【課題】狭い空間でもディスプレイ全体に対して操作することができ、また、両手で保持したまま、ディスプレイ全体に対して操作することが可能な携帯情報端末を提供することを目的とする。
【解決手段】タブレット端末1は、ディスプレイモジュールを有する本体部3と、外部からの接触を検知する検知面4Aを有するタッチセンサ部4とを備え、タッチセンサ部4は、検知面4Aに対するユーザーの操作を検出して本体部3への入力を行い、タッチセンサ部4は、本体部3の端部において一端部を中心に回動可能に接続され、検知面4Aがディスプレイモジュールの表示面6Aとは反対方向を向く位置状態から回動可能である。
前記タッチセンサ部は、前記本体部の端面から出入し、前記本体部の内部には、前記タッチセンサ部が収容される収容部が形成されている請求項3に記載の携帯情報端末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るタブレット端末1について、
図1から
図7を用いて説明する。
タブレット端末1は、携帯情報端末の一例であり、
図5及び
図6に示すように、ディスプレイモジュール6を有する本体部3と、タッチセンサ部4とが、それぞれ別の筐体であり、別体で設けられる。タッチセンサ部4は、有線又は無線によって本体部3と接続され、タッチセンサ部4で入力された信号が本体部3へ送られる。その結果、タッチセンサ部4におけるユーザーの操作に基づいて、本体部3に対し表示面6A上における位置の指示が入力される。
【0013】
タブレット端末1は、本体部3とタッチセンサ部4とがヒンジ5によって接続された構成を有する。タブレット端末1は、ヒンジ5によって、タッチセンサ部4が、本体部3に対して相対的に回動する。
【0014】
ヒンジ5は、本体部3の長辺のうちの1辺(例えば、タブレット端末1の使用時における本体部3の下端部)と、タッチセンサ部4の長辺のうちの1辺(例えば、タブレット端末1の使用時におけるタッチセンサ部4の上端部)とに連結される。ヒンジ5は、ヒンジ5の回動軸周りに、本体部3とタッチセンサ部4を相対的に回動させる。タッチセンサ部4が本体部3に対して回動することによって、
図1から
図3に示すように、タッチセンサ部4が本体部3の裏面側に位置したり、
図5及び
図6に示すように、本体部3の面内とほぼ同一面に位置したりする。
【0015】
本体部3には、内部にCPU及びメモリ等を搭載した回路基板や、バッテリー等の電源部などが収容される。本体部3内の回路基板と、タッチセンサ部4の回路基板は、フレキシブルプリント配線(FPC)8によって接続されている。本体部3は、上述したCPU等によって実現可能な制御部9を有する。
【0016】
本体部3に設けられるディスプレイモジュール6は、例えば、液晶ディスプレイを備えて、液晶ディスプレイによって画像を表示する。なお、画像を表示するディスプレイモジュールは、液晶ディスプレイを備える場合に限定されず、有機ELディスプレイ等でもよい。ディスプレイモジュール6は、タッチパネルを備え、表示面6A上で触れられた指等の外部からの接触を検出して、入力を行うことができる。ディスプレイモジュール6は、例えば10インチ程度の表示面6Aを有する。
【0017】
タッチセンサ部4は、例えばパネル状部材であり、本体部3よりも面積が小さく、本体部3に対する設置位置が固定されている。タッチセンサ部4は、例えば、タブレット端末1の使用時における本体部3の下端部の右寄りに設置される。なお、タッチセンサ部4の設置位置は、この例に限定されず、本体部3の下端部の中央又は左寄りに設けられてもよいし、本体部3の右端部又は左端部に設けられてもよい。
【0018】
タッチセンサ部4のサイズは、片方の手でタッチセンサ部4の検知面4Aを覆うことができるようなサイズであることが望ましい。これにより、片方の手をほとんど動かさないまま、片方の手の指によって、タッチセンサ部4の検知面4Aの任意の位置に触れることができる。
【0019】
なお、タッチセンサ部4は、本体部3に対する設置位置が固定されている場合に限られず、本体部3の端部に沿ってスライド可能な構成を有してもよい。
【0020】
タッチセンサ部4は、タッチセンサ部4の検知面4Aに対するユーザーの操作を検出して本体部3への入力を行う。タッチセンサ部4は、静電容量方式などのタッチパネルを有し、タッチセンサ部4では、検知面4Aの任意の位置において接触が検出されることで、接触位置に対応する入力信号が生成される。タッチセンサ部4は、生成した入力信号を制御部9へ送信する。
