特開2017-164217(P2017-164217A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロンヘルスケア株式会社の特許一覧 ▶ コルゲート・パーモリブ・カンパニーの特許一覧

特開2017-164217グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ
<>
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000003
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000004
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000005
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000006
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000007
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000008
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000009
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000010
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000011
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000012
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000013
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000014
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000015
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000016
  • 特開2017164217-グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-164217(P2017-164217A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】グリップ部分とブラシ部分のとの間を強固に接続した電動歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/32 20060101AFI20170825BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20170825BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
   A61C17/32 A
   A46B15/00 K
   A61C17/22 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-51505(P2016-51505)
(22)【出願日】2016年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】590002611
【氏名又は名称】コルゲート・パーモリブ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】片野 衛
(72)【発明者】
【氏名】中森 博
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB05
3B202AB07
3B202AB08
3B202AB15
3B202BC08
3B202BE10
3B202DA02
3B202GA02
3B202GA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】グリップ部分と、ブラシ部分と、両者を連結する連結部材を設けた電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】電動歯ブラシ1はグリップ部分2とブラシ部分4を有する。ブラシ部分4の軸X4は、グリップ部分2の軸X2に対し所定の角度θで傾斜している。この傾斜により、グリップ部分2を保持し、歯磨きを行う際、ブラシ部分4の毛4aが歯に対して容易に対向できるようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手のグリップ部分(2)と長手のブラシ部分(4)とを有し、ブラシ部分(4)の軸(X4)がグリップ部分(2)の軸(X2)に対し所定の角度(θ)で傾斜している電動歯ブラシであって、
