【解決手段】半田印刷検査装置は、基板計測装置から、プリント基板1上のパッド3の絶対高さPk、並びに、各レジスト計測点におけるレジスト8の絶対高さRk1及びこれに関連付けて記憶された座標位置情報を取得する。続いて、半田印刷検査装置は、プリント基板1上のクリーム半田4の絶対高さHkと、前記座標位置情報に対応する各レジスト計測点におけるレジスト8の絶対高さRk2を計測する。そして、これらの計測結果と、基板計測装置から取得したパッド3の絶対高さPk等とを基に、パッド3に対するクリーム半田4の高さHpを算出し、当該クリーム半田4の印刷状態の良否判定を行う。
前記レジストの高さ情報が取得される前記プリント基板上の所定の座標位置は、前記電極パターンが前記レジストにより被覆された座標位置であることを特徴とする請求項1に記載の半田印刷検査装置。
前記基板計測装置及び前記半田印刷検査装置に対し、前記プリント基板が押圧又は挟持されることなく載置されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半田印刷検査装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント基板は、ベース基板の上に電極パターンやパッドを具備し、該パッドを除くその表面がレジストによって保護されている。
【0003】
かかるプリント基板上に電子部品を実装する場合、まずパッド上にクリーム半田が印刷される。次に、該クリーム半田の粘性に基づいてプリント基板上に電子部品が仮止めされる。その後、プリント基板がリフロー炉へ導かれ、所定のリフロー工程を経ることで半田付けが行われる。
【0004】
通常、リフロー炉に導かれる前段階においてクリーム半田の印刷状態が検査される。かかる検査に際しては、三次元計測装置により計測したクリーム半田の高さ等に基づき、その印刷状態の良否判定が行われる。
【0005】
但し、レジストは、その高さ(厚み)が塗布誤差等により均一にならないこともあるため、一般にはパッドを基準としたクリーム半田の高さ等に基づき、その印刷状態が検査されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に係るパッド基準のクリーム半田の高さの算出方法としては、まず半田印刷前のプリント基板1〔
図6(a)参照〕において、計測基準面Kからのパッド3の高さ(パッド3の絶対高さ)Pkと、計測基準面Kからのレジスト8の高さ(レジスト8の絶対高さ)Rkとを計測する。そして、両者の差から、パッド3に対するレジスト8の高さRpを算出する〔Rp=Rk−Pk〕。
【0007】
尚、引用文献1では、レジスト8の絶対高さRkとして、プリント基板1の輝度情報を基に抽出したパッド3周辺のレジスト領域S〔
図5(a)参照〕のレジスト8の絶対高さの平均値を用いている。
【0008】
次に、半田印刷後のプリント基板1〔
図6(b)参照〕において、計測基準面Kからのクリーム半田4の高さ(クリーム半田4の絶対高さ)Hkを計測する。続いて、該クリーム半田4の絶対高さHkから、上記半田印刷前に計測したレジスト8の絶対高さRkを減算して、レジスト8に対するクリーム半田4の高さHrを算出する〔Hr=Hk−Rk〕。さらに、該クリーム半田4の高さHrに対し、上記半田印刷前に算出したパッド3基準のレジスト8の高さRpを加算して、パッド3基準のクリーム半田4の高さHpを算出する〔Hp=Hr+Rp〕。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した引用文献1に係る構成では、パッド3基準の適正なクリーム半田4の高さHpを取得できないおそれがある。
【0011】
例えば工場等の基板製造ラインにおける一連の流れ作業の中では、通常、半田印刷の前後でプリント基板1を計測する計測装置が異なるため、高さ計測の際の基準となる計測基準面Kと、計測対象であるプリント基板1との相対的な高さ位置関係も計測装置毎に半田印刷の前後で異なるおそれがある。つまり、半田印刷前のレジスト8の絶対高さRk(Rk1)と、半田印刷後のレジスト8の絶対高さRk(Rk2)とが異なるおそれがある(Rk1≠Rk2)。その結果、上記のように算出されるパッド3基準のクリーム半田4の高さHpには大きな誤差が生じるおそれがある。
【0012】
尚、仮に半田印刷の前後で同一の計測装置を使用したとしても、該計測装置に対しプリント基板1をセットする毎に、その姿勢や反り具合等が変化するため、半田印刷の前後で計測基準面Kとプリント基板1との相対的な高さ位置関係が変化し、上記同様の不具合が生じ得る。
【0013】
一方、引用文献1には、レジスト8の絶対高さRkの値について、半田印刷前に取得した値に代えて、半田印刷後に再度取得した値を用いてもよい旨の記載があるものの、引用文献1では、上述したようにレジスト8の絶対高さRkとして、パッド3周辺のレジスト領域Sのレジスト8の絶対高さの平均値を用いる構成となっているため、以下のような不具合が生じ得る。
【0014】
例えば、取得した輝度情報からパッド3周辺のレジスト領域Sを抽出する際に、画像処理上の問題や、印刷されたクリーム半田4がレジスト領域Sにはみ出すこと〔
