【解決手段】処理システム1は、カメラを用いてマーカを検出するマーカ検出部44と、端末装置4のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部45と、取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記処理装置3の押圧操作部35に重畳表示可能な画像出力部とが端末装置に設けられ、前記処理装置には、操作パネルの画像に対応する特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置3を動作させるよう制御する制御部33が設けられた。
一の端末装置と、他の端末装置とがそれぞれのIDにマッチした操作パネルデータを取得するのは、前記双方の端末装置のマーカ検出部が共通のパターンを検出したときである請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、タッチパネルのプレビュー表示部分のみ非表示とされる。この場合、操作パネルの液晶画面や、テンキー、位置調整キー、処理速度調整キー、運転停止ボタン等の各種操作スイッチが、装置の操作パネルに設けられている。しかし、印刷処理などの処理内容の設定や処理内容に応じてシートを処理する際、多くの操作スイッチが設けられていると、どのキーを使用すべきか戸惑うことがある。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するものであり、操作パネルの構成を簡略化できるとともに容易に使用、管理可能な処理装置、端末装置及び処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる処理システムは、シートに所定の処理を施す処理装置と、前記処理装置と通信する通信部及びカメラが設けられた身体に着用可能な端末装置とを含む処理システムであって、前記端末装置には、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記処理装置に設けられた座標位置検出機能付きの押圧操作部に重畳表示可能な画像出力部とが設けられ、前記処理装置には、前記押圧操作部に重畳表示された操作パネルの画像に対応する特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部が設けられた。
【0007】
また、前記構成において、前記押圧操作部には、操作者が該押圧操作部を押圧したことを検出する押圧検出部材が設置される。
【0008】
そして、本発明にかかる処理システムは、シートに所定の処理を施す処理装置と、前記処理装置と通信する通信部及びカメラが設けられた携帯可能な端末装置とを含む処理システムであって、前記端末装置には、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を前記端末装置の操作画面に出力する画像出力部と、前記操作画面に出力された操作パネルの画像における特定位置を操作者がタッチした際、前記特定位置の座標情報を検出する座標位置検出部とが設けられ、前記処理装置には、前記座標位置検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部が設けられた。
【0009】
更に、前記各構成において、シートの処理内容を設定する設定者の端末装置の前記操作パネルデータ取得部は、前記処理内容を設定する際に用いる操作パネルの画像の操作パネルデータを取得し、設定された処理内容に応じてシートに処理を施すため前記処理装置を使用する使用者の端末装置の操作パネルデータ取得部は、少なくとも処理内容を区別し、所定の処理内容を選択するための操作パネルデータを取得する。
【0010】
更に、前記各構成において、一の端末装置と、他の端末装置とがそれぞれのIDにマッチした操作パネルデータを取得するのは、前記双方の端末装置のマーカ検出部が共通のパターンを検出したときである。
【0011】
更に、前記各構成において、処理装置または端末装置の少なくともいずれかと通信網を介して通信可能なサーバーを備え、前記操作パネルデータが、処理装置またはサーバーの少なくともいずれかに保存される。
【0012】
また、本発明にかかる処理装置は、シートに所定の処理を施す処理装置であって、端末装置と通信する通信部と、前記端末装置に設けられたカメラを用いて所定パターンのマーカを検出したとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを前記端末装置が通信により取得し、取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を重畳表示する座標位置検出機能付きの押圧操作部と、重畳表示された操作パネルの画像に対応する前記押圧操作部の特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部とを備えた。
【0013】
また、本発明にかかる処理装置は、シートに所定の処理を施す処理装置であって、端末装置と通信する通信部と、前記端末装置に設けられたカメラを用いて所定パターンのマーカを検出したとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを前記端末装置が通信により取得し、取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を前記端末装置の操作画面に出力し、出力された操作パネルの画像における特定位置を操作者がタッチした際、座標情報検出部によって検出された前記特定位置の座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部とを備えた。
【0014】
