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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-162871(P2017-162871A)
(43)【公開日】2017年9月14日
(54)【発明の名称】マスク製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20170818BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20170818BHJP
【FI】
   H01L21/68 K
   G03F7/20 501
   G03F7/20 505
   G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-43423(P2016-43423)
(22)【出願日】2016年3月7日
(71)【出願人】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【弁理士】
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】米澤 良
【テーマコード(参考)】
2H197
5F131
【Fターム(参考)】
2H197AA29
2H197CA07
2H197CC05
2H197CC11
2H197CD02
2H197CD12
2H197CD15
2H197CD35
2H197CD41
2H197CD43
2H197CD44
2H197CD45
2H197CD48
2H197DB31
2H197DC06
2H197DC13
2H197HA03
2H197HA05
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131BA60
5F131CA07
5F131EA02
5F131EA14
5F131EA15
5F131EA16
5F131EA22
5F131EB32
5F131EB35
5F131EB37
5F131EB43
5F131EB72
5F131EB82
5F131EB89
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5F131FA32
5F131FA33
5F131KA03
5F131KA16
5F131KA40
5F131KA44
5F131KA54
5F131KB12
5F131KB53
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水平方向に保持したマスクのたわみを防止し、マスクの高さを変えることなく、マスクを水平方向に移動させる。
【解決手段】上向きに空気を吐出する複数の空気孔が2次元状に配列された水平な第1面を有するマスク保持部41の、第1面の上にマスクが載置される。板状部は、第1方向に沿って定盤11の上面に固定された高さが同一の複数の第1レールの上に載置され、第1レールに向けて空気を吐出することで板状部と第1レールとの間に空気の層を形成する。板状部は、第1レールの上面に沿って第1方向に移動する。マスク保持部は、第2方向に沿って板状部の上面に固定された高さが同一の複数の第2レールの上に載置され、第2レールに向けて空気を吐出することでマスク保持部と第2レールとの間に空気の層を形成する。第2レールの上面に沿って第2方向に移動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱膨張係数が略1×10−7/K以下の材料を用いて形成され、略水平な面である第1面の上にマスクが載置される板状のマスク保持部であって、上向きに空気を吐出する複数の空気孔であって、前記第1面に2次元状に配列される複数の空気孔を有し、かつ、前記第1面の前記マスクの隣接する2辺が当接する位置に複数のピンが着脱可能に設けられるマスク保持部と、
設置面上に載置された複数の除振台の上に載置された略直方体の定盤と、
前記定盤の上面である第2面に載置された第1移動部であって、前記マスク保持部を第1方向に移動させる第1移動部と、
前記第1移動部の上に載置され、前記マスク保持部が上に載置された第2移動部であって、前記マスク保持部を第2方向に移動させる第2移動部と、
前記マスクに光を照射する光照射部と、
前記第2面に設けられた枠体であって、前記マスク保持部の上方に前記光照射部を保持する枠体と、
を備え、
前記第1移動部は、長手方向が前記第1方向に沿うように前記第2面に固定された高さが略同一の複数の第1レールと、前記第1レールの上に載置された板状部と、前記板状部の裏面の前記第1レールと対向する位置に設けられ、前記第1レールに向けて空気を吐出する複数の第1空気吐出部と、前記第1レールの上面に沿って前記板状部を移動させる第1駆動部と、前記板状部が前記第1方向以外に移動しないように前記板状部の移動方向を規制する第1ガイド部と、を有し、
前記第2移動部は、長手方向が前記第2方向に沿うように前記板状部の上面である第3面に固定された高さが略同一の複数の第2レールであって、前記マスク保持部が載置された複数の第2レールと、前記マスク保持部の裏面の前記第2レールと対向する位置に設けられ、前記第2レールに向けて空気を吐出する複数の第2空気吐出部と、前記第2レールの上面に沿って前記マスク保持部を駆動する第2駆動部と、前記マスク保持部が前記第2方向以外に移動しないように前記マスク保持部の移動方向を規制する第2ガイド部と、を有することを特徴とするマスク製造装置。
【請求項2】
前記第1ガイド部は、前記第1レールに沿って設けられた第1ガイドレールと、前記板状部の下面に形成された第1溝部であって、前記第1ガイドレールが挿入される第1溝部と、前記第1溝部に設けられ、前記第1ガイドレールの側面に向けて空気を吐出する第3空気吐出部と、を有し、
前記第2ガイド部は、前記第2レールに沿って設けられた第2ガイドレールと、前記マスク保持部の下面に形成された第2溝部であって、前記第2ガイドレールが挿入される第2溝部と、前記第2溝部に設けられ、前記第2ガイドレールの側面に向けて空気を吐出する第4空気吐出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のマスク製造装置。
【請求項3】
前記第1駆動部は、電磁コイルを有する第1可動子と、永久磁石を有する棒状の第1固定子と、を2つずつ有し、
前記第2駆動部は、電磁コイルを有する第2可動子と、永久磁石を有する棒状の第2固定子と、を2つずつ有し、
前記第1ガイドレールは、前記定盤の前記第2方向における略中央に設けられ、
前記第2ガイドレールは、前記板状部の前記第1方向における略中央に設けられ、
前記第1固定子は、長手方向が前記第1方向に沿うように、前記第1ガイドレールを中心として線対称の位置に設けられ、
前記第2固定子は、長手方向が前記第2方向に沿うように、前記第2ガイドレールを中心として線対称の位置に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のマスク製造装置。
【請求項4】
前記板状部の裏面には、先端が平面の複数の第1凸部が2次元状に配列され、
前記マスク保持部の裏面には、先端が平面の複数の第2凸部が2次元状に配列され、
前記第1空気吐出部は、前記第1凸部のそれぞれに形成された第1空気穴を有し、
前記第2空気吐出部は、前記第2凸部のそれぞれに形成された第2空気穴を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク製造装置。
【請求項5】
前記第1移動部は、前記第1方向に沿って設けられる鉄製の第1棒状部材と、前記第1棒状部材と対向する位置に設けられる第1磁石と、を有し、
前記第1棒状部材及び前記第1磁石は、一方が前記第2面に、他方が前記板状部の下面に設けられ、
前記第2移動部は、前記第2方向に沿って設けられる鉄製の第2棒状部材と、前記第2棒状部材と対向する位置に設けられる第2磁石と、を有し、
前記第2棒状部材及び前記第2磁石は、一方が前記第3面に、他方が前記マスク保持部の下面に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク製造装置。
【請求項6】
前記第1移動部は、前記第1空気吐出部により前記板状部と前記第1レールとの間に形成された空間にある空気を吸引する第1空気吸引部を有し、
前記第2移動部は、前記第2空気吐出部により前記マスク保持部と前記第2レールとの間に形成された空間にある空気を吸引する第2空気吸引部を有し、
前記第1空気吸引部は、前記第1凸部に形成され、
前記第2空気吸引部は、前記第2凸部に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のマスク製造装置。
【請求項7】
前記光照射部は、面照射が可能な面照射部と、対物レンズと、前記面照射部及び前記対物レンズを保持する保持枠と、を有し、
前記保持枠を前記枠体に連結する連結部であって、前記保持枠を前記枠体に対して上下方向に移動させる連結部を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマスク製造装置。
【請求項8】
前記第1移動部の前記第2方向における両側には、それぞれ、前記板状部の前記第1方向における位置を取得する第1位置取得部及び第2位置取得部が設けられ、
前記第2移動部の前記第1方向における両側には、それぞれ、前記マスク保持部の前記第2方向における位置を取得する第3位置取得部及び第4位置取得部が設けられ、
前記第1位置取得部及び前記第2位置取得部により取得された結果の平均値に基づいて前記第1駆動部を制御し、前記第3位置取得部及び前記第4位置取得部により取得された結果の平均値に基づいて前記第2駆動部を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のマスク製造装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記板状部が前記第1レールからはみ出ないように前記第1駆動部を制御し、かつ、前記マスク保持部が前記第2レールからはみ出ないように前記第2駆動部を制御することを特徴とする請求項8に記載のマスク製造装置。
