【解決手段】表示パネルドライバが、nビットのディザ値を用いたディザ処理を第1画像データに対して行って第2画像データを生成するディザ処理部と、第2画像データに応じて表示パネルの複数のソース線を駆動する駆動回路とを具備する。ディザ値は、nビットの値を要素として有するディザテーブルから選択される。第1画素列に属する画素に対応する第2画像データの値の算出において、ディザ値は、ディザテーブルの第1列の要素のうちから選択される。第1画素列に隣接する第2画素列に属する画素に対応する第2画像データの値の算出において、ディザ値は、ディザテーブルの第2列の要素のうちから選択される。ディザテーブルの第1列の全ての要素の値は、ディザテーブルの要素のうち値が小さい方から半数に属しており、ディザテーブルの第2列の全ての要素の値は、ディザテーブルの要素のうち値が大きい方から半数に属している。
複数のソース線と、それぞれが前記複数のソース線が延伸する第1方向に並んだ複数の画素を備える複数の画素列とを備え、前記複数の画素の副画素が前記複数のソース線のうちの対応するソース線に接続された表示パネルを駆動する表示パネルドライバであって、
mビット(mは、3以上の整数)の第1画像データを受け取り、nビットのディザ値(nは、2以上m以下の整数)を用いたディザ処理を前記第1画像データに対して行って第2画像データを生成するディザ処理部と、
前記第2画像データに応じて前記表示パネルの前記複数のソース線を駆動する駆動回路
とを具備し、
前記ディザ値は、それぞれがnビットの値である要素を有するディザテーブルから選択され、
前記複数の画素列のうちの第1画素列に属する第1画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第1画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第1列の要素のうちから選択され、
前記複数の画素列のうちの前記第1画素列に前記第1方向に垂直な第2方向において隣接する第2画素列に属する第2画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第2画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第2列の要素のうちから選択され、
前記ディザテーブルの前記第1列の全ての要素は、前記ディザテーブルの全要素のうち値が小さい方の半数に属し、前記ディザテーブルの前記第2列の全ての要素は、前記ディザテーブルの要素のうち値が大きい方から半数に属している
表示パネルドライバ。
複数のソース線と、それぞれが前記複数のソース線が延伸する第1方向に並んだ複数の画素を備える複数の画素列とを備え、前記複数の画素の副画素が前記複数のソース線のうちの対応するソース線に接続された表示パネルと、
表示パネルドライバ
とを具備し、
前記表示パネルドライバは、
mビット(mは、3以上の整数)の第1画像データを受け取り、nビットのディザ値(nは、2以上m以下の整数)を用いたディザ処理を前記第1画像データに対して行って第2画像データを生成するディザ処理部と、
前記第2画像データに応じて前記表示パネルの前記複数のソース線を駆動する駆動回路
とを備え、
前記ディザ値は、それぞれがnビットの値である要素を有するディザテーブルから選択され、
前記複数の画素列のうちの第1画素列に属する第1画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第1画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第1列の要素のうちから選択され、
前記複数の画素列のうちの前記第1画素列に前記第1方向に垂直な第2方向において隣接する第2画素列に属する第2画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第2画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第2列の要素のうちから選択され、
前記ディザテーブルの前記第1列の全ての要素の値は、前記ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属し、前記ディザテーブルの前記第2列の全ての要素の値は、前記ディザテーブルの要素のうち値が大きい方から半数に属している
表示装置。
複数のソース線と、それぞれが前記複数のソース線が延伸する第1方向に並んだ複数の画素を備える複数の画素列とを備え、前記複数の画素の副画素が前記複数のソース線のうちの対応するソース線に接続された表示パネルを駆動する駆動方法であって、
mビット(mは、3以上の整数)の第1画像データを受け取り、nビットのディザ値(nは、2以上m以下の整数)を用いたディザ処理を前記第1画像データに対して行って第2画像データを生成するステップと、
前記第2画像データに応じて前記表示パネルの前記複数のソース線を駆動するステップとを具備し、
前記ディザ値は、それぞれがnビットの値である要素を有するディザテーブルから選択され、
前記複数の画素列のうちの第1画素列に属する第1画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第1画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第1列の要素のうちから選択され、
前記複数の画素列のうちの前記第1画素列に前記第1方向に垂直な第2方向において隣接する第2画素列に属する第2画素に対応する前記第2画像データの値の算出において、前記ディザ値は、前記第2画素のアドレスに応じて前記ディザテーブルの第2列の要素のうちから選択され、
前記ディザテーブルの前記第1列の全ての要素の値は、前記ディザテーブルの要素のうち値が小さい方からから半数に属しており、前記ディザテーブルの前記第2列の全ての要素の値は、前記ディザテーブルの要素のうち値が大きい方からから半数に属している
表示パネルの駆動方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の様々な実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は対応する構成要素は、同一又は対応する参照符号で参照され得ることに留意されたい。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置1は、処理装置2から受け取った画像データD
INと制御データD
CTRLに応答して画像を表示する液晶表示装置として構成されており、液晶表示パネル3と、コントローラドライバ4と、バックライト5と、バックライト制御IC6とを備えている。
【0023】
液晶表示パネル3は、画像が表示される表示領域7と、ゲート線駆動回路8とを備えている。表示領域7には、複数の画素11が配置されており、更に、複数のゲート線12と複数のソース線13とが配置されている。ゲート線駆動回路8は、コントローラドライバ4による制御の下、ゲート線12を駆動する。本実施形態では、ゲート線駆動回路8は、GIP(gate in panel)技術により、液晶表示パネル3のガラス基板上に形成される。
【0024】
以下の説明では、液晶表示パネル3の表示領域7にXY座標系を設定する。当該XY座標系のX軸方向は、ゲート線12が延伸されている方向に定義され、Y軸方向は、ソース線13が延伸されている方向に定義される。以下において、各画素11の位置をアドレスX、Yで表すことがある。ここで、アドレスXは、当該XY座標系におけるX座標を指定し、アドレスYは、Y座標を指定する。
【0025】
画素11は、表示領域7に行列に配置されている。以下において、Y軸方向に並ぶ1列の画素11を画素列と呼ぶことがある。
図1には、2列の画素列(より厳密には2列の画素列の一部の画素11)が図示されているが、実際の実施においては多数の画素列が表示領域7に設けられることは、当業者には容易に理解されよう。
【0026】
各画素11は、R副画素14R、G副画素14G及びB副画素14Bを備えている。ここで、R副画素14R、G副画素14G及びB副画素14Bは、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)を表示する副画素である。なお本実施形態では、同一の画素列に属する画素11のR副画素14Rは、同一のソース線13に接続される。同様に、同一の画素列に属する画素11のG副画素14Gは、同一のソース線13に接続され、同一の画素列に属する画素11のB副画素14Bは、同一のソース線13に接続される。なお、以下において、色を区別しない場合には、R副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bは、副画素14と総称されることがある。
【0027】
本実施形態では、処理装置2から供給される画像データD
INは、各画素11の各副画素14の階調を8ビットで示すデータとして生成される。即ち、本実施形態では、R副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bの階調数は256である。画像データD
INは、各画素11の色を24ビットで表すことになる。なお、画像データD
INにおいて、各画素11の各副画素14の階調を示すビットの数は、8に限定されない。
【0028】
以下において、画像データD
INのうち、R副画素14Rの階調を示すデータをRデータD
INRと呼ぶことがある。同様に、画像データD
INのうち、G副画素14Gの階調を示すデータをGデータD
INGと呼び、B副画素14Bの階調を示すデータをBデータD
INBと呼ぶことがある。
【0029】
コントローラドライバ4は、液晶表示パネル3を駆動する表示パネルドライバとして動作すると共に、表示装置1における様々な制御を行うコントローラとしても動作する。第1に、コントローラドライバ4は、処理装置2から受け取った画像データD
INと制御データD
CTRLに応答して液晶表示パネル3のソース線13を駆動する。コントローラドライバ4は、更に、制御データD
CTRLに応答してバックライト制御IC6及びゲート線駆動回路8を制御する。
【0030】
バックライト5は、バックライト制御IC6によって駆動されて液晶表示パネル3を照明する。バックライト制御IC6は、コントローラドライバ4による制御の下、バックライト5を駆動する。バックライト5の駆動においては、バックライト制御IC6は、コントローラドライバ4から受け取った制御信号に応答してバックライト5の輝度を制御する。
【0031】
図2は、本実施形態におけるコントローラドライバ4の構成を示すブロック図である。コントローラドライバ4は、命令制御回路21と、画像メモリ22と、画像処理回路23と、ソース線駆動回路24と、階調電圧発生回路25と、パネルインタフェース回路26と、タイミング制御回路27とを備えている。
【0032】
命令制御回路21は、処理装置2から受け取った画像データD
INを画像メモリ22に転送する。加えて、命令制御回路21は、処理装置2から受け取った制御データD
CTRLに応じてコントローラドライバ4の各回路を制御する。命令制御回路21が行う制御の例は、以下のとおりである。第1に、命令制御回路21は、画像処理回路23が実行すべき画像処理の内容を指示する画像処理制御信号を生成する。第2に、命令制御回路21は、階調電圧発生回路25が発生する階調電圧を制御する。第3に、命令制御回路21は、制御データD
CTRLに含まれるコマンドや制御パラメータをタイミング制御回路27に供給し、これによりタイミング制御回路27を制御する。命令制御回路21は、更に、バックライト制御IC6を制御する。
【0033】
画像メモリ22は、命令制御回路21を通じて処理装置2から受け取った画像データD
INを一時的に保存する。本実施形態では、画像メモリ22は、1フレームの画像に対応する画像データD
INを記憶する容量を有している。例えば、液晶表示パネル3の表示領域7にV×H個の画素11が設けられ、各画素11が3つの副画素14を有する場合には、V×H×3個の副画素14の階調を示す画像データD
INが画像メモリ22に格納される。
【0034】
画像処理回路23は、命令制御回路21から受け取った画像処理制御信号に応答して画像メモリ22から読み出した画像データD
INに対して所望の画像処理を行う。注目画素(画像データD
INが画像処理となっている画素11)の表示領域7における位置に応じた画像処理を行うために、画像処理回路23には、注目画素のアドレスX、Yを示すアドレスデータが命令制御回路21から供給される。画像処理回路23から出力される画像データを、以下では、処理後画像データD
OUTと記載することがある。また、処理後画像データD
OUTのうちR副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bの階調を示すデータを、それぞれ、処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBと記載することがある。処理後画像データD
OUTは、ソース線駆動回路24に送られる。
【0035】
本実施形態では、画像処理回路23は、画像データD
INに対して8色処理を行うことができるように構成されている。ここで、8色処理とは、元の画像データ(本実施形態では、画像メモリ22から読み出した画像データD
IN)を、各画素11の色数が8色、即ち、R副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bの階調数がそれぞれ2であるような画像データに変換する処理をいう。8色処理が行われる場合、処理後画像データD
