(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-164447(P2017-164447A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】室内物干し装置
(51)【国際特許分類】
D06F 58/00 20060101AFI20170825BHJP
D06F 57/00 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
D06F58/00 Z
D06F57/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-76858(P2016-76858)
(22)【出願日】2016年3月17日
(11)【特許番号】特許第6127335号(P6127335)
(45)【特許公報発行日】2017年5月17日
(71)【出願人】
【識別番号】316004664
【氏名又は名称】近藤 彩花
(72)【発明者】
【氏名】近藤 彩花
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AB27
3B168AB42
3B168AC30
3B168AE01
3B168BA55
3B168BA78
3B168BA84
3B168BA89
3B168WA08
3B168WA18
(57)【要約】
【課題】 扇風機の首振り機能を用いても洗濯物全体に均一に風がいきわたらないため、乾き方にムラが発生する。そのうえ、乾かないと衣服内で雑菌が繁殖するため生乾きのにおいが発生する。
【解決手段】 洗濯物の上部に設置した扇風機4の首振り機構のウォーム軸を延長し、その端部にクランク10を設け、室内物干し装置の架台側の案内板5の長穴12内部にクランクの突起11が嵌るよう配置することにより、扇風機4のモーターが回転すると上記クランク10の突起11が長穴12内を遊動することで、扇風機4本体が首振りと同期してリニアガイドに案内され水平方向にスライド往復するようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のA字形状の脚部の頂部同志を1本の上部連結パイプで連結し、前記脚部の斜辺中間同志を2本の中間連結パイプで連結して構成され、前記脚部のA字の頂部を上とする架台と、
モータ軸の一端にファンを取り付け、モータ軸の他端にウォームギヤ減速機を取り付け、前記ウォームギヤ減速機のウォームホイール軸により駆動される首振りリンク機構を有する扇風機と、
前記上部パイプに固定されたレールと、当該レールと組み合わされるスライダーと、からなるリニアガイドと、
前記ウォームホイール軸の延長軸端部に設けられ、そのクランク腕の外周部に前記ウォームホイール側と反対側に突出する突起を有するクランクと、
前記突起の径よりもやや大きな平行間隔で、前記クランク腕長さの2倍以上の長さの一対の長辺からなる長穴を有する平面状の案内板と、
を備え、
前記案内板を、その平面が垂直となるよう、かつ前記長穴が上下に長くなるよう、前記上部連結パイプの中央部で下方に向け固定し、
前記扇風機を、ファンが下向きとなるよう、かつ前記ウォームホイール軸が前記案内板の平面に直交するよう、かつ前記クランクの突起が前記案内板の長穴に嵌まり込むよう、前記スライダーに組み付け、
前記扇風機のモータが回転すると、前記ウォームギヤ減速機で減速された前記クランクが回転し、前記クランクの突起が前記案内板の長穴内部を上下に遊動することにより、前記扇風機が前記リニアガイドに案内されて往復しながら、かつ前記首振りリンク機構により首振りしながら、前記扇風機のファンが前記中間連結パイプに吊り下げられた洗濯物に風を送ることを特徴とする室内物干し装置。
【請求項2】
前記扇風機の往復の方向と首振りの方向とが同期するよう、前記首振りリンク機構と前記ウォームホイール軸に対するクランクの取り付け角度との関係を設定したことを特徴とする、
請求項1に記載された室内物干し装置。
【請求項3】
前記架台の脚部は、そのA字形状の頂部を中心軸として開閉自在に構成され、前記脚部を構成する2本の棒状部材同志を連絡する、折り畳み可能な2つ折り部材を備え、前記脚部の開脚時の開度を直線状となった前記2つ折り部材が規制することを特徴とする、
請求項1又は2に記載された室内物干し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋干しする際に乾燥させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
雨の日など、外に洗濯物を干すことができない時には部屋干し用の物干し竿を用いて自然乾燥させるか、扇風機で風を送って乾燥させる。または乾燥機を用いて乾燥させていた。