また、本発明にかかる端末装置は、シートに所定の処理を施す処理装置と通信する通信部及びカメラを備えた端末装置であって、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、端末装置本体のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記処理装置に設けられた座標位置検出機能付きの押圧操作部に重畳表示する画像出力部とが設けられ、前記画像出力部によって前記押圧操作部に重畳表示された操作パネルの画像に対応する特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報が座標情報検出部によって検出され、検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置が動作される。
【0015】
また、本発明にかかる端末装置は、シートに所定の処理を施す処理装置と通信する通信部及びカメラを備えた端末装置であって、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、端末装置本体のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記端末装置の操作画面に出力する画像出力部と、前記画像出力部によって出力された操作パネルの画像の特定位置を操作者がタッチした際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部が設けられ、前記座標情報検出部で検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置が動作される。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる処理システムによれば、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記処理装置に設けられた座標位置検出機能付きの押圧操作部に重畳表示可能な画像出力部とが設けられ、前記処理装置には、前記押圧操作部に重畳表示された操作パネルの画像に対応する特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部が設けられたので、操作パネルの設置位置には座標位置検出機能付きの押圧操作部を設置すればよく、処理装置の操作パネルの構成を簡略化できる。また、操作パネルの操作スイッチやタッチ画面等の画像のうち端末装置のIDに応じた必要なスイッチや画面のみを表示することができるので、処理装置を容易に使用、管理可能である。
【0017】
また、押圧操作部には、操作者が該押圧操作部を押圧したことを検出する押圧検出部材が設置される場合は、操作者は、押圧操作部を押圧操作することで実際に押すという感覚を得ることができ、操作者の操作ミスを抑制できるとともに、処理装置が操作内容を誤って認識するのを防止できる。
【0018】
そして、本発明にかかる処理システムによれば、前記端末装置には、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を前記端末装置の操作画面に出力する画像出力部と、前記操作画面に出力された操作パネルの画像における特定位置を操作者がタッチした際、前記特定位置の座標情報を検出する座標位置検出部とが設けられ、前記処理装置には、前記座標位置検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部が設けられたので、端末装置のIDに応じた必要なスイッチ等の画像を端末装置の操作画面に表示することができ、処理装置を容易に使用、管理可能である。
【0019】
更に、シートの処理内容を設定する設定者の端末装置の前記操作パネルデータ取得部は、前記処理内容を設定する際に用いる操作パネルの画像の操作パネルデータを取得し、設定された処理内容に応じてシートに処理を施すため前記処理装置を使用する使用者の端末装置の操作パネルデータ取得部は、少なくとも処理内容を区別し、所定の処理内容を選択するための操作パネルデータを取得するので、処理内容を容易に設定できる。また、処理装置の使用者は、処理内容を区別し選択するために必要なスイッチや画面のみ表示されるので処理装置を容易に使用可能である。
【0020】
更に、一の端末装置と、他の端末装置とがそれぞれのIDにマッチした操作パネルデータを取得するのは、前記双方の端末装置のマーカ検出部が共通のパターンを検出したときである場合は、マーカ表示部に複数種類のパターンのマーカを表示する必要がない。よって、コスト削減可能であり、各操作者は共通のパターンのマーカを検出すればよいのでの利便性が向上する。
【0021】
更に、処理装置または端末装置の少なくともいずれかと通信網を介して通信可能なサーバーを備え、前記操作パネルデータが、処理装置またはサーバーの少なくともいずれかに保存される場合は、最適な場所に操作パネルデータを記憶することが可能となる。
【0022】
更に、本発明に係る処理装置は、端末装置と通信する通信部と、前記端末装置に設けられたカメラを用いて所定パターンのマーカを検出したとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを前記端末装置が通信により取得し、取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を重畳表示する座標位置検出機能付きの押圧操作部と、重畳表示された操作パネルの画像に対応する前記押圧操作部の特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部によって検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部とを備えたので、操作パネルの設置位置には座標位置検出機能付きの押圧操作部を設置すればよく、処理装置の操作パネルの構成を簡略化できる。また、操作パネルの操作スイッチやタッチ画面等の画像のうち端末装置のIDに応じた必要なスイッチや画面のみを表示することができるので、処理装置を容易に使用、管理可能である。
