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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-166240(P2017-166240A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】車両用ドアの操作制御システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/70 20150101AFI20170825BHJP
   E05F 15/40 20150101ALI20170825BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20170825BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
   E05F15/70
   E05F15/40
   B60J5/00 E
   B60R16/02 630L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-53238(P2016-53238)
(22)【出願日】2016年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】服部 大樹
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052BA04
2E052CA06
2E052EA02
2E052EB01
2E052GA05
2E052GA06
2E052GB06
2E052GC02
2E052GD03
2E052KA12
2E052KA15
2E052KA27
(57)【要約】
【課題】タッチパネルディスプレイのタッチ操作に基づいて、ドアを安全に開作動させる。
【解決手段】車体に開閉可能に支持されるドアと、ドアを電動で開閉作動させることが可能な電動ドア開閉装置と、ドアを示唆する画像を表示可能なタッチパネルディスプレイ14と、音声情報を出力可能なスピーカ15と、電動ドア開閉装置の制御を行う制御装置とを備える。制御装置は、タッチパネルディスプレイ14に表示される画像へのタッチ操作に基づいて、電動ドア開閉装置がドアを開作動させる開駆動制御を行うと共に、ドアが開作動する旨をスピーカ15が音声情報で報知する音声報知制御を行う。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に開閉可能に支持されるドアと、
前記ドアを電動で開閉作動させることが可能な電動ドア開閉装置と、
前記ドアを示唆する画像を表示可能なタッチパネルディスプレイと、
音声情報を出力可能なスピーカと、
前記電動ドア開閉装置の制御を行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記タッチパネルディスプレイに表示される前記画像へのタッチ操作に基づいて、前記電動ドア開閉装置が前記ドアを開作動させる開駆動制御を行うと共に、前記ドアが開作動する旨を前記スピーカが音声情報で報知する音声報知制御を行うことを特徴とする車両用ドアの操作制御システム。
【請求項2】
前記タッチパネルディスプレイは、前記制御装置が前記開駆動制御を行う際、前記ドアが開作動する旨を示唆する情報を表示することを特徴とする請求項1記載の車両用ドアの操作制御システム。
【請求項3】
さらに、前記ドアの開作動を妨げる障害物を検出可能な障害物検出センサを備え、
前記タッチパネルディスプレイは、前記ドアの開き量をタッチ操作で調節可能な開量調節部を表示可能であり、
前記制御装置は、前記開量調節部で調節された前記開き量に基づいて、前記電動ドア開閉装置を前記開き量に相当する回転量開駆動制御すると共に、前記障害物検知センサが障害物を検出した場合には、前記ドアが前記開き量に達する前であっても、前記電動ドア開閉装置を停止制御することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ドアの操作制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルディスプレイを備える車両用ドアの操作制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、複数のドア、トランクリッド及び複数のドア毎に設けられる窓ガラス等の各種開閉体を備えている。