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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-162848(P2017-162848A)
(43)【公開日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】配線基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20170818BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H05K3/46 T
   H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-43014(P2016-43014)
(22)【出願日】2016年3月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】坂本 一
(72)【発明者】
【氏名】清水 敬介
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC54
5E316DD02
5E316DD12
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316EE33
5E316FF13
5E316FF14
5E316FF23
5E316FF45
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG27
5E316HH11
5E316JJ12
5E316JJ25
5E316JJ28
(57)【要約】
【課題】強度を向上することができる配線基板の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の配線基板10は、複数の絶縁樹脂層11,14,16のうち積層方向の一端に配置され、繊維状又は布状の補強材19を含む第1絶縁樹脂層11と、第1絶縁樹脂層11に貫通した状態に形成され、半導体素子30を収容するキャビティ20と、第1絶縁樹脂層11のうち積層方向の一端と反対側の面である主面11Aに積層されている第1導電層13と、第1絶縁樹脂層11に積層されて第1導電層13と半導体素子30とを覆いかつ、繊維状又は布状の補強材を含まない第2絶縁樹脂層14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電路を含んでなる複数の導電層と複数の絶縁層とを積層してなり、前記絶縁層により導電層同士の間が絶縁されている配線基板において、
前記複数の絶縁層のうち積層方向の一端に配置され、繊維状又は布状の補強材を含む第1絶縁層と、
前記第1絶縁層を貫通する収容部と、
前記収容部に収容される半導体素子と、
前記第1絶縁層のうち前記積層方向の一端側の面である副面側に形成されている第1導電層と、
前記第1絶縁層のうち前記積層方向の一端と反対側の面である主面側に形成されている第2導電層と、
前記第1絶縁層に積層されて前記第2導電層と前記半導体素子とを覆うと共に前記収容部内の前記半導体素子との隙間を充填し、かつ、前記繊維状又は布状の補強材を含まない第2絶縁層と、を備える。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板であって、
前記第1導電層は、前記第1絶縁層の前記副面側に埋め込まれかつ前記副面に一部が露出している。
【請求項3】
請求項2に記載の配線基板であって、
前記第1導電層における前記第1絶縁層の前記副面側の面は、前記第1絶縁層の前記副面よりも内側に位置している。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記半導体素子は、前記第1絶縁層の前記主面側に、端子を有するアクティブ面を備える一方、前記第1絶縁層の前記副面側に、端子を有しない非アクティブ面を備え、
前記第1導電層は、前記収容部に一部が露出して前記半導体素子の前記非アクティブ面が接合されるプレーン部を備える。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記第2絶縁層は、前記第1絶縁層側に配され、前記第2導電層を被覆しかつ上面に導電層が形成されていない第1層と、前記第1絶縁層と反対側に配され、上面に第3導電層が形成されている第2層と、からなり、
前記第1層のうち前記収容部の上方部分には、前記収容部から延長された貫通孔が形成され、