【0023】
更に、本発明に係る処理装置は、端末装置と通信する通信部と、前記端末装置に設けられたカメラを用いて所定パターンのマーカを検出したとき、前記端末装置のIDにマッチした操作パネルデータを前記端末装置が通信により取得し、取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を前記端末装置の操作画面に出力し、出力された操作パネルの画像における特定位置を操作者がタッチした際、座標情報検出部によって検出された前記特定位置の座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する制御部とを備えたので、端末装置のIDに応じた必要なスイッチ等の画像を端末装置の操作画面に表示することができるので、処理装置を容易に使用、管理可能である。
【0024】
更に、本発明に係る端末装置は、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、端末装置本体のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記処理装置に設けられた座標位置検出機能付きの押圧操作部に重畳表示する画像出力部とが設けられ、前記画像出力部によって前記押圧操作部に重畳表示された操作パネルの画像に対応する特定位置を操作者が押圧操作した際、前記特定位置の座標情報が座標情報検出部によって検出され、検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置が動作されるので、端末装置と通信部により通信する処理装置の操作パネルの設置位置には、座標位置検出機能付きの押圧操作部を設置すればよく、処理装置の操作パネルの構成を簡略化できる。
【0025】
更に、本発明に係る端末装置は、所定パターンのマーカが表示されたマーカ表示部の該マーカを、前記カメラを用いて検出するマーカ検出部と、
前記マーカ検出部によって前記マーカが検出されたとき、端末装置本体のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する操作パネルデータ取得部と、前記操作パネルデータ取得部が取得した前記操作パネルデータに基づく操作パネルの画像を、前記端末装置の操作画面に出力する画像出力部と、前記画像出力部によって出力された操作パネルの画像の特定位置を操作者がタッチした際、前記特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部が設けられ、前記座標情報検出部で検出された前記座標情報及び前記操作パネルデータとに基づき、前記処理装置が動作されるので、端末装置のIDに応じた必要なスイッチ等の画像を端末装置の操作画面に表示することができ、処理装置を容易に使用、管理可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、本実施の形態にかかる処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、本第1の実施形態にかかる処理システム1は、処理装置3と、端末装置4と、サーバー5とを備える。処理装置3及び端末装置4は、ともにそれぞれインターネット等の通信網7に接続され、該通信網7を介してサーバー5と通信可能である。
【0029】
サーバー5には、処理装置3の操作パネルに表示されるべき液晶画面及び前記操作パネルに設けられるべき操作スイッチを含む操作パネルの操作パネルデータを記憶する操作パネルデータ記憶部51が設けられる。端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、サーバー5の操作パネルデータ記憶部51から操作パネルデータを、通信網7及び必要により処理装置3を介して取得し、取得した操作パネルデータを基に前記操作パネルの画像を生成する。
【0030】
生成した操作パネルの画像は、端末装置4によって処理装置3に設けられた座標位置検出機能付きの押圧操作部35に重畳して表示する。操作者が押圧操作部35に重畳表示された操作パネルの画像に対応する特定位置を押圧操作すると、押圧された特定位置の座標情報と、操作パネルデータとに基づいて処理装置3が動作される。
【0031】
(処理装置)
処理装置3は、複合機、コピー機、プリンター、ファクシミリ送受信機、紙折機、折り目形成機、切断機、封緘機、接着剤塗布装置、接着装置、計数機、古紙処理装置等の用紙やフィルム等のシートに画像形成処理、印刷処理、折畳処理、折り目形成処理、切断処理、封緘処理、接着剤塗布処理、接着処理、計数処理、古紙処理などといった所定の処理を施す。
【0032】
図2は、処理装置3の構成の具体例を示すブロック図である。
図2を参照して、処理装置3は、制御部33、記憶部34、押圧操作部35、通信部36、処理部37、設定部38、及び管理部39を備える。制御部33は、CPUを含み、処理装置3全体を制御する。そして、制御部33は、端末装置4に設けられた後述する座標情報検出部47によって検出された座標情報及び操作パネルデータとに基づき、前記処理装置を動作させるよう制御する。記憶部34はCPUで実行されるプログラムなどを記憶するためのメモリーであるROMと、CPUがプログラムを実行する際の作業領域ともなるメモリーであるRAMと、大容量記憶装置とが含まれる。
【0033】
押圧操作部35は、操作者からの入力操作を受け付ける。押圧操作部35は、
図1に示すように、処理装置3の装置本体31上面の手前側に設けられる。