図5(b)参照〕等により、半田印刷の前後で抽出されるパッド3周辺のレジスト領域Sが一致しないおそれがある。つまり、レジスト8の絶対高さの平均値を算出するための計測対象領域が異なるおそれがある。
【0015】
上述したようにレジスト8の高さは均一ではないため、抽出されたレジスト領域Sの範囲や面積等が異なると、仮に半田印刷の前後で計測基準面Kとプリント基板1との相対的な高さ位置関係が一致していたとしても、パッド3周辺のレジスト領域Sから得られるレジスト8の絶対高さの平均値は半田印刷の前後で一致しないこととなる。
【0016】
その結果、上記のように算出されるパッド3基準のクリーム半田4の高さHpに大きな誤差が生じるおそれがある。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査精度の向上を図ることのできる半田印刷検査装置及び基板製造システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0019】
手段1.電極パターン及びパッドが配設されたベース基板に対しレジストを塗布するレジスト塗布工程と、
所定の基板計測装置によって少なくとも前記パッド及びレジストの三次元計測を行う基板計測工程と、
前記パッド上に半田を印刷する半田印刷工程とを経て製造されたプリント基板上の半田の印刷状態を検査する半田印刷検査工程において用いられる半田印刷検査装置であって、
前記半田印刷検査装置は、
前記基板計測工程において得られた前記基板計測装置の計測基準面からの前記パッドの高さ情報、並びに、前記プリント基板上の所定の座標位置における前記レジストに係る前記基板計測装置の計測基準面からの高さ情報及び当該レジストの高さ情報に関連付けて記憶された前記所定の座標位置に係る座標位置情報、又は、前記プリント基板上の所定の座標位置における前記レジストに係る前記パッドからの高さ情報及び当該レジストの高さ情報に関連付けて記憶された前記所定の座標位置に係る座標位置情報を取得する半田印刷前情報取得手段と、
自身の計測基準面からの前記半田の高さ情報、並びに、前記座標位置情報と一致する前記プリント基板上の前記所定の座標位置における前記レジストに係る自身の計測基準面からの高さ情報を取得する半田印刷後情報取得手段と、
前記半田印刷前情報取得手段と前記半田印刷後情報取得手段とにより取得された各種高さ情報を基に、前記パッドに対する前記半田の高さ情報を算出する演算手段と、
前記演算手段により算出された前記パッドに対する前記半田の高さ情報を基に、当該半田の印刷状態の良否を判定する良否判定手段とを備えたことを特徴とする半田印刷検査装置。
【0020】
上記手段1によれば、半田印刷の前後で同一座標位置におけるレジストの計測基準面からの高さ情報を取得し、これを基にパッドに対する半田の高さ情報を算出する構成となっている。
【0021】
これにより、基板計測装置の計測基準面と半田印刷検査装置の計測基準面との違いや、基板計測工程と半田印刷検査工程におけるプリント基板の姿勢や反り具合の違い、基板計測工程と半田印刷検査工程におけるレジスト領域の抽出結果の違い等の影響を受けることなく、パッド基準の半田の高さ情報を取得することが可能となる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
【0022】
尚、「プリント基板上の所定の座標位置」としては、例えばプリント基板のコーナー部や所定の電極パターンなど、所定の目印を基準とした任意の座標位置を用いることができる。
【0023】
手段2.前記レジストの高さ情報が取得される前記プリント基板上の所定の座標位置は、前記電極パターンが前記レジストにより被覆された座標位置であることを特徴とする手段1に記載の半田印刷検査装置。
【0024】
一般にレジストやベース基板は半透明素材により構成される一方、電極パターンは銅箔等の不透明素材により構成されている。レジストやベース基板などの半透明層は、計測用の光の一部を透過させてしまうため、高さ計測時に誤差が生じやすい。また、その誤差は半透明層の厚みに比例して増大するおそれがある。
【0025】
これに対し、電極パターンなどの不透明層は光を遮るため、当該電極パターンがレジストにより被覆された部位では、電極パターンのない部位よりも計測用の光を透過させてしまう半透明層の厚みが薄くなる。
【0026】
結果として、上記手段2によれば、レジストの高さ計測をより精度良く行うことができる。
【0027】
手段3.前記基板計測工程において、前記レジストの高さ情報を取得する前記プリント基板上の所定の座標位置を複数設定し、
前記半田印刷後情報取得手段は、
前記複数の座標位置のうち、少なくとも1つの座標位置を選択し、当該座標位置における前記レジストの高さ情報を取得し、
前記演算手段は、
前記半田印刷前情報取得手段と前記半田印刷後情報取得手段とにより前記選択した座標位置において取得された前記レジストの高さ情報を基に、前記パッドに対する前記半田の高さ情報を算出することを特徴とする手段1又は2に記載の半田印刷検査装置。
【0028】
上記手段3によれば、半田印刷の前後でレジストの高さ情報を取得する座標位置が一致しない等の不具合の発生を防止することができ、検査精度の向上を図ることができる。
【0029】
