【課題】スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末を用いたアプリケーションで、携帯端末を用いて他の機器を制御するものとして、近距離無線通信が可能な携帯電話を用いて電子錠を施錠・開錠する技術が開示されているが、さらなる改善が必要であった。
【解決手段】電子的な信号の検知による開錠/施錠制御が行われた際、所定時間内か否かを判断し、所定時間内の電子的な信号の検知による開錠/施錠制御である場合、携帯端末から、ネットワークを介して家屋内の家電機器を遠隔制御する。
前記情報通信システムは、前記電子的な信号の送出時刻が前記時間帯の範囲内である場合に、前記家屋の家電機器が前記制御信号を受信してから所定時間経過後に前記家屋の家電機器のON制御を開始するための前記所定時間を示す情報を管理するメモリを有し、
前記制御信号は、前記家屋の家電機器が前記制御信号を受信してから所定時間経過後に前記家屋の家電機器のON制御を開始させる信号である、
請求項3記載の制御方法。
前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる制御信号を送信させる、
請求項2記載の制御方法。
前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる制御信号を送信させる、
請求項6記載の制御方法。
前記携帯端末の前記ディスプレイに表示されたユーザインターフェースを介して、前記家屋内の家電機器のON制御の取り消しを受け付けた場合、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器のON制御を取り消す旨の制御信号を送信させる、
請求項8記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明の基礎となった知見)
特許文献1で開示されている技術では、携帯端末が電子錠の施錠・開錠を制御するのみであり、携帯端末が電子錠以外の他の機器を同時に制御することについて開示されていない。そのため、例えば、電子錠の施錠・開錠を制御する機能以外に他の機器を制御する機能が携帯端末に備わっていたとしても、それぞれの機能を実装するアプリケーションをユーザが個別に起動させて、その都度ユーザが操作を行わなければ、それぞれ異なる対応機器を制御できなかった。
【0009】
そこで、携帯端末の機能向上のため、以下の改善策を検討した。
【0010】
携帯端末の制御方法の一の態様は、ネットワークを介して家屋内の家電機器を遠隔制御する情報通信システムに用いられる携帯端末の制御方法であって、電子的な信号の検知により施錠/開錠制御をする電子錠に対して前記電子的な信号を送出させるプログラムを実行する前記携帯端末のコンピュータに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる時間帯を示す情報を管理させ、前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させ、前記電子的な信号の送出時刻が前記時間帯の範囲内か否かを判断させ、前記電子的な信号の送出時刻が前記時間帯の範囲内であると判断されると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋の家電機器をON制御させる制御信号を送信させる。
【0011】
上記態様により、前記電子錠の開錠が前記時間帯の範囲内である場合に、前記家屋の家電機器をON制御させる。
【0012】
これにより、例えば、前記携帯端末のユーザの行動パターンとして、例えば、自転車の電子錠の開錠、アパートメントの正面玄関の電子錠の開錠などの電子錠の開錠という行為に続いて、例えば、エアコンの電源のON制御などの前記家屋の家電機器をON制御させる場合、前記電子錠の開錠という機器制御を契機に、前記ユーザの他の操作を介在することなく、前記家屋の家電機器をON制御させる。
【0013】
そのため、前記電子錠の開錠という1つの機器制御に、例えば、これに続いて発生する可能性の高い次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御の起動指示を兼用させるので、前記ユーザによる1つの操作で2つの機器制御を実現できる。その結果、前記携帯端末に2つの各々の機器制御を要求することなく、その分、前記携帯端末から前記家屋の家電機器を遠隔操作する際の機器の処理負担を軽減しつつ、所望の2つの機器制御を実現できる。
【0014】
上記態様において、例えば、前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を施錠させ、前記開錠のための前記電子的な信号の送出時刻から前記施錠のための前記電子的な信号の送出時刻までの時間が所定時間を超えた場合、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させてもよい。
【0015】
上記態様では、前記開錠のための前記電子的な信号の送出時刻から前記施錠のための前記電子的な信号の送出時刻までの時間が所定時間を超えた場合、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させる。
【0016】
これにより、前記開錠のための前記電子的な信号の送出時刻から前記施錠のための前記電子的な信号の送出時刻までの時間が所定時間を超えた場合には、前記電子錠の開錠という機器制御に続いて次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御が発生する可能性は低いと判断する。
【0017】
そのため、前記電子錠の開錠という機器制御に関連付けて、次の制御である前記家屋の家電機器をON制御する場合であっても、その可能性が低いと判断される場合には、事後的に前記ON制御を取り消すので、1つの指示により所望の2つの機器制御を実現しつつも、無駄に前記家屋の家電機器がON制御されるのを防止できる。
【0018】
また、無駄に前記家屋の家電機器がON制御されるのを防止することにより、1つの指示により所望の2つの機器制御を実現しつつも、前記家屋の家電機器による無駄な電力消費を軽減できる。
【0019】
上記態様において、例えば、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる制御信号を送信させてもよい。
【0020】
本態様によると、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる。即ち、一旦前記家屋の家電機器のON制御を取り消した場合であっても、再度の前記電子錠を開錠により前記家屋内の家電機器のON制御を再開する。
【0021】
これにより、前記電子錠の開錠という1つの機器制御に、例えば、これに続いて発生する可能性の高い次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御の起動指示を兼用させるので、前記ユーザによる1つの操作で2の機器制御を実現できる。
【0022】
そのため、前記携帯端末に2つの各々の機器制御を要求することなく、その分、前記携帯端末から前記家屋の家電機器を遠隔操作する際の機器の処理負担を軽減しつつ、所望の2つの機器制御を実現できる。
【0023】
上記態様において、例えば、前記携帯端末は、前記家屋の位置情報を登録し、衛星を用いた測位システムにより前記携帯端末の位置情報を検知する位置検知機能を有し、前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を施錠させ、前記施錠のための前記電子的な信号の送出から所定時間内に前記位置検知機能を起動させて前記携帯端末の位置情報を検知させ、前記携帯端末の位置情報および前記家屋の位置情報に基づいて、前記携帯端末の位置が前記家屋から所定距離外にあると判断された場合、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させてもよい。
【0024】
上記態様によると、前記携帯端末は、前記家屋の位置情報を登録し、前記施錠のための前記電子的な信号の送出から所定時間内に前記位置検知機能を起動させて前記携帯端末の位置情報を検知させ、前記携帯端末の位置が前記家屋から所定距離外にある場合、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる。
【0025】
これにより、前記家屋の家電機器のON制御をした後であっても、前記携帯端末の位置が前記家屋から所定距離外にある場合には、前記電子錠の開錠という機器制御に続いて次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御が発生する可能性は低いと判断する。
【0026】
そのため、前記電子錠の開錠という機器制御に関連付けて、次の制御である前記家屋の家電機器をON制御する場合であっても、その可能性が低いと判断される場合には、事後的に前記ON制御を取り消すので、一つの機器制御の指示により所望の2つの機器制御を実現しつつも、無駄に前記家屋の家電機器がON制御されるのを防止できる。
【0027】
また、無駄に前記家屋の家電機器がON制御されるのを防止することにより、一つの機器制御の指示により所望の2つの機器制御を実現しつつも、前記家屋の家電機器による無駄な電力消費を軽減できる。
【0028】
上記態様において、例えば、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる制御信号を送信させてもよい。
【0029】
本態様によると、前記家屋内の家電機器をOFF制御させる制御信号を送信させた後に前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる。即ち、一旦前記家屋の家電機器のON制御を取り消した場合であっても、再度の前記電子錠の開錠により前記家屋内の家電機器のON制御を再開する。
【0030】
これにより、前記電子錠の開錠という1つの機器制御に、例えば、これに続いて発生する可能性の高い次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御の起動指示を兼用させるので、前記ユーザによる1つの操作で2の機器制御を実現できる。
【0031】
そのため、前記携帯端末に2つの各々の機器制御を要求することなく、その分、前記携帯端末から前記家屋の家電機器を遠隔操作する際の機器の処理負担を軽減しつつ、所望の2つの機器制御を実現できる。
【0032】
上記態様において、例えば、前記ネットワークを介して前記情報通信システムから、前記家屋内の家電機器をON制御させた旨の応答信号を検知すると、前記携帯端末のディスプレイに、前記家屋内の家電機器をON制御させた旨を示す情報を表示させてもよい。
【0033】
上記態様において、例えば、前記携帯端末の前記ディスプレイに表示されたユーザインターフェースを介して、前記家屋内の家電機器のON制御の取り消しを受け付けた場合、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋内の家電機器のON制御を取り消す旨の制御信号を送信させてもよい。
【0034】
上記態様において、例えば、前記携帯端末の前記ディスプレイに表示されたユーザインターフェースを介して、前記家屋内の家電機器をON制御させる時間帯を示す情報を受付け、前記携帯端末に設けられたメモリに、前記家屋内の家電機器をON制御させる時間帯を示す情報を格納して管理してもよい。
【0035】
上記態様において、例えば、前記電子錠は、自転車に備えられているようにしてもよい。
【0036】
上記態様において、例えば、前記家屋内の家電機器は、前記家屋内の浴槽へ給水する給湯器であって、前記制御信号は、前記給湯器から前記浴槽への給水を記情報通信システムに指示する信号としてもよい。
【0037】
上記態様において、例えば、前記制御信号は、前記給水される水の設定温度を示す情報を含むようにしてもよい。
【0038】
上記態様において、例えば、前記制御信号は、前記給湯器が浴槽へ給水を開始する時間を示す情報を含むようにしてもよい。
【0039】
上記態様において、例えば、前記家屋内の家電機器は、前記家屋内の少なくとも一の部屋の温度を調整する空気調和機であって、前記制御信号は、前記空気調和機が前記一の部屋の温度を所定温度へ調整する指示を示す信号としてもよい。
【0040】
上記態様において、例えば、前記制御信号は、前記空気調和機が前記一の部屋の温度の調整を開始する時間を示す情報を含むようにしてもよい。
【0041】
上記態様において、例えば、前記家屋内の家電機器は、加熱制御によって調理を行う加熱調理器であって、前記制御信号は、前記加熱調理器が前記加熱制御による調理の開始を指示する信号としてもよい。
【0042】
上記態様において、例えば、前記制御信号は、前記加熱調理器が前記加熱制御による調理を開始する時間を示す情報を含むようにしてもよい。
【0043】
上記態様において、例えば、前記加熱調理器は炊飯器であってもよい。
【0044】
上記態様において、例えば、前記加熱調理器はマイクロ波発生手段を備えてもよい。
【0045】
上記態様において、例えば、前記加熱調理器は、蒸気発生手段を備えた蒸気調理器であってもよい。
【0046】
また、他の態様において、ネットワークを介して家屋内の家電機器を遠隔制御する情報通信システムに用いられる携帯端末を制御するプログラムは、電子的な信号の検知により施錠/開錠制御をする電子錠に対して前記電子的な信号を送出させるプログラムを実行する前記携帯端末のコンピュータに対して、前記家屋内の家電機器をON制御させる時間帯を示す情報を管理させ、前記プログラムの実行に基づく前記電子的な信号の送出により前記電子錠を開錠させ、前記電子的な信号の送出時刻が前記時間帯の範囲内か否かを判断させ、前記電子的な信号の送出時刻が前記時間帯の範囲内であると判断されると、前記ネットワークを介して前記情報通信システムに対して、前記家屋の家電機器をON制御させる制御信号を送信させる。
【0047】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0048】
まず、本実施の形態における情報管理システムが提供するサービスの全体像について説明する。
【0049】
図66(A)は、本実施の形態における情報管理システムが提供するサービスの全体像を示す図である。情報管理システムは、グループ1000、データセンタ運営会社1010及びサービスプロバイダ1020を備える。
【0050】
グループ1000は、例えば企業、団体又は家庭等であり、その規模を問わない。グループ1000は、第1の機器及び第2の機器を含む複数の機器1001及びホームゲートウェイ1002を備える。複数の機器1001は、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)又はテレビ等)、及びそれ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明、洗濯機又は冷蔵庫等)を含む。複数の機器1001は、それ自身ではインターネットと接続不可能であっても、ホームゲートウェイ1002を介してインターネットと接続可能となる機器を含んでもよい。また、ユーザ10000は、グループ1000内の複数の機器1001を使用する。