【0021】
タッチセンサ部4において、外部からの接触を検知する検知面4Aは、片面のみに設けられる。検知面4Aとは反対側の面は、接触が検知不可能なタッチセンサ部4のケース4Bとなっている。
【0022】
本体部3の裏面には、タッチセンサ部4が収容される凹状の収容部10が形成されている。収容部10は、タッチセンサ部4を収容できるサイズで形成されている。タッチセンサ部4が本体部3の裏面側に位置しているとき、収容部10にタッチセンサ部4を収容できる。そのため、本体部3の裏面を机などの面に対向して載置したとき、タブレット端末1を安定して置くことができる。
【0023】
収容部10は、本体部3の裏面において切り欠かれた形状を有し、タッチセンサ部4が収容部10に収容されているときも、タッチセンサ部4は本体部3から露出している。
【0024】
ユーザーは、タブレット端末1の使用時、本体部3のディスプレイモジュール6の表示面6Aを見ながら入力を行う。すなわち、ユーザーは、本体部3のディスプレイモジュール6の正面に位置して操作を行う。
図1から
図3に示すように、タッチセンサ部4が本体部3の裏面側に位置しているとき、検知面4Aは、表示面6Aとは反対方向を向く位置状態にある。このとき、ユーザーは、タブレット端末1を両手で保持した状態で、右手の指で検知面4Aに触れることができる。したがって、ユーザーは、タブレット端末1を両手で保持したまま、タッチセンサ部4に対する入力を行うことができる。
【0025】
図5及び
図6に示すように、タッチセンサ部4の検知面4Aが本体部3の裏面から離れて位置しているとき、検知面4Aは表示面6Aと同一方向、すなわちユーザー側を向く位置状態にある。なお、ここでの「同一方向」とは、検知面4Aに対する垂直方向と、表示面6Aに対する垂直方向とが平行である場合に限定されず、検知面4Aと表示面6Aとが、ユーザー側を向いていることをいう。
【0026】
これにより、本体部3よりも面積が小さいタッチセンサ部4の検知面4Aに対して操作を行えば、ユーザーは、腕をほとんど動かさずに本体部3への入力を行うことができる。また、検知面4Aが、表示面6Aと同一方向を向いていることから、ユーザーは入力時に操作しやすい。
【0027】
タッチセンサ部4は、検知面4A上において、表示面6Aの座標位置に対応した位置を検出する。すなわち、検知面4Aの任意の点と、表示面6Aの任意の点とは、1対1で対応している。例えば、検知面4Aの右端中央付近が、ユーザーによって触れられたとき、表示面6Aにおける右端中央付近が指示されたという動作を検出する。そして、ユーザーが検知面4Aの右側の任意の点a1から左側の任意の点a2までなぞったとき、表示面6Aにおいて右側の任意の点b1から左側の任意の点b2へ連続して指示されたという動作を検出する。このとき、検知面4Aの点a1の座標位置と、表示面6Aの点b1の座標位置が対応しており、検知面4Aの点a2の座標位置と、表示面6Aの点b2の座標位置が対応している。
【0028】
以上より、検知面4Aにおいて外部からの接触があったとき、接触が検知された位置と表示面6Aの任意の座標位置とが対応しているため、ユーザーは、タッチセンサ部4の検知面4A上で、表示面6Aに表示されたカーソル(ポインタ)などを動かす動作を行わないで、表示面6A上で操作したい位置を直ぐに指し示すことができる。
【0029】
なお、タッチセンサ部4の検知面4Aと、ディスプレイモジュール6の表示面6Aの関係は、上述した例に限定されない。検知面4Aは、タッチパッドのように、絶対座標まで特定せず、外部からの接触と、相対的な位置関係のみを検知できるものでもよい。
【0030】
図1から
図3に示すように、タッチセンサ部4が本体部3の裏面側に位置して、検知面4Aが表示面6Aとは反対方向を向いている場合の検知面4Aの上下左右は、ユーザーが表示面6Aを向いている状態でのユーザーの上下左右に対応する。また、
図5及び
図6に示すように、タッチセンサ部4の検知面4Aが本体部3の裏面から離れて、表示面6Aと同一方向を向いている場合の検知面4Aの上下左右も、ユーザーが表示面6Aを向いている状態でのユーザーの上下左右に対応する。
【0031】
