に向けて傾斜が高くなる傾斜部であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、上記の発明において、前記突起部は、前記平板プレートの周縁部のうちの長辺に対応する位置に設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるキーボードユニットの取付構造は、上記の発明において、前記突起部は、前記平板プレートの向かい合う周縁部に対応する位置に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、キーボードユニットのプレートを平板プレートのままとし、平板プレートの周縁に取付穴が形成されたタブの基部であってキーの配置側に突起部を設け、キーボードユニットのベースプレートへの取付時に平板プレートに反りを形成するようにしているので、プレートの反り形成工程が不要となり、簡易な構成でキーボードユニットをキーボードカバーのベースプレート上の平面に密着固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態であるキーボードユニットの取付構造のキーボードユニットの構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したキーボードユニットの平板プレートの周縁部である長辺に設けられたタブの構成を示す拡大斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したキーボードユニットのA−A線断面を模式的に示した図である。
【
図4】
図4は、キーボードユニットがキーボードカバーに取り付けられた直後の平板プレートの反りを模式的に示した断面図である。
【
図5】
図5は、キーボードユニットがベースプレートに取り付けられた状態を模式的に示した断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態の変形例1であるキーボードユニットの取付構造を説明する模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態の変形例2であるキーボードユニットの取付構造を説明する模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態の変形例3であるキーボードユニットの取付構造を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態であるキーボードユニット1の取付構造のキーボードユニット1の構成を示す平面図である。
図2は、
図1に示したキーボードユニット1の平板プレート10の周縁部である長辺10bに設けられたタブ12の構成を示す拡大斜視図である。
図3は、
図1に示したキーボードユニット1のA−A線断面を模式的に示した図である。
図4は、キーボードユニット1がキーボードカバー2に取り付けられた直後の平板プレート10の反りを模式的に示した断面図である。
図5は、キーボードユニット1がベースプレート5に取り付けられた状態を模式的に示した断面図である。
【0015】
図1及び
図3に示すように、キーボードユニット1は、平板プレート10上に複数のキー3が配置される。なお、平板プレート10に反りは形成されていない。平板プレート10の周縁部には、タブ11〜15が設けられる。タブ11は、長辺10aに設けられる。タブ12,13は、長辺10aに向かい合う長辺10bに設けられる。タブ14は、短辺10cに設けられる。タブ15は、短辺10cに向かい合う短辺10dに設けられる。タブ11〜14には、キーボードユニット1をベースプレート5に取り付ける際に取付ネジを通す取付穴が形成されている。特に、タブ11,12には、取付穴11a,12aが形成されている。タブ11は、長辺10aに3つ設けられ、タブ12は、長辺10bに3つ設けられている。
【0016】
図3に示すように、タブ11には、タブ11の基部であってキー3の配置側に突起部であるリブ21が設けられる。また、
図2及び
図3に示すように、タブ12には、タブ12の基部であってキー3の配置側に突起部であるリブ22が設けられる。リブ21,22は、平板プレート10の周縁方向、すなわち長辺方向に延びている。また、リブ21,22は、それぞれ取付穴11a,12aと長辺10a,10bとの間に配置される。
【0017】
図5に示すように、キーボードカバー2は、キーボードユニット1が挿入されて取り付けられる挿入空間E1を有する。挿入空間E1は、ベースプレート5とベースプレート5の周縁上部に設けられた係合フランジ4とによって形成される。挿入空間E1の上部の開口Hの長辺及び短辺の幅は、平板プレート10の長辺10a,10b及び短辺10c,10dと同じ幅である。挿入空間E1内の長辺及び短辺の幅は、タブ11〜15を含めた幅に所定マージン分、大きくした幅としている。なお、ベースプレート5の上面はフラットである。また、
図5に示したキーボードカバー2は、キーボードユニット1が取り付けられる部分のみを示している。
【0018】
(キーボードユニットの取付)
図4に示すように、
図3に示したキーボードユニット1を、開口Hを介して挿入空間E1に挿入し、取付ネジ31,32を用いてタブ11,12を係合フランジ4に取り付けると、リブ21,22の存在によって、平板プレート10の中央部分がベースプレート5側に凸となる反りを形成する。
【0019】
したがって、
図5に示すように、平板プレート10は、平板プレート10より剛性が高いベースプレート5上の平面を押圧するため、平板プレート10とベースプレート5とが密着固定される。これにより、キーボードユニット1がキーボードカバー2に取り付けられた状態では、キー3のストロークが固定され、キー3の操作性が良くなる。また、本実施の形態では、平板プレート10に予め反りを形成する必要がないため、キーボードユニット1の製造が簡易なものとなり、キーボードユニット1のキーボードカバー2への取付も容易となる。また、キーボードユニット1のキーボードカバー2への取付は、突起部であるリブを設けるのみでよいため、簡易な構造となる。
【0020】
なお、突起部であるリブ21,22は、平板プレート10の周縁部のうち、向かい合う長辺10a,10bに対応する位置にそれぞれ設けたが、短辺10c,10dに設けてもよい。ただし反りの幅を短くした方が密着固定を確実に行うことができるため、リブ21,22は、長辺10a,10bに設けることが好ましい。なお、リブ21,22は、向かい合う長辺10a,10bの双方に設けたが、一方の長辺のみに設けてもよい。
【0021】
(変形例1)
上述した実施の形態では、突起部としてリブ21,22を用いていたが、この変形例1では、
図6に示すように、リブ21,22に替えて、平板プレート10の中央部に向けて傾斜が高くなる傾斜部41,42を設けている。この変形例1でも、
図5と同様に、平板プレート10はベースプレート5側に反りが形成され、ベースプレート5に密着固定される。
【0022】
(変形例2)
上述した実施の形態では、突起部としてのリブ21,22が平板プレート10のタブ11,12に設けられていたが、この変形例2では、
図7に示すように、リブ21,22に対応するリブ51,52を、係合フランジ4側に設けている。このリブ51,52は、リブ21,22の位置に対応する位置に設けられる。すなわち、リブ51,52は、タブ11,12の基部に対応する位置に設けられる。この変形例2でも、
図5と同様に、平板プレート10はベースプレート5側に反りが形成され、ベースプレート5に密着固定される。
【0023】
(変形例3)
上述した実施の形態の変形例2では、突起部としてリブ51,52が係合フランジ4側に設けられていたが、この変形例3では、
図8に示すように、変形例1と同様の傾斜部61,62を係合フランジ4側に設けている。この変形例3でも、
図5と同様に、平板プレート10はベースプレート5側に反りが形成され、ベースプレート5に密着固定される。
【0024】
なお、キーボードユニットとベースプレートとの密着固定のため、キーボードユニットのキー間に分散してスクリュータブを設けて、キーボードユニットをベースプレートに取り付けるものがあるが、この取付構造では、キーボードカバーの下に配置されるマザーボードなどにも穴をあける場合があり、マザーボードの設計に制限を与えることになる。
【符号の説明】
【0025】
1 キーボードユニット
2 キーボードカバー
3 キー
4 係合フランジ
5 ベースプレート
10 平板プレート
10a,10b 長辺
10c,10d 短辺
11〜15 タブ
11a,12a 取付穴
21,22,51,52 リブ
31,32 取付ネジ
41,42,61,62 傾斜部
E1 挿入空間
H 開口