前記半導体素子は、前記第2絶縁層のうちの前記第2層により覆われている。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記繊維状又は布状の補強材は、ガラスクロス、炭素繊維、ガラス不織布、アラミドクロス、及びアラミド不織布のうちの少なくとも1種類からなる。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記複数の絶縁層のうち前記第1絶縁層を除く残りを占める絶縁層の全てが、前記繊維状又は布状の補強材を含まない。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記第2絶縁層のうち前記第1絶縁層と反対側の面には、前記繊維状又は布状の補強材を含まない第3絶縁層と第4導電層とが積層され、
前記第4導電層に複数のパッドが形成されている。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1の請求項に記載の配線基板であって、
前記第2絶縁層における前記第1絶縁層と反対側の面に形成されている第3導電層と、
前記第1絶縁層を貫通して、前記第1導電層と前記第2導電層とを接続する第1ビアと、
前記第2絶縁層を貫通して、前記半導体素子と前記第3導電層とを接続する第2ビアと、を有し、
前記第2ビアのビア径は、前記第1ビアのビア径よりも小さい。
【請求項10】
請求項9に記載の配線基板であって、
前記第2絶縁層を貫通して、前記第2導電層と前記第3導電層とを接続する第3ビアを有し、
前記第3ビアのビア径は、前記第2ビアのビア径と略同一である。
【請求項11】
導電路を含んでなる複数の導電層と複数の絶縁層とを積層してなり、前記絶縁層により導電層同士の間が絶縁されている配線基板の製造方法であって、
支持部材を準備することと、
主面と、前記主面と反対側の面である副面とを有し、繊維状又は布状の補強材を含む第1絶縁層を、前記副面が前記支持部材に向くように、前記支持部材上に積層することと、
前記第1絶縁層を貫通する収容部を形成することと、
前記収容部に半導体素子を収容すること、
前記第1絶縁層の前記主面に第2導電層を形成することと、
前記第1絶縁層に前記繊維状又は布状の補強材を含まない第2絶縁層を積層し、その第2絶縁層により前記第2導電層と前記半導体素子とを覆うと共に前記収容部内の前記半導体素子との隙間を充填することと、
前記支持部材を剥離することと、を行い、
前記収容部の形成及び前記半導体素子の収容を、前記支持部材を剥離する前に行う。
【請求項12】
請求項11に記載の配線基板の製造方法であって、
前記第1絶縁層の積層に先立って、さらに、前記支持部材上に第1導電層を形成することを含み、
前記第1絶縁層の積層を、前記第1導電層を前記第1絶縁層の前記副面側に埋め込むように行う。
【請求項13】
請求項12に記載の配線基板の製造方法であって、
さらに、前記支持部材として、支持基板の上面に第1金属膜を有するものを使用することと、
前記第1金属膜付きの前記第1絶縁層を前記支持基板から剥離した後、前記第1金属膜をエッチングにより除去することと、を含む。
【請求項14】
請求項13に記載の配線基板の製造方法であって、
さらに、前記第1導電層を形成する前に、前記第1金属膜上のうち前記第1導電層が形成される箇所に、前記第1金属膜及び前記第1導電層と異種の材料からなる第2金属膜を形成することと、
前記第1金属膜をエッチングにより除去した後に、前記第2金属膜を選択性エッチングにより除去することと、を含む。
【請求項15】
請求項12乃至14の何れか1の請求項に記載の配線基板の製造方法であって、
前記半導体素子を収容するときに、前記第1絶縁層の前記主面側に端子を有するアクティブ面を配し、かつ、前記第1絶縁層の前記副面側に端子を有しない非アクティブ面を配することと、
前記支持部材上に、前記第1導電層の一部として、前記収容部に露出して前記半導体素子の前記非アクティブ面が接合されるプレーン部を形成することと、を行う。
【請求項16】
請求項11乃至15の何れか1の請求項に記載の配線基板の製造方法であって、
前記第2絶縁層を、上面に導電層が形成されていない第1層と上面に第3導電層が形成されている第2層とから構成することと、
前記第1絶縁層に、前記第1層を積層して前記第2導電層を被覆することと、
前記第1絶縁層と前記第1層とを合わせて貫通し、前記第1絶縁層に前記収容部を形成すると共に、前記第1層に貫通孔を形成することと、
前記収容部及び前記貫通孔を形成した後に、前記第1層上に前記第2層を積層し、前記半導体素子を被覆することと、を行う。
【請求項17】
請求項11乃至16の何れか1の請求項に記載の配線基板の製造方法であって、
前記繊維状又は布状の補強材を、ガラスクロス、炭素繊維、ガラス不織布、アラミドクロス、及びアラミド不織布のうちの少なくとも1種類から構成する。
【請求項18】
請求項11乃至17の何れか1の請求項に記載の配線基板の製造方法であって、
