【実施例】
【0017】
(製造装置30について)
先ず、実施例の製造装置30について、
図1を引用して説明する。実施例の製造装置30は、複数(実施例では2つ)の型(第1型31および第2型32)を備え、これら第1型31および第2型32は、下部に配設されたメインヒンジ34で互いに回転可能に連結されている。第1型31は、図示省略したフレームに配設されており、第2型32は、該フレームに本体が連結された開閉手段としてのメインアクチュエータ35のロッド35aに連係されている。これにより、製造装置30は、メインアクチュエータ35をロッド35aが前進するよう作動させることで、第2型32が第1型31に当接した型閉め状態(
図1参照)となると共に、メインアクチュエータ35をロッド35aが後退するよう作動させることで、第2型32が第1型31から離間した型開き状態(
図5参照)となる。そして、製造装置30は、前記型閉め状態において、
図7に示すヘッドレスト10のヘッドレスト本体11の外形形状と同じ空間形状のキャビティ33が内部に画成されるようになっている。なお、以降の説明においては、第2型32が型開き状態に姿勢変位する方向を、製造装置の「前側」とする。
【0018】
(第1型31について)
前記第1型31は、
図1、
図4および
図5に示すように、第1本体型部36と、該第1本体型部(型部)36の上部に配設された第1蓋型部(型部)37とから構成され、これら第1本体型部36および第1蓋型部37は、該第1本体型部36の後面上部に配設された第1ヒンジ38で互いに回転可能に連結されている。第1本体型部36は、図示省略した前記フレームに配設されており、第1蓋型部37は、該フレームに本体が連結された開閉手段としての第1アクチュエータ39のロッド39aに連結されている。これにより、第1型31は、第1アクチュエータ39をロッド39aが前進するよう作動させることで、第1蓋型部37が第1本体型部36に当接した閉成状態(
図4参照)となると共に、第1アクチュエータ39をロッド39aが後退するよう作動させることで、第1蓋型部37が第1本体型部36から後上方へ開放した開放状態(
図5参照)となる。そして、第1本体型部36には、前記キャビティ33を画成する型面36aが形成され、第1蓋型部37には、該キャビティ33を画成する型面37aが形成されている。
【0019】
(第2型32について)
前記第2型32は、
図1、
図4および
図5に示すように、第2本体型部(型部)42と、該第2本体型部42の上部に配設された第2蓋型部(型部)43とから構成され、これら第2本体型部42および第2蓋型部43は、該第2本体型部42の前面上部に配設された第2ヒンジ44で互いに回転可能に連結されている。第2本体型部42は、前記第1型31の第1本体型部36に前記メインヒンジ34により連結されており、第2蓋型部43は、第2本体型部42に本体が連結された開閉手段としての第2アクチュエータ45のロッド45aに連結されている。これにより、第2型32は、第2アクチュエータ45をロッド45aが前進するよう作動させることで、第2蓋型部43が第2本体型部42に当接した閉成状態(
図4参照)となると共に、第2アクチュエータ45をロッド45aが後退するよう作動させることで、第2蓋型部43が第2本体型部42から前上方へ開放した開放状態(
図5参照)となる。そして、第2本体型部42には、前記キャビティ33を画成する型面42aが形成され、第2蓋型部43には、該キャビティ33を画成する型面43aが形成されている。
【0020】
前述のように構成された実施例の製造装置30は、前記メインアクチュエータ35のロッド35aを前進させ、前記第1アクチュエータ39のロッド39aおよび第2アクチュエータ45のロッド45aを夫々前進させることで、第1蓋型部37が第1本体型部36に当接すると共に第2蓋型部43が第2本体型部42に当接し、更に、第1本体型部36と第2本体型部42が当接すると共に第1蓋型部37と第2蓋型部43とが当接して、内部に前記キャビティ33が画成される。また、第1本体型部36および第2本体型部42には、加熱された温水またはオイルが流通可能な流通路40,46が形成されており、該第1本体型部36および第2本体型部42が、発泡材料の発泡反応を促進する温度に加熱されるようになっている。
【0021】
(ステー支持部48について)
前記第2型32の第2蓋型部43には、
図1〜
図3に示すように、ヘッドレスト10を構成する前記ステー12を支持するステー支持部(支持部)48,48が設けられている。ここで、実施例のヘッドレスト10のステー12は、