例えば半田印刷工程において半田がレジスト領域にはみ出して印刷され、基板計測工程においてレジストの高さ情報を取得した複数の座標位置(例えば3箇所)のうちの一部(例えば1箇所)が、はみ出した半田により覆われてしまった場合、本来であれば、当該半田に覆われた座標位置においてはレジストの高さ情報を取得できなくなり、半田印刷の前後でレジストの高さ情報を取得する座標位置が一致しない(例えば半田印刷前は3箇所、半田印刷後は2箇所)等の不具合が発生し、検査精度を低下させるおそれがある。
【0030】
手段4.前記半田印刷検査装置は、
前記プリント基板に対し三次元計測用の光を照射可能な三次元計測用照射手段と、
前記プリント基板に対し二次元計測用の光を照射可能な二次元計測用照射手段と、
前記光の照射された前記プリント基板からの反射光を撮像可能な撮像手段と、
前記三次元計測用の光を照射して前記撮像手段により撮像された画像データに基づき、所定の三次元計測法により前記半田及びレジストの三次元計測を行う三次元計測手段と、
前記二次元計測用の光を照射して前記撮像手段により撮像された画像データに基づき、少なくとも前記半田の領域及び前記レジストの領域を抽出するための二次元計測を行う二次元計測手段とを備え、
前記半田印刷後情報取得手段は、
前記二次元計測手段により抽出された前記半田の領域及び前記レジストの領域を基に、前記複数の座標位置のうちの少なくとも1つの座標位置を選択し、前記三次元計測手段による計測結果を基に、当該座標位置における前記レジストの高さ情報を取得することを特徴とする手段3に記載の半田印刷検査装置。
【0031】
上記手段4によれば、印刷された半田の領域等を二次元計測により抽出することにより、半田に覆われていないレジスト領域の座標位置をより的確に把握することができる。結果として、上記手段3の作用効果をより高めることができる。
【0032】
手段5.前記基板計測装置及び前記半田印刷検査装置に対し、前記プリント基板が押圧又は挟持されることなく載置されるようにしたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の半田印刷検査装置。
【0033】
仮に基板計測装置及び半田印刷検査装置における計測時に、プリント基板を押圧又は挟持して位置決めする構成となっていると、プリント基板が変形し、反り具合等が変化してしまうおそれがある。その結果、同一座標位置であっても半田印刷の前後で計測されるレジストの高さが変化してしまい、誤差の原因となり得る。
【0034】
この点、上記手段5によれば、プリント基板に対し無理な力を加えることなく、自然のままの状態で計測することができるため、上記不具合の発生を防止することができる。
【0035】
手段6.電極パターン及びパッドが配設された基板に対しレジストを塗布するレジスト塗布装置と、
少なくとも前記パッド及びレジストの三次元計測を行う基板計測装置と、
前記パッド上に半田を印刷する半田印刷装置と、
前記半田の印刷状態を検査する手段1乃至5のいずれかに記載の半田印刷検査装置とを備えたことを特徴とする基板製造システム。
【0036】
上記手段6のように、上記半田印刷検査装置を基板製造システムに備えることで、プリント基板の製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず半田印刷検査装置の検査対象となるプリント基板の構成について
図1を参照して説明する。
図1は、プリント基板の一部を拡大した部分拡大平面図である。
【0039】
図1に示すように、プリント基板1は、半透明のガラスエポキシ樹脂等からなる平板状のベース基板7上に、銅箔等からなる電極パターン2やパッド3が多数形成されてなる。また、ベース基板7上には、パッド3を除く部分に、半透明のレジスト8が塗布されている(
図6参照)。各パッド3上には、粘性を有するクリーム半田4が印刷されている。尚、
図1等では、便宜上、クリーム半田4を示す部分に散点模様が付されている。
【0040】
次に、プリント基板1を製造する製造ライン、すなわち基板製造システムについて
図2を参照して詳しく説明する。
図2は、プリント基板1の製造ライン9の一部の構成を示すブロック図である。本実施形態における製造ライン9では、その正面側から見て、左から右へプリント基板1が搬送されるように設定されている。
【0041】
図2に示すように、製造ライン9には、その上流側(
図2左側)から順に、レジスト塗布装置10、基板計測装置11、半田印刷機(半田印刷装置)12、半田印刷検査装置13、部品実装機14及びリフロー装置15が設置されている。つまり、プリント基板1が順次搬送されつつ、レジスト塗布工程→基板計測工程→半田印刷工程→半田印刷検査工程→部品実装工程→リフロー工程が行われるようになっている。
【0042】
レジスト塗布装置10は、電極パターン2やパッド3が形成されたベース基板7(プリント基板1)に対しレジスト8を塗布するためのものである。
【0043】
基板計測装置11は、レジスト8が形成されたプリント基板1におけるレジスト8の高さやパッド3の高さ等を計測するためのものである。
【0044】
半田印刷機12は、プリント基板1のパッド3上に所定量のクリーム半田4を印刷するためのものである。
