特開2017-158843(P2017-158843A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-158843(P2017-158843A)
(43)【公開日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】テレビボード
(51)【国際特許分類】
   A47B 81/06 20060101AFI20170818BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20170818BHJP
【FI】
   A47B81/06 B
   H04N5/64 581G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-46925(P2016-46925)
(22)【出願日】2016年3月10日
(71)【出願人】
【識別番号】594166823
【氏名又は名称】有限会社アドバンスエンジニアズ
(74)【代理人】
【識別番号】100122552
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 浩二郎
(72)【発明者】
【氏名】青木 清
(57)【要約】
【課題】テレビボードについて、部屋のコーナー付近で一方の壁際から他方の壁際までテレビを移動させて正面向きから横向きの範囲で容易に変更可能とする。
【解決手段】基台部10Aと、その上面でスライド動作しながら搭載したテレビの画面方向を正面向きから横向きの範囲で変更させる可動部20Aと、基端側を基台部10A上面長手方向一端側に軸着され先端側を可動部20A下面長手方向中間部に軸着されて可動部20Aのスライド動作を規制するアーム24を備え、基台部10A上面に設けられたレール18に可動部20A下面の係合体28が係合して左右方向に摺動自在とされ、基台部10Aと可動部20Aが重なる正面向きの状態で係合体28がレール18の端部側に位置し、その状態から可動部20Aを前方に引き出すことで係合体28がレール18上を摺動しながら可動部20Aが横向き方向に回動して、平面視略L字状を呈した横向きの状態になるものとした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長の直方体状とされて上面にテレビを搭載するテレビボードにおいて、平板状の上面を有して床面に設置される基台部と、該基台部と同等以上の横幅を有して前記基台部の上に配置されるとともに前記基台部上面に沿ってスライド動作をしながらその上面に搭載したテレビの画面方向を少なくとも正面向きから横向きまでの範囲で変更させる可動部と、基端側を前記基台部上面の長手方向一端側に軸着されるとともにその先端側を前記可動部下面の長手方向中間部分に軸着されて前記可動部のスライド動作を一定の軌道を描くように規制するアームとを備えており、前記基台部の上面には、長手方向に亘る直線状の軌道手段が設けられているとともに、前記可動部下面の長手方向一端側に垂設した係合体が前記軌道手段に係合しながら左右方向に摺動自在とされ、且つ、前記基台部と前記可動部が互いの長手方向を同一にして上下に重なり合った前記正面向きの状態で、前記係合体が前記基台部上面の長手方向他端側になる前記軌道手段の端部側に位置するものとされており、前記正面向きの状態から前記可動部の長手方向他端側を前方に引き出すように付勢することで、前記係合体が前記軌道手段上を摺動するとともに前記可動部が横向き方向に回動して、全体として平面視略L字状を呈した前記横向きの状態に至る、ことを特徴とするテレビボード。
【請求項2】
前記可動部の係合体のない長手方向他端側からは補助脚が床面まで垂設されており、前記補助脚先端側の車輪が床面に当接しながら前記可動部の長手方向他端側を支持するものとされている、ことを特徴とする請求項1に記載したテレビボード。
【請求項3】
前記基台部における軌道手段及びアームの軸着箇所は前記基台部上面の背面側に設けられ、前記可動部における係合体及びアームの軸着箇所は前記可動部下面の背面側に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載したテレビボード。
【請求項4】
前記基台部上面の背面側所定位置には、正面向きの状態で前記可動部の背面下端側に当接して停止させるストッパが設けられている、ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載したテレビボード。
