【解決手段】包装おにぎり10は、内シート40と外シート30と内シート40と外シート30に挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20が、内シート40の内側でおにぎり100を内包する。包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、切除される切除部27を備え、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40と、切除部27の終端部27bとが連結され、切除部27が切除されるときに、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40を引き出し可能とされている。
内シートと外シートと前記内シートと前記外シートに挟まれて配置されるシート状食品とが積層状態で構成される包装体が、前記内シートの内側でおにぎりを内包する包装おにぎりであって、
前記包装体は、前記おにぎりを内包した状態において、切除される切除部を備え、
前記おにぎりと前記シート状食品との間に位置する前記内シートと、前記切除部の終端部とが連結され、
前記切除部が切除されるときに、前記おにぎりと前記シート状食品との間に位置する前記内シートを引き出し可能とされていることを特徴とする包装おにぎり。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による包装おにぎりの第一の実施形態を図面に基づいて説明する。包装おにぎり10は、概略的には、
図1〜3に示すように、外シート30と、内シート40と、内シート40と外シート30に挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20が、折り曲げられた状態でおにぎり100を内包するものである。
【0016】
包装体20は
図1、2に示すように、外シート30と、内シート40と、シート状食品50と、で構成されている。なお、包装体20の説明においては、
図2の紙面における上下を上下方向、
図2の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図2の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0017】
外シート30は、透明で可撓性を有するとともに上下方向に易開封性を有する合成樹脂で矩形状に形成されている。外シート30の上下の外周縁近傍には、包装おにぎり10を開封するときに切れる方向を誘導する、カットテープ31、31が左右方向に沿ってそれぞれ配設されている。外シート30の右側の後述する幅広部分22となる部分の近傍には、分離手段としてのミシン目32が形成されている。
【0018】
内シート40は、透明で可撓性を有するとともに上下方向に易開封性を有し、かつ、表面が高い滑り性を有する合成樹脂で矩形状に形成され、外シート30と略同一のサイズとされている。内シート40の上下の外周縁近傍には、包装おにぎり10を開封するときに切れる方向を誘導する、カットテープ41、41が左右方向に沿ってそれぞれ配設されている。内シート40の左側の後述する幅広部分21となる部分の近傍には、分離手段としてのミシン目42が形成されている。
【0019】
シート状食品50として、本実施形態では、矩形状の海苔51が用いられている。海苔51は、包装体20に形成された状態において、内部に収納可能となるように、外シート30及び内シート40より縦横のサイズが小さく形成されている。
【0020】
包装体20は、後側から、外シート30、海苔51、内シート40の順に重ねられ、
図1の斜線部分に示される、外シート30及び内シート40の外周縁部30a、40aを、熱溶着等して接着することで、内部に海苔51が収納された袋体に形成される。接着された包装体20の左右の外周縁部の上下方向における中央部には、左右方向における幅が広く中央側に突出して接着された、幅広部分21、22がそれぞれ設けられている。
【0021】
包装体20の内シート40の前側、かつ、上部側におにぎり100を配置して、包装体20を二つ折りして重ね合わせて、既に外シート30と内シート40とが接着されている部分(外周縁部)を、略コの字状に接着する。接着された部分が接着部23(特許請求の範囲における接着部に相当する)となる。幅広部分21、22が折り重ねられて接着された部分が、幅広接着部24、25とされる。左側に位置する幅広接着部24に切り込み26を形成して包装おにぎり10が完成する。
【0022】
包装おにぎり10の機能作用を説明する。機能作用の説明では、
図4〜8の紙面における、上下を上下方向、
図4〜8の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図4〜8の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0023】
包装体20は、幅広接着部24の切り込み26より左側を手で持ち上側に引っ張ると、
図4に示すように、幅広接着部24で接着されて一体化している外シート30及び内シート40は、上側に向かって切れていく。
【0024】
補説すると、接着部23を含んだ外シート30及び内シート40の切り離される側が切除部27となり、おにぎり100及び海苔51を覆って残る外シート30及び内シート40側が残余部28(特許請求の範囲における包装体の切除部以外の部位に相当する)。となる。(なお、切除部27、残余部28は、切除部27が切り離されてから完全に切り離されるまでの状態をいうものとする。)つまり、切除部27は、接着部23を含み、包装体20の折り曲げ部分20aの、左側(一端側)に始端部27aが設けられ、右側(他端側)に終端部27bが設けられていることになる。
【0025】
包装体20が、外シート30及び内シート40に配設されたカットテープ31、41まで切れていくと、外シート30及び内シート40は、
図5に示すように、カットテープ31、41に誘導されて右方向に切れていく。外シート30及び内シート40が、カットテープ31、41の右端部まで切れると、
図6に示すように、外シート30及び内シート40の易開封性により、接着部23との境界近傍を下側に向かって切れて行く。そして、包装体20を構成する外シート30及び内シート40が、幅広接着部25まで切れていくと、幅広接着部25に妨げられて内シート40の切断はとまる。つまり、残余部28の内シート40と切除部27の内シート40が切れずに、終端部27bで連結された状態が維持される。
【0026】
そして、さらに切除部27を手で右側に引っ張ると、
図7に示すように、外シート30は、ミシン目32に誘導されて下端まで切れて、幅広接着部25から切除される。一方、内シート40は、ミシン目42に誘導されて残余部28に残った幅広接着部24から切除される。これにより、内シート40が右側に引っ張りだすことが可能となる。
【0027】
換言すれば、外シート30と内シート40が、重ね合わされて接着された接着部23を切除したうえで、切除部27と残余部28の内シート40とを連結させた状態とする。そして、残余部28側に残る接着部23(幅広接着部24)と残余部28側に残る内シート40を、切除部27側の接着部23(幅広接着部25)と残余部28側に残る外シート30を、分離可能として、残余部28側に残る内シート40をおにぎり100と海苔51の間から、右側に引っ張り出せる構成とされている。
【0028】
内シート40を引っ張り出すと、
図8に示すように、外シート30が残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。これにより、手を汚すことなく、包装おにぎり10を開封して食べることが可能となる。
【0029】
上記構成の包装おにぎり10では、内シート40と外シート30と内シート40と外シート30に挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20が、内シート40の内側でおにぎり100を内包する包装おにぎりであって、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、切除される切除部27を備え、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40と、切除部27の終端部27bとが連結され、切除部27が切除されるときに、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40を引き出し可能とされていることを特徴とする。
【0030】
これによれば、切除部27の終端部27bにおいて切除部27とおにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40とが連結されていることにより、切除部27を切除する手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品50との間にある内シート40を引き出し可能となる。よって、内シート40を手で持ちかえることなく、より容易に引き抜くことができる。
【0031】
また、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、内シート40と外シート30とが重ね合わされて接着された接着部23を有し、包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)には、切除部27が切除されるときに、接着部23から包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)を構成する内シート40及び外シート30が分離可能とされる分離手段(ミシン目32、ミシン目42)が配設されている。
【0032】
これによれば、接着部23から内シート40、外シート30を分離可能となるので、内シート40を容易に引き抜くことができることにつながる。本実施形態では、包装体20の密封性を確保するために、幅広接着部24に切り込み26が形成され、切除部27を切除するとそのままでは、包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)に接着部23(幅広接着部24、幅広接着部25)が残ってしまうが、分離手段(ミシン目32、ミシン目42)により、接着部23(幅広接着部24、幅広接着部25)から、内シート40、外シート30を分離可能となるので、内シート40を確実に引き抜くことができる。
【0033】
また、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、二つ折りされ、内シート40と外シート30の外周縁部30a、40aが重ね合わされて接着された接着部23を有し、切除部27は、接着部23を含み、包装体20の折り曲げ部分20aの、一端側に始端部27aが設けられ、他端側に終端部27bが設けられている。
【0034】
これによれば、接着部23が形成されない包装体20の折り曲げ部分20aの一端側から他端側に向かって接着部23を含んだ切除部27を切除することになり、切除部27を切除するときの、包装体20の折り曲げ部分20aの一端から他端に向かう手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する残余部28の内シート40を、包装体20の折り曲げ部分20aに沿って引き出し可能となる。
【0035】
本発明の第二の実施形態を説明する。以下の説明において、第一の実施形態と同じ構成については、同一符号を付し全部又は一部の説明を省略する。なお、包装体20Aの説明においては、