図7に示すように、単一の丸パイプ材を折曲成形して形成されたもので、略コ字形に折曲して弾性体14内に埋設された支持部12aと、該支持部12aの両側に連なりヘッドレスト本体11の左右方向に離間した位置から外方へ延出する脚部12b,12bとからなり、ステー支持部48,48は、各脚部12b,12bに対応して設けられている。各ステー支持部48,48は、第2型32の第2蓋型部43において、第1蓋型部37と対向する端面に位置しており、該端面から第1蓋型部37側へ突出した凸状部43bに設けられている。そして、各ステー支持部48,48は、第1蓋型部37に対向する側が開口すると共に、第1蓋型部37の外壁面および内壁面の夫々に開口した半樋状(溝状)に形成されており、ステー12の脚部12bが該脚部12bの径方向からステー支持部48に嵌め込んで支持されるようになっている。ここで、各ステー支持部48は、凸状部43bの端面からの深さHが、ステー12の脚部12bの直径D以上に形成されており、該脚部12bを該ステー支持部48に嵌め込んで取り付けた際に、該脚部12bが凸状部43bの端面より突出しないようになっている。従って、製造装置30の型閉め状態では、第1蓋型部37の端面と第2蓋型部43の端面とが密着状態で当接することを可能とする。
【0022】
また、各ステー支持部48は、製造装置30の型閉め状態(
図4参照)では、前記キャビティ33側から上方にいくにつれて前方へ変位する傾斜状となり、製造装置30の型開き状態(
図5参照)では、略水平状に前方へ延出するように設定されている。なお、
図5に示すように、第1蓋型部37における第2蓋型部43と対向する端面には、前記ステー支持部48,48が設けられた凸状部43b,43bに整合する凹状部37b,37bが設けられており、第1型31と第2型32との型閉め時に凸状部43b,43bと凹状部37b,37bとが整合することで、第1蓋型部37と第2蓋型部43とが左右方向で位置決めされるようになっている。
【0023】
(位置決め部について)
図2に示すように、左のステー支持部48には、ステー12の位置決めを図ると共に、該ステー12が脚部12bの軸方向へ移動するのを規制する係止片49が配設されている。ここで、係止片49は、ステー支持部48における脚部12bが収容される凹溝に向けて突出すると共に、第2蓋型部43の型開き状態において上下方向に延在する突部である。また、ステー12における左の脚部12bには、前記係止片49が係止する係止溝12cが設けられている。この係止溝12cは、左の脚部12bの外周面において、該脚部12bの軸心方向と直交する方向が長手となる凹部である。これにより、係止溝12cを係止片49に整合させたもとで、ステー12の左の脚部12bをその短手方向からステー支持部48へ嵌め込むことで、係止溝12cと係止片49とが係止する。このように係止溝12cと係止片49とが係止することで、第2蓋型部43に対する該ステー12の位置決めが図られると共に、第2蓋型部43が姿勢変位する際に、該第2蓋型部43に対してステー12がずれるのを規制し得る。そして、キャビティ33に収容した表皮13に対するステー12の支持部12aの位置決めが図られ、ヘッドレスト本体11とステー12との相対位置を適切にすることができる。
【0024】
実施例の製造装置30は、
図1および
図4に示すように、前記ステー12を倒立させた状態で表皮13内で弾性体14を発泡成形する。ここで、ヘッドレスト本体11は、
図7に示すように、前側部分が下方へ突出した形状となっている。このため、製造装置30の第1型31および第2型32により画成されるキャビティ33は、該キャビティ33の前側部分(
図4において左側部分)が後側部分(
図4において右側部分)よりも上方へ延在している。また、前記ステー12は、上方へいくにつれて前方へ変位した傾斜状に保持される。従って、前記第2型32の第2蓋型部43は、第2ヒンジ44を中心として
図4の型閉め状態から
図5の型開き状態へ変位する際の姿勢変位領域が、
図4に示す型閉め状態における前記ヘッドレスト本体11の一部または前記ステー12の一部と重なる形状(アンダーカット形状)となっている。一方、前記第1型31の第1蓋型部37と、第2型32の第2本体型部42とは、
図4の型閉め状態から
図5の型開き状態へ変位する際の姿勢変位領域が、ヘッドレスト本体11またはステー12と重ならない形状となっている。このため、第1型31および第2型32が型開き状態へ姿勢変位する際には、ヘッドレスト10が第2蓋型部43から離脱せず、姿勢変位する第2蓋型部43に該ヘッドレスト10が取り付いた状態となる。
【0025】
(離脱装置50について)
実施例の製造装置30は、前述すると共に