図4は、押圧操作部35の平面図を示す。押圧操作部35は、少なくとも1つの操作スイッチ351が設けられる。この操作スイッチ351は、処理装置3を運転開始及び終了、緊急停止させるための実在する操作ボタンにより構成される。
【0034】
操作スイッチ351の
図4における左側方には、処理装置3の操作パネルに表示されるべき操作パネルの画像を、端末装置4によって重畳して表示する押圧操作部35が設けられる。押圧操作部35に重畳表示される画像には、操作パネルに表示されるべき液晶画面及び前記操作パネルに設けられるべき操作スイッチの画像が含まれる。押圧操作部35は、略全範囲に亘って操作者が押圧操作部35の所定位置を押圧する操作を行ったことを検出する押圧検出部材353が設置される。押圧操作部35は、座標位置検出機能付きである。押圧検出部材353は、例えば、圧電素子、タクトスイッチ、静電スイッチ等により構成される。
【0035】
また、押圧操作部35の保護カバー354には、AR技術に対応した所定パターンのマーカが表示されている。これより、押圧操作部35のマーカの表示部分は、所定パターンのマーカが表示されるマーカ表示部355を構成する。
【0036】
図2に示す処理装置3の通信部36は、端末装置4との間での無線通信を制御するための近距離通信部及びインターネット等の通信網7を通じて外部のサーバー5と通信するため有線または無線による遠距離通信部とを含む。処理部37は、用紙やフィルム、シート等に画像形成処理、印刷処理、折り目形成処理、折り処理、切断処理、計数処理、古紙処理などといった処理装置3に備える所定の機構を使用してシートに所定の処理を施す機能を有する。ここで古紙処理とは、シートが使用済み印刷用紙である場合に、この使用済み印刷用紙に加水、攪拌して離解処理し、その後必要により圧縮し、脱水することで廃棄するための処理をするか、または脱墨、抄紙、乾燥等することによって、再生紙として得るよう再生処理することをいう。管理部39は、例えば、劣化した部品の交換等のように、装置本体の保守、点検、修理や洗浄等の管理の際に必要となる動作を行う。
【0037】
設定部39は、シートの処理枚数、シートの厚さ、質、印刷条件、折り目形成位置、折り曲げ位置、切断位置等といった処理内容を設定するために用いられる。管理部39は、処理装置3の保守、点検や修理等の処理装置3の適正な使用状態を維持し、管理するため用いられる。
【0038】
(端末装置)
端末装置4は、処理装置3と通信する通信部43及びカメラが設けられ、身体に着用可能であり、頭部装着型となるウェアラブルグラス、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、HMD)等を用いることができる。端末装置4は、例えば、該端末装置4を頭部に装着した者が、虚像を視認すると同時に外景も直接視認可能な光学透過式とされる。本実施形態では、1台の処理装置3に対し、端末装置4が複数設けられる。いずれの端末装置4もほぼ同じ構成を備える。
図3は、端末装置4の装置構成の具体例を示すブロック図である。
図3を参照して、端末装置4は、制御部41、記憶部42、通信部43、マーカ検出部44、操作パネルデータ取得部45、画像出力部46、座標情報検出部47とを備える。制御部41は端末装置4全体を制御するためのCPUを含む。記憶部42は、CPUで実行されるプログラムなどを記憶するためのメモリーであるROMと、データを記憶したりCPUがプログラムを実行する際の作業領域となったりするメモリーであるRAMとを含む。
【0039】
通信部43は、処理装置3との間の無線通信を制御するための近距離通信部36と、有線または無線によりインターネット通信網7を通じて外部のサーバー5と通信するため遠距離通信部36とを含む。
【0040】
マーカ検出部44はカメラを含む。マーカ検出部44は、処理装置3の押圧操作部35に設けられたマーカ表示部355の所定パターンのマーカを、前記カメラを用いて検出する。操作パネルデータ取得部45は、前記マーカ検出部355によって前記マーカが検出されたとき、端末装置4のIDにマッチした操作パネルデータを通信により取得する。操作パネルデータは、本実施形態ではサーバー5の操作パネルデータ記憶部51に保存されている。このため、操作パネルデータ取得部45は、通信部43によって通信網7を介してサーバー5から操作パネルデータを取得する。
【0041】
シートを処理するために処理装置3を使用する使用者の端末装置4の操作パネルデータ取得部451は、処理装置3の使用に関連する操作パネルの画像を取得し、処理装置3を管理する管理者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、処理装置の管理に関連する操作パネルの画像を取得する。
【0042】
シートの処理内容を設定する設定者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、処理内容を設定する際に用いられる液晶画面または操作スイッチの操作パネルデータを、サーバー5の操作パネルデータ記憶部51から取得する。また、設定者によって設定された処理内容に応じてシートに処理を施すため処理装置3を使用する使用者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、少なくとも処理内容を区別し、所定の処理内容を選択するため操作パネルデータを取得する。
【0043】
一の端末装置4と、他の端末装置4とがそれぞれのIDにマッチした操作パネルデータを取得するのは、前記双方の端末装置4のマーカ検出部が共通のパターンを検出したときである。
【0044】
画像出力部46は、操作パネルデータ取得部45がサーバー5の操作パネルデータ記憶部51から通信網7を介して取得した操作パネルデータを基に、操作パネルの画像信号を生成し、得られた操作パネルの画像を、処理装置3の押圧操作部35に重畳して表示する。