【0045】
半田印刷検査装置13は、印刷されたクリーム半田4の状態を検査するためのものである。
【0046】
部品実装機14は、印刷されたクリーム半田4上にチップ等の電子部品5(
図1参照)を搭載するためのものである。電子部品5は、複数の電極やリードを備えており、当該各電極やリードがそれぞれ所定のクリーム半田4に対し仮止めされる。
【0047】
リフロー装置15は、クリーム半田4を加熱溶融させて、パッド3と、電子部品5の電極やリードとを半田接合(半田付け)するためのものである。
【0048】
尚、製造ライン9には、例えば半田印刷機12と半田印刷検査装置13との間など、上記各装置間において、プリント基板1を移送するための移送手段としてコンベア16等が設けられている(
図2参照)。
【0049】
また、図示は省略するが、半田印刷検査装置13と部品実装機14との間には分岐装置が設けられている。そして、半田印刷検査装置13にて良品判定されたプリント基板1は、その下流側の部品実装機14へ案内される一方、不良品判定されたプリント基板1は分岐装置により不良品貯留部へと排出される。
【0050】
次に、半田印刷検査装置13の構成について
図3を参照して詳しく説明する。
図3は、半田印刷検査装置13の概略構成を模式的に示す斜視図である。
【0051】
半田印刷検査装置13は基台22を備え、当該基台22上にはX軸移動機構23及びY軸移動機構24が設けられている。Y軸移動機構24上には、プリント基板1が載置されるレール25が配設されている。
【0052】
そして、X軸移動機構23及びY軸移動機構24が作動することで、プリント基板1の載置されたレール25がX軸方向及びY軸方向へスライド移動する。これにより、プリント基板1が任意の方向(X軸方向及びY軸方向)へ移動可能となる。
【0053】
また、図示は省略するが、レール25には、プリント基板1を搬送するための搬送手段が設けられている。
【0054】
例えばプリント基板1の両側を支持しつつ、当該プリント基板1をレール長手方向に沿って所定の搬送方向(本実施形態では、
図4の右方向)へと搬送する一対のコンベアベルトや、当該コンベアベルトを駆動するモータ等が設けられている。
【0055】
上記構成の下、上流側(本実施形態では、
図4の左側)より半田印刷検査装置13へ搬入され、レール25上に案内されたプリント基板1は、コンベアベルトの回転により、所定位置にまで案内された後、チャック等により押さえられ、レール25の所定位置に位置決めされる。そして、検査後には、チャック等による押さえが解除されると共に、プリント基板1は、コンベアベルトの回転により、半田印刷検査装置13より下流側(本実施形態では、
図4の右側)へ搬出される。
【0056】
また、半田印刷検査装置13は、三次元計測用照射手段26A及び二次元計測用照射手段26Bと、当該照射手段26A,26Bにより所定の光が照射されたプリント基板1を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ27と、半田印刷検査装置13内における各種制御や画像処理、演算処理等を行うための制御手段30とを備えている。
【0057】
三次元計測用照射手段26Aは、クリーム半田4の三次元計測を行うにあたり、プリント基板1の上面に対し斜め上方から所定の光パターンを照射するように構成されている。
【0058】
二次元計測用照射手段26Bは、プリント基板1上のパッド3やクリーム半田4、レジスト8などの各種領域を抽出するための二次元計測を行うにあたり、プリント基板1に対し所定の光を照射するように構成されている。
【0059】
より詳しくは、二次元計測用照射手段26Bは、青色光を照射可能なリングライト、緑色光を照射可能なリングライト、及び、赤色光を照射可能なリングライトとを具備している。尚、二次元計測用照射手段26Bの構成については、従来技術(特開2007−24510号公報参照)等と同様であるため、その詳細な説明については省略する。
【0060】
CCDカメラ27は、プリント基板1の真上に配置され、プリント基板1上の光の照射された部分を撮像可能となっている。当該CCDカメラ27によって撮像された画像データは、CCDカメラ27内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御手段30に入力される。そして、制御手段30は、当該画像データを基に、後述するような画像処理や検査処理等を実施する。
【0061】
尚、本実施形態におけるCCDカメラ27は、カラーカメラで構成されている。これにより、二次元計測用照射手段26Bの各色リングライトから同時に照射され、プリント基板1に反射した各色の光を一度に撮像することができる。勿論、モノクロカメラを採用することも可能であるが、かかる場合には、各色リングライトからの照射が交互に切換えられ、各色の光の撮像タイミングをずらして撮像することとなる。勿論、撮像手段は、CCDカメラに限られるものではなく、例えばCMOSカメラ等を採用してもよい。
【0062】
次に、半田印刷検査装置13の電気的構成について
図4を参照して説明する。
図4は、半田印刷検査装置13の電気的構成を示すブロック図である。
【0063】