先行技術として、洗濯物の上部に扇風機を設置してそこから風を送ることで洗濯物を乾かすというものがあった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2012−20097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造だと扇風機の首振り機能を用いても洗濯物全体に均一に風がいきわたらないため、乾き方にムラが発生する。そのうえ、乾かないと衣服内で雑菌が繁殖するため生乾きのにおいが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の室内物干し装置は、一対のA字形状の脚部の頂部同志を1本の上部連結パイプで連結し、前記脚部の斜辺中間同志を2本の中間連結パイプで連結して構成され、前記脚部のA字の頂部を上とする架台と、モータ軸の一端にファンを取り付け、モータ軸の他端にウォームギヤ減速機を取り付け、前記ウォームギヤ減速機のウォームホイール軸により駆動される首振りリンク機構を有する扇風機と、前記上部パイプに固定されたレールと、当該レールと組み合わされるスライダーと、からなるリニアガイドと、前記ウォームホイール軸の延長軸端部に設けられ、そのクランク腕の外周部に前記ウォームホイール側と反対側に突出する突起を有するクランクと、前記突起の径よりもやや大きな平行間隔で、前記クランク腕長さの2倍以上の長さの一対の長辺からなる長穴を有する平面状の案内板と、を備え、前記案内板を、その平面が垂直となるよう、かつ前記長穴が上下に長くなるよう、前記上部連結パイプの中央部で下方に向け固定し、前記扇風機を、ファンが下向きとなるよう、かつ前記ウォームホイール軸が前記案内板の平面に直交するよう、かつ前記クランクの突起が前記案内板の長穴に嵌まり込むよう、前記スライダーに組み付け、前記扇風機のモータが回転すると、前記ウォームギヤ減速機で減速された前記クランクが回転し、前記クランクの突起が前記案内板の長穴内部を上下に遊動することにより、前記扇風機が前記リニアガイドに案内されて往復しながら、かつ前記首振りリンク機構により首振りしながら、前記扇風機のファンが前記中間連結パイプに吊り下げられた洗濯物に風を送ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の室内物干し装置は、扇風機の首振り機構のウォーム軸を延長し、その端部にクランクを設け、室内物干し装置の架台側の案内板の長穴内部にクランクの突起が嵌るよう配置することにより、扇風機のモーターが回転すると上記クランクの突起が長穴内を遊動することで、扇風機本体が首振りと同期してリニアガイドに案内され水平方向にスライド往復するようにしたので、首振りするだけのものに比べ大幅に送風範囲を広げることが出来る。
このおかげで洗濯物全体に風がいきわたって乾きやすくなる。それに伴い、半乾き状態が長時間続くことにより雑菌が繁殖することによって発生するにおいを抑えることができる。
【0007】
また、本件発明の室内物干装置は、十分な送風範囲を得ることができるので、扇風機を小型にしてもその効果が得られる。
【0008】
また、本発明の物干し竿は、支柱8が関節になっている。そのため特許文献1に記載された洗濯物送風乾燥機と違って、本体をたたむことができてコンパクトに収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の室内物干し装置を正面から見た図である。
【
図2】本発明の室内物干し装置を横から見た図である。
【
図3】本発明の室内物干し装置が往復及び首振りの動作する機構を説明する図である。
【
図4】案内板にクランクの突起は嵌った状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的に説明する。
図2に示すように、本発明の室内物干し装置の架台は、横から見たときにアルファベットのAの字のような形状をしている。
パイプ1の両側に脚部7が取り付けられる。脚部7の中間部分には棒状の物干し部6が取り付けられる。この物干し部6に衣類など乾燥させたいものを掛ける。
【0011】
2つの脚部7を繋ぐ支柱8は関節になっており、折れ曲がる。2つの脚部7は互いに開閉可能になっており、これによって図面2のようにコンパクトに折りたたむことができる。
【0012】
パイプ1には扇風機4が下向きに取り付けられる。パイプ1の下面に、リニアガイドのレール2が固定され、このリニアガイドのスライダー3に扇風機が固定される。これにより、扇風機4がパイプ1に沿って水平移動できる。
【0013】
図3は、扇風機4のモータの先端に取り付けてあるウォーム13が首振り機能の切り替え軸9に取り付けられているウォームホイールとかみ合い、さらにリンク機構14の歯車とかみ合うことによって、扇風機4は首振り運動が可能である。
