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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-159265(P2017-159265A)
(43)【公開日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】粉末消泡剤
(51)【国際特許分類】
   B01D 19/04 20060101AFI20170818BHJP
【FI】
   B01D19/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-47446(P2016-47446)
(22)【出願日】2016年3月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000106438
【氏名又は名称】サンノプコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112438
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 健一
(72)【発明者】
【氏名】北村 匠
(72)【発明者】
【氏名】安藤 毅
【テーマコード(参考)】
4D011
【Fターム(参考)】
4D011CA01
4D011CB02
4D011CB03
4D011CB04
4D011CB05
4D011CB08
4D011CB11
4D011CC01
4D011CC03
4D011CC06
(57)【要約】

【課題】
本発明の目的は、消泡性に優れた粉末消泡剤を提供することである。
【解決手段】
疎水性金属酸化物及び基油を含有する分散液(A)と 担体(B)とからなる粉末消泡剤であって、担体(B)が80〜165ml/100gのDBP吸油量をもつ炭酸カルシウムであることを特徴とする粉末消泡剤を用いる。担体(B)は0.01〜1μmの一次粒子径をもつ微粒子から構成され、5〜90m/gのBET比表面積をもつ二次凝集体であることが好ましい。分散液(A)及び担体(B)の合計重量に基づいて、分散液(A)の含有量が10〜70重量%、担体(B)の含有量が30〜90重量%であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性金属酸化物及び基油を含有する分散液(A)と 担体(B)とからなる粉末消泡剤であって、
担体(B)が80〜165ml/100gのDBP吸油量をもつ炭酸カルシウムであることを特徴とする粉末消泡剤。
【請求項2】
担体(B)が、0.01〜1μmの平均一次粒子径をもつ微粒子から構成され、5〜90m/gのBET比表面積をもつ二次凝集体である請求項1に記載の粉末消泡剤。
【請求項3】
分散液(A)及び担体(B)の合計重量に基づいて、分散液(A)の含有量が10〜70重量%、担体(B)の含有量が30〜90重量%である請求項1又は2に記載の粉末消泡剤。
【請求項4】
分散液(A)が10〜5000mPa・sの粘度(25℃)をもつ請求項1〜3のいずれかに記載の粉末消泡剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末消泡剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粒状消泡剤として、下記(A)成分〜(E)成分を含有する消泡剤組成物が知られている(特許文献1)。
(A)シリコーン消泡剤 組成物総質量の5〜60質量%、
(B)固形担体 組成物総質量の5〜60質量%、
(C)結合剤 組成物総質量の0.1〜10質量%、
(D)崩壊剤 組成物総質量の0.1〜12質量%、及び
(E)下記(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種である、25℃で固体状の充填剤 組成物総質量の3〜80質量%
(I)水溶性物質
(II)膨潤性物質
(III)透水性物質
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−008455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の粒状消泡剤は、消泡性が不十分であった。
すなわち、本発明の目的は、消泡性に優れた粉末消泡剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の粉末消泡剤の特徴は、疎水性金属酸化物及び基油を含有する分散液(A)と 担体(B)とからなる粉末消泡剤であって、
担体(B)が80〜165ml/100gのDBP吸油量をもつ炭酸カルシウムである点を要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の粉末消泡剤は、従来の粉末消泡剤に比べて、優れた消泡性を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
疎水性金属酸化物としては、金属酸化物を疎水化剤で疎水化処理した疎水性金属酸化物が含まれ、疎水性シリカ、疎水性アルミナ、疎水性チタニア及び疎水性酸化亜鉛等が挙げられる。
【0008】
市場から入手できる疎水性金属酸化物としては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(疎水性シリカ、東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(疎水性シリカ、日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。)、SIPERNAT D10、D13及びD17(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。)、TS−530、TS−610、TS−720(疎水性シリカ、キャボット コーポレーション)、AEROSIL R202,R805及びR812(疎水性シリカ、デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (疎水性シリカ、株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、SYLOPHOBIC100、702、505及び603(疎水性シリカ、富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)、MT−100Z(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MTY−700BS(疎水性チタニア、テイカ株式会社)、MZY−303S(疎水性酸化亜鉛、テイカ株式会社)並びにSpectrAl TA−78(疎水性アルミナ、キャボット コーポレーション、「SpectrAl」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0009】
