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特開2017-159898車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-159898(P2017-159898A)
(43)【公開日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイール
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20170818BHJP
【FI】
   B60S1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-41693(P2017-41693)
(22)【出願日】2017年3月6日
(31)【優先権主張番号】1651867
(32)【優先日】2016年3月7日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】アラン、セルバン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、コリネ
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ、ボーシャン
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA01
3D025AB01
3D025AC01
3D025AD03
3D025AE02
3D025AE57
3D025AG21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両におけるコントローラの存在の利益を享受して、減速ギヤハウジングの体積を減らすとともに、材料を節約すること。
【解決手段】車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイール100であって、前記ホイール100が電気接点手段400を備え、前記電気接点手段の第1及び第2の電気接点手段が電気的に導通し、第1及び第2の電気接点手段がそれぞれのスライダ200a,200bのためのものであるホイール100において、ホイールの平面内における前記電気接点手段の角度範囲(α)が厳格に360°未満であり、前記電気接点手段がリンクを受容するようになっているホイールの面上に位置されることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイール(100)であって、前記ホイールが電気接点手段(300,400)を備え、前記電気接点手段の第1及び第2の電気接点手段(300,310a,310b,410,411)が電気的に導通し、前記第1及び第2の電気接点手段がそれぞれのスライダ(200a,200b)のためのものであるホイール(100)において、前記ホイールの平面内における前記電気接点手段の角度範囲(α)が厳格に360°未満であり、前記電気接点手段が、リンク(603,604)を受容するようになっている前記ホイールの面上に位置されることを特徴とするホイール(100)。
【請求項2】
前記ホイールの平面内における前記電気接点手段(300,310a,310b,410,411)の角度範囲(α)は、180°未満、好ましくは90°未満、或いは更には、45°未満であることを特徴とする請求項1に記載のホイール。
【請求項3】
前記第1及び第2の電気接点手段は、組み合わされるとともに、好適には径方向に配置される単一の導電スタッド(300)を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイール。
【請求項4】
前記第1及び第2の電気接点手段はそれぞれ、導電体(310c)によって接続されるスタッド(310a,310b)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイール。
【請求項5】
前記第1の電気接点手段を形成する円弧の形状を成す導電セグメント(410)を有し、前記円弧のセグメントは、前記第2の電気接点手段を形成する径方向突出部(411)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイール。
【請求項6】
前記ホイールの前記面は、それぞれのスライダ(200a,200b)のための第1のトラック(111a)及び第2のトラック(111b)を有し、前記第1のトラックが前記円弧のセグメント(410)によって部分的に形成され、前記第2のトラックが前記突出部(411)によって部分的に形成されることを特徴とする請求項5に記載のホイール。
【請求項7】