半田印刷検査装置13は、CCDカメラ27の撮像タイミング等を制御して撮像を実行する撮像制御手段31、三次元計測用照射手段26A及び二次元計測用照射手段26Bを制御する照射制御手段32、X軸移動機構23を制御するX軸移動制御手段33、及び、Y軸移動機構24を制御するY軸移動制御手段34を備えている。
【0064】
撮像制御手段31は、制御手段30から出力される制御信号に基づき、CCDカメラ27の撮像制御を行う。
【0065】
照射制御手段32は、制御手段30から出力される制御信号に基づき、三次元計測用照射手段26A又は二次元計測用照射手段26Bの照射制御を行う。
【0066】
X軸移動制御手段33及びY軸移動制御手段34は、それぞれ制御手段30から出力される制御信号に基づき、X軸移動機構23及びY軸移動機構24の駆動制御を行う。
【0067】
制御手段30は、CPU、ROM、RAM、I/O、フリーランカウンタなどを備えるコンピュータであり、上記各手段31〜34等と電気的に接続されている。そして、これら各手段31〜34等との間で各種データや信号の入出力制御を行う機能を有する。
【0068】
また、半田印刷検査装置13は、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される入力手段36と、CRTや液晶等で構成される表示手段37と、CCDカメラ27により撮像された画像データ等に基づいてクリーム半田4等の三次元計測を行う三次元演算手段(三次元計測手段)38Aと、CCDカメラ27により撮像された画像データ等に基づいてクリーム半田4等の各種領域を抽出するための二次元計測を行う二次元演算手段(二次元計測手段)38Bと、画像データや三次元計測結果、二次元計測結果、検査結果などの各種データを記憶するためのデータ格納手段39と、上述した基板計測装置11や半田印刷機12、分岐装置などの外部装置と各種情報の送受信を行う通信手段40とを備えている。
【0069】
上記各手段36〜40は、制御手段30に対し電気的に接続されている。これにより、例えばデータ格納手段39に記憶された画像データや三次元計測結果、二次元計測結果、検査結果などの各種データを適宜、表示手段37に表示させることができる。また、通信手段40は、基板計測装置11や半田印刷機12等の外部装置と、LAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル等により接続されている。
【0070】
尚、基板計測装置11については、二次元計測に係る各種構成を除き、半田印刷検査装置13と同様の構成を有しているため、その詳細な説明については省略する。従って、以下、基板計測装置11に関連する各種説明を行う際には、半田印刷検査装置13と同一構成部分については同一の名称及び符号を用いて説明する。
【0071】
次に、上述したプリント基板1の製造工程のうち、本発明の主要部となる基板計測工程及び半田印刷検査工程についてより詳しく説明する。
【0072】
基板計測装置11によって行われる基板計測工程では、搬入されたプリント基板1が所定位置にセットされると、まず予め記憶されたガーバデータ等の基板設計データに基づき、計測対象となるプリント基板1上の各パッド3の座標位置及び領域を特定すると共に、当該パッド3に対応して予め設定された当該パッド3周辺のレジスト領域S内の複数のレジスト計測点Pの座標位置を特定する〔
図5(a)参照〕。
【0073】
図5(a)に示す例では、レジスト計測点P1(x1,y1)、P2(x2,y2)、P3(x3,y3)、P4(x4,y4)の4箇所が設定されている。尚、複数のレジスト計測点Pは、各パッド3毎に設定されており、その相対位置関係も各パッド3毎に異なる。また、かかる座標位置としては、例えばプリント基板1のコーナー部や所定の電極パターン2など、所定の目印を基準とした任意の座標位置を用いることができる。
【0074】
次にプリント基板1上の所定部位に対し三次元計測用照射手段26Aから光パターンが照射されると共に、当該光パターンの照射されたプリント基板1上の所定部位がCCDカメラ27により撮像される。
【0075】
尚、以下同様であるが、各種撮像は、プリント基板1に設定される検査エリア単位で行われる。そして、上記移動機構23,24によりプリント基板1を順次移動させることによって、プリント基板1全体を撮像することができる。そして、CCDカメラ27によって撮像された画像データは、上述したようにCCDカメラ27内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御手段30に入力され、データ格納手段39に記憶される。
【0076】
続いて、データ格納手段39に記憶された画像データに基づき、三次元演算手段38Aにて公知の位相シフト法により、各パッド3及びその周辺の複数のレジスト計測点Pにおけるレジスト8の三次元計測(高さ計測)を行う。
【0077】
より詳しくは、基板計測装置11の計測基準面K1からのパッド3の高さ(パッド3の絶対高さ)Pkと、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の計測基準面K1からの高さ(レジスト8の絶対高さ)Rk1とを計測し、これらをデータ格納手段39に記憶する〔
