【解決手段】 カテーテルは、電極を有する複数のスパインから形成されたカテーテル本体の遠位端に非対称のバスケット形状の電極アセンブリを有する。複数のスパインは、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分される。1つ又は2つ以上のカウンタスパインは、残りの第2の円周部分全体にわたって半径方向に配分される。診断用電極が、スパイン全体にわたって配列され、一方、カウンタスパインは、1つ又は2つ以上の基準電極を有してもよい。
近位端及び遠位端と、内部を貫通する少なくとも1つのルーメンとを有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の前記遠位端での非対称のバスケット形状の電極アセンブリとを備えるカテーテルであって、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、近位端及び遠位端にて接続され、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分される複数のスパインを含み、それぞれのスパインは、複数の診断用電極を含み、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、前記スパインが半径方向外方に弓形に曲がる膨張状態の配置と、前記スパインが前記カテーテル本体の長手軸に概ね沿って配置される潰れた状態の配置を有する、カテーテル。
それぞれのスパインは、スパイン当たりのいくつかの診断用電極を有し、それぞれのカウンタスパインは、カウンタスパイン当たりのいくつかの基準電極を有し、前記スパイン当たりのいくつかの診断用電極が前記カウンタスパイン当たりのいくつかの基準電極よりも多い、請求項5に記載のカテーテル。
近位端と遠位端とを有する展開部材を更に備え、前記展開部材は、前記ルーメン内に摺動可能に配置され、前記カテーテル本体の前記長手軸と位置合わせされ、前記複数のスパインは、前記展開部材が前記カテーテル本体に対して前記長手軸に沿って最も遠位の位置にあるときに、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリが前記潰れた状態の配置を有するように、前記複数のスパインの遠位端にて前記展開部材に装着されている、請求項1に記載のカテーテル。
移動範囲にわたる前記展開部材の近位移動は、前記潰れた状態の構成から前記膨張状態の配置への前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリの変換に関連している、請求項8に記載のカテーテル。
前記移動範囲にわたる前記展開部材の相対的移動は、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリの長さ及び直径を変えることにより前記膨張状態の配置を調整する、請求項9に記載のカテーテル。
前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、前記第1の円周部分において少なくとも60個の診断用電極を有し、前記第2の円周部分において診断用電極を有していないアレイを含む、請求項4に記載のカテーテル。
【背景技術】
【0002】
電気生理学カテーテルは、通常、心臓中の電気的活性のマッピングのために使用される。異なる目的のための様々な電極の設計が知られている。特に、患者の心臓の室又は類似の領域内で使用される、バスケット形状の電極アレイを有するカテーテルが既知であり、例えば、米国特許第5,772,590号、同第6,748,255号、及び同第6,973,340号に記載されており、これらのそれぞれの全開示内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0003】
バスケットカテーテルは通常、細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端部に装着されたバスケット形状の電極アセンブリとを有する。バスケットアセンブリは、近位端と遠位端とを有し、周縁部の周りに配分され、近位端と遠位端とに接続された、複数のスパインを含む。それぞれのスパインは、少なくとも1つの電極を含み、典型的にはいくつかの電極は、スパインの長さに沿って配列される。バスケットアセンブリは、スパインが半径方向外側に弓状に張り出している膨張状態の配置と、スパインがカテーテル本体の軸線に概ね沿って配列されている潰れた状態の配置とを有する。潰れた状態の配置は、患者の脈管系を介したバスケット形状の電極アセンブリの導入を容易にし、一方、膨張状態の配置は、スパインに沿って配列された電極をアセンブリが展開される室を画定する組織と接触させることが意図されている。
【0004】
バスケット形状の電極アセンブリは、できるだけ多くの情報をできるだけ迅速に検出することができることが望ましい。例えば、単一の鼓動の間のように、電極アセンブリが展開される領域の電気的機能の広い画像、例えば左心房又は右心房を捕捉することが望ましい。例示として、細動は、発作細動ならびに持続的な心房細動の両方を含め、いくつかの複雑な方法で示すことができ、十分には理解されていない。病状を特性評価しようとする取り組みでは、摂動電気信号の発生源を特定して当該患者における素早くて目標とされたアブレーションを容易にするために、ウェーブレット解析、回転子及びシャノンエントロピーを含め、いくつかの理論が採用されてきた。この点を踏まえると、罹患した領域内の電気的機能の広範囲かつ正確な反映であれば、上記及び他の技術を適用するときにかなりの利点を与えるであろう。
【0005】