OUTは、R副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bそれぞれの「点灯(turn-on)」、「消灯(turn-off)」を指定する3ビットデータとして生成される。ここで、「点灯」とは、副画素14を最高階調に対応する駆動電圧で駆動することをいい、「消灯」とは、副画素14を最低階調に対応する駆動電圧で駆動することをいう。すなわち、8色処理が行われる場合、処理後画像データD
OUTは、R副画素14R、G副画素14G、B副画素14Bそれぞれの階調を、最高階調(第1値)又は最低階調(第2値)で指示する2値画像データとして生成される。後に詳細に述べられるように、本実施形態の表示装置1は、画像処理回路23において特別に工夫された8色処理を行い、これにより、表示画像の画質をある程度確保しながら、表示装置1の消費電力が低減可能であるように構成されている。
【0036】
以下において、画像処理回路23が8色処理を行う動作モードを、8色処理モードと呼ぶことがある。コントローラドライバ4が8色処理モードに設定されると、画像処理回路23は8色処理を行う。なお、画像処理回路23は、8色処理に加え、他の画像処理を行うことも可能であるように構成されてもよい。この場合、画像処理回路23は、必要に応じて、命令制御回路21から受け取った画像処理制御信号で指定された画像処理を行う。
【0037】
ソース線駆動回路24は、画像処理回路23から受け取った処理後画像データD
OUTに応答して液晶表示パネル3のソース線13を駆動する。詳細には、ソース線駆動回路24は、表示ラッチ部24aとDA変換部24bとを備えている。表示ラッチ部24aは、画像処理回路23から出力される処理後画像データD
OUTを順次にラッチし、一時的に保持する。表示ラッチ部24aは、1水平ラインの画素11(即ち、一のゲート線12に接続されている画素11)に対応する処理後画像データD
OUTを保持する容量を有している。表示ラッチ部24aは、画像処理回路23からラッチした処理後画像データD
OUTをDA変換部24bに転送する。
【0038】
DA変換部24bは、表示ラッチ部24aから受け取った処理後画像データD
OUTに対してデジタル−アナログ変換を行って処理後画像データD
OUTに指定された各副画素14の階調に対応する駆動電圧を生成する。DA変換部24bは、生成した駆動電圧を対応するソース線13に出力してソース線13を駆動する。駆動電圧の生成には、階調電圧発生回路25から供給される階調電圧が用いられる。本実施形態では、階調電圧発生回路25から階調電圧V
0+〜V
255+、V
0−〜V
255−が供給される。ここで、階調電圧V
0+〜V
255+は、「正極性」の駆動電圧が選択される階調電圧であり、階調電圧V
0−〜V
255−は、「負極性」の駆動電圧が選択される階調電圧である。本明細書においては、駆動電圧の極性とは、該駆動電圧と液晶表示パネル3の対向電極の電圧(共通電圧V
COMと呼ばれる)の比較により定義される。「正極性」の駆動電圧とは、共通電圧V
COMよりも高い電圧をいい、「負極性」の駆動電圧とは、共通電圧V
COMよりも低い電圧をいう。ある水平ラインの画素11の副画素14の駆動においては、処理後画像データD
OUTに指定された各副画素14の駆動電圧の極性及び階調に対応する階調電圧が階調電圧発生回路25から受け取った階調電圧のうちから選択され、選択された階調電圧が対応するソース線13に出力される。
【0039】
階調電圧発生回路25は、DA変換部24bに階調電圧V
0+〜V
255+、V
0−〜V
255−を供給する。
図3は、本実施形態における階調電圧発生回路25の構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
階調電圧発生回路25は、階調基準電圧生成回路31と、M個の正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1と、M個の負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1と、正側ラダー抵抗34と、負側ラダー抵抗35と、制御回路36とを備えている。
【0041】
階調基準電圧生成回路31は、階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+、V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−を生成する。ここで、階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+は、階調電圧V
0+〜V
255+の生成に用いられる一セットの電圧である。階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+のうち最も低い電圧であるV
REF(0)+は、最低階調に対応する正極性の階調電圧V
0+と同一の電圧に設定され、最も高い電圧であるV
REF(M−1)+は、最高階調に対応する正極性の階調電圧V
255+と同一の電圧に設定される。同様に、階調基準電圧V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−は、階調電圧V
0―〜V
255−の生成に用いられる一セットの電圧である。階調基準電圧V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−のうち最も高い電圧であるV
REF(0)−は、最低階調に対応する負極性の階調電圧V
0−と同一の電圧に設定され、最も低い電圧であるV
REF(M−1)−は、最高階調に対応する負極性の階調電圧V
255−と同一の電圧に設定される。階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+、V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−を制御することにより、コントローラドライバ4のガンマ特性を調節することができる。
【0042】
正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1は、ボルテッジフォロアとして構成されており、それぞれ、階調基準電圧生成回路31から受け取った階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+と同一の電圧を出力する。ここで、階調基準電圧V
REF(0)+を出力する正側ガンマアンプ32
0の出力は、正側ラダー抵抗34の一端に接続され、階調基準電圧V
REF(M−1)+を出力する正側ガンマアンプ32
M−1の出力は、正側ラダー抵抗34の他端に接続される。正側ガンマアンプ32
1〜32
M−2の出力は、正側ラダー抵抗34の中間の位置に接続される。
【0043】
同様に、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1は、ボルテッジフォロアとして構成されており、それぞれ、階調基準電圧生成回路31から受け取った階調基準電圧V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−と同一の電圧を出力する。ここで、階調基準電圧V
REF(0)−を出力する負側ガンマアンプ33
0の出力は、負側ラダー抵抗35の一端に接続され、階調基準電圧V
REF(M−1)−を出力する負側ガンマアンプ33
M−1の出力は、負側ラダー抵抗35の他端に接続される。負側ガンマアンプ33
1〜33
M−2の出力は、負側ラダー抵抗35の中間の位置に接続される。
【0044】
正側ラダー抵抗34は、電圧分割により、正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1から出力される階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+から階調電圧V
0+〜V
255+を生成する。ここで、正側ラダー抵抗34の両端に生成される電圧、即ち、階調基準電圧V
REF(0)+、V
REF(M−1)+が、そのまま階調電圧V
0+、V
255+として出力され、正側ラダー抵抗34の中間の各位置に生成される電圧が階調電圧V
1+〜V
254+として出力される。
【0045】
同様に、負側ラダー抵抗35は、電圧分割により、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1から出力される階調基準電圧V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−から階調電圧V
0−〜V
255−を生成する。ここで、負側ラダー抵抗35の両端に生成される電圧、即ち、階調基準電圧V
REF(0)−、V
REF(M−1)−が、階調電圧V
0−、V
255−として出力され、負側ラダー抵抗35の中間の各位置に生成される電圧が階調電圧V
1−〜V
254−として出力される。
【0046】
制御回路36は、命令制御回路21から受け取った階調電圧制御信号に応答して階調基準電圧生成回路31と正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1と負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1とを制御する。より具体的には、制御回路36は、階調電圧制御信号に応答して階調基準電圧生成回路31から出力される階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+、V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−の電圧レベルを制御する。
【0047】
加えて、制御回路36は、階調電圧制御信号に応答して、正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1の動作の開始及び動作の停止を制御する。後述のように、本実施形態では、コントローラドライバ4が8色処理モードに設定された場合(即ち、画像処理回路23において8色処理が行われる場合)、正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1のうち最低階調に対応する階調電圧V
0+、V
0−及び最高階調に対応する階調電圧V
255+、V
255−を出力するガンマアンプ32
0、32
M−1、33
0、33
M−1以外のガンマアンプの動作が停止され、これにより、8色処理モードにおける消費電力が低減される。
【0048】
図2を再度に参照して、パネルインタフェース回路26は、液晶表示パネル3に集積化されたゲート線駆動回路8を制御する。ゲート線駆動回路8は、パネルインタフェース回路26による制御の下、表示領域7のゲート線12を駆動する。
【0049】
タイミング制御回路27は、命令制御回路21から受け取ったコマンドや制御パラメータに応答してコントローラドライバ4の各回路にタイミング制御信号を供給し、これにより、コントローラドライバ4のタイミング制御を行う。
【0050】
ここで、多階調の画像データが与えられた場合(即ち、8色処理モードに設定されない場合)におけるソース線駆動回路24のガンマ特性は、階調電圧発生回路25によって生成される階調電圧V
0+〜V
255+、V
0−〜V
255−の電圧レベルの分布によって決まることに留意されたい。ソース線駆動回路24を所望のガンマ特性に設定するためには、階調電圧V
0+〜V
255+、V
0−〜V
255−の電圧レベルの分布を、該所望のガンマ特性に合わせて決めればよい。上述のように、階調電圧V
0+〜V
255+、V
0−〜V
255−は、階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+、V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−から生成されるから、階調基準電圧V
REF(0)+〜V
REF(M−1)+、V
REF(0)−〜V
REF(M−1)−を制御することにより、ソース線駆動回路24を所望のガンマ特性に設定することができる。
【0051】
画像処理回路23において画像処理が行われる場合には、コントローラドライバ4全体としてのガンマ特性は、画像処理回路23において画像処理のガンマ特性と、ソース線駆動回路24のガンマ特性の重ね合わせとして決定される。適正な輝度で画像を表示するためには、コントローラドライバ4全体としてのガンマ特性を、液晶表示パネル3の電圧−透過率特性に合わせて設定することが望ましい。
【0052】
本実施形態の表示装置1では、通常動作が行われる場合、画像メモリ22から読み出された画像データD
INに対して必要に応じて画像処理回路23によって画像処理が行われ、該画像処理によって得られた処理後画像データD
OUTに応じて液晶表示パネル3が駆動される。画像処理が不要であれば、画像処理回路23による画像処理は行われなくてもよい。
【0053】
一方で消費電力の低減が求められる場合、コントローラドライバ4が8色処理モードに設定される。コントローラドライバ4が8色処理モードに設定されると、画像処理回路23は、8色処理を行って処理後画像データD
OUTを生成する。以下に議論するように、8色処理モードは、消費電力の低減に寄与する。
【0054】
第1に、8色処理モードにおいて階調電圧発生回路25に含まれるガンマアンプ(階調電圧の生成に用いられるオペアンプ)のうち不要なものの動作を停止することで、消費電力を低減することができる。例えば、
図3に図示されている階調電圧発生回路25の構成では、コントローラドライバ4が8色処理モードに設定されたときに、正側ガンマアンプ32
0〜32
M−1、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−1のうち最低階調に対応する階調電圧V
0+、V
0−及び最高階調に対応する階調電圧V
255+、V
255−を出力するガンマアンプ32
0、32
M−1、33
0、33