【0051】
データセンタ運営会社1010は、クラウドサーバ1011を備える。クラウドサーバ1011は、インターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ1011は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社1010は、データの管理、クラウドサーバ1011の管理、及びそれらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社1010が行っている役務の詳細については後述する。
【0052】
ここで、データセンタ運営会社1010は、データの管理又はクラウドサーバ1011の管理のみを行っている会社に限らない。例えば、
図66(B)に示すように、複数の機器1001のうちの一つの機器を開発又は製造している機器メーカが、データの管理又はクラウドサーバ1011の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社1010に該当する。また、データセンタ運営会社1010は一つの会社に限らない。例えば、
図66(C)に示すように、機器メーカ及び管理会社が共同又は分担してデータの管理又はクラウドサーバ1011の管理を行っている場合は、両者又はいずれか一方がデータセンタ運営会社1010に該当する。
【0053】
サービスプロバイダ1020は、サーバ1021を備える。ここで言うサーバ1021とは、その規模は問わず、例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダ1020がサーバ1021を備えていない場合もある。
【0054】
なお、上記の情報管理システムにおいて、ホームゲートウェイ1002は必須ではない。例えば、クラウドサーバ1011が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ1002は不要となる。また、家庭内の全ての機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
【0055】
次に、上記の情報管理システムにおける情報の流れを説明する。
【0056】
まず、グループ1000の第1の機器又は第2の機器は、各ログ情報をデータセンタ運営会社1010のクラウドサーバ1011にそれぞれ送信する。クラウドサーバ1011は、第1の機器又は第2の機器のログ情報を集積する(
図66(A)の矢印(a))。ここで、ログ情報とは、複数の機器1001の例えば運転状況又は動作日時等を示す情報である。例えば、ログ情報は、テレビの視聴履歴、レコーダーの録画予約情報、洗濯機の運転日時、洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時、又は冷蔵庫の開閉回数などを含むが、これらの情報に限らず、種々の機器から取得が可能な種々の情報を含んでもよい。なお、ログ情報は、インターネットを介して複数の機器1001自体から直接クラウドサーバ1011に提供されてもよい。また、ログ情報は、複数の機器1001から一旦ホームゲートウェイ1002に集積され、ホームゲートウェイ1002からクラウドサーバ1011に提供されてもよい。
【0057】
次に、データセンタ運営会社1010のクラウドサーバ1011は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ1020に提供する。ここで、一定の単位とは、データセンタ運営会社1010が集積した情報を整理してサービスプロバイダ1020に提供することの出来る単位でもよいし、サービスプロバイダ1020が要求する単位でもよい。また、一定の単位で提供するとしているが、一定の単位でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化してもよい。ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ1020が保有するサーバ1021に保存される(
図66(A)の矢印(b))。
【0058】
そして、サービスプロバイダ1020は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。情報が提供されるユーザは、複数の機器1001を使用するユーザ10000でもよいし、外部のユーザ20000でもよい。ユーザ10000,20000への情報提供方法としては、例えば、サービスプロバイダ1020から直接ユーザ10000,2000へ情報が提供されてもよい(
図66(A)の矢印(e),(f))。また、ユーザ10000への情報提供方法としては、例えば、データセンタ運営会社1010のクラウドサーバ1011を再度経由して、ユーザ10000に情報が提供されてもよい(
図66(A)の矢印(c),(d))。また、データセンタ運営会社1010のクラウドサーバ1011は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ1020に提供してもよい。
【0059】
なお、ユーザ10000は、ユーザ20000と異なっていても同一であってもよい。
【0060】
1.実施の形態1
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10について図面を参照しながら説明する。
【0061】
1.1 家電制御システム10の全体構成
図1は、本発明に係る家電制御システム10の全体構成を示す図である。家電制御システム10は、ネットワーク40、サーバ100、携帯端末200、電子錠300、家電機器400、家電機器500、家電機器600を備える。
【0062】
図1では、家屋20において家電機器400、家電機器500、家電機器600のみを図示しているが、本発明は特にこれに限定されず、家屋20は、4つ以上の家電機器を備えていてもよく、2つ以下の家電機器を備えていてもよい。携帯端末200、家電機器400、500、600は、それぞれネットワーク40を介してクラウドサーバ100と通信可能に接続される。ネットワーク40は、例えばインターネットであってもよい。
【0063】
本発明の実施の形態の説明では、次のようなストーリーを想定して説明をする。
【0064】
自転車30のユーザは、ユーザの自宅である家屋20の最寄り駅付近の駐輪場で自転車30が備える電子錠300を開錠し、自宅へ帰宅すべく自転車30に乗って家屋20へ向かい、家屋20に到着すると電子錠300を施錠する。電子錠300の開錠/施錠制御は、携帯端末200が備えるアプリを用いて行う。当該アプリが携帯端末200に電子錠300との間で近接通信を行わせることによって、電子錠300の開錠/施錠制御を行う。また、本実施の形態の説明において、電子錠300が開錠/施錠制御された旨の情報をサーバ100へ通知する動作が説明されているが、電子錠300はネットワーク40に接続されておらず、ネットワーク40に接続された携帯端末200が、電子錠300が開錠/施錠制御された旨の情報をサーバ100へ通知する。サーバ100は、携帯端末200からの開錠/施錠制御された旨の情報を受け、日々の家電制御のパターンを基に家電機器を制御する。
【0065】
1.2 サーバ100の構成
図2は、家電制御システム10におけるサーバ100の構成を示すブロック図である。サーバ100は、収集部101、分析部102、設定部103、タイマー104、通信部105、所有家電データベース106、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109を備える。また、収集部101、分析部102、タイマー104、設定部103は、サーバ100内のコントローラ1がこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。また、所有家電データベース106、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109について、サーバ100内のメモリ2がこれらを備えるとしていてもよい。
【0066】
なお、図面においては「データベース」を「DB」と表記している。
【0067】
1.2.1 通信部105
通信部105は、携帯端末200から、家電機器400、500、または600の制御を開始する家電制御開始通知と、家電機器400、500、または600の制御を中断する家電機器制御中断通知と、家電機器400、500、600の制御を再開する家電機器制御再開通知とを受信する。また、家電機器400〜600から、家電機器400〜600の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とを受信する。また、携帯端末200へ時間ファイルを送信する。また、家電機器400〜600へON/OFF制御の制御信号を送信する。
【0068】
1.2.2 収集部101
収集部101は、通信部105を介して携帯端末200および家電機器400〜600から受信した、電子錠300および家電機器400〜600の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とを収集し、収集した情報を日別家電制御ファイルとして日別家電制御データベース107に格納する。また、収集した情報に基づいて家電機器400〜600の運転状態に変化が生じていると判断した場合、所有家電データベース106内の所有家電ファイルの該当する家電機器の運転状態を変更する。
【0069】
所有家電ファイルおよび日別家電制御ファイルについては、それぞれ1.2.6、1.2.7にて詳細を説明する。ここでは、日別家電制御ファイルに記録する運転状態の変化、所有家電ファイルに記録する家電機器の運転状態について説明する。日別家電制御ファイルに記録する運転状態の変化、所有家電ファイルに記録する家電機器には、家電機器毎に次の運転状態がある。電子錠300には、施錠/開錠の運転状態があり、家電機器400〜600には、それぞれの家電機器のON/OFF/COMPLETEの運転状態がある。電子錠300の運転状態は、所有家電ファイルには記録せず、日別家電制御ファイルのみに記録する。電子錠300について、施錠の運転状態とは、電子錠300が施錠された状態、開錠の運転状態とは、電子錠が開錠された状態である。また、家電機器400〜600について、ONの運転状態とは家電機器がON制御された状態であり、OFFの運転状態とは家電機器がOFF制御された状態である。さらに、COMPLETEの運転状態とは、家電機器がON制御された後、設定状態に達した状態である。COMPLETEの運転状態について、以下に例を用いて説明する。例えば、家電機器が家屋内の浴槽へ温水を供給する給湯器であって、当該給湯器が所定温度の温水を浴槽の所定水位まで供給する指示を受け付けた場合、給湯器は浴槽への温水の供給を開始し、供給される温水が所定水位及び所定温度に達するまで温水の供給を続ける。このとき、給湯器の運転状態は、給湯器が浴槽への温水の供給を開始したときにOFFの運転状態からONの運転状態へと変化し、供給される温水が所定水位及び所定温度に達したときにONの運転状態からCOMPLETEの運転状態へと変化する。
【0070】
1.2.3 分析部102
分析部102は、日別家電制御データベース107内の日別家電制御ファイルに記録された運転状態が変化した時刻を示す情報および変化後の運転状態を示す情報に基づいて、ユーザの生活パターンを分析する。分析した生活パターンを生活パターンファイルに記録して生活パターンデータベースに格納する。
【0071】
生活パターンの分析については、1.6.1にて詳細を説明する。
【0072】
1.2.4 設定部103
設定部103は、通信部105を介して携帯端末200から受信した家電制御開始通知に基づいて、家電機器をON制御する制御信号を家電機器400〜600へ送信する。制御開始時間になると、家電機器400〜600へON制御の信号を送信し家電制御を行う。また、通信部105を介して携帯端末200から受信した家電制御中断通知に基づいて、家電機器をOFF制御する制御信号を家電機器400〜600へ送信する。また、通信部105を介して通信部10携帯端末200から受信した家電制御再開通知に基づいて、家電機器400〜600へON制御の制御信号を送信する。
【0073】
1.2.5 タイマー104
タイマー104は、収集部101が携帯端末200や家電機器400〜600の運転状態の変化と変化が起きた時刻とを収集するために用いる。また、抽出部110が、生活パターンファイルを抽出する際、現在時刻を取得するために用いる。そして、設定部103が、時刻を取得するために用いる。なお、運転状態の変化が起きた時刻は、携帯端末200および家電機器400〜600から送られてきてもよい。
【0074】
1.2.6 所有家電データベース106
所有家電データベース106は、家屋20が備える家電機器の種別とその運転状態とを示す所有家電ファイルを格納する。
図7に所有家電ファイルの一例を示す。これは、エアコン1が稼動中であり、給湯器によって浴槽の所定水位まで所定温度の温水供給が完了している状態であり、エアコン2および炊飯器は稼動していない状態を示している。
【0075】
1.2.7 日別家電制御データベース107
日別家電制御データベース107は、家電機器毎にON、OFF、およびCOMPLETEの運転状態になった時刻とそれらの運転状態とを記録して日別に管理する日別家電制御ファイルを格納する。即ち、各家電機器の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とを記録して日別に管理する。日別家電制御ファイルは、分析部102が生活パターンファイルを作成する際に参照される。
図8に日別家電制御ファイルの一例を示す。これは、2013年2月21日木曜日において、電子錠が開錠されてから炊飯器でご飯が炊き上がるまでの各家電機器における運転状態の変化を示している。詳細には、18:35に電子錠が開錠され、18:50に電子錠が施錠され、18:52に照明1がON制御され、18:55にエアコン1がON制御され、18:55に給湯器がON制御されて浴槽への給湯を開始し、19:10に炊飯器がON制御されていることを示しており、さらに、19:15にエアコン1および給湯器が設定状態に達し、19:55に炊飯器が設定状態に達していることを示している。また、給湯器が設定状態に達した直後、19:18に照明2がON制御されたことを示している。
【0076】
1.2.8 帰宅時間データベース108