従来のバスケット形状の電極アセンブリは、概ね球形であり、アセンブリを患者の特定の解剖学的構造に適合させる一助となるようにいくつかの異なるサイズで提供され得る。それにもかかわらず、このようなアセンブリは、該アセンブリが展開されるチャンバの解剖学的構造との最適な適合をもたらすことができない。例えば、従来のバスケット形状の電極アセンブリ内の一部のスパインは、僧帽弁など、室の開口部と接触する場合がある。したがって、それらのスパイン上の電極から収集された信号は、心房細動の発生源を見つける分析に向けた意義がある情報を与えるものではない。他のスパインは、たとえ開口上方に位置決めされていないとしても、室を画定する組織とは最適には接触せず、電極から収集された情報の品質の劣化が発生する恐れがある。更に、心房又は他の室の内面の同量と接触することを求めることにより、従来のバスケット形状の電極アセンブリは、概ね球形である単一の最適形状を呈するように構成され得る。異なる全体的なサイズが提供され得るが、バスケットの形状を変えることができないために、心房壁との最適な接触を有するアセンブリの能力が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、アセンブリが展開される室の所望される領域と接触するスパインの数を最大化する配向でアセンブリを位置決めすることを可能にするためにスパインを非対称に配分するバスケット形状の電極アセンブリを提供することが望ましいであろう。また、室壁と接触させることができる電極の数を増大させるために様々な展開された、膨張状態の配置を呈することができるバスケット形の電極アセンブリを証明することが望ましいであろう。以下の資料に記載される本開示の技術は、これら及び他の必要性を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、カテーテルを対象とし、カテーテルは、近位端及び遠位端と、内部を貫通する少なくとも1つのルーメンとを有する細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端での非対称のバスケット形状の電極アセンブリとを有し、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、近位端及び遠位端にて接続され、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分される複数のスパインを有し、それぞれのスパインは、複数の診断用電極を有し、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、スパインが半径方向外方に弓形に曲がる膨張状態の配置と、スパインがカテーテル本体の長手軸に概ね沿って配置される潰れた状態の配置を有し得る。
【0008】
一態様において、第1の円周部分は、非球状であってもよい。例えば、第1の円周部分は、半球状であってもよい。
【0009】
一態様において、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、残りの第2の円周部分全体にわたって半径方向に配分された少なくとも1つのカウンタスパインを有してもよい。少なくとも1つのカウンタスパインは、少なくとも1つの基準電極を有してもよい。一部の実施形態において、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、カウンタスパインよりも多いスパインを有してもよい。一部の実施形態において、スパイン当たりのいくつかの診断用電極は、カウンタスパイン当たりのいくつかの基準電極よりも多くてもよい。
【0010】
一態様において、近位端及び遠位端を有する展開部材は、ルーメン内に摺動可能に配置され、カテーテル本体の長手軸と位置合わせされてもよく、複数のスパインは、展開部材がカテーテル本体に対して長手軸に沿って最も遠位の位置にあるときに、非対称のバスケット形状の電極アセンブリが潰れた状態の配置を有し得るように、複数のスパインの遠位端にて展開部材に装着されている。移動範囲にわたる展開部材の近位移動は、潰れた状態の構成から膨張状態の配置への非対称のバスケット形状の電極アセンブリの変換に関連してもよい。移動範囲にわたる展開部材の相対的移動は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリの長さ及び直径を変えることにより膨張状態の配置を調整してもよい。
【0011】
一態様において、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、第1の円周部分において少なくとも60個の診断用電極を有し、第2の円周部分において診断用電極を有していないアレイを含む。
【0012】
一態様において、細長いカテーテル本体は、偏向可能である。
【0013】
本開示は、また、心臓の室をマッピングする方法を含む。方法は、近位端及び遠位端と、内部を貫通する少なくとも1つのルーメンとを有する細長いカテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端での非対称のバスケット形状の電極アセンブリとを有するカテーテルを設けることであって、非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、近位端及び遠位端にて接続され、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分された複数のスパインを含み、それぞれのスパインは、複数の診断用電極を含み、少なくとも1つのカウンタスパインは、残りの第2の円周部分全体にわたって半径方向に配分される、ことと、カテーテルの遠位端を室に導入することと、非対称のバスケット形状の電極アセンブリを、スパインがカテーテル本体の長手軸に概ね沿って配列されている、潰れた状態の配置から膨張させることと、診断用電極の少なくとも一部が、室を形成する組織と接触しているように非対称のバスケット形状の電極アセンブリを室内に位置決めすることと、組織と接触している診断用電極の少なくとも一部から受け取られた電気データを記録することとを伴ってもよい。
【0014】
一態様において、心臓の室は、心房又は心室であってもよい。
【0015】