各種開閉体のうちドアにあっては、特に乗員の車両への乗降利便性を高めるため、遠隔操作をもって、モータ等の駆動源を有する電動ドア開閉装置(電動機能装置)を駆動させることで、指定したドアを電動で開閉作動させるようにした車両用ドアの操作制御システムが各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の車両用ドアの操作制御システムは、タッチパネルディスプレイに表示される車両画像のドアをタッチ操作で選択し、当該タッチ操作した指をドアの開方向又は閉方向にスライドさせることによって、電動ドア開閉装置を開作動又は閉作動させて、タッチパネルディスプレイで選択したドアを開方向又は閉方向に移動させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−16813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、引用文献1に記載の車両用ドアの操作制御システムにおいては、例えば、タッチパネルディスプレイを操作するユーザーが運転席の運転者であって、操作対象となるドアがリヤドアである場合には、操作対象のドアがユーザーの後方に位置するため、後方確認しないままタッチパネルディスプレイを使用して開操作が行われると、リヤドアが不意に開作動を開始して、後部座席の乗員に対して不快な思いをさせる虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、タッチパネルディスプレイのタッチ操作に基づいて、ドアを安全に開作動させることができるようにした車両用ドアの操作制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る車両用ドアの操作制御システムは、車体に開閉可能に支持されるドアと、前記ドアを電動で開閉作動させることが可能な電動ドア開閉装置と、前記ドアを示唆する画像を表示可能なタッチパネルディスプレイと、音声情報を出力可能なスピーカと、前記電動ドア開閉装置の制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記タッチパネルディスプレイに表示される前記画像へのタッチ操作に基づいて、前記電動ドア開閉装置が前記ドアを開作動させる開駆動制御を行うと共に、前記ドアが開作動する旨を前記スピーカが音声情報で報知する音声報知制御を行うことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記タッチパネルディスプレイは、前記制御装置が前記開駆動制御を行う際、前記ドアが開作動する旨を示唆する情報を表示する。
【0009】
好ましくは、さらに、前記ドアの開作動を妨げる障害物を検出可能な障害物検出センサを備え、前記タッチパネルディスプレイは、前記ドアの開き量をタッチ操作で調節可能な開量調節部を表示可能であり、前記制御装置は、前記開量調節部で調節された前記開き量に基づいて、前記電動ドア開閉装置を前記開き量に相当する回転量開駆動制御すると共に、前記障害物検知センサが障害物を検出した場合には、前記ドアが前記開き量に達する前であっても、前記電動ドア開閉装置を停止制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、タッチパネルディスプレイのタッチ操作に基づいて、電動開閉装置を駆動してドアを開作動させる際、スピーカによってドアが開く旨を音声情報で報知するため、ドアを安全に開作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用した車両の平面図である。
図2】同じく制御回路のブロック図である。
図3】タッチパネルディスプレイに表示される初期画面Aである。
図4】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B1である。
図5】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B2である。
図6】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B3である。
図7】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B4である。
図8】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B5である。
図9】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B6である。
図10】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B7である。
図11】タッチパネルディスプレイに表示される操作対象画面B8である。
図12】タッチパネルディスプレイを使用して電動ドア開閉装置の制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、開閉体として、車体側面に鉛直方向の軸を有するドアヒンジ(図示略)により開閉可能に枢支されるスイング式の前席のドア2A、2B及び後席のドア2C、2Dと、ドア2A−2Dの窓をそれぞれ開閉可能なウィンドウガラス3A−3Dと、トランクを開閉可能なトランクリッド4と、エンジンコンパートメントを開閉可能なボンネット5とを備える。