M−1以外のガンマアンプの動作が停止される。即ち、コントローラドライバ4が8色処理モードに設定されると、正側ガンマアンプ32
1〜32
M−2、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−2の動作が停止される。8色処理モードでは、ソース線駆動回路24に供給される処理後画像データD
OUTにおいて、各画素11の各副画素14の階調として最高階調及び最低階調以外の階調は使用されない。したがって、8色処理モードでは、中間階調(最高階調及び最低階調以外の階調)に対応する階調電圧は生成する必要がなく、正側ガンマアンプ32
1〜32
M−2、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−2の動作を停止しても最低階調に対応する階調電圧V
0+、V
0−及び最高階調に対応する階調電圧V
255+、V
255−を生成可能である。本実施形態のコントローラドライバ4は、8色処理モードに設定されたときに、正側ガンマアンプ32
1〜32
M−2、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−2の動作を停止することで消費電力を低減するように構成されている。命令制御回路21は、コントローラドライバ4を8色処理モードに設定する場合、階調電圧制御信号を用いて正側ガンマアンプ32
1〜32
M−2、負側ガンマアンプ33
0〜33
M−2の動作を停止する。
【0055】
第2に、8色処理モードでは、フレームレートを低減することで消費電力を低減することができる。8色処理モードでは、液晶表示パネル3に用いられる液晶の特性により、フレームレートの低減が画質に影響しにくい。
図4は、液晶の一般的な透過率−電圧特性を示すグラフである。液晶は、印加電圧が高い場合及び低い場合に透過率の変化が小さく、印加電圧が中間の電圧である場合に変化率が大きい特性を示す。最高階調及び最低階調しか用いられない8色処理モードでは、透過率−電圧特性の電圧が高い領域及び低い領域しか用いられないので、フレームレートの低減により各副画素14の画素電極の電圧に多少の変動が生じても、その変動が画質に影響しない。これは、8色処理モードではフレームレートを低減して消費電力を低減可能であることを意味している。
【0056】
8色処理モードは、表示装置1を搭載する携帯端末が待ち受け状態に設定される場合に特に有用である。待ち受け状態では、消費電力の低減が強く求められる。このため、コントローラドライバ4を8色処理モードに設定して消費電力を低減することは有用である。また、待ち受け状態では、通常、動画の表示は要求されないので、コントローラドライバ4を8色処理モードに設定すると共にフレームレートを低減しても、画質に影響しにくい。
【0057】
本実施形態の表示装置1の一つの特徴は、画像処理回路23において行われる8色処理にある。以下では、本実施形態において行われる8色処理について詳細に説明する。
【0058】
多階調の画像データに対して8色処理を実現する最も単純な方法は、各副画素の階調を示すデータの最上位ビットにより、該副画素の「点灯」、「消灯」を決定することである。注目画素の各副画素の階調を示すデータの最上位ビットが“1”である場合に該副画素を「点灯」し、最上位ビットが“0”である場合に該副画素を「消灯」することで、各画素の色数が8であるような画像を表示することができる。しかしながら、
図5Aから理解されるように、このような8色処理では、画像における階調の変化が十分に表現できないので、画質が大きく劣化してしまう。ここで、
図5A(a)は、8色処理が行われない元画像を示しており、
図5A(b)は、最上位ビットによる8色処理によって得られる画像を示している。
【0059】
8色処理は、減らされるビット数が多い減色処理と考えてもよい。よって、画質の劣化を軽減する減色処理の一つとして公知であるディザ処理は、有力な8色処理の候補の一つである。一般的には、ディザ処理は、ランダムに決められたディザ値を画像データに加算した上で下位ビットを切り捨てることで行われる。例えば、各副画素の階調を8ビットで表す画像データについての8色処理は、8ビットのディザ値を各副画素の画像データに加算し(結果として得られる値は9ビットである)、下位8ビットを切り捨てる処理により実現することができる。
【0060】
このようなディザ処理による8色処理の検討において発明者が見出した問題の一つは、8色処理によって得られた画像データに基づいて表示した画像の明るさが、元画像の本来の明るさと相違してしまうことである。以下では、このような現象が生じる理由を説明する。
【0061】
発明者の知見によれば、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理による8色処理は、ガンマ値γが1であるような画像処理に相当する。
図5Bは、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理による8色処理のガンマ特性について示す図である。ここで、各副画素の階調は8ビットの値(0〜255)で表されるとしている。
【0062】
ランダムに決められたディザ値を用いてある副画素の画像データについてディザ処理を行う場合、当該副画素が「点灯」される確率は、当該副画素について画像データで指定された階調に比例して増加する。例えば、ある副画素について指定された階調が0である場合には、該副画素が「点灯」する確率は0%であり、階調が255である場合には、100%の確率で「消灯」する。階調が128である場合には、ディザ値が0〜127である場合に該副画素が「点灯」し、ディザ値が128〜255である場合に「消灯」する。言い換えれば、階調が128である場合には、50%の確率で該副画素が「点灯」し、50%の確率で該副画素が「消灯」する。よって、表示される画像における該副画素の輝度は、実質的に、最高輝度の50%になる。このように、副画素が「点灯」される確率は、該副画素について指定された階調に比例して増加し、実際に表示される画面における該副画素の実質的な輝度も、該副画素について指定された階調に比例して増加することになる。これは、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理のガンマ値が1であることを意味している。
【0063】
その一方で、8色処理によって得られた画像データに基づいて画像を表示した場合には最高階調の副画素と最低階調の副画素しか存在しないために、上述されているような階調電圧によるソース線駆動回路24のガンマ特性の設定が機能しない。8色処理モードでは、中間の階調電圧V
1+〜V
254+、V
1−〜V
254−が使用されないから、階調電圧V
1+〜V
254+、V
1−〜V
254−をどのように設定しても、ソース線駆動回路24のガンマ特性には影響しない。
【0064】
この結果、8色処理モードでは、コントローラドライバ4の全体としてのガンマ特性が液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ特性にならず、結果として、元画像の明るさと異なる明るさの画像が、液晶表示パネル3に表示されてしまう。一般に、液晶表示パネルを駆動するドライバは、そのガンマ特性がガンマ値2.2に設定されるべきである。しかしながら、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理による8色処理のガンマ値は1であるから、結果として、8色処理モードにおいて画像が明るくなってしまう。例えば、ガンマ値2.2のガンマ特性については、ある副画素の画像データに指定されている階調が128である場合には、当該副画素の輝度が、最高輝度の約22%となるべきである。しかしながら、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理による8色処理を行うと、当該副画素の輝度が、最高輝度の約50%になる。他の階調についても、同様の議論が成立する。
図5A(c)は、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理によって8色処理を行った場合に得られる画像の例である。
図5A(c)から理解されるように、ランダムに決められたディザ値を用いたディザ処理で得られた画像は、
図5A(a)に図示されている元画像よりも明るくなってしまう。
【0065】
このような問題に対処するために、本実施形態の画像処理回路23は、8色処理においてガンマ補正(輝度補正)及びディザ処理を行い、これにより、8色処理で得られた処理後画像データD
OUTに応じて液晶表示パネル3に表示される画像の画質を向上するように構成されている。以下、本実施形態における画像処理回路23の構成、及び、画像処理回路23において行われる8色処理について詳細に説明する。
【0066】
図6は、本実施形態の画像処理回路23のうちの8色処理を行う回路部分(以下、「8色処理回路部23a」という)の構成の一例を示すブロック図である。8色処理回路部23aは、輝度演算部41R、41G、41Bと、ディザ値供給部42と、ディザ処理部43R、43G、43Bとを備えている。
【0067】
輝度演算部41R、41G、41Bは、それぞれ、画像メモリ22から受け取った画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBに対してガンマ補正を行って補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを生成する。ガンマ補正のガンマ値をγとすると、補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABは、理想的には、下記式(1a)〜(1c)によって算出される:
【数1】
上記の式(1a)〜(1c)は、ガンマ補正の厳密式である。ここで、mは、RデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBのビット数であり、例えば、m=8の場合、式(1a)〜(1c)は、次のように書き換えられる:
【数2】
一実施形態では、輝度演算部41R、41G、41Bは、ガンマ値γが2.2であるガンマ補正を行う。
【0068】
上記のように、ガンマ補正はべき乗を含む演算であるので、ガンマ補正の厳密式に従ってガンマ補正を行うと輝度演算部41R、41G、41Bの規模が増大してしまう。輝度演算部41R、41G、41Bの規模を低減するためには、輝度演算部41R、41G、41Bは、RデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBの各値に対する補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABの値を記述したルックアップテーブルへのテーブルルックアップによって補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを得るように構成されてもよい。
【0069】
また、輝度演算部41R、41G、41Bは、ガンマ補正の厳密式を近似するように決められた多項式を用いて補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを算出してもよい。多項式を実現するハードウェアは、べき乗を含む演算を実現するハードウェアと比較して規模が小さいので、ガンマ補正の厳密式を近似する多項式を用いて補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを算出することで、輝度演算部41R、41G、41Bの規模を小さくすることができる。
【0070】
更に、色調整を行う場合には、輝度演算部41R、41G、41Bによるガンマ補正に用いられるガンマ値が、色毎に(即ち、輝度演算部41R、41G、41Bについて個別に)設定されてもよい。
【0071】
ディザ値供給部42は、ディザ処理部43R、43G、43Bのそれぞれにディザ値D
DITHERを供給する。本実施形態では、ディザ値D
DITHERのビット数は、補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABのビット数と同一であり、mビットである。ディザ値供給部42は、ディザ値D
DITHERの取り得る値を要素とするディザテーブル44を保持している。ディザ値供給部42は、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて、ディザ値D
DITHERをディザテーブル44の要素から選択する。本実施形態では、ディザテーブル44は、16行16列の要素を有している。ディザ値D
DITHERのビット数は8である、即ち、各要素は、“0”から“255”の値をとる。また、各要素は、互いに異なるように決定されている。即ち、ディザテーブル44は、“0”〜“255”の値の要素を1つずつ有している。
【0072】
図7は、ディザテーブル44の内容の一例を示す概念図である。ディザ値D
DITHERは、ディザテーブル44の要素から注目画素のアドレスX、Yの下位4ビットに応じて選択される。より具体的には、アドレスXの下位4ビットの値X[3:0]の値がiであり、アドレスYの下位4ビットの値Y[3:0]がjである場合、ディザテーブル44の第i列、第j行の要素がディザ値D
DITHERとして選択される。選択されたディザ値D
DITHERは、ディザ処理部43R、43G、43Bに送られる。
【0073】
ディザ処理部43R、43G、43Bは、それぞれ、補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABに対してディザ処理を行い、処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを生成する。処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBは、8色処理回路部23aによる8色処理によって得られるデータであり、それぞれ、1ビットのデータである。