前記複数の絶縁層のうち前記第1絶縁層を除く残りを占める絶縁層の全てに、前記繊維状又は布状の補強材を含まない絶縁層を使用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電層と複数の絶縁層とを積層してなる配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の配線基板として、半導体素子が内蔵されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−059992(段落[0021]、図11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した配線基板においては、強度の向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る配線基板は、導電路を含んでなる複数の導電層と複数の絶縁層とを積層してなり、前記絶縁層により導電層同士の間が絶縁されている配線基板において、前記複数の絶縁層のうち積層方向の一端に配置され、繊維状又は布状の補強材を含む第1絶縁層と、前記第1絶縁層を貫通する収容部と、前記収容部に収容される半導体素子と、前記第1絶縁層のうち前記積層方向の一端側の面である副面側に形成されている第1導電層と、前記第1絶縁層のうち前記積層方向の一端と反対側の面である主面側に形成されている第2導電層と、前記第1絶縁層に積層されて前記第2導電層と前記半導体素子とを覆うと共に前記収容部内の前記半導体素子との隙間を充填し、かつ、前記繊維状又は布状の補強材を含まない第2絶縁層と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1実施形態に係る配線基板の側断面図
図2】配線基板の製造工程を示す側断面図
図3】配線基板の製造工程を示す側断面図
図4】配線基板の製造工程を示す側断面図
図5】配線基板の製造工程を示す側断面図
図6】配線基板の製造工程を示す側断面図
図7】配線基板の製造工程を示す側断面図
図8】配線基板の製造工程を示す側断面図
図9】配線基板の製造工程を示す側断面図
図10】配線基板の製造工程を示す側断面図
図11】配線基板の製造工程を示す側断面図
図12】配線基板の製造工程を示す側断面図
図13】配線基板の製造工程を示す側断面図
図14】配線基板の製造工程を示す側断面図
図15】配線基板の使用状態を示す側断面図
図16】配線基板の拡大側断面図
図17】第2実施形態に係る配線基板の側断面図
図18】第2実施形態に係る配線基板の製造工程を示す側断面図
図19】第2実施形態に係る配線基板の製造工程を示す側断面図
図20】変形例に係る配線基板の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1図16に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の配線基板10は、絶縁樹脂層11,14,16(本発明の「絶縁層」に相当する)と導電路を含む導電層12,13,15,17とが複数ずつ交互に積層されてなるビルドアップ層24を有している。
【0008】
ビルドアップ層24の複数の絶縁樹脂層11,14,16のうち積層方向の一端には、本発明の第1絶縁樹脂層11が配置されている。第1絶縁樹脂層11のうち積層方向の一端と反対側の面である主面11Aには、第2導電層13が積層されている。一方、第1絶縁樹脂層11のうち主面11Aと反対側の副面11B側には第1導電層12が配されている。この第1導電層12は、第1絶縁樹脂層11の副面11B側に埋め込まれかつ副面11Bに一部が露出している。また、第1導電層12における第1絶縁樹脂層11の副面11B側の面は、第1絶縁樹脂層11の副面11Bよりも内側に位置している。なお、本実施形態においては、第1絶縁樹脂層11の副面11Bから主面11Aに向かう方を「上方」とする。
【0009】
また、第1絶縁樹脂層11には、ビアホール11Hとキャビティ20(本発明の「収容部」に相当する)とが形成されている。ビアホール11Hは、主面11A側から副面11B側に向かって徐々に縮径したテーパー状になっている。ビアホール11H内にめっきが充填されてビア導体11Dが形成されている。そして、この第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dによって、第1導電層12と第2導電層13との間が接続されている。
【0010】
キャビティ20は、主面11A側から副面11B側に向かって徐々に縮径した四角錐台状の空間を有する形状をなし、第1絶縁樹脂層11を貫通している。また、第1導電層12のうちキャビティ20の下方部分はプレーン部18になっていて、プレーン部18の上面がキャビティ20内に底面として露出している。
【0011】