基油としては、25℃で液状であることが好ましく、鉱油、油脂、ポリオキシアルキレン化合物、シリコーン及び/又はモノアルコール脂肪酸エステルを用いることができる。
【0010】
鉱油としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製及び水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産株式会社)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
【0011】
油脂としては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物とグリセリンとのエステルが含まれ、植物油(なたね油、大豆油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油等)、中鎖脂肪酸グリセライド(商品名として、たとえば、パナセート875;日油株式会社、「パナセート」は同社の登録商標である。)、魚油等が挙げられる。
【0012】
ポリオキシアルキレン化合物としては、HLB0〜4のものが使用でき、好ましくはHLB0.01〜3.4のもの、さらに好ましくはHLB0.05〜2.3のもの、最も好ましくはHLB0.1〜1.8のものである。なお、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance:親水親油バランス)は、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の第128〜131頁に記載されている手法(グリフィンのHLB)で求められる。
【0013】
ポリオキシアルキレン化合物としては、炭素数1〜22のモノアルコール、炭素数1〜22のモノカルボン酸又は炭素数1〜22のモノアミンの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜100モルとの反応物や、炭素数2〜6のポリオールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物、(炭素数2〜6のポリオールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物)と炭素数1〜22の脂肪酸とのエステル化物、(炭素数1〜22のモノアルコールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜100モルとの反応物)と炭素数1〜22の脂肪酸とのエステル化物等が挙げられる。
【0014】
シリコーンとしては、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイルが含まれる。
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜10000(mm/s、25℃)のポリジメチルシロキサンが含まれ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等の環状シリコーンも含まれる。
【0015】
変性シリコーンオイルとしては、上記のポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子、アルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50、オキシエチレン基の重量がオキシアルキレン基全体の重量の20重量%未満)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50、オキシエチレン基の重量がオキシアルキレン基全体の20重量%未満)及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
【0016】
モノアルコール脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物と炭素数1〜22のモノアルコールとのエステルのうち、25℃で液状であるものが含まれ、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル及びイソステアリン酸メチル等が挙げられる。
【0017】
これらの基油のうち、鉱油、シリコーン及びポリオキシアルキレン化合物が好ましい。
【0018】
疎水性金属酸化物の含有量(重量%)は、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.1〜25が好ましく、さらに好ましくは1〜10である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
【0019】
基油の含有量(重量%)は、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて75〜99.9が好ましく、さらに好ましくは90〜99である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
【0020】
分散液(A)としては、疎水性金属酸化物及び基油を含んでいればよく、これら以外に、親水性シリカ、脂肪酸アミド、ワックス、金属石鹸、界面活性剤及び/又は油溶性ポリマー等を含有してもよい。
【0021】