一態様において、非対称のバスケット形状の電極アセンブリを室内に位置決めすることは、第2の円周部分が関心が低い領域近傍にあるように非対称のバスケット形状の電極アセンブリを配向することを伴ってもよい。例えば、関心が低い領域は、室の開口部であってもよい。
【0016】
一態様において、カテーテルは、また、ルーメン内に摺動可能に配置され、カテーテル本体の長手軸と位置合わせされた展開部材を有してもよく、複数のスパインは、遠位端にて展開部材に装着され、その結果、方法は、また、室により密接に適合するために非対称のバスケット形状の電極アセンブリの長さ及び直径を変えるように展開部材の相対的な長手方向の位置を調整することを伴ってもよい。
【0017】
一態様において、診断用電極の少なくとも一部が、室を形成する組織と接触しているように非対称のバスケット形状の電極アセンブリを室内に位置決めすることは、細長いカテーテル本体を偏向させることを伴ってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、構成、手順、方法、又は構造に限定されず、変化し得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に記載されているようなものに類似するか又は等価である多くの選択肢が、本開示の実践又は実施形態において用いられることができるが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0020】
本明細書で使用する用語は、本開示の特定の実施形態を説明するためのみであって、制限することを意図するものでないことも理解されるべきである。
【0021】
添付の図に関連して下記に示される詳細記述は、本開示の例示的実施形態を説明するためのものであり、本開示が実践可能な限定的な例示的実施形態を示すことを意図したものではない。本記述全体にわたって使用される用語「例示的」とは、「実施例、事例、又は実例として役立つ」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細記述には、本明細書の例示的な実施形態の徹底した理解を提供することを目的とした、具体的な詳細が含まれる。本明細書の例示的実施形態は、これらの具体的な詳細なしでも実施が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。場合によっては、本明細書に示される例示的実施形態の新しさを明確にするために、周知の構造及び装置がブロック図形式で示される。
【0022】
単に便宜的及び明確さの目的で、上、下、左、右、上方、下方、上側、下側、裏側、後側、背側、及び前側などの方向を示す用語が、添付の図に関して使用されることがある。これら及び類似の方向を示す用語は、本開示の範囲をいかなる意味でも制限すると見なされるべきではない。
【0023】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語はすべて、本開示が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
【0024】
最後に、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0025】
心室内での特定の種類の電気的活動は周期的ではない。例としては、動脈粗動又は動脈細動、及び梗塞から生じた心室壁の瘢痕に起因する心室性頻拍が挙げられる。かかる電気的活動は、1心拍ごとに不規則である。この種類の電気的活動を解析する、つまり「マップ」するには、1心拍内など可能な限り迅速に幅広い領域の「全体像」を把握することが望ましい。換言すると、マップ、つまり全体像のすべてのポイントは、10分の1秒以内に同時に取得されてよい。本開示の技術により、非対称のバスケット形状の電極アセンブリが、この電気的活性を正確にマッピングするために、開口部など、関心が低い領域が回避されてもよい。更に、開示する非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、所与の患者の心臓の解剖学的構造により密接に適合するために可変長及び幅を有する展開状態の配置を有するように調整されてもよい。尚も更に、カテーテルシャフトは、オペレータが非対称のバスケット形状の電極アセンブリを該アセンブリが展開される室の壁との接触を増大させることを可能にするように偏向可能であってもよい。
【0026】
本開示の態様を例示する一助となるように、非対称のバスケット形状の電極アセンブリの一実施形態を
図1に示すが、カテーテル10は、近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体12、及び、カテーテル本体の近位端での制御ハンドル14を備え、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、カテーテル本体12の遠位端にて取り付けられる。非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、それぞれ、電気信号を測定する複数の診断用電極20を担持し、概略的に示すように、カテーテル本体12の長手軸A
0〜A
1に対して第1の非球状の円周部分CP
1全体にわたって半径方向に配分された複数のスパイン18を有する。例えば、スパイン18は、この実施形態に示すように半球構成で配置されてもよいが、周縁部の他の比率を占めるデザインが採用されてもよい。電気信号の正確なマッピングを可能にするには、例えば、1回という少ない拍動で右房又は左房の電気的機能の有意な部分を検出するには、比較的高密度の電極のアレイを提供することが望ましいことがある。この点を踏まえて、第1の円周部分において採用されるスパイン18の数は、半球状部分についてほぼ3〜6、又は、周縁部の他の大きさの部分を占める部分について任意の他の好適な数であってもよい。スパイン18は、第1の円周部分内に均一に又は不均一に半径方向に配分されてもよい。更に、各スパイン18は、スパイン当たり10個及び最大約20個の電極など複数の電極20を含んでよい。同様に、電極は、スパインに沿って均一に分布してよい、又は近位に、中央に、若しくは遠位に偏って、測定した電気信号を解析しやすくしてよい。