【0074】
ディザ処理部43Rは、加算器45Rと2値化回路46Rとを備えている。加算器45Rは、補正後RデータD
GAMMARと、補正後RデータD
GAMMARの最上位ビットMSB[D
GAMMAR]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Rは、加算器45Rにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後RデータD
OUTRの値を決定する。加算器45Rにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Rは、処理後RデータD
OUTRを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後RデータD
OUTRを値“0”に設定する。
【0075】
即ち、ディザ処理部43Rは、処理後RデータD
OUTRを下記のように算出する:
(1)D
GAMMAR+MSB[D
GAMMAR]+D
DITHERが256以上であるとき、D
OUTR=1
(2)D
GAMMAR+MSB[D
GAMMAR]+D
DITHERが256未満であるとき、D
OUTR=0
ここで、最上位ビットMSB[D
GAMMAR]が加算されるのは、補正後RデータD
GAMMARが値“255”である場合に必ずD
OUTRが値“1”に設定され、補正後RデータD
GAMMARが値“0”である場合に必ずD
OUTRが値“0”に設定されるようにするためである。
【0076】
ディザ処理部43G、43Bは、補正後RデータD
GAMMARの代わりに補正後GデータD
GAMMAG、補正後GデータD
GAMMABが入力されることを除けば、ディザ処理部43Rと同様の構成を有しており、同様の動作を行う。詳細には、ディザ処理部43Gは、加算器45Gと2値化回路46Gとを備えており、ディザ処理部43Bは、加算器45Bと2値化回路46Bとを備えている。
【0077】
加算器45Gは、補正後GデータD
GAMMAGと、補正後GデータD
GAMMAGの最上位ビットMSB[D
GAMMAG]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Gは、加算器45Gにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後GデータD
OUTGの値を決定する。加算器45Gにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Gは、処理後GデータD
OUTGを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後GデータD
OUTGを値“0”に設定する。
【0078】
一方、加算器45Bは、補正後BデータD
GAMMABと、補正後BデータD
GAMMABの最上位ビットMSB[D
GAMMAB]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Bは、加算器45Bにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後BデータD
OUTBの値を決定する。加算器45Bにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Bは、処理後BデータD
OUTBを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後BデータD
OUTBを値“0”に設定する。
【0079】
注目画素のR副画素14Rについて処理後RデータD
OUTRが値“1”と算出されると、当該R副画素14Rは、「点灯」され、値“0”に算出されると当該R副画素14Rは、「消灯」される。同様に、注目画素のG副画素14Gについて処理後GデータD
OUTGが値“1”と算出されると、当該G副画素14Gは、「点灯」され、値“0”に算出されると当該G副画素14Gは、「消灯」される。更に、注目画素のB副画素14Bについて処理後BデータD
OUTBが値“1”と算出されると、当該B副画素14Bは、「点灯」され、値“0”に算出されると当該B副画素14Bは、「消灯」される。
【0080】
図8は、8色処理回路部23aの動作の一例を示す概念図である。
図8においては、画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBを画像データD
INkと総称し、補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを補正後画像データD
GAMMAkと総称している。ここで、kは、色を示しており、R、G又はBである。同様に、処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを処理後画像データD
OUTkと総称している。
【0081】
図8は、色kの副画素14の画像データD
INkの値が128である場合における8色処理の例を示している。
図8に図示された8色処理の目的は、各副画素14が処理後画像データD
OUTに応じて「点灯」又は「消灯」される場合に、液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ値2.2のガンマ特性を実現することである。ガンマ値2.2のガンマ特性においては、画像データD
INkの値が128である場合に、副画素14の輝度が最大輝度の22%(≒56/255)になることが求められる。
【0082】
画像データD
INkの値が128である場合、輝度演算部41kによるガンマ補正により、補正後画像データD
GAMMAkは56と算出される。ここで、値“56”は、ガンマ値2.2のガンマ補正の結果として得られる値である。
【0083】
更に、加算器45kにおいて、補正後画像データD
GAMMAkと、補正後画像データD
GAMMAkの最上位ビットMSB[D
GAMMAk]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとの加算が行われる。この加算において桁上げが発生する場合、即ち、補正後画像データD
GAMMAkと最上位ビットMSB[D
GAMMAk]とディザ値D
DITHERの和が256以上である場合、処理後画像データD
OUTkが値“1”と算出される。桁上げが発生しない場合、即ち、補正後画像データD
GAMMAkと最上位ビットMSB[D
GAMMAk]とディザ値D
DITHERの和が256未満である場合、処理後画像データD
OUTkが値“0”と算出される。
【0084】
ここで、16行16列の画素11についての色kの副画素14の画像データD
INkに対して上記の処理を行った場合について議論する。補正後画像データD
GAMMAkの値が56である場合、16×16個の画素11のうち56個について処理後画像データD
OUTkが値“1”と算出される。これは、ディザ値D
DITHERが、0以上255以下の互いに異なる値として選択されるので、16×16個の画素11のうち56個について加算器45kにおける加算において桁上げが発生するためである。よって、16行16列の画素11のうち56個の画素11において色kの副画素14が「点灯」する。これは、表示される画像において当該画素11の色kの副画素14の輝度が、実質的に、最大輝度の約22%になることを意味している。即ち、本実施形態の8色処理では、液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ値2.2のガンマ特性を実現することができる。
図5A(d)は、本実施形態による8色処理で得られた画像の例を示している。
図5A(d)から理解されるように、本実施形態の8色処理では、
図5A(a)に図示されている元画像と同じ明るさの画像を得ることができる。
【0085】
以上に説明されているように、本実施形態における8色処理では、ディザ処理を行うので、階調の空間的な変化を表現した良好な画質の画像を得ることができる。このとき、画像データD
INに対してガンマ補正を行い、得られた補正後画像データD
GAMMAに対してディザ処理を行うので、コントローラドライバ4の全体としてのガンマ特性を、液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ特性に設定できる。これは、元画像の明るさと実質的に同一の明るさの画像を液晶表示パネル3に表示できることを意味している。
【0086】
なお、上記では8色処理の実施形態が記載されているが、階調電圧の調整によるソース線駆動回路24のガンマ特性の設定が機能しないという問題は、一般に、多くのビットを減らす減色処理を実行する場合に当てはまることに留意されたい。例えば、各副画素14の階調を8ビットで表現する画像データを、各副画素14の階調を2ビットで表現する画像データに減色する場合においても、階調電圧発生回路25によって生成される階調電圧のうち、正極性の階調電圧のうちの4つ、及び、負極性の階調電圧のうちの4つしか用いられないので、階調電圧の調整によっては十分にガンマ特性を制御できない。
【0087】
8色処理以外の多くのビットを減らす減色処理についても、輝度演算部41R、41G、41Bでガンマ補正を行ったうえでディザ処理部43R、43G、43Bにおいてディザ処理を行うことが有用である。この場合、一実施形態では、輝度演算部41R、41G、41Bは、画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBに対してガンマ補正を行って各副画素14の階調をmビットで示す補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABを生成する。ディザ処理部43R、43G、43Bは、補正後RデータD
GAMMAR、補正後GデータD
GAMMAG、補正後BデータD
GAMMABに対してnビット(nは、2以上m以下の整数)のディザ値D
DITHERを用いてディザ処理を行って処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを生成する。
【0088】
ただし、階調電圧の調整によるソース線駆動回路24のガンマ特性の設定が機能しないという問題は8色処理において特に顕著に表れるので、ガンマ補正とディザ処理とを行う本実施形態の手法は、8色処理が行われる場合に特に有用である。
【0089】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態における画像処理回路23の8色処理回路部の構成を示すブロック図である。
図9においては、該8色処理回路部が符号23bで示されている。第2の実施形態では、8色処理回路部23bにおいて、第1の実施形態とは異なる8色処理が行われる。
【0090】
8色処理回路部23bは、ディザ値供給部42と、ディザ処理部43R、43G、43Bとを備えている。ディザ値供給部42は、ディザテーブル44Aを有しており、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じてディザ値D
DITHERをディザテーブル44Aの要素から選択する。ディザテーブル44Aは、16行16列の要素を有しており、各要素は、“0”から“255”の値をとる。ただし、後述のように、
図9の8色処理回路部23bのディザテーブル44Aは、2以上の要素が同一の値をとり得ることに留意されたい。
【0091】
ディザ処理部43R、43G、43Bは、それぞれ、画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータDIN
Bに対してディザ処理を行い、処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを生成する。ここで、
図9の8色処理回路部23bは、
図6の8色処理回路部23aとは異なり、輝度演算部41R、41G、41Bを有していないことに留意されたい。画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBは、それぞれ、ディザ処理部43R、43G、43Bの加算器45R、45G、45Bに入力される。
【0092】
加算器45Rは、RデータD
INRと、RデータD
INRの最上位ビットMSB[D
INR]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Gは、加算器45Rにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後RデータD
OUTRの値を決定する。加算器45Rにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Rは、処理後RデータD
OUTRを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後RデータD
OUTRを値“0”に設定する。
【0093】
また、加算器45Gは、GデータD
INGと、GデータD
INGの最上位ビットMSB[D
ING]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Gは、加算器45Gにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後GデータD
OUTGの値を決定する。加算器45Gにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Gは、処理後GデータD
OUTGを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後GデータD
OUTGを値“0”に設定する。