キャビティ20には、半導体素子30が収容されている。半導体素子30は、第1絶縁樹脂層11の主面11A側に、端子30A,30Aを有するアクティブ面30Cを備える一方、第1絶縁樹脂層11の副面11B側に、端子を有しない非アクティブ面30Dを備えていて、非アクティブ面30Dがプレーン部18に接着剤31によって接合されている。また、半導体素子30はキャビティ20から僅かに突出し、端子30A,30Aの上面が第2導電層13の上面と略面一になっている。
【0012】
第1絶縁樹脂層11の主面11A上には、第2導電層13を覆う第2絶縁樹脂層14が積層されている。第2絶縁樹脂層14の一部は、半導体素子30とキャビティ20の内側面との間に入り込み、半導体素子30を覆っている。また、第2絶縁樹脂層14の上面には第3導電層15、第3絶縁樹脂層16、第4導電層17が順に形成されている。
【0013】
第2及び第3の絶縁層14,16にも、複数のビアホール14H,16Hが形成され、それらビアホール14H,16H内にめっきが充填されて複数のビア導体14D,16Dが形成されている。そして、第2絶縁樹脂層14のビア導体14Dによって、第2導電層13と第3導電層15との間及び半導体素子30の端子30A,30Aと第3導電層15との間が接続され、第3絶縁樹脂層16のビア導体16Dによって、第3導電層15と第4導電層17との間が接続されている。
【0014】
ビルドアップ層24のうち最外層の第4導電層17上には、ソルダーレジスト層25が積層されている。ソルダーレジスト層25には、複数のパッド用孔が形成され、第4導電層17のうちパッド用孔から露出した部分がパッド26になっている。なお、パッド26には、ニッケル層、パラジウム層、金層からなる金属膜27が形成されている。
【0015】
さて、絶縁樹脂層11,14,16はいずれもBステージの樹脂シート(例えば、プリプレグ、ビルドアップ基板用の絶縁性フィルムなど)から形成されている。ここで、本実施形態の配線基板10では、複数の絶縁樹脂層11,14,16のうち、第1絶縁樹脂層11は、例えばガラスクロス等からなる繊維状又は布状の補強材19(図16参照)を含んでいるのに対し、第2及び第3の絶縁樹脂層14,16は、繊維状又は布状の補強材を含んでいない。以降、繊維状又は布状の補強材を単に「補強材」という。また、第1絶縁樹脂層11の厚さは第2及び第3の絶縁樹脂層14,16の厚さよりも大きくなっている。
【0016】
また、第2絶縁樹脂層14のビア導体14Dのうち第2導電層13と第3導電層15との間を接続するビア導体14D(本発明の「第3ビア」に相当する)は、第1絶縁樹脂層11のビア導体11D(本発明の「第2ビア」に相当する)とトップ径が略同一であるのに対し、第2絶縁樹脂層14のビア導体14Dのうち半導体素子30の端子30A,30Aと第3導電層15との間を接続するビア導体14D(本発明の「第1ビア」に相当する)は、第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dよりもトップ径が小さくなっている。なお、第2絶縁樹脂層14が第1絶縁樹脂層11よりも薄くなっていることに伴い、第2導電層13と第3導電層15との間を接続するビア導体14Dは第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dよりも短くなっていると共に、ボトム径が大きくなっている。
【0017】
次に、本実施形態の配線基板10の製造方法について説明する。
【0018】
(1)図2(A)に示すように、支持基板50の表側の面であるF面50Fと裏側の面であるB面50Bとに、銅製のキャリア34,34(本発明の「支持部材」に設けられている「金属膜」に相当する)が積層されている支持部材51が用意される。支持基板50は、樹脂層50Aの表裏の両面に銅箔50Bが積層されてなり、支持基板50の銅箔50Bとキャリア34とは外周部同士が接着されている。
【0019】
なお、支持基板50のF面50F側のキャリア34上とB面50B側のキャリア34上とには同じ処理が施されるため、以降、F面50F側のキャリア34上を例にして説明する。
【0020】
(2)図2(B)に示すように、支持部材51のキャリア34上に所定パターンのめっきレジスト35が形成される。
【0021】
(3)図2(C)に示すように、Ni電解めっき処理が行われてキャリア34上のうちめっきレジスト35から露出している部分にNiめっき層36が形成され、さらに、Cu電解めっき処理が行われてNiめっき層36上に銅めっき層37が形成される。
【0022】
(4)めっきレジスト35が剥離され、図3(A)に示すように、残された銅めっき層37より、導電路とプレーン部18とを含む第1導電層12が形成される。
【0023】