前記円弧のセグメント(410)は、前記ホイール(100)の前記面上に設けられる円形リブ(500,530)に沿って延在し、前記円形リブは、前記スライダが前記ホイールのそれぞれのトラック(111a,111b)上でスライドするときに前記スライダ(200a,200b)を電気的に絶縁するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のホイール。
【請求項8】
前記リブ(500,530)が中断部(501)を備え、前記突出部(411)が前記中断部を少なくとも部分的に占めることを特徴とする請求項7に記載のホイール。
【請求項9】
前記リブ(500)が前記トラック(111a,111b)のうちの一方を支持することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のホイール。
【請求項10】
前記中断部(501)の端部のうちの少なくとも一方が斜面(510a,510b)を形成することを特徴とする請求項9に記載のホイール。
【請求項11】
前記リブ(530)が前記第1及び第2のトラック(111a,111b)間で延在することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のホイール。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のホイール(100)を備える車両ウインドウワイパー駆動システムのための減速ギヤハウジング(600)。
【請求項13】
カバーを備え、前記カバーの内面が第1及び第2の導電スライダ(200a,200b)を有し、前記カバーが閉じられるときに、前記ホイールの1つの位置で、前記第1のスライダの一端部(210a)が前記第1の電気接点(300,310a,411)と接触するようになっているとともに、前記第2のスライダ(200b)の一端部(210b)が前記第2の電気接点(300,310b,410)と接触するようになっていることを特徴とする請求項12に記載の減速ギヤハウジング。
【請求項14】
前記第1のスライダ(200a)の端部(210a)の径方向位置が前記第1の電気接点(300,310a,411)の径方向位置と同一であり、前記第2のスライダ(200b)の端部(210b)の径方向位置が前記第2の電気接点(300,310b,410)の径方向位置と同一であり、
前記第1及び第2のスライダの端部間に含まれる角度セクタは、前記第1及び第2の電気接点間に含まれる角度セクタ(α)に等しい、
ことを特徴とする請求項13に記載の減速ギヤハウジング。
【請求項15】
モータ(610)と、請求項12から14のいずれか一項に記載の減速ギヤハウジング(600)とを備える車両ウインドウワイパーのための駆動システム(620)。
【請求項16】
請求項15に記載の駆動システム(620)と少なくとも1つのワイパーブレード(10)とを備える、自動車両ウインドウを拭き取るためのシステム(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両リヤウインドウワイパー用のウインドウワイパー駆動機構のためのホイール、そのような機構を収容するハウジング、及び、そのようなモータ及びそのようなハウジングを備えるウインドウワイパー駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウインドウワイパーシステム、特に自動車両に取り付けられるウインドウワイパーシステムは、モータによるワイパーブレードの往復動を制御するためのシステムを備える。特定の場合、例えばリヤウインドウワイパーの場合、システムは、モータの回転動作をワイパーブレードの往復動へ変換するためのリンク装置も備える。
【0003】
また、そのようなシステムは、ユーザがワイパー機構の動作を停止させるときにワイパーが休止位置へ戻ることができるようにする装置を備えなければならない。実際には、この中断は、ガラス上のワイパーブレードの任意の位置で起こり得るが、ワイパーブレードは、決定的に停止する前にその休止位置に必ず戻らなければならない。
【0004】
この目的のために、モータに固定されてワイパー制御スイッチと並列に設置されるホイールに装着されるロータリースイッチを備える装置が知られている。したがって、モータは、ロータリースイッチがワイパーブレードの休止位置を検出してモータ電力をオフに切り換えるまで給電され続ける(例えば、仏国特許出願公開第2830672号明細書及び仏国特許出願公開第2830673号明細書)。モータを短絡させ、したがって、慣性効果を回避するべくモータを直ちに停止させるために、他のスイッチが介在する場合がある。
【0005】