【0094】
更に、加算器45Bは、BデータD
INBと、BデータD
INBの最上位ビットMSB[D
INB]と、ディザ値供給部42から供給されるディザ値D
DITHERとを加算する。2値化回路46Bは、加算器45Bにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後BデータD
OUTBの値を決定する。加算器45Bにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Bは、処理後BデータD
OUTBを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後BデータD
OUTBを値“0”に設定する。
【0095】
図9の8色処理回路部23bでは、輝度演算部41R、41G、41Bを設ける代わりに、ディザ値供給部42が保持するディザテーブル44Aの要素の値の度数分布が工夫され、これにより、所望のガンマ値のガンマ特性を有するような8色処理回路部23bが実現されている。
【0096】
発明者の一つの発見は、ディザ処理に用いられるディザテーブルの度数分布を適正に決めることにより、ディザ処理により様々な輝度補正(例えば、ガンマ補正やコントラスト補正)を行うことができるということである。ここで、本明細書においてディザテーブルの要素の値の度数分布とは、ディザテーブルにおける、値pを有する要素の個数N(p)の分布をいう。一般的には、ディザ処理において用いられるディザテーブル(ディザマトリックス)は、各値をとる要素が1つずつである(即ち、pに関わらず、N(p)=1である)ように決定される。例えば、256個の要素を有する16×16ディザテーブルでは、一般的には、256個の要素が、0以上255以下の互いに異なる値に設定される。上述のように、このようなディザテーブルを用いたディザ処理は、ガンマ値が1であるようなガンマ特性を有している。一方、度数分布が不均一である(即ち、値pを有する要素の個数N(p)がpに依存する)ディザテーブルを用いれば、ディザ処理と同時に様々な画像演算を行うことができる。なお、度数分布が不均一である場合、ディザテーブルにおける値p
1、p
2を有する要素の個数N(p
1)、N(p
2)が同一でないような0以上2
k−1以下の整数p
1、p
2が存在することになる。
【0097】
例えば、各副画素14の階調をmビットで表す画像データに対してmビットのディザ値を用いてディザ処理による8色処理を行う場合を考える。詳細には、ある副画素14の「点灯」、「消灯」を、和D
INR+MSB[D
INR]+D
DITHERを算出する加算演算における桁上げの発生、不発生に応じて決定する場合を考える。この場合、当該副画素14の画像データD
INkの値pに対し、下記の条件(a)、(b)を満足するようにディザテーブルの各要素の値を決定すれば、表示される画像における当該副画素14の輝度をqにする(即ち、最大輝度のq/(2
m−1)倍にする)ことができる:
条件(a):p<(2
m−1)/2なるpについて、ディザテーブルの2
m個の要素のうちq個が(2
m−p)以上であり、且つ、
条件(b) p>(2
m−1)/2なるpについて、ディザテーブルの2
m個の要素のうちq個が(2
m−p−1)以上である。
これを利用すれば、所望の輝度補正を実現できる。
【0098】
例えば、ある副画素14に対応する8ビットの画像データD
INkについて、画像データD
INkの値が128であり、表示される画像における該副画素14の所望の輝度が56である(即ち、最大輝度の56/255倍である)場合を考える。この場合、ディザテーブルの256個の要素のうちの56個が127以上であるようにディザテーブルを決定すれば、該副画素14について所望の輝度を実現できる。
【0099】
図10Aは、ガンマ値γが2.2であるようなガンマ補正を行う場合のディザテーブル44Aの各要素の値の一例を示している。ディザテーブル44Aは、下記式(3)
【数3】
でqを定義した場合に上記の条件(a)、(b)を満たすように決定されている。ここで、floor(x)は、床関数であり、x以下の最大の整数である。値0.5の加算及び床関数floor(x)は、単に整数化のために導入されているものであり、他の手法による整数化が行われてもよい。
【0100】
より具体的には、
図10に図示されたディザテーブル44Aは、
図7に図示されているディザテーブル44に対し下記式(4)の変換を行うことで得られている:
【数4】
ここで、α(i,j)は、
図7に図示されているディザテーブル44のi行j列の要素の値であり、β(i,j)は、
図10Aに図示されているディザテーブル44Aのi行j列の要素の値である。また、floor(x)は、床関数であり、x以下の最大の整数を示している。
図10Aに図示された内容のディザテーブル44Aを用いることにより、
図9に図示された8色処理回路部23bは、ディザ処理と同時にガンマ値γが2.2であるガンマ補正を行うことができる。
【0101】
一般に、ガンマ値γのガンマ補正を行う場合のディザテーブル44Aは、下記の手順で生成することができる。
(1)各値をとる要素が1つずつである(即ち、pに関わらず、N(p)=1である)第1のディザテーブルを一般的な手法で生成する。
(2)生成した第1のディザテーブルに対し、下記式(5)の変換を行う:
【数5】
α(i,j)は、第1のディザテーブルのi行j列の要素の値であり、β(i,j)は、変換によって得られる第2のディザテーブルのi行j列の要素の値である。
【0102】
図10Bは、本実施形態における、色kの副画素14の画像データD
INkの値が128である場合における8色処理の例を示している。
図10Bに図示された8色処理においても、液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ値2.2のガンマ特性を実現することが意図されている。上述のように、ガンマ値2.2のガンマ特性においては、画像データD
INkの値が128である場合に、副画素14の輝度が最大輝度の22%(≒56/255)になることが求められる。
【0103】
本実施形態では、加算器45kにおいて、画像データD
INkと、補正後画像データD
GAMMAkの最上位ビットMSB[D
GAMMAk]と、ディザ値供給部42Aから供給されるディザ値D
DITHERとの加算が行われ、この加算において桁上げが発生する場合、即ち、補正後画像データD
GAMMAkと最上位ビットMSB[D
GAMMAk]とディザ値D
DITHERの和が256以上である場合、処理後画像データD
OUTkが値“1”と算出される。桁上げが発生しない場合、即ち、補正後画像データD
GAMMAkと最上位ビットMSB[D
GAMMAk]とディザ値D
DITHERの和が256未満である場合、処理後画像データD
OUTkが値“0”と算出される。
【0104】
ここで、本実施形態では、ディザ値供給部42Aは、
図10Aに図示されているディザテーブル44Aの要素から加算器45kに供給するディザ値D
DITHERを選択する。上述のように、
図10Aに図示されているディザテーブル44Aの各要素の値は、ガンマ値2.2のガンマ補正を実現するような度数分布となるように決定されている。
【0105】
16行16列の画素11について色kの副画素14の画像データD
INkに対して上記の処理を行った場合について議論する。
図10Aに図示されているディザテーブル44Aが用いられ、且つ、画像データD
GAMMAkの値が128である場合、16×16個の画素11のうち56個について処理後画像データD
OUTkが値“1”と算出される。これは、ディザ値D
DITHERが
図10Aに図示されているディザテーブル44Aの要素から選択される場合、16×16個の画素11のうち56個について加算器45kにおける加算において桁上げが発生するためである。よって、16行16列の画素11のうち56個の画素11において色kの副画素14が「点灯」する。これは、表示される画像において当該画素11の色kの副画素14の輝度が、実質的に、最大輝度の約22%になることを意味している。即ち、本実施形態の8色処理においても、液晶表示パネル3の特性に合わせたガンマ値2.2のガンマ特性を実現することができる。
【0106】
なお、
図9の構成において、異なるガンマ値に対応する複数のディザテーブルを用意し、該複数のディザテーブルのうちから所望のディザテーブルを切り替えることにより、ガンマ補正におけるガンマ値γを切り替えることもできる。
図11は、このような構成の8色処理回路部23cの構成を示すブロック図である。
【0107】
図11に図示されている8色処理回路部23cの構成は、
図9に図示されている8色処理回路部23bの構成とほぼ同一であるが、複数のディザテーブル44A−1〜44A−Mを保持するディザ値供給部42Aが用いられる。ディザテーブル44A−1〜44A−Mは、それぞれガンマ値γ
1〜γ
Mに対応している。
【0108】
ディザ値供給部42Aは、命令制御回路21からガンマ補正制御信号を受け取り、ディザテーブル44A−1〜44A−Mのうちからガンマ補正制御信号に指定されたガンマ値に対応するディザテーブルを選択する。例えば、ガンマ補正制御信号によりガンマ値γ
tが指定されると、ディザ値供給部42Aは、ディザテーブル44A−tを選択する。ディザ値供給部42Aは、該選択されたディザテーブルの要素からディザ値D
DITHERを選択する。該選択されたディザテーブルの要素からのディザ値D
DITHERの選択は、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて行われる。
図11の構成によれば、ディザ処理において同時にガンマ補正を行う場合に、該ガンマ補正におけるガンマ値γを切り替えることができる。
【0109】
他の変形例として、ディザテーブルを色毎に用意し、ディザ値をディザ処理部43R、43G、43Bに個別に供給することで、各色の画像データD
INのガンマ補正のガンマ値を、色毎に個別に設定することもできる。
図12は、このような構成の8色処理回路部23dの構成を示すブロック図である。
【0110】
ディザ値供給部42Bは、ディザ処理部43R、43G、43Bに、それぞれ、ディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを供給する。ここで、
図12の構成では、
ディザ値供給部42Bが、Rディザテーブル44R、Gディザテーブル44G、Bディザテーブル44Bを備えており、これらのディザテーブルを用いてディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを供給する。Rディザテーブル44R、Gディザテーブル44G、Bディザテーブル44Bは、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)についてのガンマ補正のガンマ値γ
R、γ
G、γ
Bに対応するテーブルである。
【0111】
ディザ値供給部42Bは、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて、ディザ値D
DITHERRをRディザテーブル44Rの要素から選択し、ディザ値D
DITHERGをGディザテーブル44Gの要素から選択し、ディザ値D
DITHERBをBディザテーブル44Bの要素から選択する。
【0112】
ディザ処理部43R、43G、43Bは、それぞれ、画像データD
INのRデータD
INR、GデータD
ING、BデータDIN
Bに対してディザ値供給部42Bから受け取ったディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを用いてディザ処理を行い、処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを生成する。
【0113】
詳細には、ディザ処理部43Rの加算器45Rは、RデータD
INRと、RデータD
INRの最上位ビットMSB[D
INR]と、ディザ値供給部42Bから供給されるディザ値D
DITHERRとを加算する。2値化回路46Rは、加算器45Rにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後RデータD
OUTRの値を決定する。加算器45Rにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Rは、処理後RデータD
OUTRを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後RデータD
OUTRを値“0”に設定する。
【0114】
また、ディザ処理部43Gの加算器45Gは、GデータD
INGと、GデータD
INGの最上位ビットMSB[D
ING]と、ディザ値供給部42Bから供給されるディザ値D
DITHERGとを加算する。2値化回路46Gは、加算器45Gにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後GデータD
OUTGの値を決定する。加算器45Gにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Gは、処理後GデータD
OUTGを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後GデータD
OUTGを値“0”に設定する。
【0115】
更に、ディザ処理部43Bの加算器45Bは、BデータD
INBと、BデータD
INBの最上位ビットMSB[D
INB]と、ディザ値供給部42Bから供給されるディザ値D
DITHERBとを加算する。2値化回路46Bは、加算器45Bにおける加算における桁上げの発生/不発生に応じて処理後BデータD
OUTBの値を決定する。加算器45Bにおける加算において桁上げが発生した場合、2値化回路46Bは、処理後BデータD