帰宅時間データベース108は、家電制御システム10による家電制御の開始を許可する時刻を示す制御許可帰宅時間と、電子錠300が開錠制御された時刻および施錠制御された時刻に基づいて算出された、ユーザが帰宅に要する時間を示す帰宅所要時間とを記録した時間ファイルを格納する。家電制御システム10において、制御許可帰宅時間が示す時刻以降であれば、家電制御の開始は許可されるが、制御許可帰宅時間が示す時刻以前であれば、家電制御の開始は許可されない。即ち、制御許可帰宅時間は、家電制御システム10における家電制御開始の許可/不許可を決定する時刻の境目である。
図9に時間ファイルの一例を示す。これは、制御許可帰宅時間が18:25、帰宅所要時間が15分であることを示している。つまり、18:25以降であれば、家電制御システム10において家電制御の開始が許可される。
【0077】
1.2.9 生活パターンデータベース109
生活パターンデータベース109は、日別家電制御データベース107内の日別家電制御ファイルから、頻度の高い生活パターンとして、家電機器がON制御される順番と時間差を分析し、帰宅時間別に複数の生活パターンファイルを格納する。頻度の高いパターンとは、各家電機器がON制御されてからCOMPLETEの状態になるまでの所要時間(COMPLETE所要時間)を算出し、帰宅時間帯、家電制御開始の順番および電子錠300を開錠してからの時間をパターンとして記録したものである。
【0078】
そして、生活パターンデータベース109とは異なり、パターン生成後、生活パターンファイルは携帯端末200へ送信される。生活パターンファイルの例を
図10に示す。これは、生活パターンデータベース109において、単数のみの生活パターンファイルを持つ例である。帰宅時間が18:25以降であれば家電制御開始をする場合を示しており、COMPLETEまで20分かかるエアコンと給湯器を、開錠通知があった際にON制御する。また、COMPLETEまで45分かかる炊飯器を、15分後にON制御する。
【0079】
なお、例えば、帰宅時間が18:25から19:00までの間であるなど、帰宅時間に範囲を設定してもよい。
【0080】
1.3 携帯端末200
図3は、家電制御システム10における携帯端末200の構成を示すブロック図である。携帯端末200は、電子錠制御部201、近接通信部203、タイマー205、制御時間データベース206、通信部204、サーバ通知部202、生活パターンデータベース207を備える。また、電子錠制御部201、近接通信部203、タイマー205、サーバ通知部202は、携帯端末200内のコントローラ3がこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。
図5は、携帯端末200のソフトウェア構成を示すブロック図である。携帯端末200は、メモリ、OS、鍵アプリ、家電制御アプリを有する。鍵アプリは、電子錠300の開錠/施錠制御を行うアプリケーションである。家電制御アプリは、携帯端末200に家電機器400〜600の制御信号を送出させるためのアプリケーションである。携帯端末200は、鍵アプリを起動して電子錠300の開錠/施錠制御を行い、電子錠300から開錠/施錠制御の完了通知を受信する。家電制御アプリは、鍵アプリが電子錠300から受信した開錠/施錠の完了通知に基づいて、携帯端末200にサーバ100への家電制御開始通知を送信させる。
【0081】
なお、鍵アプリおよび家電制御アプリは、同一のアプリケーションによって実装されていてもよいし、OSに組み込まれていてもよい。
【0082】
1.3.1 電子錠制御部201
電子錠制御部201は、近接通信部203を介して電子錠300へ制御信号を送信することで、電子錠300の開錠および施錠を制御する。そして、近接通信部203を介して、電子錠300から開錠および施錠の完了通知を受信する。さらに、開錠および施錠の完了通知を受信すると、開錠および施錠の状態が変化したとみなし、電子錠300の運転状態をサーバ通知部202へ出力する。
【0083】
1.3.2 サーバ通知部202
サーバ通知部202は、通信部204を介してサーバ100から受信した時間ファイルおよび生活パターンファイルを、それぞれ制御時間データベース206、生活パターンデータベース207へ格納する。また、通信部105を介して電子錠300から開錠制御の完了通知を受信した場合、制御時間データベース206内の時間ファイルの制御許可帰宅時間を参照し、通信部204にサーバ100への家電制御開始通知を送信させるか否かを判断する。開錠制御の完了通知を受信した時刻が制御許可帰宅時間以降である場合、生活パターンファイル内の制御対象機器と制御開始時間に基づいて、通信部204に家電制御開始通知をサーバ100へ送信させる。制御許可帰宅時間以降に開錠制御の完了通知を受信した場合、開錠制御の完了通知を受信した時刻からの開錠されてからの時間の計測を開始し、経過時間が帰宅所要時間に達したか否かを確認し、家電制御を中断するか否かを判断する。同時に、電子錠300が施錠されたか否かの状態を確認し、家電制御を中断するか否かを判断する。そして、家電制御開始通知、家電制御中断通知、家電制御再開の通知を、通信部204を介してサーバ100へ送信する。
【0084】
1.3.3 近接通信部203
近接通信部203は、電子錠制御部201から入力された開錠または施錠の制御信号を電子錠300へ送信する。また、電子錠300から開錠または施錠の完了通知を受信する。
【0085】
1.3.4 通信部204
通信部204は、サーバ100へ家電機器400、500、または600の制御を開始する家電制御開始通知と、家電機器400、500、または600の制御を中断する家電機器制御中断通知と、家電機器400、500、600の制御を再開する家電機器制御再開通知とを送信する。また、サーバ100から時間ファイルを受信する。
【0086】
1.3.5 タイマー205
タイマー205は、電子錠300の運転状態が変化した時刻を取得するために用いられる。また、家電制御の中断および再開の際、電子錠300が開錠されてからの経過時間を計測するために各部が用いる。
【0087】
1.3.6 制御時間データベース206
制御時間データベース206は、通信部204を介してサーバ100から受信した、制御許可帰宅時間を示す情報と帰宅所要時間を示す情報とを記録した時間ファイルを格納し、電子錠300が開錠された際および施錠された際、サーバ通知部202が参照する。制御時間データベース206内の時間ファイルは、
図9に示した帰宅時間データベース108内の時間ファイルと同様のデータ構成を有するため、説明は省略する。なお、電子錠300が開錠されてからの時間を計測するのは、サーバ100であってもよい。例えば、サーバ100が鍵の状態を管理し、電子錠300が開錠された時点からの時間を計測し、計測時間が帰宅所要時間を過ぎると家電制御を中断するか否かを判断する。さらにこのとき、家電機器制御中断の通知を、携帯端末200へ送り、ユーザに表示し確認を取ってもよい。
【0088】
1.3.7 生活パターンデータベース207
生活パターンデータベース207は、通信部204を介してサーバ100から受信した生活パターンファイルを格納する。
【0089】
1.4 電子錠300
図4は、家電制御システム10における電子錠300の構成を示すブロック図である。電子錠300は、判断部301、鍵制御部302、近接通信部303、鍵状態データベース304を備える。また、判断部301、鍵制御部302は、電子錠300内のコントローラ4がこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。
【0090】
1.4.1 判断部301
判断部301は、近接通信部303を介して携帯端末200から受信した制御信号が電子鍵300の開錠/施錠制御のいずれを示しているか判断する。携帯端末200から受信した制御信号が示す制御内容に基づいて、開錠または施錠の指示を示す信号を鍵制御部302へ出力する。鍵制御部302から開錠または施錠の制御の完了通知が入力された場合、近接通信部303を介して携帯端末200へ開錠/施錠の完了通知を送信する。
【0091】
1.4.2 鍵制御部302
鍵制御部302は、判断部301から入力された信号が開錠の指示を示す信号であれば電子錠300を開錠し、鍵状態データベース304の鍵の運転状態を開錠の運転状態へ変更する。また、判断部301から入力された信号が施錠の指示を示す信号であれば電子錠300を施錠し、鍵状態データベースの鍵の運転状態を施錠の運転状態へ変更する。また、電子錠300の制御が完了した場合、開錠または施錠の完了通知を判断部301へ出力する。
【0092】
1.4.3 近接通信部303
近接通信部303は、携帯端末200から開錠または施錠の制御信号を受信する。また、携帯端末200へ開錠または施錠の完了通知を送信する。
【0093】
1.4.4 鍵状態データベース304
鍵状態データベース304は、開錠および施錠の運転状態を記憶した鍵状態ファイルを格納する。
図11は鍵状態データベース304内の鍵状態ファイルの一例を示す図である。これは、電子錠300が施錠さの運転状態であることを示している。
【0094】
1.5 家電機器400
図6は、家電制御システム10における家電機器400の構成を示すブロック図である。家電機器500、600については、家電機器400と同じ構成のため、説明は省略する。家電機器400は、家電制御部401、サーバ通知部402、通信部403、タイマー404、状態データベース405を備える。また、家電制御部401、サーバ通知部402、タイマー404は、家電機器400内のコントローラ5がこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。
【0095】
1.5.1 家電制御部401
家電制御部401は、家電機器400がON、OFF、そしてCOMPLETEの運転状態になるたびに、ON、OFF、COMPLETEの運転状態とその運転状態になった時刻とを、家電機器名と共にサーバ通知部402へ出力する。即ち、家電機器400の運転状態が変化した時刻を示す情報及び変化後の運転状態を示す情報を、家電機器400の家電機器名と共にサーバ通知部402へ出力する。同時に、家電機器400の運転状態を状態ファイルに記録しして状態データベース405へ格納する。また、家電制御部401は、サーバ100による家電制御時、サーバ100からのON制御通知を受信し稼動を始め、状態データベース405内の状態ファイルの状態をONに変更する。そして、中断通知を受信すると、稼動を中断し、状態データベース405内の状態ファイルに記録された家電機器400の運転状態をOFFに変更する。さらに、再開通知を受信すると、運転を再開し状態データベース405内の状態ファイルに記録された家電機器400の運転状態をONの運転状態に変更する。なお、家電制御部401は、状態が変化するたびに、変化後の状態をサーバ通知部402へ出力する。
【0096】
1.5.2 サーバ通知部402
サーバ通知部402は、通信部403を介して、家電制御部401から入力された家電機器400の運転状態が変化した後の運転状態を、通信部403を介してサーバ100へ送信する。
【0097】
1.5.3 通信部403
通信部403は、家電機器400の運転状態が変化した時刻を示す情報及び変化後の運転状態を示す情報をサーバ100へ送信する。また、ON制御通知、OFF制御通知をサーバ100から受信する。
【0098】
1.5.4 タイマー404
タイマー404は、家電機器400の運転状態が変化した時刻を示す情報を、家電制御部401が取得するために用いる。
【0099】
1.5.5 状態データベース405
状態データベース405は、家電機器400の、家電機器名、運転状態ON/OFF/COMPLETE、現在状態、および設定状態を記録した状態ファイルを格納する。
図12、13はそれぞれ、状態データベース405内の状態ファイルの一例を示す図である。
図12は、家電機器400が給湯器である場合の状態ファイルの一例を示している。これは、運転状態がONの運転状態であって、現在状態は、浴槽に水温30度の水が100リットル入っている状態であり、設定状態は、浴槽に水温39度の水が160リットル入った状態であることを示している。このとき、現在状態が設定状態に到達した場合、家電機器400の運転状態はCOMPLETEの運転状態へ遷移する。
図13は、家電機器400がエアコンである場合の状態ファイルの一例を示している。これは、運転状態がONの運転状態であって、現在状態は、室温が8℃である。暖房、冷房など現在の運転の設定を示すフラグが立ててあり、設定状態は暖房を示している。運転モードが暖房、室温が20℃、風量が強、風向が自動風向であることを示している。ことのき、現在状態の示す室温が、設定状態の示す室温に到達した場合、家電機器400の運転状態はCOMPLETEの運転状態へ遷移する。
【0100】
1.6 家電制御システム10の動作
家電制御システム10の動作には、2つの動作がある。パターン生成と生成したパターンに基づく家電制御である。パターン生成とは、日々のユーザの家電機器のON制御およびOFF制御からユーザの生活パターンを分析し、サーバの生活パターンデータベースに生活パターンを記録することである。生成したパターンに基づく家電制御とは、分析した生活パターンに基づき、サーバが家電機器を制御することである。
【0101】
以下で、2つの動作について図面を参照しながら説明する。
【0102】
1.6.1 パターン生成
家電制御システム10のパターン生成の動作について、概要を説明する。
【0103】
サーバ100における分析部102は、日別家電制御データベース107内の日別家電制御ファイルに記録された運転状態が変化した時刻を示す情報及び変化後の運転状態を示す情報に基づいて以下の分析及び算出を行う。分析部102が行う分析及び算出は、ユーザが帰宅した後に当該ユーザによって家屋20内の各家電機器がON制御された順番とその時間差の分析、各家電機器がON制御されてからCOMPLETEの運転状態になるまでに要した時間(COMPLETE所要時間)の算出、ユーザの帰宅時間帯、家電制御開始の順番および電子錠が開錠されてから再び施錠されるまでに要した時間の分析である。
【0104】
電子錠300が開錠されてから施錠されるまでの時刻の差から、帰宅に必要な時間(以下、帰宅所要時間)を算出し、さらに、日別家電制御データベース107内の日々の電子錠300の施錠の時刻を帰宅時間とみなし、頻度の高い帰宅時間帯を分析する。そして、制御許可帰宅時間と帰宅所要時間とを時間ファイルとして帰宅時間データベース108に格納する。同時に、帰宅時間データベース108内の時間ファイルを、携帯端末200へ送信する。計算方法の例を、
図8に示す家電制御の履歴に基づいて説明する。例えば、2013年2月21日木曜日のデータにおいて、電子錠の開錠が18:35、施錠が18:50、照明1のONが18:52、という順に制御されているとする。照明1のONを帰宅とみなし、直近の施錠を自宅の駐輪場での施錠、その前の開錠を最寄り駅付近の駐輪場での開錠とみなす。そして、帰宅所要時間15分を算出する。
【0105】