【0013】
さらに、車両1は、モータ等の駆動源を備える電動機能装置として、図2に示すように、ドア2A〜2Dをそれぞれ電動で開閉作動させる電動ドア開閉装置6A−6Dと、ウィンドウガラス3A−3Dをそれぞれ電動で上下方向へ開閉作動させる電動窓開閉装置7A−7Dと、トランクリッド4を閉鎖状態に保持するためのトランクロック(図示略)を解除作動させてトランクリッド4の開放を可能にするトランクロック用アクチュエータ8と、ドア2A〜2Dをそれぞれ閉鎖状態に保持するためのドアロック装置(図示略)をアンロック(解錠)状態/ロック(施錠)状態に切替作動させるドアロック用アクチュエータ9A−9Dと、ボンネット5を閉鎖位置に保持するためのフードロック装置(図示略)を解除作動させてボンネット5の開放を可能にするフードロック用アクチュエータ10と、ドア2A、2Bに取り付けられるドアミラー11A、11B(図1参照)を起立状態(使用状態)/格納状態(折畳み状態)に切替作動させる電動ドアミラー装置12A、12Bと、室内に設けられる座席(図示略)の位置を電動で変位させる電動シート装置13とを備える。
【0014】
車内のインストルメントパネルには、表面にタッチパネルが設けられて表示画面(例えば、液晶ディスプレイ)上でのタッチ操作を可能としたタッチパネルディスプレイ14、及びタッチパネルディスプレイ14に表示される情報を音声等の音情報により報知可能なスピーカ15が搭載される。さらに、車体の適所には、タッチパネルディスプレイ14のタッチ操作、携帯用の電子キー16及び他のスイッチ操作に基づいて各種電動機能装置の動作制御、並びにスピーカ15の駆動制御を行う制御装置17が搭載される。なお、タッチパネルディスプレイ14は、車両1に搭載されるナビゲーション装置(図示略)の表示及び入力手段、並びに上述の各種開閉体を模した画像表示及び各種電動機能装置の入力操作手段として使用される。
【0015】
開閉体の電動機能装置(電動ドア開閉装置6A−6D、電動窓開閉装置7A−7D及び電動シート装置13)には、回転部分の回転角を検出するための回転角センサ(例えば、ロータリエンコーダ)(図示略)が内蔵される。また、開閉体(ドア2A−2D、トランクリッド4及びボンネット5)または当該開閉体に対向する車体には、それぞれの開閉体が全閉状態にあることを検出する全閉検出センサ(図示略)がそれぞれ設けられる。
【0016】
ドア2A−2D又は車体の側面には、障害物検出センサ18が設けられる。障害物検出センサ18は、例えば、非接触センサ、距離を測定可能な赤外線レーザセンサ、動きで検出するモーションセンサまたは画像で認識する画像センサが用いられ、各ドア2A−2Dを開ける際、各ドア2A−2Dの開作動を妨げるような障害物の存在の有無を検出する。
【0017】
制御装置17は、マイクロコントローラにより構成され、その入力ポートには、タッチパネルディスプレイ14、電子キー16、障害物検出センサ18、電動機能装置に内蔵された上述の回転角センサ及び全閉検出センサから送信される信号(無線信号を含む)が入力され、出力ポートには、電動機能装置(電動ドア開閉装置6A−6D、電動窓開閉装置7A−7D、トランクロック用アクチュエータ8、ドアロック用アクチュエータ9A−9D、フードロック用アクチュエータ10、電動ドアミラー装置12A、12B、電動シート装置13)及びスピーカ15がそれぞれ電気的に接続される。これにより、制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14をタッチ操作した際に出力される各種信号に応じた態様で電動機能装置及びスピーカ15を駆動制御する。これについては、後で詳細に説明する。
【0018】
なお、制御装置17は、電子キー16との間で行われる無線通信で1D信号を認証した場合、電子キー16からのロック/アンロック操作の信号を受信することで、ドアロック用アクチュエータ9A−9Dをロック/アンロック駆動制御するが、これについては、本発明に直接関係しないので、詳細説明は省略する。
【0019】
タッチパネルディスプレイ14は、ナビゲーション装置の地図情報から電動機能装置を操作する際の操作手段として使用される電動機能装置操作画面へ、及びその逆へそれぞれ切替可能であって、表示画面をタッチ操作することで、接触した位置に応じた座標信号を制御装置17に送信する。
【0020】
タッチパネルディスプレイ14に表示される電動機能装置操作画面としては、操作対象を選択する図3に示す初期画面A、及び初期画面Aで選択された操作対象を表示する図4−11に示す操作対象画面B1−B8が設定される。
【0021】