親水性シリカとしては、湿式法シリカ(シリカヒドロゲル中の水分を、70℃ 以下の沸点を持ち、かつ水との混和性を有する溶媒(メタノール、アセトン、ギ酸メチル、酢酸メチル等)にて置換した後、加熱して該溶媒を除去することにより得られるコロイドシリカ)、熱分解法シリカ(四塩化ケイ素を焼いて生じたシリカ煤からなるコロイドシリカ) 及び溶融固体法シリカ(ケイ酸ナトリウム水溶液に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等のナトリウムイオンを滴下することにより凝集して得られるシリカ粒子)等が含まれる。
【0022】
親水性シリカを含有する場合、親水性シリカの含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.1〜6が好ましく、さらに好ましくは0.3〜5、特に好ましくは0.5〜3である。
【0023】
脂肪酸アミドとしては、炭素数1〜6のアルキレンジアミン若しくはアルケニレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸ジアミド)及び/又は炭素数1〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン若しくはアンモニアと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸モノアミド)が含まれる。
【0024】
脂肪酸ジアミドとしては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。
【0025】
脂肪酸モノアミドとしては、N−ステアリルステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミド等が挙げられる。
【0026】
これらのうち、消泡性の観点から、脂肪酸ジアミドが好ましく、さらに好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。これらのアミドは、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
【0027】
なお、主成分とは、脂肪酸アミドの重量に基づいて、少なくとも40重量%を含まれる成分を意味し、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上含まれることである。
【0028】
脂肪酸アミド中の副成分(主成分以外に含まれる成分)としては、上記の好ましい範囲以外のアミドの他に、未反応アミン及び未反応カルボン酸等が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、脂肪酸アミドの重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満、次に好ましくは30未満、最も好ましくは20未満である。
【0029】
脂肪酸アミドを含有する場合、脂肪酸アミドの含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.1〜15が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは3〜5である。
【0030】
ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、変性ポリオレフィンワックス及び天然ワックスが含まれ、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、アルコール変性ポリエチレンワックス、マレイン酸変性ポリエチレンワックス、エチレン−酢酸ビニルコポリマーワックス、エチレン−アクリル酸コポリマーワックス、フィッシャートロプシュワックス、木蝋、蜜蝋、パーム蝋、カルナウバワックス及びモンタンワックス等が挙げられる。
【0031】
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.1〜25が好ましく、さらに好ましくは1〜20、特に好ましくは3〜15である。
【0032】
金属石鹸としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、鉄、亜鉛及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0033】
金属石鹸について、金属と脂肪酸との量関係は、金属1モルに対して脂肪酸が1〜3モル(モノ体、ジ体、トリ体)のいすれでもよく、モノ体、ジ体、トリ体の混合物でもよい。消泡性の観点から、金属がアルミニウム及び鉄の場合、ジ体及びトリ体が好ましく、アルカリ土類金属(カルシウム等)、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル及び銅の場合ジ体が好ましい。
【0034】
金属石鹸を含有する場合、金属石鹸の含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.1〜25が好ましく、さらに好ましくは1〜20、特に好ましくは3〜15である。
【0035】
界面活性剤としては、アニオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤及びこれらの混合が含まれる。
非イオン型界面活性剤としては、HLB4.1〜20のものが使用でき、好ましくはHLB5.5〜18のもの、さらに好ましくはHLB7〜15のもの、最も好ましくはHLB8.6〜13.7のものである。
【0036】
非イオン型界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、植物油のエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物等が含まれる。