図6(a)参照〕。
【0078】
この際、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk1に関してはそれぞれ、その座標位置と関連付けて記憶される。例えば
図5(a)に示す例では、Rk1(x1,y1)、Rk1(x2,y2)、Rk1(x3,y3)、Rk1(x4,y4)の4つのレジスト8の絶対高さRk1とその座標位置とが関連付けて記憶される。
【0079】
そして、基板計測装置11は、上記パッド3の絶対高さPk、並びに、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk1及びこれに関連付けて記憶された座標位置情報を、検査対象となるプリント基板1及びパッド3を識別可能な情報と共に、通信手段40を介して半田印刷検査装置13へ送信する。
【0080】
一方、半田印刷検査装置13は、通信手段40を介して、これらの情報を受信すると、これらをデータ格納手段39に記憶し、その後、当該検査対象となるプリント基板1の検査を行う際に参照する。ここで、これら各種処理を行う通信手段40及びデータ格納手段39の機能により、本実施形態における半田印刷前情報取得手段が構成されることとなる。
【0081】
次に半田印刷検査装置13によって行われる半田印刷検査工程について
図7のフローチャートを参照してより詳しく説明する。
【0082】
半田印刷検査工程では、搬入されたプリント基板1が所定位置にセットされると、まずステップS101において二次元計測処理を実行する。
【0083】
より詳しくは、プリント基板1上の所定部位に対し二次元計測用照射手段26Bから各色の光が同時に照射されると共に、当該各色の光の照射されたプリント基板1上の所定部位がCCDカメラ27により撮像される。そして、撮像された画像データは、青色成分の輝度画像データ、赤色成分の輝度画像データ、及び、緑色成分の輝度画像データに分離した状態でデータ格納手段39に記憶される。
【0084】
続いて、ステップS102において、データ格納手段39に記憶された画像データに基づき、二次元演算手段38Bにより領域抽出処理を実行する。
【0085】
より詳しくは、プリント基板1上の各パッド3の領域、及び、当該パッド3周辺のレジスト領域Sを抽出する〔
図5(a)参照〕。具体的には、青色成分の輝度画像データを二値化し、これを基にクリーム半田4の領域を抽出する。同様に、赤色成分の輝度画像データを二値化し、これを基にパッド3の領域を抽出し、緑色成分の輝度画像データを二値化し、これを基にレジスト8の領域を抽出する。
【0086】
続いて、上記のように抽出したクリーム半田4の領域やパッド3周辺のレジスト領域Sを基に、上記基板計測装置11から取得した複数のレジスト計測点Pのうち、半田印刷後においてもレジスト8が露出した状態となっているレジスト計測点Pを選択する。
【0087】
例えば
図5(a)に示すように、半田印刷工程においてクリーム半田4が適正に印刷されている場合には、全てのレジスト計測点P(P1〜P4)が選択される。一方、
図5(b)に示すように、クリーム半田4がレジスト領域Sにはみ出して印刷され、基板計測工程においてレジスト8の絶対高さRk1を取得した4つのレジスト計測点P1〜P4の座標位置のうち、レジスト計測点P3,P4が、はみ出したクリーム半田4により覆われてしまった場合には、クリーム半田4により覆われていないレジスト計測点P1,P2が選択される。
【0088】
次にステップS103において、プリント基板1上の所定部位に対し三次元計測用照射手段26Aから光パターンが照射されると共に、当該光パターンの照射されたプリント基板1上の所定部位がCCDカメラ27により撮像され、かかる画像データがデータ格納手段39に記憶される。
【0089】
そして、データ格納手段39に記憶された画像データに基づき、三次元演算手段38Aにて公知の位相シフト法により、各クリーム半田4及びその周辺にてクリーム半田4により覆われていないレジスト計測点Pにおけるレジスト8の三次元計測(高さ計測)を行う。例えば
図5(a)に示す例ではレジスト計測点P1〜P4の全て、
図5(b)に示す例では、レジスト計測点P1,P2の2箇所に係るレジスト8の三次元計測を行う。かかる処理を実行する機能が主として本実施形態における半田印刷後情報取得手段を構成する。
【0090】
より詳しくは、半田印刷検査装置13の計測基準面K2からのクリーム半田4の高さ(クリーム半田4の絶対高さ)Hkと、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の計測基準面K2からの高さ(レジスト8の絶対高さ)Rk2を計測し、これらをデータ格納手段39に記憶する〔
図6(b)参照〕。
【0091】
そして、ステップS104において、上記ステップS103にて取得した各種高さ情報と、上記基板計測装置11から取得した各種高さ情報に基づき、各パッド3に対するクリーム半田4の高さHpを算出する。かかる処理を実行する機能が本実施形態における演算手段を構成する。
【0092】