【請求項5】
前記可動部の少なくとも係合体のある長手方向一端側の下面所定箇所には、前記基台部の上面に前記可動部の長手方向一端側を載せながら摺動させるための摺動手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載したテレビボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビを搭載して所定の高さで支持するテレビボードに関し、殊に、部屋のコーナー付近においてテレビの画面方向を正面向きから横向きの範囲で容易に変更させることのできるテレビボードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭においても薄型で40インチを超えるような大型画面を有したテレビが広く普及している。このようなテレビは、図7(A)に示すように、その画面と同等の左右幅を有した箱形のテレビボード100に載せた状態にして、部屋をなるべく広く使用できるように壁際またはコーナー付近に配置されるのが通常である。
【0003】
図の部屋は、一般的な住宅で広く採用されているリビングルームとダイニングルームが一体化したリビングダイニングであるが、コーナー付近の壁際に置かれた大型画面のテレビ50は、住人にとってくつろぎの場所であるリビング部分のソファー70に対し画面が正対するように配置することで、ソファー70に座っている人の視線(一点鎖線矢印)が画面に対し直角になって映像が最も見やすい状態となる。
【0004】
しかし、食事の際など、ダイニングテーブル80側でテレビ50を視聴しようとする場合は、図のような配置ではテレビ50の画面に対し視線が鋭角になるため、その映像が極めて見にくい状態となってしまう。また、その位置でテレビ50をリモコン操作しようとしても、無線信号の角度が鋭角すぎて充分に作動しないことも多い。
【0005】
この場合、テレビ50の首振り機能を使用して画面をダイニング側に向けることも考えられるが、首振り可能な角度は通常45度以内であるため充分な対応は難しい。これに対し、特開平5−176262号公報に記載され図7(B)に示すテレビボード200のように、テレビ50を搭載している台座203が回動して画面を所望の方向に向けられるようにしたものも知られている。しかし、40インチを超えるような大型のテレビ50を壁際に配置した場合、台座203を回したとしても、テレビ50の大きな左右幅のためにその裏側角部が背後の壁にすぐに当たってしまい、適度な向きになるまで画面を転回させるのは困難である。
【0006】
また、例えば実登第3168401号公報に記載され、図8(A)に示すもののように、底面に複数の自在キャスターを有して可動式としたテレビボード300も広く普及している。この場合は、テレビボード300の一端側を壁面から離すようにキャスターの向きを変えながら転回させた後、その他端側を壁際まで移動させることにより、画面の向きを90度転回させることができる。
【0007】
しかしながら、このテレビボード300では各キャスターの向きが自在に変動して転回方向が定まりにくいことから、一人でテレビボード300の動きを正確に操作しながらテレビ画面を所望の向き・位置で停止させることは容易ではない。また、キャスターの向きに対し直角方向に押した場合は、テレビ50を転倒させてしまう畏れもある。
【0008】
一方、特開2009−279325号公報に記載され、図8(B)に示すテレビボード400のように、長手方向一端側に回転軸となる固定脚400aを有し他端側に自在キャスターによる可動脚を有したものとして、固定脚400aを中心に回動させることで画面の向きを変更可能としたものも提案されている。ところが、このテレビボード400では、ダイニングテーブル80側に向けて壁際に置いた状態からソファー70側に向くように90度回動させると、テレビボード400がコーナーから離れた状態になるため、部屋を広く使いにくくしてしまうという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−176262号公報
【特許文献2】実登第3168401号公報