図10の紙面における上下を上下方向、
図10の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図10の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0036】
包装おにぎり10Aは、
図9〜12に示すように、外シート30Aと、内シート40Aと、内シート40Aと外シート30Aに挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20Aが、折り曲げられた状態でおにぎり100を内包するものである。
【0037】
外シート30Aは、外シート30と同様の部材であるが、上下方向の長さL1が内シート40Aの上下方向の長さL2より長く形成されている。
【0038】
図9において、外シート30Aの中央部の網掛け線を付した部分は、外シート30Aと内シート40Aとが折り重ねられて包装体20Aとなったときに、内シート40Aと重なり合わない余りしろ33Aとされる。
【0039】
また、外シート30Aの左側の外周縁部30Aaの、上下方向における中央部には、左右方向の幅が他の外周縁部30Aaより幅広に形成された掴み代形成部34Aが配設されている。
【0040】
内シート40Aは、内シート40と同様の部材であるが、右側の外周縁部の中央部から左右方向における中央に向かって、左右方向に長尺な帯状の連結ブリッジ43Aが配設されている。連結ブリッジ43Aは、内シート40Aと同様の部材で、内シート40Aの前側に配置され、左右方向の端部43Aa、43Abにおいてのみ、内シート40Aと接着されている。連結ブリッジ43Aは、後述する切除部27Aを切り離すときに、切除部27Aと後述する残余部28Aの内シート40Aと連結可能とするものである。
【0041】
また、内シート40Aの左側の外周縁部40Aaの、上下方向における中央部には、左右方向の幅が他の外周縁部40Aaより幅広に形成された掴み代形成部44Aが配設されている。掴み代形成部44Aは、掴み代形成部34Aより、余りしろ33Aに相当する分だけ、上下方向の長さが短く形成されている。換言すれば、掴み代形成部44Aと、掴み代形成部34Aとは、後述する外シート30Aと内シート40Aを接着し包装体20Aを袋体としたときに、余りしろ33Aを除いた部分が略同一形状となるように形成されている。
【0042】
包装体20Aは、
図10、11に示すように、外シート30Aの余りしろ33を折り合わせ、後側に外シート30Aの他の部分に対して直交するように形成し、外シート30Aを内シート40Aの長さL2と略同一の長さとし、後側から外シート30A、海苔51、内シート40Aの順に重ね合わせ、掴み代形成部34A、44Aを含む外周縁部30Aa、40Aaを接着し、内部に海苔51が収納された袋体に形成される。
【0043】
そして、
図10の状態で、包装体20Aの内シート40Aの前側、かつ、上部側におにぎり100を配置する。そして、袋体に形成された包装体20Aを二つ折りして重ね合わせて、
図12に示すように、既に外シート30Aと内シート40Aとが接着されている部分(外周縁部30Aa、40Aa)を、略コの字状に接着する。
【0044】
このとき、掴み代形成部34Aどうし、及び、掴み代形成部34A、掴み代形成部44A、が折り重ねられて接着された部分が、掴み代25Aとされる。掴み代25Aは、外シート30Aの掴み代形成部34Aどうしが重ね合わされて二枚が重なる二重接着部25Aaと、外シート30A及び内シート40Aが折り重ねられて、四枚が重なる四重接着部25Abとを有することになる。
【0045】
また、連結ブリッジ43Aは、包装体20A本体と同様に二つ折りされ端部43Ab側で、既に外シート30Aと内シート40Aとが接着されている部分に挟まれて接着されている。
【0046】
そして、本実施形態では、掴み代25Aを含む、外シート30Aどうし、及び、外シート30Aと内シート40Aとが接着された部分が接着部23A(特許請求の範囲における接着部に相当する)となる。
【0047】
さらに、
図12の丸内に示すように、外シート30Aの余りしろ33Aが重ね合わされて接着されている部位(二重接着部25Aa)に、切り込み26Aを形成し、切り込み26Aから内シート40Aの折り曲げ部分40Abの接着部23Aとの境界部分に向かって二重接着部25Aaが切れるように誘導する長円形の誘導孔29Aを複数設けることで、包装おにぎり10Aが完成する。なお、包装体20Aの
図12の状態が、特許請求の範囲における「おにぎりを内包した状態」となる。
【0048】
包装おにぎり10Aの機能作用を説明する。本実施形態体の機能作用の説明では、
図12〜17の紙面における、上下を上下方向、
図12〜17の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図12〜17の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0049】
包装体20Aを、
図12の状態から、掴み代25Aの二重接着部25Aaに形成された切り込み26Aより左側を手で持ち上側に引っ張ると、
図13に示すように、誘導孔29Aに誘導されて、内シート40Aの四重接着部25Abと接着されていない部位の境界に向かって、二重接着部25Aaを斜め上方に切れていく。換言すれば、残余部28A側の内シート40Aに接着部23Aが含まれないように切れていく。
【0050】
そして、二重接着部25Aaと、切り込み26Aと、誘導孔29Aと、で残余部28A側の内シート40Aに接着部23Aが含まれないように誘導する誘導手段21Aが構成されていることになる。
【0051】
また、本実施形態では、接着部23Aを含んだ外シート30A及び内シート40Aの切り離される側が切除部27A(左側が始端部27Aaとなる)となり、おにぎり100及び海苔51を覆って残る外シート30A及び内シート40A側が残余部28A(特許請求の範囲における包装体の切除部以外の部位に相当する)となる。
【0052】
包装体20Aは、
図13に示すように、残余部28Aの内シート40Aに、接着部23Aを含まない状態で、外シート30A及び内シート40Aが、上側に向かって切れていく。
【0053】
その後、切除部27Aが、外シート30A及び内シート40Aに配設されたカットテープ31、41まで切れていくと、外シート30A及び内シート40Aは、
図14に示すように、カットテープ31、41に誘導されて右方向に切れていく。
【0054】
外シート30A及び内シート40Aが、カットテープ31、41の右端部まで切れると、
図15に示すように、外シート30A及び内シート40Aの易開封性により、接着部23との境界近傍を下側に向かって切れて行く。
【0055】
そして、
図16に示すように、包装体20Aを構成する外シート30A及び内シート40Aが、折れ曲がり部30Ab、40Abまで切れていく。
【0056】
本実施形態の場合、外シート30Aは、接着部23Aを含んだ切除部27A側と、残余部28A側とに、終端部27Ab側において、完全に切り離され分離する。また、内シート40Aは、連結ブリッジ43Aとの接着部分である連結ブリッジ43Aの端部43Aa、43Abの間の外側をまわり込みながら切れていく。つまり、連結ブリッジ43Aは、外シート30A及び内シート40Aの内側に配置され、端部43Aa、43Abにおいてのみ、内シート40Aと接着されているので、残余部28A側の内シート40Aと切除部27A側の内シート40Aが、終端部27Ab側で連結された状態が維持される。
【0057】
以上のことから、連結ブリッジ43Aと、上下方向に易開封性を有する、外シート30A及び内シート40Aとで、接着部23Aが残余部28Aの内シート40A及び外シート30A側に含まれないように誘導する誘導手段22Aが構成される。
【0058】
一方、残余部28Aの内シート40Aには接着部23Aは残らない。これにより、内シート40Aが右側に引っ張りだすことが可能となる。
【0059】
換言すれば、外シート30Aと内シート40Aが、重ね合わされて接着された接着部23Aを切除したうえで、切除部27Aと残余部28Aの内シート40Aとを連結させた状態として、残余部28A側に残る内シート40Aをおにぎり100と海苔51の間から、右側に引っ張り出せる構成とされている。
【0060】
内シート40Aを引っ張り出すと、
図17に示すように、外シート30Aが残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。
【0061】
上記構成の包装おにぎり10Aによっても、内シート40Aを引っ張り出すと、外シート30Aが残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。これにより、手を汚すことなく、包装おにぎり10Aを開封して食べることが可能となる。
【0062】
上記構成の包装体20Aでは、おにぎり100を内包した状態において、内シート40Aと外シート30Aとが重ね合わされて接着された接着部23Aを有し、切除部27Aが切除されるときに、包装体20Aの切除部27A以外の部位(残余部28A)を構成する内シート40A及び外シート30Aに接着部23Aが含まれないように誘導する誘導手段21A(二重接着部25Aa、切り込み26A、誘導孔29A)、22A(外シート30A、内シート40A、連結ブリッジ43A)を備えている。
【0063】
これによれば、包装体20Aの切除部27A以外の部位(残余部28A)を構成する内シート40A及び外シート30Aに接着部23Aが含まれないようになるので、内シート40を容易に引き抜くことができることにつながる。
【0064】
本発明の第三の実施形態を説明する。実施する際には、シート状食品160、外シート130及び内シート140に線は付されないが、理解を容易にするため、図面に二点鎖線を付して説明する。二点鎖線は、各構成部分のおおよその境界、折り曲げ部分を示すものとする。
【0065】
包装おにぎり10Bは、
図18〜23に示すように、外シート130と、内シート140と、内シート140と外シート130に挟まれて配置されるシート状食品160とが積層状態で構成される包装体120が、折り曲げられた状態でおにぎり100を内包するものである。
【0066】
包装体120は、
図18、19に示すように、外シート130と、内シート140と、シート状食品160と、で構成されている。なお、包装体120の
図19〜23の説明においては、
図19の紙面における上下を上下方向、
図19の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図19の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0067】
外シート130は、可撓性を有する合成樹脂で形成され、三角柱形状に形成されたおにぎり100の底面部分を覆う、三角形状に形成された二つの三角壁部131、132と、長方形状に形成され側面部分を覆う三つの側壁部133、134、135と、を有している。
【0068】
側壁部133、134、135は、三角壁部132の各辺からそれぞれ外側に向かって延設されている。三角壁部131は、側壁部133の短手方向の三角壁部132とは反対側の辺から延設されている。
【0069】
側壁部133の左右方向の両端部から接着片133a、133bがそれぞれ延設されている。側壁部134の長手方向における側壁部133に近い側の端部から台形状の接着片134aが延設されている。側壁部135の長手方向における側壁部133に近い側の端部から台形状の接着片135aが延設されている。
【0070】