(5)図3(B)に示すように、第1導電層12上に第1絶縁樹脂層11としての補強材19(図16参照)入りの樹脂シートが積層されて、加熱プレスされる。
【0024】
(6)図4(A)に示すように、第1絶縁樹脂層11にCO2レーザが照射されて、ビアホール11Hが形成される。ビアホール11Hは、第1導電層12における導電路上に配置される。
【0025】
(7)無電解めっき処理が行われ、第1絶縁樹脂層11上と、ビアホール11H内とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0026】
(8)図4(B)に示すように、無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト40が形成される。
【0027】
(9)電解めっき処理が行われ、図5(A)に示すように、めっきがビアホール11H内に充填されてビア導体11Dが形成され、さらには、第1絶縁樹脂層11上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト40から露出している部分に電解めっき膜41が形成される。
【0028】
(10)めっきレジスト40が剥離されると共に、めっきレジスト40の下方の無電解めっき膜(図示せず)が除去され、図5(B)に示すように、残された電解めっき膜41及び無電解めっき膜により、第1絶縁樹脂層11上に第2導電層13が形成される。そして、第1導電層12と第2導電層13とがビア導体11Dによって接続される。
【0029】
(11)図6(A)に示すように、第1絶縁樹脂層11のうちプレーン部18上に、CO2レーザによってキャビティ20が形成される。
【0030】
(12)図6(B)に示すように、キャビティ20内に接着剤31が注入され、その後、半導体素子30がマウンター(図示せず)によってキャビティ20に収められる。このとき、半導体素子30は、端子30A,30Aが上方を向くように配される。
【0031】
(13)図7(A)に示すように、第1絶縁樹脂層11上に、第2導電層13の上から第2絶縁樹脂層14としての補強材なしの樹脂シートが積層されて加熱プレスされる。その際、第2導電層13同士の間が樹脂シートにて埋められると共に、樹脂シートから染み出た熱硬化性樹脂がキャビティ20の内面と半導体素子30との隙間に充填される。
【0032】
(14)図7(B)に示すように、第2絶縁樹脂層14の第2導電層13上にCO2レーザが照射されて、複数のビアホール14Hが形成される。
【0033】
(15)図8(A)に示すように、第2絶縁樹脂層14における半導体素子30の端子30A上にUVレーザが照射されて、第2導電層13上のビアホール14Hよりも径が小さいビアホール14Hが形成される。
【0034】
(16)無電解めっき処理が行われ、第2絶縁樹脂層14上と、ビアホール14H内とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0035】
(17)図8(B)に示すように、第2絶縁樹脂層14上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト42が形成される。
【0036】
(18)電解めっき処理が行われ、図9(A)に示すように、めっきがビアホール14H内に充填されてビア導体14Dが形成され、さらには、第2絶縁樹脂層14上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト42から露出している部分に電解めっき膜43が形成される。
【0037】
(19)めっきレジスト42が剥離されると共に、めっきレジスト42の下方の無電解めっき膜(図示せず)が除去され、図9(B)に示すように、残された電解めっき膜43、及び無電解めっき膜により、第2絶縁樹脂層14上に第3導電層15が形成される。そして、第3導電層15の一部と第2導電層13とがビア導体14Dによって接続されると共に、第3導電層15の他の一部と半導体素子30とがビア導体14Dによって接続された状態になる。
【0038】
(20)上記した(13)〜(19)と同様の処理により、図10に示すように、第3導電層15上に第3絶縁樹脂層16と第4導電層17とが形成されて、第4導電層17と第3導電層15とがビア導体16Dによって接続された状態になる。
【0039】
(21)図11に示すように、第4導電層17上にソルダーレジスト層25が積層される。
【0040】
(22)図12に示すように、ソルダーレジスト層25の所定箇所にテーパー状のパッド用孔が形成され、第4導電層17のうちパッド用孔から露出した部分がパッド26になる。
【0041】
(23)パッド26上に、ニッケル層、パラジウム層、金層の順に積層されて図13に示した金属膜27が形成される。なお、金属膜27の代わりに、OSP(プリフラックス)による表面処理をおこなっても良い。