【特許文献3】特開2009−279325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、テレビボードについて、部屋のコーナー付近で一方の壁際から他方の壁際までテレビを移動させながら画面方向を正面向きから横向きの範囲で容易に変更できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明は、横長の直方体状とされて上面にテレビを搭載するテレビボードにおいて、平板状の上面を有して床面に設置される基台部と、この基台部と同等以上の横幅を有して基台部の上に配置されるとともに基台部上面に沿ってスライド動作をしながらその上面に搭載したテレビの画面方向を少なくとも正面向きから横向きまでの範囲で変更させる可動部と、基端側を基台部上面の長手方向一端側に軸着されるとともにその先端側を可動部下面の長手方向中間部分に軸着されて可動部のスライド動作を一定の軌道を描くように規制するアームとを備えており、その基台部の上面には、長手方向に亘る直線状の軌道手段が設けられているとともに、可動部下面の長手方向一端側に垂設した係合体がその軌道手段に係合しながら左右方向に摺動自在とされ、且つ、その基台部と可動部が互いの長手方向を同一にして上下に重なり合った前記正面向きの状態で、係合体が前記基台部上面の長手方向他端側になる軌道手段の端部側に位置するものとされており、前記正面向きの状態から可動部の長手方向他端側を前方に引き出すように付勢することで、係合体が軌道手段上を摺動するとともに可動部が横向き方向に回動して、全体として平面視略L字状を呈した前記横向きの状態に至ることを特徴とするものとした。
【0012】
このように、テレビボードについて、固定的に配置する基台部と、基台部上面側でスライド動作する可動部と、可動部下面中央側と基台部端部側をリンクするアームとからなり、基台部上面の長手方向に設けた軌道手段上を可動部の一端側が係合・摺動しながらアームによる規制で横向きになるようにスライド動作させる方式としたことで、部屋のコーナー付近で薄型の大型テレビを一方の壁際から他方の壁際まで移動させながら、その画面方向を正面向きから横向きの範囲内で容易に変更できるものとなる。
【0013】
また、このテレビボードにおいて、その可動部の係合体のない長手方向他端側からは補助脚が床面まで垂設されており、その補助脚先端側の車輪が床面に当接しながら可動部の長手方向他端側を支持するものとされている、ことを特徴としたものとすれば、可動部の基台部上に載らない側を安定的に支持できるものとなる。
【0014】
さらに、上述したテレビボードにおいて、その基台部における軌道手段及び前記アームの軸着箇所は基台部上面の背面側に設けられ、その可動部における係合体及びアームの軸着箇所は可動部下面の背面側に設けられている、ことを特徴としたものとすれば、画面方向を正面向きと横向きの間で変更する際に可動部の背面側角部が外側方向にはみ出す幅を最小限に抑えることができるため、より壁面近くに配置しやすいものとなる。
【0015】
さらにまた、上述したテレビボードにおいて、その基台部上面の背面側所定位置には、正面向きの状態で可動部の背面下端側に当接して停止させるストッパが設けられていることを特徴としたものとすれば、画面方向の変更操作が安全且つ容易に行えるものとなる。
【0016】
加えて、上述したテレビボードにおいて、その可動部の少なくとも係合体のある長手方向一端側の下面所定箇所には、基台部の上面に可動部の長手方向一端側を載せながら摺動させるための摺動手段が設けられている、ことを特徴としたものとすれば、係合体に可動部の荷重がかかりにくい状態を維持しながらスムースなスライド動作を実現しやすいものとなる。
【発明の効果】
【0017】
基台部上面の軌道手段上を可動部の一端側が摺動しながら、それらをリンクしたアームで可動部が一定の軌道を描いて回動するようにスライド動作を規制するものとした本発明によると、部屋のコーナー付近で一方の壁際から他方の壁際までテレビを移動させながら画面方向を正面向きから横向きの範囲で容易に変更できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における実施の形態であるテレビボードの斜視図である。
図2図1のテレビボードの可動部の構成を説明するための下方から見た底面図である。
図3図1のテレビボードにテレビを搭載した状態の正面図である。
図4図3のテレビボードに操作用の取手を設けた場合の正面図である。
図5図1のテレビボードに電動式の回動機構を設けた応用例の斜視図である。
図6】(A),(B),(C)は図1のテレビボードの動作を説明するための平面図である。
図7】(A),(B)は従来例の作用を説明するための平面図である。