【0045】
座標情報検出部47は、処理装置3の押圧操作部35に表示された操作パネルの画像における液晶画面の所定位置または所定の操作スイッチの設置位置に対応する押圧操作部35の特定位置を、操作者が押圧した際、この特定位置の押圧操作部35における座標情報を検出する。座標情報検出部47は、端末装置4に設けたカメラによって操作者の指先を撮影し、この指先の座標位置を検出する。操作者が、ペンやポインターなどの何らかの押圧具(図示省略)を用いて押圧操作部35を押圧する場合には、座標情報検出部47は、カメラによってこの押圧具を撮影し、撮影した押圧具の先端位置から座標位置を検出する。
【0046】
端末装置4は、更にこれらの構成のほか、図示しないがマイクなどの音声入力装置やスピーカーなどの音声出力装置を含んでいてもよい。
【0047】
処理装置3を操作する操作者が複数いる場合には、端末装置4は複数設けられ、各操作者が自己の端末装置4を所有する。
【0048】
(サーバー)
サーバー5は、インターネット等の通信網7により、処理装置3及び端末装置4とそれぞれ通信可能に構成される。サーバー5は例えば処理装置3の製造者や販売者、保守者、管理者等のいずれかまたは複数の者によって運営、管理される。サーバー5には、操作パネルデータ記憶部51が設けられる。操作パネルデータ記憶部51は、端末装置4のマーカ検出部44によってマーカが検出されたとき、処理装置3の操作パネルに表示されるべき液晶画面及び操作パネルに設けられるべき操作スイッチ351を含む操作パネルの画僧の操作パネルデータを記憶する。端末装置4に表示される操作パネルデータ、動画データ、ARデータや、処理装置3の各操作に関する音声データ、およびこれら付帯する付帯情報が保持されている。
【0049】
(処理動作)
処理装置3を操作する操作者が複数いる場合には、各操作者は、各自個別の端末装置4を所有する。シートの処理内容を設定する設定者、設定された処理内容に応じてシートに処理を施すため処理装置3を使用する使用者、処理装置3の保守、点検や修理を行う管理者等は、それぞれ設定者用、使用者用、管理者用の端末装置4を所有する。
【0050】
まず、予め設定者により設定された処理内容に応じて、シートに所定の処理を施すよう処理装置3を使用する使用者が端末装置4を使用する場合について説明する。使用者が、シートを処理する際に、自分自身の端末装置4を頭部に装着した状態で、処理装置3から所定距離の範囲に入ったときには、端末装置4の通信部43と処理装置3の通信部36との間で、自動で無線通信を行う。そして、処理装置3のマーカ表示部355に表示されているマーカを、端末装置4のマーカ検出部44が検出し、被写体として撮影する。
【0051】
マーカ検出部44によってマーカが検出されると、端末装置4の制御部41は、通信部43によって通信網7を介してサーバー5に対し、所定の操作パネルデータを要求する。サーバー5は、操作パネルデータ記憶部51に記憶する複数の操作パネルデータの中から、要求のあった端末装置4のIDにマッチした操作パネルデータを選択し、通信網7を介して端末装置4に送信する。
【0052】
端末装置4の通信部43は、サーバー5から送られた操作パネルデータを受信する。対応操作パネルデータ取得部45は、受信した操作パネルデータを取得する。そして、対応画像出力部46は、操作パネルデータ取得部45が取得した操作パネルデータを基に操作パネルの画像を生成し、処理装置3の押圧操作部35に重畳表示する。
【0053】
使用者は、画像出力部46によって押圧操作部35に表示された操作パネルの画像を、押圧操作部35の外景とともに視認できる。
図5に、使用者が視認する状態の押圧操作部35に操作パネルの画像が重畳表示された一例を示している。使用者は、操作パネルの画像の虚像Fを視認すると同時に、外景としての押圧操作部35も直接視認可能である。
【0054】
重畳表示される画像には、少なくともシートに施す処理内容を区別し、所定の処理内容を選択するための情報が含まれる。処理内容を区別するための情報として、例えば、
図5では、処理番号、処理枚数、発注者、納期等に関する情報が含まれている。このとき、押圧操作部35には、実際には処理番号、処理枚数、発注者、納期に記載された液晶画面は表示されていない。
【0055】
また、
図5に示す重畳表示される画像には、画像形成処理、印刷処理、折り目形成処理、切断処理、計数処理、古紙処理などといった処理方法の区別、シートの大きさ、折り目形成位置や切断位置、接着剤塗布位置等といった処理内容の詳細は含まれない。このため使用者は、数少ない選択肢の中から、現時点で実行しようとする処理内容を処理番号、注文者及び納期によって容易に区別し、選択することができる。
【0056】
使用者が、重畳表示された操作パネルの画像に対応する押圧操作部35の特定位置、例えば
図5における左端の丸印M等を押圧すると、押圧検出部材353が、押圧操作部35が押圧されたことを検出し、処理装置3の制御部33に出力する。これより、処理装置3の制御部33は、使用者が、押圧操作部35を押圧したことを認識する。
【0057】
また、端末装置4の座標情報検出部47は、押圧検出部材353が使用者による押圧操作部の押圧を検出した時点において、押圧操作部35における使用者が押圧した特定位置の座標情報を検出する。端末装置4の制御部41は、座標情報検出部47が検出した座標情報を、画像出力部46が重畳表示している画像の操作パネルデータとともに、通信部43によって処理装置3に送信する。
【0058】
処理装置3の通信部36は、端末装置4から送られた座標情報と操作パネルデータとを受信する。処理装置3の制御部33は、受信した座標情報及び操作パネルデータと、押圧検出部材353による使用者の押圧操作の検出から、処理番号によって特定された所定の処理内容が使用者によって選択されたことを認識する。