そのようなスイッチは、一般に、モータにより駆動されるホイール上に装着される金属製の環状のカムと、このカムの連続する又は連続しないトラック上でそれぞれスライドする接点要素(又はスライダ)とを備える。
【0006】
リンク要素の存在とスライダの嵩高性とに起因して、スライダは、カムと共に、一般にリンク要素とは反対側のホイールの面上に位置される。したがって、ホイール、リンク要素、及び、スライダを収容するハウジング(以下、減速ギヤハウジングと称される)は比較的大きい。
【0007】
また、ボディコントローラとして知られる車両の全ての電気的機能のコントローラが自動車両に搭載して存在することは、ワイパーブレードを休止位置に設定するための装置の形態を変更してきた。実際には、モータは、現在、コントローラによって直接に制御され、ロータリースイッチによってもはや制御されない。コントローラは、該コントローラがワイパーブレードの休止位置での停止を管理できるようにする、ウインドウ上のワイパーブレードの位置に関する情報を受ければ足りる。この情報は連続的である必要はなく、例えばワイパーブレードがその休止位置に近づく瞬間の電圧ピーク(トップ)など、断続的な情報を有すれば足りる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2830672号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2830673号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、車両におけるコントローラの存在の利益を享受して、減速ギヤハウジングの体積を減らすとともに、材料を節約することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイールであって、リンクを受容するようになっているホイールの面上に、それぞれのスライダのための第1及び第2の電気接点手段を備え、前記電気接点手段が電気的に導通し、ホイールの平面内における前記電気接点手段の角度範囲が厳格に360°未満であることを特徴とするホイールを提案する。
【0011】
本発明において、電気接点手段は、リンケージを支持するようになっているホイールの面上に位置され、また、電気接点手段は、ホイールの平面内で限られた角度範囲を有する。いずれにしても、ホイールのこの面上でのリンクの存在は、電気接点手段及びスライダの設置を大きく制限する。そのようなリンクは、例えばリヤウインドウワイパーシステム上で見出される。
【0012】
したがって、スペースが節約されるとともに、材料が節約される。
【0013】
電気接点手段は、少なくとも第1及び第2の電気接点手段を備える。
【0014】
ホイールは、一般に、非導電性材料、例えばプラスチック材料から形成されるとともに、成形によって製造される。
【0015】
電気接点手段は、任意の既知の手段によって、特にオーバーモールド、接着、熱間塑性リベット等によって非導電性材料に固定されてもよい。
【0016】
スライダは、動作時に、ホイール上にわたって、特にホイールのある角度位置では電気接点手段を越えてスライドするようになっている。スライダが電気接点手段を通り越す際には、これらの接点手段が導電体により接続されるため、スライダは、スライダ間の接点を閉じて、電流ピーク又は電圧ピークをコントローラへ送る。この電流ピーク又は電圧ピークは、ホイールの角度位置に関する情報をコントローラに与える。
【0017】
好適には、ホイールの平面内における電気接点手段の角度範囲は、180°未満、好ましくは90°未満、或いは更には、45°未満である。
【0018】
本発明は、電気接点手段、特に第1及び第2の電気接点手段のための幾つかの実施形態を提案する。
【0019】
これらの電気接点手段は、組み合わされるとともに、単一の導電スタッドを形成してもよく、この場合、角度範囲は、スタッドの角度範囲であり、特にこのスタッドが径方向に配置されるバーの形態を成す場合には非常に小さくてもよい。
【0020】
これらの電気接点手段は、組み合わされずに、それぞれが導電体によって接続されるスタッドを有してもよく、そのようなスタッドは、導電性ワイヤ又は金属トラックにより接続される小さい寸法の金属バー又は金属プレートの形態を成してもよい。
【0021】
ホイールは、第1の接点手段を形成する円弧の形状を成す導電セグメントを有してもよく、前記円弧セグメントは径方向突出部を備え、径方向突出部は第2の電気接点手段を形成し、この場合、第1及び第2の接点手段は、「ミニカム」、すなわち、ホイールの平面内において厳密に360°未満、例えば90°に近い限られた角度範囲のカムを形成し、2つの電気接点手段を接続する導電体自体が円弧セグメントである。
【0022】