図8】(A),(B)は他の従来例の作用を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。尚、本発明において、平面視L字状には、逆L字状を含むとともにその向きが上下左右いずれの場合も含まれ、また、横向きには正面向きに対する角度が厳密に90度の場合だけではなく、そのプラスマイナス10度程度の範囲も含まれるものとする。
【0020】
図1は、本発明における実施の形態であるテレビボード1Aを斜視図で示している。このテレビボード1Aは、薄型で40インチを超えるような大型のテレビを搭載することを想定しており、搭載したテレビの画面方向を正面向きの状態から横向きの状態までの範囲で容易に変更可能としたものであり、この図においては、正面向きの状態から回動を開始した中途位置(約30度)の状態を示している。
【0021】
斯かるテレビボード1Aは、正面向きの通常の状態では全体として横長の略直方体状を呈するものであり、床面に固定的に設置される平面視長方形で平板状の上面を有した横長キャビネット状の基台部10Aと、その基台部10Aとほぼ同等(僅かに大きい)の横幅と平面視形状を有して基台部10Aの上面に沿ってスライド動作しながら搭載したテレビの画面方向を正面向きから横向きまでの範囲で変更させる可動部20Aと、基端側を基台部10A上面背面側の長手方向一端側に軸26で軸着されるとともにその先端側を可動部20A下面背面側の長手方向中間部分に軸29(図2参照)で軸着されて可動部20Aのスライド動作を一定の軌道を描くように規制するアーム24とを備えている。
【0022】
また、基台部10Aの上面背面側には、その長手方向のほぼ全長に亘る直線状の軌道手段としての溝状のレール18が、その一端側に近接した延長線上に前記アーム24を軸着した軸26が位置するように配設されている。さらに、可動部20A下面背面側の長手方向一端側から係合体28が垂設されており、その係合体28が基台部10Aのレール18に係合しながら左右方向に摺動自在とされている。
【0023】
そして、基台部10Aと可動部20Aが互いの長手方向を同一にして上下に重なり合った正面向きの状態では、係合体28がレール体18の長手方向他端側(軸26の反対側)に位置するとともに、アーム24の長手方向が基台部10Aと可動部20Aの長手方向に一致するようになっている(図6(A)参照)。尚、その基台部10Aの背面側で軸26に近接したレール18の外側面には、可動部20Aが正面向きの状態でその背面下端側に当接して停止させるための板状のストッパ14が設けられている。
【0024】
その可動部20Aは、基台部10Aと同等の奥行きを有しているとともに基台部10Aよりも横幅が僅かに大きい薄型直方体状のキャビネット体21と、係合体28のない長手方向他端側から床面まで垂設した板状の補助脚22からなり、この補助脚22でキャビネット体21の長手方向他端側を支持するようになっている。また、その補助脚22の先端側には自在キャスター25,25が配設されており、可動部20Aのスライド動作の際にその長手方向他端側を安定的に支持しながら床面をスムースに走行可能とされている。
【0025】
図2は、可動部20Aの詳細な構成を説明するために、これを下方から見た底面図で示したものである。この可動部20Aにおけるキャビネット体21の底面の長手方向一端側には、軸棒の先端側にレール18の内部でその内側面に当接しながら回動する車輪を有した係合体28が回動可能に設けられているとともに、アーム24の先端側を軸着させる軸29がその長手方向中間部分に設けられている。
【0026】
また、キャビネット体21底面の係合体28に近い端部側には、基台部10A上面に可動部20Aの長手方向一端側を載せながら摺動させるための摺動手段として、例えばフッ素樹脂等の表面の滑り抵抗が少なく耐摩耗性にも優れた素材からなる摺動板27,27が貼設されており、係合体28に荷重がかかりにくい状態を維持しながら、可動部20Aのスムースなスライド動作を実現しやすいものとしている。尚、基台部10Aの上面も平滑性と耐摩耗性に優れた素材で形成することが好ましく、また、この摺動板27,27の代わりに自在キャスターや球体等の転動によるスライド手段を配設しても良い。
【0027】
図3は、上述したテレビボード1Aに、薄型で大型画面のテレビ50を搭載した正面向きの状態を示している。この正面向きの状態では、前面に扉を有して内部に収納スペースを備えたキャビネット状の基台部10Aと、ビデオプレイヤーや録画装置等を収納するスペースを有した可動部20Aのキャビネット体21がその長手方向を同一にして上下に重なった状態となり、全体として横長の直方体状を呈している。