側壁部134の短手方向の三角壁部132とは反対側の辺から台形状の覆い片136が、側壁部135の短手方向の三角壁部132とは反対側の辺から台形状の覆い片137が、延設されている。
【0071】
側壁部135の長手方向における接着片135aとは反対側の端部には、手で把持可能な把持片135bが延設されている。側壁部135の短手方向の両端部には、包装おにぎり10Bを、開封切除するときに切る方向を誘導、補助する、カットテープ138、138が配設されている。
【0072】
側壁部133と、接着片133bとの境界近傍には、ミシン目139(特許請求の範囲の分離手段に相当する)が形成されている。
【0073】
内シート140は、可撓性を有するとともに表面が高い滑り性を有する合成樹脂で、長方形状に形成され外シート130と略同一のサイズとされている。
【0074】
内シート140は、三角形状に形成されおにぎり100の底面部分を覆う二つの三角壁部141、142と、三角柱形状に形成されたおにぎり100の側面部分を覆う、長方形状に形成された五つの側壁部143、144、145、146、147と、を有している。
【0075】
側壁部143、144、145は、三角壁部141の各辺からそれぞれ外側に向かって延設されている。三角壁部142は、側壁部145の短手方向の三角壁部141とは反対側の辺から延設されている。三角壁部142の側壁部145と連設していない二つの辺からさらに、長方形状の側壁部146、147が延設されている。
【0076】
側壁部143の長手方向における側壁部144に近い側の端部には、蓋片143aが配設されている。側壁部145の左右方向の両端部から接着片145a、145bがそれぞれ延設されている。側壁部146の長手方向における側壁部147に近い側の端部には、蓋片146aが配設されている。
【0077】
側壁部144の後側には帯状の位置決めシート148が、側壁部147の後側には帯状の位置決めシート149が、上下方向に沿ってそれぞれ配置されている。位置決めシート148、149は、側壁部144、147の長手方向に沿って接着される接着部位148a、149aが設けられている。換言すれば、位置決めシート148、149は、側壁部144、147の海苔161が配置される予定位置の外縁近傍で側壁部144、147と接着されている。
【0078】
側壁部145と、接着片145aとの境界近傍には、ミシン目150(特許請求の範囲の分離手段に相当する)が形成されている。
【0079】
シート状食品160として、本実施形態では、海苔161が用いられ、海苔161は、
図18に示すように、菱形を、左右の対向する頂部において、破線で示した三角形状の領域160aを切り取るとともに、上下の頂部において、破線で示した四角形状の領域160bを切り取った形状に裁断されている。
【0080】
海苔161は、外シート130の三角壁部131、132と側壁部133とを合わせた部分から、三角壁部131、132の外周縁から若干はみ出る程度のサイズに形成されている。また、海苔161は、内シート140の三角壁部141、142と側壁部143、144、145、146、147とを合わせた部分よりサイズが小さく形成されている。
【0081】
包装おにぎり10Bの製造方法は、左側から、内シート140と位置決めシート148、149との間に、左側から海苔161を進入させて、海苔161の位置決めをする。
図19に参照するように、海苔161は、内シート140と重ね合わされた状態において、接着部位148a、149aにより、上、下、右への移動を規制される。
【0082】
そして、
図18、19に示すように、内シート140と海苔161が重ね合わされたものを外シート130の前側に配置する。このとき、三角壁部131と三角壁部141、三角壁部132と三角壁部142、側壁部133と側壁部145、側壁部134と側壁部146、側壁部135と側壁部147、接着片133aと接着片145a、接着片133bと接着片145b、が海苔161を挟んで重ね合わされた状態となっている。
【0083】
接着片133aと接着片145a、接着片133bと接着片145b、が熱溶着等されて仮接着部121、122が形成され、包装体120となる。そして、内シート140の三角壁部142におにぎり100を乗せる。
【0084】
換言すれば、後側から、外シート130、海苔161、内シート140の順に重ねられ、その上におにぎり100が乗せられることになる。
【0085】
その後、
図20に示すように、外シート130の側壁部133及び三角壁部131、海苔161、内シート140の側壁部145及び三角壁部141、を重ね合わされた状態で、おにぎり100を覆うように折り曲げる。そして、内シート140の側壁部143、144をおにぎりの側面を覆うように折り曲げ、蓋片143aを側壁部144の外側に重ね合わせる。
【0086】
次に、
図21に示すように、内シート140の側壁部146、147を、側壁部143、144の外側を覆うように折り曲げ、蓋片146aを側壁部147の外側に重ね合わせる。
【0087】
そして、
図22に示すように、外シート130の側壁部134、135を折り曲げ側壁部146、147の外側を覆い、さらに、
図23に示すように、覆い片136、137を外シート130の三角壁部131の外側に重ね合わせ、シール123で貼着固定するとともに、把持片135bを側壁部134に接着する。そして、仮接着部121(接着片133aと接着片145a)と接着片134a、仮接着部122(接着片133b、接着片145b)と接着片135a、が熱溶着等されて接着され接着部124、125が形成されて包装おにぎり10Bが完成する。
【0088】
包装おにぎり10Bの機能作用を説明する。把持片135bを手で持ち、
図24〜25に示すように、側壁部135を接着部125側に引っ張ると、カットテープ138、138に誘導されて、三角壁部132及び覆い片137から切り離されていく。本実施形態では、切り離される側壁部135が切除部126となり、残りの部分が残余部127となる。
【0089】
つまり、包装体120において、切除部126は、把持片135b側に始端部126aが設けられ、接着片135a側に終端部126bが設けられていることになる。
【0090】
また、接着部125は、
図24等に示すように、上から接着片135a、接着片145b、接着片133bの順に重ね合わされている。つまり、接着片135aと接着片145bが接着されて、外シート130の側壁部135と内シート140の側壁部145とが連結されていることになる。
【0091】
さらに、側壁部135を引っ張ることで、
図25、26に示すように、ミシン目150が切れて側壁部145が接着部124から分離するとともに、ミシン目139が切れて側壁部133が接着部125から分離して、内シート140が引っ張りだされる。
【0092】
このとき、側壁部143と側壁部146とは重ね合わされているのみで接着されていないので、側壁部135を引っ張ることによって、側壁部143と側壁部146とで構成される内シート140の側面部分と接するおにぎり100の側面部分の角部分に、側壁部143と側壁部146が当たって徐々に開いていき、側壁部143が三角壁部131に、側壁部146が三角壁部132に、沿うように開放され、側壁部143と側壁部146とが重ね合わされた状態が解除されて、内シート140が引っ張りだすことが可能となる。
【0093】
内シート140を引っ張り出すと、
図27に示すように、外シート130(残余部127)が残り、手を汚さずに、海苔161に覆われたおにぎり100を得ることができる。これにより、手を汚すことなく、包装おにぎり10Bを開封して食べることが可能となる。
【0094】
上記構成の包装おにぎり10Bでは、切除部126の終端部126bにおいて切除部126と残余部127の内シート140とが連結されていることにより、切除部126を切除する手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品160との間にある残余部127の内シート140を引き出し可能となる。また、第一の実施形態の包装おにぎり10、第二の実施形態の包装おにぎり10Aに比して、切除部126が小さくなるので、引っ張り出す動作領域を小さくすることができる。
【0095】
また、おにぎり100を内包した状態において、内シート140と外シート130とが重ね合わされて接着された接着部124、125を有し、包装体120の切除部126以外の部位(残余部127)には、切除部126が切除されるときに、接着部124、125から包装体120の切除部126以外の部位を構成する内シート140及び外シート130が分離可能とされる分離手段(ミシン目139、ミシン目150)が配設されている。
【0096】
これによれば、接着部124、125から内シート140、外シート130を分離可能となるので、内シート140を容易に引き抜くことができることにつながる。本実施形態では、側壁部135を引っ張って開封する構成とされ、切除部126を切除するとそのままでは、包装体120の切除部126以外の部位(残余部127)に接着部124、125が残ってしまうが、分離手段(ミシン目139、ミシン目150)により、接着部124、125から内シート140、外シート130を分離可能となるので、内シート140を確実に引き抜くことができる。
【0097】
本発明の第四の実施形態を説明する。実施する際には内シート240、シート状食品260及び開封シート270には、線は付されないが、理解を容易にするため、図面に二点鎖線を付して説明する。二点鎖線は、各構成部分のおおよその境界、折り曲げ部分を示すものとする。
【0098】
包装おにぎり10Cは、
図31に示すように、内シート240と外シート230と内シート240と外シート230に挟まれて配置されるシート状食品260とが積層状態で構成される包装体220が、内シート240の内側でおにぎり100を内包する。
【0099】
包装体220は、
図28、31に示すように、外シート230と、内シート240と、シート状食品260と、開封シート270と、で構成されている。なお、包装体220の説明において、
図28を参照する場合においては、
図28の矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0100】
外シート230は、可撓性を有する合成樹脂で形成され、
図28に示すように、三角形状に形成され前後方向において対向して配置される二つの三角壁部231、232と、長方形状に形成され三角壁部231、232の下側の辺、左斜め上側の辺、どうしを連結する二つの側壁部233、234と、を有して、右斜め上方側が開口する中空な略三角柱形状に形成されている。外シート230の開口端縁部から外側に向かって延設されるフランジ部235が配設されている。
【0101】
内シート240は、可撓性を有するとともに表面が高い滑り性を有する合成樹脂で、
図30に示すように、三角形状に形成された二つの三角壁部241、242と、長方形状に形成され三角壁部241、242の対向する辺どうしを連結する側壁部243と、を有している。
【0102】
側壁部243の長手方向における一端側には、略矩形状の蓋片243aが配設されている。側壁部243の長手方向における他端側には、略矩形状の接着部形成片243bが配設されている。
【0103】
三角壁部241の蓋片243aに近い側の辺には、長方形状の側壁形成片部244が延設され、三角壁部242の蓋片243aに近い側の辺には、長方形状の側壁形成片部245が延設され、三角壁部241の接着部形成片243bに近い側の辺には、長方形状のフランジ形成片246が延設され、三角壁部242の接着部形成片243bに近い側の辺には、長方形状のフランジ形成片247が延設されている。
【0104】