したがって、タッチセンサ部4を軸周りに回動させることで、検知面4Aの上下関係が反転する。タッチセンサ部4には、タッチセンサ部4の回転を検出するジャイロセンサ7が設けられる。なお、ジャイロセンサ7は、回転検出部の一例であり、タッチセンサ部4の回転を検出できれば、他のセンサでもよい。
【0032】
制御部9は、ジャイロセンサ7で検出されたタッチセンサ部4の回転に基づいて、検知面4Aと表示面6Aの対応関係を変更する。
【0033】
これにより、タッチセンサ部4が回転したとき、ジャイロセンサ7によってタッチセンサ部4の回転が検出され、制御部9は、タッチセンサ部4の回転に基づいて、検知面4Aと表示面6Aの対応関係を変更できる。その結果、タッチセンサ部4の検知面4Aがディスプレイモジュール6の表示面6Aとは反対方向を向いているときと、検知面4Aが表示面6Aと同一方向を向いているときの上下方向が入れ替わり、ユーザーの操作性に支障が生じないようにすることができる。
【0034】
また、制御部9は、ジャイロセンサ7を用いずに、ヒンジ5の角度を検出し、その角度と連動させて検知面4Aと表示面6Aの上下の対応関係を変更してもよい。
【0035】
ここで、検知面4Aが表示面6Aとは反対方向を向いている状態(
図1〜
図3)を0度位置とみなし、表示面6Aの表示面が同一方向を向いた位置状態(
図5、
図6)を180度位置とみなす。但し、これらの角度位置は、角度数字の示す角度から多少ずれることはある。
【0036】
そして、制御部9は、検出された検知面4Aの向き、又は、検出されたヒンジ5の角度に基づいて、検知面4Aと表示面6Aの上下の対応関係を、例えば、0度〜90度位置と90度〜180度位置とで入れ替える。なお、90度付近の任意の角度範囲位置では、上下の対応関係が頻繁に入れ替わらないように、例えばヒステリシスを持たせて制御してもよい。また、上下の対応関係を入れ替える角度位置は、上述した90度に限定されずユーザシナリオを考慮し適宜設定してもよい。
【0037】
タブレット端末1の構造(ヒンジ5の構造を含む。)は、0度位置から180度位置まで回転可能な構造でもよいし、0度位置から180度位置を経由した後、検知面4Aと表示面6Aとが対面する360度位置まで回転可能な構造としてもよい。
【0038】
フレキシブルプリント配線8は、本体部3側の配線部12Aが、収容部10の外側で、収容部10の上下方向の端部に沿って設けられ、タッチセンサ部4側の配線部12Bが、タッチセンサ部4の内部で、タッチセンサ部4の上下方向の端部に沿って設けられる。
【0039】
図4は、
図1から
図3に示すように、タッチセンサ部4が本体部3の裏面側に位置して、検知面4Aが表示面6Aとは反対方向を向いている場合のフレキシブルプリント配線8の状態を示す。
図7は、
図5及び
図6に示すように、タッチセンサ部4の検知面4Aが本体部3の裏面から離れて、表示面6Aと同一方向を向いている場合のフレキシブルプリント配線8の状態を示す。
【0040】
フレキシブルプリント配線8は、一端部8Aが本体部3の回路基板に接続され、他端部8Bがタッチセンサ部4の回路基板と接続される。フレキシブルプリント配線8は、
図4及び
図7に示すように、ヒンジ5付近の回動部分に設置される軸部11を有し、本体部3側の配線部12Aとタッチセンサ部4側の配線部12Bは、軸部11を介して接続される。タッチセンサ部4側の配線部12Bは、軸部11を中心にして、本体部3側の配線部12Aに対して相対的に回動する。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るタブレット端末2について、
図8から
図18を用いて説明する。
タブレット端末2は、携帯情報端末の一例であり、
図11及び
図12に示すように、ディスプレイモジュール16を有する本体部13と、タッチセンサ部14とが、それぞれ別の筐体であり、別体で設けられる。タッチセンサ部14は、有線又は無線によって本体部13と接続され、タッチセンサ部14で入力された信号が本体部13へ送られる。その結果、タッチセンサ部14におけるユーザーの操作に基づいて、本体部13に対し表示面16A上における位置の指示が入力される。
【0042】