前記ブラシ部分(4)に含まれるステム(80)、ここでステム(80)には、振動発生機を収納する空洞(86)と、ステムの下端側にある第1ネジ溝(84)と、第1ネジ溝の近傍にある第1係合部(85)が形成される、
前記グリップ部分(2)に含まれ、受口(30i)が形成された円筒状のボディ部(30a)、
前記ブラシ部分(4)と前記グリップ部分(2)を連結するステムジョイント(42)を含むステム連結部材(40)、
を有し、
前記ステムジョイント(42)は、上側シリンダ部分(42a)と下側シリンダ部分(42b)を備え、上側シリンダ部分(42a)の軸(X4)と下側シリンダ部分(42b)の軸(X2)は、所定の角度(θ)で傾斜し、上側シリンダ部分(42a)には第2ネジ溝(42c)が形成されると共に第2ネジ溝(42c)の近傍に第2係合部(42f)が形成され、
これにより下側シリンダ部分(42b)は、円筒状のボディ部(30a)の受口(30i)に挿入され、第1ネジ溝(84)は、第2ネジ溝(42c)と螺合し、第1係合部は、第2係合部と係合する、電動歯ブラシ。
【請求項2】
第1ネジ溝(84)は雄のネジ溝で有り、第2溝ネジ(42c)は雌のネジ溝である、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
第1係合部(85)は突起であり、第2係合部(42f)は凹部である、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
ステム連結部材(40)は更に、ゴム製のステムパッキング(44)と下側シリンダ部分(42b)を覆うゴムカバー(46)を含む、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
円筒状のボディ部(30a)には受口(30i)の内側に複数のブロック(30f,30g,30h)を設けると共に、ブロックと係合する複数のインデント(42k,42l,42m)を下側シリンダ部分(42b)に設けた、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
長手のグリップ部分(2)と長手のブラシ部分(4)とを有する電動歯ブラシであって、
前記ブラシ部分(4)に含まれるステム(80)、
前記グリップ部分(2)に含まれる円筒状のボディ部(30a)、
ステムジョイント(42)を含むステム連結部材(40)、
を有し、
前記ステムジョイント(42)は、上側シリンダ部分(42a)と下側シリンダ部分(42b)を備え、上側シリンダ部分(42a)の軸(X4)と下側シリンダ部分(42b)の軸(X2)は、所定の角度(θ)で傾斜し、上側シリンダ部分(42a)は上記ステムの下端と係合し、上記下側シリンダ部分(42b)は、円筒状のボディ部(30a)の上端と係合し、
これにより、ブラシ部分(4)が軸(X4)に沿って延在し、グリップ部分(2)が軸(X2)に沿って延在する様に、ステム(80)をグリップ部分(2)に接続する電動歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電動歯ブラシの構造に関し、より詳しくはグリップ部分とブラシ部分とを有する電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
市場にある電動歯ブラシは、グリップ部分とブラシ部分とを有すると共に、表示部がグリップ部分に設けたものが知られている。又、市場にある電動歯ブラシは、ブラシ部分がグリップ部分に対し傾斜しているものがある。係る電動歯ブラシは、例えば特開2009−268828(米国特許公開公報2011−056033に対応)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−268828
【特許文献2】米国特許公開公報2011−056033
【0004】
特許文献1によれば、表示部は電動歯ブラシの一方の側面、例えばブラシの毛先が存在する方の側面、に設けてあるので、電動歯ブラシを使用している者は、電動歯ブラシが所定の角度で保持されている場合にのみ、表示部を見る事ができる。電動歯ブラシを外方向に回して持つ場合、例えば歯の裏側を磨くために電動歯ブラシを持つ場合、使用者は表示部を見る事ができない。
【0005】
