【解決手段】弾球遊技機は遊技盤に入賞口16,18とアウト口21−2とクルーン本体31とが設けられる。クルーン本体は複数の落下口が形成された転動板313を有する。複数の落下口のいずれかに落下した遊技球は入賞口のいずれかに向かう第1方向とアウト口に向かう第2方向とに振り分けられる。支持機構32はクルーン本体を姿勢変更自在に支持する。駆動部33はクルーン本体の姿勢を変更するための動力を発生する。制御部151gは、第1、第2方向の一方への振り分け率が他方への振り分け率よりも高くなる第1姿勢と第1、第2方向の他方への振り分け率が一方への振り分け率よりも高くなる第2姿勢との間でクルーン本体の姿勢を変更させるように駆動部を制御する。
前記制御部は、前記クルーン本体が前記第1姿勢にある期間と前記第2姿勢にある期間との合計時間を一周期として前記クルーン本体の姿勢を周期的に変更させるために前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
前記クルーン本体は、前記転動板を下部に収容する球体をなし、前記球体の上部には前記遊技球の導入口が開けられ、前記球体の正面であって前記転動板の上方には円形の窓が設けられており、
前記支持機構は、前記クルーン本体の球体中心と前記窓の円中心とを通る中心線が前記遊技盤に垂直になり、且つ前記中心線を回転軸として前記クルーン本体を回動自在に支持することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る弾球遊技機を説明する。本発明の一実施形態に係る弾球遊技機としては、弾球遊技機外部からの遊技球の投入を受け付けず、予め内部に封入された遊技球を循環利用して遊技を行ういわゆる封入式弾球遊技機であっても良いし、封入式でない従来の弾球遊技機であっても良い。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0009】
(弾球遊技機の外観構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機10の外観構成を示す図である。弾球遊技機10は、遊技盤12を有する。遊技盤12は、前面枠11に支持される。前面枠11は弾球遊技機10の図示しない筐体に開閉可能に支持されている。弾球遊技機10の筐体には弾球遊技機10の動作を制御する制御基板(主基板150、周辺基板151)等が収容される。遊技盤12の前面は、可視光の少なくとも一部を透過する前面パネル(図示せず)によって覆われている。弾球遊技機10の遊技盤12の下方には、遊技を行う際に遊技者により操作されるハンドル23が設けられる。遊技者によるハンドル23の操作量に応じた強度で遊技球が打ち出される。打ち出された遊技球は球打ち出しレール14を通過して遊技盤12の上部の発射口15から遊技盤12の盤面に発射される。遊技盤12には遊技球が通過不可な非通過領域13が設けられる。非通過領域13には、ディスプレイ、照明装置、可動役物等が設置される。遊技盤12上の非通過領域13以外の領域(遊技領域)には、複数種類の入賞口として、遊技球の入球が大当たり抽せんの契機となる始動口16、大当たり発生時に開放される大入賞口(アタッカー)17、遊技球の入球が一定数の遊技球を払い戻す契機となる普通入賞口18が設けられる。また、遊技盤12の遊技領域の最下部には、始動口16、大入賞口17又は普通入賞口18に入球しなかった遊技球を回収するためのアウト口21−1が設けられる。最下部以外の位置、例えば球打ち出しレール14の近傍の位置にアウト口21−2が設置されるかもしれない。
【0010】
遊技盤12の非通過領域13の下部には、円弧形状のステージ20が設置される。ステージ20の一端はステージ入口19として開口される。ステージ入口19に進入した遊技球はステージ20で左右に往復動をする。ステージ20の略中央には排出口が開口される。排出口の直下には始動口16が配置される。ステージ20の排出口から排出された遊技球の多くが始動口16に誘導される。
【0011】
遊技盤12には、クルーン本体31が装備される。クルーン本体31は、遊技盤12に発射された遊技球の大部分がクルーン本体31に導入される位置として例えば球打ち出しレール14と非通過領域13との間に設置される。さらにクルーン本体31は、普通入賞口18、ステージ入口19及びアウト口21−2よりも上方に配置される。クルーン本体31は、それに導入された遊技球を普通入賞口18、ステージ入口19及びアウト口21−2のいずれかに向かって方位付ける。
【0012】
クルーン本体31は、クルーン本体31を姿勢変更可能に支持する支持機構32と、クルーン本体31の姿勢を変更する動力を発生する駆動部33とともに弾球遊技機用のクルーン装置30を構成する(