三角壁部241、242は、三角壁部231、232より若干小さめのサイズに形成され、側壁部243は、側壁部233、234より若干小さめのサイズに形成されている。側壁形成片部244と、側壁形成片部245とを合わせたサイズは、側壁部233、234より若干小さいサイズに形成されている。また、フランジ形成片246、247の突出幅は、フランジ部235の突出幅より小さく設定されている。
【0105】
壁形成シート248は、可撓性を有する合成樹脂で帯状に形成され、側壁形成片部244及び、側壁形成片部245の長手方向における長さと略二倍の長さに設定されている。壁形成シート248の長手方向における一方の端部には、略矩形状の接着部形成片248cが延設されている。
【0106】
壁形成シート248の接着部形成片248cを除いた部分の長手方向における中央部分に折り曲げ部248aが形成されている。壁形成シート248の長手方向における接着部形成片248cとは反対側の端部から折り曲げ部248aまでの表裏いずれか一方の面(
図30においては紙面奥側の面)が、側壁形成片部244及び側壁形成片部245と接着可能な接着面248bとされている。
【0107】
壁形成シート248は、接着面248bで側壁形成片部244、側壁形成片部245と接着され、おにぎり100を内包した状態において、内シート240の側の側壁部分を形成するものである。
【0108】
接着部形成片243bと、接着部形成片248cは、外シート230のフランジ部235と重ね合わせたときに、フランジ部235より突出するように形成されている。
【0109】
シート状食品260として、本実施形態では、
図29に示すように、二枚の海苔261、265が用いられている。海苔261は、三角形状の三角壁部262と、三角壁部262の二辺からそれぞれ外側に向かって延設され、長方形状に形成されたふたつの側壁部263、264と、を有している。海苔265は、三角形状の三角壁部266と、三角壁部266の二辺からそれぞれ外側に向かって延設され、長方形状に形成されたふたつの側壁部267、268と、を有している。三角壁部262、266は、三角壁部231、232より若干小さめのサイズに形成され、側壁部263、264、267、268は、側壁部233、234より若干小さめのサイズに形成されている。
【0110】
開封シート270は、可撓性を有して角部分が丸く形成された略矩形状のシートが用いられ、
図28に示すように、フランジ部235の外形形状と略同一の形状とされ、外シート230の開口部分を覆い可能とされている。開封シート270は、長手方向における一端側に半長円状に突出する掴み片271と、長手方向における他端側に半長円状に突出する連結片272を有している。開封シート270は、外周縁部が外シート230のフランジ部235と接着されるもので、掴み片271と、連結片272は、フランジ部235と重ね合わせたときに、フランジ部235より突出するように形成されている。
【0111】
包装おにぎり10Cの製造方法は、予め海苔261、265を、
図28に示すように、米等のでんぷん質からなる糊で側壁部263と側壁部267、側壁部264と側壁部268どうしを接着して、斜め上方が開口した中空な略三角柱形状に形成する。
【0112】
外シート230内にシート状食品260(海苔261、265)をセットした状態にしておく。内シート240の側壁形成片部244を三角壁部241に対して、側壁形成片部245を三角壁部242に対して、内側に折り曲げ、壁形成シート248の接着面248bを外側から貼り付けて、内シート240に側壁部233に対応する側壁を形成する。そして、壁形成シート248を折り返して貼り付けた部分と重ね合わせ、接着部形成片248cを内シート240の開口縁部に沿って折り曲げ、内シート240を、
図28に示すような、斜め上方が開口した中空な略三角柱形状に形成する。
【0113】
そして、内シート240の内側におにぎり100を配置する。おにぎり100を内包した内シート240を、外シート230の内側に配置されたシート状食品260(海苔261、265)の内側に配置する。
【0114】
フランジ部235に、フランジ形成片246、247、接着部形成片243b、接着部形成片248cを重ね合わせて、内シート240、外シート230の開口縁部を覆うように開封シート270を配置して、外シート230のフランジ部235と開封シート270の外周縁部とを接着して、包装おにぎり10C(包装体220)が完成する。
【0115】
このとき、
図31(海苔261、265は省略してある)に示すように、接着部形成片243b、接着部形成片248cは、フランジ部235及び開封シート270と接着されるが、内シート240のフランジ形成片246、247は、フランジ部235と開封シート270に挟み込まれるのみで、接着されない。
【0116】
そして、接着部形成片243bと開封シート270、接着部形成片248cと開封シート270、が接着される部分の接着力は、フランジ部235と接着部形成片243b、接着部形成片248cが接着される部分の接着力より強固なものとする。
【0117】
換言すれば、開封シート270で開封するときに、フランジ部235と内シート240(接着部形成片243b、接着部形成片248c)との接着部分が剥がれて、内シート240と開封シート270の接着部分が剥がれない状態とする。
【0118】
本実施形態では、剥がれやすく接着された、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分、フランジ部235と接着部形成片243bとの接着部分、が接着部221、接着部222となるとともに、内シート240と外シート230との接着部分を剥離可能な剥離手段223、剥離手段224となる。
【0119】
また、
図31、32に示すように、始端部226aにおいては、上から掴み片271、接着部形成片248c、フランジ部235の順に重ね合わされ、上端部分で掴み片271、接着部形成片248cのみが接着されている。また、終端部226b側においては、上から連結片272、接着部形成片243b、フランジ部235の順に重ね合わされ、下端部分で連結片272、接着部形成片243bのみが接着されている。
【0120】
包装おにぎり10Cの機能作用を説明する。掴み片271と、接着部形成片248cとが接着された部分を手で持ち、
図32の状態から、開封シート270を接着部形成片243b側に引っ張ると、接着部形成片248cと開封シート270の掴み片271と、接着部形成片248cとフランジ部235との接着力の違いから、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分が剥がれる。
【0121】
そして、開封シート270を引っ張ると
図33に示すように、壁形成シート248が引っ張られて、側壁形成片部244及び側壁形成片部245から壁形成シート248の接着面248bが剥がれていき、壁形成シート248が全て引き出されて内シート240の側壁部分が開放される。
【0122】
本実施形態では、
図33に示すように、剥がされる開封シート270と壁形成シート248が切除部226となり、残りの部分が残余部227となる。つまり、包装体220において、切除部226は、掴み片271側に始端部226aが設けられ、連結片272側に終端部226bが設けられていることになる。
【0123】
また、内シート240のフランジ形成片246、247は、フランジ部235と開封シート270に挟み込まれるのみであるので、開封シート270とフランジ部235とが引き剥がされることにより、フランジ部235及び開封シート270と離れていく。
【0124】
さらに、開封シート270を剥がしていくと、
図34に示すように、連結片272と、接着部形成片243bが接着されて連結されていることにより、内シート240を引っ張り出すことが可能となる。
【0125】
内シート240を引っ張り出すと、外シート230(残余部227)が残り、手を汚さずに、海苔261、265に覆われたおにぎり100を得ることができる。このような構成によっても、手を汚すことなく、包装おにぎり10Cを開封して食べることが可能となる。
【0126】
上記構成の包装おにぎり10Cでは、切除部226の終端部226bにおいて切除部226と残余部227の内シート240とが連結されていることにより、切除部226を切除する手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品260との間にある残余部227の内シート240を引き出し可能となる。また、第一の実施形態の包装おにぎり10、第二の実施形態の包装おにぎり10Aに比して、切除部226が小さくなるので、引っ張り出す動作領域を小さくすることができる。
【0127】
また、包装体220は、おにぎり100を内包した状態において、内シート240と外シート230とが重ね合わされて接着された接着部221、222を有し、包装体220には、切除部226が切除されるときに、内シート240と外シート230との接着部分を剥離可能な剥離手段223、224が配設されている構成としているので、内シート240を容易に引き抜くことができる。
【0128】
上記の第四の実施形態の包装おにぎり10Cの変形例を図面に基づいて説明する。以下の説明において、第四の実施形態と同じ構成については、同一符号を付し全部又は一部の説明を省略する。
【0129】
包装おにぎり10C1では、外シート230が、
図35の二点鎖線で参照するように、開口縁部に沿うように易開封性を有する。そして、側壁部233の上部の前後方向における中央部には、
図35に示すように、左斜め上側に突出するリブ236が配設されている。リブ236は、左右方向からみて上下方向に沿って、側壁部233の上部とフランジ部235の下面側とを連結するように形成されている(方向については
図28参照)。リブ236には、切り込み236aが形成されている。
【0130】
そして、接着部形成片243bとフランジ部235、接着部形成片248cとフランジ部235、が接着される部分の接着力は、接着部形成片243b、接着部形成片248cと開封シート270が接着される部分の接着力と同等とする。
【0131】
換言すれば、開封シート270で開封するときに、外シート230のフランジ部235と、内シート240(接着部形成片243b、接着部形成片248c)と、開封シート270と、の接着部分が一体となって分離される状態とする。
【0132】
本変形例においても、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分、フランジ部235と接着部形成片243bとの接着部分、がそれぞれ接着部221、接着部222となる。
【0133】
図35、36に示すように、リブ236と、切り込み236aと、開口縁部に沿って開封性を有する外シート230とで、切除部228が切除されるときに、接着部221、222から包装体220の切除部228以外の部位(残余部229)を構成する内シート240及び外シート230が分離可能とされる分離手段225が構成される。なお、外シート230に付された二点鎖線は、外シート230の切断予定線で、分離手段225の理解を容易にするためのものである。また、本変形例は、第四の実施形態の変形例であるが、分離手段225は、出願当初の特許請求の範囲における請求項2の分離手段に相当する。
【0134】
包装おにぎり10C1の機能作用を説明する。掴み片271と、接着部形成片248cとが接着された部分を手で持ち、
図35の状態から、開封シート270を接着部形成片243b側に引っ張ると、一体化しているフランジ部235も引き上げられ、切り込み236aから、リブ236が側壁部233に向かって切れ、さらに側壁部233との境界部分から、側壁部233の前後方向にそれぞれ別れて切れていく(