又、特許文献1によれば、ブラシ部分がグリップ部分に対し傾斜しているので、ブラシ部分とグリップ部分の間に掛かる張力は大きな値になる。特に、使用者が歯に対して強い圧力で保持すると、張力は大きくなる。特許文献1には、ブラシ部分とグリップ部分との間の接続構造については全く開示がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の電動歯ブラシは、上述したように、ブラシ部分とグリップ部分の間に掛かる張力は大きな値になると言う問題点を有する。本発明は、掛かる大きな張力がブラシ部分とグリップ部分との間に掛かっても両者は容易に分離する事が無い様にするため、ブラシ部分とグリップ部分との間を強固に連結する構造を有する電動歯ブラシを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電動歯ブラシは、長手のグリップ部分と長手のブラシ部分とを有し、ブラシ部分の軸がグリップ部分の軸に対し所定の角度で傾斜している電動歯ブラシであって、前記ブラシ部分に含まれるステム、ここでステムには、振動発生機を収納する空洞と、ステムの下端側にある第1ネジ溝と、第1ネジ溝の近傍にある第1係合部が形成される、前記グリップ部分に含まれ、受口が形成された円筒状のボディ部、前記ブラシ部分と前記グリップ部分を連結するステムジョイントを含むステム連結部材、を有し、前記ステムジョイントは、上側シリンダ部分と下側シリンダ部分を備え、上側シリンダ部分の軸と下側シリンダ部分の軸は、所定の角度で傾斜し、上側シリンダ部分には第2ネジ溝が形成されると共に第2ネジ溝の近傍に第2係合部が形成され、これにより下側シリンダ部分は、円筒状のボディ部の受口に挿入され、第1ネジ溝は、第2ネジ溝と螺合し、第1係合部は、第2係合部と係合する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態の電動歯ブラシにあっては、第1ネジ溝は雄のネジ溝で有り、第2溝ネジは雌のネジ溝である。
【0009】
本発明の好ましい実施形態の電動歯ブラシにあっては、第1係合部は突起であり、第2係合部は凹部である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態の電動歯ブラシにあっては、ステム連結部材は更に、ゴム製のステムパッキングと下側シリンダ部分を覆うゴムカバーを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施形態の電動歯ブラシにあっては、円筒状のボディ部には受口の内側に複数のブロックを設けると共に、ブロックと係合する複数のインデントを下側シリンダ部分に設ける。
【0012】
又、本発明の電動歯ブラシは、長手のグリップ部分と長手のブラシ部分とを有する電動歯ブラシであって、前記ブラシ部分に含まれるステム、前記グリップ部分に含まれる円筒状のボディ部、ステムジョイントを含むステム連結部材、を有し、前記ステムジョイントは、上側シリンダ部分と下側シリンダ部分を備え、上側シリンダ部分の軸と下側シリンダ部分の軸は、所定の角度(θ)で傾斜し、上側シリンダ部分は上記ステムの下端と係合し、上記下側シリンダ部分は、円筒状のボディ部の上端と係合し、これにより、ブラシ部分が軸に沿って延在し、グリップ部分が軸に沿って延在する様に、ステムをグリップ部分(2)に接続する。
【0013】
本発明に掛かる電動歯ブラシは、互いに傾斜した上側シリンダ部分と下側シリンダ部分を備えたステムジョイントを用いているので、グリップ部分とブラシ部分の間に張力が掛かっても、両者は容易に分離しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、この発明の好ましい実施形態による電動歯ブラシの斜視図である。
図2図2は、図1に示された電動歯ブラシの分解図である。
図3図3は、図2において示された回路基板の斜視図である。
図4図4は、図2において示されたシャーシの部分斜視図である。
図5A図5Aは、図2において示された照明リングボディの側面図である。
図5B図5Bは、図5Aにおいて示された照明リングボディの平面図である。
図6図6は、図5Bにおいて示された線VI−VIに沿った、照明リングボディの断面図である。
図7図7は、図1において示された電動歯ブラシの部分断面図である。
図8図8は、図7において示された線VIII−VIIIに沿った、部分断面図である。
図9図9は、図8において示された線XI−XIに沿った、部分断面図である。
図10図10は、図2において示されたステムジョイントの側面図である。
図11図11は、図10において示されたステムジョイントの断面図である。
図12図12は、図11において示されたステムジョイント斜視図である。
図13図13は、ステムジョイントとステムの分解図である。
図14図14は、ステムジョイントとステムが連結された状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の好ましい実施形態に基づく電動歯ブラシ1を示す。電動歯ブラシ1はグリップ部分2とブラシ部分4を有する。ブラシ部分4の軸X4は、グリップ部分2の軸X2に対し所定の角度θ、例えば6度から10度の範囲内のある角度、好ましくは8度、で傾斜している。この傾斜により、グリップ部分2を保持し、歯磨きを行う際、ブラシ部分4の毛4aが歯に対して容易に対向できるようになっている。後で説明するように、軸X4、軸X2は、ステムジョイント42の上側シリンダ部分42aと、下側シリンダ部分42bのそれぞれの軸で特定される。