【0027】
第1の代表実施例として、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、それぞれ、60個の電極のアレイを形成するために20個の診断用電極20を有する、3つのスパイン18を有してもよい。理解されるように、異なる数のスパイン18が、それぞれ15個の電極を有する4つのスパイン、それぞれ12個の電極を有する5つのスパイン、又は、10個の電極を有する6つのスパインなど、類似したアレイを提供するために採用されてもよい。これらの実施例は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の他の構成は異なる数の電極を有するアレイを利用してもよいので、例示としてのみ、制限なしで示し、異なる数の電極は、それぞれ任意の数の電極を有する任意の数のスパインを使用して実行されてもよい。更に、上述したように、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、
図1に示す半球を上回るか又は下回るスパイン18により占められる第1の円周部分を有してもよい。したがって、スパイン18の数は、適宜調整されてもよい。スパインの数及びスパイン当たりの電極の数に応じて、記録のためにカテーテル10の近位端に電気信号を導くのに必要なリード線を収容するために、異なる技術が採用されてもよい。例えば、各スパイン18は、2013年4月11日出願の「HIGH DENSITY ELECTRODE STRUCTURE」という名称の米国特許出願第13/860,921号及び2013年10月25日出願の「CONNECTION OF ELECTRODES TO WIRES COILED ON A CORE」という名称の米国特許出願第14/063,477号(これらの開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるスパインによって行われる電極20の内蔵型又は埋込み型リードワイヤの配線を含んでもよい。
【0028】
1つ又は2つ以上のカウンタスパイン22は、CP
2により示す、残りの第2の円周部分の周りに半径方向に配分される。周縁部の対応する部分内のスパイン18よりも比較的少ないカウンタスパイン22がある限り、任意の好適な数のカウンタスパイン22が採用されてもよい。任意選択的に、1つ又は2つ以上の基準電極24が、1つ又は2つ以上のカウンタスパイン上に存在してもよい。任意の数が適切であるが、一般的に、スパイン18当たりの診断用電極20の数と比較してより少しの基準電極24が、カウンタスパイン22当たりに使用されてもよい。一部の実施形態において、基準電極24は、電気信号を記録するか、又は、電気的機能をその他の方法でマッピングするのには使用されない。基準電極24は、患者内の非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の位置及び向きを決定する一助となるように、以下で更に詳細に説明するなど、好適な位置システムに関連して使用されてもよい。診断用電極20は、また、位置システムと共に使用されてもよい。更に、スパイン18及びカウンタスパイン22の一方又は両方は、視覚化の下での非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の配向を示す一助となるように放射線不透過マーカのパターンを有してもよい。更に、1つ又は2つ以上の位置センサ26が、
図1において概略的に示すように非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16近傍のカテーテル10の遠位端近傍に設けられてもよい。このセンサは、1個の磁場応答コイル又は複数個のかかるコイルをそれぞれ備えてよい。複数のコイルを使用することにより、六次元位置及び向き座標を決定できる。したがって、センサは、外部コイルからの磁場に応答して電気位置信号を生成し、心臓腔内のカテーテル10の遠位端の位置決定(例えば、位置及び向き)を可能にすることができる。
【0029】
一部の実施形態において、カテーテルシャフト12は、組織のどの領域に非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16が接触するかの更なる制御を与えるように偏向可能であってもよい。少なくとも1つの引張ワイヤ28は、遠位端にてカテーテルシャフト12の遠位部分に、かつ近位端にて制御ハンドル14上のアクチュエータ30に固定されてもよい。アクチュエータ30を回転させるか、又は、その他の方法で操作することにより、引張ワイヤ28を張力下に置き、長手軸から離れるカテーテルシャフト12の偏向を生成することができる。1つの引張ワイヤが、一方向性偏向を与えるために採用されてもよく、一方、更なる引張ワイヤが、双方向性偏向をもたらしてもよい。偏向可能なカテーテルの好適な構成の詳細の実施例が、STEERING MECHANISM FOR BI−DIRECTIONAL CATHETERという名称の米国特許第7,377、906号、及び、CATHETER WITH ADJUSTABLE DEFLECTION SENSI−TIVITYという名称の米国特許第8,137,308号で説明されており、これらの開示内容全体が、参照により本明細書に組み入れられる。他の好適な技術も、また、所望通りに偏向をもたらすために採用されてもよい。
【0030】