【0028】
この正面向きの状態から、可動部20Aにおける係合体28のない長手方向他端側を前方に引き出すように手で付勢することにより、比較的小さな力であっても係合体28がレール18上をスムースに摺動しながらアーム24による規制で可動部20Aが水平方向に一定の軌道を描きながら回動して、テレビ50の画面方向が容易に変更されるようになっている。
【0029】
尚、図4に示すように、可動部20Aのキャビネット体21の上面を構成する天板の下面前方側に、可動部20Aを引き出す際に指を掛けるための溝状の取手201を設けたり、可動部20A上面の係合体28のない長手方向他端側に上向きに突設したハンドル状の持手202を設けたりすることにより、回動操作を容易に行いやすいものとなる。
【0030】
この場合、持手202の上端側を図のように外側に所定幅だけ突出させておき、可動部20Aの回動操作の際にその背面側角部が外輪差により外側に突出する幅分を僅かに超える幅だけ左側の壁面から離して設置するための基準として使用できるようにすれば、可動部20Aの回動操作により左側の壁面が損傷することを防止しやすいものとなる。
【0031】
さらに、図5に示すように、例えばアーム24の中途位置に駆動軸にピニオンを有した1又は複数個のモータ204を配置するとともにそのピニオンを弧状のラック205に歯合させてアーム24を電動式に旋回方向に動作させる方式等の所定の駆動手段を設けたり、係合体28をレール18上で走行させる駆動手段を設けたりすることで、可動部20Aを自動的に回動させながら画面方向の変更操作を容易に行えるものとなる。
【0032】
次に、上述したテレビボード1Aの動作について、図6を用いながら詳細に説明する。図6(A)は、基台部10Aと可動部20Aが、互いの長手方向を一致させて上下に重なった正面向きの状態である。この状態から、可動部20Aの係合体28のない長手方向他端側を前方に引き出すように付勢すると、図(B)に示すように、アーム24が可動部20Aのスライド動作の方向を規制した状態で係合体28がレール18上を軸26方向に摺動する。
【0033】
このとき、軸29を頂点として軸26と係合体28とで形成される三角形は、その頂点を前方に突出させながら、その軸26と係合体28による底辺を縮小するように動作するものとなり、基台部10Aの長手方向ほぼ全長(約9割)に亘って設けられたレール18上を摺動しながら途中の45度斜め向きの状態を経て、その頂点が最も前方に突出するとともに底辺が最も縮小した図6(C)の横向きの状態に至る。尚、このレール18には、係合体28に当接しながら略直角になる位置で可動部20Aの動作を停止させるストッパ15(図1参照)が設けられている。
【0034】
このように、図6(C)の横向きの状態では、基台部10Aと可動部20Aにより全体として平面視L字状を呈したものとなるが、固定的に配置した基台部10Aの上面に可動部20Aの長手方向一端側を載せながら、そのスライド移動により画面の向きを変更するとともに、可動部20Aの長手方向他端側を補助脚22が支持するものとなっており、画面角度の変更動作の開始から完了まで、可動部20Aが揺動したり転倒したりすることなく、安定した状態を維持できるものとなっている。
【0035】
また、本実施の形態においては、基台部10Aのレール18と軸26が背面側に配置されており、可動部20Aの係合体28と軸29もその背面側に配置されているため、図6(B)に示したように可動部20Aの背面側角部が外側に突出する幅を最小限に抑えられることから、部屋のコーナー付近でテレビをより壁際に配置できるようになるため、部屋のスペースを一層有効に活用しやすいものとなる。尚、図6(C)の横向きの状態から図(A)の状態に戻す際は前述と逆の動作となるが、可動部20Aの長手方向他端側の前面部分を押すか長手方向一端側の前面部分を引くように付勢すれば良い。
【0036】
以上、テレビボードについて、本発明により、部屋のコーナー付近で一方の壁際から他方の壁際までテレビを移動させながら、画面方向を正面向きから横向きの範囲で容易に変更できるようになった。
【符号の説明】
【0037】
1A,1B テレビボード、10A,10A 基台部、20A 可動部、14ストッパ、18レール、21 キャビネット体、22 補助脚、24 アーム、25 自在キャスター、26,29 軸、27 摺動板、28 係合体、50 テレビ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8