【0016】
図2は、電動歯ブラシ1の分解図を示す。電動歯ブラシ1のグリップ部分2は、長手のボディカバー10、シャーシ20、バッテリーホルダー16、モータサポート62、長手の回路基板50を含む。中間部分は、照明リングボディ30、ステム連結部材40、トップカバー12を含み、この中間部分は、ブラシ部分4とグリップ部分2との間に有り、両者を結合する。電動歯ブラシ1は更に、中間部分に接続され延在するステム80を有する。ステム80には、円筒形のボディを有する直流モータ60、振動シャフト70が内包される。トップゴムカバー14は中間部分の一つとして設けられている。ブラシ部分4は交換可能な替ブラシ90を含む。バッテリーホルダー16に挿入されるバッテリーは、充電式電池または乾電池である。交換可能な替ブラシ90はステム80に着脱可能に嵌め込まれる。替ブラシ90はステム80を完全に、または部分的にカバーする。
【0017】
本願明細書で用いられる用語「トップ」または「上」は、図1において示される電動歯ブラシ1の替ブラシ90がある方向を指し、用語「ボトム」または「下」は、バッテリーホルダー16がある方向を指す。
【0018】
円筒状の形状を有するボディカバー10は空洞になっており、シャーシ20、バッテリーホルダー16、回路基板50を内在させる。ボディカバー10の上部と下部は、開口を有する。ユーザーは、ボディカバー10を保持して利用する。
【0019】
図3に示すように、回路基板50は、長手基盤52と、その上端に固定された発光素子実装基板であるU字形プレート54を有する。U字形プレート54は、長手基盤52の上端において直角方向に延在する2つのアーム54a、54bを有する。一方のアーム54aに2つの発光素子、例えばLED(発光ダイオード)56a、56bが設置され、他方のアーム54bに2つのLED56c、56dが設置されている。4つのLED56a、56b、56c、56dは、上方から見た場合、長方形または四角形の四隅に配置されている。この実施形態では4つのLED56a、56b、56c、56dが用いられているが、より多くの、又はより少ないLEDを用いても良い。更にLEDは、個別独立して存在するものであっても良いし、有機LED用の基盤上に配列されたものであっても良い。LED56a、56b、56c、56dのオン・オフの制御は、回路基板50に設けた制御部により制御される。制御部はマイクロプロセッサーと加速度センサーを含む。加速度センサーは、ユーザーにより保持されている歯ブラシの角度を検出するためのものである。図2に例すように、U字形プレート54の中央を通って延在するコネクタ58が設けられており、これは直流モータ60との電気的接続を行うためのものである。
【0020】
図4は、シャーシ20の上側部分を示す。シャーシ20は、長手基盤52を保持するための一対の指22a、22bを有すると共に、一対の肩部24a、24bおよび首部26を有する。首部26にはX2軸方向に延びる中央穴が形成されている。首部26を上側から見た場合、対向する側面には凹部26a、26bが形成されている。肩部24a、24bの下には、それぞれX2軸と直行するスルーホール28、29が形成されている。各スルーホール28、29には平たんな底部28a、29aが形成され、その上にU字形プレート54の2つのアーム54a、54bが乗せられる。
【0021】
U字形プレート54の2つのアーム54a、54bは、図2に示すように、それぞれスルーホール28、29に挿入されると共に、長手基盤52は指22a、22bの間にしっかりと保持される。また、コネクタ58は首部26の中央穴を通って上側に突出する。U字形プレート54のアーム54a、54bが、スルーホール28、29の底部28a、29aに置かれると、2つのアーム54a、54bに設けた4つのLED56a、56b、56c、56dは、上方向、すなわちX2軸方向を向いて設置される。
【0022】
スルーホール28、29の上側には、反射用の傾斜面28b、29bが設けられ、これら傾斜面28b、29bは、X2軸に対し約45度傾いている。これにより、LED、特に56a、56cから上方向に発せられた光線は、傾斜面28b、29bで反射し、X2軸に対し放射線方向、例えば垂直方向に放出される。4図では、2つの傾斜面28b、29bしか示されていないが、4図の反対側に、別の傾斜面28c、29cが設けられている。傾斜面28b、28c、29b、29cは、X2軸に対し放射線方向に約45度傾斜している。傾斜面28b、28c、29b、29cは、ちょうど傘の表面のように手配されている。 傾斜面28b、28c、29b、29cは、それぞれ平らであってもよいし、湾曲していてもよい。LED56a、56b、56c、56dからX2軸方向に放射された光線は、傾斜面28b、28c、29b、29cで反射し、X2軸に対し放射線方向、例えば垂直方向に放出される。