【請求項10】
前記マスクに水平方向の力を付勢する付勢部を備え、
前記制御部は、前記複数の空気孔から空気を吐出させるとともに、前記マスクが前記複数のピンに当接する方向の力を前記マスクに付勢し、前記マスクが前記複数のピンに当接したら、前記複数の空気孔からの空気の吐出を止めるように前記マスク保持部及び前記付勢部を制御することを特徴とする請求項8又は9に記載のマスク製造装置。
【請求項11】
前記複数のピンは、前記枠体に設けられており、
前記複数のピンを前記マスク保持部に設けられる第1の位置と、前記マスク保持部から離れた第2の位置との間で移動させるピン駆動部を備え、
前記制御部は、前記複数の空気孔からの空気の吐出を止めたら、前記複数のピンを前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させるように前記ピン駆動部を制御することを特徴とする請求項10に記載のマスク製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、共通の流体によって移動若しくは変形する可動接触部を介して基板を保持する基板保持装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−79917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体基板や液晶パネル等を生成する場合に、表示ムラ等の不具合が無い製品を生成するためには、一般的に10nm以下(好ましくは2nm以下)の誤差範囲内で基板を加工する必要がある。そして、このような精度の高い加工は、一般的に、スキャン・変調(偏向・変調でもよい)されたレーザ光を用いて行われる。
【0005】
しかしながら、半導体基板や液晶パネル等の基板を、スキャン・変調されたレーザ光を用いて高精度で加工しようとすると、1枚の基板を加工するのに長時間(数日程度)を要してしまう。したがって、半導体基板や液晶パネル等を生成するための精度の高いマスクをレーザ光を用いて生成し、そのマスクのパターンを半導体基板や液晶パネル等の基板に転写している。
【0006】
マスクは、水平方向に保持した感光性基板(例えば、ガラス基板)にスキャン・変調されたレーザ光を照射して生成される。このようなマスク生成装置においては、感光性基板はステージ上に水平方向に保持されるが、ステージの移動中におけるガイドの不完全性により、微小量であるがたわみが生ずるという問題がある。
【0007】
感光性基板がたわみ、高さ方向(鉛直方向)の位置が変わってしまうと、感光性基板がたわんでいないことを前提として鉛直方向のレーザビームを照射したときにレーザビームを当てようとしている位置と、感光性基板がたわんでいるときに実際レーザビームが当たる位置との間には、誤差が生じる。
【0008】
このように、ステージガイドの不完全性による感光性基板のたわみは、パターンの誤差に直結するため、感光性基板のたわみを極力小さくすることが望まれている。
【0009】
特許文献1に記載の発明では、自重によるたわみが無いように感光性基板(以下、マスクという)を水平方向に保持することができる。しかしながら、特許文献1には、たわみが無いように水平方向に保持したマスクを、ステージの移動範囲において、たわみが無い状態を保ったまま水平方向に移動させる構成は開示されていない。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、水平方向に保持したマスクのたわみを防止したまま、マスクの高さを変えることなく、マスクを水平方向に移動させることができるマスク製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るマスク製造装置は、例えば、熱膨張係数が略1×10−7/K以下の材料を用いて形成され、略水平な面である第1面の上にマスクが載置される板状のマスク保持部であって、上向きに空気を吐出する複数の空気孔であって、前記第1面に2次元状に配列される複数の空気孔を有し、かつ、前記第1面の前記マスクの隣接する2辺が当接する位置に複数のピンが着脱可能に設けられるマスク保持部と、設置面上に載置された複数の除振台の上に載置された略直方体の定盤と、前記定盤の上面である第2面に載置された第1移動部であって、前記マスク保持部を第1方向に移動させる第1移動部と、前記第1移動部の上に載置され、前記マスク保持部が上に載置された第2移動部であって、前記マスク保持部を第2方向に移動させる第2移動部と、前記マスクに光を照射する光照射部と、前記第2面に設けられた枠体であって、前記マスク保持部の上方に前記光照射部を保持する枠体と、を備え、前記第1移動部は、長手方向が前記第1方向に沿うように前記第2面に固定された高さが略同一の複数の第1レールと、前記第1レールの上に載置された板状部と、前記板状部の裏面の前記第1レールと対向する位置に設けられ、前記第1レールに向けて空気を吐出する複数の第1空気吐出部と、前記第1レールの上面に沿って前記板状部を移動させる第1駆動部と、前記板状部が前記第1方向以外に移動しないように前記板状部の移動方向を規制する第1ガイド部と、を有し、前記第2移動部は、長手方向が前記第2方向に沿うように前記板状部の上面である第3面に固定された高さが略同一の複数の第2レールであって、前記マスク保持部が載置された複数の第2レールと、前記マスク保持部の裏面の前記第2レールと対向する位置に設けられ、前記第2レールに向けて空気を吐出する複数の第2空気吐出部と、前記第2レールの上面に沿って前記マスク保持部を駆動する第2駆動部と、前記マスク保持部が前記第2方向以外に移動しないように前記マスク保持部の移動方向を規制する第2ガイド部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るマスク製造装置によれば、マスク保持部には、上向きに空気を吐出する複数の空気孔が2次元状に配列され、マスクと第1面との間に空気の層を形成するとともに、マスクの隣接する2辺が当接する位置に複数のピンが設けられ、これにマスクの隣接する2辺が当接することで、マスクの水平方向の位置が高い再現性で決められる。そして、位置決めされたマスクは、熱膨張係数が略1×10−7/K以下の材料を用いて形成されたマスク保持部の、略水平な第1面に載置される。これにより、マスク保持部によりマスクの膨張、収縮を抑え、その結果マスクのたわみを防止することができる。
【0013】
さらに、板状部は、第1方向に沿って定盤の上面に固定された高さが略同一の複数の第1レールの上に載置されており、第1レールに向けて空気を吐出することで板状部と第1レールとの間に空気の層を形成する。また、板状部は、第1ガイド部により第1方向以外に移動しないように移動方向が規制されているため、第1レールの上面に沿って第1方向に移動される。さらに、マスク保持部は、第2方向に沿って板状部の上面に固定された高さが略同一の複数の第2レールの上に載置されており、第2レールに向けて空気を吐出することでマスク保持部と第2レールとの間に空気の層を形成する。また、マスク保持部は、第2ガイド部により第2方向以外に移動しないように移動方向が規制されているため、第2レールの上面に沿って第2方向に移動される。これにより、板状部、マスク保持部を完全にガイドすることができる。その結果、水平方向に保持したマスクのたわみを防止したまま、マスク保持部(すなわち、マスク)の高さを変えることなく、マスクを水平方向に移動させることができる。
【0014】
ここで、前記第1ガイド部は、前記第1レールに沿って設けられた第1ガイドレールと、前記板状部の下面に形成された第1溝部であって、前記第1ガイドレールが挿入される第1溝部と、前記第1溝部に設けられ、前記第1ガイドレールの側面に向けて空気を吐出する第3空気吐出部と、を有し、前記第2ガイド部は、前記第2レールに沿って設けられた第2ガイドレールと、前記マスク保持部の下面に形成された第2溝部であって、前記第2ガイドレールが挿入される第2溝部と、前記第2溝部に設けられ、前記第2ガイドレールの側面に向けて空気を吐出する第4空気吐出部と、を有してもよい。これにより、板状部やマスク保持部の移動方向を規制しつつも、板状部やマスク保持部を滑らかに移動させることができる。
【0015】
ここで、前記第1駆動部は、電磁コイルを有する第1可動子と、永久磁石を有する棒状の第1固定子と、を2つずつ有し、前記第2駆動部は、電磁コイルを有する第2可動子と、永久磁石を有する棒状の第2固定子と、を2つずつ有し、前記第1ガイドレールは、前記定盤の前記第2方向における略中央に設けられ、前記第2ガイドレールは、前記板状部の前記第1方向における略中央に設けられ、前記第1固定子は、長手方向が前記第1方向に沿うように、前記第1ガイドレールを中心として線対称の位置に設けられ、前記第2固定子は、長手方向が前記第2方向に沿うように、前記第2ガイドレールを中心として線対称の位置に設けられてもよい。これにより、板状部やマスク保持部を、水平面内で回転させることなく、水平方向に移動させることができる。
【0016】
ここで、前記板状部の裏面には、先端が平面の複数の第1凸部が2次元状に配列され、前記マスク保持部の裏面には、先端が平面の複数の第2凸部が2次元状に配列され、前記第1空気吐出部は、前記第1凸部のそれぞれに形成された第1空気穴を有し、前記第2空気吐出部は、前記第2凸部のそれぞれに形成された第2空気穴を有してもよい。これにより、板状部と第1レールとの間の空気の層を一定の厚さとし、マスク保持部と第2レールとの間の空気の層を一定の厚さとすることができ、その結果マスク保持部(すなわち、マスク)の高さを変えることなく、板状部やマスク保持部を水平方向に移動させることができる。
【0017】
ここで、前記第1移動部は、前記第1方向に沿って設けられる鉄製の第1棒状部材と、前記第1棒状部材と対向する位置に設けられる第1磁石と、を有し、前記第1棒状部材及び前記第1磁石は、一方が前記第2面に、他方が前記板状部の下面に設けられ、前記第2移動部は、前記第2方向に沿って設けられる鉄製の第2棒状部材と、前記第2棒状部材と対向する位置に設けられる第2磁石と、を有し、前記第2棒状部材及び前記第2磁石は、一方が前記第3面に、他方が前記マスク保持部の下面に設けられてもよい。これにより、空気の層により、板状部が第1レールから浮きすぎることや、マスク保持部が第2レールから浮きすぎることを防止し、その結果、板状部やマスク保持部(すなわち、マスク)の高さの変動を防止することができる。