【0059】
端末装置4は、通信部43を介し処理装置3から送信された押圧検出部材353が使用者の押圧操作を検出したことを受信すると、重畳画像のうち、指定された処理番号欄を反転表示する等によって所定の処理内容が選択されたことを使用者に理解できるようにする。その後、使用者が、押圧操作部35の側方に設けられた実在する操作スイッチ351を押圧すると、処理装置3の制御部33は、処理部37によって選択された所定の処理内容に応じたシートの処理を開始する。
【0060】
処理部37によって所定の処理内容が実行されている間に、シートの搬送不良等なんらかの理由により、使用者が処理装置3を緊急停止しなければならないときには、使用者は実在する操作スイッチ351を押圧する。これより、処理番号によって特定された所定の処理内容の実行途中であっても処理装置3の運転を停止することができる。このように、処理の開始や緊急停止等は、押圧操作部35に設けられた実在する操作スイッチ351を用いて行うので、操作を確実に行うことができ安全性を向上可能である。
【0061】
また、シートのジャム等が処理装置3でエラーが発生したために緊急停止した場合は、端末装置に、操作パネルデータとしてエラーの発生場所を示す画像を重畳表示する。これより、処理装置3の使用者は、重畳表示された画像を見ながら、エラーに適正に対応することができる。
【0062】
仮に、使用者が処理装置3から離れた場所にいるときにエラーが発生した場合には、処理装置3の通信部36は、近距離無線通信、またはこの近距離無線通信で端末装置4と通信できない場合には遠距離無線通信によって、エラーが発生したことを端末装置4に送信する。端末装置4が処理装置3でエラーが発生したことを受信すると、当該エラーの発生を警告音や発光部の発光等によって使用者に報知する。端末装置3を手元に所持する使用者は、処理装置3でエラーが発生したことを迅速に把握でき、適切に対処可能である。
【0063】
端末装置4は、シートの不足やジャム、過積載、折畳不良、切断不良等といったエラーの内容を画像出力部46が端末装置4を身体に装着した使用者周辺の画像出力領域に出力する。これにより、使用者は、処理装置3の設置場所まで行ってエラーに対処する際に、給紙部に載置すべき新なシート等必要なもの準備することができる。よって、利便性を向上可能である。
【0064】
更に、処理装置3が所定の処理内容を全て終了した際には、通信部36が端末装置4に処理内容の終了を送信する。端末装置4の通信部43は、処理装置3から送られた処理内容の終了を受信すると、所定の処理が終了したことを音や光によって報知する。これより、使用者は、常時処理装置3の周辺で待機する必要がなくなる。使用者は、処理装置3から離れた場所にいる場合であっても、後続する所定の処理内容の際に必要な手配、例えば、次の処理に用いるシートの給紙部への載置など、次の処理内容の実行に必要となる行為を素早く行うことができる。
【0065】
複数の使用者がそれぞれ異なる端末装置4を所有する場合に、処理装置3の制御部33は、各使用者がいつ、どのような処理内容を選択し、実行したのかという履歴情報を処理装置3の記憶部34に記憶する。また、制御部33は履歴情報を、通信部36によって端末装置4またはサーバー5と通信することで、端末装置4の記憶部42、またはサーバーのいずれか、または複数箇所に記憶してもよい。
【0066】
これより、処理装置3の使用者や処理内容の設定を行う設定者、メンテナンスする管理者等は、記憶部34、42やサーバー5に記憶された履歴情報を呼出し端末装置4や処理装置3に接続されたパーソナルコンピュータのディスプレイ等に表示することで、処理装置3が過去に実行した処理内容を容易に把握することができる。
【0067】
また使用者が、所定の処理内容において、スリッターの位置や切断タイミング等といった処理部37や各機構の微調整を行った場合には、この微調整の履歴情報を記憶部34,42に記憶する。そして、使用者が過去に行った処理内容と同一の処理を再度実行する際には、この微調整の履歴情報を参照する。そして、微調整の内容を反映させた状態で、新たな処理内容を実行する。これより、各処理装置3における制御や機構の微妙な調整を、同一の処理内容を実行する場合であっても繰り返し行わなければならないといって手間を省略することができ、利便性が向上する。
【0068】
もし、処理装置3に、設置場所や所有者に応じたカスタム機能が追加されている場合は、端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、端末装置4の記憶部42、処理装置3の記憶部34またはサーバー5の少なくともいずれかに保存されている当該カスタム機能に応じた操作パネルデータを必要により通信網7や通信部43を介して取得する。端末装置4の画像出力部46は、取得したカスタム機能に関する操作パネルデータからカスタム機能に関する画像を生成し、押圧操作部35に重畳表示する。これより、操作パネルの画像を、カスタム機能に対応した画像に容易に切り替えることができる。
【0069】
次に、シートの処理内容を設定する設定者が、処理装置3に実行させるシートの処理内容を設定する場合について説明する。使用者と設定者とでは、画像出力部46によって押圧操作部35に重畳表示される画像が異なる。
【0070】
設定者が自己の端末装置4を頭部に装着し、処理装置3のマーカ表示部355に表示されているマーカを、マーカ検出部44によって検出すると、設定者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、端末装置4の記憶部42、処理装置3の記憶部34及びサーバー5のいずれかの操作パネルデータ記憶部51に記憶された設定者の端末装置4のIDに対応づけて記憶している操作パネルデータを取得する。