述べたように、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、また、ルーメン34内に配置され、カテーテル本体12と概ね同軸の展開部材32を含んでもよく、展開部材32は、カテーテル本体12の近位端から延在し、かつ直接的又は間接的に、スパイン18及びカウンタスパイン22の遠位端に装着される。展開部材32は、制御ハンドル14上のアクチュエータ36に結合されてもよく、展開部材32はスパイン18及びカウンタスパイン22の遠位端をカテーテル本体12に対して近位に又は遠位に移動させて電極アセンブリをそれぞれ半径方向に膨張及び収縮させることができるようにカテーテル本体に対する長手方向の動きを与えられる。スパイン18及びカウンタスパイン24の近位端は、カテーテル本体12に固定されることから、スパイン18及びカウンタスパイン24の遠位端と近位端との間の距離は、スパイン18及びカウンタスパイン24が外方に弓形に曲がって膨張状態の配置になるときに短縮し、膨張状態の配置は、近位方向の展開部材32の相対的移動に関連づけられてもよい。いくつかの実施態では、ルーメン34をまた使用して、ヘパリン化した食塩水など好適な潅注流体を非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16に供給してもよい。制御ハンドル14に金具(図示なし)を装着して、好適な供給源又はポンプからの潅注流体をルーメン26に誘導してよい。あるいは、展開部材32の近位部分は、灌注流体を送達するために使用されるルーメンを特徴としてもよい、ハイポチューブの形態のような管状であってもよい。このような実施形態において、灌注流体は、例えば、アクチュエータ34上の取付具を介して供給されてもよい。
【0031】
スパイン18及び/又はスパイン22は、以下に記載するように、展開部材32を省略し得る、又は展開部材32を使用して、膨張状態の配置と潰れた状態の配置との移行を支援し得るように、形状記憶材料など膨張状態の配置を容易にとらせる材料を含んでよい。一実施形態では、展開部材32は、以下に記載するように、ニッケルチタン合金など好適な形状記憶材料から形成されたワイヤ又はハイポチューブを備えてよい。理解されるように、長手軸に沿った展開部材32の異なる相対移動量は、患者の解剖学的構造により密接に適合して、スパイン18上の組織と電極20とのより良好な接触をもたらすためにスパイン18及びカウンタスパイン24が異なる全長及び幅を呈することを可能にするためなど、弓反りの度合いに影響を与え得る。したがって、ユーザは、引張ワイヤの長手方向の拡張又は引き抜きを調整することによって電極アセンブリの形状を修正することができる。
【0032】
最も遠位の位置から比較的より近位の位置への展開部材32の移動範囲は、潰れた状態の配置からの非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の偏向に対応し、潰れた状態の配置において、スパイン18及びカウンタスパイン24は、関連の長さ及び幅を有する様々な寸法にわたるカテーテルシャフト12の長手軸と概ね位置合わせされる。通常、スパイン18及びカウンタスパイン22の近位端及び遠位端の間の距離が減じるにつれて、スパイン18及びカウンタスパイン22は、外側に弓形に大きな度合で曲がり、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の有効直径は、長さが低減されるにつれて増大する。例えば、
図2は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の第1の配置を概略的に示し、第1の配置において、展開部材32が近位に第1の量引き抜かれた状態である。この展開状態の配置において、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、示すような第1の長さL
1及び対応する直径D
1を有する。これに対応して、
図3は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の第2の配置を概略的に示し、第2の配置において、展開部材32は、
図2に示す配置に対して近位に引き抜かれた状態であり、その結果、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、第2の長さL
2及び第2の直径D
2を有する。図示されているように、L
1は、L
2よりも大きく、L
2は、直径D
2を下回る直径D
1に対応する。展開部材32は、患者の解剖学的構造により密接に適合するために対応する長さ及び直径を有するスパイン18及びカウンタスパイン22の配置をもたらすために任意の所望量引き抜かれてもよい。
【0033】
述べたように、スパイン18及びカウンタスパイン22は、患者内の挿入及び患者からの引き抜きのために外径を低減することによりなど、送達を容易にするために、潰れた状態の配置においてカテーテル本体12の長手軸と概ね位置合わせされてもよい。一部の実施形態において、スパイン及びカウンタスパインは、ガイドシースによってなど、潰れた状態の配置において抑制されてもよい。更に、スパイン18及び/又はカウンタスパイン22は、展開部材32に印加された力が相対的にほとんどないか全くなく抑制されていないときに膨張した展開状態の構成を呈するように十分な弾性材料を含んでもよい。あるいは、スパイン18及び/又はカウンタスパイン22は、抑制されていないときでも潰れた状態にとどまるように構成されてもよく、展開部材32に十分な力を与えることにより、潰れた状態の配置から所望される膨張状態の配置に偏向され得る。
【0034】
カテーテル本体12は、単一の軸方向ルーメン、つまり中央ルーメン(図示せず)を有する、細長い管状構造を備えるが、所望により、任意追加的に複数のルーメンを有することもできる。カテーテル本体12は、可撓性、すなわち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有していてもよく、任意の好適な材料で作製することができる。1つの構造は、ポリウレタン又はPEBAX(登録商標)(ポリエーテルブロックアミド)から作られる外壁を有する。外壁は、カテーテル本体12の捩り剛性を高めるために、ステンレス鋼などの、埋め込まれた編組みメッシュを備えており、そのため、制御ハンドル14が回転されると、カテーテル本体の遠位端部がそれに対応する方式で回転するようになっている。カテーテル本体12の外径は重要ではないが、概ね可能な限り小さくあるべきであり、所望の用途に応じて約10フレンチ以下であってよい。同様に、外壁の厚さも重要ではないが、中央ルーメンが引張ワイヤ、リードワイヤ、センサケーブル、及び任意の他のワイヤ、ケーブル、又はチューブを収容できるように、十分に薄いものであってよい。所望により、外壁の内部表面は補剛チューブ(図示せず)で裏張りされて、捩り安定性が改善される。本発明と関連して用いるために好適なカテーテル本体構成の例が、米国特許第6,064,905号に記載及び図示されているが、同特許は、その全開示内容が、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0035】