図3に示す初期画面Aは、タッチパネルディスプレイ14にナビゲーション装置の地図情報を表示している状態で表示画面の所定位置をタッチ操作することで、地図情報表示画面から切り替わって表示されるものであって、左側の表示領域には操作対象(「ドア」、「ドアロック」、「ドアミラー」、「ウィンドウガラス」、「座席調整」)を文字及び図柄で表した操作対象選択領域部a、また右側の表示領域には車両を模した画像bがそれぞれ表示される。
【0022】
図4に示す操作対象画面B1は、全てのドア2A−2D、トランク及びボンネットが閉じられた状態で、例えば初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで操作対象「ドア」をタッチ操作した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの「ドア」以外の「ドアロック」、「ドアミラー」、「ウィンドウガラス」及び「座席調整」の表示部が暗くなることで、操作対象が「ドア」が選択されたことを確認することができる。
【0023】
また、操作対象画面B1の右側の表示領域には、画像bに加えて、ドア2A−2D、トランクリッド4及びボンネット5にそれぞれ対応する表示部c(「ドア開」、「ボンネット開」及び「トランク開」)並びにドアの開き量を設定する開量調節部dが表示される。ドア2A−2Dのいずれかを開ける場合には、ドア2A−2Dのいずれかに対応する箇所の表示部c「ドア開」をタッチ操作し、トランクリッド4を開ける場合には、トランクリッド4に対応する表示部c「トランク開」をタッチ操作し、ボンネット5を開ける場合には、ボンネット5に対応する表示部c「ボンネット開」をタッチ操作する。
【0024】
操作対象画面B1において、ドア2A−2Dのいずれかのドアを開ける場合には、当該いずれかのドアに対応する表示部c「ドア開」をタッチ操作する前に、右側の表示領域に表示された開量調節部dにより予めドアの開き量を設定する。ドアの開き量は、開量調節部dの「+」、「−」をタッチ操作して、ドア開量の数値を変化させることで調節することができる。表示部c「トランク開」をタッチ操作した場合には、トランクロック用アクチュエータ8を駆動制御してトランクリッド4を開けることができる。また、表示部c「ボンネット開」をタッチ操作した場合には、フードロック用アクチュエータ10を駆動制御してボンネット5を開けることができる。
なお、図4に示す操作対象画面B1は、ドア2Cに対応する表示部c「ドア開」がタッチ操作された形態を示している。
【0025】
図5に示す操作対象画面B2は、ドア2A−2Dのうちドア2Cが開いた状態で、初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで操作対象「ドア」をタッチ操作した場合に表示されるものであって、操作対象画面B1と同様に、操作対象選択領域部aの「ドア」以外の「ドアロック」、「ドアミラー」、「ウィンドウガラス」及び「座席調整」の表示部が暗くなる。
【0026】
また、操作対象画面B2の右側の表示領域には、画像bに加えて、ドア2A−2Dにそれぞれ対応する表示部cが表示され、表示部cには、開閉体が閉じていれば「ドア開」、また開いていれば「ドア閉」がそれぞれ表示される。
【0027】
図5に示す状態は、ドア2Cが開いた状態で、ドア2A、2B、2Dが閉じた状態を示しており、ドア2Cに対応する表示部cには「ドア閉」が表示され、ドア2A、2B、2Dにそれぞれ対応する表示部cには「ドア開」が表示される。表示部「ドア閉」をタッチ操作した場合には、ドア2Cを閉じる操作であることから、開量調節部dは表示されない。
【0028】
図6に示す操作対象画面B3は、操作対象画面B1でドア2Cに対応する表示部c「ドア開」をタッチ操作で選択した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの右側の領域には、選択されたドア2Cを模した画像が拡大表示されると共に、ドア2Cの動作方向を文字情報(例えば、「ドアを開けます」)で報知する報知部e、及び選択した操作を決定するための決定部fが表示される。決定部fがタッチ操作されると、接触した位置に応じた座標信号を制御装置17に送信する。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14から送信された信号(決定部fがタッチ操作されたときの座標信号)に基づいて、ドア2Cに対応する電動ドア開閉装置6Cの開駆動制御を開始する。
【0029】
図7に示す操作対象画面B4は、操作対象画面B2でドア2Cに対応する表示部c「ドア閉」を選択した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの右側の領域には、選択されたドア2Cを模した画像が拡大表示されると共に、報知部eにはドア2Cの動作方向を示す文字情報(例えば、「ドアを閉めます」)が表示される。この場合には、決定部fをタッチ操作すると、制御装置17は、ドア2Cに対応する電動ドア開閉装置6Cの閉駆動制御を開始する。