タブレット端末2は、本体部13とタッチセンサ部14とが、スライド部(図示せず。)によって接続された構成を有する。タブレット端末2は、スライド部によって、タッチセンサ部14が、本体部13に対して出入する。スライド部は、例えば本体部13に形成されたスライドレールと、タッチセンサ部14の支持部25に設けられ、スライドレールに係合する係合部などから構成される。なお、スライド部の構成は、通常用いられる一般的な構造を適用でき、上述した例に限定されない。
【0043】
本体部13には、内部にCPU及びメモリ等を搭載した回路基板や、バッテリー等の電源部などが収容される。本体部13内の回路基板と、タッチセンサ部14の回路基板は、フレキシブルプリント配線(FPC)18によって接続されている。本体部13は、上述したCPU等によって実現可能な制御部19を有する。
【0044】
本体部13に設けられるディスプレイモジュール16は、例えば、液晶ディスプレイを備えて、液晶ディスプレイによって画像を表示する。なお、画像を表示するディスプレイモジュールは、液晶ディスプレイを備える場合に限定されず、有機ELディスプレイ等でもよい。ディスプレイモジュール16は、タッチパネルを備え、表示面16A上で触れられた指等の外部からの接触を検出して、入力を行うことができる。ディスプレイモジュール16は、例えば10インチ程度の表示面16Aを有する。
【0045】
タッチセンサ部14は、例えば支持部25と、検知パネル部26と、軸部27などからなる。
【0046】
支持部25は、上述したとおり、本体部3に対してスライド可能な構成を有しつつ、軸部27を介して検知パネル部26を支持する。支持部25は、例えば平面視したときコ字形状を有する部材であり、横枠25Aと、縦枠25B,25Cを有する。縦枠25B,25Cは、それぞれの上端部において、横枠25Aの両端部にそれぞれ接続されている。縦枠25B,25Cの上下方向中間部において、軸部27が設けられる。
【0047】
検知パネル部26は、パネル状部材であって、支持部25に囲まれるように、支持部25に設置される。
【0048】
軸部27は、支持部25と検知パネル部26とに設置される。軸部27は、軸部27の回動軸周りに、支持部25と検知パネル部26を相対的に回動させる。検知パネル部26が支持部25に対して回動することによって、検知パネル部26の検知面26Aの向きが正面側又は裏面側に変更される。
【0049】
タッチセンサ部14は、本体部13よりも面積が小さく、本体部13に対する設置位置が固定されている。タッチセンサ部14は、例えば、タブレット端末2の使用時における本体部13の下端部の右寄りに設置される。なお、タッチセンサ部14の設置位置は、この例に限定されず、本体部13の下端部の中央又は左寄りに設けられてもよいし、本体部13の右端部又は左端部に設けられてもよい。
【0050】
タッチセンサ部14のサイズは、片方の手で検知パネル部26の検知面26Aを覆うことができるようなサイズであることが望ましい。これにより、片方の手をほとんど動かさないまま、片方の手の指によって、検知パネル部26の検知面26Aの任意の位置に触れることができる。
【0051】
なお、タッチセンサ部14は、本体部13に対する設置位置が固定されている場合に限られず、本体部13の端部に沿ってスライド可能な構成を有してもよい。
【0052】
タッチセンサ部14は、検知パネル部26の検知面26Aに対するユーザーの操作を検出して本体部13への入力を行う。タッチセンサ部14は、静電容量方式などのタッチパネルを有し、タッチセンサ部14では、検知面26Aの任意の位置において接触が検出されることで、接触位置に対応する入力信号が生成される。タッチセンサ部14は、生成した入力信号を制御部19へ送信する。
【0053】
タッチセンサ部14の検知パネル部26において、外部からの接触を検知する検知面26Aは、片面のみに設けられる。検知面26Aとは反対側の面は、接触が検知不可能な検知パネル部26のケース26Bとなっている。
【0054】
本体部13の裏面には、タッチセンサ部14が収容される凹状の収容部20が形成されている。収容部20は、タッチセンサ部14を収容できるサイズで形成されている。タッチセンサ部14は、本体部13の面内方向に対して平行に移動可能であり、収容部20に収容されたり、収容部20から外側に引き出されたりする。タッチセンサ部14は、本体部13の端面から出入される。また、収容部20が設けられていることによって、本体部13の裏面を机などの面に対向して載置したとき、タブレット端末2を安定して置くことができる。