【0018】
ここで、前記第1移動部は、前記板状部と前記第1レールとの間に形成された空間にある空気を吸引する第1空気吸引部を有し、前記第2移動部は、前記マスク保持部と前記第2レールとの間に形成された空間にある空気を吸引する第2空気吸引部を有し、前記第1空気吸引部は、前記第1凸部に形成され、前記第2空気吸引部は、前記第2凸部に形成されてもよい。これにより、板状部やマスク保持部が部分的に曲がることを防止することができる。その結果、マスクMのたわみを小さくすることができ、かつ、板状部やマスク保持部を高い精度で移動させることができる。
【0019】
ここで、前記光照射部は、面照射が可能な面照射部と、対物レンズと、前記面照射部及び前記対物レンズを保持する保持枠と、を有し、前記保持枠を前記枠体に連結する連結部であって、前記保持枠を前記枠体に対して上下方向に移動させる連結部を備えてもよい。これにより、マスクの厚さが変動等した場合にも、光照射部から照射される光をマスク上に結像させることができる。
【0020】
ここで、前記第1移動部の前記第2方向における両側には、それぞれ、前記板状部の前記第1方向における位置を取得する第1位置取得部及び第2位置取得部が設けられ、前記第2移動部の前記第1方向における両側には、それぞれ、前記マスク保持部の前記第2方向における位置を取得する第3位置取得部及び第4位置取得部が設けられ、前記第1位置取得部及び前記第2位置取得部により取得された結果の平均値に基づいて前記第1駆動部を制御し、前記第3位置取得部及び前記第4位置取得部により取得された結果の平均値に基づいて前記第2駆動部を制御する制御部を備えてもよい。これにより、板状部やマスク保持部を正確に移動させることができる。
【0021】
ここで、前記制御部は、前記板状部が前記第1レールからはみ出ないように前記第1駆動部を制御し、かつ、前記マスク保持部が前記第2レールからはみ出ないように前記第2駆動部を制御してもよい。これにより、マスク保持部がたわむことにより、マスクの保持位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0022】
ここで、前記マスクに水平方向の力を付勢する付勢部を備え、前記制御部は、前記複数の空気孔から空気を吐出させるとともに、前記マスクが前記複数のピンに当接する方向の力を前記マスクに付勢し、前記マスクが前記複数のピンに当接したら、前記複数の空気孔からの空気の吐出を止めるように前記マスク保持部及び前記付勢部を制御してもよい。これにより、高精度でマスクMの位置決めを行うことができる。
【0023】
ここで、前記複数のピンは、前記枠体に設けられており、前記複数のピンを前記マスク保持部に設けられる第1の位置と、前記マスク保持部から離れた第2の位置との間で移動させるピン駆動部を備え、前記制御部は、前記複数の空気孔からの空気の吐出を止めたら、前記複数のピンを前記第1の位置から前記第2の位置へと移動させるように前記ピン駆動部を制御してもよい。これにより、マスクがピンに当接することでマスクがピンから受ける力により、マスクがゆがむことを防止することができる。なお、複数の空気孔からの空気の吐出を止めてマスクが第1面に固定されることで、ピンをマスク保持部から離しても、マスクが移動することは無い。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、水平方向に保持したマスクのたわみを防止したまま、マスクの高さを変えることなく、マスクを水平方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施の形態に係るマスク製造装置1の概略を示す斜視図である。
図2】第1移動部20及び第2移動部30の概略を示す斜視図である。
図3】第1移動部20を部分的に拡大した図である。
図4】板状部23を裏側からみた斜視図である。
図5】第2移動部30を部分的に拡大した図である。
図6】マスク保持部41を斜め上から見た概略斜視図である。
図7】マスク保持部41を斜め下から見た概略斜視図である。
図8】光照射部43aの概略を示す要部透視図である。
図9】レーザ干渉計51、52、53が計測する様子を示す模式図である。
図10】マスク製造装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
図11】付勢部45、46がマスクMを押圧して位置決めを行う様子を説明する図である。
図12】制御部151aが行う駆動部25、34の制御について説明する図である。
図13】マスク製造装置2における第1移動部20Aを部分的に拡大した図である。
図14】板状部23Aを裏側からみた斜視図である。
図15】マスク製造装置2における第2移動部30Aを部分的に拡大した図である。
図16】マスク保持部41Aを斜め下から見た概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、重複する部分については説明を省略する。
【0027】
本発明におけるマスク製造装置とは、略水平方向に保持した感光性基板(例えば、ガラス基板)上にレーザ等の光を照射してフォトマスクを生成する装置である。感光性基板としては、例えば、熱膨張率が非常に小さい(例えば、約5.5×10−7/K程度)石英ガラスが用いられる。
【0028】
マスク製造装置により生成されるフォトマスクは、例えば液晶表示装置用の基板を製造するために用いられる露光用マスクである。フォトマスクは、一辺が例えば1mを超える(例えば、1400mm×1220mm)大型の略矩形形状の基板上に、1個または複数個のイメージデバイス用転写パターンが形成されたものである。以下、加工前の感光性基板及び加工後の感光性基板(フォトマスク)を包括する概念として、マスクMという用語を使用する。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係るマスク製造装置1の概略を示す斜視図である。マスク製造装置1は、主として、定盤11と、除振台12、13と、第1移動部20と、第2移動部30と、マスク保持部41と、枠体42と、光照射部43と、を有する。なお、図1においては、一部の構成について図示を省略している。また、マスク製造装置1は、装置全体を覆う図示しない温度調整部により、一定温度に保たれている。
【0030】
定盤11は、略直方体形状(厚板状)の部材であり、例えば、石(例えば、花崗岩)や低膨張率の鋳物(例えば、ニッケル系の合金)で形成される。定盤11は、設置面(例えば、床)上に載置された複数の除振台12、13の上に載置される。これにより、定盤11が除振台12、13を介して設置面上に載置される。定盤11は、略水平(xy平面と略平行)な上面(+z側の面)11aを有する。
【0031】
除振台12は、アクティブ除振台であり、除振台13は、重さ支えのパッシブ除振台である。除振台13は、z方向に移動可能な受動型バネ要素を有する。除振台12は、除振台13に、x方向及びy方向のそれぞれに移動可能なアクチュエータ(図示せず)と、アクチュエータを制御するためのセンサ(図示せず)と、センサからの信号に基づいて外部から入力する振動を抑制するようにアクチュエータを制御する制御回路(図示せず)と、を追加したものである。除振台12、13については、すでに公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0032】
第1移動部20は、定盤11の上面11aに載置され、第2移動部30は、第1移動部20の上(+z側)に載置され、マスク保持部41は、第2移動部30の上に載置される。第1移動部20は、マスク保持部41をx方向に移動させ、第2移動部30は、マスク保持部41をy方向に移動させる。
【0033】
図2は、第1移動部20及び第2移動部30の概略を示す斜視図である。なお、図2では図示しないが、第1移動部20及び第2移動部30には、ポンプ等から空気が供給される。
【0034】
第1移動部20は、主として、4本のレール21と、1本のガイドレール22と、レール21及びガイドレール22の上に載置される板状部23と、ガイドレール22を挟むように設けられる凸部24と、レール21の上面に沿って板状部23を移動させる駆動部25と、棒状部材26と、磁石27と、位置測定部29と、を有する。
【0035】
4本のレール21及びガイドレール22は、セラミック製の細長い板状の部材であり、定盤11の上面11aに、長手方向がx方向に沿うように固定される。4本のレール21及びガイドレール22は、高さ(z方向の位置)が略同一である。レール21及びガイドレール22の上面と、ガイドレール22の側面とは、高精度及び高平坦度で形成される。
【0036】
ガイドレール22は、定盤11のy方向における略中央に設けられる。xz平面と略平行な面であって、ガイドレール22を含む面には、マスク製造装置1の重心位置が含まれる。
【0037】
4本のレール21は、ガイドレール22を挟んで線対称の位置に設けられる。本実施の形態では、2本のレール21がガイドレール22の−y側に設けられ、2本のレール21がガイドレール22の+y側に設けられる。また、4本のレール21のうちの−y側の端に位置するレール21aは、板状部23の−y側の端部である端面23e近傍の領域が載置され、4本のレール21のうちの+y側の端に位置するレール21bは、板状部23の+y側の端部である端面23f近傍の領域が載置される。
【0038】
板状部23は、セラミック製の板状の部材であり、全体として略矩形形状である。板状部23は、略水平な上面23a及び下面23b(図3参照)を有する。上面23aには、第2移動部30が載置される。下面23bには、長手方向がx方向に沿うように、棒状の凸部24が設けられる。
【0039】
図3は、第1移動部20を部分的に拡大した図である。凸部24が下面23bに設けられることで、板状部23の下面23bに溝23dが形成される。この溝23dには、ガイドレール22が挿入される。これにより、板状部23のy方向の位置、すなわち板状部23がx方向以外に移動しないように板状部23の移動方向が規制される。