【0037】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンと炭素数12〜22の脂肪酸とのエステルが含まれ、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6、たとえば、ノニオンLP−20R;日油株式会社)、ソルビタンモノパルミテート(HLB6.7、たとえば、ノニオンPP−40Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7、たとえば、ノニオンSP−60Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、ノニオンOP−80R;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、イオネットS−80;三洋化成工業株式会社、「イオネット」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0038】
ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜40モル付加物が含まれ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB16.7、たとえば、ノニオンLT−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(HLB15.7、たとえば、ノニオンST−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(HLB15.7、たとえば、ノニオンOT−221;日油株式会社)等が挙げられる。
【0039】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、エチレンオキシド5〜200モルとプロピレンオキシド5〜200モルとの共重合体が含まれ、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−64;三洋化成工業株式会社、「ニューポール」は同社の登録商標である。)及びポリオキシエチレン(48モル)ポリオキシプロピレン(35モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−75;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
【0040】
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルとしては、炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルアリールのポリオキシエチレンエーテルが含まれ、ポリオキシエチレン(4モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール40;三洋化成工業株式会社、「ノニポール」は同社の登録商標である。)、ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール100;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
【0041】
植物油のエチレンオキシド付加物としては、植物油のエチレンオキシド1〜200モル付加物が含まれ、ひまし油のエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニオックスHC−40;日油株式会社、「ユニオックス」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0042】
ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステルとしては、数平均分子量200〜4000のポリオキシエチレングリコールと炭素数6〜22の脂肪酸とのモノエステル及びジエステルが含まれ、数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのジエステル(たとえば、イオネットDO−600;三洋化成工業株式会社)及び数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのモノエステル(たとえば、イオネットMO−600;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
【0043】
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、炭素数6〜22のアルカノールのオキシエチレン1〜100モル付加物が含まれ、ナロアクティーCL−40(HLB8.9、三洋化成工業株式会社、「ナローアクティー」は同社の登録商標である。)、ナロアクティーCL−100(HLB13.3、三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
【0044】
グリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルが含まれ、グリセロールモノステアレート(たとえば、モノグリMD、HLB5.5、日油株式会社)等が挙げられる。
【0045】
グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜100モル付加物が含まれ、グリセリンヤシ油脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニグリMK−207、HLB13.0、日油株式会社、「ユニグリ」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
【0046】
これらのうち、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンと脂肪酸とのモノエステル及びジエステル、グリセリン脂肪酸エステル並びにグリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物が好ましい。
【0047】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩及びポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
【0048】