図35の丸内参照)。
【0135】
そして、外シート230は開口縁部に沿うように易開封性を有することから、
図36に示すように、符号225が付された二点鎖線に沿って、三角壁部231、232の斜め下側に(フランジ部235と略平行となるように)切れていく。さらに、側壁部234の前後の端部から中央に向かってそれぞれ切れていき合流する。換言すれば、フランジ部235と略平行に輪切り状となるように、三角壁部231、232、側壁部233、234が切り離されていくことになる。
【0136】
なお、切り離される過程における、開封シート270、壁形成シート248、側壁形成片部244、側壁形成片部245、の機能作用、フランジ形成片246、247、フランジ部235、開封シート270の機能作用は、
図33に示す包装おにぎり10Cと同様であるので説明は省略する。
【0137】
本実施形態では、
図36に示すように、包装おにぎり10C1の包装体220の符号225が付された二点鎖線を境界として、右側の部分を構成する、外シート230の三角壁部231、232、側壁部233、234、フランジ部235、開封シート270、壁形成シート248、が切除部228となり、包装おにぎり10C1の包装体220の符号225が付された二点鎖線を境界として、左側の残りの部分が残余部229となる。つまり、包装体220において、切除部228は、掴み片271側に始端部228aが設けられ、連結片272側に終端部228bが設けられていることになる。
【0138】
さらに、切除部228を分離していくと、
図37に示すように、連結片272と、接着部形成片243bが接着されて連結されていることにより、内シート240を引っ張り出すことが可能となる。
【0139】
内シート240を引っ張り出すと、外シート230(残余部229側の)が残り、手を汚さずに、海苔261、265に覆われたおにぎり100を得ることができる。
【0140】
このような構成によっても、包装体220の切除部228以外の部位を構成する内シート240及び外シート230に接着部221、222が含まれないようになるので、内シート240を容易に引き抜くことができることにつながる。よって、手を汚すことなく、包装おにぎり10C1を開封して食べることが可能となる。
【0141】
本発明の包装おにぎりは上記第一〜四の実施形態、及び、第四の実施形態の変形例に限定されるものではない。即ち、第一〜四の実施形態、及び、第四の実施形態の変形例に現わされた発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0142】
例えば、切り込み26、26A(
図3、
図12参照)は、接着してから形成したが、予め、外シート30、30A、内シート40、40Aの対応する位置に切り込みを形成してから接着することも可能である。
【0143】
また、誘導孔29A(
図12参照)も接着してから形成したが、予め、外シート30Aの対応する位置に孔を形成してから接着することも可能である。
【0144】
また、海苔161の側壁部143、144、146、147と重なる部分の短手方向の幅は、適宜変更することができる(
図18、
図19参照)。それに対応して、位置決めシート148、149の接着部位148a、149aの位置を適宜変更することも可能である。
【0145】
また、海苔261の側壁部263、264、海苔265の側壁部267、268の短手方向の幅は、シート状食品260の側壁部分を形成できるのであれば適宜変更することができる(
図29参照)。
【0146】
また、
図29の二点鎖線に示すように、例えば、
図28の状態のシート状食品260の開口部分を覆うように、三角壁部262から台形状の覆い部分を延設することも可能である。また、覆い部分を三角壁部266から延設することも可能であり、さらに、三角壁部262及び三角壁部266から延設させることも可能である。
【0147】
また、包装おにぎり10、10B、10C1を、開封切除するときに切る方向を誘導、補助する手段として、カットテープ31、カットテープ41、カットテープ138等を用いたが(
図3、
図12、
図24参照)、当該機能を有するのであれば、ミシン目、カットライン等既存の技術を用いることができる。
【0148】
また、外シート30、130、内シート40、140に設けられた分離手段としてのミシン目32、42、139、150を用いたが(
図1、
図18参照)、当該機能を有するのであれば、カットライン等の既存の分離手段を用いることができる。
【0149】
また、包装おにぎり10において、幅広接着部24(
図3参照)を設けないで、外シート30、内シート40に直接切り込みを設け、外シート30、内シート40を切り離すこともできる。さらに、包装おにぎり10Aのように、連結ブリッジ43A(
図12、
図16参照)を、内シート40の内側に配設し、切り離される切除部27と残余部28に残る内シート40とを架け渡すようにすることも可能である。この場合、ミシン目32、42(
図1参照)を省略することができる。
【0150】
また、シート状食品50、160、260(
図1、
図9、
図18、
図29参照)は、海苔51、161、261、265としたが、うす焼卵、薄切り焼き肉等シート状の食品を適用することができる。
【0151】
また、包装おにぎり10Bにおいて、接着片145a(
図18、
図19参照)を設けずに接着片133aと接着片134aとを接着するとともに、接着片133bと接着片145bを接着しないで、接着片145bと接着片135aのみを接着することも可能である。この場合、接着部124に対応する部分と内シート140の側壁部145、接着部125に対応する部分と外シート130の側壁部133、が接着されないことになるので、ミシン目139、150を省略することができる。
【0152】
また、包装おにぎり10Cにおいて(
図31参照)、接着部形成片248cと掴み片271のフランジ部235より突出する部分、接着部形成片243bと連結片272のフランジ部235より突出する部分、のみが、接着力がフランジ部235と開封シート270が接着される部分の接着力より強固なものとすることも可能である。
【0153】
また、包装おにぎり10C1において(
図35、
図36参照)、外シート230の切除部228となる部分と、残余部229となる部分とを別体で構成し、境界部分を重ね合わせて接着することで切り離し可能とすることもできる。
内シートと外シートと前記内シートと前記外シートに挟まれて配置されるシート状食品とが積層状態で構成される包装体が、前記内シートの内側でおにぎりを内包する包装おにぎりであって、
前記シート状食品は、前記外シート及び前記内シートで仕切られた空間内に配置された密封状態にあり、
前記包装体は、折り重ねられた状態で前記おにぎりを内包し、前記内シートと前記外シートとが重ね合わされて接着された接着部を有し、
前記接着部が、折り重ねられた前記内シートと前記外シートの外周縁部に形成され、
前記包装体は、前記おにぎりを内包した状態において、切除される切除部を備え、
前記切除部は、前記包装体の折り重ねられた折り曲げ部位の外周縁部の一端に形成された接着部の切り込みを始端にして、前記折り曲げ部位の外周縁部の他端を終端として形成され、
前記おにぎりと前記シート状食品との間に位置する前記内シートと、前記切除部の終端部とが連結され、
前記切除部が切除されるときに、前記接着部から、前記包装体の前記切除部以外の部位を構成する前記内シート及び前記外シートが分離可能とされる分離手段が配設され、
前記切除部が切除されるときに、前記おにぎりと前記シート状食品との間に位置する前記内シートを引出し可能とされていることを特徴とする包装おにぎり。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による包装おにぎりの第一の実施形態を図面に基づいて説明する。包装おにぎり10は、概略的には、
図1〜3に示すように、外シート30と、内シート40と、内シート40と外シート30に挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20が、折り曲げられた状態でおにぎり100を内包するものである。
【0017】
包装体20は
図1、2に示すように、外シート30と、内シート40と、シート状食品50と、で構成されている。なお、包装体20の説明においては、
図2の紙面における上下を上下方向、
図2の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図2の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0018】
外シート30は、透明で可撓性を有するとともに上下方向に易開封性を有する合成樹脂で矩形状に形成されている。外シート30の上下の外周縁近傍には、包装おにぎり10を開封するときに切れる方向を誘導する、カットテープ31、31が左右方向に沿ってそれぞれ配設されている。外シート30の右側の後述する幅広部分22となる部分の近傍には、分離手段としてのミシン目32が形成されている。
【0019】
内シート40は、透明で可撓性を有するとともに上下方向に易開封性を有し、かつ、表面が高い滑り性を有する合成樹脂で矩形状に形成され、外シート30と略同一のサイズとされている。内シート40の上下の外周縁近傍には、包装おにぎり10を開封するときに切れる方向を誘導する、カットテープ41、41が左右方向に沿ってそれぞれ配設されている。内シート40の左側の後述する幅広部分21となる部分の近傍には、分離手段としてのミシン目42が形成されている。
【0020】
シート状食品50として、本実施形態では、矩形状の海苔51が用いられている。海苔51は、包装体20に形成された状態において、内部に収納可能となるように、外シート30及び内シート40より縦横のサイズが小さく形成されている。
【0021】
包装体20は、後側から、外シート30、海苔51、内シート40の順に重ねられ、
図1の斜線部分に示される、外シート30及び内シート40の外周縁部30a、40aを、熱溶着等して接着することで、内部に海苔51が収納された袋体に形成される。接着された包装体20の左右の外周縁部の上下方向における中央部には、左右方向における幅が広く中央側に突出して接着された、幅広部分21、22がそれぞれ設けられている。
【0022】
包装体20の内シート40の前側、かつ、上部側におにぎり100を配置して、包装体20を二つ折りして重ね合わせて、既に外シート30と内シート40とが接着されている部分(外周縁部)を、略コの字状に接着する。接着された部分が接着部23(特許請求の範囲における接着部に相当する)となる。幅広部分21、22が折り重ねられて接着された部分が、幅広接着部24、25とされる。左側に位置する幅広接着部24に切り込み26を形成して包装おにぎり10が完成する。
【0023】
包装おにぎり10の機能作用を説明する。機能作用の説明では、
図4〜8の紙面における、上下を上下方向、
図4〜8の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図4〜8の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0024】
包装体20は、幅広接着部24の切り込み26より左側を手で持ち上側に引っ張ると、
図4に示すように、幅広接着部24で接着されて一体化している外シート30及び内シート40は、上側に向かって切れていく。
【0025】