【0040】
凸部24には、ガイドレール22の側面に向けて空気を吐出する空気吐出部24aが設けられる。空気吐出部24aは、凸部24の側面に開口する空気穴を有する。また、空気吐出部24aは、内径が絞られたオリフィスを有する。したがって、この開口からは、ポンプ(図示せず)等から供給された空気が高圧及び高速で吐出される。これにより、空気吐出部24aとガイドレール22との間に、空気の層が形成される。
【0041】
板状部23の下面23bには、レール21及びガイドレール22と対向する位置に凸部23cが形成される。凸部23cは、先端(レール21又はガイドレール22と対向する面)が平面である。凸部23cには、空気吐出部28が設けられる。なお、図3では、ガイドレール22と対向する位置に形成された凸部23cの図示を省略している。
【0042】
図4は、板状部23を裏側からみた斜視図である。複数の凸部23cは、下面23bに2次元状に配列される。凸部23cには、複数(例えば、5個)の空気吐出部28が設けられる。空気吐出部28は、凸部23cの先端面に開口する空気穴を有する。また、空気吐出部28は、内径が絞られたオリフィスを有する。したがって、空気吐出部28からは、レール21及びガイドレール22に向けて、ポンプ(図示せず)等から供給された空気が高圧及び高速で吐出される。これにより、空気吐出部28とレール21及びガイドレール22との間に、空気の層が形成される。また、凸部23cに複数の空気吐出部28を設けることで、この空気の層の圧力が高くなる。
【0043】
なお、本実施の形態では、隣接する凸部23cはx方向にもy方向にも離れているが、凸部23cの形態はこれに限られない。例えば、凸部がx方向沿って長いリブ状であり、リブ状の凸部がy方向に複数並べられていてもよい。ただし、空気吐出部28とレール21及びガイドレール22との間に形成された空気の層の厚さを一定にするには、図4に示すように、凸部41cをx方向及びy方向に2次元状に配列することが望ましい。
【0044】
図3の説明に戻る。定盤11の上面11aには、長手方向がx方向に沿うように、鉄製の棒状部材26が設けられる。板状部23の下面23bには、磁石27が設けられる。棒状部材26と磁石27とは、対向する位置に設けられる。
【0045】
駆動部25は、永久磁石を有する固定子25aと、電磁コイルを有する可動子25bと、を有するリニアモータである。固定子25a及び可動子25bは、それぞれ2本ずつ設けられる。
【0046】
固定子25aは、断面略コの字形状の棒状の部材であり、長手方向がx方向に沿うように設けられる。固定子25aは、ガイドレール22を中心として線対称の位置に設けられる。また、固定子25aの内部には、冷却液(例えば、フッ素系不活性液体)が流れる配管25dが設けられている。例えば、−z側の配管25dにおいては、紙面奥側から手前側に向けて冷却液が流れ、+z側の配管25dにおいては、紙面手前側から奥側に向けて冷却液が流れる。
【0047】
可動子25bは、電磁コイルが固定子25a内に挿入されるように、板状部23の下面23bに設けられる。可動子25bは、U相、V相、W相のコイル(図示せず)が順番に並べられており、固定子25aに沿って移動する。また、可動子25bの内部には、コイルの間を縫うように、冷却液が流れる配管25cが設けられている。
【0048】
図2の説明に戻る。位置測定部29は、例えばリニアエンコーダであり、第1移動部20のy方向の両端(+y側の端及び−y側の端)に設けられる。位置測定部29は、レール21aの+y側の端面及びレール21bの−y側の端面に設けられるスケール29aと、板状部23の端面23e及び端面23fに設けられる検出ヘッド29bと、を有する。なお、図2においては、第1移動部20の+y側に位置するスケール29a及び検出ヘッド29bは図示されていない。
【0049】
スケール29aは、例えばレーザホログラムスケールであり、0.1nm〜1nm程度の幅でメモリが形成されている。検出ヘッド29bは、光(例えば、レーザ光)を照射し、スケール29aで反射された光を取得する。位置測定部29は、すでに公知であるため、詳細な説明を省略する。
【0050】
第2移動部30は、主として、2本のレール31と、1本のガイドレール32と、ガイドレール32を挟むように設けられる凸部33と、レール21の上面に沿ってマスク保持部41を移動させる駆動部34と、位置測定部39と、を有する。
【0051】
2本のレール31及びガイドレール32は、セラミック製の細長い板状の部材であり、板状部23の上面23aに、y方向に沿って固定される。2本のレール31及びガイドレール32は、高さが略同一である。レール31及びガイドレール32の上面と、ガイドレール32の側面とは、高精度及び高平坦度で形成される。
【0052】
ガイドレール32は、板状部23のx方向における略中央に設けられる。2本のレール31は、ガイドレール32を挟んで線対称の位置に設けられる。2本のレール31のうちの−x側の端に位置するレール31aは、マスク保持部41の−x側の端部である端面41h近傍の領域が載置され、2本のレール31のうちの+x側の端に位置するレール31bは、マスク保持部41の+x側の端部である端面41i近傍の領域が載置される。
【0053】
図5は、第2移動部30を部分的に拡大した図である。マスク保持部41の下面41bには、長手方向がx方向に沿うように、棒状の凸部33が設けられる。凸部33が下面41bに設けられることで、マスク保持部41の下面41bに溝41gが形成される。この溝41gには、ガイドレール32が挿入される。これにより、マスク保持部41のx方向の位置、すなわち板状部23がy方向以外に移動しないようにマスク保持部41の移動方向が規制される。
【0054】
凸部33には、ガイドレール32の側面に向けて空気を吐出する空気吐出部33aが設けられる。空気吐出部33aの開口は、凸部33の側面に露出している。空気吐出部33aは、内径が絞られたオリフィスを有する。したがって、この開口からは、ポンプ(図示せず)等から供給された空気が高圧及び高速で吐出される。これにより、空気吐出部33aとガイドレール32との間に、空気の層が形成される。
【0055】
マスク保持部41の下面41bには、レール31及びガイドレール32と対向する位置に凸部41cが形成される。凸部41cは、先端(レール31又はガイドレール32と対向する面)が平面である。凸部41cには、空気吐出部38が設けられる。凸部41c及び空気吐出部38については後に詳述する。
【0056】
板状部23の上面23aには、長手方向がx方向に沿うように、鉄製の棒状部材36が設けられる。マスク保持部41の下面41bには、磁石37が設けられる。棒状部材36と磁石37とは、対向する位置に設けられる。
【0057】
駆動部34は、永久磁石を有する固定子34aと、電磁コイルを有する可動子34bと、を有するリニアモータである。固定子34a及び可動子34bは、それぞれ2本ずつ設けられる。固定子34aは、ガイドレール32を中心として線対称の位置に設けられる。固定子34aは、冷却液が流れる配管34dを有し、可動子34bは、冷却液が流れる配管34cを有する。固定子34aは固定子25aと同様の構成であり、可動子34bは可動子25bと同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
図2の説明に戻る。位置測定部39は、例えばリニアエンコーダであり、第2移動部30のx方向の両端(−x側の端及び+x側の端)に設けられる。位置測定部39は、板状部23(レール31aでもよい)の−x側の端面及び板状部23(レール31bでもよい)+x側の端面に設けられるスケール39aと、マスク保持部41の端面41h及び端面41iに設けられる検出ヘッド39bと、を有する。なお、図2においては、+x側に位置するスケール39a及び検出ヘッド39bは図示されていない。スケール39aはスケール29aと同様であり、検出ヘッド39bは検出ヘッド29bと同様であるため、説明を省略する。
【0059】
マスク保持部41は、板状であり、略水平な上面41aと、下面41b(図7参照)と、を有する。マスク保持部41は、熱膨張係数が略0.5〜1×10−7/Kの低膨張性セラミックを用いて形成される。これにより、マスク保持部41の変形を防止することができる。なお、マスク保持部41は、熱膨張係数が略5×10−8/Kの超低膨張性ガラスセラミックを用いて形成することもできる。この場合には、制御しきれない温度変化が発生したとしても、マスク保持部41の変形を確実に防止することができる。
【0060】
上面41aには、マスクM(図示省略)が載置される。端面41hには、マスクMに+x方向の力を付勢する付勢部45と、マスクMに+y方向の力を付勢する付勢部46と、が設けられる。付勢部45、46は、例えばロータリーシリンダである。付勢部45、46については、後に詳述する。
【0061】
図6は、マスク保持部41を斜め上から見た概略斜視図である。図7は、マスク保持部41を斜め下から見た概略斜視図である。
【0062】
マスク保持部41には、板圧方向に貫通する複数のマスクリフター用孔41dが形成される。マスクリフター用孔41dには、図示しない棒状のマスクリフターが挿入される。図示しないマスクリフターは、z方向に移動可能であり、マスクMをマスク保持部41に載置する時に用いられる。
【0063】
マスク保持部41の上面41aには、複数の空気孔41eが2次元状に配列される。空気孔41eは、20mm〜50mmおきに設けられている。ポンプ(図示せず)等から供給された空気は、空気孔41eから上向き(+z向き)に吐出される。これにより、マスク保持部41の上面41aに載置されるマスクMを一時的に浮上させることができる。
【0064】
また、マスク保持部41の上面41aには、隣接する2辺(ここでは、+x側の辺と、−y側の辺)にバーミラー41fが設けられる。
【0065】