それぞれのスパイン18及びカウンタスパイン22は、非導電カバーを有する可撓性ワイヤを含んでもよく、非導電性カバー上で、診断用電極20又は基準電極24の1つ又は2つ以上は、リング電極構成でなどで取り付けられる。一実施形態では、可撓性ワイヤは形状記憶材料から形成されて、膨張状態の配置と潰れた状態の配置との移行を促進してよく、非伝導性被覆は、ポリウレタン又はポリイミドチューブなど生体適合性プラスチックチューブをそれぞれ含んでよい。一部の実施形態において、スパイン18及びカウンタスパイン22のコアでの可撓性ワイヤは、管状ストックから切断されたフレームワークとして形成されてもよい。あるいは、一部の実施形態において、スパイン18及び/又はカウンタスパイン22は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の半径方向の膨張を可能にする十分に剛性で弾性のポリマー材料が使用され、一方、電極の取り付けのために非導電外面をもたらす場合には内部可撓性ワイヤなしで設計することができる。
【0036】
一部の実施形態において、スパイン18及びカウンタスパイン22に使用される可撓性ワイヤのフレームワーク又は他の構成は、ニチノールとして知られているニッケル−チタン合金で形成されてもよい。ニチノール製ワイヤは、体温で可撓性かつ弾性であり、大部分の金属のように、ニチノール製ワイヤは、最小限の力を受けたら変形し、力の不在でそれらの形状に戻る。ニチノールは、形状記憶合金(SMA)と呼ばれる材料クラスに属し、可撓性及び弾性以外にも形状記憶及び超弾性など興味深い機械的特性を有する。このため、ニチノールは、その温相に依存する「記憶形状」を有することができる。オーステナイト相はニチノールのより強い、より高い温相であり、単純な立法晶構造を有する。超弾性挙動は、この相(50〜60℃の温度の広がりにわたって)で生じる。それに応じて、マルテンサイト相は比較的弱く、より低い温相であり、双晶構造を有する。ニチノール材料がマルテンサイト相内にあるとき、比較的容易に変形し、変形した状態で留まる。しかしながら、そのオーステナイト遷移温度を超えて加熱すると、ニチノール材料は変形前の形状に戻り、「形状記憶」効果をもたらす。加熱にあたり、ニチノールがオーステナイトへの変換を開始する温度は、「As」温度と呼ばれる。加熱にあたり、ニチノールがオーステナイトへの変換を完了した温度は、「Af」温度と呼ばれる。したがって、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、容易に潰れてガイド用シースに送り込まれ、次いで所望の患者領域に送達されて、ガイド用シースが除去されると、その膨張した形状記憶構成に容易に戻ることができる三次元形状を有してよい。
【0037】
一態様では、電気生理学医は、当該分野において一般に知られているように、ガイド用シース、ガイドワイヤ、及び拡張器を患者の体内に導入してもよい。本発明のカテーテルに関連する使用に好適なガイドシースの例は、PREFACE(商標)編組ガイドシース(Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,CA)から市販されている)及びDiRex(商標)ガイドシース(BARD(Murray Hill,NJ)から市販されている)である。ガイドワイヤを挿入し、引張ワイヤを除去し、ガイド用シースを通してカテーテルを導入すると、引張部のガイドワイヤルーメンによって、カテーテルがガイドワイヤを通り越すことができる。
図4に図示する1つの例示的方法では、カテーテルは、下大静脈(IVC)を通って右心房(RA)に最初に導入され、左房(LA)に到達するために、隔膜(S)を通過する。
【0038】
上記の内容から分かるように、カテーテル全体が、患者の脈管系を通って所望の位置に到達できるように、ガイド用シース38は、潰れた位置にある非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16のスパイン18を被覆する。展開部材32は、カテーテル本体の遠位に位置して、アセンブリがガイド用シースを通過する間に、アセンブリのスパインが平坦になることができるようにしてよい。カテーテルの遠位端が所望の位置、例えば左心房に到達すると、ガイド用シースは引き抜かれて、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16が露出する。展開部材32は、スパイン18及びカウンタスパイン22が遠位接合部と近位接合部との間で外方に屈曲するように、第1の移動範囲を介して近位に引かれるか、又は、その他の方法で操作される。非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16が半径方向に膨張した状態で、第1の円周部分全体にわたって配列された診断用電極20は、心房組織に接触する。当業者により認識されるように、展開部材32の相対的な長手方向の位置は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16が先に論じたように電極アセンブリ16が展開される領域に密接に適合する長さ及び直径を呈するように調整されてもよい。更に、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16は、第2の円周部分が、僧帽弁(Mv)、関心が低い別の開口部又は他の領域の方へなど、電気的機能に関する意義がある情報を提供することになっていない領域の方へ配向されるように配向されてもよい。