図3参照)。支持機構32は、遊技盤12に垂直であって、典型的には後述の転動板313の円中心を通る線を回転軸RA1として回動可能、換言すると左右に傾斜自在にクルーン本体31を支持する。駆動部33は後述の姿勢制御部151gの制御に従って動力を発生する。
【0013】
(クルーン本体31の構成例)
図2は、本発明の一実施形態に係るクルーン本体31の構成例を示す図である。
図2(a)は、クルーン本体31の斜視図である。
図2(b)は、遊技盤12に装備されたクルーン本体31を示す側面図である。クルーン本体31は例えば円筒状の全体形状を備える。クルーン本体31は例えば円盤状又はすり鉢状の転動板313を有する。転動板313には、複数、ここでは3つの落下口315−1,315−2,315−3が開けられている。落下口315−1は遊技球が通過可能な直径の円である。他の落下口315−2,315−3も、落下口315−1と同じ直径の円である。3つの落下口315−1,315−2,315−3は転動板313と同心の円上に等間隔に分散される。落下口315−2は当該円と回転軸RA1との交点に形成される。落下口315−1は落下口315−3に対して回転軸RA1を挟んで対称に位置する。遊技球は転動板313上を転動し、3つの落下口315−1,315−2,315−3のいずれかに落下する。
【0014】
転動板313の上方は透明性の高い樹脂製の短円筒形状の上部ケース320で覆われる。上部ケース320の上面中央には略円形状の導入口311が開けられ、この導入口311を介してクルーン本体31の内部に遊技球が導入される。転動板313の下方は、例えば不透明な樹脂製の短円筒形状の下部ケース321で覆われる。下部ケース321の底面には、クルーン本体31の内部に導入された遊技球をクルーン本体31から下方に排出するための3つの排出口319−1,319−2,319−3が開けられる。3つの排出口319−1,319−2,319−3は、転動板313上の3つの落下口315−1,315−2,315−3に3つの誘導路317−1,317−2,317−3を介して連通される。転動板313上を転動し落下口315−1から落下した遊技球は誘導路317−1を導通して排出口319−1から排出される。誘導路317−1を通過して排出口319−1から排出された遊技球は、ステージ入口19に向かって方位付けされ、その多くがステージ20に進入する。ステージ20に進入した遊技球の多くが始動口16に入球する。始動口16への入球の増加は、抽せん回数を増加させる。抽せん回数の増加は、出率を向上させる。転動板313上を転動し落下口315−2から落下した遊技球は誘導路317−2を導通して排出口319−2から排出される。誘導路317−2を通過して排出口319−2から排出された遊技球は、普通入賞口18に向かって方位付けされ、その多くが普通入賞口18に入賞する。普通入賞口18に入球したときには、一定数の遊技球が払い出される。転動板313上を転動し落下口315−3から落下した遊技球は誘導路317−3を導通して排出口319−3から排出される。誘導路317−3を通過して排出口319−3から排出された遊技球は、アウト口21−2に向かって方位付けされ、その多くがアウト口21−2に回収される。アウト口21−2に回収される遊技球の増加は、出率を低下させる。すなわち、転動板313が落下口315−1の側に傾くとき出率が高くなり、落下口315−3の側に傾くとき出率が低くなる。転動板313が水平であるとき標準的な出率が示される。本実施形態に係る遊技機はこの転動板313の傾斜、つまりクルーン本体31の傾斜を調整する仕組みを備えている。
【0015】
(弾球遊技機10の制御系構成)
図3は、本発明の一実施形態に係る弾球遊技機10の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、弾球遊技機10は、基板系として、主基板150及び周辺基板151を有する。主基板150は、メイン制御部としての機能を有するメイン制御基板であり、抽せん処理、周辺基板151への演出用のコマンドの送信や、弾球遊技機に関する規則、規格等に基づいて動作を実行する。主基板150は、各種演算や弾球遊技機10の制御等を行うCPU150aと、弾球遊技機10の各種制御プログラムや遊技抽せん用の抽せんテーブル、大当たり当選時の確変及び大当たりラウンド数の振り分けテーブル等を記憶するROM150bと、大当り情報、確率変動中情報、特別図柄表示情報、普通図柄表示情報、時短中情報、始動口入賞情報等の遊技に関する様々な情報(遊技情報)を記憶するRAM150cと、ボタンやセンサ等からの入力、周辺基板151にコマンドを送信する等の出力を行う入出力部150dとを備えている。主基板150にはさらにラムクリアスイッチ140が設けられる。ホールの従業員等は、前面枠11等を開けることで、弾球遊技機10の筐体に収容された主基板150に設けられたラムクリアスイッチ140を押下することができる。ラムクリアスイッチ140が押下されると、ラムクリア信号が主基板150に入力される。主基板150はラムクリア信号の入力を契機としてRAM150cに蓄積されている遊技情報をクリア、つまり初期化する。ラムクリア信号は周辺基板151にも出力される。