さらに、マスク保持部41の上面41aには、ピン44a、44b、44cが挿入される穴41j、41k、41lが形成される。ピン44a、44b、44cは、樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(Polyether ether ketone、PEEK)製であり、直径が略10mm程度の棒状の部材である。ピン44a、44b、44cは、それぞれ枠体42に設けられており、ピン駆動部44d(図10参照)及び図示しない移動機構によりy方向及びz方向に移動可能である。
【0066】
ピン駆動部44dがピン44a、44b、44cをz方向に移動させることで、ピン44a、44b、44cが穴41j、41k、41lに挿入された位置と、ピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lから抜いてピン44a、44b、44cがマスク保持部41から離れた位置と、の間でピン44a、44b、44cが移動する。ピン駆動部44dがピン44a、44b、44cをy方向に移動させることで、ピン44a、44b、44cが穴41jに挿入される位置と、ピン44a、44b、44cが穴41kに挿入される位置と、ピン44a、44b、44cが穴41lに挿入される位置と、の間でピン44a、44b、44cが移動する。ピン44a、44b、44cをy方向及びz方向に移動可能に設ける構成は、すでに公知の様々な技術を用いることができる。
【0067】
穴41j、41k、41lは、マスクMの大きさによって使い分ける。800mm×520mmのマスクMを用いる場合には、穴41jにピン44a、44b、44cを挿入し、920mm×800mmのマスクMを用いる場合には、穴41kにピン44a、44b、44cを挿入し、1400mm×1220mmのマスクMを用いる場合には、穴41lにピン44a、44b、44cを挿入する。このように、ピン44a、44b、44cは、マスクMの隣接する2辺が当接する位置に着脱可能に設けられる。
【0068】
なお、穴41j、41k、41lの位置は、それぞれ、対応するマスクMの隣接する2辺が当接した時に、マスク保持部41の中心と、マスクMの中心とが略一致する位置に形成される。
【0069】
マスク保持部41の下面41bには、凸部41cが2次元状に複数形成される。凸部41cは、先端(レール31又はガイドレール32と対向する面)が平面である。凸部41cには、複数(例えば、5個)の空気吐出部38が設けられる。空気吐出部38は、凸部41cの先端面に開口する空気穴を有する。また、空気吐出部38は、内径が絞られたオリフィスを有する。したがって、空気吐出部38からは、レール31及びガイドレール32に向けて、ポンプ(図示せず)等から供給された空気が高圧及び高速で吐出される。これにより、空気吐出部38とレール31及びガイドレール32との間に、空気の層が形成される。また、凸部41cに複数の空気吐出部38を設けることで、この空気の層の圧力が高くなる。
【0070】
なお、本実施の形態では、隣接する凸部41cはx方向にもy方向にも離れているが、凸部41cの形態はこれに限られない。例えば、凸部がy方向沿って長いリブ状であり、リブ状の凸部がx方向に複数並べられていてもよい。ただし、空気吐出部38とレール31及びガイドレール32との間に形成された空気の層の厚さを一定にするには、図7に示すように、凸部41cをx方向及びy方向に2次元状に配列することが望ましい。
【0071】
図1の説明に戻る。枠体42は、定盤11の上面11aに設けられ、マスク保持部41の上方(+z方向)に光照射部43を保持する。枠体42は、2本の柱42aと、柱42aを連結する梁42bと、を有する。
【0072】
光照射部43は、マスクMに光(本実施の形態では、レーザ光)を照射する。光照射部43は、一定間隔(例えば、略200mmおき)で梁42bに設けられる。本実施の形態では、7個の光照射部43a、光照射部43b、光照射部43c、光照射部43d、光照射部43e、光照射部43f、光照射部43gを有する。光照射部43a〜光照射部43gは、同一の構成であるため、以下、光照射部43aについて説明する。
【0073】
図8は、光照射部43aの概略を示す要部透視図である。光照射部43aは、主として、枠体431と、枠体431の内部に設けられた光源432と、枠体431の下端に設けられた対物レンズ433と、を有する。また、光照射部43aは、枠体431の内部の温度を一定に保つ図示しない温度調整部を有する。
【0074】
光源432は、面状のレーザ光が照射可能な光源であり、例えばデジタルミラーデバイス(Digital Mirror Device、DMD)を用いることができる。対物レンズ433は、光源432から照射されたレーザ光をマスクMの表面に結像させる。
【0075】
描画時には、光照射部43a〜光照射部43gそれぞれの光源432から光が照射され、この光がマスクM上で結像することにより、マスクMにパターンが描画される。
【0076】
枠体431は、連結部434を介して梁42bに設けられる。面434aは、枠体431に固定され、面434bは、梁42bに固定される。連結部434は、内部に孔434cが形成されていることにより、平行な2つの面434a、434bが平行を保ったままz方向に移動可能なリンク機構を有する。
【0077】
連結部434は、面434aをz方向に移動させるピエゾ素子434dと、面434aの移動量を測定するリニアエンコーダ434eが設けられる。
【0078】
図1の説明に戻る。−y側に設けられた柱42aには、レーザ干渉計51が設けられる。また、定盤11の+x側の側面には、レーザ干渉計52(図1では図示省略)が設けられる。
【0079】
図9は、レーザ干渉計51、52、53が計測する様子を示す模式図である。図9において、レーザ光の経路を2点鎖線で示す。また、図9では、光照射部43a〜光照射部43gの位置を点線で示す。
【0080】
レーザ干渉計51、52、53は、4本のレーザ光を照射する。4本のレーザ光のうちの2本はバーミラー41fで反射して、その反射光がレーザ干渉計51、52で受光される。
【0081】
光照射部43aの−y側の側面には、ミラー435が設けられる。レーザ干渉計51から照射される光のうちの残りの2本は、ミラー435で反射されて、その反射光がレーザ干渉計51で受光される。
【0082】
光照射部43a〜光照射部43gの+x側の側面には、ミラー436が設けられる。レーザ干渉計52から照射される光のうちの残りの2本はミラー436で反射して、その反射光がレーザ干渉計52、53で受光される。
【0083】
レーザ干渉計52、53は、駆動部11cにより、レール11bに沿って移動可能である。レール11bは、長手方向がy方向に沿うように定盤11に設けられる。このように、レーザ干渉計52、53は、y方向に移動可能である。
【0084】
−y側のレーザ干渉計52は、描画時には、光照射部43aに光を照射する位置に設けられ、キャリブレーション時には、光照射部43aに光を照射する位置、光照射部43bに光を照射する位置、光照射部43cに光を照射する位置・・・というように順番に移動する。なお、レーザ干渉計52として、8本以上のレーザ光(例えば、12本)を照射できるレーザ干渉計用光源を用いる場合には、レーザ干渉計52は、y方向に沿って移動する機構を有しなくても良い。
【0085】
+y側のレーザ干渉計53は、常時、光照射部43gに光を照射する位置に設けられる。なお、+y側のレーザ干渉計53については、y方向に沿って移動する機構を有しなくても良い。
【0086】
図10は、マスク製造装置1の電気的な構成を示すブロック図である。マスク製造装置1は、CPU(Central Processing Unit)151と、RAM(Random Access Memory)152と、ROM(Read Only Memory)153と、入出力インターフェース(I/F)154と、通信インターフェース(I/F)155と、メディアインターフェース(I/F)156と、を有し、これらは駆動部25、34、位置測定部29、39、光照射部43、付勢部45、46、レーザ干渉計51、52等と互いに接続されている。
【0087】
CPU151は、RAM152、ROM153に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。CPU151には、位置測定部29、39、レーザ干渉計51、52等から信号が入力される。CPU151から出力された信号は、駆動部25、34、光照射部43に出力される。
【0088】
RAM152は、揮発性メモリである。ROM153は、各種制御プログラム等が記憶されている不揮発性メモリである。CPU151は、RAM152、ROM153に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。また、ROM153は、マスク製造装置1の起動時にCPU151が行うブートプログラムや、マスク製造装置1のハードウェアに依存するプログラムなどを格納する。また、RAM152は、CPU151が実行するプログラム及びCPU151が使用するデータなどを格納する。
【0089】
CPU151は、入出力インターフェース154を介して、キーボードやマウス等の入出力装置141を制御する。通信インターフェース155は、ネットワーク142を介して他の機器からデータを受信してCPU151に送信すると共に、CPU151が生成したデータを、ネットワーク142を介して他の機器に送信する。
【0090】
メディアインターフェース156は、記憶媒体143に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM152に格納する。なお、記憶媒体143は、例えば、ICカード、SDカード、DVD等である。
【0091】
なお、各機能を実現するプログラムは、例えば、記憶媒体143から読み出されて、RAM152を介してマスク製造装置1にインストールされ、CPU151によって実行される。
【0092】
CPU151は、入力信号に基づいてマスク製造装置1の各部を制御する制御部151aの機能を有する。制御部151aは、CPU151が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。制御部151aが行う処理については、後に詳述する。
【0093】
