(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-163957(P2017-163957A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】下部枠と上部枠からなる植物保護材
(51)【国際特許分類】
A01G 13/00 20060101AFI20170825BHJP
【FI】
A01G13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-55460(P2016-55460)
(22)【出願日】2016年3月18日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
(57)【要約】
【課題】本発明は、上部枠と下部枠からなる芝生保護材の耐荷重性能を改善する手段の提供にある。
【解決手段】基盤上に敷設する下部枠と下部枠上に載置される上部枠からなる植物保護材にあって、下部枠は踏圧部と透水部からなり踏圧部は網目状に配置された垂直に立ち上がる容器状物内にその上部が突出するように挿入されたコンクリー柱で、当該コンクリート柱の突出部は下部よりより小さく形成され、各容器状物間はリブにて連結され、透水部は容器状物と容器状物の間の空間であり、上部枠は踏圧部と透水部からなり、踏圧部は平板と平板の縁部から下方に延びる側面からなり、平板の中心部に孔部を有し、当該孔部より下部枠のコンクリート柱の突出部が突出し、平板がコンクリート柱の状物からの離脱を抑え各平板はリブにて連結され、透水部は前記平板と平板の間の空間であり、下部枠上に上部枠を載置した植物保護材である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤上に敷設する下部枠と下部枠上に載置される上部枠からなる植物保護材にあって、下部枠は踏圧部と透水部からなり踏圧部は網目状に配置された垂直に立ち上がる容器状物内にその上部が突出するように挿入されたコンクリー柱で、当該コンクリート柱の突出部は下部よりより小さく形成され、各容器状物間はリブにて連結され、透水部は容器状物と容器状物の間の空間であり、上部枠は踏圧部と透水部からなり、踏圧部は平板と平板の縁部から下方に延びる側面からなり、平板の中心部に孔部を有し、当該孔部より下部枠のコンクリート柱の突出部が突出し、平板がコンクリート柱の容器状物からの離脱を抑え各平板はリブにて連結され、透水部は前記平板と平板の間の空間であり、下部枠上に上部枠を載置した植物保護材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝、クローバなどの植物を保護する植物保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
芝生やその他の植物を育成させた広場として、ゴルフ場、運動場、公園、庭園、工場の路側、各種の敷地空間内があり、古くは芝生保護のため芝生内は立ち入り禁止とする場合が普通であった。最近では芝生内に立入る人の、あるいは車の踏圧から植物を保護するため踏圧部と透孔部からなる樹脂製の植物保護材(特開平2-145137、特開平4-75541)が各種提案され使用されている。
さらにこれら芝生保護材を用いた際に人の踏圧を和らげるため、芝生保護材上に更に平坦な上部枠を設置し、人の足と上部枠との接触部の面積を大きくし踏圧部からの反力を軽減する樹脂製の芝生保護材が特開平5-56724に開示されている。
かかる樹脂製の植物保護材は長期間日にさらされることにより劣化を起こし割れたりひびが入ったりする。また常時車の行き来する場所では車の荷重に耐えられない場合も合った。上記課題を解消する植物保護材が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-145137
【特許文献2】特開平4-75541
【特許文献3】特開平5-56724
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上部枠と下部枠からなる植物保護材の耐荷重性能を改善する手段の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、基盤上に敷設する下部枠と下部枠上に載置される上部枠からなる植物保護材にあって、下部枠は踏圧部と透水部からなり踏圧部は網目状に配置された垂直に立ち上がる容器状物内にその上部が突出するように挿入されたコンクリー柱で、当該コンクリート柱の突出部は下部よりより小さく形成され、各容器状物間はリブにて連結され、透水部は容器状物と容器状物の間の空間であり、上部枠は踏圧部と透水部からなり、踏圧部は平板と平板の縁部から下方に延びる側面からなり、平板の中心部に孔部を有し、当該孔部より下部枠のコンクリート柱の突出部が突出し、平板がコンクリート柱の容器状物からの離脱を抑え各平板はリブにて連結され、透水部は前記平板と平板の間の空間であり、下部枠上に上部枠を載置した植物保護材である。より耐荷重性を改善するため踏圧をコンクリート柱で受けるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、踏圧部を網目状に配置された垂直に立ち上がる容器状物内にその上部が突出するように挿入されたコンクリー柱としたため以下の効果がある。
1.耐荷重性が大きく改善する。
2.耐候性が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】芝生保護材を構成する下部枠の概念図である。
【
図2】芝生保護材を構成する上部枠の概念図である。
【
図3】下部枠の容器状物にコンクリート芯を挿入した状態を示す概念図である。
【
図4】下部枠に上部枠を載置した状態を示す概念図である。
【
図5】下部枠と上部枠との係合部を示す概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
本発明の植物保護材は、下部枠と上部枠からなる。
下部枠・上部枠とも、従来どおり荷重を受ける踏圧部と雨水等を地下に浸透させるための透水部からなる。
図1に示すとおり、下部枠の踏圧部は容器状物に挿入されたコンクリート柱で上部が容器状物より高く突出している。その突出した部分は容器状物内に存在するコンクリート柱より幅が小さくなっている。図では容器状物は格子状に配列され、その下部は相互にリブにより連結されている。且つ外周部には下部枠相互を連結するためのオス−メスの継手部が設けられている。容器状物は格子状に限らず網目状、あるいはバラバラではあるが一定面積内で均一に分散するように配置されていればよい。植物保護材の敷設時にはその基礎として砕石・砂利などを敷く場合もあり、容器状物は底面がある容器であっても管であってもよい。コンクリート柱が充填可能であればよい。コンクリート柱が必要以上に突出すると歩行障害となり後述する上部枠により抑える必要がでてくる。
下部枠の透水部は、踏圧部で囲まれた部分であり、通常土壌が充填される場所となり雨水などが浸透していく。
【0009】
図3は、下部枠の容器状物内にコンクリート柱が挿入された状態を示している。
図では容器状物は円筒状に示されコンクリート芯は円柱状で容器状物外に突出している部分はその上部が狭められ全体として階段状となっている。容器状物の形状も円筒に限らず多角形、その他の形状が要求されるデザインに応じ適用される。コンクリート柱の形状も容器状物の形状に応じて変えることができる。
【0010】
図2に示すとおり、上部枠の踏圧部は平板とその側周部縁から下方に延びる側面からなる。平板は下部枠の踏圧部に重ねあわされるように配置されており、リブで相互に連結されている。平板の中心に孔部が設けられ、下部枠に重ね合わせるときコンクリート柱の上部突出部が孔部から突き出る状態になる。
同時に、平板がコンクリート柱の階段状に成った肩部を覆い、芯が離脱しないように押さえている。
【0011】
図4は、下部枠と上部枠を係合した状態を示している。下部枠の容器状物の側面と上部枠踏圧部側面に係合部を設け、上部枠が車の通過あるいは人の歩行による踏圧を受けることで離脱しないようにしている。
なお、
図5は係合部の拡大図である。
【0012】
なお、上部枠には上部枠相互の連結用の継手は設けていない。
下部枠を継手で連結固定した上更に上部枠を固定するのは歪の逃げ道をなくすので、継手をなくすことで配設した植物保護材がゆがむことを防止している。
【0013】
上部枠・下部枠ともコンクリート柱を除き、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂で射出成形可能である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
芝生、クローバ、玉竜など公園などの緑化に使用される植物が人あるいは車の通過による被害を受けることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0015】
1 植物保護材
2 上部枠
3 下部枠
4 容器状物
5 コンクリート柱
6 平板
7 側面
8 下部枠継手
9 下部枠・上部枠間継手