【0030】
図8に示す操作対象画面B5は、ドア2A−2Dが閉じた状態で、初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで操作対象「ドアロック」をタッチ操作した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの「ドアロック」以外の「ドア」、「ドアミラー」、「ウィンドウガラス」及び「座席調整」の表示部は暗くなることで、タッチパネルディスプレイ14で操作対象が「ドアロック」であることを確認することができる。
【0031】
また、操作対象画面B5の右側の表示領域には、画像bに加えて、ドアロック装置のロック操作又はアンロック操作のいずれの操作を行うかを選択するための選択部g、及び各ドア2A−2D及びトランクリッド4の状態をそれぞれ示唆する状態表示部hがそれぞれ表示される。
【0032】
操作対象画面B5に表示された選択部gで「全席ロック」または「全席アンロック」がタッチ操作されると、その画面での座標信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14から送信された信号に基づいて、ドア2A−2Dのドアロック装置がロック状態またはアンロック状態に切り替わるように、ドアロック用アクチュエータ9A−9Dを駆動制御する。
また、状態表示部hには、ロック状態に切り替わった場合には文字情報「アンロック」が表示され、またアンロック状態に切り替わった場合には文字情報「ロック」が表示される。
【0033】
図9に示す操作対象画面B6は、ドア2A−2Dが閉じた状態で、初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで「ドアミラー」をタッチ操作で選択した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの「ドアミラー」以外の「ドア」、「ドアロック」、「ウィンドウガラス」及び「座席調整」の表示部が暗くなることで、タッチパネルディスプレイ14で操作対象が「ドアミラー」であることを確認することができる。
【0034】
また、操作対象画面B6の右側の表示領域には、車両を模した画像bに加えて、ドアミラー11A、11Bの起立操作及び折畳み操作、並びにドアミラー11A、11B(ミラー部)の角度調整を選択して操作するためのドアミラー11A、11Bに対応する選択部jが表示される。この表示画面において、ドアミラー11A、11Bを折り畳む(または起立させる)場合には、選択部jで折り畳み操作(または起立操作)を示唆する表示部分(折り畳み操作の場合には、最下段位置に表示された図柄表示部、起立させる場合には、最上段位置に表示された図柄表示部)をタッチ操作し、また、ミラー部を角度調整する場合には、上から2及び3段目に表示された矢印表示部をタッチ操作することで、その画面での座標信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14から送信された信号に基づいて、電動ドアミラー装置12A、12Bを折り畳み方向(または起立方向)へ駆動制御したり、ミラー部の角度調整制御を行う。
【0035】
図10に示す操作対象画面B7は、初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで「ウィンドウガラス」をタッチ操作して選択した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの「ウィンドウガラス」以外の「ドア」、「ドアロック」、「ドアミラー」及び「座席調整」の表示部が暗くなることで、タッチパネルディスプレイ14で操作対象が「ウィンドウガラス」であることを確認することができる。
また、右側の表示領域には、車両の側面視を模した画像に加えて、ウィンドウガラス3A−3Dにそれぞれ対応し、操作方向を選択するための選択部kが表示される。
【0036】
操作対象画面B7において、例えば、ウィンドウガラス3Aを全開する場合にはウィンドウガラス3Aに対応する選択部kのうち全開を示唆する図柄表示部、全閉する場合には選択部kのうち全閉を示唆する図柄表示部、開き方向へ位置調整する場合には選択部k「↓」、また閉じ方向へ位置調整する場合には選択部k「↑」をそれぞれタッチ操作することで、その画面での座標信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14から送信される信号に基づいて、ウィンドウガラス3Aに対応する電動窓開閉装置7Aを開駆動制御または閉駆動制御する。ウィンドウガラス3A以外のウィンドウガラス3B−3Dを開、または閉操作する場合には、ウィンドウガラス3B−3Dにそれぞれ対応する選択部kをタッチ操作する。