また、各家電機器がON制御/OFF制御される時刻および設定状態に達した時間のパターンを分析する。分析した結果、頻度の高い帰宅時間帯と頻度の高い家電機器がON制御される時間とを組み合わせ、頻度の高い生活パターンを1日の生活パターンとして組み立てる。そして、制御許可帰宅時間以降の帰宅時間帯を細かく分け、帰宅時間帯と併せて頻度別に1日の制御パターンを組み立てたデータを生活パターンファイルとして、生活パターンデータベース109に格納する。
【0106】
生活パターンの分析は、ある一定の日数の日別家電制御ファイルが集まったのちに行うとしてもよい。例えば、一週間の日別家電制御ファイルが集まった時点で、生活パターンを分析する。
【0107】
次に、前述のストーリーに基づいて、家電制御システム10のパターン生成の動作について、ユーザの帰宅前、ユーザの帰宅後に行われる動作を、それぞれ図を用いて説明する。
【0108】
図14は、家電制御システム10のユーザ帰宅前に係るパターン生成処理のシーケンスを示すシーケンス図である。
【0109】
電子錠300と携帯端末200との間で開錠処理が行われる(S1001)。電子錠300が開錠された場合、携帯端末200は開錠通知をサーバ100へ送信する(S1002)。
【0110】
サーバ100は、携帯端末200から開錠通知があったか否かを確認する(S1003)。ここで、携帯端末200からサーバ100へ送信される通知データの例を
図25に示す。
図25(a)は、携帯端末200からサーバ100へ送信される通知に係るデータ構成の一般例を示す図であり、
図25(b)は、データ構成の一例を示す図であり、ここでは電子錠300が開錠された場合に通知されるデータを示している。携帯端末200からサーバ100へ送信される通知データは、家電機器名、通知の種類、時刻を示す情報を有する。例えば、18:35に電子錠300が開錠された場合、家電機器名に「電子錠」、通知の種類に「開錠」、時刻に「18:35」が入る。
【0111】
サーバ100は、携帯端末200から開錠通知を受信していない場合(S1003のN)、再び開錠通知があったか否かを確認する。サーバ100は、携帯端末200からの開錠通知を受信した場合(S1003のY)、ファイル書き込み処理を行う(S1004)。ファイル書き込み処理とは、日別家電制御データベース内の日別家電制御ファイルに家電機器の運転状態が変化した時刻を示す情報及び変化後の運転状態を示す情報を書き込む処理である。ファイル書き込み処理の詳細は後述する。
【0112】
次に、施錠処理について説明する。電子錠300と携帯端末200との間で施錠処理が行われる(S1005)。電子錠300が施錠された場合、携帯端末200は施錠通知をサーバ100へ送信する(S1006)。
【0113】
サーバ100は、携帯端末200から施錠通知があったか否かを確認する(S1007)。
【0114】
サーバ100は、携帯端末200からの施錠通知を受信していない場合(S1007のN)、再び施錠通知があったか否かを確認する。サーバ100は、携帯端末200から施錠通知を受信した場合(S1007のY)、ファイル書き込み処理を行う(S1008)。
【0115】
ここで、開錠/施錠処理について、
図15に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0116】
携帯端末200は、鍵アプリを起動する(S1101)。開錠/施錠の信号を電子錠300へ送信する(S1102)。
【0117】
電子錠300は、開錠/施錠信号を受信したか否かを確認し(S1103)、信号を受信していない場合(S1103のN)、再び信号を受信したか否かを確認する。開錠/施錠信号を受信した場合(S1103のY)、受信した信号が開錠または施錠のどちらの制御を示しているかを判断する(S1104)。受信した信号が開錠制御を示している場合(S1104の開錠)、電子錠300は開錠される(S1105)。信号が施錠制御を示している場合(S1105の施錠)、電子錠300は施錠される(S1106)。電子錠300が開錠または施錠された場合、それぞれ鍵状態データベース内の鍵状態ファイルの運転状態を開錠または施錠に変更する(S1107)。その後、開錠/施錠の完了通知が電子錠300から携帯端末200へ送信される(S1108)。携帯端末200は、開錠/施錠の完了通知を受信し、電子錠300の開錠/施錠が完了したことを認識する(S1109)。電子錠300の開錠/施錠された場合、開錠/施錠が完了したことを携帯端末200に表示してもよい。携帯端末200での表示例を
図30(a)に示す。例えば、電子錠300が施錠された際、「電子錠が施錠されました。」と表示され、ユーザがOKボタンを押すことで確認をとる。
【0118】
ここで、ファイル書き込み処理について、
図16に示すフローチャートを用いて説明する。
【0119】
サーバ100は、一日の終了条件を満たしたか否かを確認する(S1201)。一日の終了条件を満たしている場合(S1201のY)、その日一日の日別家電制御ファイルの作成を終了する(S1202)。そして、日別家電制御データベースに本日の日別家電制御ファイルを作成する(S1104)。一日の終了条件を満たしていない場合(S1101のN)、本日分の日別家電制御ファイルが日別家電制御データベースにあるか否かを確認する(S1203)。本日分の日別家電制御ファイルがない場合(S1203のN)、日別家電制御データベース内に本日の日別家電制御ファイルを作成する(S1204)。本日分の日別家電制御ファイルがある場合(S1203のY)、および、日別家電制御データベース内に本日分の日別家電制御ファイルを作成した後、サーバ100は、通知があった家電機器を判断する(S1205)。例えば、家電機器を判断するために、各家電にIDのような個別の番号を振り、通知のデータに家電機器の番号が入る構造にし、番号を基に判断する。日別家電制御データベース内の本日のファイルに通知があった家電機器名、状態(ON/OFF/COMPLETE)、時間を記録する(S1206)。
【0120】
パターン生成について、会社員Aの生活例を
図26に示す。会社員Aの帰宅時間は、早いときには18:30頃、遅いときには20:00頃である。また、最寄りの駅の駐輪場から自宅までの所要時間が自転車で15分である。さらに、帰宅が早い日の例として、退社後、18:35に駐輪場を出発する日のデータを取ったとする。なお、会社員Aは、帰宅後、食事の前に入浴する生活を送っている。18:50に帰宅し、帰宅後、18:55にエアコンと給湯器をつけ、お風呂のお湯を張っている。次に、18:10に炊飯器のスイッチを入れ、ご飯を炊き始める。そして、ご飯を炊いている間、18:15にお湯張りが終わり入浴する。入浴後、18:55にご飯が炊け、夕食を摂る。
【0121】
時間ファイルには、許可時間帯として18:30から20:00のように記録される。このとき、前後に10分ずつ余裕を持たせ、18:20から20:10のように柔軟に設定してもよい。
【0122】
次に、帰宅後のパターン生成について、
図17に示すシーケンス図を用いて説明する。家電機器からのON制御/OFF制御、およびCOMPLETEの状態と時刻を収集しパターンを分析する。ここでは、家電機器400から収集する場合を説明する。
【0123】
家電機器400は、状態の変化があったか否かを確認する(S2001)。状態とは、ON、OFF、COMPLETEである。ここで、家電機器400からサーバ100へ送信する通知データの例を
図27に示す。また、家電機器400からサーバ100へ送信される通知データは、
図25(a)に示す携帯端末200からサーバ100へ送信する通知に係るデータ構成の一般例と同様、家電機器名、通知の種類、時刻を含む。
図27(a)、(b)は、それぞれ、エアコン1がON制御された場合の通知に係るデータ構成と、給湯器がON制御された場合の通知に係るデータ構成とを示している。すなわち、18:55にエアコン1がON制御された場合、家電機器名に「エアコン1」、通知の種類に「ON」、時刻に「18:55」が入る。また、18:55に給湯器がON制御された場合、家電機器名に「給湯器」、通知の種類に「ON」、時刻に「18:55」が入る。
【0124】
家電機器400は、状態の変化がない場合(S2001のN)、再び状態の変化があったか否かを確認する。状態の変化があった場合(S2001のY)、家電機器名と変化後の状態をサーバ100へ通知する(S2002)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態を変化後の状態に変更する(S2003)。
【0125】
サーバ100は、家電機器400から通知があったか否かを確認する(S2004)。家電機器400から通知がなかった場合(S2004のN)、再び家電機器400から通知があったか否かを確認する。家電機器400から通知があった場合(S2004のY)、所有家電データベース内の所有家電ファイルの通知があった家電機器400の状態を変更する(S2005)。ファイル書き込み処理を行う(S2006)。そして、一定の日数の日別家電制御ファイルが集まったか否かを確認する(S2007)。一定の日数の日別家電制御ファイルが集まっていない場合(S2007のN)、再び、一定の日数の日別家電制御ファイルが集まったか否かを確認する。一定の日数の日別家電制御ファイルが集まった場合(S2007のY)、サーバ100は、パターン分析処理を行う(S2008)。
【0126】
パターン分析処理について、
図18に示すシーケンス図を用いて説明する。日別家電制御データベースを基に、帰宅時間帯のパターンを分析する(S2101)。日別家電制御データベース内の日別家電制御ファイルを基に、帰宅時間別にパターンを分析する(S2102)。なお、帰宅時間別に分析するパターンの粒度は時間単位でも分単位でもどのような区切り方でもよい。そして、分析した生活パターンファイルを生活パターンデータベースに格納する(S2103)。許可時間帯を計測する(S2104)。そして、帰宅所要時間を計測する(S2105)。許可時間帯と帰宅所要時間を時間ファイルとして帰宅時間データベースに格納する(S2106)。さらに、時間ファイルと生活パターンファイルとを携帯端末200へ送信する(S2107)。
【0127】
携帯端末200は、サーバ100から時間ファイルと生活パターンファイルとを受信すると、時間ファイルを制御時間データベースに格納する(S2108)。そして、生活パターンファイルを生活パターンデータベースに格納する(S2109)。
【0128】
1.6.2 生成したパターンに基づく家電制御
家電制御システム10の生成したパターンに基づく家電制御の動作について、
図19〜22に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0129】
電子錠300と携帯端末200が、開錠処理をする(S3001)。
【0130】
携帯端末200は、電子錠300が開錠されたか否かを確認する(S3002)。電子錠300が開錠されていない場合(S3002のN)、再び電子錠300が開錠されたか否かを確認する。電子錠300が開錠された場合(S3002のY)、現在時刻を取得する(S3003)。現在時刻を基に、制御許可帰宅時間以降の開錠か否かを確認する(S3004)。制御許可帰宅時間以降の開錠でない場合(S3004のN)、処理は終了する。制御許可帰宅時間以降の開錠である場合(S3004のY)、家電制御アプリが起動する(S3005)。そして、生活パターンファイルを生活パターンデータベースから抽出する(S3006)。サーバ100へ、家電制御開始通知を送信する(S3007)。そして、携帯端末200は、鍵状態データベース内の鍵状態ファイルの鍵の状態を開錠に変更する(S3008)。
【0131】
生成したパターンに基づく家電制御の際、ユーザへの確認として、開錠が完了したことの表示と共に、生成したパターンに基づく家電制御を開始することを表示してもよい。携帯端末200での表示例を
図30(b)に示す。例えば、電子錠300の開錠により、お湯張りを始めるように生成したパターンに基づく家電制御をする場合、電子錠300が開錠された際、「電子錠が開錠されました。」と表示されると共に、「お湯張りを開始します。20分後(18:55頃)にお風呂に入れます。開始しますか?」と表示することでユーザに問いかけ、「はい」または「いいえ」ボタンにより確認をとる。
【0132】
サーバ100は、携帯端末200からの開錠通知があったか否かを確認する(S3009)。開錠通知がない場合(S3009のN)、再び開錠通知があったか否かを確認する。開錠通知があった場合(S3009のY)、家電制御開始通知の家電機器名と制御時間を読み込む(S3010)。携帯端末200からサーバ100に送信する家電制御開始通知のデータ例を、
図28に示す。
【0133】
図28(a)は、携帯端末200からサーバ100へ送信する家電制御開始通知に係るデータ構成の一般例を示す図であり、
図28(b)、(c)は家電制御開始通知に係るデータ構成の一例を示す図である。
図28(b)、(c)は、それぞれ、0分後に給湯器をON制御する場合の家電制御開始通知に係るデータ構成と、20分後に炊飯器をON制御する場合の家電制御開始通知に係るデータ構成とを示している。家電制御開始通知は、家電機器名、通知の種類、制御時間を含む。0分後に給湯器をON制御する場合、家電機器名には「給湯器」、通知の種類には「制御開始」、制御時間には「0」が入る。また、20分後に炊飯器をON制御する場合、家電機器名に「炊飯器」、通知の種類に「制御開始」、制御時間に「20」が入る。
【0134】
サーバ100と家電機器400は、家電制御処理を行う(S3011)。
【0135】
ここで、家電制御処理について、
図23に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0136】
サーバ100は、通知内の制御時間が経過したら、家電機器400へON制御の信号を送信する(S3101)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電400の状態をONに変更する(S3102)。
【0137】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S3103)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S3104)。
【0138】
生成したパターンに基づく家電制御中に電子錠300が施錠された後の処理について、
図21、22を用いて説明する。
【0139】
電子錠300と携帯端末200は、施錠処理を行う(S3010)。
【0140】
携帯端末200は、電子錠300が施錠されたかを確認する(S3011)。施錠されていない場合(S3011のN)、現在時刻を取得する(S3012)。そして、開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えたか否かを確認する(S3013)。開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えていない場合(S3013のN)、再び、電子錠300が施錠されたか否かを確認する(S3011)。開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えている場合(S3013のY)、まだ帰宅していないとみなし、家電制御中断の通知を作成する(S3014)。