【0016】
周辺基板151は、サブ制御部としての機能を有するサブ制御基板であり、主基板150から送信される遊技に関するコマンドに応じて演出処理を実行する。周辺基板151は、演出制御等を行うCPU151aと、ディスプレイ104、照明装置161及びスピーカ162の制御を行うプログラムを記憶するROM151bと、各種演出制御プログラム等の作業領域として一時的なデータの記憶を行うRAM151cと、ディスプレイ104を駆動させるVDP(Video Display Processor)151dと、スピーカ162から音声や効果音を発生するための音源IC151eと、入出力部151fと、クルーン装置30の駆動部33を制御することにより、クルーン本体31の姿勢変更させる姿勢制御部151gと、を備えている。ROM151bには、ディスプレイ104、照明装置161、スピーカ162を用いて様々な演出を行うための演出データが記憶されている。演出データは、演出用のコマンドに対応付けて管理される。
【0017】
始動口センサ116は、始動口16に設けられ、始動口16に入球した遊技球を検知する。遊技球が始動口16に入ると、始動口センサ116が遊技球を検知して始動信号を主基板150に送信する。主基板150は、始動信号を受信すると乱数値を取得し、当該乱数値に基づいて大当たり抽せんを実行する。また、主基板150は、周辺基板151に演出用のコマンドを送信する。周辺基板151は、主基板150から出力される演出用のコマンドに基づいて、ROM151bに記憶されている演出データから演出内容を決定し、決定した演出内容を実現するために、ディスプレイ104、照明装置161、スピーカ162等を稼働させる。
【0018】
大入賞口17には特別電動役物としての開閉蓋(アタッカーともいう)が取り付けられる。アタッカーは、主基板150から送信される開閉信号に応じて開閉される。主基板150は、大当たり抽せんに当選した場合、大当たりラウンド数分の開閉信号を大入賞口17に送信する。大入賞口17には、入賞した遊技球を検知する大入賞口センサ117が設けられている。大入賞口17に遊技球が入賞すると、大入賞口センサ117が遊技球を検知して第1入賞検知信号を主基板150に送信する。主基板150は、第1入賞検知信号を受信すると、払出ユニットから弾球遊技機10の遊技盤12の下方に設けられた貯留皿ユニットの上皿(図示しない)に所定数の遊技球の払い出しを実行させる。
【0019】
普通入賞口センサ118は、普通入賞口18に設けられ、普通入賞口18に入球した遊技球を検知する。普通入賞口18に遊技球が入賞すると、普通入賞口センサ118が遊技球を検知して第2入賞検知信号を主基板150に送信する。主基板150は、第2入賞検知信号を受信すると、払出ユニットから弾球遊技機10の遊技盤12の下方に設けられた貯留皿ユニットの上皿(図示しない)に所定数(例えば、10球)の遊技球の払い出しを実行させる。
【0020】
操作ハンドル23は、遊技盤12への遊技球の打ち出しに用いられる。操作ハンドル23は、上皿から供給される遊技球を遊技盤12に打ち出す遊技球発射装置に接続されている。遊技球発射装置は、遊技者によって操作される操作ハンドル23の操作量に応じた強さで、遊技球を遊技盤12に発射する。
【0021】
(姿勢制御部151gによる姿勢変更処理)
図4は、本発明の一実施形態に係るクルーン本体31の第1姿勢と第2姿勢とを示す図である。クルーン本体31の第1姿勢と第2姿勢は、転動板313の第1姿勢と第2姿勢と同義である。クルーン本体31の姿勢は、姿勢制御部151gの制御に従って、第1姿勢と第2姿勢との間で切り換えられる。
図4(a)は、クルーン本体31の第1姿勢を示す図である。
図4(a)に示すように、第1姿勢とは、回転軸RA1に直交し、転動板313の直径を含む直線RT(以下、転動板基準線RTと称す。)が、水平線RHに対して、回転軸RA1を中心に遊技者視点で右回りに微小角、好ましくは遊技者が見て認識できない程度の角度、例えば1°傾斜した姿勢である。第1姿勢では、落下口315−1の円中心は、落下口315−3の円中心よりも下方に位置する。
図4(b)は、クルーン本体31の第2姿勢を示す図である。