【0071】
このとき設定者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45が取得する操作パネルデータは、設定者がシートの処理内容を設定する際に用いる液晶画面または操作スイッチの操作パネルデータである。画像出力部は、操作パネルデータ取得部45が取得した操作パネルデータを基にシートの処理内容を設定する際に用いる液晶画面または操作スイッチの画像を生成し、押圧操作部35に重畳表示する。
【0072】
図6に、設定者が視認する押圧操作部35に操作パネルの画像が重畳表示された状態の一例を示している。設定者の操作パネルの画像は、処理内容を設定するために多くの操作スイッチが表示されている。
【0073】
設定者は、押圧操作部35に重畳表示された操作パネルの画像中、処理内容の設定に用いる液晶画面49の所定位置または所定の操作スイッチ50の設置位置に対応する押圧操作部35の特定位置を順次押圧する。処理装置3の押圧検出部材353及び端末装置4の座標情報検出部47は、設定者による個々の押圧操作を検出する。個々の押圧操作に対応して、操作パネルデータ取得部45は、個々の押圧に伴って表示する必要の生じた新たな操作パネルデータを操作パネルデータ記憶部51から取得する。画像出力部46は、操作パネルデータ取得部45が取得した操作パネルデータを基に画像を生成し、押圧操作部に順次重畳表示する。
【0074】
処理装置3の制御部33は、重畳表示した画像の基となる操作パネルデータ、処理装置3の押圧検出部材353によって検出された前記押圧操作部35の押圧の事実及び端末装置4の座標情報検出部47によって検出された座標情報に基づき、設定部38によってシートの処理内容を設定する。その際、設定者は、シートの処理を行う使用者が、設定された処理内容のうち必要なものを容易に選定できるよう各処理内容に、処理番号、処理枚数、発注者、納期等を付した状態で設定する。
【0075】
次に、処理装置3を管理する管理者等が、処理装置3の保守、点検や修理等を行う場合について説明する。管理者の端末装置4は、使用者及び設定者の双方と異なる画像を押圧操作部に表示する。
【0076】
管理者が自己の端末装置4を頭部に装着し、処理装置3のマーカ表示部355に表示されているマーカを、マーカ検出部44によって検出すると、管理者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、操作パネルデータ記憶部51に記憶された管理者の端末装置4のIDに対応づけて記憶している操作パネルデータを取得する。
【0077】
このとき管理者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45が取得する操作パネルデータは、管理者が処理装置3を管理する際に用いる液晶画面または操作スイッチの操作パネルデータである。画像出力部は、操作パネルデータ取得部45が取得した操作パネルデータを基に処理装置3を管理する際に用いる操作パネルの画像を生成し、押圧操作部35に重畳表示する。
【0078】
図7に、管理者が視認する押圧操作部35に操作パネルの画像が重畳表示された状態の一例を示している。管理者の操作パネルの画像には、処理装置3の内部構成の概略52が示された画像が含まれる。
【0079】
管理者は、押圧操作部35に重畳表示された操作パネルの画像における液晶画面49の所定位置または所定の操作スイッチ50の設置位置に対応する押圧操作部35の特定位置を順次押圧する。各々の押圧操作に対応し押圧検出部材353による管理者の押圧の検出及び座標情報検出部47の検出結果から操作パネルの画像が切り替えられることで、管理者は、処理装置3の管理のための操作、設定を行う。
【0080】
使用者、設定者と管理者がそれぞれ所持する端末装置の画像取得部が、それぞれ自らに対応する画像を取得するのは、全ての端末装置のマーカ検出部が共通のパターンを検出したときである。よって、マーカ表示部355に表示するマーカそのものには、各端末装置4を識別するための情報を含ませる必要がない。マーカ表示部に複数種類のパターンのマーカを表示する必要がないので、コスト削減可能である。全ての操作者は、必要とする画像を押圧操作部に表示させるために共通のマーカを使用することができ、利便性が向上する。
※もし、使用者と設定者が同時にマーカを検出した場合、優先順位の高い設定者の画面が両者に表示される。
【0081】
以上のように、端末装置4は、所定パターンのマーカを検出するマーカ検出部と、マーカ検出部44によって前記マーカが検出されたとき、操作パネルデータを操作パネルデータ記憶部51から取得する操作パネルデータ取得部45と、操作パネルデータ取得部45が取得した前記操作パネルデータを基に前記操作パネルの画像を表示する画像出力部と、表示された操作パネルの画像に対応する押圧操作部35の特定位置を操作者が押圧した際、この特定位置の座標情報を検出する座標情報検出部47とが設けられ、処理装置3には、座標情報検出部47によって検出された座標情報及び操作パネルデータとに基づき、処理装置3を動作させるよう制御する制御部が設けられたので、操作パネルの画像のうち必要な画像を押圧操作部35に表示できる。よって、処理装置3の使用、処理内容の設定や処理装置の管理を容易にすることができる。また、操作パネルが実在する液晶画面や各種操作スイッチにより構成される場合に比較して、構成を簡略化でき、コストを削減可能である。
【0082】
また、押圧操作部35が処理装置に設けられ、押圧操作部35には、操作者が押圧操作部35を押圧したことを検出する押圧検出部材353が設置されているので、操作者は、押圧操作部35を押圧操作することで実際に押すという感覚を得ることができ、操作者の操作ミスを抑制できるとともに、処理装置3が押圧操作した内容を誤って認識するのを防止できる。