【0141】
一方、電子錠300が施錠されている場合(S3011のY)、携帯端末200は、鍵状態データベース内の鍵状態ファイルの鍵の状態を施錠に変更する(S3015)。そして、現在時刻を取得する(S3016)。開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えたか否かを確認する(S3017)。開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えている場合(S3017のY)、まだ自宅ではないところで施錠したとみなし、家電制御中断の通知を作成する(S3014)。開錠から施錠までの時間が帰宅所要時間を越えていない場合(S3017のN)、帰宅したとみなし、施錠通知を作成する(S3018)。そして、携帯端末200は、施錠もしくは家電制御中断通知をサーバ100へ送信する(S3019)。
【0142】
携帯端末200がサーバ100へ家電制御中断通知を送信する際、ユーザへの確認として、中断するか継続するかの選択画面を表示してもよい。携帯端末200での表示例を
図31(a)に示す。例えば、電子錠300の開錠によりお湯張りを開始したが、帰宅所要時間を越えても電子錠300が施錠されなかった場合、「所定時間を過ぎたため、お湯張りを中止します。中断しますか?」と表示することでユーザに問いかけ、「中断」または「継続」ボタンにより確認をとる。
【0143】
サーバ100は、携帯端末200から通知があったか否かを確認する(S3020)。通知がない場合(S3020のN)、再び携帯端末200から通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S3020のY)、通知の種類が家電制御開始か家電制御中断かを判断する(S3021)。通知の種類が家電制御開始通知だった場合(S3021の開始)、家電制御処理を行う(
図20のS3011)。通知の種類が制御中断の通知だった場合(S3021の中断)、通知内の家電機器400へOFF制御の信号を送信する(S3022)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電機器400の状態をOFFにする(S3023)。
【0144】
家電機器400は、OFF制御の信号を受信し、OFF制御される(S3024)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をOFFに変更する(S3025)。携帯端末200からサーバ100へ送信される家電制御中断の通知のデータ例を
図29に示す。
図29(a)は、携帯端末200からサーバへ送信される家電制御に係るデータの一般例であり、
図29(b)が、家電制御中断の通知に係る具体的なデータ例である。ここでは、給湯器をOFF制御する通知に係るデータ構成を示している。家電制御中断の通知は、家電機器名と通知の種類とを含む。例えば、給湯器をOFF制御する場合、家電機器名に「給湯器」が入り、通知の種類に「制御中断」が入る。
【0145】
中断になった場合、携帯端末200、サーバ100、家電機器400は、家電制御再開処理を行う(S3026)。
【0146】
家電制御再開処理について、
図24に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0147】
携帯端末200は、電子錠300が開錠されたか否かを確認する(S3201)。開錠されていない場合(S3201のN)、再び開錠されたか否かを確認する。開場された場合(S3201のY)、家電制御再開通知をサーバ100へ送信する(S3202)。
【0148】
携帯端末200がサーバ100へ家電制御再開通知を送信する際、ユーザへの確認として、中断から一定の時間が過ぎたら再開するか否かの選択画面を表示してもよい。携帯端末200での表示例を
図31(b)に示す。例えば、お湯張りを中断した後、10分後に、「お湯張りを再開します。よろしいですか?」と表示することでユーザに問いかけ、「はい」または「いいえ」ボタンにより確認をとる。
【0149】
サーバ100は、携帯端末200から家電制御再開通知があったか否かを確認する(S3203)。通知がない場合(S3203のN)、再び家電制御再開通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S3203のY)、通知内の家電機器400へON制御の信号を送信する(S3204)。そして、所有家電データベースの所有家電ファイルの状態をONに変更する(S3205)。
【0150】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S3206)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S3207)。このとき、家電機器再開処理のために、状態データベース内の状態ファイルの現在状態と設定状態を基に、残りの制御を行うことになる。携帯端末200からサーバ100へ送信される家電制御再開の通知のデータ例を
図29(c)に示す。ここでは、制御を中断していた給湯器を再びON制御する場合の通知に係るデータ構成を示している。家電制御再開の通知は、家電機器名と通知の種類とを含む。給湯器を再びON制御する場合、家電機器名に「給湯器」が入り、通知の種類に「制御再開」が入る。
【0151】
ここで、寄り道による家電制御中断の例を
図32に示す。例えば、駐輪場から自宅まで15分であるとする。例えば、駐輪場から20分のところにあるスーパーに寄り道するとき、開錠から施錠までの時間が、帰宅所要時間である15分より長くなる。
【0152】
1.7 実施の形態1の効果
例えば、前記携帯端末のユーサの行動パターンとして、例えば、自転車の電子錠の開錠、アパートメントの正面玄関の電子錠の開錠などの電子錠の開錠という行為に続いて、例えば、エアコンの電源のON制御などの前記家屋の家電機器をON制御させる場合、前記電子錠の開錠という機器制御を契機に、前記ユーザの他の操作を介在することなく、前記家屋の家電機器をON制御させる。
【0153】
そのため、前記電子錠の開錠という1つの機器制御に、例えば、これに続いて発生する可能性の高い次の機器制御である前記家屋の家電機器のON制御という他の機器制御の起動指示を兼用させるので、前記ユーザによる1つの操作で2つの機器制御を実現できる。その結果、前記携帯端末に2つの各々の機器制御を要求することなく、その分、前記携帯端末から前記家屋の家電機器を遠隔操作する際の機器の処理負担を軽減しつつ、所望の2つの機器制御を実現できる。
【0154】
また、ユーザの生活パターンを分析し、帰宅のタイミングや家電機器が設定された状態になるまでの時間を計測し、ユーザの生活パターンに合わせて、家電制御を開始している。このとき、サーバだけでなく携帯端末もユーザの生活パターンを分析した生活パターンファイルを持つことで、携帯端末がサーバへ時間と家電機器を指定し、遠隔で家電機器を操作することが可能になる。
【0155】
そのため、帰宅の際に必ず行うひとつの動作を利用してユーザの生活パターンに合わせた家電制御について、携帯端末による遠隔の機器制御が可能になるという効果がある。
【0156】
2.実施の形態2
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10について図面を参照しながら説明する。実施の形態1では、帰宅所要時間を越えたか否かと電子錠が施錠されているか否かを確認することで、ユーザが帰宅しているかいないかを判断し、家電制御中断を判断していた。しかし、帰宅所要時間内であっても家電制御の中断が必要な場合もある。
図33に例を示す。例えば、帰宅中、駐輪場から自宅までの経路にコンビニがあり、寄り道をする場合である。ユーザはコンビニで買い物をするために、自転車30を停め、電子錠300を施錠する。このとき、例えば、駐輪場からコンビニまでの所要時間は帰宅所要時間より短いとする。本実施の形態では、帰宅所要時間内に電子錠300が施錠された場合、ユーザが帰宅したことによる電子錠300の施錠であるか否かを判断するために、GPSを利用して取得した携帯端末200の現在位置、および電子錠300の運転状態を用いるとしている。
【0157】
2.1 家電制御システム10aの全体構成
図34家電制御システム10の全体構成を示す図である。家電制御システム10aは、ネットワーク40、サーバ100、携帯端末200a、電子錠300、家電機器400、家電機器500、家電機器600、サーバ100を備える。以下、実施の形態1との差分を中心に説明する。
【0158】
2.2 携帯端末200aの構成
図35は、家電制御システム10aにおける携帯端末200aの構成図である。携帯端末200aは、電子制御部201、サーバ通知部202a、近接通信部203、通信部204、タイマー205、制御時間データベース206、位置情報取得部208、生活パターンデータベース207を備える。また、電子制御部201、近接通信部203、タイマー205、サーバ通知部202aは、携帯端末200a内のコントローラ3aがこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。
【0159】
2.2.1 サーバ通知部202a
サーバ通知部202aは、通信部204を介してサーバ100から受信した時間ファイル、生活パターンファイルを制御時間データベース206へ、生活パターンデータベース207へそれぞれ格納する。また、制御時間データベース206内の時間ファイルの許可時間帯を参照し、家電制御の開始を判断する。また、GPSを利用して携帯端末200aの位置情報を取得し、現在位置が自宅か否か、および電子錠300が施錠されたか否かの状態に基づいて、家電制御を中断するか否かを判断する。帰宅所要時間を越えており、かつ、携帯端末200aの現在位置が自宅である場合、生活パターンファイル内の制御対象機器と制御開始時間を基に、家電制御開始通知をサーバ100へ送信する。そして、サーバ100へ家電制御開始通知、家電制御中断通知、家電制御再開の通知を送信する。
【0160】
2.3 家電制御システム10aの動作
家電制御システム10aには、実施の形態1と同様に、パターン生成および生成したパターンに基づく家電制御の2つの動作がある。パターン生成の動作については、実施の形態1と同様の処理であるため、説明を省略し、以下で、生成したパターンに基づく家電制御の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0161】
家電制御システム10aでは、実施の形態1における動作について、家電制御を中断する処理を変形している。この変形処理を、
図36、37に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0162】
はじめに電子錠300と携帯端末200aが開錠処理をしてから、携帯端末200aが家電制御開始通知をサーバへ送信して家電制御処理が行われるまでは、実施の形態4と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0163】
生成したパターンに基づく家電制御中に電子錠300が施錠された際以降の処理について説明する。
【0164】
電子錠300と携帯端末200aは、施錠処理を行う(S3010)。
【0165】
携帯端末200aは、電子錠300が施錠されたかを確認する(S3011)。施錠されていない場合(S3011のN)、再び電子錠300が施錠されたかを確認する。電子錠300が施錠されている場合(S3011のY)、携帯端末200aは、鍵状態データベース内の鍵状態ファイルの鍵の状態を施錠に変更する(S3014)。そして、GPSを利用して携帯端末200aの現在位置を取得する(S4001)。現在位置が自宅か否かを確認する(S4002)。このとき、自宅の位置は、あらかじめ登録しておく。現在位置が自宅である場合(S4002のY)、電子錠施錠通知を作成する(S4003)。現在位置が自宅でない場合(S4002のN)、家電制御中断の通知を作成する(S4004)。そして、施錠もしくは家電制御中断通知をサーバ100へ送信する(S3019)。
【0166】
携帯端末200aがサーバ100へ家電制御中断通知を送信する際、ユーザへの確認として、中断するか継続するかの選択画面を表示してもよい。
【0167】
携帯端末200aでの表示例を
図38(a)に示す。例えば、電子錠300の開錠によりお湯張りを開始したが、帰宅所要時間より前の段階で電子錠300が施錠された場合、「電子錠が施錠されました。」と表示すると共に「自宅以外での施錠のため、お湯張りを中断します。中断しますか?」と表示することでユーザに問いかけ、「中断」または「継続」ボタンにより確認をとる。
【0168】
サーバ100は、携帯端末200aから通知があったか否かを確認する(S3020)。通知がない場合(S3020のN)、再び携帯端末200aから通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S3020のY)、通知の種類が家電制御開始か家電制御中断かを判断する(S4005)。通知の種類が家電制御開始通知だった場合(S4005の開始)、家電制御処理を行う(
図20のS3011)。通知の種類が制御中断の通知だった場合(S4005の中断)、通知内の家電機器400へOFF制御の信号を送信する(S4006)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電機器400の状態をOFFにする(S4007)。
【0169】
家電機器400は、OFF制御の信号を受信し、OFF制御される(S3024)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をOFFに変更する(S3025)。
【0170】
中断になった場合、携帯端末200a、サーバ100、家電機器400は、家電制御再開処理を行う(S3026)。
【0171】
携帯端末200aがサーバ100へ家電制御再開通知を送信する際、ユーザへの確認として、電子錠300が開錠されたら再開するか否かの選択画面を表示してもよい。携帯端末200aでの表示例を
図38(b)に示す。例えば、開錠された際に、「電子錠が開錠されました。」と表示すると共に「お湯張りを再開します。よろしいですか?」と表示することでユーザに問いかけ、「はい」または「いいえ」ボタンにより確認をとる。
【0172】
2.4 実施の形態2の効果