OUTBを値“1”に設定し、桁上げが発生しなかった場合、処理後BデータD
OUTBを値“0”に設定する。
【0116】
このような構成の8色処理回路部23dは、画像データD
INのガンマ補正を、色毎に決められたガンマ値γ
R、γ
G、γ
Bに従って行うことができる。
【0117】
また、ディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBのそれぞれの生成に用いられるディザテーブルが、複数のディザテーブルから選択されてもよい。
図13は、このような構成の8色処理回路部23eの構成を示すブロック図である。
図13に図示されている8色処理回路部23eの構成は、
図12に図示されている8色処理回路部23dの構成とほぼ同一である。
図13に図示されている8色処理回路部23eにおいても、ディザ値供給部42Cが、ディザ処理部43R、43G、43Bに、それぞれ、ディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを供給するように構成されている。ただし、
図13に図示されている8色処理回路部23eでは、ディザ値供給部42Cが、ディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBのそれぞれについて複数のディザテーブル44A−1〜44A−Mのうちからディザテーブルを選択し、該選択したディザテーブルからディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを選択する。
【0118】
詳細には、ディザ値供給部42Cは、ガンマ補正制御信号において指定されている赤色(R)、緑色(G)、青色(B)についてのガンマ補正のガンマ値γ
R、γ
G、γ
Bに基づいて赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれについて、複数のディザテーブル44A−1〜44A−Mのうちからディザテーブルを選択する。例えば赤色(R)について、ディザ値供給部42Cは、ディザテーブル44A−1〜44A−Mのうちから、ガンマ値γ
Rに対応するディザテーブルを選択する。緑色(G)、青色(B)についても同様である。ディザ値供給部42Cは、更に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)について選択した該ディザテーブルから、それぞれディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを選択する。該選択されたディザテーブルの要素からのディザ値D
DITHERの選択は、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて行われる。このような構成によれば、各色の画像データD
INのガンマ補正のガンマ値を、色毎に個別に設定すると共に、各色のガンマ補正におけるガンマ値γを切り替えることができる。
【0119】
なお、上記では8色処理の実施形態が記載されているが、階調電圧の調整によるソース線駆動回路24のガンマ特性の設定が機能しないという問題は、一般に、多くのビットを減らす減色処理を実行する場合に当てはまることに留意されたい。8色処理以外の多くのビットを減らす減色処理についても、ガンマ補正を実現するように生成されたディザテーブルを用いてディザ処理部43R、43G、43Bにおいてディザ処理を行うことが有用である。この場合、一実施形態では、ディザ処理部43R、43G、43Bは、各副画素14の階調をmビットで示すRデータD
INR、GデータD
ING、BデータD
INBに対してnビット(nは、2以上m以下の整数)のディザ値D
DITHERを用いてディザ処理を行って処理後RデータD
OUTR、処理後GデータD
OUTG、処理後BデータD
OUTBを生成する。ただし、階調電圧の調整によるソース線駆動回路24のガンマ特性の設定が機能しないという問題は8色処理において特に顕著に表れるので、ディザテーブルの要素の値の度数分布を適切に決めることによるガンマ補正とディザ処理とを行う本実施形態の手法は、8色処理が行われる場合に特に有用である。
【0120】
また、上記にはガンマ補正について説明されているが、一般に、ディザテーブルの要素の値の度数分布を適切に決めることにより、様々な画像処理、例えば、コントラスト補正を行うことができる。特に、入力画像データD
INのmビットの画像データD
INkに対し、各要素の値がmビットであるディザテーブルを用いる場合(即ち、nがmに等しい場合)、画像データD
INkに示された色kの副画素14の階調pについて表示される画像における当該副画素14の所望の輝度をf(p)として、下記のような条件を満足するディザテーブルを用意すれば、所望の画像処理を実現することができる:
条件(a):p<(2
m−1)/2なるpについて、ディザテーブルの2
m個の要素のうちf(p)個が(2
m−p)以上であり、且つ、
条件(b) p>(2
m−1)/2なるpについて、ディザテーブルの2
n個の要素のうちf(p)個が(2
m−p−1)以上である。
ここで、f(p)は、所望の画像処理に対応する関数である。
【0121】
一実施形態では、ガンマ補正を輝度演算部41R、41G、41Bによって行う一方で、ディザ処理部43R、43G、43Bにおけるディザ処理において同時にコントラスト補正を行ってもよい。
図14は、このように構成された8色処理回路部23fの構成を示すブロック図である。
図14に図示されている8色処理回路部23fは、
図6に図示されている8色処理回路部23aと類似した構成を有している。ただし、
図14に図示されている8色処理回路部23fでは、コントラスト補正に対応したディザテーブル44Cを保持するディザ値供給部42Dが用いられる。ディザ値供給部42Dは、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて、ディザ値D
DITHERをディザテーブル44Cの要素から選択する。
【0122】
例えば、
図15に図示されているような形状のグラフを描く関数f(p)を用いて上記の条件(a)、(b)を満たすように定義したディザテーブル44Cを用いることで、コントラスト補正を実現することができる。なお、実際のディザテーブル44Cの作成においては、関数f(p)をルックアップテーブルによって指定してもよい。
図16は、
図15に図示されている関数f(p)を用いた場合のディザテーブル44Cの内容を示している。
図16に図示されているディザテーブル44Cを用いれば、ディザ処理において同時にコントラスト補正を行うことができる。
【0123】
図14の構成において、異なる形状のカーブを描く関数で指定されるコントラスト補正に対応する複数のディザテーブルを用意し、該複数のディザテーブルのうちから所望のディザテーブルを切り替えることにより、コントラスト補正を切り替えることもできる。
図17は、このような構成の8色処理回路部23cの構成を示すブロック図である。
【0124】
図17に図示されている8色処理回路部23gの構成は、
図14に図示されている8色処理回路部23fの構成とほぼ同一であるが、複数のディザテーブル44C−1〜44C−Mを保持するディザ値供給部42Eが用いられる。ディザテーブル44C−1〜44C−Mは、それぞれ異なるコントラスト補正#1〜#Mに対応している。ディザ値供給部42Eは、命令制御回路21からコントラスト補正制御信号を受け取り、ディザテーブル44C−1〜44C−Mのうちからコントラスト補正制御信号に指定されたコントラスト補正に対応するディザテーブルを選択する。例えば、コントラスト補正制御信号によりコントラスト補正#tが指定されると、ディザ値供給部42Eは、ディザテーブル44C−tを選択する。ディザ値供給部42Eは、該選択されたディザテーブルの要素からディザ値D
DITHERを選択する。該選択されたディザテーブルの要素からのディザ値D
DITHERの選択は、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて行われる。このような構成によれば、ディザ処理において同時にコントラスト補正を行う場合に、該コントラスト補正を切り替えることができる。
【0125】
また、ディザテーブルを色毎に個別に選択し、選択されたディザテーブルを用いて生成したディザ値をディザ処理部43R、43G、43Bに個別に供給することで、コントラスト補正を、色毎に個別に設定することもできる。
図18は、このような構成の8色処理回路部23hの構成を示すブロック図である。
図18に図示されている8色処理回路部23hの構成は、
図17に図示されている8色処理回路部23gと類似した構成を有している。
【0126】
図18に図示されている8色処理回路部23hでは、ディザ値供給部42Fが、ディザ処理部43R、43G、43Bに、それぞれ、ディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを供給するように構成されている。詳細には、
図18の構成では、ディザ値供給部42Bが、ディザテーブル44C−1〜44C−Mを備えており、これらのディザテーブルを用いてディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを供給する。
【0127】
詳細には、ディザ値供給部42Fは、複数のディザテーブル44C−1〜44C−Mのうちから、コントラスト補正制御信号において指定されている赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれについて指定されているディザテーブルを選択する。ディザ値供給部42Cは、更に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)について選択した該ディザテーブルから、それぞれディザ値D
DITHERR、D
DITHERG、D
DITHERBを選択する。該選択されたディザテーブルの要素からのディザ値D
DITHERの選択は、注目画素(8色処理の対象の画素11)のアドレスX、Yに応じて行われる。このような構成によれば、各色のコントラスト補正を色毎に個別に設定すると共に、各色のコントラスト補正を切り替えることができる。
【0128】
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、8色処理(又は多ビットの減色処理)においてディザ処理を行うことにより、階調の変化を疑似的に表現し、これにより画質の向上を実現している。
【0129】
その一方で、8色処理においてディザ処理を行うことの一つの問題は、各ソース線13の電圧の変動が大きくなるために、消費電力が増大することである。上述のように、8色処理においては、各副画素14が「点灯」されるか又は「消灯」される。ディザ処理では、「点灯」される副画素14を空間的に分布させることで階調を疑似的に表現するので、特に中間の階調を表現する場合には、「点灯」される副画素14に「消灯」される副画素14が隣接して位置する場合が多くなる。ここで、同一のソース線13に接続されている副画素14について、「点灯」される副画素14に「消灯」される副画素14が隣接して位置している場合、該ソース線13を、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する必要がある。これは、消費電力が増大することを意味している。
【0130】
以下に議論されるように、本実施形態では、ディザ処理の実行による消費電力の増大を抑制するようにディザテーブルの要素の値が決定されている。以下、本実施形態において使用されるディザテーブルの内容について説明する。なお、以下の説明においては、ソース線13が延伸する方向(Y軸方向)に並ぶ1列の画素11を「画素列」と記載する。この表記によれば、各画素11のアドレスXは、当該画素11が属する画素列を指定することになる。
【0131】
図19Bは、本実施形態における、各画素列についてのディザ値D
DITHERの選択法を示す概念図である。
図19Bにおいては、下位4ビットX[3:0]が0〜3であるアドレスXの画素列が図示されている。本実施形態では、
図19Bに図示されているように、ディザテーブルの隣接する2列の一方の列(第1列)の全ての要素が、ディザテーブルの2
n個の要素のうち値が小さい方の半数に属しており、他方の列(第2列)の全ての要素が、ディザテーブルの2
n個の要素のうち値が大きい方の半数に属している。ここで、
図19では、ディザテーブルの要素の値が小さい方の半数からディザ値D
DITHERが選択される画素列を記号「D
DITHER 小」により示しており、大きい方の半数からディザ値D
DITHERが選択される画素列を記号「D
DITHER 大」として示している。
【0132】
このような構成によれば、ディザテーブルの該一方の列(第1列)の要素からディザ値が選択される画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、ディザテーブルの該他方の列(第2列)の要素からディザ値が選択される画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、各ソース線13に接続されている副画素14について、「点灯」される副画素14と「消灯」される副画素14とが隣接しにくくなる。これにより、該ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。
【0133】
実際の実装においては、ディザテーブルの各要素を記憶する記憶素子は空間的に(物理的に)行列に並んでいるとは限らないことに留意されたい。本明細書においてディザテーブルの「列」とは、物理的又は空間的な配置における列を意味しているのではなく、同一のアドレスXに対応する一群の要素を意味している。以下では、上記のように各要素の値が決められたディザテーブルの具体例について説明する。