【0055】
収容部20は、本体部13の裏面において切り欠かれた形状を有し、タッチセンサ部14が収容部20に収容されている場合も、タッチセンサ部14は本体部13から露出している。
【0056】
ユーザーは、タブレット端末2の使用時、本体部13のディスプレイモジュール16の表示面16Aを見ながら入力を行う。すなわち、ユーザーは、本体部13のディスプレイモジュール16の正面に位置して操作を行う。
【0057】
図8及び
図9に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20に収容されており、かつ、検知パネル部26のケース26Bが、本体部13の裏面側から露出しているとき、検知面26Aは、タブレット端末2の内部側を向く位置状態にある。このとき、ユーザーは、検知面26Aを触れることができない。すなわち、検知面26Aに対する誤操作を防ぎたいとき、
図8及び
図9に示すように、検知パネル部26のケース26Bを、本体部13の裏面側から露出させるようにして、タッチセンサ部14を本体部13の収容部20に収容する。
【0058】
図11及び
図12に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20から引き出されているとき、検知パネル部26の検知面26Aを、表示面16Aと同一方向、すなわちユーザー側を向けることができる。なお、ここでの「同一方向」とは、検知面26Aに対する垂直方向と、表示面16Aに対する垂直方向とが平行である場合に限定されず、検知面26Aと表示面16Aとが、ユーザー側を向いていることをいう。
【0059】
これにより、本体部13よりも面積が小さいタッチセンサ部14に対して操作を行えば、ユーザーは、腕をほとんど動かさずに本体部13への入力を行うことができる。また、検知面26Aが、表示面16Aと同一方向を向いていることから、ユーザーは入力時に操作しやすい。
【0060】
図14及び
図15に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20から引き出された状態で、軸部27を中心にして検知パネル部26を回動させて、検知パネル部26の検知面26Aの向きを反転することできる。これにより、検知面26Aは、表示面16Aとは反対方向を向く位置状態にある。そして、検知面26Aの向きを維持したまま、
図17に示すように、タッチセンサ部14を本体部13の収容部20に収容できる。
【0061】
図17に示すように、タッチセンサ部14が本体部13に収容されており、かつ、検知パネル部26の検知面26Aが、本体部13の裏面側から露出しているとき、検知面26Aは、表示面16Aとは反対方向を向く位置状態にある。このとき、ユーザーは、タブレット端末2を両手で保持した状態で、右手の指で検知面26Aに触れることができる。したがって、ユーザーは、タブレット端末2を両手で保持したまま、タッチセンサ部14に対する入力を行うことができる。
【0062】
タッチセンサ部14は、検知面26A上において、表示面16Aの座標位置に対応した位置を検出する。すなわち、検知面26Aの任意の点と、表示面16Aの任意の点とは、1対1で対応している。例えば、検知面26Aの右端中央付近が、ユーザーによって触れられたとき、表示面16Aにおける右端中央付近が指示されたという動作を検出する。そして、ユーザーが検知面26Aの右側の任意の点a1から左側の任意の点a2までなぞったとき、表示面16Aにおいて右側の任意の点b1から左側の任意の点b2へ連続して指示されたという動作を検出する。このとき、検知面26Aの点a1の座標位置と、表示面16Aの点b1の座標位置が対応しており、検知面26Aの点a2の座標位置と、表示面16Aの点b2の座標位置が対応している。
【0063】
以上より、検知面26Aにおいて外部からの接触があったとき、接触を検知した位置と表示面16Aの任意の座標位置とが対応しているため、ユーザーは、タッチセンサ部14の検知面26A上で、表示面16Aに表示されたカーソル(ポインタ)などを動かす動作を行わないで、表示面16A上で操作したい位置を直ぐに指し示すことができる。
【0064】