実施の形態1では、家電制御を中断する際、帰宅所要時間を越えたか否かと電子錠が施錠されているか否かを確認することで、帰宅しているかいないかを判断していた。本実施の形態では、帰宅所要時間内に施錠される際、帰宅しているかいないかを判断するために、現在位置と電子錠が施錠されているか否かを確認する。これにより、帰宅所要時間内に寄り道をするような、駐輪場から寄り道先までの所要時間が帰宅所要時間より短い場合でも、家電制御を中断することができる。
【0173】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、携帯端末も生活パターンファイルを持っている。これにより、携帯端末がサーバへ時間と家電機器を指定し、遠隔で操作することが可能になる。
【0174】
以上、本実施の形態では、帰宅経路で寄り道をした場合にも家電制御を中断/再開できるという効果に加え、実施の形態1と同様に、帰宅の際に必ず行うひとつの動作を利用してユーザの生活パターンに合わせた家電制御について、携帯端末による遠隔の機器制御が可能になるという効果がある。
【0175】
3.実施の形態3
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10bについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、ゲートウェイを用いて家電制御を行う。
【0176】
3.1 家電制御システム10bの全体構成
図39は、家電制御システム10bの全体構成を示す図である。家電制御システム10bは、ネットワーク40、サーバ100a、携帯端末200、電子錠300、家電機器400、家電機器500、家電機器600、ゲートウェイ700を備える。以下、実施の形態1〜2との差分を中心に説明する。
【0177】
3.2 サーバ100aの構成
図40は、家電制御システム10bにおけるサーバ100aの構成図である。サーバ100aは、収集部101a、分析部102、設定部103a、タイマー104、通信部105、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109を備える。また、収集部101a、分析部102、タイマー104、設定部103aは、サーバ100a内のコントローラ1aがこれらの機能を備えることによって実装されてもよい。また、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109について、サーバ100a内のメモリ2aがこれらのデータベースを備えるとしてもよい。
【0178】
3.2.1 収集部101a
収集部101aは、携帯端末200からの運転状態の通知およびゲートウェイ700からの各家電機器の運転状態の通知を基に、電子錠300および家電機器400〜600の運転状態の変化と変化が起きた時間のデータとを収集し、日別家電制御データベース107に格納する。
【0179】
3.2.2 設定部103a
設定部103aは、携帯端末200から受信した家電制御開始通知をゲートウェイ700へ送信する。
【0180】
3.3 ゲートウェイ700の構成
図41は、家電制御システム10bにおけるゲートウェイ700の構成図である。ゲートウェイ700は、サーバ通知部701、読み込み部702、家電通知部703、タイマー704、通信部705、所有家電データベース706を備える。また、ゲートウェイ700内のコントローラ6は、サーバ通知部701、読み込み部702、家電通知部703、タイマー704を備える。
【0181】
3.3.1 サーバ通知部701
サーバ通知部701は、家電機器400〜600からの運転状態の通知に基づいて、家電機器名、家電機器400〜600の運転状態の変化を、通信部705を介してサーバ100aへ通知する。また、所有家電データベース706内の所有家電ファイルの該当する家電機器の状態を変更する。
【0182】
3.3.2 読み込み部702
読み込み部702は、通信部705を介してサーバ100aから受信した、生活パターンファイルを基に、家電機器をON制御する制御開始時間になると、家電機器400〜600の家電機器名とON制御の通知を家電通知部703へ出力する。また、家電機器から受信した家電機器名とOFF制御/ON制御の通知を家電通知部703へ出力する。
【0183】
3.3.3 家電通知部703
家電通知部703は、読み込み部702から入力された家電機器名とOFF制御/ON制御の通知を基に、家電機器400にOFF制御/ON制御の信号を送信し家電制御を行う。
【0184】
3.3.4 タイマー704
タイマー704は、読み込み部702が、時刻を取得するために用いる。
【0185】
3.3.5 通信部705
通信部705は、家電機器400〜600から、家電機器名および運転状態の通知を受信し、ON制御/OFF制御の信号を家電機器400〜600へ送信する。また、サーバ100aへ家電機器の運転状態の通知を送信し、サーバ100aから生活パターンファイルを受信する。
【0186】
3.3.6 所有家電データベース706
所有家電データベース706は、実施の形態1における所有家電データベース106と同様のファイルを格納する。所有家電データベース706は、ユーザの自宅の中にある家電機器とその運転状態とを含む所有家電ファイルを格納する。
【0187】
3.4 家電制御システム10bの動作
家電制御システム10bの動作は、実施の形態1における家電制御システム10の全体構成に加えてゲートウェイ700を設置することで、サーバ100aの役割を軽減している。家電制御システム10bの動作には、パターン生成と生成したパターンに基づく家電制御の2つの動作がある。
【0188】
以下で、2つの動作について図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、サーバ100aと携帯端末200との間で行われる通信および処理についての説明を省略する。
【0189】
3.4.1 パターン生成
家電制御システム10bのパターン生成の動作について、帰宅後を
図42、
図43に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0190】
家電機器からのON制御/OFF制御、およびCOMPLETEの状態と時刻を収集しパターンを分析する。ここでは、家電機器400から収集する場合を説明する。
【0191】
家電機器400は、状態の変化があったか否かを確認する(S5001)。家電機器400は、状態の変化がない場合(S5001のN)、再び状態の変化があったか否かを確認する。状態の変化があった場合(S5001のY)、変化後の状態をゲートウェイ700へ通知する(S5002)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態を変化後の状態に変更する(S5003)。
【0192】
ゲートウェイ700は、家電機器400から通知があったか否かを確認する(S5004)。家電機器400から通知がなかった場合(S5004のN)、再び家電機器400から通知があったか否かを確認する。家電機器400から通知があった場合(S5004のY)、家電機器400の家電機器名と変化後の状態の通知をサーバ100aへ送信する(S5005)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電機器400の状態を変更する(S5006)。
【0193】
サーバ100aは、ゲートウェイ700から通知があったか否かを確認する(S5007)。通知がなかった場合(S5007のN)、再びゲートウェイ700から通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S5007のY)、ファイル書き込み処理を行う(S5008)。そして、サーバ100aは、一定の日数の日別家電制御ファイルが集まったか否かを確認する(S5009)。一定の日数の日別家電制御ファイルが集まっていない場合(S5009のN)、再び、一定の日数の日別家電制御ファイルが集まったか否かを確認する。一定の日数の日別家電制御ファイルが集まった場合(S5009のY)、サーバ100aは、パターン分析処理を行う(S5010。
【0194】
パターン分析処理については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0195】
3.4.2 生成したパターンに基づく家電制御
家電制御システム10bの生成したパターンに基づく家電制御の動作について、
図44、
図45、
図46に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0196】
サーバ100aは、携帯端末200からの家電制御開始通知があったか否かを確認する(S6001)。開錠通知がない場合(S6001のN)、再び家電制御開始通知があったか否かを確認する。家電制御開始通知があった場合(S6001のY)、家電制御開始通知をゲートウェイ700へ送信する(S6002)。
【0197】
ゲートウェイ700は、サーバ100aから家電制御開始通知を受信したか否かを確認する(S6003)。家電制御開始通知を受信していない場合(S6003のN)、再びサーバ100aから家電制御開始通知を受信したか否かを確認する。家電制御開始通知を受信した場合(S6003のY)、ゲートウェイ700と家電機器400は、家電制御処理を行う(S6004)。
【0198】
ここで、家電制御処理について、
図47に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0199】
ゲートウェイ700は、通知内の制御時間が経過したら、家電機器400へON制御の信号を送信する(S6101)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電400の状態をONに変更する(S6102)。
【0200】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S6103)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S6104)。
【0201】
生成したパターンに基づく家電制御中に、サーバ100aが、携帯端末200から家電制御中断通知を受信した場合の処理について説明する。
【0202】
サーバ100aは、携帯端末200から通知があったか否かを確認する(S6005)。通知がない場合(S6005のN)、再び携帯端末200から通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S6005のY)、通知の種類が家電制御開始か家電制御中断かを判断する(S6006)。通知の種類が家電制御開始通知だった場合(S6006の開始)、家電制御開始通知をゲートウェイ700へ送信する(
図44のS6002)。通知の種類が家電制御中断の通知だった場合(S6006の中断)、通知内の家電機器名とOFF制御の通知をゲートウェイ700へ送信する(S6007)。
【0203】
ゲートウェイ700は、サーバ100aから家電制御中断通知があったか否かを確認する(S6008)。家電制御中断通知がなかった場合(S6008のN)、再びサーバ100aから家電制御中断通知があったか否かを確認する。家電制御中断通知があった場合(S6008のY)、通知内の家電機器400へOFF制御の信号を送信する(S6009)。そして、所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電機器400の状態をOFFにする(S6010)。
【0204】
家電機器400は、OFF制御の信号を受信し、OFF制御される(S6011)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をOFFに変更する(S6012)。
【0205】
中断になった場合、サーバ100a、ゲートウェイ700、家電機器400は、家電制御再開処理を行う(S6013)。
【0206】
家電制御再開処理について、
図48に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0207】
サーバ100aは、携帯端末200から家電制御再開の通知があったか否かを確認する(S6201)。通知がない場合(S6201のN)、再び家電制御再開の通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S6201のY)、ゲートウェイ700へ家電制御再開通知を送信する(S9201)。
【0208】
ゲートウェイ700は、サーバ100aから家電制御再開通知があったか否かを確認する(S6203)。通知がなかった場合(S6203のN)、再び家電制御再開通知があったか否かを確認する。通知があった場合(S6203のY)、家電機器400へON制御の信号を送信する(S6204)。そして、所有家電データベースの所有家電ファイルの状態をONに変更する(S6205)。
【0209】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S6206)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S6207)。このとき、再開処理のために、状態データベース内の状態ファイルの現在状態と設定状態を基に、残りの制御を行うことになる。
【0210】
3.5 実施の形態3の効果
本実施の形態では、ゲートウェイを用いて家電制御を行う。
【0211】
これにより、実施の形態1〜2と比較して、サーバ100aは所有家電データベースを備える必要がないので、サーバ100aのメモリの使用量を軽減できる。また、ゲートウェイ700が家電機器に対するON/OFF制御等の通知、および家電機器の制御開始時間の判断等を行うため、例えば、複数の家屋20において本発明が実施される場合、サーバによる一極集中での処理ではなく、各家屋20に設置されたゲートウェイ700による分散処理が可能となり、サーバにおける処理負荷を軽減することができる。
【0212】
以上、説明したように、本実施の形態では、サーバのメモリ使用量の軽減、およびサーバの処理負荷の軽減という効果が期待できる。
【0213】
4.実施の形態4
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10cについて図面を参照しながら説明する。実施の形態1〜3との差分を中心に説明する。
【0214】
4.1 家電制御システム10cの全体構成
図49は、本発明に係る家電制御システム10cの全体構成を示す図である。家電制御システム10cは、ネットワーク40、サーバ100b、携帯端末200b、電子錠300、家電機器400、家電機器500、家電機器600を備える。
【0215】
4.2 サーバ100bの構成