好適には、ホイールの面は、それぞれのスライダのための第1のトラック及び第2のトラックを有してもよく、第1のトラックが円弧セグメントによって部分的に形成され、また、第2のトラックが突出部によって部分的に形成される。
【0023】
スライダは、動作時には、リンク及び接点手段を受けるようになっているホイールの面上にわたってスライドするようになっている。電気接点手段の形状にかかわりなく、ホイールを損傷させることなくスライダがスライドできるようにするべく特別に形成されるホイールのこの面上にトラックを設けることは有益である。電気接点手段が円弧セグメントを備える場合、セグメント自体は、第1のスライダのための第1のトラックの一部を形成してもよく、延在部分が第2のスライダのための第2のトラックの一部を形成する。
【0024】
したがって、第2のスライダがホイールの非導電性材料上にわたってスライドするが環状セグメント付近でスライドする角度セクタが存在し、そのため、スライダ間の望ましくない短絡の問題を引き起こす場合がある。
【0025】
好適には、円弧セグメントは、ホイールの面上に設けられる円形リブに沿って延在してもよく、円形リブは、スライダがホイールのそれぞれのトラック上でスライドするときにスライダを電気的に絶縁するようになっている。
【0026】
例えばホイールと同じ非導電性材料から構成されるこのリブは、スライダをそれらのそれぞれのトラック上でスライドするときに互いに絶縁できるようにする。
【0027】
好適には、リブが中断部を有してもよく、突出部が前記中断部を少なくとも部分的に占める。
【0028】
好適には、リブがトラックのうちの一方を支持してもよい。
【0029】
この場合には、2つのスライダが動作時に軸方向にオフセットされ、それにより、望ましくない短絡が回避される。
【0030】
好適には、ホイールの面は、それぞれのスライダのための第1のトラック及び第2のトラックを備えてもよく、第1のトラックが円弧セグメントによって部分的に形成され、また、第2のトラックが突出部によって部分的に形成され、それにより、隆起したトラック上でのホイールの平面に対するスライダの「上昇」及び/又は「下降」が容易になる。
【0031】
或いは、リブが第1及び第2のトラック間で延在してもよい。
【0032】
この場合、2つのスライダは、動作時に、先の実施形態の場合よりも細くてもよいリブによって分割される。
【0033】
また、本発明は、本発明に係るホイールを備える車両ウインドウワイパー駆動システム、例えばリヤウインドウワイパー駆動システムのための減速ギヤハウジングも備える。
【0034】
好適には、ハウジングがカバーを備えてもよく、前記カバーの内面が第1及び第2の導電スライダを備え、カバーが閉じられるときにホイールの1つの位置で、第1のスライダの一端部が第1の電気接点と接触するようになっているとともに、第2のスライダの一端部が第2の電気接点と接触するようになっている。
【0035】
好適には、第1のスライダの端部の径方向位置が第1の電気接点の径方向位置と同一であってもよく、また、第2のスライダの端部の径方向位置が第2の電気接点の径方向位置と同一であってもよく、また、第1及び第2のスライダの端部間に含まれる角度セクタは、第1及び第2の電気接点間に含まれる角度セクタに等しくてもよい。
【0036】
また、本発明は、モータと前述した減速ギヤハウジングとを備える、車両ウインドウワイパーのための駆動システムに関する。
【0037】
また、本発明は、そのような駆動システムと少なくとも1つのワイパーブレードとを備える、車両ウインドウを拭き取るためのシステムに関する。
【0038】
以下、添付図面に関連して、実施形態及び変形例を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、単一のスタッドを備える車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイールを斜視図で示す。
図2図2は、角度オフセットを伴う2つのスタッドを備えるホイールを斜視図で示す。
図3図3は、突出部を有する環状セグメントを備えるホイールを斜視図で示す。
図4図4は、リブを有する一実施形態を例示する、スライダ接触領域の拡大斜視図を示す。
図5図5A図5Cは、環状セグメント及びリブの3つの実施形態を平面図で概略的に示す。
図6図6は、減速ギヤハウジングのカバーが取り外された状態における、モータと減速ギヤハウジングとを備える車両ウインドウワイパー駆動システムを斜視図で示す。
図7図7は、図6におけるウインドウワイパー駆動システムを使用して車両ウインドウを拭き取るためのシステムの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、軸方向ハブ101と接続ロッド用の偏心ハウジング102とを備えるとともに矢印Fの方向に駆動され得る車両ウインドウワイパー駆動システムのためのホイール100を示す。この目的のため、ホイールは、噛み合いによって駆動されるように歯又は切り欠き120をその外周上に備えるが、任意の他の手段によっても駆動され得る。