より詳しくは、まず上記ステップS103の三次元計測により取得したクリーム半田4の絶対高さHkから、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk2を減算する下記の式(1)を基に、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8に対するクリーム半田4の高さHrを算出する〔
図6(b)参照〕。
【0093】
Hr=Hk−Rk2…(1)
これにより、
図5(a)の例では、4つのレジスト計測点P1〜P4に対応して、レジスト8に対するクリーム半田4の高さHrが4通り算出され、
図5(b)の例では、2つのレジスト計測点P1,P2に対応して、レジスト8に対するクリーム半田4の高さHrが2通り算出されることとなる。
【0094】
続いて、上記基板計測装置11から取得した各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk1から、パッド3の絶対高さPkを減算する下記の式(2)を基に、パッド3に対するレジスト8の高さRpを算出する。
【0095】
Rp=Rk1−Pk…(2)
これにより、
図5(a)の例では、4つのレジスト計測点P1〜P4に対応して、パッド3に対するレジスト8の高さRpが4通り算出され、
図5(b)の例では、2つのレジスト計測点P1,P2に対応して、パッド3に対するレジスト8の高さRpが2通り算出されることとなる。
【0096】
さらに、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8に対するクリーム半田4の高さHrに対し、パッド3に対するレジスト8の高さRpを加算する下記の式(3)を基に、パッド3に対するクリーム半田4の高さHpを算出する。
【0097】
Hp=Hr+Rp…(3)
これにより、
図5(a)の例では、4つのレジスト計測点P1〜P4に対応して、パッド3に対するクリーム半田4の高さHpが4通り算出され、
図5(b)の例では、2つのレジスト計測点P1,P2に対応して、パッド3に対するクリーム半田4の高さHpが2通り算出されることとなる。
【0098】
そして、ステップS105において、ステップS104にて算出されたパッド3に対するクリーム半田4の高さHpを基に、クリーム半田4の印刷状態の良否判定を行う。かかる処理を実行する機能が本実施形態における良否判定手段を構成する。
【0099】
より詳しくは、複数のレジスト計測点P個々に対応して算出したパッド3に対するクリーム半田4の高さHpの複数の値又はその平均値が予め設定した基準データと比較判定され、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、所定のパッド3におけるクリーム半田4の印刷状態の良否が判定される。
【0100】
例えば
図5(a)の例では、4つのレジスト計測点P1〜P4個々に対応して算出したパッド3に対するクリーム半田4の高さHpの4通り全ての値又はその平均値が、
図5(b)の例では、2つのレジスト計測点P1,P2個々に対応して算出されたパッド3に対するクリーム半田4の高さHpの2通り全ての値又はその平均値がそれぞれ予め設定した基準データと比較判定されることとなる。
【0101】
制御手段30は、各パッド3毎に「良品判定(OK)」又は「不良品判定(NG)」を行う。そして、プリント基板1上の全てのパッド3におけるクリーム半田4の印刷状態について良品判定された場合には、当該プリント基板1に対し「良品判定(OK)」を行う。一方、上記個別の良否判定(各パッド3毎の良否判定)において、1つでも「不良品判定(NG)」がなされた場合には、当該プリント基板1に対し全体として「不良品判定(NG)」を行う。
【0102】
その後、制御手段30は、上記良否判定の行われたプリント基板1に係る判定結果を、当該プリント基板1に係る上記画像データや計測結果等と共にデータ格納手段39に記憶し、検査を完了する。
【0103】
以上詳述したように、本実施形態によれば、半田印刷の前後で同一座標位置におけるレジスト8の計測基準面Kからの高さ情報を取得し、これを基にパッド3に対するクリーム半田4の高さ情報を算出する構成となっている。
【0104】
これにより、基板計測装置11の計測基準面K1と半田印刷検査装置13の計測基準面K2との違いや、基板計測工程と半田印刷検査工程におけるプリント基板1の姿勢や反り具合の違い、基板計測工程と半田印刷検査工程におけるレジスト領域Sの抽出結果の違い等の影響を受けることなく、パッド3基準のクリーム半田4の高さ情報を取得することが可能となる。結果として、検査精度の向上を図ることができる。
【0105】
また、本実施形態では、半田印刷工程においてクリーム半田4がレジスト領域Sにはみ出して印刷され、基板計測工程においてレジスト8の高さ情報を取得した複数のレジスト計測点P(例えばレジスト計測点P1〜P4)のうちの一部のレジスト計測点P(例えばレジスト計測点P3,P4)が、はみ出したクリーム半田4により覆われ、レジスト8の高さ情報が取得できなくなった場合でも、クリーム半田4により覆われていないレジスト計測点P(例えばレジスト計測点P1,P2)を選択し、かかるレジスト計測点Pに対応して算出したパッド3に対するクリーム半田4の高さHpを基に、当該クリーム半田4の良否判定を行う構成となっている。