アルキルアリールスルホン酸塩としては、炭素数6〜18のアルキルアリールスルホン酸塩が含まれ、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
塩としては特に制限されないが、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩及び炭素数1〜18のアミン塩(トリエタノールアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン等)等が含まれる。
【0049】
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩としては、アルキル基が炭素数6〜18であるアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が含まれ、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
【0050】
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が含まれ、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0051】
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が含まれ、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0052】
これらのうち、アルキルアリールスルホン酸塩及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましく、さらに好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム塩である。
【0053】
界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.002〜12が好ましく、さらに好ましくは0.1〜8、特に好ましくは1〜3である。
【0054】
油溶性ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルのコポリマー、石油樹脂、液状ゴム、ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとを含むブロックコポリマー等が挙げられる。油溶性ポリマーは市場から容易に入手でき、商品名として、たとえば、サンエリス702、823、934(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、いずれも三洋化成工業株式会社、「サンエリス」は同社の登録商標である。)、アクルーブ136、728、812(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、三洋化成工業株式会社、「アクルーブ」は同社の登録商標である)、アルコンM−135、P−125(石油樹脂、いずれも荒川化学工業株式会社、「アルコン」は同社の登録商標である)、クラプレンLIR30、LIR310、L−SBR(液状ゴム、いずれも株式会社クラレ、「クラプレン」は同社の登録商標である)、セプトン(水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、株式会社クラレ、「セプトン」は同社の登録商標である)等が挙げられる。
【0055】
油溶性ポリマーを含有する場合、油溶性ポリマーの含有量(重量%)は、消泡性の観点から、疎水性金属酸化物及び基油の重量に基づいて、0.002〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2、特に好ましくは0.2〜1である。
【0056】
分散液(A)の粘度(20℃、mPa・s)は、消泡性の観点から、10〜5000が好ましく、さらに好ましくは50〜4000、特に好ましくは80〜3000である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
【0057】
担体(B)は、80〜165ml/100gのDBP吸油量をもつ炭酸カルシウムであれば制限ないが、軽質炭酸カルシウムが好ましい。担体(B)の形態には制限がないが、一次粒子(微粒子)が集合してなる二次凝集体であることが好ましい。
【0058】
担体(B)のDBP吸油量(ml/100g)は、消泡性の観点から、90〜150が好ましく、さらに好ましくは95〜140である。
【0059】
DBP吸油量は、JIS K5101−1991に準拠して測定される値である(担体(B)にDBPを滴下しつつ練り合わせ、全体がかたい1つの塊となる点を終点とする。)。
【0060】
担体(B)が二次凝集体からなる場合、担体(B)の平均一次粒子径(μm)は、消泡性の観点から、0.01〜1が好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.6、特に好ましくは0.03〜0.4である。
【0061】
なお、平均一次粒子径は、試料をJIS Z8901:2006「試験用粉体及び試験用粒子」8.3.2走査形電子顕微鏡に準拠し、振掛け法によって準備した試料を走査型電子顕微鏡で1万倍に拡大して観察した画像から50個の粒子を観察して算出される最短径の算術平均値である。
【0062】
担体(B){担体(B)が二次凝集体である場合、二次凝集体}の体積平均粒子径(μm)は、消泡性の観点から、1〜45が好ましく、さらに好ましくは2〜15、特に好ましくは3〜6.6である。
【0063】
体積平均粒子径は、J I S Z 8 8 2 5 − 1 : 2 0 0 1 に準拠したレーザー回折式粒度分析計{ 例えば、L e e d s & N o r t h r u p 社製M i c r o tr a c M o d e l N o . M T 3 3 0 0 E X } を用い、電気伝導度( 2 5 ℃ ) 0 . 1 mS / m 以下の脱イオン水1 0 0 0 重量部に、測定試料濃度0 . 1 重量% となるように測定試料を添加して測定分散液を調製して、測定温度2 5 ± 5 ℃ で測定した後、水の屈折率として1 . 3 3 3 を、測定試料の屈折率として文献値( 「A G U I D E F O R E N TE R I N G M I C R O T R A C ” R U N I N F O R M A T I O N ” ( F 3 ) D A TA 」、L e e d s & N o r t h r u p 社作成) を用いて、5 0 % 積算体積平均粒子径として求められる。