図5に示すように、前記第2蓋型部43が型開き状態に姿勢変位する際に該第2蓋型部43にヘッドレスト10が取り付いた状態となる。このため、
図1〜
図3に示すように、前記ステー支持部48,48に支持された前記ステー12の脚部12b,12bを該ステー支持部48,48から離脱させる離脱装置(離脱手段)50を備えている。この離脱装置50は、前記第1型31および第2型32が離間した型開き状態または型閉め状態から型開き状態へ姿勢変位中において作動することで、ステー12の各脚部12b,12bを、ステー支持部48,48に対する取り付け方向と反対方向へ離脱させる。
【0026】
前記離脱装置50は、各ステー支持部48,48に対応して設けられている。離脱装置50は、ステー支持部48に臨む位置に配設されたステー押出し部材(押出し部)51と、第2蓋型部43の外面に固定ブラケット53に固定され、前記ステー押出し部材51を該ステー支持部48に対して進退移動させる作動手段としての離脱アクチュエータ52とを備えている。すなわち、離脱装置50は、離脱アクチュエータ52を作動させることで、ステー押出し部材51を、前記ステー支持部48に整合させた待機位置(
図3〜
図5参照)と、ステー押出し部材51を前記ステー12の脚部12bの長手方向に交差する方向に移動させた押出位置(
図6参照)との間で姿勢変位させる。
【0027】
前記ステー押出し部材51は、
図4に示すように、前記離脱アクチュエータ52のロッド52aに連結される基部51aと、ステー支持部48の長手方向に離間して位置する第1押出片51bおよび第2押出片51cとを備えている。ここで、前記第1押出片51bは、ステー支持部48の先端側に隣接して位置し、第2押出片51cは、当該ステー支持部48の長手方向における中間部に形成された凹部48aに位置するようになっている。これにより、ステー押出し部材51は、前記待機位置から押出位置へ移動する際に、ステー支持部48に保持された前記ステー12の脚部12bの長手方向に離間した部位に第1押出片51bおよび第2押出片51cが夫々接触して移動することで、該脚部12bを、該ステー支持部48に対する取り付け方向と反対方向(ステー支持部48から離間する方向)へ離脱させる。
【0028】
(離脱後のヘッドレスト10の姿勢について)
実施例の製造装置30は、
図6に示すように、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aの上方において、前記第2蓋型部43が姿勢変位するようになる。このため、第2蓋型部43から離脱したヘッドレスト10は、ヘッドレスト本体11が下方となった姿勢で、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aに載置される。そして実施例では、
図6に示すように、前記型開き状態においては、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aに移動したヘッドレスト10を、前記ステー12の脚部12b,12bが前記ヘッドレスト本体11から立ち上がった姿勢で支持するよう当該型面36a,42aが位置している。従って、第2蓋型部43から離脱したヘッドレスト10は、前記型面36a,42aにヘッドレスト本体11が接触することで、ステー12の各脚部12b,12bがヘッドレスト本体11から上方へ立ち上がった姿勢となる。すなわち、第1型31および第2型32が型開き状態となった場合における第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aは、ヘッドレスト本体11からステー12の脚部12b,12bが立ち上がった状態にヘッドレスト10の姿勢を調整する支持面として機能する。特に、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aよりなる支持面は、外縁部分よりも中央側が低い曲面形状となっていることで、第2蓋型部43から離脱したヘッドレスト10の姿勢を前述の如く調整し易くなっている。
【0029】
そして、実施例の製造装置30は、
図6に示すように、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42aに載置されたヘッドレスト10を、ヘッドレスト本体11からステー12の脚部12b,12bが立ち上がった姿勢とすることで、上方から接近する搬送装置(搬送手段)55の把持片56,56で前記脚部12b,12bを簡単に把持させ得るようになっている。また、型開き状態における第1蓋型部37および第2蓋型部43との前後間隔が、ヘッドレスト本体11の前後幅よりも大きくなっている。従って、ステー12の各脚部12b,12bを把持片56,56で把持した搬出装置55を上方へ移動させるだけで、ヘッドレスト10が第1型31および第2型32から容易に搬出することが可能に構成されている。