【0134】
図20は、
図6の構成の8色処理回路部23aが用いられる場合に消費電力を低減するために好適なディザテーブル44の内容を示す図である。
図20に図示されているディザテーブル44は、16×16個の要素を有しており、アドレスXの下位4ビットX[3:0]及びアドレスYの下位4ビットY[3:0]によって選択された要素が、ディザ値D
DITHERとしてディザ処理部43R、43G、43Bに供給される。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44の256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとり、互いに異なっている。上述のように、このようなディザテーブル44を用いた場合、ガンマ値γが1であるガンマ特性のディザ処理が行われることになる。
【0135】
図20に図示されているディザテーブル44では、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属しおり、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属している。例えば、下位4ビットX[3:0]が0であるアドレスXに対応する列の要素の値は、順に、0、71、110、5、83、・・・、105であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属している。また、下位4ビットX[3:0]が1であるアドレスXに対応する列の要素の値は、順に、159、216、241、154、・・・、246であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属している。なお、
図20に図示されているディザテーブル44は、
図6に図示されているディザテーブル44の要素を並び替えることで得ることができる。
【0136】
このように決められたディザテーブル44を用いてディザ処理を行った場合、下位4ビットX[3:0]が偶数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、下位4ビットX[3:0]が奇数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。
【0137】
なお、ディザテーブル44の各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44の列の全ての要素が、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44の列の全ての要素が、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。この場合でも、同様の原理により、消費電力を低減することができる。
【0138】
図21は、
図9の構成の8色処理回路部23bが用いられる場合において消費電力を低減するために好適なディザテーブル44Aの内容を示す図である。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44Aの256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとる。ただし、ディザテーブル44Aの要素の値の度数分布は、ガンマ値γが2.2であるようなガンマ補正に対応するディザ処理を行うように決定されている。
【0139】
図21に図示されているディザテーブル44Aでは、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Aの要素のうち値が小さい方の半数に属している。また、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Aの要素のうち値が大きい方の半数に属している。なお、
図21に図示されているディザテーブル44Aは、
図10に図示されているディザテーブル44Aの要素を並び替えることで得ることができる。
【0140】
このように決められたディザテーブル44Aを用いてディザ処理を行った場合、下位4ビットX[3:0]が偶数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、下位4ビットX[3:0]が奇数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。
【0141】
なお、ディザテーブル44Aの各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の全ての要素が、ディザテーブル44Aの要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の全ての要素が、ディザテーブル44Aの要素のうち値が小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。この場合でも、同様の原理により、消費電力を低減することができる。
【0142】
また、
図11、
図12、
図13に図示されている8色処理回路部23c、23d、23eについても、ディザテーブル44A−1〜44A−M、44R、44G、44Bの要素の値を同様に決めることで、消費電力を低減することができる。
【0143】
図22は、
図14の構成の8色処理回路部23fが用いられる場合において消費電力を低減するために好適なディザテーブル44Cの内容を示す図である。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44Cの256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとる。ただし、ディザテーブル44Cの要素の値の度数分布は、
図15に図示されている関数f(p)によるコントラスト補正に対応するディザ処理を行うように決められている。
【0144】
図22に図示されているディザテーブル44Cでは、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Cの要素のうち値が小さい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Cの要素のうち値が大きい方の半数に属している。なお、
図22に図示されているディザテーブル44Cは、
図16に図示されているディザテーブル44Cの要素を並び替えることで得ることができる。
【0145】
このように決められたディザテーブル44Cを用いてディザ処理を行った場合、下位4ビットX[3:0]が偶数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、下位4ビットX[3:0]が奇数であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。
【0146】
なお、ディザテーブル44Cの各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が偶数である(即ち、最下位ビットが“0”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の全ての要素が、ディザテーブル44Cの要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が奇数である(即ち、最下位ビットが“1”である)アドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の全ての要素が、ディザテーブル44Cの要素のうち値が小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。この場合でも、同様の原理により、消費電力を低減することができる。
【0147】
また、
図17、
図18に図示されている8色処理回路部23g、23hについても、ディザテーブル44C−1〜44C−Mの要素の値を同様に決めることで、消費電力を低減することができる。
【0148】
なお、消費電力を低減するという目的を考えると、本実施形態においてガンマ補正を行うことは必須ではないことに留意されたい。例えば、
図6に図示されている構成から輝度演算部41R、41G、41Bを取り除いても、ディザ処理部43R、43G、43Bによってディザ処理を行うことで、ある程度は良好な画質を得ることができる。この場合でも、ディザテーブルの隣接する2列の一方の列(第1列)の全ての要素が該ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属しており、他方の列(第2列)の要素が大きい方の半数に属しているようにディザテーブルの各要素の値を決定することで、消費電力を低減することができる。
【0149】
(第4の実施形態)
第3の実施形態において議論したように、ディザテーブルの各要素の値をディザテーブルの隣接する2列の一方の列(第1列)の全ての要素が、該ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属しており、他方の列(第2列)の要素が大きい方の半数に属しているように決定する手法は、消費電力の低減に有効である。しかしながら、この手法をカラム反転駆動と併用すると、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じ得る。これは、フリッカの発生の要因になり得るため好ましくない。特に、リーク電流が大きい液晶表示パネル3が使用される場合には、フリッカが観測されやすい。
【0150】
図23は、カラム反転駆動が行われる場合に液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じる例を示す概念図である。
【0151】
カラム反転駆動が行われる場合、隣接するソース線13に接続された副画素14が、異なる極性の駆動電圧で駆動される。例えば、
図23では、左から奇数番目のソース線13に接続されている副画素14が、正極性の駆動電圧で駆動され、偶数番目のソース線13に接続されている副画素14が、負極性の駆動電圧で駆動される。
【0152】
その一方で、ディザテーブルの各要素の値をディザテーブルの隣接する2列の一方の列(第1列)の全ての要素が該ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属しており、他方の列(第2列)の要素が大きい方の半数に属ように決定する場合、隣接する画素列の一方に属する画素11については「点灯」する副画素14が多く、他方に属する「消灯」する副画素14が多くなる。例えば、
図23の例では、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“2”であるアドレスXに対応する画素列に属する画素11については、「点灯」する副画素が少なく、下位4ビットX[3:0]の値が“1”、“3”であるアドレスXに対応する画素列に属する画素11については、「点灯」する副画素が多い。
【0153】
この結果、「点灯」される副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数と、「点灯」される副画素14のうち負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数とが大きく相違してしまう。
図23の例では、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“2”であるアドレスXに対応する画素列においては、「点灯」する副画素14が少ない一方で、正極性の駆動電圧で駆動される副画素14が多い。一方、下位4ビットX[3:0]の値が“1”、“3”であるアドレスXに対応する画素列においては、「点灯」する副画素14が多い一方で、負極性の駆動電圧で駆動される副画素14が多い。この結果、「点灯」される副画素14のうち負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数が、「点灯」される副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数よりも多くなる。これは、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)よりも低くなることを意味している。
【0154】
このような問題に対応するためには、全ての要素の値が該ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属している2列と、全ての要素の値が該ディザテーブルの要素のうち値が大きい方の半数に属している2列とが交互に繰り返されて構成されたディザテーブルを用いればよい。
図24は、このように決定されたディザテーブルを用いてディザ処理を行い、且つ、カラム反転駆動を行う場合の動作の例を示す概念図である。
【0155】
図24に図示されている例では、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する2列の全ての要素の値が該ディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]の値が“2”、“3”であるアドレスXに対応する2列の全ての要素の値が大きい方の半数に属しているディザテーブルが用いられる(このようなディザテーブルの具体例については、後述する)。この場合、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14については、ディザ処理に用いられるディザ値D
DITHERが小さくなる。その結果、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する画素列においては、「点灯」する副画素14が少なくなる。また、下位4ビットX[3:0]の値が“2”、“3”であるアドレスXに対応する画素列においては、「点灯」する副画素14が多くなる。