【0064】
担体(B)のBET比表面積(m/g)としては、消泡性の観点から、5〜90が好ましく、さらに好ましくは8〜65、特に好ましくは10〜40である。
【0065】
なお、BET比表面積は、JIS R1626−1996(一点法)に準拠して測定される値である{ 測定試料:50mg(200℃で15分間加熱処理したサンプル)、吸着量の測定方法:定溶法、吸着質:混合ガス(N270体積%、He30体積%)、測定平衡相対圧:0.3、装置:たとえば、大倉理研社製、全自動粉体表面測定装置AMS−8000}。
【0066】
分散液(A)の含有量(重量%)は、消泡性の観点から、分散液(A)及び担体(B)の合計重量に基づいて、10〜70が好ましく、さらに好ましくは20〜65、特に好ましくは30〜60である。
【0067】
担体(B)の含有量(重量%)は、消泡性の観点から、分散液(A)及び担体(B)の合計重量に基づいて、30〜90が好ましく、さらに好ましくは35〜80、特に好ましくは40〜70である。
【0068】
本発明の粉末消泡剤の形態としては、分散液(A)と担体(B)とからなるものであれば特に限定されることなく、塊状(重量平均粒子径:10mm以上50mm未満)、粒状( 重量平均粒子径:50μm以上10mm未満)、粉末状(重量平均粒子径:0.05μm以上50μm未満)等が挙げられるが、作業性等の観点から、粉末状または粒状が好ましく、特に好ましくは粉末状である。
なお、粉末消泡剤の重量平均粒子径は、JIS K0069−1992(粒子径45μm 以上の粒子が多い場合は6.1乾式ふるい分け試験方法、粒子径45μm以下の粒子が多い場合は6.2湿式ふるい分け試験方法)に準拠して測定される。
【0069】
分散液(A)は、疎水性金属酸化物及び基油が均一混合されていればよく、混合方法等に制限はなく、公知の方法で得ることができる。
分散液(A)に、親水性シリカ、脂肪酸アミド、ワックス、金属石鹸、界面活性剤及び/又は油溶性ポリマーを含有する場合、これらと疎水性金属酸化物及び基油とが均一混合されていればよいが、脂肪酸アミド、ワックス及び/又は金属石鹸を含む場合、これらを溶融又は基油に溶解させてから均一混合することが好ましい。
【0070】
本発明の粉末消泡剤の製造方法としては特に制限は無いが、攪拌混合装置に分散液(A)と担体(B)を仕込み、攪拌混合する方法が好ましい。分散液(A)及び担体(B) を攪拌混合する方法としては、分散液(A)及び担体(B)の全量を一括で攪拌混合する方法(1);分散液(A)の全量に担体(B)を少量ずつ連続又は分割して投入しながら攪拌混合する方法(2);担体(B)の全量に分散液(A)を少量ずつ連続又は分割して投入しながら攪拌混合する方法(3);分散液(A)及び担体(B)を同時に少量ずつ連続又は分割して投入しながら攪拌混合する方法(4)等が適用できる。これらのうち、製造効率の観点等から、方法(4)が好ましい。
【0071】
攪拌混合に使用できる装置としては、公知の攪拌混合装置が使用でき、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、ニーダー、ラインミキサー、リボンミキサー、傾胴ミキサー、オムニミキサー及びヘンシェルミキサー等が例示される。
【0072】
本発明の粉末消泡剤には、公知の添加剤を含有することができる。添加剤としては、増粘剤、防水剤、遅延剤、早強剤、促進剤、減水剤、高性能減水剤、起泡剤、発泡剤、AE剤、高性能AE剤、急結剤、凝結剤、膨張剤、潤滑剤、水和熱低減剤、防凍剤、ポンプ圧送向上剤、アルカリ骨材反応抑制剤、エフロレッセンス防止剤、ポリマー混和剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0073】
本発明の粉末消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、建材(コンクリート、モルタル及びプラスター等)用消泡剤及び塗料(水性塗料及び紙塗工塗料等)用消泡剤等として使用することができる。これらのうち、建材用消泡剤として適しており、さらにモルタル及びプラスター用消泡剤として好適である。
【0074】
これらのモルタル及びプラスターとしては、ドロマイト又はセメント(ケイ酸石灰質セメント及びアルミン酸石灰質セメント等)及び石膏(α石膏及びβ石膏等)等の水硬化性物質を主成分とし、水、水溶性高分子、珪砂等の細骨材、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカヒューム等の混和材料、並びにナイロン、ポリプロピレン、ガラス、スチール及びカーボン等の繊維補強材等を適宜含むもの等が挙げられる。
【0075】
本発明の粉末消泡剤の使用量( 重量% ) は、水性発泡液の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.03〜15、特に好ましくは0.05〜10である。この範囲であると、消泡性がさらに良好となる。
【実施例】
【0076】
以下、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<製造例1>
疎水性金属酸化物{AEROSIL R972、日本アエロジル株式会社、疎水性シリカ}5部及び基油(d1){ニューポールLB−1715、三洋化成工業株式会社、ブタノールプロピレンオキシド(40モル)付加体、HLB=0.1}95部を均一に混合し、分散液(A1)を得た。なお、分散液(A1)の粘度{25℃、BM型回転粘度計(TVB−25L、東機産業株式会社):測定条件等は以下同じである。}は1.8Pa・sであった。
【0077】
<製造例2〜9>
分散液(A1)の成分及び使用量(部)を表1のように変更したこと以外、製造例1と同様にして、分散液(A2)〜(A9)を得た。
【0078】
【表1】
【0079】