補説すると、接着部23を含んだ外シート30及び内シート40の切り離される側が切除部27となり、おにぎり100及び海苔51を覆って残る外シート30及び内シート40側が残余部28(特許請求の範囲における包装体の切除部以外の部位に相当する)。となる。(なお、切除部27、残余部28は、切除部27が切り離されてから完全に切り離されるまでの状態をいうものとする。)つまり、切除部27は、接着部23を含み、包装体20の折り曲げ部分20aの、左側(一端側)に始端部27aが設けられ、右側(他端側)に終端部27bが設けられていることになる。
【0026】
包装体20が、外シート30及び内シート40に配設されたカットテープ31、41まで切れていくと、外シート30及び内シート40は、
図5に示すように、カットテープ31、41に誘導されて右方向に切れていく。外シート30及び内シート40が、カットテープ31、41の右端部まで切れると、
図6に示すように、外シート30及び内シート40の易開封性により、接着部23との境界近傍を下側に向かって切れて行く。そして、包装体20を構成する外シート30及び内シート40が、幅広接着部25まで切れていくと、幅広接着部25に妨げられて内シート40の切断はとまる。つまり、残余部28の内シート40と切除部27の内シート40が切れずに、終端部27bで連結された状態が維持される。
【0027】
そして、さらに切除部27を手で右側に引っ張ると、
図7に示すように、外シート30は、ミシン目32に誘導されて下端まで切れて、幅広接着部25から切除される。一方、内シート40は、ミシン目42に誘導されて残余部28に残った幅広接着部24から切除される。これにより、内シート40が右側に引っ張りだすことが可能となる。
【0028】
換言すれば、外シート30と内シート40が、重ね合わされて接着された接着部23を切除したうえで、切除部27と残余部28の内シート40とを連結させた状態とする。そして、残余部28側に残る接着部23(幅広接着部24)と残余部28側に残る内シート40を、切除部27側の接着部23(幅広接着部25)と残余部28側に残る外シート30を、分離可能として、残余部28側に残る内シート40をおにぎり100と海苔51の間から、右側に引っ張り出せる構成とされている。
【0029】
内シート40を引っ張り出すと、
図8に示すように、外シート30が残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。これにより、手を汚すことなく、包装おにぎり10を開封して食べることが可能となる。
【0030】
上記構成の包装おにぎり10では、内シート40と外シート30と内シート40と外シート30に挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20が、内シート40の内側でおにぎり100を内包する包装おにぎりであって、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、切除される切除部27を備え、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40と、切除部27の終端部27bとが連結され、切除部27が切除されるときに、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40を引き出し可能とされていることを特徴とする。
【0031】
これによれば、切除部27の終端部27bにおいて切除部27とおにぎり100とシート状食品50との間に位置する内シート40とが連結されていることにより、切除部27を切除する手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品50との間にある内シート40を引き出し可能となる。よって、内シート40を手で持ちかえることなく、より容易に引き抜くことができる。
【0032】
また、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、内シート40と外シート30とが重ね合わされて接着された接着部23を有し、包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)には、切除部27が切除されるときに、接着部23から包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)を構成する内シート40及び外シート30が分離可能とされる分離手段(ミシン目32、ミシン目42)が配設されている。
【0033】
これによれば、接着部23から内シート40、外シート30を分離可能となるので、内シート40を容易に引き抜くことができることにつながる。本実施形態では、包装体20の密封性を確保するために、幅広接着部24に切り込み26が形成され、切除部27を切除するとそのままでは、包装体20の切除部27以外の部位(残余部28)に接着部23(幅広接着部24、幅広接着部25)が残ってしまうが、分離手段(ミシン目32、ミシン目42)により、接着部23(幅広接着部24、幅広接着部25)から、内シート40、外シート30を分離可能となるので、内シート40を確実に引き抜くことができる。
【0034】
また、包装体20は、おにぎり100を内包した状態において、二つ折りされ、内シート40と外シート30の外周縁部30a、40aが重ね合わされて接着された接着部23を有し、切除部27は、接着部23を含み、包装体20の折り曲げ部分20aの、一端側に始端部27aが設けられ、他端側に終端部27bが設けられている。
【0035】
これによれば、接着部23が形成されない包装体20の折り曲げ部分20aの一端側から他端側に向かって接着部23を含んだ切除部27を切除することになり、切除部27を切除するときの、包装体20の折り曲げ部分20aの一端から他端に向かう手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品50との間に位置する残余部28の内シート40を、包装体20の折り曲げ部分20aに沿って引き出し可能となる。
【0036】
本発明の第二の実施形態を説明する。以下の説明において、第一の実施形態と同じ構成については、同一符号を付し全部又は一部の説明を省略する。なお、包装体20Aの説明においては、
図10の紙面における上下を上下方向、
図10の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図10の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0037】
包装おにぎり10Aは、
図9〜12に示すように、外シート30Aと、内シート40Aと、内シート40Aと外シート30Aに挟まれて配置されるシート状食品50とが積層状態で構成される包装体20Aが、折り曲げられた状態でおにぎり100を内包するものである。
【0038】
外シート30Aは、外シート30と同様の部材であるが、上下方向の長さL1が内シート40Aの上下方向の長さL2より長く形成されている。
【0039】
図9において、外シート30Aの中央部の網掛け線を付した部分は、外シート30Aと内シート40Aとが折り重ねられて包装体20Aとなったときに、内シート40Aと重なり合わない余りしろ33Aとされる。
【0040】
また、外シート30Aの左側の外周縁部30Aaの、上下方向における中央部には、左右方向の幅が他の外周縁部30Aaより幅広に形成された掴み代形成部34Aが配設されている。
【0041】
内シート40Aは、内シート40と同様の部材であるが、右側の外周縁部の中央部から左右方向における中央に向かって、左右方向に長尺な帯状の連結ブリッジ43Aが配設されている。連結ブリッジ43Aは、内シート40Aと同様の部材で、内シート40Aの前側に配置され、左右方向の端部43Aa、43Abにおいてのみ、内シート40Aと接着されている。連結ブリッジ43Aは、後述する切除部27Aを切り離すときに、切除部27Aと後述する残余部28Aの内シート40Aと連結可能とするものである。
【0042】
また、内シート40Aの左側の外周縁部40Aaの、上下方向における中央部には、左右方向の幅が他の外周縁部40Aaより幅広に形成された掴み代形成部44Aが配設されている。掴み代形成部44Aは、掴み代形成部34Aより、余りしろ33Aに相当する分だけ、上下方向の長さが短く形成されている。換言すれば、掴み代形成部44Aと、掴み代形成部34Aとは、後述する外シート30Aと内シート40Aを接着し包装体20Aを袋体としたときに、余りしろ33Aを除いた部分が略同一形状となるように形成されている。
【0043】
包装体20Aは、
図10、11に示すように、外シート30Aの余りしろ33を折り合わせ、後側に外シート30Aの他の部分に対して直交するように形成し、外シート30Aを内シート40Aの長さL2と略同一の長さとし、後側から外シート30A、海苔51、内シート40Aの順に重ね合わせ、掴み代形成部34A、44Aを含む外周縁部30Aa、40Aaを接着し、内部に海苔51が収納された袋体に形成される。
【0044】
そして、
図10の状態で、包装体20Aの内シート40Aの前側、かつ、上部側におにぎり100を配置する。そして、袋体に形成された包装体20Aを二つ折りして重ね合わせて、
図12に示すように、既に外シート30Aと内シート40Aとが接着されている部分(外周縁部30Aa、40Aa)を、略コの字状に接着する。
【0045】
このとき、掴み代形成部34Aどうし、及び、掴み代形成部34A、掴み代形成部44A、が折り重ねられて接着された部分が、掴み代25Aとされる。掴み代25Aは、外シート30Aの掴み代形成部34Aどうしが重ね合わされて二枚が重なる二重接着部25Aaと、外シート30A及び内シート40Aが折り重ねられて、四枚が重なる四重接着部25Abとを有することになる。
【0046】
また、連結ブリッジ43Aは、包装体20A本体と同様に二つ折りされ端部43Ab側で、既に外シート30Aと内シート40Aとが接着されている部分に挟まれて接着されている。
【0047】
そして、本実施形態では、掴み代25Aを含む、外シート30Aどうし、及び、外シート30Aと内シート40Aとが接着された部分が接着部23A(特許請求の範囲における接着部に相当する)となる。
【0048】
さらに、
図12の丸内に示すように、外シート30Aの余りしろ33Aが重ね合わされて接着されている部位(二重接着部25Aa)に、切り込み26Aを形成し、切り込み26Aから内シート40Aの折り曲げ部分40Abの接着部23Aとの境界部分に向かって二重接着部25Aaが切れるように誘導する長円形の誘導孔29Aを複数設けることで、包装おにぎり10Aが完成する。なお、包装体20Aの
図12の状態が、特許請求の範囲における「おにぎりを内包した状態」となる。
【0049】
包装おにぎり10Aの機能作用を説明する。本実施形態体の機能作用の説明では、
図12〜17の紙面における、上下を上下方向、
図12〜17の紙面における左方向を左、右方向を右とし、
図12〜17の紙面における手前側を前、奥側を後方向とする。
【0050】
包装体20Aを、
図12の状態から、掴み代25Aの二重接着部25Aaに形成された切り込み26Aより左側を手で持ち上側に引っ張ると、
図13に示すように、誘導孔29Aに誘導されて、内シート40Aの四重接着部25Abと接着されていない部位の境界に向かって、二重接着部25Aaを斜め上方に切れていく。換言すれば、残余部28A側の内シート40Aに接着部23Aが含まれないように切れていく。
【0051】
そして、二重接着部25Aaと、切り込み26Aと、誘導孔29Aと、で残余部28A側の内シート40Aに接着部23Aが含まれないように誘導する誘導手段21Aが構成されていることになる。
【0052】