【0156】
その一方で、隣接するソース線13に接続された副画素14が、異なる極性の駆動電圧で駆動される。例えば、
図24では、左から奇数番目のソース線13に接続されている副画素14が、正極性の駆動電圧で駆動され、偶数番目のソース線13に接続されている副画素14が、負極性の駆動電圧で駆動される。
【0157】
この結果、「点灯」される副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数と、「点灯」される副画素14のうち負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数の差が小さくなる。
図24の例では、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する画素列については、3本のソース線13に接続されている副画素14が正極性の駆動電圧で駆動され、他の3本のソース線13に接続されている副画素14が負極性の駆動電圧で駆動される。ここで、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する画素列においては「点灯」する副画素14が少ないが、「点灯」する副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14と負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数は概ね同じである。
【0158】
下位4ビットX[3:0]の値が“2”、“3” アドレスXに対応する画素列についても類似の議論が成立する。下位4ビットX[3:0]の値が“2”、“3”であるアドレスXに対応する画素列についても、3本のソース線13に接続されている副画素14が正極性の駆動電圧で駆動され、他の3本のソース線13に接続されている副画素14が負極性の駆動電圧で駆動される。ここで、下位4ビットX[3:0]の値が“0”、“1”であるアドレスXに対応する画素列においては多くの副画素14の数が「点灯」するが、「点灯」する副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14と負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数は概ね同じである。
【0159】
したがって、カラム反転駆動が行われる場合でも、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じにくい。
【0160】
図25〜
図27は、カラム反転駆動が行われる場合でも、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じにくいディザテーブルの内容の具体例を示す。
【0161】
図25は、
図6の構成の8色処理回路部23aが用いられる場合に好適なディザテーブル44の内容を示す図である。
図25に図示されているディザテーブル44は、16×16個の要素を有しており、アドレスXの下位4ビットX[3:0]及びアドレスYの下位4ビットY[3:0]によって選択された要素が、ディザ値D
DITHERとしてディザ処理部43R、43G、43Bに供給される。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44の256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとり、互いに異なっている。上述のように、このようなディザテーブル44を用いた場合、ガンマ値γが1であるガンマ特性のディザ処理が行われることになる。
【0162】
図25に図示されているディザテーブル44では、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1(iは、0以上4以下の整数)であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属しており、また、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、該ディザテーブルの要素のうち値が大きい方の半数に属している。例えば、下位4ビットX[3:0]が0であるアドレスXに対応する列の要素の値は、順に、0、71、110、5、83、・・・、105であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属している。下位4ビットX[3:0]が1であるアドレスXについても同様に、該アドレスXに対応する列の要素の値は、順に、32、39、113、26、51、・・・、73であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属している。一方、下位4ビットX[3:0]が2であるアドレスXに対応する列の要素の値は、順に、159、216、241、154、204、・・・、246であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属している。下位4ビットX[3:0]が3であるアドレスXについても同様に、該アドレスXに対応する列の要素の値は、順に、191、184、238、133、172、・・・、214であり、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属している。
【0163】
このように決められたディザテーブル44を用いてディザ処理を行った場合、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。加えて、カラム反転駆動が行われる場合でも、「点灯」する副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14と負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数は概ね同じである。したがって、カラム反転駆動が行われる場合でも、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じにくい。
【0164】
なお、ディザテーブル44の各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の全ての要素がディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の全ての要素が、小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。
【0165】
図26は、
図9の構成の8色処理回路部23bが用いられる場合に好適なディザテーブル44Aの内容を示す図である。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44Aの256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとる。ただし、ディザテーブル44Aの要素の値の度数分布は、ガンマ値γが2.2であるようなガンマ補正に対応するディザ処理を行うように決定されている。
【0166】
図26に図示されているディザテーブル44Aでは、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1(iは、0以上4以下の整数)であるアドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Aの要素のうち値が小さい方の半数に属している。また、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、ディザテーブル44の要素のうち値が大きい方の半数に属している。なお、
図26に図示されているディザテーブル44Aは、
図10に図示されているディザテーブル44Aの要素を並び替えることで得ることができる。
【0167】
このように決められたディザテーブル44Aを用いてディザ処理を行っても、消費電力を低減すると共に、カラム反転駆動が行われる場合でも液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態を生じにくくすることができる。
【0168】
なお、ディザテーブル44Aの各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1であるアドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の全ての要素がディザテーブル44Aの要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44Aの列の全ての要素が、小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。
【0169】
なお、
図11、
図12、
図13に図示されている8色処理回路部23c、23d、23eについても、ディザテーブル44A−1〜44A−M、44R、44G、44Bの要素の値を同様に決めることで、消費電力を低減すると共に、カラム反転駆動が行われる場合でも液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態を生じにくくすることができる。
【0170】
図27は、
図14の構成の8色処理回路部23fが用いられる場合に好適なディザテーブル44Cの内容を示す図である。ディザ値D
DITHERのビット数は8であり、ディザテーブル44Cの256個の要素は、それぞれが0以上255以下の値をとる。ただし、ディザテーブル44Cの要素の値の度数分布は、
図15に図示されている関数f(p)によるコントラスト補正に対応するディザ処理を行うように決められている。
【0171】
図27に図示されているディザテーブル44Cでは、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1(iは、0以上4以下の整数)であるアドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Cの要素のうち値が小さい方の半数に属している。また、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44の列の要素は、いずれも、ディザテーブル44Cの要素のうち値が大きい方の半数に属している。なお、
図26に図示されているディザテーブル44Cは、
図16に図示されているディザテーブル44Cの要素を並び替えることで得ることができる。
【0172】
このように決められたディザテーブル44Cを用いてディザ処理を行った場合、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「消灯」し、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応する画素列の画素11の副画素14の多くが「点灯」する。したがって、ソース線13を最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動し、又は、最低階調に対応する電圧から最高階調に対応する電圧に駆動する回数が少なくなり、消費電力を低減することができる。加えて、カラム反転駆動が行われる場合でも、「点灯」する副画素14のうち正極性の駆動電圧で駆動される副画素14と負極性の駆動電圧で駆動される副画素14の数は概ね同じである。したがって、カラム反転駆動が行われる場合でも、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じにくい。
【0173】
なお、ディザテーブル44Cの各要素の値は、下位4ビットX[3:0]が4i、4i+1であるアドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の全ての要素がディザテーブル44Cの要素のうち値が大きい方の半数に属しており、下位4ビットX[3:0]が4i+2、4i+3であるアドレスXに対応するディザテーブル44Cの列の全ての要素が、ディザテーブル44の要素のうち値が小さい方の半数に属しているように決定されてもよい。
【0174】
また、
図17、
図18に図示されている8色処理回路部23g、23hについても、ディザテーブル44C−1〜44C−Mの要素の値を同様に決めることで、消費電力を低減すると共に、カラム反転駆動が行われる場合でも液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態を生じにくくすることができる。
【0175】
なお、第3の実施形態と同様に、消費電力を低減するという目的を考えると、第4の実施形態においてガンマ補正を行うことは必須ではないことに留意されたい。例えば、
図6に図示されている構成から輝度演算部41R、41G、41Bを取り除いても、ディザ処理部43R、43G、43Bによってディザ処理を行うことで、ある程度は良好な画質を得ることができる。この場合でも、全ての要素がディザテーブルの要素のうち値が小さい方の半数に属している2列と、全ての要素がディザテーブルの要素のうち値が大きい方の半数に属している2列とが交互に繰り返されて構成されたディザテーブルを用いることで、消費電力を低減すると共に、カラム反転駆動が行われる場合でも、液晶表示パネル3のソース線13の平均の電位が液晶表示パネル3の対向電極の電位(共通電位)から大きくずれる事態が生じにくくすることができる。
【0176】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。また、上記の実施形態は、技術的な矛盾がない限り、組み合わせて実施され得ることに留意されたい。