【0030】
従って、実施例の製造装置30によれば、離脱装置50の作動によりステー押出し部材51を待機位置から押出し位置へ移動させることで、ステー支持部48に保持されたステー12の脚部12bを、該ステー支持部48に対する取り付け方向と反対方向へ離脱させることができる。そして、第1型31の第1本体型部36の型面36aおよび第2型32の第2本体型部42の型面42a上に移動したヘッドレスト10を、ヘッドレスト本体11からステー12の脚部12b,12bが立ち上がった姿勢とし得る。これにより、ヘッドレスト本体11から立ち上がったステー12の脚部12b,12bを、搬出装置55の把持片56で把持することが可能となり、該搬出装置55によりヘッドレスト10を製造装置30から搬出することができる。従って、製造装置30からのヘッドレスト10の搬出作業の自動化が図られ、製造効率を向上させ得ると共に製造コストを低減させ得る。
【0031】
そして、前記離脱装置50は、ステー支持部48に臨むように位置するステー押出し部材51を、離脱アクチュエータ52により待機位置および押出し位置の間を移動させる構成であるから、該ステー押出し部材51を押出し位置へ移動させることで、ステー支持部48に保持したステー12の脚部12bを該ステー支持部48から確実に離脱させ得る。
【0032】
(ヘッドレスト10の製造方法について)
次に、前述のように構成された製造装置30を使用したヘッドレストの製造方法について説明する。
【0033】
(表皮13およびステー12のセット工程)
先ず、第1型31および第2型32を離間させて型開き状態とした製造装置30に、表皮13およびステー12をセットする。すなわち、第1型31は、
図3に示すように、第1本体型部36に対して第1蓋型部37を開放位置に開放させる共に、第1型31に対して回転した第2型32は、第2本体型部42に対して第2蓋型部43を開放位置に開放させる。そして、ステー12の支持部12aを収容した表皮13を、第1型31および第2型32におけるキャビティ33を画成する型面36a,37a,42a,43aの間にセットすると共に、ステー12の各脚部12b,12bを各ステー支持部48,48に夫々セットする。この際に、左の脚部12bに形成した係止溝12cを左のステー支持部48に形成された係止片49に係止させることで、ステー支持部48,48に対するステー12の位置決めおよび保持が図られる。
【0034】
(発泡材料の注入工程)
次に、
図4に示すように、前記第1型31に対して前記第2型32を回転させて製造装置30を型閉め状態とする。これにより、前記表皮13は、製造装置30のキャビティ33内にセットされ、各ステー支持部48にセットされたステー12の脚部12b,12bの先端部が、該製造装置30から外方へ延出する。そして、前記弾性体14を発泡成形するための発泡材料を、製造装置30にセットした前記表皮13内に注入する。すなわち、発泡材料は、図示省略した発泡材料注入装置の注入ノズルを、表皮13に形成した前記スリット13aを介して該表皮13内に注入する。
【0035】
(弾性体14の発泡成形工程)
前記表皮13内に対する規定量の発泡材料の注入が完了したら、表皮13内に注入した前記発泡材料の発泡反応が進行することで、該発泡材料の発泡圧により該表皮13がキャビティ33を画成する各型面36a,37a,42a,43aに押し付けられ、所定の時間が経過することで弾性体14が発泡成形される。
【0036】
(ステー12の離脱工程)
所定の時間が経過して発泡材料が発泡硬化した後、
図5に示すように、第1型31および第2型32を離間させて製造装置30を型開き状態とする。製造装置30の型開き状態では、ヘッドレスト10が第2蓋型部43に取り付いていることで、ヘッドレスト本体11は、第2型32の第2蓋型部43の型面43aだけに接触しており、第2型32における第2本体型部42の型面42a、第1型31における第1本体型部36の型面36aおよび第1蓋型部37の型面37bからは離間している。
【0037】
前記製造装置30が型開き状態となったら、
図6に示すように、前記離脱装置50,50の離脱アクチュエータ52,52を作動して、ステー押出し部材51,51を待機位置から押出位置へ姿勢変位させる。これにより、各ステー支持部48,48に支持されていたステー12の各脚部12b,12bが、該ステー支持部48,48に対する取り付け方向と反対方向(ステー支持部48,48から離間する方向)へ押されて、該ステー支持部48,48から離脱する(