図50は、家電制御システム10cにおけるサーバ100bの構成を示すブロック図である。サーバ100bは、収集部101、分析部102、抽出部110、設定部103b、タイマー104、通信部105a、所有家電データベース106、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109を備える。また、収集部101、分析部102、抽出部110、設定部103b、タイマー104は、サーバ100b内のコントローラ1bがこれらの機能を備えることによって実装されていてもよい。また、有家電データベース107、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109について、サーバ100b内のメモリ2bがこれらのデータベースを備えるとしてもよい。
【0216】
4.2.1 通信部105a
通信部105aは、携帯端末200b及び家電機器400〜600から、電子錠300及び家電機器400〜600の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とを受信する。また、携帯端末200bへ時間ファイルを送信する。また、家電機器400〜600へON/OFF制御の制御信号を送信する。
【0217】
4.2.2 設定部103b
設定部103bは、抽出部110から入力された生活パターンファイルを基に、家電機器をON制御する。制御開始時間になると、家電機器400〜600へON制御の信号を送信し家電制御を行う。また、家電制御中断の通知を受信した際、家電機器400〜600へOFF制御の信号を送信し、家電制御再開の通知を受信した際、家電機器400〜600へON制御の信号を送信する。
【0218】
4.2.3 抽出部110
抽出部110は、携帯端末200bからの開錠通知を受け、現在時刻が制御許可帰宅時間以降であれば、現在時刻に最も近い帰宅時間帯である生活パターンの生活パターンファイルを生活パターンデータベース109から抽出し、設定部103bへ出力する。
【0219】
4.3 携帯端末200b
図51は、家電制御システム10cにおける携帯端末200bの構成を示すブロック図である。携帯端末200bは、電子錠制御部201、サーバ通知部202b、近接通信部203、通信部204a、タイマー205、制御時間データベース206を備える。また、電子錠制御部201、サーバ通知部202b、近接通信部203、タイマー205は、携帯端末200b内のコントローラ3bがこれらの機能を備えることによって実装されていてもよい。
【0220】
図52は携帯端末200bのソフトウェア構成を示す図である。携帯端末200bは、メモリ、OS、鍵アプリを有する。鍵アプリは電子錠300の開錠/施錠制御を行うアプリケーションである。携帯端末200bは、鍵アプリを起動して電子錠300の開錠/施錠制御を行い、電子錠300から開錠/施錠制御の完了通知を受信する。鍵アプリはさらに、開錠/施錠の完了通知に基づいて、携帯端末200bにサーバ100bへの開錠通知や施錠通知を送信させる。
【0221】
4.3.1 サーバ通知部202b
サーバ通知部202bは、通信部204aを介して、電子錠制御部201から入力された電子錠300の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とをサーバ100bへ送信する。また、通信部204aを介してサーバ100bから時間ファイルを受信した場合、時間ファイルを制御時間データベース206に格納する。さらに、制御時間データベース206内の時間ファイルの制御許可帰宅時間を参照し、家電制御の開始を判断する。家電制御を開始した場合、開錠されてからの時間の計測を開始し、経過時間が帰宅所要時間に達したか否かを確認し、家電制御を中断するか否かを判断する。同時に、電子錠300が施錠されたか否かの状態を確認し、家電制御を中断するか否かを判断する。そして、通信部204aに対して、サーバ100bへ開錠通知、施錠通知、家電制御中断通知、家電制御再開の通知を送信させる。
【0222】
4.3.2 通信部204a
通信部204aは、サーバ通知部202bから入力された電子錠300の運転状態が変化した時刻を示す情報と変化後の運転状態を示す情報とをサーバ100bへ送信する。また、サーバ100bから時間ファイルを受信する。さらに、サーバ100bへ開錠通知、施錠通知、家電制御中断通知、家電制御再開の通知を送信する。
【0223】
4.4 家電制御システム10cの動作
家電制御システム10cの動作には、2つの動作がある。パターン生成と生成したパターンに基づく家電制御である。
【0224】
以下で、2つの動作について図面を参照しながら説明する。
【0225】
4.4.1 パターン生成
パターン分析処理について、
図18を参照して実施の形態1との差分のみ説明する。
図18に示すように、実施の形態1ではサーバ100から時間ファイルおよび生活パターンファイルを携帯端末200bに対して送信し、携帯端末200bの制御時間データベース206にこれら2つのファイルを格納していた。しかし、本実施の形態においては、時間ファイルのみをサーバ100bから携帯端末200bへ送信し、携帯端末200bの制御時間データベース206に時間ファイルのみを格納する。
【0226】
4.4.2 生成したパターンに基づく家電制御
家電制御システム10cの生成したパターンに基づく家電制御の動作について、実施の形態1との差分を説明する。
図53は、本実施の形態に係る家電制御処理のシーケンスを示すシーケンス図である。
【0227】
電子錠300と携帯端末200bが、開錠処理をする(S3010)。開錠処理とは、1.6.1で記述した開錠/施錠処理の開錠の際のシーケンスである。
【0228】
携帯端末200bは、電子錠300が開錠されたか否かを確認する(S3011)。電子錠300が開錠されていない場合(S3011のN)、再び電子錠300が開錠されたか否かを確認する。電子錠300が開錠された場合(S3011のY)、現在時刻を取得する(S3012)。現在時刻を基に、制御許可帰宅時間以降の開錠か否かを確認する(S7001)。制御許可帰宅時間以降の開錠でない場合(S7001のN)、処理は終了する。制御許可帰宅時間以降の開錠である場合(S7001のY)、開錠通知をサーバ100bへ送信する(S7002)。そして、携帯端末200bは、鍵状態データベース内の鍵状態ファイルの鍵の状態を開錠に変更する(S7003)。
【0229】
サーバ100bは、携帯端末200bからの開錠通知があったか否かを確認する(S7004)。開錠通知がない場合(S7004のN)、再び開錠通知があったか否かを確認する。開錠通知があった場合(S7004のY)、生活パターンデータベース109から生活パターンファイルを抽出する(S7005)。
【0230】
サーバ100bと家電機器400は、家電制御処理を行う(S7006)。
【0231】
ここで、家電制御処理について、
図54に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0232】
サーバ100bは、現在時刻を取得する(S7101)。生活パターンファイルから、制御する家電機器400を抽出する(S7102)。次に、生活パターンファイルから、制御開始時間を抽出する(S7103)。そして、現在時刻から制御開始時間後に家電機器400へON制御の信号を送信する(S7104)。所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電400の状態をONに変更する(S7105)。
【0233】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S7106)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S7107)。
【0234】
生成したパターンに基づく家電制御中に電子錠300が施錠された後の処理については、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。ただし、家電制御中断の処理について、サーバ100bにおいて携帯端末200bからの通知の種類が「施錠」であった場合は処理を終了する。
【0235】
なお、実施の形態1では、携帯端末200bからサーバへ通知されるデータ内に、家電制御の中断/再開制御を行う家電機器を指定する情報が含まれるが、本実施の形態においては、生活パターンファイルに基づいて先にON/OFF制御されていた家電機器が指定される。
【0236】
4.5 実施の形態4の効果
実施の形態4では、ユーザの生活パターンを分析し、帰宅のタイミングや家電機器が設定された状態になるまでの時間を計測し、ユーザの生活パターンに合わせて、家電制御を開始している。このとき、家電制御開始の目安として、電子錠の開錠というユーザの動作を利用している。これにより、ユーザは、帰宅の際に必ず行うひとつの動作で、手間なく効率的に、帰宅して一番にとる行動に必要な家電機器をON制御することができる。
【0237】
また、実施の形態4では、帰宅所要時間を越えても電子錠が施錠されなかった場合、ON制御した家電機器の運転を中断している。これにより、帰宅途中に寄り道をしても、家電機器に無駄な運転をさせることがなくなる。
【0238】
さらに、実施の形態4では、家電制御を中断した後、再び電子錠が開錠されたとき、中断した家電制御を再開している。これにより、中断した家電制御を、現在状態から設定状態まで、帰宅時間に合わせて再開させることができる。
【0239】
以上、実施の形態4では、帰宅の際に必ず行うひとつの動作を利用してユーザの生活パターンに合わせた家電制御を開始することにより、ユーザの家電制御の手間を省け、ユーザは効率的に行動することができるという効果がある。
【0240】
5.実施の形態5
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10dについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態は、実施の形態2において、携帯端末200aが家電制御アプリを有しない態様である。
【0241】
5.1 家電制御システム10dの全体構成
図56は、家電制御システム10dの全体構成を示す図である。家電制御システム10dは、ネットワーク40、サーバ100b、携帯端末200c、電子錠300、家電機器400〜600を備える。
【0242】
5.2 携帯端末200cの構成
図57は、家電制御システム10dにおける携帯端末200cの構成図である。携帯端末200cは、電子制御部201、サーバ通知部202c、近接通信部203、通信部204a、タイマー205、制御時間データベース206に加え、位置情報取得部208を備える。また、電子制御部201、近接通信部203、タイマー205、サーバ通知部202cは、携帯端末200c内のコントローラ3cがこれらの機能を備えることで実装されていてもよい。
【0243】
5.2.1 サーバ通知部202c
サーバ通知部202cは、電子錠制御部201から入力された電子錠300の状態を、通信部204aを介してサーバ100bへ送信する。また、制御時間データベース206に格納する。さらに、制御時間データベース206内の時間ファイルの許可時間帯を参照し、家電制御の開始を判断する。また、GPSを利用して携帯端末200cの現在位置を取得し、現在位置が自宅か否か、および電子錠300の運転状態に基づいて、家電制御を中断するか否かを判断する。そして、家電制御開始通知、家電制御中断通知、家電制御再開の通知を、通信部204aを介してサーバ100bへ送信する。
【0244】
5.2.2 位置情報取得部208
位置情報取得部208は、GPSを利用して携帯端末200cの現在位置を取得するために用いる。
【0245】
5.3 家電制御システム10dの動作
家電制御システム10dには、実施の形態1と同様に、パターン生成および生成したパターンに基づく家電制御の2つの動作がある。
【0246】
パターン生成の動作については、実施の形態4と同様の処理であるため、説明を省略し、以下で、生成したパターンに基づく家電制御の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0247】
家電制御システム10dでは、実施の形態4における動作の、家電制御を中断する処理のみを変形している。従って、電子錠300の開錠処理が行われてから、携帯端末200cが開錠通知をサーバへ送信し、家電制御処理が行われるまでの動作は
図53に示した実施の形態4における動作と同様であるので、説明を省略する。
【0248】
また、生成したパターンに基づく家電制御中に電子錠300が施錠された際以降の処理についても、
図21に示す実施の形態1における動作と同様であるので、説明を省略する。
【0249】
また、
図21に示す動作の後、施錠もしくは家電制御中断通知がサーバ100bへ送信されるが、これ以降の処理は
図37に示した実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。ただし、家電制御中断の処理について、サーバ100bにおいて携帯端末200cからの通知の種類が「施錠」であった場合は処理を終了する。
【0250】
なお、実施の形態2では、携帯端末200cからサーバへ通知されるデータ内に、家電制御の中断/再開制御を行う家電機器を指定する情報が含まれるが、本実施の形態においては、生活パターンファイルに基づいて先にON/OFF制御されていた家電機器が指定される。
【0251】
5.4 実施の形態5の効果
実施の形態4では、家電制御を中断する際、帰宅所要時間を越えたか否かと電子錠が施錠されているか否かを確認することで、帰宅しているかいないかを判断していた。本実施の形態では、帰宅所要時間内に施錠される際、帰宅しているかいないかを判断するために、現在位置と電子錠が施錠されているか否かを確認する。これにより、帰宅所要時間内に寄り道をするような、駐輪場から寄り道先までの所要時間が帰宅所要時間より短い場合でも、家電制御を中断することができる。
【0252】
以上、実施の形態5では、帰宅経路で寄り道をした場合にも家電制御を中断できるという効果がある。
【0253】
6.実施の形態6
ここでは、本発明の実施の形態として、本発明に係る家電制御システム10eについて図面を参照しながら説明する。実施の形態4、実施の形態5では、サーバがパターン生成、家電制御をすべて行っていた。本実施の形態では、ゲートウェイを用い、サーバがパターン生成と家電制御の際の生活パターンファイルの抽出までの処理を行い、ゲートウェイが生活パターンファイルに基づき、家電制御を行う。
【0254】
6.1 家電制御システム10eの全体構成
図58は、家電制御システム10eの全体構成を示す図である。家電制御システム10eは、ネットワーク40、サーバ100c、携帯端末200b、電子錠300、家電機器400、家電機器500、家電機器600に加え、ゲートウェイ700を備える。
【0255】
6.2 サーバ100cの構成
図59は、家電制御システム10eにおけるサーバ100cの構成図である。サーバ100cは、収集部101a、分析部102、設定部103、タイマー104、通信部105a、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109、抽出部110を備える。また、分析部102、抽出部110、タイマー104、収集部101a、設定部103は、サーバ100c内のコントローラ1cがこれらの機能を備えることで実装されてもよい。また、日別家電制御データベース107、帰宅時間データベース108、生活パターンデータベース109について、サーバ100c内のメモリ2cがこれらのデータベースを備えるとしてもよい。