疎水性酸化物(c2):SIPERNAT D10、デグサジャパン株式会社、疎水性シリカ
疎水性酸化物(c3):Nipsil SS−10、東ソー・シリカ株式会社、疎水性シリカ
【0080】
基油(d2):ニューポールPP−2000、三洋化成工業株式会社、ポリプロピレングリコール(34モル)、HLB=0.3
基油(d3):コスモピュアスピン E、コスモ石油ルブリカンツ会社、鉱物油
【0081】
脂肪酸アミド(1):スリバックスE、日本化成株式会社、エチレンビスステアリルアマイド
【0082】
界面活性剤(1):ニューポールPE−64、三洋化成工業株式会社、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー、HLB=7.6
界面活性剤(2):イオネットMO−600、三洋化成工業株式会社、ポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのモノエステル、HLB=13.7
【0083】
<実施例1>
リボンミキサー機( R M A − 0 0 4 5 T 、アルファ株式会社)中で、担体(B1){TP−121S、軽質炭酸カルシウム、DBP吸油量104ml/100g、平均一次粒子径0.31μm、二次凝集体の体積平均粒子径4.7μm、BET比表面積10m/g、奥多摩工業株式会社}40部を攪拌しながら、これに製造例1で得た分散液(A1)60 部を一定速度で15分かけて滴下した後、さらに0.5時間攪拌して均一化して、得られた粉末をJIS Z8801−1:2006に規定された金属製網ふるい(目開き45μm)を通過させて、本発明の粉末消泡剤1を得た。
【0084】
<実施例2>
「分散液(A1)」を「製造例2で得た分散液(A2)」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤2を得た。
【0085】
<実施例3>
「分散液(A1)60 部」を「製造例3で得た分散液(A3)30部」に変更したこと及び「担体(B1)40部」を「担体(B2){カルライト−SA、合成炭酸カルシウム、DBP吸油量95ml/100g、平均一次粒子径0.4μm、二次凝集体の体積平均粒子径6.5μm、BET比表面積12m/g、白石工業株式会社、「カルライト」は同社の登録商標である}70部」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤3を得た。
【0086】
<実施例4>
「分散液(A1)60部」を「製造例4で得た分散液(A4)30部」に変更したこと及び「担体(B1)40部」を「担体(B2)70部」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤4を得た。
【0087】
<実施例5>
「分散液(A1)」を「製造例5で得た分散液(A5)」に変更したこと及び「担体(B1)」を「担体(B3){カルライト−KT、合成炭酸カルシウム、DBP吸油量140ml/100g、平均一次粒子径0.03μm、二次凝集体の体積平均粒子径3.1μm、BET比表面積40m/g、白石工業株式会社}」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤5を得た。
【0088】
<実施例6>
「分散液(A1)」を「製造例6で得た分散液(A6)」に変更したこと及び「担体(B1)」を「担体(B3)」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤6を得た。
【0089】
<実施例7>
「分散液(A1)」を「製造例7で得た分散液(A7)」に変更したこと及び「担体(B1)40部」を「担体(B1)20部、単体(B2)20部」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤7を得た。
【0090】
<実施例8>
「分散液(A1)」を「製造例8で得た分散液(A8)」に変更したこと及び「担体(B1)40部」を「単体(B2)」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤8を得た。
【0091】
<実施例9>
「分散液(A1)」を「製造例9で得た分散液(A9)」に変更したこと及び「担体(B1)40部」を「単体(B2)40部」に変更したこと以外、実施例1と同様して、本発明の粉末消泡剤9を得た。
【0092】
<比較例1>
「分散液(A1)」を「ニューポールLB−1715、三洋化成工業株式会社、ブタノールプロピレンオキシド(40モル)付加体、HLB=0.1」に変更したこと以外、実施例1と同様して、比較用の粉末消泡剤H1を得た。
【0093】
<比較例2>
「担体(B1)」を「親水性シリカ(Nipsil NA、BET比表面積160m/g、DBP吸油量250ml/100g、東ソー・シリカ株式会社」に変更したこと以外、実施例1と同様して、比較用の粉末消泡剤H2を得た。
【0094】
<消泡性評価方法>
実施例で得た粉末消泡剤1〜9及び比較例で得た粉末消泡剤H1、H2を用いて、以下のようにしてモルタルを調製し、消泡性の評価を行い、その結果を表3に示した。
表2に示した配合成分を所定温度25℃で12時間温調を行い、配合成分のうち減水剤及び水以外の成分を表2の配合量で、モルタルミキサー[型式:C138A−486、株式会社丸東製作所]を用いて10秒間空練りした後、減水剤及び水を表2の配合量で加えて、3分間混練してモルタルを得た。次いでJIS A1128:2005に準拠して、モルタルエアーメーター[型式:C13−S、株式会社丸東製作所]でモルタルに含まれる空気含有量(体積%)を測定した。
【0095】
【表2】
【0096】
表2において、配合成分は、以下のものを使用した。
セメント : 普通ポルトランドセメント、太平洋セメント株式会社
α 型半水石膏 : YGK、吉野石膏株式会社
珪砂6 号 : 愛知八草地区乾燥珪砂
減水剤 : 三洋レベロン、三洋化成工業株式会社
増粘剤 : メチルセルロース(90SH−30000)、信越化学株式会社
【0097】
【表3】
【0098】
本発明の粉末消泡剤1〜9は、比較用の粉末消泡剤H1、H2に比べ、空気含有量が低く、優れた消泡性を示した。