【0023】
図5A図6に示される照明リングボディ30は、合成樹脂などの透明又は半透明な素材で形成される。照明リングボディ30は、中空の円筒形のボディ部30aと、そのまわりを取り囲む照明リング30bで構成される。照明リング30bは、照明リングボディ30の外表面から突出する環状の構造体で有り、環状のフランジを形成する。照明リング30bは、X2軸と直角な平面に対し所定の角度θ、例えば6度から10度の範囲内のある角度、好ましくは8度、で傾いている。グリップ部分2の一部として存在する円筒形のボディ部30aの両端は、開口されており、内側には内部プレート30cを有する。内部プレート30cより下側の円筒の壁はスカート壁30dを形成する。内部プレート30cの中央には、疑似円形の開口30e(図5B)が形成され、図8において最もよく示されるように、開口30eには横断面が疑似円形を有する首部26が圧入される。内部プレート30cより上側の円筒状のボディ部30aは受口30iが形成され、後で説明する様に、ステムジョイント42の下側シリンダ部分42bであって、ボトムゴムカバー46が嵌められたものが圧入される。この実施形態においては、照明リングボディ30は円筒形のボディ部30aと照明リング30bを有しているが、形状は円筒形に限らず、電動歯ブラシ1のグリップ部分2のデザインや形状に応じて、他の形状であっても良い。
【0024】
図5Bに示すように、内部プレート30cの上側表面には、3つのブロック30f、30g、30hが形成され、それらは内部プレート30cと円筒形のボディ部30aの内壁との間の角に位置する。
照明リングボディ30の外側には、図5Aに示すように、1対の突出部30pが設けられている。
【0025】
回路基板50が取り付けられたシャーシ20は、ボディカバー10の下側の開口から挿入され、図4に示すように、シャーシ20の上側先端がボディカバー10の上側の開口端からやや下がった位置で係止するように、ボディカバー10内に保持される。
【0026】
図7図8に示す様に、照明リングボディ30はシャーシ20の肩部24a、24bに設置され、シャーシ20の首部26が開口30eに密着して嵌まるように挿入される。この状態において、内部プレート30cの底面は、シャーシ20の肩部24a、24bと当接し、スカート壁30dは、傾斜面28b、28c、29b、29cの全体又は少なくとも一部を取り囲むような位置に配置される。また、照明リング30bより下側の照明リングボディ30の外表面は、ボディカバー10の上端の開口に挿入され、照明リングボディ30の外側に設けた突出部30pがボディカバー10の内側表面に形成した補完凹部(図示せず)と係合する。これにより、ボディカバー10と照明リングボディ30とが抜け落ちしないように結合される。
【0027】
図9に示すように、LED、例えばLED56a、56bから放射された光線は傾斜面28b、28cで反射し、スカート壁30d方向に向かい、照明リングボディ30の中に光学的に伝達される。光成分のいくらかは照明リング30bに導かれ、電動歯ブラシの表面に露出された照明リング30bの外周の環状面から放出される。
【0028】
図7に示すように、照明リングボディ30の外側の大部分は、ボディカバー10およびトップカバー12で覆われる。ボディカバー10およびトップカバー12は、同じ又は異なった材料で形成されても良いが、いずれにしても両者は、不透明な材料である。この実施形態においては、照明リング30bの外周面だけが電動歯ブラシ1の外側から直接見ることができる。
【0029】
照明リング30bの外周面を除く、照明リングボディ30の外周面は、反射膜材料で被覆しても良い。この様にする事により、スカート壁30dの内側の面を介して照明リングボディ30に入射した光線は、反射膜でほとんど漏れることなく照明リングボディ30内に止める事ができ、照明リング30bの外周面から放出することができる。従って、照明リング30bから電動歯ブラシ1の外部に向けて強い光線を出力することができる。
【0030】
照明リング30bが、電動歯ブラシ1のグリップ部分2の上側に一周、すなわち360度全域から見える位置に設けられているので、電動歯ブラシ1をどのような角度で持ったとしても、照明リング30bから発光される照明を見ることができる。なお、上記の実施形態では、照明リング30bは、環状の連続したリング構造であるが、他の実施形態として、照明リング30bは、間欠したセグメントがリング状に並べられた間欠リング構造であっても良い。照明リング30bの発光は、次に説明するような種々の状況や種々の動作モードにおいて行うことができる。
【0031】
1番目の状況として、電動歯ブラシ1のブラシの毛先が水平面に対し、上側または下側に約45度の角度で向けられたとき、すなわち毛先が上の歯または下の歯の前側または裏側から歯周ポケットに向けられたときに、発光が行われる。
【0032】