【0042】
(24)図14に示すように、支持基板50から剥離される。
【0043】
(25)キャリア34とNiめっき層36とがそれぞれエッチングにより除去される。以上で図1に示される配線基板10が完成する。
【0044】
本実施形態の配線基板10の構造及び製造方法に関する説明は以上である。次に配線基板10の使用例と作用効果とを説明する。本実施形態の配線基板10は、例えば、図15に示すように、第4導電層17側がマザーボード90に接続される一方、第1導電層12側にCPU等の電子部品95が搭載されて使用される。具体的には、パッド26上に半田バンプ28が形成され、その半田バンプ28をマザーボード90に向けた状態でマザーボード90上に載置され、かつ、第1導電層12における導電路の一部の下面上にも半田バンプ28が形成され、その半田バンプ28上に電子部品95が実装されている。
【0045】
ところで、本実施形態の配線基板10では、複数の絶縁樹脂層11,14,16の中に補強材19入りの樹脂シートにより構成されているもの(第1絶縁樹脂層11)が含まれているため、全ての絶縁樹脂層が補強材19なしの樹脂シートにより構成されているものと比べて、強度を向上することができる。
【0046】
ここで、全ての絶縁樹脂層を補強材19入りの樹脂シートにより構成することも考えられるが、一般的に、補強材19入りの樹脂シートでは、補強材19なしの樹脂シートよりも、ビア導体のビア径を小さくしにくいし、配線パターンを密(ファイン)にしにくいと考えられる。これに伴い、全ての絶縁樹脂層を補強材19入りの樹脂シートにより構成すると、配線板の厚みが大きくなってしまうという問題も発生し得る。
【0047】
これに対して、本実施形態の配線基板10では、複数の絶縁樹脂層11,14,16のうち第1絶縁樹脂層11のみに補強材19を含有させているため、強度を向上しつつ、ビア導体のビア径が大きくなることや配線パターンが疎になることを、最小限に抑えることができる。これにより、半導体素子30と第3導電層15との間を接続するビア導体14Dのトップ径を、第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dのトップ径よりも小さくすることも可能となる。また、配線基板10全体の厚さが大きくなることも防ぐことができる。
【0048】
しかも、補強材19入りの絶縁樹脂層として、半導体素子30が収容される第1絶縁樹脂層11を選択したので、半導体素子30の周辺部分の強度の向上が図られ、半導体素子30の不具合の発生が防がれる。さらに、一般的に、半導体素子30を収容する絶縁樹脂層は、他の絶縁樹脂層よりも厚くなっていると考えられるため、比較的厚い絶縁樹脂層に補強材19を含有させることとなり、強度の向上がより図られる。
【0049】
また、本実施形態の配線基板10では、第1導電層12が第1絶縁樹脂層11に埋め込まれているので、第1導電層12を第1絶縁樹脂層11の副面11B上に形成するものよりも配線基板10全体の厚さを小さくすることができる。さらに、第1導電層12の下面が第1絶縁樹脂層11の副面11Bよりも内側に位置しているので、第1導電層12と電子部品95との不必要な接触を抑えることができる。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態の配線基板10Vは、第2絶縁樹脂層14が2層構造になっている点において、上記第1実施形態の配線基板10と異なる。詳細には、図17に示すように、第2絶縁樹脂層14は、第1絶縁樹脂層11側に配され、第2導電層13を被覆しかつ上面に導電層が形成されていない第1層14Aと、第1層14Aと第3絶縁樹脂層16との間に配され、上面に第3導電層15が形成されている第2層14Bとから構成されている。
【0051】
本実施形態のキャビティ20は、第1絶縁樹脂層11と第2絶縁樹脂層14のうちの第1層14Aとを合わせて貫通していて、第2絶縁樹脂層14のうちの第2層14Bがこのキャビティ20の中に入り込むと共に半導体素子30を覆っている。なお、本実施形態では、キャビティ20のうち第1絶縁樹脂層11に形成されている部分が本発明の「収容部」に相当し、第2絶縁樹脂層14の第2層14Bに形成されている部分が本発明の「貫通孔」に相当する。
【0052】
以下、本実施形態の配線基板10Vの製造方法について、上記第1実施形態との相違点を主に説明する。
【0053】
(1)上記第1実施形態の製造方法における(10)の工程に次いで、図18(A)に示すように、第1絶縁樹脂層11上に、第2導電層13の上から第2絶縁樹脂層14の第1層14Aとしての補強材なしの樹脂シートが積層されて加熱プレスされる。その際、第2導電層13同士の間が樹脂シートにて埋められる。
【0054】