【0039】
非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16が膨張状態の配置に膨張しているとき、電気生理学医は、患者を診断し、治療を施す際に電気生理学医を誘導できる診断用電極20を使用して、局所起動時間をマップしてよい、及び/又はアブレーションを施してよい。述べたように、カテーテルは、カテーテル本体上のカウンタスパイン22又は他の基準電極上に装着された1つ若しくは2つ以上の基準リング電極24を含んでよく、及び/又は1つ若しくは2つ以上の基準電極が患者の体の外側に置かれてもよい。複数の電極をバスケット形状の電極アセンブリ上に有する本発明のカテーテルを使用することにより、電気生理学医は、役に立つ電気情報を有する可能性がない領域を回避することにより、及び、多く患者の解剖学的構造により密接に適合することにより、心房を含め、心臓の洞領域の真の解剖学的構造を取得することができ、領域マッピングの迅速化が可能である。
【0040】
図5は、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の使用法を図示しやすくするための、本発明の実施形態による侵襲性医療処置の概略図である。遠位端にバスケット形状の電極アセンブリ16(この図では図示なし)を備えるカテーテル10は、検出した信号を記録し、解析し、並びに、位置決定のために基準電極24に結合するコンソール52にそれぞれの診断用電極20からのワイヤ(この図では図示なし)を接続するためのコネクタ50を近位端に有してよい。電気生理学医54は、患者の心臓58から電極電位信号を取得するために患者56にカテーテル10を挿入してよい。この専門家は、挿入を実施するために、カテーテルに取り付けられた制御ハンドル14を使用する。コンソール52は、受信信号を解析する処理装置60を含んでよく、コンソールに取り付けられたディスプレイ62に、解析結果を表示してよい。この結果は典型的に、信号から誘導されたマップ、数値表示、及び/又はグラフの形式である。
【0041】
更なる態様では、処理装置60はまた、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16及び/又は基準電極24に隣接するカテーテル10の遠位端付近に設置された、1つ又は2つ以上の位置センサ26から信号を受信してよい。このセンサは、1個の磁場応答コイル又は複数個のかかるコイルをそれぞれ備えてよい。複数のコイルを使用することにより、六次元位置及び向き座標を決定できる。したがって、センサは、外部コイルからの磁場に応答して電気位置信号を生成し、それによってプロセッサ60が、心臓腔内におけるカテーテル10の遠位端の位置(例えば、位置及び向き)を決定できる。次いで、電気生理学医は、ディスプレイ62で患者の心臓画像上の非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の位置を確認してよい。例として、この位置検出法は、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)製のCARTO(商標)システムを使用して実行してよく、その詳細は、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455 A1号、同第2003/0120150 A1号、及び同第2004/0068178 A1号に開示されており、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。上記の内容から分かるように、他の位置検出法を用いてもよい。所望により、少なくとも2個の位置センサが電極アレイアセンブリ16に対して近位及び遠位に位置決めされてもよい。近位センサに対する遠位センサの座標を決定してよく、基準電極24を含む、非対称のバスケット形状の電極アセンブリ16の構成に関する他の既知の情報と共に使用して、電極20のそれぞれの位置を検出する。
【0042】
上記の説明文は、本発明の現時点において開示されている実施形態に基づいて示したものである。本発明が属する当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を有意に逸脱することなく、説明された構造に改変及び変更が実施されてもよいことを理解するであろう。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺通りではない。したがって、上記の説明は、添付図面に記載及び例示される精密な構造のみに関連するものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる特許請求の範囲と一致し、かつそれらを補助するものとして読まれるべきである。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) 近位端及び遠位端と、内部を貫通する少なくとも1つのルーメンとを有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の前記遠位端での非対称のバスケット形状の電極アセンブリとを備えるカテーテルであって、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、近位端及び遠位端にて接続され、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分される複数のスパインを含み、それぞれのスパインは、複数の診断用電極を含み、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、前記スパインが半径方向外方に弓形に曲がる膨張状態の配置と、前記スパインが前記カテーテル本体の長手軸に概ね沿って配置される潰れた状態の配置を有する、カテーテル。