図10に示すマスク製造装置1の構成は、本実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、例えば一般的な情報処理装置が備える構成を排除するものではない。マスク製造装置1の構成要素は、処理内容に応じてさらに多くの構成要素に分類されてもよいし、1つの構成要素が複数の構成要素の処理を実行してもよい。
【0094】
このように構成されたマスク製造装置1の作用について説明する。以下の処理は、主として制御部151aによって行われる。
【0095】
制御部151aがマスクリフター用孔41dからマスクリフターを+z方向に突出させた状態で、マスクリフター上にマスクMが載置される。マスクリフター上にマスクMが載置されると、制御部151aは、空気孔41eから空気を吐出しながら、マスクリフターを−z方向に移動させる。その結果、マスクMは−z方向に移動される。
【0096】
上面41aには空気孔41eが多数形成されており、全ての空気孔41eから同じ圧力で空気が吐出される。したがって、マスクリフターがマスクリフター用孔41dの内部に引き下げられると、空気によりマスクMが均等に押し上げられ、マスクMと上面41aとの間に形成された空気の層を介してマスクMが上面41aの上に載置される。この状態において、制御部151aは、付勢部45、46を駆動してマスクMに水平方向の力を加えて、マスクMのx方向及びy方向の位置決めを行う。
【0097】
図11は、付勢部45、46がマスクMを押圧して位置決めを行う様子を説明する図である。
【0098】
制御部151aは、ピン駆動部44dを駆動して、ピン44a、44b、44cを−z方向に移動させ、穴41j、41k、41lのいずれかにピン44a、44b、44cを挿入する。図11では、穴41lにピン44a、44b、44cが挿入されている。
【0099】
付勢部45はアーム45aを有し、アーム45aの先端にはローラ45bが設けられている。制御部151aが、アーム45aを軸45axを中心に時計回りに回動させる(図11矢印参照)と、ローラ45bがマスクMの−x側の端面に当接し、マスクMに+x方向の力を付勢する(図11白抜き矢印参照)。マスクMと上面41aとの間に空気の層が形成されているため、マスクMは、+x方向に移動し、その結果マスクMとピン44b、44cとが当接する。これにより、マスクMがx方向に位置決めされる。なお、付勢部45は、ローラ45bがマスクMのy方向の略中央を押すような位置に設けることが望ましい。また、アーム45aと上面41aとの距離を一定にするため、アーム45aの下面に上面41aと当接するローラ(図示せず)を設けてもよい。
【0100】
付勢部45と同様に、付勢部46はアーム46aを有し、アーム46aの先端にはローラ46bが設けられている。制御部151aが、アーム46aを軸46axを中心に反時計回りに回動させる(図11矢印参照)と、ローラ46bがマスクMの−y側の端面に当接し、マスクMに+y方向の力を付勢する(図11白抜き矢印参照)。マスクMと上面41aとの間に空気の層が形成されているため、マスクMは、+y方向に移動し、その結果マスクMとピン44aとが当接する。これにより、マスクMがy方向に位置決めされる。なお、付勢部46は、ローラ46bがマスクMの−x方向及び−y方向の角近傍を押すような位置に設けることが望ましい。また、アーム46aと上面41aとの距離を一定にするため、アーム46aの下面に上面41aと当接するローラ(図示せず)を設けてもよい。
【0101】
ピン44a、44b、44cとマスクMとが当接してマスクMの水平方向の位置決めがされたら、制御部151aは、マスク保持部41を制御して、空気孔41eからの空気の吐出を止める。その結果、マスクMは、x方向及びy方向の位置決めがされた状態で上面41aの上に載置される。なお、制御部151aは、ピン44a、44b、44cに設けた図示しないセンサ等の検出結果に基づいて、ピン44a、44b、44cとマスクMとが当接したと判定することができる。
【0102】
その後、制御部151aは、ピン駆動部44dを制御してピン44a、44b、44cを+z方向に移動させて、ピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lのいずれかから抜いて、ピン44a、44b、44cをマスク保持部41から離す。これにより、高精度でマスクMの位置決めを行うことができる。
【0103】
マスクMは上面41aの上に載置されているため、上面41aとマスクM下面との摩擦により、マスクMが上面41aに固定される。したがって、マスクMは上面41aの上に載置された後は、例えばピン44a、44b、44cが+z方向に移動したとしても、マスク保持部41が変形しない限り、マスクMが変形、移動等することは無い。また、ピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lから抜くため、マスクMがピン44a、44b、44cに当接してマスクMがピン44a、44b、44cから力を受け、その力によりマスクMがゆがむことを防止することができる。
【0104】
制御部151aは、描画処理に先立って、レーザ干渉計51、52、53を用いて位置測定部29、39のキャリブレーションを行う。次に、制御部151aは、位置測定部29、39で取得した測定値に基づいて、光照射部43aがマスクMの−x側の端及び−y側の端に光を照射する位置へとマスク保持部41を移動させる。その後、制御部151aは、光照射部43から光を照射しつつマスク保持部41を移動させて、描画処理を行う。
【0105】
制御部151aは、描画処理の間、空気吐出部28、38から継続して空気を吐出する。これにより、板状部23と、レール21、ガイドレール22との間に空気の層が形成されるため、板状部23がレール21、ガイドレール22の上を滑らかに移動する。また、マスク保持部41と、レール31、ガイドレール32との間に空気の層が形成されるため、マスク保持部41がレール31、ガイドレール32の上を滑らかに移動する。これにより、マスク保持部41を滑らかに水平方向(x方向及びy方向)に移動させることができる。特に、凸部23cや凸部41cを2次元状に配置し、空気の層を一定の厚さとすることで、マスク保持部41の高さを変えることなく、板状部23やマスク保持部41を水平方向に移動させることができる。
【0106】
空気吐出部28から空気を吐出して、板状部23とレール21やガイドレール22との間に空気の層を形成しつつも、棒状部材26が磁石27に吸引されることで、板状部23がレール21やガイドレール22から浮きすぎることを防止する。また、空気吐出部28、38から空気を吐出して、マスク保持部41とレール31やガイドレール32との間に空気の層を形成しつつも、棒状部材36が磁石37に吸引されることで、マスク保持部41がレール31やガイドレール32から浮きすぎることを防止する。これにより、板状部23やマスク保持部41の高さの変動を防止することができる。また、凸部23c部、41cにそれぞれ複数の空気吐出部28、38を設けることで、板状部23とレール21やガイドレール22との間に形成される空気の層、及びマスク保持部41とレール31やガイドレール32との間に形成される空気の層の圧力を高くし、これにより板状部23やマスク保持部41の剛性を高くすることができる。
【0107】
さらに、棒状部材26が磁石27に吸引されることで、板状部23とレール21やガイドレール22との間に形成された空気の層を薄くし、これにより空気の層の圧力を高くして、板状部23の剛性を高くすることができる。また、棒状部材36が磁石37に吸引されることで、マスク保持部41とレール31やガイドレール32との間に形成された空気の層を薄くし、これにより空気の層の圧力を高くして、マスク保持部41の剛性を高くすることができる。
【0108】
駆動部25が、ガイドレール22の近傍に、ガイドレール22を中心として線対称の位置に設けられるため、駆動部25は、板状部23(マスク保持部41)を水平面内で回転させることなく、板状部23(マスク保持部41)をx方向に移動させることができる。また、駆動部34が、ガイドレール32の近傍に、ガイドレール32を中心として線対称の位置に設けられるため、駆動部34は、マスク保持部41を水平面内で回転させることなく、マスク保持部41をy方向に移動させることができる。
【0109】
また、制御部151aは、マスク保持部41を移動させる時に、位置測定部29から取得した情報に基づいて駆動部25を制御し、位置測定部39から取得した情報に基づいて駆動部34を制御する。図12は、制御部151aが行う駆動部25、34の制御について説明する図である。
【0110】
まず、推力変換部164、174は、可動子25b、34bのU相、V相、W相にそれぞれ信号を出力し、推力変換部164、174は、その結果に基づいて可動子25b、34bのU相、V相、W相の力率(力率情報)を求めておく。
【0111】
第1移動部20の−y側の位置測定部29における計測信号は、Xカウンタ(1)161に入力され、+y側の位置測定部29における計測信号は、Xカウンタ(2)162に入力される。制御部151aは、Xカウンタ(1)161の出力と、Xカウンタ(2)162の出力との平均値を、現在位置とする。
【0112】
目標座標算出部163では、CPU151から出力されるパルス等に基づいて、現時点における目標座標(位置指令)が算出される。制御部151aは、Xカウンタ(1)161、Xカウンタ(2)162からの出力信号と、目標座標算出部163から出力された位置指令との偏差の一次関数(P)を算出する。また、制御部151aは、偏差の積分に比例して変化する入力値(I)と、偏差の微分に比例して変化する入力値(D)を算出する。これらの値は、推力変換部164へ入力される。
【0113】
さらに、制御部151aは、目標座標算出部163で算出された位置指令を1次微分する1次微分項と、位置指令を2次微分する2次微分項と、を算出する。これらの値は、推力変換部164へ入力される。推力変換部164には、原点センサ165から駆動部25の位置を管理するために基準となる原点情報が入力される。
【0114】