2番目の状況として、電動歯ブラシ1のブラシの毛先が水平面に対し、直角方向に向けられたとき、すなわち毛先が大臼歯、または小臼歯の咬合面に向けられたときに、発光が行われる。
【0033】
3番目の状況として、電動歯ブラシ1のブラシの毛先が水平面の方向に向けられたとき、すなわち毛先が歯の前側または裏側から歯に垂直に向けられたときに、発光が行われる。
【0034】
上記の状況はいずれも、米国特許公開公報第No.2012/0251975号明細書、(日本特許公開公報2011−156204に対応する)または日本特許公報2009−291316において開示された加速度センサーによって検出することができる。これらの特許文献を引用することにより、本願明細書の内容に盛り込まれるものとする。
【0035】
動作モードは状況毎に変更することができる。例えば、第1の動作モードは、オン・オフモードとし、毛先角度が上述した所定の目標角度になっていることを検出したときにLEDをオンにするようにしてもよい。
【0036】
第2の動作モードは、照明可変モードとし、毛先角度が上述した所定の目標角度に近づくに従ってLEDの明るさ(すなわち照度)を変えるようにしても良い。
【0037】
第3の動作モードは、点滅モードとし、毛先角度が上述した所定の目標角度に近づくに従ってLEDの点滅の周波数を上げるようにしても良い。
【0038】
また、ある実施形態では、発光を行うのは、上で説明した3つの状況のうちの1つだけについて行うようにしても良い。この場合の動作モードは、上述した3つ動作モードの内の一つを用いれば良い。
【0039】
図2において、ステム連結部材40は、ステムジョイント42と、ステムパッキング44と、ボトムゴムカバー46を含む。
【0040】
図10図11において、ステムジョイント42は、上側シリンダ部分42aと、下側シリンダ部分42bを有する。上側シリンダ部分42aの軸は、X4軸と一致し、下側シリンダ部分42bの軸は、X2軸と一致する。
【0041】
上側シリンダ部分42aの内側には雌のネジ溝42cが形成されている。上側シリンダ部分42aの上端面には、傾斜突出部42dとストッパー突出部42eが形成されている。傾斜突出部42dの一方の側は、傾斜面を有し、他方の側は、直立面を有する。ストッパー突出部42eの両側は直立面を有する。傾斜突出部42dの直立面とストッパー突出部42eの直立面との間に、すなわちネジ溝42cの近傍に、第2係合部である係合凹部42fが形成されている。第1係合部85は後で説明する。
【0042】
図12において、下側シリンダ部分42bが、リング状凹部42gと、3つの脚部42h、42i、42jを有する。脚部42i、42jは、対称性を有し、両者と対向する位置に脚部42hが配置されている。脚部42h、42iの間にインデント42kが形成される。脚部42h、42jの間にインデント42lが形成される。脚部42i、42jの間にインデント42mが形成される。
【0043】
図2図7に示す様に、ゴム製の又は同様な材料で形成されたステムパッキング44は、リング状凹部42gに挿入される。ボトムゴムカバー46は下側シリンダ42bに被せられ、脚部42h、42i、42jを個別的にカバーする(図10−12参照)。従って、ボトムゴムカバー46の外側にもインデント42k、42l、42mが現れる。
【0044】
図2図7を参照し、次に、下側シリンダ部分42bと照明リングボディ30との連結について説明する。
【0045】
ボトムゴムカバー46が被せられた下側シリンダ部分42bは、照明リングボディ30の円筒形のボディ部30aの受口30iに圧入され、ボトムゴムカバー46の外側に現れるインデント42k、42l、42mが、3つのブロック30g、30h、30fと係合する。従って、下側シリンダ部分42bは、円筒形のボディ部30aに対し、自由回転することができず、強固に保持される。
【0046】
図7に示すように、ステム80は、長手の空洞86を有し、その中に振動シャフト70と直流モータ60により構成される振動発生機が収納される。振動シャフト70は、合成樹脂で構成される延長シャフト72と、金属で構成される偏心軸73を含む。延長シャフト72は、例えばポリプラスチックス株式会社によって製造されたPOM(ポリオキシメチレンと呼ばれる材料)によって一体形成される。振動シャフト70の延長シャフト72は、下端近傍に設けられたカラー部分74、弾力性を有するシャフト部分75、および連結部分76を含み、それらは合成樹脂、例えばPOMによって一体形成される。延長シャフト72の下端面には、直流モータ60のシャフトと連結される凹部が形成されている。直流モータ60は、その下側面から2本のワイヤーが延在し、コネクタ58を介して回路基板50と電気的接続が成される。振動シャフト70と直流モータ60は、長手の空洞86内に納められ、モータサポート62により固定される。
【0047】