図4(b)に示すように、第2姿勢とは、転動板基準線RTが水平線RHに対して、回転軸RA1を中心に遊技者視点で左回りに微小角(例えば1°)傾斜した姿勢である。第2姿勢では、第1姿勢とは逆に、落下口315−3の円中心が、落下口315−1の円中心よりも下方に位置する。
【0022】
第1姿勢では、転動板313は落下口315−1が落下口315−3よりも下方に位置するよう傾斜するので、転動板313を転動し落下口315−1に落下する遊技球の数は、落下口315−3に落下する遊技球の数よりも必然的に多くなる。クルーン本体31が第1姿勢であるときのステージ入口19に向かって遊技球を方位付ける振り分け率は、均等確率である1/3を超過する。この場合、出率は標準値より高い値を示す。一方、第2姿勢では、第1姿勢のときとは逆に、転動板313は落下口315−3が落下口315−1よりも下方に位置するよう傾斜するので、転動板313を転動し落下口315−3に落下する遊技球の数は、落下口315−1に落下する遊技球の数よりも必然的に多くなる。クルーン本体31が第2姿勢であるときのアウト口21−2に向かって遊技球を方位付ける振り分け率は、均等確率である1/3を超過する。つまり出率は標準値より低い値を示す。
【0023】
このようにクルーン本体31が第1姿勢である期間の弾球遊技機10の出率は、クルーン本体31が第2姿勢である期間の弾球遊技機10の出率に比べて高くなる傾向にある。クルーン本体31が第1姿勢である期間は、出率の高い、遊技者に有利な甘い設定がなされている期間である。一方、クルーン本体31が第2姿勢である期間は、出率の低い、遊技者に不利な辛い設定がなされている期間である。つまり、クルーン本体31の姿勢を意図的に変更できれば、ホールサイドで出率を都度調整し得る。
【0024】
クルーン本体31の姿勢変更は、姿勢制御部151gの制御によってなされる。姿勢制御部151gはタイマを内蔵し、クルーン本体31の姿勢を時間管理の下で変更する。例えばタイマは、ラムクリアスイッチ140が押下されたのを契機にリセット(初期化)され、ラムクリアスイッチ140が押下された時点からの時間経過を出力する。姿勢制御部151gは、ラムクリアスイッチ140の押下を契機として、クルーン本体31を所定の初期姿勢に設定させるために駆動部33を制御する。クルーン本体31の初期姿勢は、第1姿勢と第2姿勢との一方に固定されている。ここではクルーン本体31の初期姿勢は第1姿勢として説明する。姿勢制御部151gは、ラムクリアスイッチ140が押下された時点でクルーン本体31が第2姿勢であれば第1姿勢に変更させ、一方クルーン本体31が第1姿勢であればその第1姿勢を維持させるために駆動部33を制御する。ラムクリアスイッチ140が押下された時点での姿勢制御部151gは、ラムクリアスイッチ140が押下されてから所定時間経過した時点で、クルーン本体31を初期姿勢からそれと逆の姿勢、ここでは第1姿勢から第2姿勢に変更させるために駆動部33を制御する。姿勢制御部151gは、クルーン本体31の姿勢を、第1姿勢にある期間と第2姿勢にある期間との合計時間を一周期として周期的に変更する。
【0025】
図5は、本発明の一実施形態に係る姿勢制御部151gの時間管理による姿勢変更処理を説明するための説明図である。
図5(a)に示すように、姿勢制御部151gは、第1姿勢にある期間が12時間、第2姿勢にある期間が12時間、合計24時間を一周期として、クルーン本体31の姿勢を周期的に変更させる。姿勢制御部151gは、ラムクリアスイッチ140が押下されてから12時間経過した時点で、クルーン本体31を第1姿勢から第2姿勢に変更させ、その後さらに12時間経過した時点で、クルーン本体31を第2姿勢から第1姿勢に変更させる。姿勢制御部151gは、上記姿勢変更処理を24時間毎に繰り返し実行する。
【0026】
なお、第1姿勢期間と第2姿勢期間とは等価でなくてもよい。
図5(b)に示すように、第1姿勢にある期間が14時間、第2姿勢にある期間が10時間、合計24時間を一周期としてもよい。また、第2姿勢期間は24時間超でもよい。
図5(c)に示すように、第1姿勢にある期間が15時間、第2姿勢にある期間が100時間、合計115時間を一周期としてもよい。さらに、一周期において、第1姿勢期間と第2姿勢期間とは逆、つまり初期姿勢が第2姿勢であってもよい。
【0027】
図6は、本発明の一実施形態に係るクルーン本体の姿勢変化を示す図である。ホールの従業員等は、弾球遊技機10のラムクリアスイッチ140を押下する時刻を図ることで、出率を調整することができる。ここでは、クルーン本体31の姿勢変更周期は、第1姿勢にある期間が12時間、第2姿勢にある期間が12時間、合計24時間を一周期として設定されている(
図5(a)参照)。また、ホールの営業時間は9時から23時までの14時間とする。