【0037】
図11に示す操作対象画面B8は、初期画面Aにおいて操作対象選択領域部aで操作対象「座席調整」をタッチ操作で選択した場合に表示されるものであって、操作対象選択領域部aの「座席調整」以外の「ドア」、「ドアロック」、「ドアミラー」及び「ウィンドウガラス」の表示部が暗くなることで、タッチパネルディスプレイ14で操作対象が「座席調整」であることを確認することができる。
また、右側の表示領域には、車両の一部を模した画像に加えて、前席、後席を示唆する選択部L、及び座席を模した画像と共に調整方向を示唆する選択部Mが表示される。
【0038】
操作対象画面B8において、例えば、運転席の座席を調整する場合には当該座席に対応する位置の選択部Lをタッチ操作して選択すると共に、選択部Mにおいて調整方向を選択することで、その画面での座標信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14から送信された信号に基づいて、選択された座席を調整し得るように電動シート装置13を駆動制御する。
【0039】
次に、本実施形態に係るタッチパネルディスプレイ14を使用して操作対象を操作する際の、電動機能装置を制御する処理手順について図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
なお、図12に基づいての説明は、説明の便宜上、操作対象をドア2Cを選択する場合について説明するが、操作対象をドア2C以外を選択する場合には、以下の説明において、ドア2Cをそれ以外の操作対象に置き換えて適宜理解するものとする。
【0041】
タッチパネルディスプレイ14にナビゲーション装置の地図情報が表示された表示画面において、所定の表示部がタッチ操作されると、タッチパネルディスプレイ14に図3に示す初期画面Aが表示される(ステップS1)。
【0042】
初期画面Aにおいて、操作対象選択領域部aで「ドア」が選択されると、ステップS2の判断処理において、ドア2Cが閉じていると判断した場合には、ステップS3に移行し、タッチパネルディスプレイ14に図4に示す操作対象画面B1が表示される。操作対象画面B1においては、ドア2Cに対応する表示部cには、操作方向を示す「ドア開」が表示されると共に、操作対象選択領域部aの「ドア」以外の「ドアロック」、「ドアミラー」、「ウィンドウガラス」及び「座席調整」が暗くなる。
【0043】
次に、操作対象画面B1の右側の表示領域に表示された開量調節部dをタッチ操作してドアの開き量を調節し、続いて複数の選択部c(「ドア開」)のうち後席の右側のドア2Cに対応する選択部c「ドア開」をタッチ操作で選択して決定する(ステップS5)。
【0044】
次のステップS6の判断処理において、ドア2Cを安全に開作動させることができると判断した場合(停車状態(パーキングレンジがONまたは車速が3km/h以下)で、障害物検出センサ18が障害物を検出していない場合)には、図6に示す操作対象画面B3に切り替わり、タッチパネルディスプレイ14の報知部eに(「ドアを開けます」)を表示してユーザーに対してドア2Cが開く旨を文字情報で報知する。
【0045】
また、タッチパネルディスプレイ14に表示される文字情報の報知と略同時に、制御装置17は、スピーカ15が音声情報(例えば「後席の右ドアを開きます」)を出力する音声報知制御を行い、後席の乗員等に対してドア2Cが開く旨を音声で報知する(ステップS7)。
【0046】
また、ステップS6の判断処理において、制御装置17がドア2Cを安全に開作動できないと判断した場合(障害物検出センサ18が障害物を検出してドア2Cを開くことができない状況(車両への乗降ができない状況または所定以上の速度で走行している状況)には、タッチパネルディスプレイ14の報知部eに、例えば「障害物があります」、「走行中です」等のメッセージを表示して、ドア2Cを開けることができない旨を文字情報で報知すると共に、電動ドア開閉装置6Cによるドア2Cの開作動を不能にする。
【0047】
ステップS7の報知処理において、ユーザーが安全を確認した後に操作対象画面B3の決定部fをタッチ操作すると、接触した位置に応じた座標信号、すなわちドア開操作信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14からのドア開操作信号に基づいて、ドア2Cに設けられた解除用アクチュエータ(図示略)を駆動制御して、ドア2Cのドアロック装置を解除した後、ドア2Cに対応する電動ドア開閉装置6Cを開量調節部dで設定されたドア開き量に相当する回転量だけ駆動させる開駆動制御を開始する(ステップS8)。
【0048】