【0083】
端末装置4は、装置本体1に設けられた押圧操作部35に操作パネルの画像を重畳表示し、押圧操作部35の押圧操作を検出するので、装置本体1とは別の携帯端末のタッチパネル等によって入力操作を行う場合に比較して、操作者は、両手を使って自由に押圧操作をすることができる。
【0084】
また、端末装置4が複数設けられ、操作パネルデータ記憶部51には、複数の操作パネルデータを個々の端末装置4を識別するIDに対応づけて記憶する操作パネルデータ記憶部51が設けられ、各端末装置4は、操作パネルデータ取得部45に、自らに対応する操作パネルデータを操作パネルデータ記憶部から取得する操作パネルデータ取得部45が設けられ、画像出力部46に、操作パネルデータ取得部が取得した操作パネルデータを基に操作パネルの画像を表示する画像出力部46が設けられたので、各端末装置4に応じて必要な操作パネルの画像を出力することができ、操作者は不要な複数の操作スイッチやタッチ画面表示に戸惑うことないので、操作性が向上する。
【0085】
また、シートの処理内容を設定する設定者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、処理内容を設定する際に用いる液晶画面または操作スイッチの操作パネルデータを取得し、設定された処理内容に応じてシートに処理を施すため処理装置3を使用する使用者の端末装置4の操作パネルデータ取得部45は、少なくとも処理内容を区別し、所定の処理内容を選択するための操作パネルデータを取得するので、操作パネルデータ取得部45の取得した操作パネルデータを基に画像を出力することで設定者及び使用者は、表示された必要な操作パネルの画像を用いて容易に処理装置を使用し、処理内容を設定できる。
【0086】
操作パネルデータ記憶部51がサーバー5に設けられているので、操作パネルデータを記憶するために最適な場所に操作パネルデータを記憶することが可能となる。そして、処理装置3または端末装置4に操作パネルデータを大量に保存していなくても、各端末装置4にとって必要な操作パネルデータのみをサーバー5から取得することができる。
【0087】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、端末装置4は頭部装着型となるウェアラブルグラス、ヘッドマウントディスプレイを用いたが、本第2の実施形態では、端末装置4aは、スマートフォンや携帯型タブレット、携帯電話等の多機能型の携帯端末22により構成される。携帯端末22は、携帯可能なサイズであり、カメラを搭載、またはカメラに接続可能で、このカメラがマーカ検出部44aを構成する。携帯端末22は、更に、タッチパネル221を備える。タッチパネル221は、操作パネル画像を表示する押圧操作部35aと、押圧操作部35aにおいて操作者が押圧操作した座標位置を検出する座標情報検出部47aを兼ねて構成される。
【0088】
マーカ検出部44aとしての携帯端末22のカメラが、処理装置3のマーカ表示部355のマーカを検出すると、携帯端末22の操作パネルデータ取得部45a(図示省略)は、サーバー5の操作パネルデータ記憶部51から通信網7を介して操作パネルデータを取得する。携帯端末22の操作パネルデータ取得部45aが取得した操作パネルデータは、画像出力部46によって操作パネルの画像へと加工され、押圧操作部35としてのタッチパネル221に表示される。
【0089】
操作者が、タッチパネル221に表示された操作パネルの画像における液晶画面の所定位置または所定の操作スイッチの設置位置に対応する特定位置を押圧すると、この特定位置のタッチパネル221における座標情報が座標情報検出部47aによって検出される。
【0090】
携帯端末22は、タッチパネル221に表示した操作パネルの画像の基となる操作パネルデータと、操作パネルの画像上で、操作者が押圧した特定位置の座標情報とを通信部43によって処理装置3に送信する。処理装置3は、携帯端末22から送られた操作パネルデータ及び座標情報に基づき、処理装置3を動作する。
【0091】
本第2の実施形態では、端末装置4aに携帯端末22を用いることで、操作者は、シートに所定の処理を施す一の処理装置3のみに対応する端末装置4を別途購入、所持する必要がない。操作者の所有する携帯端末22を、処理装置3の使用、設定、管理に利用することが可能となる。よって、利便性の向上、コストの削減ができる。
【0092】
尚、上記実施形態では、押圧操作部35は、処理装置3の上面に1個のみ設けたが、複数設置してもよい。例えば、処理装置3が、大型のプリンター、切断機や古紙処理装置等である場合、使用者や管理者が、ジャムしたシート等の除去作業を装置のいずれかの場所で行いつつ、離れた位置に設けられた押圧操作部35においてエラーの解除やリセット等の設定や調整を一人で同時に行うことが困難となることがある。このような場合には、大型の処理装置3の複数箇所に押圧操作部を設け、マーク表示部及び押圧操作部を複数箇所に設けることで、利便性が向上される。特に手作業による対応の生じやすい箇所に、押圧操作部35を設けることによって適切に対応することができる。
【0093】
操作パネルデータ記憶部51は、サーバー5に設けられたが、端末装置、処理装置またはサーバーの少なくともいずれかに設けられればよい。操作パネルデータ記憶部が、端末装置の記憶部に設けられる場合、画像取得部は、この端末装置の記憶部から操作パネルデータを取得する。また、画像記憶部が処理装置3に設けられる場合、画像取得部は通信部の近距離無線通信により処理装置の記憶部から操作パネルデータを取得する。
【0094】
また、マーカ表示部355は、処理装置3の押圧操作部35に設けられたが、他の場所に設けてもよい。例えば、処理装置の側面に設けてもよく、処理装置を設置する設置場所の壁に貼り付ける等してもよい。