首振り速度をさらにゆっくりとするには、リンク機構側の歯車の歯数を多くすることによって回転速度が遅くなる。それによってリンク機構14の動きがさらにゆっくりとなり、それに連動して首振り運動がゆっくりとなる。
【0014】
図3に示すように、扇風機4の本体から延びる首振り機能の切り替え軸9を延長させて、その先にクランク10と突起11を取り付ける。
図4に示すように、突起11は、案内板5に設けられた長穴12に嵌まっている。軸9は首振り運動のときに回転し、この回転によってクランク10の先端に取り付けられた突起11が回転する。この突起11が長穴12に沿って動く。案内板5はパイプ1に固定されているので、突起11が長穴12に沿って図面4のように往復移動し、扇風機4がレール2に沿って水平移動する。
【0015】
このように、扇風機4が首振り運動を行うと共に、水平移動する。このため、広範囲に衣服に風を送ることができる。また、この構造のおかげで送風範囲が広がるので扇風機を小型化することができる。それにより重量を軽くすることができる。
【符号の説明】
【0016】
1:パイプ
2:レール
3:スライダー
4:扇風機
5:案内板
7:脚部
11:突起
12:長穴
13:ウォーム
【手続補正書】
【提出日】2017年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
一対のA字形状の脚部の頂部同志を1本の上部連結パイプで連結し、前記脚部の斜辺中間同志を2本の中間連結パイプで連結して構成され、前記脚部のA字の頂部を上とする架台と、
モータ軸の一端にファンを取り付け、モータ軸の他端にウォームギヤ減速機を取り付け、前記ウォームギヤ減速機のウォームホイール軸により駆動される首振りリンク機構を有する扇風機と、
前記上部連結パイプに固定されたレールと、当該レールと組み合わされるスライダーと、からなるリニアガイドと、
前記ウォームホイール軸の延長軸端部に設けられ、そのクランク腕の外周部に前記ウォームホイール側と反対側に突出する突起を有するクランクと、
前記突起の径よりもやや大きな平行間隔で、前記クランク腕長さの2倍以上の長さの一対の長辺からなる長穴を有する平面状の案内板と、
を備え、
前記案内板を、その平面が垂直となるよう、かつ前記長穴が上下に長くなるよう、前記上部連結パイプの中央部で下方に向け固定し、
前記扇風機を、ファンが下向きとなるよう、かつ前記ウォームホイール軸が前記案内板の平面に直交するよう、かつ前記クランクの突起が前記案内板の長穴に嵌まり込むよう、前記スライダーに組み付け、
前記扇風機のモータが回転すると、前記ウォームギヤ減速機で減速された前記クランクが回転し、前記クランクの突起が前記案内板の長穴内部を上下に遊動することにより、前記扇風機が前記リニアガイドに案内されて往復しながら、かつ前記首振りリンク機構により首振りしながら、前記扇風機のファンが前記中間連結パイプに吊り下げられた洗濯物に風を送ることを特徴とする室内物干し装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の室内物干し装置は、一対のA字形状の脚部の頂部同志を1本の上部連結パイプで連結し、前記脚部の斜辺中間同志を2本の中間連結パイプで連結して構成され、前記脚部のA字の頂部を上とする架台と、モータ軸の一端にファンを取り付け、モータ軸の他端にウォームギヤ減速機を取り付け、前記ウォームギヤ減速機のウォームホイール軸により駆動される首振りリンク機構を有する扇風機と、
前記上部連結パイプに固定されたレールと、当該レールと組み合わされるスライダーと、からなるリニアガイドと、前記ウォームホイール軸の延長軸端部に設けられ、そのクランク腕の外周部に前記ウォームホイール側と反対側に突出する突起を有するクランクと、前記突起の径よりもやや大きな平行間隔で、前記クランク腕長さの2倍以上の長さの一対の長辺からなる長穴を有する平面状の案内板と、を備え、前記案内板を、その平面が垂直となるよう、かつ前記長穴が上下に長くなるよう、前記上部連結パイプの中央部で下方に向け固定し、前記扇風機を、ファンが下向きとなるよう、かつ前記ウォームホイール軸が前記案内板の平面に直交するよう、かつ前記クランクの突起が前記案内板の長穴に嵌まり込むよう、前記スライダーに組み付け、前記扇風機のモータが回転すると、前記ウォームギヤ減速機で減速された前記クランクが回転し、前記クランクの突起が前記案内板の長穴内部を上下に遊動することにより、前記扇風機が前記リニアガイドに案内されて往復しながら、かつ前記首振りリンク機構により首振りしながら、前記扇風機のファンが前記中間連結パイプに吊り下げられた洗濯物に風を送ることを特徴とする。