推力変換部164は、入力された情報に基づいて駆動部25を駆動するための信号を生成する。具体的には、推力変換部164は、比例動作、積分動作、微分動作を組み合わせたPID制御と、目標座標算出部163から入力された位置指令、1次微分項、2次微分項とに基づいたフィードフォワード制御と、を行う。そして、推力変換部164では、制御結果、力率情報等に基づいて駆動信号を生成する。駆動信号は、U相、V相、W相のそれぞれに対応する信号であり、アンプ166、167、168でそれぞれ増幅された後、可動子25bのU相、V相、W相のコイルそれぞれに出力される。したがって、マスク保持部41を正確に移動させることができる。なお、精度の高い制御(nm〜数十nm単位の制御)を行うためには、アンプ166、167、168は、DCリニアアンプであることが望ましい。
【0115】
第2移動部30の−x側の位置測定部39における計測信号は、Yカウンタ(1)171に入力され、+x側の位置測定部39における計測信号は、Yカウンタ(2)172に入力される。制御部151aは、Yカウンタ(1)171の出力と、Yカウンタ(2)172の出力との平均値を、現在位置とする。
【0116】
目標座標算出部173では、目標座標算出部163と同様に、位置指令を算出する。制御部151aは、Yカウンタ(1)171、Yカウンタ(2)172からの出力信号と、目標座標算出部173から出力された位置指令との偏差の一次関数(P)を算出する。また、制御部151aは、偏差の積分に比例して変化する入力値(I)と、偏差の微分に比例して変化する入力値(D)を算出する。これらの値は、推力変換部174へ入力される。
【0117】
さらに、制御部151aは、目標座標算出部173で算出された位置指令の1次微分項と、位置指令の2次微分項と、を算出する。これらの値は、推力変換部174へ入力される。推力変換部174には、原点センサ175から駆動部34の位置を管理するために基準となる原点情報が入力される。
【0118】
推力変換部174は、入力された情報に基づいて駆動部25を駆動するための信号を生成する。具体的には、推力変換部174は、推力変換部164と同様に、PID制御と、フィードフォワード制御とを行い、制御結果、力率情報等に基づいて駆動信号を生成する。駆動信号は、U相、V相、W相のそれぞれに対応する信号であり、アンプ176、177、178でそれぞれ増幅された後、可動子34bのU相、V相、W相のコイルそれぞれに出力される。したがって、板状部23を正確に移動させることができる。なお、アンプ166、167、168と同様、アンプ176、177、178はDCリニアアンプであることが望ましい。
【0119】
また、制御部151aは、マスク保持部41を移動させる時に、マスク保持部41が板状部23からはみ出ないように駆動部34を制御する。また、制御部151aは、板状部23を移動させる時に、板状部23がレール21、ガイドレール22からはみ出ないように駆動部25を制御する。これにより、マスク保持部41がたわむことにより、マスクMの保持位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0120】
さらに、制御部151aは、位置測定部29、39で取得した測定値に基づいて、マスク保持部41の位置の誤差(例えば、ヨーイング方向の誤差)を補正するように、描画データタイミングとデータ位置とを補正する。制御部151aは、この補正した結果を用いて光照射部43を制御する。また、制御部151aは、描画時に、必要に応じて枠体431をz方向に移動させる。枠体431の移動は、リニアエンコーダ434eで枠体431のz方向の移動量を測定しつつ、ピエゾ素子434dを駆動することにより行われる。これにより、マスクMの厚さが変動等したとしても、光照射部43から照射される光を、マスクM上に結像させることができる。
【0121】
本実施の形態によれば、熱膨張係数が略1×10−7/K以下(マスクMの熱膨張係数より小さい)のセラミックを用いてマスク保持部41を形成することで、制御しきれない温度変化(0.01度程度)があった場合にも、マスク保持部41の変形を防止し、これによるマスクMのたわみ(膨張、収縮によるたわみ)を防止することができる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、空気吐出部28とレール21及びガイドレール22との間、及び空気吐出部38とレール31及びガイドレール32との間に空気の層が形成されるため、板状部23やマスク保持部41の重さによらず、レール21及びガイドレール22の上面に沿って板状部23を滑らかに移動させることができ、かつ、レール31、ガイドレール32の上面に沿ってマスク保持部41を滑らかに移動させることができる。また、レール21及びガイドレール22の高さが略同一であるため、板状部23の高さを変えることなく板状部23をx方向に移動させることができ、かつ、レール31及びガイドレール32の高さが略同一であるため、マスク保持部41の高さを変えることなくマスク保持部41をy方向に移動させることができる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、変形が極めて小さい定盤の上に第1移動部20、第2移動部30を設け、これらを用いてマスクMを水平方向に移動させるため、第1移動部20、第2移動部30の変形を防止し、これにより精度良くマスクMを水平方向に移動させることができる。
【0124】
また、本実施の形態では、ガイドレール22と溝23dとの間に空気の層を形成し、ガイドレール32と溝41gとの間に空気の層を形成するため、板状部23やマスク保持部41の移動方向を規制しつつも、板状部23やマスク保持部41を滑らかに移動させることができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、可動子25bの内部に冷却液が流れる配管25cが設けられ、可動子34bの内部に冷却液が流れる配管34cが設けられるが、配管25c、34cは必須ではない。また、固定子25a、34aの内部の配管25d、34dも必須ではない。ただし、温度変化を0.01度以下に抑えるためには、可動子25b、34bに配管25c、34cを設け、固定子25a、34aに配管25d、34dを設けることが望ましい。
【0126】
なお、可動子25b、34bや固定子25a、34aを冷却する方法は、可動子25b、34bや固定子25a、34aの内部に配管25c、25d、34c、34dを設ける形態に限られない。例えば、可動子25b、34bや固定子25a、34aの周囲に非磁性体の金属ジャケットを設け、その中に冷却液が流れる配管を設けてもよい。
【0127】
また、本実施の形態では、定盤11と板状部23との間に棒状部材26及び磁石27を設け、板状部23とマスク保持部41との間に棒状部材36及び磁石37を設けたが、棒状部材26、磁石27、棒状部材36及び磁石37は必須ではない。
【0128】
また、本実施の形態では、マスク保持部41をx方向に移動させる第1移動部20を定盤11の上に設け、マスク保持部41をy方向に移動させる第2移動部30を第1移動部20の上に設けたが、第2移動部30の上に第1移動部20を設けてもよい。ただし、マスク保持部41は、x方向には1300mm程度移動させるのに対し、y方向には200mm程度(光照射部43同士の間隔)移動させればよいため、精度良くマスク保持部41を移動させるためには、移動量の小さい第2移動部30を第1移動部20の上に設けることが望ましい。
【0129】
また、本実施の形態では、光照射部43を7個設けたが、光照射部43の数は7個に限られず、1つでもよい。ただし、y方向の移動量を小さくするためには、光照射部43を複数設けることが望ましい。
【0130】
また、本実施の形態では、ピン44a、44b、44cが枠体42に対して移動可能に設けられ、必要に応じてピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lのいずれかに挿入することで、ピン44a、44b、44cがマスク保持部41に設けられるが、予めピン44a、44b、44cをマスク保持部41に設けておいてもよい。ただし、マスクMがピン44a、44b、44cに常時当接することによるマスクMの歪みを防止するためには、マスクMをマスク保持部41に載置した後、ピン44a、44b、44cをマスク保持部41から外すことが望ましい。
【0131】
また、本実施の形態では、ピン44a、44b、44cを枠体42に対して移動可能に設け、制御部151aがピン駆動部44d及び移動機構を介してピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lのいずれかから抜いたが、ピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lに挿入したり抜いたりする形態はこれに限られない。例えば、ピン駆動部44dや図示しない移動機構をマスク保持部41に設けてもよい。また、例えば、マスクMがマスク保持部41の上面41aに載置されたら、ユーザがピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lのいずれかから抜いてもよい。また、例えば、ユーザがピン44a、44b、44cを穴41j、41k、41lのいずれかに挿入してもよい。
【0132】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、棒状部材26が磁石27に吸引されることで、板状部23とレール21やガイドレール22との間に形成された空気の層を薄くし、棒状部材36が磁石37に吸引されることで、マスク保持部41とレール31やガイドレール32との間に形成された空気の層を薄くしたが、これらの空気の層を薄くする方法はこれに限られない。
【0133】
本発明の第2の実施の形態は、棒状部材26、36及び磁石27、37を設けず、空気を吸引する機構を設けることで、空気の層を薄くする形態である。以下、本実施の形態に係るマスク製造装置2(全体図は省略)について説明する。第1の実施の形態と第2の実施の形態との差異は、第1移動部、第2移動部及びマスク保持部の構成のみであるため、第2の実施の形態に係るマスク製造装置については、第1移動部、第2移動部及びマスク保持部の構成についてのみ説明し、その他の部分については説明を省略する。