また、本実施形態では、接着部23Aを含んだ外シート30A及び内シート40Aの切り離される側が切除部27A(左側が始端部27Aaとなる)となり、おにぎり100及び海苔51を覆って残る外シート30A及び内シート40A側が残余部28A(特許請求の範囲における包装体の切除部以外の部位に相当する)となる。
【0053】
包装体20Aは、
図13に示すように、残余部28Aの内シート40Aに、接着部23Aを含まない状態で、外シート30A及び内シート40Aが、上側に向かって切れていく。
【0054】
その後、切除部27Aが、外シート30A及び内シート40Aに配設されたカットテープ31、41まで切れていくと、外シート30A及び内シート40Aは、
図14に示すように、カットテープ31、41に誘導されて右方向に切れていく。
【0055】
外シート30A及び内シート40Aが、カットテープ31、41の右端部まで切れると、
図15に示すように、外シート30A及び内シート40Aの易開封性により、接着部23との境界近傍を下側に向かって切れて行く。
【0056】
そして、
図16に示すように、包装体20Aを構成する外シート30A及び内シート40Aが、折れ曲がり部30Ab、40Abまで切れていく。
【0057】
本実施形態の場合、外シート30Aは、接着部23Aを含んだ切除部27A側と、残余部28A側とに、終端部27Ab側において、完全に切り離され分離する。また、内シート40Aは、連結ブリッジ43Aとの接着部分である連結ブリッジ43Aの端部43Aa、43Abの間の外側をまわり込みながら切れていく。つまり、連結ブリッジ43Aは、外シート30A及び内シート40Aの内側に配置され、端部43Aa、43Abにおいてのみ、内シート40Aと接着されているので、残余部28A側の内シート40Aと切除部27A側の内シート40Aが、終端部27Ab側で連結された状態が維持される。
【0058】
以上のことから、連結ブリッジ43Aと、上下方向に易開封性を有する、外シート30A及び内シート40Aとで、接着部23Aが残余部28Aの内シート40A及び外シート30A側に含まれないように誘導する誘導手段22Aが構成される。
【0059】
一方、残余部28Aの内シート40Aには接着部23Aは残らない。これにより、内シート40Aが右側に引っ張りだすことが可能となる。
【0060】
換言すれば、外シート30Aと内シート40Aが、重ね合わされて接着された接着部23Aを切除したうえで、切除部27Aと残余部28Aの内シート40Aとを連結させた状態として、残余部28A側に残る内シート40Aをおにぎり100と海苔51の間から、右側に引っ張り出せる構成とされている。
【0061】
内シート40Aを引っ張り出すと、
図17に示すように、外シート30Aが残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。
【0062】
上記構成の包装おにぎり10Aによっても、内シート40Aを引っ張り出すと、外シート30Aが残り、手を汚さずに、海苔51に覆われたおにぎり100を得ることができる。これにより、手を汚すことなく、包装おにぎり10Aを開封して食べることが可能となる。
【0063】
上記構成の包装体20Aでは、おにぎり100を内包した状態において、内シート40Aと外シート30Aとが重ね合わされて接着された接着部23Aを有し、切除部27Aが切除されるときに、包装体20Aの切除部27A以外の部位(残余部28A)を構成する内シート40A及び外シート30Aに接着部23Aが含まれないように誘導する誘導手段21A(二重接着部25Aa、切り込み26A、誘導孔29A)、22A(外シート30A、内シート40A、連結ブリッジ43A)を備えている。
【0064】
これによれば、包装体20Aの切除部27A以外の部位(残余部28A)を構成する内シート40A及び外シート30Aに接着部23Aが含まれないようになるので、内シート40を容易に引き抜くことができることにつながる
。
【0065】
本発明の第
三の実施形態を説明する。実施する際には内シート240、シート状食品260及び開封シート270には、線は付されないが、理解を容易にするため、図面に二点鎖線を付して説明する。二点鎖線は、各構成部分のおおよその境界、折り曲げ部分を示すものとする。
【0066】
包装おにぎり10Cは、
図21に示すように、内シート240と外シート230と内シート240と外シート230に挟まれて配置されるシート状食品260とが積層状態で構成される包装体220が、内シート240の内側でおにぎり100を内包する。
【0067】
包装体220は、図
18、21に示すように、外シート230と、内シート240と、シート状食品260と、開封シート270と、で構成されている。なお、包装体220の説明において、図
18を参照する場合においては、図
18の矢印の、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0068】
外シート230は、可撓性を有する合成樹脂で形成され、図
18に示すように、三角形状に形成され前後方向において対向して配置される二つの三角壁部231、232と、長方形状に形成され三角壁部231、232の下側の辺、左斜め上側の辺、どうしを連結する二つの側壁部233、234と、を有して、右斜め上方側が開口する中空な略三角柱形状に形成されている。外シート230の開口端縁部から外側に向かって延設されるフランジ部235が配設されている。
【0069】
内シート240は、可撓性を有するとともに表面が高い滑り性を有する合成樹脂で、図
20に示すように、三角形状に形成された二つの三角壁部241、242と、長方形状に形成され三角壁部241、242の対向する辺どうしを連結する側壁部243と、を有している。
【0070】
側壁部243の長手方向における一端側には、略矩形状の蓋片243aが配設されている。側壁部243の長手方向における他端側には、略矩形状の接着部形成片243bが配設されている。
【0071】
三角壁部241の蓋片243aに近い側の辺には、長方形状の側壁形成片部244が延設され、三角壁部242の蓋片243aに近い側の辺には、長方形状の側壁形成片部245が延設され、三角壁部241の接着部形成片243bに近い側の辺には、長方形状のフランジ形成片246が延設され、三角壁部242の接着部形成片243bに近い側の辺には、長方形状のフランジ形成片247が延設されている。
【0072】
三角壁部241、242は、三角壁部231、232より若干小さめのサイズに形成され、側壁部243は、側壁部233、234より若干小さめのサイズに形成されている。側壁形成片部244と、側壁形成片部245とを合わせたサイズは、側壁部233、234より若干小さいサイズに形成されている。また、フランジ形成片246、247の突出幅は、フランジ部235の突出幅より小さく設定されている。
【0073】
壁形成シート248は、可撓性を有する合成樹脂で帯状に形成され、側壁形成片部244及び、側壁形成片部245の長手方向における長さと略二倍の長さに設定されている。壁形成シート248の長手方向における一方の端部には、略矩形状の接着部形成片248cが延設されている。
【0074】
壁形成シート248の接着部形成片248cを除いた部分の長手方向における中央部分に折り曲げ部248aが形成されている。壁形成シート248の長手方向における接着部形成片248cとは反対側の端部から折り曲げ部248aまでの表裏いずれか一方の面(図
20においては紙面奥側の面)が、側壁形成片部244及び側壁形成片部245と接着可能な接着面248bとされている。
【0075】
壁形成シート248は、接着面248bで側壁形成片部244、側壁形成片部245と接着され、おにぎり100を内包した状態において、内シート240の側の側壁部分を形成するものである。
【0076】
接着部形成片243bと、接着部形成片248cは、外シート230のフランジ部235と重ね合わせたときに、フランジ部235より突出するように形成されている。
【0077】
シート状食品260として、本実施形態では、図
19に示すように、二枚の海苔261、265が用いられている。海苔261は、三角形状の三角壁部262と、三角壁部262の二辺からそれぞれ外側に向かって延設され、長方形状に形成されたふたつの側壁部263、264と、を有している。海苔265は、三角形状の三角壁部266と、三角壁部266の二辺からそれぞれ外側に向かって延設され、長方形状に形成されたふたつの側壁部267、268と、を有している。三角壁部262、266は、三角壁部231、232より若干小さめのサイズに形成され、側壁部263、264、267、268は、側壁部233、234より若干小さめのサイズに形成されている。
【0078】
開封シート270は、可撓性を有して角部分が丸く形成された略矩形状のシートが用いられ、図
18に示すように、フランジ部235の外形形状と略同一の形状とされ、外シート230の開口部分を覆い可能とされている。開封シート270は、長手方向における一端側に半長円状に突出する掴み片271と、長手方向における他端側に半長円状に突出する連結片272を有している。開封シート270は、外周縁部が外シート230のフランジ部235と接着されるもので、掴み片271と、連結片272は、フランジ部235と重ね合わせたときに、フランジ部235より突出するように形成されている。
【0079】
包装おにぎり10Cの製造方法は、予め海苔261、265を、図
18に示すように、米等のでんぷん質からなる糊で側壁部263と側壁部267、側壁部264と側壁部268どうしを接着して、斜め上方が開口した中空な略三角柱形状に形成する。
【0080】
外シート230内にシート状食品260(海苔261、265)をセットした状態にしておく。内シート240の側壁形成片部244を三角壁部241に対して、側壁形成片部245を三角壁部242に対して、内側に折り曲げ、壁形成シート248の接着面248bを外側から貼り付けて、内シート240に側壁部233に対応する側壁を形成する。そして、壁形成シート248を折り返して貼り付けた部分と重ね合わせ、接着部形成片248cを内シート240の開口縁部に沿って折り曲げ、内シート240を、図
18に示すような、斜め上方が開口した中空な略三角柱形状に形成する。
【0081】
そして、内シート240の内側におにぎり100を配置する。おにぎり100を内包した内シート240を、外シート230の内側に配置されたシート状食品260(海苔261、265)の内側に配置する。
【0082】
フランジ部235に、フランジ形成片246、247、接着部形成片243b、接着部形成片248cを重ね合わせて、内シート240、外シート230の開口縁部を覆うように開封シート270を配置して、外シート230のフランジ部235と開封シート270の外周縁部とを接着して、包装おにぎり10C(包装体220)が完成する。
【0083】
このとき、
図21(海苔261、265は省略してある)に示すように、接着部形成片243b、接着部形成片248cは、フランジ部235及び開封シート270と接着されるが、内シート240のフランジ形成片246、247は、フランジ部235と開封シート270に挟み込まれるのみで、接着されない。
【0084】
そして、接着部形成片243bと開封シート270、接着部形成片248cと開封シート270、が接着される部分の接着力は、フランジ部235と接着部形成片243b、接着部形成片248cが接着される部分の接着力より強固なものとする。
【0085】
換言すれば、開封シート270で開封するときに、フランジ部235と内シート240(接着部形成片243b、接着部形成片248c)との接着部分が剥がれて、内シート240と開封シート270の接着部分が剥がれない状態とする。
【0086】