電動ドア開閉装置6Cが開駆動すると、ドア2Cが開作動(ステップS9)すると共に、電動ドア開閉装置6Cの駆動に伴って、電動ドア開閉装置6Cの回転角センサからドア2Cの開き量に応じたパルス信号が制御装置17に送信される。この場合、ドア2Cが開作動を開始する以前に、ステップS7においてドア2Cが開動作する旨を予めスピーカ15からの音声情報で報知しているため、後席乗員に対して不快な思いをさせることなく、ドア2Cを安全に開作動させることができる。
【0049】
制御装置17は、回転角センサから送信されるパルス信号の情報を基に演算を行い、ドア2Cの移動方向や開き位置の算出を行い、随時、開き位置に応じた画像データをタッチパネルディスプレイ14に送信する。タッチパネルディスプレイ14は、制御装置17からの画像データに基づいて、操作対象画面B3においてドア2Cを模した画像のドアが恰もドア開作動しているかのような動画を表示する。これにより、ユーザーは、ドア2Cが開作動をしている様子をタッチパネルディスプレイ14で確認することができる。
【0050】
次のステップS10の判断処理において、ドア2Cが開作動している際、障害物検出センサ18が障害物を検出しない場合には、制御装置17は、回転角センサからのパルス信号に基づいて算出した現在のドア位置と、設定した開き量とを比較し、現在のドア位置が設定開き量に達していなければそのままドア開駆動制御を継続し、設定開き位置に達した判断すれば(ステップS11)、その時点で電動ドア開閉装置6Cの停止制御を行う。これにより、ドア2Cは設定した開位置に停止する(ステップS12)。
【0051】
また、ステップS10の判断処理において、障害物検出センサ18が障害物を検出した場合には、ドア2Cが設定開き位置に達する前であっても、電動ドア開閉装置6Cを停止制御し、ドア2Cを設定開き位置手前で停止させる(ステップS13)。
【0052】
前述のステップS2の判断処理において、ドア2Cが開いていると判断された場合には、ステップS4に移行し、タッチパネルディスプレイ14に図5に示す操作対象画面B2が表示される。この場合には、操作対象画面B2おいてドア2Cに対応する文字表示部cには「ドア閉」が表示される。
【0053】
操作対象画面B2に表示された複数の選択部cのうち後席の右側のドア2Cに対応する選択部c「ドア閉」をタッチ操作で選択すると(ステップS14)、操作対象画面B3に応じた座標信号、すなわちドア閉操作信号が制御装置17に送信される。制御装置17は、タッチパネルディスプレイ14からのドア閉操作信号を受信することで、ドア2Cに対応する電動ドア開閉装置6Cの閉駆動制御を行う(ステップS15)。これにより、ドア2Cが閉作動を開始する(ステップS16)と共に、電動ドア開閉装置6Cの回転角センサからドア2Cの開き量に応じた数のパルス信号が出力される。
【0054】
制御装置17は、回転角センサから送信されるパルス信号の情報を基に演算を行い、ドア2Cの移動方向やドア位置の算出を行い、随時、ドア位置に応じた画像データをタッチパネルディスプレイ14に送信する。タッチパネルディスプレイ14は、制御装置17からの画像データに基づいて、操作対象画面B4においてドア2Cを模した画像のドアが恰も閉作動しているかのような動画を表示する。これにより、ユーザーは、ドア2Cが閉作動をしている様子をタッチパネルディスプレイ14で確認することができる。
【0055】
そして、ドア2Cが全閉状態となったことを全閉スイッチが検出すると(ステップS17)、制御装置17は、電動ドア開閉装置6Cの停止制御を行う。これにより、ドア2Cは全閉位置に停止する(ステップS18)。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(a)ドア2A−2Dをスイング式のドアに代えてスライドドアとする。
(b)タッチパネルディスプレイ14を電動機能装置を操作するための専用のものとする。
(c)タッチパネルディスプレイ14を持ち運び自由なものとする。
【符号の説明】
【0057】
1 車両 2A−2D ドア
3A−3D ウィンドウガラス 4 トランクリッド
5 ボンネット 6A−6D 電動ドア開閉装置
7A−7D 電動窓開閉装置 8 トランクロック用アクチュエータ
9A−9D ドアロック用アクチュエータ
10 フードロック用アクチュエータ 11A、11B ドアミラー
12A、12B 電動ドアミラー装置 13 電動シート装置
14 タッチパネルディスプレイ 15 スピーカ
16 電子キー 17 制御装置
18 障害物検出センサ A 初期画面
B1−B8 操作対象画面 a 操作対象選択領域部
b 画像 c 表示部
d 開量調節部 e 報知部
f 決定部 g 選択部
h 状態表示部 j、k、L、M 選択部
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図12