【0134】
図13は、マスク製造装置2における第1移動部20Aを部分的に拡大した図である。第1移動部20Aは、主として、4本のレール21と、1本のガイドレール22と、板状部23Aと、凸部24Aと、駆動部25と、位置測定部29と、を有する。
【0135】
凸部24Aには、空気吐出部24aと、空気吸引部24bと、が設けられる。空気吸引部24bは、凸部24Aの側面に開口する空気穴を有する。この空気穴は、真空ポンプ(図示せず)等と連結されている。したがって、空気吸引部24bは、凸部24Aとガイドレール22との間に形成された空間にある空気を吸引する。このように、空気吐出部24aから空気を吐出しながら、空気吸引部24bから空気を吸引する(図13白抜き矢印参照)ことで、溝部23dAの先端が広がるように凸部24Aが倒れて、板状部23Aが部分的に変形することを防止することができる。
【0136】
板状部23Aの凸部23cには、空気吐出部28と、大気開放孔28aと、空気吸引部28bと、が設けられる。空気吐出部28は、レール21及びガイドレール22に空気を吐出して、凸部23cと、レール21及びガイドレール22との間に空間(以下、空間S1という)を形成する(図13太矢印参照)。また、大気開放孔28a及び空気吸引部28bは、凸部23cと、レール21及びガイドレール22との間に形成された空間にある空気を、この空間から排出する(図13太矢印参照)。
【0137】
図14は、板状部23Aを裏側からみた斜視図である。大気開放孔28aは、空気吐出部28の外側に、略矩形形状に形成されている。また、空気吸引部28bは、大気開放孔28aの外側に、略矩形形状に形成されている。ただし、大気開放孔28a、空気吸引部28bの位置及び形状はこれに限られない。
【0138】
大気開放孔28aは、一端が凸部23cの先端面に開口し、他端が板状部23の側面に開口する(図示省略)空気孔を有する。この空気孔は、空間S1と、第1移動部20Aの外部空間とを連通する。空気吐出部28が空気を吐出することで、空気吐出部28及び空間S1の圧力は大気圧より高くなっている(正圧)。したがって、この圧力差により、大気開放孔28aを介して、空間S1にある空気が自然と外部空間へ排出される。
【0139】
空気吸引部28bは、凸部23cの先端面に開口する空気穴を有する。この空気穴は、真空ポンプ(図示せず)等と連結されている。したがって、空気吸引部28bの圧力は大気圧より低く(負圧)、空気吸引部28bにより空間S1にある空気が吸引される。また、空気吸引部28bは、図示しない真空レギュレータが連結されており、真空レギュレータによって空気吸引部28bの圧力が調整される。
【0140】
空気吐出部28の周りを大気開放孔28a及び空気吸引部28bで囲むことで、1個の凸部23cの領域内で、凸部23cとレール21、ガイドレール22との反発、吸引のバランスを保つことができる。したがって、板状部23Aが部分的に曲がる(例えば、凸部23cがある部分は凸となり、凸部23cが無い部分は凹む)ことを防止することができる。
【0141】
図15は、マスク製造装置2における第2移動部30Aを部分的に拡大した図である。第2移動部30Aは、主として、2本のレール31と、1本のガイドレール32と、凸部33Aと、駆動部34と、位置測定部39と、を有する。凸部33Aには、空気吐出部33aと、空気吸引部33bと、が設けられる。空気吸引部33bは、空気吸引部24bと同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0142】
空気吐出部33aから空気を吐出しながら、空気吸引部33bから空気を吸引する(図15太矢印参照)ことで、溝部41gAの先端が広がるように凸部33Aが倒れて、マスク保持部41Aが部分的に変形することを防止することができる。
【0143】
図16は、マスク保持部41Aを斜め下から見た概略斜視図である。マスク保持部41Aには、空気吐出部38と、大気開放孔38aと、空気吸引部38bと、が設けられる。大気開放孔38aは空気吐出部28と同様であり、空気吸引部38bは空気吸引部28bと同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0144】
空気吐出部38は、レール31及びガイドレール32に空気を吐出して、凸部41cと、レール31及びガイドレール32との間に空間(以下、空間S2という)を形成する(図15太矢印参照)。また、空間S2と外部空間との圧力差により、大気開放孔38aを介して、空間S2にある空気が自然と外部空間へ排出される(図15太矢印参照)。さらに、空気吸引部28bにより、空間S1にある空気が吸引される(図15太矢印参照)。
【0145】
空気吐出部38の周りを大気開放孔38a及び空気吸引部38bで囲むことで、1個の凸部41cの領域内で、凸部41cとレール31、ガイドレール32との反発、吸引のバランスを保つことができる。したがって、マスク保持部41Aが部分的に曲がることを防止することができる。
【0146】
本実施の形態によれば、凸部23c、41cの領域内で正圧と負圧とのバランスをとることで、板状部23Aやマスク保持部41Aが部分的に曲がることを防止することができる。例えば、棒状部材26、36及び磁石27、37を用いる形態では、凸部23c、41cが位置する部分で板状部23Aやマスク保持部41Aが微小量だけふくらみ、棒状部材26、36及び磁石27、37が設けられた部分で板状部23Aやマスク保持部41Aが微小量だけへこみ、これにより板状部23Aやマスク保持部41Aが微小量だけたわむ可能性があるが、凸部23c、41cの領域内で正圧と負圧とのバランスをとることで、このようなたわみは発生しなくなる。これにより、板状部23Aやマスク保持部41Aのたわみ、すなわちマスクMのたわみを防止することができる。さらに、板状部23Aやマスク保持部41Aが水平方向に移動する時の高さ変動を防止し、板状部23Aやマスク保持部41Aを高い精度で移動させることができる。
【0147】
また、本実施の形態によれば、大気開放孔28a及び空気吸引部28bを設けることで、凸部23cと、凸部23cとレール21、ガイドレール22との間に形成される空気の層の厚さを薄くする(大気開放孔28a及び空気吸引部28bが設けられていない場合は空気の層が略4μmなのに対し、本実施の形態では略2μm)ことができる。同様に、大気開放孔38a及び空気吸引部38bを設けることで、凸部41cと、凸部41cとレール31、ガイドレール32との間に形成される空気の層の厚さを薄くすることができる。したがって、板状部23Aやマスク保持部41Aの剛性を高くすることができる。さらに、これらの空気の層の厚さを薄く、一定の厚さとすることで、板状部23Aやマスク保持部41A(すなわち、マスクM)の高さの変動を防止することができる。
【0148】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。当業者であれば、実施形態の各要素を、適宜、変更、追加、変換等することが可能である。
【0149】
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略水平とは、厳密に水平の場合には限られず、例えば数度程度の誤差を含む概念である。また、例えば、単に平行、直交等と表現する場合において、厳密に平行、直交等の場合のみでなく、略平行、略直交等の場合を含むものとする。また、本発明において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、Aの近傍という場合に、Aの近くのある範囲の領域であって、Aを含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
【符号の説明】
【0150】
1、2 :マスク製造装置
11 :定盤
11a :上面
11b :レール
11c :駆動部
12、13:除振台
20、20A:第1移動部
21、21a、21b:レール
22 :ガイドレール
23、23A:板状部
23a :上面
23b :下面
23c :凸部
23d :溝
23e、23f:端面
24、24A:凸部
24a :空気吐出部
25 :駆動部
25a :固定子
25b :可動子
25c、25d:配管
26 :棒状部材
27 :磁石
28 :空気吐出部
29 :位置測定部
29a :スケール
29b :検出ヘッド
30、30A:第2移動部
31、31a、31b:レール
32 :ガイドレール
33、33A:凸部
33a :空気吐出部
34 :駆動部
34a :固定子
34b :可動子
34c、34d:配管
36 :棒状部材
37 :磁石
38 :空気吐出部
39 :位置測定部
39a :スケール
39b :検出ヘッド
41、41A:マスク保持部
41a :上面
41b :下面
41c :凸部
41d :マスクリフター用孔
41e :空気孔
41f :バーミラー
41g :溝
41h、41i:端面
41i、41j、41k:穴
42 :枠体
42a :柱
42b :梁
43、43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g:光照射部
44a、44b、44c:ピン
44d :ピン駆動部
45、46:付勢部
51、52:レーザ干渉計
141 :入出力装置
142 :ネットワーク
143 :記憶媒体
151 :CPU
151a :制御部
152 :RAM
153 :ROM
154 :入出力インターフェース
155 :通信インターフェース
156 :メディアインターフェース
163 :目標座標算出部
164 :推力変換部
165 :原点センサ
166、167、168:アンプ
173 :目標座標算出部
174 :推力変換部
175 :原点センサ
176、177、178:アンプ
431 :枠体
432 :光源
433 :対物レンズ
434 :連結部
434a :面
434b :面
434c :孔
434d :ピエゾ素子
434e :リニアエンコーダ
435、436:ミラー
図1
図2
図3
図4
図5
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