図6に2点鎖線で表示)。これにより、ヘッドレスト10は、第2蓋型部43から離脱して、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42a上へ移動する。
【0038】
前記第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42a上へ移動した前記ヘッドレスト10は、ヘッドレスト本体11における下を向く外面が、該型面36a,42aによりなる支持面に沿うようになることで、ヘッドレスト本体11からステー12の各脚部12b,12bが立ち上がった姿勢となる(
図6に実線で表示)。これにより、上方から近接する搬出装置55の把持片56,56が、ステー12の各脚部12b,12bを把持可能となる。
【0039】
(ヘッドレスト10の搬出について)
前記ヘッドレスト10が、前記第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42a上へ移動したら、搬出装置55をヘッドレスト10の上方へ到来させて、該搬出装置55の把持片56,56により該ステー12の脚部12b,12bを把持する。そして、把持片56,56によりステー12の脚部12b,12bを把持した状態で、搬送装置55を上方へ移動させることで、ヘッドレスト本体11が、第1蓋型部37および第2蓋型部43の両方に引っ掛かることなく両蓋型部37,43の間から上方へ移動し、これにより当該ヘッドレスト10が搬出される。
【0040】
従って、実施例の製造方法によれば、離脱装置50を作動させてステー押出し部材51を押出し位置へ移動させることで、ステー支持部48に支持されたステー12の脚部12b,12bを、該ステー支持部48に対する取り付け方向と反対方向へに離脱させ得る。これにより、ヘッドレスト10を第2蓋型部43から離脱させることができる。そして、第2蓋型部43から離脱したヘッドレスト10を、第1本体型部36の型面36aおよび第2本体型部42の型面42a上に移動させることで、ヘッドレスト本体11からステー12の脚部12bが立ち上がった姿勢にヘッドレスト10を待機させることができる。これにより、立ち上がったステー12の脚部12bを搬出装置55の把持片56で把持して、当該搬出装置55によりヘッドレスト10を製造装置30から搬出するようにした。従って、製造装置30からのヘッドレスト10の搬出作業が自動化されるので、ヘッドレスト10の製造効率を向上させ得ると共に製造コストを低減させ得る。特に、ヘッドレスト10の姿勢が、搬出装置55の把持片56,56がステー12の脚部12b,12bを把持して搬出し易い姿勢としたので、該ヘッドレスト10の搬出作業の効率化を図り得る。
【0041】
(変更例)
本発明は、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
(1)実施例では、棒付き発泡成形体としてヘッドレストを例示したが、棒付き発泡成形体はこのヘッドレストに限定されるものではない。
(2)本願の製造装置および製造方法により製造可能なヘッドレストは、
図7に示した構成のものに限らず、金属製または合成樹脂製の芯材が表皮内において弾性体に埋設されて、該芯材にステーが固定された構成のものも対象とされる。また、ヘッドレストは、ステーに対してヘッドレスト本体が固定されたものだけでなく、ステーに対してヘッドレスト本体が姿勢変位および位置変位が可能に構成されたものであってもよい。更に、ヘッドレストは、ヘッドレスト本体から延出した脚部が1本のものも対象とされる。
(3)製造装置は、第1型および第2型の各々が本体および蓋体に分割構成されたものに限らず、棒付き発泡成形体の搬出が可能であることを前提として、第1型および第2型をモノブロックとして、第1型または第2型の何れかにステー支持部および離脱手段を設けたものであってもよい。
(4)ヘッドレストの製造方法では、製造装置の各型が型開き状態となってから離脱手段を作動させてもよいし、製造装置の各型が型閉め状態から型開き状態に姿勢変位する途中の適宜タイミングで離脱手段を作動するようにしてもよい。
(5)離脱手段は、第2蓋型部に配設せずに、第2本体型部やそれ以外の部材に設けてもよい。また、離脱手段は、第2蓋型部以外に設けた場合には、該第2蓋型部が型閉め状態から型開き状態に姿勢変位する際に、ステーの脚部に当接する固定された当接部であってもよい。すなわち、離脱手段が固定タイプであっても、姿勢変位するステーの脚部と該離脱手段の相対位置が変位することで、該離脱手段がステーの脚部を押すようになる。