(2) 前記第1の円周部分は、非球状である、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記第1の円周部分は、半球状である、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 残りの第2の円周部分全体にわたって半径方向に配分された少なくとも1つのカウンタスパインを更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記少なくとも1つのカウンタスパインは、少なくとも1つの基準電極を有する、実施態様4に記載のカテーテル。
【0044】
(6) 前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、カウンタスパインよりも多いスパインを有する、実施態様4に記載のカテーテル。
(7) それぞれのスパインは、スパイン当たりのいくつかの診断用電極を有し、それぞれのカウンタスパインは、カウンタスパイン当たりのいくつかの基準電極を有し、前記スパイン当たりのいくつかの診断用電極が前記カウンタスパイン当たりのいくつかの基準電極よりも多い、実施態様5に記載のカテーテル。
(8) 近位端と遠位端とを有する展開部材を更に備え、前記展開部材は、前記ルーメン内に摺動可能に配置され、前記カテーテル本体の前記長手軸と位置合わせされ、前記複数のスパインは、前記展開部材が前記カテーテル本体に対して前記長手軸に沿って最も遠位の位置にあるときに、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリが前記潰れた状態の配置を有するように、前記複数のスパインの遠位端にて前記展開部材に装着されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 移動範囲にわたる前記展開部材の近位移動は、前記潰れた状態の構成から前記膨張状態の配置への前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリの変換に関連している、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) 前記移動範囲にわたる前記展開部材の相対的移動は、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリの長さ及び直径を変えることにより前記膨張状態の配置を調整する、実施態様9に記載のカテーテル。
【0045】
(11) 前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、前記第1の円周部分において少なくとも60個の診断用電極を有し、前記第2の円周部分において診断用電極を有していないアレイを含む、実施態様4に記載のカテーテル。
(12) 前記細長いカテーテル本体は、偏向可能である、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 心臓の室をマッピングする方法であって、
近位端及び遠位端と、内部を貫通する少なくとも1つのルーメンとを有する細長いカテーテル本体と、前記カテーテル本体の前記遠位端での非対称のバスケット形状の電極アセンブリとを有するカテーテルを設けることであって、前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリは、近位端及び遠位端にて接続され、第1の円周部分全体にわたって半径方向に配分された複数のスパインを含み、それぞれのスパインは、複数の診断用電極を含み、少なくとも1つのカウンタスパインは、残りの第2の円周部分全体にわたって半径方向に配分される、ことと、
前記カテーテルの前記遠位端を前記室に導入することと、
前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリを、前記スパインが前記カテーテル本体の長手軸に概ね沿って配列されている、潰れた状態の配置から膨張させることと、
前記診断用電極の少なくとも一部が、前記室を形成する組織と接触しているように前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリを前記室内に位置決めすることと、
前記組織と接触している前記診断用電極の前記少なくとも一部から受け取られた電気データを記録することと、
を含む、方法。
(14) 前記心臓の前記室は、心房又は心室である、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリを前記室内に位置決めすることは、第2の円周部分が関心が低い領域近傍にあるように前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリを配向することを含む、実施態様13に記載の方法。
【0046】
(16) 関心が低い前記領域は、前記室の開口部である、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記カテーテルは、近位端と遠位端とを有する展開部材を更に備え、前記展開部材は、前記ルーメン内に摺動可能に配置され、前記カテーテル本体の前記長手軸と位置合わせされ、前記複数のスパインは、遠位端にて前記展開部材に装着され、前記室により密接に適合するために前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリの長さ及び直径を変えるように前記展開部材の相対的な長手方向の位置を調整することを更に含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記診断用電極の少なくとも一部が、前記室を形成する組織と接触しているように前記非対称のバスケット形状の電極アセンブリを前記室内に位置決めすることは、前記細長いカテーテル本体を偏向させることを含む、実施態様13に記載の方法。