(2)図18(B)に示すように、第1絶縁樹脂層11及び第1層14Aのうちプレーン部18上に、CO2レーザによってキャビティ20が形成される。
【0055】
(3)図19(A)に示すように、キャビティ20内に接着剤31が注入され、その後、半導体素子30がマウンター(図示せず)によってキャビティ20に収められる。このとき、半導体素子30は、端子30A,30Aが上方を向くように配される。
【0056】
(4)図19(B)に示すように、第1層14A上に、第2絶縁樹脂層14の第2層14Bとしての補強材なしの樹脂シートが積層されて加熱プレスされる。その際、樹脂シートから染み出た熱硬化性樹脂がキャビティ20の内面と半導体素子30との隙間に充填され、半導体素子30を覆う。
【0057】
(5)上記第1実施形態の製造方法における(14)〜(25)の工程と同様の工程が行われる。これにより、図17に示される本実施形態の配線基板10Vが完成する。
【0058】
本実施形態によれば、キャビティ20が形成される前に、第2導電層13が第1層14Aにより被覆されるため、例えば、キャビティ20が形成された後にプレーン部18上の樹脂残渣を除去するときなどに、誤って第2導電層13の一部が除去されることを防ぐことができる。
【0059】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0060】
(1)上記実施形態では、1つのキャビティ20に半導体素子30が1つ収容されていたが、1つのキャビティ20に複数の半導体素子30が収容されていてもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、第1絶縁樹脂層11が第2及び第3の絶縁樹脂層14,16よりも厚くなっていたが、第2及び第3の絶縁樹脂層14,16が厚くなっていてもよいし、両者の厚さが同じであってもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、第2導電層13と第3導電層15との間を接続するビア導体14Dのトップ径が、第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dのトップ径と略同一であったが、第1絶縁樹脂層11のビア導体11Dのトップ径よりも小さくてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、第4導電層17側がマザーボード90に接続される一方、第1導電層12側にCPU等の電子部品95が搭載されて使用されていたが、逆であってもよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、キャリア34上にNiめっき層36が形成された後、第1導電層12となる銅めっき層37が形成される構成であったが、キャリア34上に第1導電層12となる銅めっき層37が直接形成される構成であってもよい。
【0065】
(6)上記実施形態では、絶縁樹脂層の数が3層であったが、2層であってもよいし、4層以上であってもよい。
【0066】
(7)上記第2実施形態では、第2絶縁樹脂層14のうちの第1層上に導電層が形成されていなかったが、導電層が形成されていてもよい。
【0067】
(8)上記実施形態では、第1導電層12が第1絶縁樹脂層11に埋め込まれていたが、第1絶縁樹脂層11上に積層される構成であってもよい。
【0068】
(9)上記実施形態では、第1導電層12に、半導体素子30が接合されるプレーン部18が設けられていたが、図20に示すように、プレーン部18が設けられず、半導体素子30の下の接着剤31が露出する構成であってもよい。
【0069】
(10)上記実施形態では、補強材19入りの樹脂シートにより構成されている絶縁樹脂層が第1絶縁樹脂層11のみであったが、第3絶縁樹脂層16も補強材19入りの樹脂シートにより構成されていてもよい。
【0070】
(11)上記実施形態では、「繊維状又は布状の補強材」がガラスクロスであったが、これに限られるものではなく、炭素繊維、ガラス不織布、アラミドクロス又はアラミド不織布等であってもよいし、これらを組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
10,10V 配線基板
11 第1絶縁樹脂層(第1絶縁層)
11A 主面
11B 副面
12 第1導電層
13 第2導電層
14 第2絶縁樹脂層(第2絶縁層)
15 第3導電層
18 プレーン部
19 補強材(繊維状又は布状の補強材)
20 キャビティ(収容部)
30 半導体素子
30A 端子
30C アクティブ面
30D 非アクティブ面
34 キャリア(第1金属膜)
36 Niめっき層(第2金属膜)
50 支持基板
51 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20