【0028】
図6(a)に示すように、ホールの従業員等は、例えば営業開始時刻前の8時30分にラムクリアスイッチ140を押下することで、9時から23時までの14時間の営業時間のうち、9時から20時30分までの11時間30分を第1姿勢期間(甘い設定期間)、20時30分から23時までの2時間30分を第2姿勢期間(辛い設定時間)に設定することができる。このようにラムクリアスイッチ140の押下時刻の調整を図ることにより、営業時間内における第1姿勢期間を第2姿勢期間よりも意図的に長く設定し、弾球遊技機10の出率を意図的に高くすることができる。
【0029】
図6(b)に示すように、ホールの従業員等は、24時にラムクリアスイッチ140を押下することで、9時から23時までの営業期間のうち、9時から12時までの3時間を第1姿勢期間(甘い設定期間)、12時から23時までの11時間を第2姿勢期間(辛い設定時間)に設定することができる。このようにラムクリアスイッチ140の押下時刻の調整を図ることにより、営業時間内における第2姿勢期間を第1姿勢期間よりも意図的に長く設定し、弾球遊技機10の出率を意図的に低く抑えることができる。
【0030】
このように、弾球遊技機10のクルーン本体31は、ラムクリアスイッチ140を押下されたのを契機に、強制的に初期姿勢に戻され、再び予め決まった周期で姿勢が変更される。姿勢変更の周期は、出率の高い第1姿勢にある期間と出率の低い第2姿勢にある期間との合計時間を一周期とし、一周期は営業時間よりも長い時間であることが特徴的である。例えば一周期が24時間であれば、ホールの従業員等は、クルーン本体31の姿勢変更周期を把握していれば、ラムクリアスイッチ140の押下タイミングを図ることで、その日以降の出率を意図的に調整し得る。また、
図5(c)に示すように、第1姿勢である期間が15時間(営業時間程度)、第2姿勢である期間が100時間の合計115時間の周期でクルーン本体31が姿勢変更するようにプログラムされていれば、ラムクリアスイッチ140を営業開始直前に押下することで、その日の出率を高くし、翌日から数日の出率を低くすることができる。
【0031】
なお、上述ではクルーン本体31は転動板313が円筒状体のケース320,321に収容された構成であったが、他の構成であっても良い。
図7には、クルーン本体31の他の構成例を示している。
図7(a)はクルーン本体31の斜視図である。
図7(b)は遊技盤12に装備されたクルーン本体31を示す側面図である。クルーン本体31は転動板313を有する。転動板313はケース324の内部に収容される。ケース324は、球体形状である。しかもケース324は、不透明であり、球表面は均質であり、模様、絵柄、凹凸等のクルーン本体31の姿勢を遊技者がその外観から認識できる指標となるべきものが描かれていない。球体形状のケース324の内径は転動板313の直径よりも長く、それにより転動板313はケース324の球中心C1から球半径の例えば1/2の距離だけ底部側にシフトした位置に配置されている。球体形状のケース324の正面であって、転動板313より上方には円形の窓325が設けられる。窓325は単に開口されていてもよいし、透明な樹脂等の円板がはめ込まれていても良い。遊技者は円形の窓325を介して転動板313の表面を視認することができるが、転動板313の周縁を視認できない。球体形状のケース324の上部には遊技球の導入口311が開けられる。
【0032】
クルーン本体31は、球体の中心C1と窓325の中心C2を通る中心線が遊技盤12に垂直になるように、且つこの中心線を回転軸RA2として支持機構32により回動自在に支持される。クルーン本体31は、姿勢制御部151gの制御に従って、回転軸RA2回りに回動されることで、第1姿勢と第2姿勢とで変化する。
【0033】
クルーン本体31は絵柄等が描かれていない不透明な球体であること、クルーン本体31の回転軸RA2が遊技盤12に垂直であること、回転軸RA2が球体の中心C1を通ること、窓325が円形であること、回転軸RA2が窓325の中心C2を通ること、窓325から転動板313の周縁を視認できないこと、これらの特徴は、遊技者がクルーン本体31が傾斜していること、さらにクルーン本体31が第1姿勢にあるか第2姿勢にあるかを判断し難くなるとの作用効果を実現する。
【0034】
なお、上述ではクルーン本体31が第1、第2の傾斜姿勢で交互に変更するものとして説明したが、第3の姿勢として水平姿勢を加えて、第1乃至第3の姿勢で変更するようにしても良いし、第1、第2の一方の傾斜姿勢と第3の水平姿勢とで交互に変更するものであってもよい。
【0035】
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。