【0106】
その結果、半田印刷の前後でレジスト8の高さ情報を取得するレジスト計測点Pが一致しない等の不具合が発生を防止することができ、検査精度の向上を図ることができる。
【0107】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0108】
(a)上記実施形態では、基板計測装置11から、パッド3の絶対高さPk、並びに、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk1及びこれに関連付けて記憶された座標位置情報を半田印刷検査装置13へ送信すると共に、半田印刷検査装置13において、各レジスト計測点Pにおけるレジスト8の絶対高さRk1から、パッド3の絶対高さPkを減算し、パッド3に対するレジスト8の高さRpを算出する構成となっている。
【0109】
これに限らず、例えば基板計測装置11において、上記のようにパッド3に対するレジスト8の高さRpを算出し、かかるレジスト8の高さRpと、各レジスト計測点Pに係る座標位置情報とを関連付けて半田印刷検査装置13へ送信する構成としてもよい。
【0110】
(b)上記実施形態では、特に言及していないが、レジスト8の絶対高さRk(Rk1,Rk2)を計測するレジスト計測点Pの座標位置は、電極パターン2がレジスト8により被覆された座標位置であることが好ましい。
【0111】
図8に示すように、レジスト8やベース基板7などの半透明層は、計測光Mの一部を透過させてしまうため、高さ計測時に誤差が生じやすい。また、その誤差は半透明層の厚みに比例して増大するおそれがある。
【0112】
これに対し、電極パターン2などの不透明層は光を遮るため、当該電極パターン2がレジスト8により被覆された部位では、電極パターン2のない部位よりも計測光Mを透過させてしまう半透明層の厚みが薄くなる。
【0113】
結果として、上記構成によれば、レジスト8の高さ計測をより精度良く行うことができる。
【0114】
(c)上記実施形態では、各パッド3毎に複数のレジスト計測点Pを設定しているが、これに限らず、各パッド3毎に設定されるレジスト計測点Pが1箇所だけの構成としてもよい。また、複数のパッド3に対しレジスト計測点Pを1箇所だけ設定する構成としてもよい。つまり、レジスト計測点Pを設定する位置は、パッド3周辺のレジスト領域Sに限定されるものではなく、パッド3から比較的離れた位置であってもよい。ひいては、プリント基板1に対し1箇所だけレジスト計測点Pを設定する構成としてもよい。
【0115】
(d)上記実施形態に係る半田印刷検査装置13では、二次元計測用照射手段26Bから3色の光を照射して行う二次元計測により、クリーム半田4の領域やその周辺のレジスト領域Sなどを抽出する構成となっているが、クリーム半田4等の領域抽出方法は、これに限定されるものではない。例えば、他の二次元計測により行ってもよいし、三次元計測により行ってもよい。
【0116】
(e)上記実施形態に係る基板計測装置11では、予め記憶されたガーバデータ等の基板設計データに基づき、パッド3の領域やその周辺のレジスト領域Sを特定する構成となっているが、これに限らず、半田印刷検査装置13と同様に、二次元計測等によりパッド3の領域等を抽出する構成としてもよい。
【0117】
(f)上記実施形態では、三次元計測方法として位相シフト法を採用しているが、他にも光切断法や、モアレ法、合焦法、共焦点法、空間コード法、格子縞投影法等といった各種三次元計測方法を採用することもできる。
【0118】
(g)上記実施形態では、基板計測装置11及び半田印刷検査装置13において、プリント基板1をチャック等により挟持した状態で、プリント基板1の計測を行う構成となっているが、これに限らず、基板計測装置11及び半田印刷検査装置13において、プリント基板1が押圧又は挟持されることなく載置された状態で各種計測が行われる構成としてもよい。
【0119】
上記実施形態のように、基板計測装置11及び半田印刷検査装置13における計測時に、プリント基板1をチャック等により挟持して位置決めする構成となっていると、プリント基板1が変形し、反り具合等が変化してしまうおそれがある。その結果、同一のレジスト計測点P(同一座標位置)であっても半田印刷の前後で計測されるレジスト8の高さが変化してしまい、誤差の原因となり得る。
【0120】
この点、上記構成とすれば、プリント基板1に対し無理な力を加えることなく、自然のままの状態で計測することができるため、上記不具合の発生を防止することができる。
【0121】
(h)クリーム半田4の良否判定方法は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば複数のレジスト計測点P個々に対応して算出したパッド3に対するクリーム半田4の高さHpの複数の値のうち、所定数以上の値が許容範囲内にある場合に良品判定されるような構成としてもよい。
【0122】
また、複数のレジスト計測点P個々に対応して算出したパッド3に対するクリーム半田4の高さHpの複数の値のうち、上限値及び下限値を除く他の値がすべて許容範囲内にある場合に良品判定されるような構成としてもよい。