【0041】
ホイールと一体ではなく本発明の理解のために役立つ第1及び第2のスライダ200a,200bも示される。スライダの端部210a,210bは、動作時、図1の例ではホイール100の縁部に位置されるホイールの環状部110上にわたってスライドするようになっている。この環状部110は、実際には、平行に示されるそれぞれのスライダ200a,200bのための第1及び第2のトラック111a,111bを形成し、第1のトラック111aは、外側トラックであるとともに短い破線で(部分的に)示され、第2のトラック111bは、内側トラックであるとともに長い破線で(部分的に)示される。ホイール100は、スライダがそれらのそれぞれのトラック上にわたってスライドしているときにスライダ間の回路が開いているように非導電材料から形成される。
【0042】
ここに示されるホイールは、組み合わされて単一の導電スタッド300を形成する第1及び第2の電気接点手段を備える電気接点手段を有する。環状部110は、電気接点手段を形成するとともに第1及び第2のトラックを覆うように配置される例えば金属製の導電スタッド300を備える。ホイール100の回転中に端部210a,210bがスタッド300を通り越すと、これにより、第1及び第2のスライダが短絡して、更に下流側に配置される図示しないコントローラのためのパルス又はトップがもたらされる。このパルスは、ホイールの角度位置、したがってワイパーアームの角度位置に関する情報をコントローラに与える。
【0043】
図1の例において、単一のスタッド300は、その角度範囲が数度に制限されるように径方向に配置される。スタッドは、任意の既知の手段(接着等)によってホイールに取り付けられてもよい。スタッドは、環状部110の平面を僅かに越えて突出してもよく或いは突出しないように環状部110上の溝内に収容されてもよい。
【0044】
この実施形態の1つの欠点は、スライダ同士が平行ではないにしても互いに非常に近く、そのため、第1に、スライダの寸法に常に適合するとは限らず、また、第2に、スライダ間で望ましくない短絡をもたらすリスクがある。
【0045】
図2は、より明確にするためにスライダが省かれてしまったホイール100の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態において、ホイール100は、第1の電気接点手段を形成する第1のスタッド310aと、第2の電気接点手段を形成する第2のスタッド310bとを備える電気接点手段を備える。ホイール100は、第1及び第2のトラック111a,111bを伴う環状部110を備える。第1のトラック111aが第1のスタッド310aを備え、また、第2のトラックが第2のスタッド310bを備え、両方のスタッドは、導電性であるとともに角度がオフセットされているが、導電体310cによって接続されて任意の既知の手段により環状部に固定され、導電ワイヤ310cは、例えば、リンクを受けるようになっているホイールの面に設けられる溝内に収容されてもよい。スタッドは、バー、接触プレート、又は、他のものから成ってもよい。図示のように、第1及び第2のスタッド310a,310bは、45°に近い角度αだけ角度がオフセットされている。
【0046】
この実施形態において、スライダの端部210a,210bは、ホイール100の回転中にそれぞれのスタッド310a,310bを同時に通り越すように同じ角度αだけオフセットされる。第1の実施形態と同様に、スライダのそれぞれのスタッドを同時に越える通過は、スライダを短絡状態にする。
【0047】
図3は、ホイール100の第3の実施形態を示す。この実施形態において、電気接点手段400は、任意の既知の手段(接着、熱間塑性リベットなど)により環状部110に固定されて第1の電気接点手段を形成する例えば金属製の導電円弧セグメント410又はミニカムを備える。円弧セグメント410は、ホイールの回転軸に対向する、いわゆる内縁部と、ホイールの縁部に対向する、いわゆる外縁部とを備える。そのような円弧セグメントは、一般に、より良好な測定精度のためにホイールの縁部付近に配置される。
【0048】
円弧セグメント410は、一方の縁部に、ここではその外縁部に、第2の電気接点手段を形成する径方向突出部411を備える。第1のスライダ200aの第1のトラック111aが突出部411を備え、第2のスライダ200bの第2のトラック111bが円弧セグメント410を備える。第1及び第2のスライダ間には、それらのそれぞれの端部が円弧セグメント410及び突出部411を越えてスライドするときに電気的な接触がもたらされる。