【0256】
6.3 家電制御システム10eの動作
家電制御システム10eの動作は、実施の形態4における家電制御システム10の全体構成に加えてゲートウェイ700を設置することで、サーバ100cの役割を軽減している。家電制御システム10eの動作には、パターン生成と生成したパターンに基づく家電制御の2つの動作がある。
【0257】
以下で、2つの動作について図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、サーバ100cと携帯端末200bとの間で行われる通信および処理についての説明を省略する。
【0258】
6.3.1 パターン生成
家電制御システム10eのパターン生成の動作については、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
【0259】
6.3.2 生成したパターンに基づく家電制御
家電制御システム10eの生成したパターンに基づく家電制御の動作について、
図60に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0260】
サーバ100cは、携帯端末200bからの開錠通知があったか否かを確認する(S8001)。開錠通知がない場合(S8001のN)、再び開錠通知があったか否かを確認する。開錠通知があった場合(S8001のY)、生活パターンデータベース109から生活パターンファイルを抽出する(S8002)。そして、サーバ100cは、生活パターンファイルをゲートウェイ700へ送信する(S8003)。
【0261】
ゲートウェイ700は、サーバ100cからファイルを受信したか否かを確認する(S8004)。ファイルを受信していない場合(S8004のN)、再びサーバ100cからファイルを受信したか否かを確認する。ファイルを受信した場合(S8004のY)、ゲートウェイ700と家電機器400は、家電制御処理を行う(S8005)。
【0262】
ここで、家電制御処理について、
図61に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0263】
ゲートウェイ700は、現在時刻を取得する(S8101)。生活パターンファイルから、制御する家電機器400を抽出する(S8102)。次に、生活パターンファイルから、制御開始時間を抽出する(S8103)。そして、現在時刻から制御開始時間後に家電機器400へON制御の信号を送信する(S8104)。所有家電データベース内の所有家電ファイルの家電400の状態をONに変更する(S8105)。
【0264】
家電機器400は、ON制御の信号を受信し、ON制御される(S8106)。そして、状態データベース内の状態ファイルの状態をONに変更する(S8107)。
【0265】
生成したパターンに基づく家電制御中に、サーバ100cが、携帯端末200bから家電制御中断通知を受信して、家電制御再開処理が行われるまでの動作については、
図45、46、48に示される実施の形態3の動作と同様であるため、説明を省略する。ただし、本実施の形態においては、サーバ100cを経由して受信する携帯端末200bからの通知の種類が「施錠」であった場合は、処理を終了する。
【0266】
6.4 実施の形態6の効果
実施の形態4、実施の形態5では、サーバがパターン生成、家電制御をすべて行っていた。本実施の形態では、ゲートウェイを用い、サーバがパターン生成と家電制御の際の生活パターンファイルの抽出までの処理を行い、ゲートウェイが生活パターンファイルに基づき、家電制御を行う。
【0267】
これによって、サーバから持つ所有家電データベースがなくなることで、メモリの使用を軽減することができ、また、サーバが頻度別データを抽出し、ゲートウェイに実際の機器制御を任せることで、処理の負担を軽減することができる。
【0268】
以上、説明したように、実施の形態6では、サーバの省メモリ、およびサーバの処理の負担軽減ができるという効果がある。
【0269】
なお、上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現されるクラウドサービスの類型はこれらに限られるものでない。
【0270】
(サービスの類型1:自社データセンタ型クラウドサービス)
図67は、サービスの類型1(自社データセンタ型クラウドサービス)における情報管理システムが提供するサービスの全体像を示す図である。本類型では、サービスプロバイダ1020がグループ1000から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する。本類型では、サービスプロバイダ1020が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ1020が、ビッグデータを管理するクラウドサーバ1011を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
【0271】
本類型では、サービスプロバイダ1020は、データセンタ(クラウドサーバ)2003を運営および管理している。また、サービスプロバイダ1020は、オペレーティングシステム(OS)2002およびアプリケーション2001を管理する。サービスプロバイダ1020は、サービスプロバイダ1020が管理するOS2002およびアプリケーション2001を用いてサービスを提供する(矢印2004)。
【0272】
(サービスの類型2:IaaS利用型クラウドサービス)
図68は、サービスの類型2(IaaS利用型クラウドサービス)における情報管理システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0273】
本類型では、データセンタ運営会社1010が、データセンタ(クラウドサーバ)2003を運営および管理している。また、サービスプロバイダ1020は、OS2002およびアプリケーション2001を管理する。サービスプロバイダ1020は、サービスプロバイダ1020が管理するOS2002およびアプリケーション2001を用いてサービスを提供する(矢印2004)。
【0274】
(サービスの類型3:PaaS利用型クラウドサービス)
図69は、サービスの類型3(PaaS利用型クラウドサービス)における情報管理システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0275】
本類型では、データセンタ運営会社1010は、OS2002を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)2003を運営および管理している。また、サービスプロバイダ1020は、アプリケーション2001を管理する。サービスプロバイダ1020は、データセンタ運営会社1010が管理するOS2002およびサービスプロバイダ1020が管理するアプリケーション2001を用いてサービスを提供する(矢印2004)。
【0276】
(サービスの類型4:SaaS利用型クラウドサービス)
図70は、サービスの類型4(SaaS利用型クラウドサービス)における情報管理システムが提供するサービスの全体像を示す図である。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。SaaS利用型クラウドサービスは、例えば、データセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社または個人などの利用者がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0277】
本類型では、データセンタ運営会社1010は、アプリケーション2001を管理し、OS2002を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)2003を運営および管理している。また、サービスプロバイダ1020は、データセンタ運営会社1010が管理するOS2002およびアプリケーション2001を用いてサービスを提供する(矢印2004)。
【0278】
以上、いずれのクラウドサービスの類型においても、サービスプロバイダ1020がサービスを提供する。また、例えば、サービスプロバイダまたはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーションまたはビックデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
【0279】
7.その他の変形例
なお、本発明を上記各実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記各実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0280】
(1)本発明の実施の形態では、電子錠の開錠を契機として家電機器制御を開始しているが、施錠を契機に家電機器制御をしてもよい。例えば、電子錠が施錠されたとき、炊飯器をON制御する。これにより、ユーザの必ず行う行動に連動させ、複数の家電機器を制御することができる。
【0281】
(2)本発明の実施の形態では、電子錠の開錠を契機とし家電機器のON制御をしているが、OFF制御をするようにしてもよい。例えば、電子錠の開錠を契機とし、家電機器をOFF制御する。また、上記変形例(1)と組み合わせ、電子錠の施錠を契機とし、家電機器のOFF制御をするようにしてもよい。例えば、電子錠が自宅の玄関の鍵であるとき、施錠すると同時に、家電機器をOFF制御するようにする。これにより、様々な場面で、必ず行う行動により家電機器制御を開始することが可能になる。
【0282】
(3)本発明の実施の形態では、制御する家電機器を単数としているが、複数の家電機器を制御するようにしてもよい。これにより、帰宅から就寝まで、もしくは起床から自宅を出るまで、扱う家電機器をユーザの生活パターンに合わせて自動制御することができる。
【0283】
(4)上記変形例(3)のように複数の家電機器制御を行う場合、スケジュールを表示し、ユーザに確認してもよい。
図62にその複数の家電機器を制御するスケジュール表示例を示す。スケジュールを提示した上で、「下記のように家電を自動制御します。」のように確認の文書を表示する。OKまたは変更により、ユーザに確認を取る。変更の際には、ユーザがスケジュールを修正する画面を表示する。スケジュール表示例を
図63に示す。例えば、食事をして帰宅したため、入浴後の食事を削除したい場合、変更したい行動「食事」部分をタップし、変更完了ボタンをタップすることで、変更が完了になる。これにより、複数の家電機器を制御するときの順番をユーザが確認でき、また、ユーザが普段と違う行動を取ったとしても、スケジュールを変更することができる。
【0284】
(5)本発明の実施の形態では、携帯端末のアプリを、家電制御アプリと鍵アプリと別にしているが、家電制御の機能と鍵の機能を同一のアプリ内に持ってもよい。これにより、本発明を実現する際、ユーザが立ち上げるアプリは一つで済み、アプリ間で行うコマンドおよび通知のやり取りがなくなるため、処理を少なくできる。
【0285】
(6)本発明の実施の形態では、家電制御中断の際、携帯端末に表示を出し、ユーザに確認を取っているが、中断の確認を表示し、ユーザが中断を選択した後、再開時間を指定できるようにしてもよい。
図64に、中断選択後の表示例を示す。中断を選択した後、再開時間を設定しますか、と確認をとる。ユーザは、「はい」を選択することで、完了時間を指定して設定するか再開時間をタイマーで設定するかを選べる。
図65に、ユーザが家電制御再開の時間指定をする例を示す。例えば、お湯張りを中断し、再開時間をタイマーで20分後に設定する場合、20分後にお湯張りを再開します、と表示され、ユーザがOKを選択することで、再開時間の設定が完了する。これにより、ユーザが寄り道をした際、所要時間を見越して、再開時間を設定することができる。
【0286】
(7)本発明の実施の形態では、家電機器制御を中断する原因として、寄り道のみに限定していたが、中断に限らず、家電機器制御を遅らせる要因として、天候や交通状況などの外部情報を取り入れてもよい。つまり、外部情報により、時間を見積もりなおし、時間をずらして家電機器を制御してもよい。これにより、電車の遅延や通行止めによる迂回などの原因で帰宅時間が遅れる場合にも、時間を調整し無駄なく家電機器を制御できる。
【0287】
(8)本発明の実施の形態では、パターン生成の際、電子錠や家電機器の状態が変化するたびにサーバへ通知をしているが、時刻と状態とを携帯端末および家電機器に記録しておき、一度にサーバへ上げてもよい。これにより、開錠/施錠がオフラインのときや家庭内の通信が不安定な状態のときに状態の変化が起こったデータも、収集することができる。
【0288】
(9)本発明の実施の形態では、パターン生成処理によって家電制御許可時間、帰宅所要時間等を設定しているが、これらはユーザ自身が入力することで設定してもよい。
【0289】
(10)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0290】
また、上記の各装置を構成する構成要素の各部は、個別に1チップ化されていても良いし、一部またはすべてを含むように1チップ化されてもよい。
【0291】
また、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0292】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0293】
(11)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0294】
(12)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムを含むデジタル信号であるとしてもよい。
【0295】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標)Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0296】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0297】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0298】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0299】
(13)上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。