振動シャフト70の偏心軸73は、偏心部分77とシャフト部分78を含む。偏心部分77の下端は、成型により連結部分76と固着され、偏心部分77の上端はシャフト部分78が設けられている。
【0048】
振動シャフト70が直流モータ60によって回転されると、偏心部分77は高周波振動を発生し、その振動は、ステム構造部80およびブラシ90に伝えられる。弾力性のあるシャフト部分75は、偏心部分77の高周波振動を受け付ける柔軟性を有する。
【0049】
ステム80もPOMによって形成される。穴部87は、長手中空部86の先端に形成される。穴部87にはシャフト部分78が回転可能に挿入される。長手中空部86内には振動シャフト70および直流モータ60が収納される。振動シャフト70は、長手中空部86内において自由に回転する。穴部87は、シャフト部分78を自由に回転保持するためのベアリングとして機能する。振動シャフト70は、高周波振動を受けつつ長手中空部86の内部で自由に回転する。
【0050】
穴部87がベアリングとして機能するので、シャフト部分78を回転自在に保持するためのベアリング部材を別途設ける必要はない。
【0051】
図13において、ステム80の下端部分の詳細が示されている。ステム80は、カラー部分82を有し、カラー部分82より下側には雄のネジ溝84が形成されている。第1係合部である突出部85がネジ溝84の近傍、例えばカラー部分82の真下、すなわちネジ溝84の終端近傍に形成されている。
【0052】
X4軸を中心にステム80を回転することによりステム80の雄のネジ溝84がステムジョイント42の雌のネジ溝42cに螺合し、ステム80とステムジョイント42は強固に接続される。ステム80が、所定回数、回転すると、第1係合部である突出部85が傾斜突出部42dの傾斜面の上を滑り、図14に示す様に、第2係合部である係合凹部42fの中に保持される。この状態においては、ステム80はいずれの方向にも回転する事ができず、グリップ部2に対しブラシ90が正しい方向に向くように、所定の回転した位置に保持される。第1係合部である突出部85と第2係合部である係合凹部42fは、逆であってもよいし、他の係合する構造であってもよい。また、ネジ溝84,42cの雄雌の関係は、逆であってもよい。
【0053】
図2図7に示す様に、トップゴムカバー14がステム80の上側から被せられ、トップゴムカバー14の底面がカラー部分82の上部に当接する。そして、トップカバー12がステム80の上に設置され、トップカバー12の底面が照明リング30bの上部に当接する。
【0054】
好ましい実施形態によると、適当な接着剤が、長手のボディカバー10と照明リングボディ30との間、照明リングボディ30とステムジョイント42との間、およびステムジョイント42とステム80との間の内の少なくとも一箇所において使われる。
【0055】
上記の実施形態においては、傾斜面28b、28c、29b、29cをシャーシ(20)の一部に形成したが、他の部分、例えば照明リングボディ30の内部プレート30cの下側面に形成してもよい。
【0056】
他の実施形態では、傾斜面を省略し、LED56a、56b、56c、56dからの光を直接照明リングボディ30に入射する様にしても良い。
【0057】
また、照明リング30bは、グリップ部分2とブラシ部分4との間、詳しくはグリップ部分2と中間部分との間に設けたが、グリップ部分2の中に設けても良いし、中間部分の中に設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
電動歯ブラシは口内のヘルスケアに利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1...電動歯ブラシ、2...グリップ部分、4...ブラシ部分、10...ボディカバー、12...トップカバー、14...トップゴムカバー、16...バッテリーホルダー、20...シャーシ、22a、22b...指、24a、24b...肩部、26...首部、26a、26b...凹部、28、29...スルーホール、28b、28c、29b、29c...傾斜面、30...照明リングボディ、30a...中空の円筒形のボディ部、30b...照明リング、30c...内部プレート、30d...スカート壁、30e...開口、30f、30g、30h...ブロック、40...ステム連結部材、42...ステムジョイント、42c...雌のネジ溝、42d...傾斜突出部、42e...ストッパー突出部、42h、42i、42j...脚部、42k、42l、42m...インデント、44...ステムパッキング、46...ボトムゴムカバー、50...長手の回路基板、52...長手基盤、54...U字形プレート、56a、56b、56c、56d...LEDs、60...直流モータ、62...モータサポート、70...振動シャフト、80...ステム、90...替ブラシ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14