なお、タッチセンサ部14の検知面26Aと、ディスプレイモジュール16の表示面16Aの関係は、上述した例に限定されない。検知面26Aは、タッチパッドのように、絶対座標まで特定せず、外部からの接触と、相対的な位置関係のみを検知できるものでもよい。
【0065】
図17に示すように、タッチセンサ部14が本体部13に収容されて、検知面26Aが表示面16Aとは反対方向を向いている場合の検知面26Aの上下左右は、ユーザーが表示面16Aを向いている状態でのユーザーの上下左右に対応する。また、
図11及び
図12に示すように、タッチセンサ部14の検知面26Aが本体部13から引き出されて、表示面16Aと同一方向を向いている場合の検知面26Aの上下左右も、ユーザーが表示面16Aを向いている状態でのユーザーの上下左右に対応する。
【0066】
したがって、タッチセンサ部14を軸周りに回動させることで、検知面26Aの上下関係が反転する。タッチセンサ部14には、タッチセンサ部14の回転を検出するジャイロセンサ17が設けられる。なお、ジャイロセンサ17は、回転検出部の一例であり、タッチセンサ部14の回転を検出できれば、他のセンサでもよい。
【0067】
制御部19は、ジャイロセンサ17で検出されたタッチセンサ部14の回転に基づいて、検知面26Aと表示面16Aの対応関係を変更する。
【0068】
これにより、タッチセンサ部14が回転したとき、ジャイロセンサ17によってタッチセンサ部14の回転が検出され、制御部19は、タッチセンサ部14の回転に基づいて、検知面26Aと表示面16Aの対応関係を変更できる。その結果、タッチセンサ部14の検知面26Aがディスプレイモジュール16の表示面16Aとは反対方向を向いているときと、検知面26Aが表示面16Aと同一方向を向いているときの上下方向が入れ替わり、ユーザーの操作性に支障が生じないようにすることができる。
【0069】
フレキシブルプリント配線18は、本体部13側の配線部30Aが、収容部20の外側で、収容部20の上下方向の端部に沿って設けられる。また、タッチセンサ部14の支持部25側の配線部30Bが、支持部25の内部で、支持部25の上下方向に沿って設けられ、検知パネル部26側の配線部30Cが、検知パネル部26の内部で、検知パネル部26の上下方向の端部に沿って設けられる。
【0070】
図10は、
図8及び
図9に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20に収容されており、かつ、検知パネル部26のケース26Bが、本体部13の裏面側から露出している場合のフレキシブルプリント配線18の状態を示す。
図13は、
図11及び
図12に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20から引き出されているとき、検知パネル部26の検知面26Aが、表示面16Aと同一方向を向いている場合のフレキシブルプリント配線18の状態を示す。
図16は、
図14及び
図15に示すように、タッチセンサ部14が本体部13の収容部20から引き出された状態で、検知面26Aが、表示面16Aとは反対方向を向いている場合のフレキシブルプリント配線18の状態を示す。
図18は、タッチセンサ部14が本体部13に収容されており、かつ、検知パネル部26の検知面26Aが、本体部13の裏面側から露出している場合のフレキシブルプリント配線18の状態を示す。
【0071】
フレキシブルプリント配線18は、一端部18Aが本体部13の回路基板に接続され、他端部18Bがタッチセンサ部14の回路基板と接続される。フレキシブルプリント配線18は、折返し部28と、軸部27付近の回動部分に設置される軸部29を有する。本体部13側の配線部30Aとタッチセンサ部14の支持部25側の配線部30Bとは、折返し部28を介して接続される。また、タッチセンサ部14の支持部25側の配線部30Bと検知パネル部26側の配線部30Cとは、軸部29を介して接続される。
【0072】
本体部13側の配線部30Aは、折れ曲がり部分を有して2枚重ね合わされる。折れ曲がり部分は、タッチセンサ部14の移動に伴って位置が移動し、重ね合わされ量が変化する。配線部30Aの本体部3側は、例えば両面テープなどの接着材31が設けられ、接着材31によって、配線部30Aは、本体部3に固定される。検知パネル部26側の配線部30Cは、軸部29を中心にして、支持部25側の配線部30Bに対して相対的に回動する。