本実施形態では、剥がれやすく接着された、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分、フランジ部235と接着部形成片243bとの接着部分、が接着部221、接着部222となるとともに、内シート240と外シート230との接着部分を剥離可能な剥離手段223、剥離手段224となる。
【0087】
また、図
21、22に示すように、始端部226aにおいては、上から掴み片271、接着部形成片248c、フランジ部235の順に重ね合わされ、上端部分で掴み片271、接着部形成片248cのみが接着されている。また、終端部226b側においては、上から連結片272、接着部形成片243b、フランジ部235の順に重ね合わされ、下端部分で連結片272、接着部形成片243bのみが接着されている。
【0088】
包装おにぎり10Cの機能作用を説明する。掴み片271と、接着部形成片248cとが接着された部分を手で持ち、図
22の状態から、開封シート270を接着部形成片243b側に引っ張ると、接着部形成片248cと開封シート270の掴み片271と、接着部形成片248cとフランジ部235との接着力の違いから、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分が剥がれる。
【0089】
そして、開封シート270を引っ張ると図
23に示すように、壁形成シート248が引っ張られて、側壁形成片部244及び側壁形成片部245から壁形成シート248の接着面248bが剥がれていき、壁形成シート248が全て引き出されて内シート240の側壁部分が開放される。
【0090】
本実施形態では、図
23に示すように、剥がされる開封シート270と壁形成シート248が切除部226となり、残りの部分が残余部227となる。つまり、包装体220において、切除部226は、掴み片271側に始端部226aが設けられ、連結片272側に終端部226bが設けられていることになる。
【0091】
また、内シート240のフランジ形成片246、247は、フランジ部235と開封シート270に挟み込まれるのみであるので、開封シート270とフランジ部235とが引き剥がされることにより、フランジ部235及び開封シート270と離れていく。
【0092】
さらに、開封シート270を剥がしていくと、図
24に示すように、連結片272と、接着部形成片243bが接着されて連結されていることにより、内シート240を引っ張り出すことが可能となる。
【0093】
内シート240を引っ張り出すと、外シート230(残余部227)が残り、手を汚さずに、海苔261、265に覆われたおにぎり100を得ることができる。このような構成によっても、手を汚すことなく、包装おにぎり10Cを開封して食べることが可能となる。
【0094】
上記構成の包装おにぎり10Cでは、切除部226の終端部226bにおいて切除部226と残余部227の内シート240とが連結されていることにより、切除部226を切除する手の動きを利用して、おにぎり100とシート状食品260との間にある残余部227の内シート240を引き出し可能となる。また、第一の実施形態の包装おにぎり10、第二の実施形態の包装おにぎり10Aに比して、切除部226が小さくなるので、引っ張り出す動作領域を小さくすることができる。
【0095】
また、包装体220は、おにぎり100を内包した状態において、内シート240と外シート230とが重ね合わされて接着された接着部221、222を有し、包装体220には、切除部226が切除されるときに、内シート240と外シート230との接着部分を剥離可能な剥離手段223、224が配設されている構成としているので、内シート240を容易に引き抜くことができる。
【0096】
上記の第
三の実施形態の包装おにぎり10Cの変形例を図面に基づいて説明する。以下の説明において、第
三の実施形態と同じ構成については、同一符号を付し全部又は一部の説明を省略する。
【0097】
包装おにぎり10C1では、外シート230が、図
25の二点鎖線で参照するように、開口縁部に沿うように易開封性を有する。そして、側壁部233の上部の前後方向における中央部には、図
25に示すように、左斜め上側に突出するリブ236が配設されている。リブ236は、左右方向からみて上下方向に沿って、側壁部233の上部とフランジ部235の下面側とを連結するように形成されている(方向については図
18参照)。リブ236には、切り込み236aが形成されている。
【0098】
そして、接着部形成片243bとフランジ部235、接着部形成片248cとフランジ部235、が接着される部分の接着力は、接着部形成片243b、接着部形成片248cと開封シート270が接着される部分の接着力と同等とする。
【0099】
換言すれば、開封シート270で開封するときに、外シート230のフランジ部235と、内シート240(接着部形成片243b、接着部形成片248c)と、開封シート270と、の接着部分が一体となって分離される状態とする。
【0100】
本変形例においても、フランジ部235と接着部形成片248cとの接着部分、フランジ部235と接着部形成片243bとの接着部分、がそれぞれ接着部221、接着部222となる。
【0101】
図
25、26に示すように、リブ236と、切り込み236aと、開口縁部に沿って開封性を有する外シート230とで、切除部228が切除されるときに、接着部221、222から包装体220の切除部228以外の部位(残余部229)を構成する内シート240及び外シート230が分離可能とされる分離手段225が構成される。なお、外シート230に付された二点鎖線は、外シート230の切断予定線で、分離手段225の理解を容易にするためのものである。また、本変形例は、第
三の実施形態の変形例であるが、分離手段225は
、特許請求の範囲における請求項
1の分離手段に相当する。
【0102】
包装おにぎり10C1の機能作用を説明する。掴み片271と、接着部形成片248cとが接着された部分を手で持ち、図
25の状態から、開封シート270を接着部形成片243b側に引っ張ると、一体化しているフランジ部235も引き上げられ、切り込み236aから、リブ236が側壁部233に向かって切れ、さらに側壁部233との境界部分から、側壁部233の前後方向にそれぞれ別れて切れていく(図
25の丸内参照)。
【0103】
そして、外シート230は開口縁部に沿うように易開封性を有することから、
図26に示すように、符号225が付された二点鎖線に沿って、三角壁部231、232の斜め下側に(フランジ部235と略平行となるように)切れていく。さらに、側壁部234の前後の端部から中央に向かってそれぞれ切れていき合流する。換言すれば、フランジ部235と略平行に輪切り状となるように、三角壁部231、232、側壁部233、234が切り離されていくことになる。
【0104】
なお、切り離される過程における、開封シート270、壁形成シート248、側壁形成片部244、側壁形成片部245、の機能作用、フランジ形成片246、247、フランジ部235、開封シート270の機能作用は、図
23に示す包装おにぎり10Cと同様であるので説明は省略する。
【0105】
本実施形態では、図
26に示すように、包装おにぎり10C1の包装体220の符号225が付された二点鎖線を境界として、右側の部分を構成する、外シート230の三角壁部231、232、側壁部233、234、フランジ部235、開封シート270、壁形成シート248、が切除部228となり、包装おにぎり10C1の包装体220の符号225が付された二点鎖線を境界として、左側の残りの部分が残余部229となる。つまり、包装体220において、切除部228は、掴み片271側に始端部228aが設けられ、連結片272側に終端部228bが設けられていることになる。
【0106】
さらに、切除部228を分離していくと、図
27に示すように、連結片272と、接着部形成片243bが接着されて連結されていることにより、内シート240を引っ張り出すことが可能となる。
【0107】
内シート240を引っ張り出すと、外シート230(残余部229側の)が残り、手を汚さずに、海苔261、265に覆われたおにぎり100を得ることができる。
【0108】
このような構成によっても、包装体220の切除部228以外の部位を構成する内シート240及び外シート230に接着部221、222が含まれないようになるので、内シート240を容易に引き抜くことができることにつながる。よって、手を汚すことなく、包装おにぎり10C1を開封して食べることが可能となる。
【0109】
本発明の包装おにぎりは上記第一〜
三の実施形態、及び、第
三の実施形態の変形例に限定されるものではない。即ち、第一〜
三の実施形態、及び、第
三の実施形態の変形例に現わされた発明の要旨を逸脱しない限り各種の設計変更等が可能である。
【0110】
例えば、切り込み26、26A(
図3、
図12参照)は、接着してから形成したが、予め、外シート30、30A、内シート40、40Aの対応する位置に切り込みを形成してから接着することも可能である。
【0111】
また、誘導孔29A(
図12参照)も接着してから形成したが、予め、外シート30Aの対応する位置に孔を形成してから接着することも可能である。
【0112】
また、海苔261の側壁部263、264、海苔265の側壁部267、268の短手方向の幅は、シート状食品260の側壁部分を形成できるのであれば適宜変更することができる(図
19参照)。
【0113】
また、図
19の二点鎖線に示すように、例えば、図
18の状態のシート状食品260の開口部分を覆うように、三角壁部262から台形状の覆い部分を延設することも可能である。また、覆い部分を三角壁部266から延設することも可能であり、さらに、三角壁部262及び三角壁部266から延設させることも可能である。
【0114】
また、包装おにぎり10
、10C1を、開封切除するときに切る方向を誘導、補助する手段として、カットテープ31、カットテープ41、カットテープ138等を用いたが(図
3参照)、当該機能を有するのであれば、ミシン目、カットライン等既存の技術を用いることができる。
【0115】
また、外シート30
、内シート40
、に設けられた分離手段としてのミシン目32、4
2を用いたが(図
1参照)、当該機能を有するのであれば、カットライン等の既存の分離手段を用いることができる。
【0116】
また、包装おにぎり10において、幅広接着部24(
図3参照)を設けないで、外シート30、内シート40に直接切り込みを設け、外シート30、内シート40を切り離すこともできる。さらに、包装おにぎり10Aのように、連結ブリッジ43A(
図12、
図16参照)を、内シート40の内側に配設し、切り離される切除部27と残余部28に残る内シート40とを架け渡すようにすることも可能である。この場合、ミシン目32、42(
図1参照)を省略することができる。
【0117】
また、シート状食品50
、260(
図1、
図9、図
19参照)は、海苔51
、261、265としたが、うす焼卵、薄切り焼き肉等シート状の食品を適用することができる。
【0118】
また、包装おにぎり10Cにおいて(
図21参照)、接着部形成片248cと掴み片271のフランジ部235より突出する部分、接着部形成片243bと連結片272のフランジ部235より突出する部分、のみが、接着力がフランジ部235と開封シート270が接着される部分の接着力より強固なものとすることも可能である。
【0119】
また、包装おにぎり10C1において(図
25、図
26参照)、外シート230の切除部228となる部分と、残余部229となる部分とを別体で構成し、境界部分を重ね合わせて接着することで切り離し可能とすることもできる。