【0049】
この実施形態では、第1の電気接点手段410と、第1及び第2の電気接点手段を接続する導体とが組み合わされる。
【0050】
図示のように、ここでは円弧セグメント410の角度範囲に対応する電気接点手段400の角度範囲αが90°に近い。
【0051】
図3に示されるように、第1のスライダ200aの端部210aが円弧セグメント410の外縁部に非常に近接するホイールの角度位置、したがって、スライダ間に望ましくない短絡のリスクがあるホイールの角度位置が存在する。本発明は、このリスクを回避するための幾つかの解決策を提案する。
【0052】
図4は、第3の実施形態の第1の変形例を示す。この変形例において、リンクを受けるようになっているホイールの面は、ホイールの平面から、したがって環状部110から高さh分だけ立ち上がる円形リブ500を備える。円形リブは、第1のトラック111aをその上端で支持するのに十分広い。リブ500は、円弧セグメント410の突出部411が位置する中断部501を備え、この突出部は第1のトラック111aの一部を形成する。
【0053】
このようにして、スライダがリブ500上にわたってスライドすると、第1のスライダ200aの端部210aが第2のスライダ200bの端部210bから軸方向に離間され、望ましくない短絡のリスクが回避される。
【0054】
図4では、リブ500がホイール100の隆起した縁部を形成するが、リブをホイールの表面上の任意の他の位置に配置することができる。
【0055】
リブ500の上端から突出部411への及びその逆への第1のスライダ200aの端部210aの通過を容易にするために、リブ500の中断部501の各端部は斜面510a,510bを備える。
【0056】
この変形例が図5Aに平面図で概略的に示される。
【0057】
図5Bは、第3の実施形態の変形例を示す。この変形例では、細いリブ530が、環状部110の上方へ立ち上がって、円弧セグメント410の外縁部に沿って延在し、リブとセグメントとが好ましくは互いに接触する。したがって、リブは2つのトラック111a,111b間で延在する。
【0058】
動作時、スライダはいずれもホイール100の環状部110上にわたってスライドし、また、リブは、2つのスライダ200a,200b間の電気的絶縁を確保する。先の変形例と同様に、リブ530は、第1のトラック111a内への突出部411の組み込みを可能にするために中断部を備える。
【0059】
図5Cは、第3の実施形態の他の変形例を示す。この変形例では、細いリブ530が金属製の円弧セグメント410の内縁部に沿って延在する。リブは、この場合も先と同様に、2つのトラック111a,111b間で延在して、2つのスライダ200a,200b間の電気的絶縁を確保する。リブは、第2のトラック111b内への突出部411の組み込みを可能にするために中断部を備える。
【0060】
図5B及び図5Cの変形例では、リブ530がホイール100の縁部から離間される。
【0061】
他の変形例(図示せず)において、リブ500は、円弧セグメント410の内縁部に沿って位置された後、第2のトラック111bを支持する。
【0062】
図6は、本発明に係るホイール100を備える車両ウインドウワイパーブレードのための駆動システム620を示す。このシステムは、減速ギヤハウジング600とモータ610とを備える。ホイール100は、ハウジング内の空間に収容されて、ハブ101内に位置されるシャフト601を中心に回転するように装着される。ホイールは、第3の実施形態に係る円弧セグメント410を備える。また、図は、ハウジング600のカバー(より明確にするために図示せず)と一体である第1及び第2のスライダ200a,200bも示す。モータ610によって駆動される無端ネジ602がホイール100の切り欠き120に係合する。また、ハウジングは、2つのアーム、すなわち、ホイールの偏心ハウジング102内で回転するように装着されるとともにその一端がウインドウワイパーブレードの駆動ロッド605と一体の歯車と噛み合う第1のアーム603と、ロッド605の周りで回転するように第1のアーム603に装着される第2のアーム604とから構成されるリンクを備える。
【0063】
図7は、ここでは2つのワイパーブレード10を備えるワイパーシステム9を示し、各ワイパーブレードは駆動アーム11を備え、駆動アームの一方の端部がブレード12に接続され、駆動アームの他方の反対側の端部は、リンク又はロッドシステム13により、図6における出力シャフトなどの駆動システム620の出力シャフトに接続される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
【外国語明細書】
2017159898000001.pdf