(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-166392(P2017-166392A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】エンジン制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 29/02 20060101AFI20170825BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20170825BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
F02D29/02 K
B60K35/00 Z
F02D45/00 305C
F02D45/00 358K
F02D45/00 362P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2016-51475(P2016-51475)
(22)【出願日】2016年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】浦野 晃稔
【テーマコード(参考)】
3D344
3G093
3G384
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AB07
3D344AD02
3G093AA10
3G093BA04
3G093DA01
3G384AA25
3G384BA47
3G384DA44
3G384FA56Z
(57)【要約】
【課題】アクセルボリューム等に故障が発生しても、エンジン回転数を制御することのできるエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン11と、アクセルボリューム12と、アクセルボリューム12から入力された電圧信号に基づいて目標エンジン回転数を演算してエンジン11を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)13とを備えたエンジン制御装置1は、エンジンコントロールユニット13にCAN通信で接続される制御部14と、制御部14にCAN通信で接続される表示装置15とを備え、表示装置15で入力されたエンジン回転数指令値に基づいてエンジンコントロールユニット(ECU)13はエンジン11を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、アクセルボリュームと、前記アクセルボリュームから入力された電圧信号に基づいて目標エンジン回転数を演算し前記エンジンを制御するエンジンコントロールユニットとを備えたエンジン制御装置において、
前記エンジンコントロールユニットにCAN通信で接続される制御部と、前記制御部にCAN通信で接続される表示装置とを備え、
前記表示装置で入力されたエンジン回転数指令値に基づいて、前記エンジンコントロールユニットは前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置。
【請求項2】
前記エンジン制御装置は、建設機械に用いられることを特徴とする請求項1記載のエンジン制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン制御装置に関し、詳しくは、エンジンと、アクセルボリュームと、前記アクセルボリュームから入力された電圧信号に基づいて目標エンジン回転数を演算し前記エンジンを制御するエンジンコントロールユニットとを備えたエンジン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械等のエンジン制御装置として、アクセルボリューム(エンジンコントロールダイヤル)によって、エンジンの回転数を制御する制御装置が知られており、エンジンコントロールユニット(エンジンコントローラ)等をCAN通信で接続しているものが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−138651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のエンジン制御装置の場合、アクセルボリューム自体やアクセルボリュームとエンジンコントロールユニットとの機器間の配線に故障が生じた際には、施工作業を中断して修理する必要があった。
【0005】
そこで本発明は、アクセルボリューム等に故障が発生しても、エンジン回転数を制御することのできるエンジン制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エンジンと、アクセルボリュームと、前記アクセルボリュームから入力された電圧信号に基づいて目標エンジン回転数を演算し前記エンジンを制御するエンジンコントロールユニットとを備えたエンジン制御装置において、前記エンジンコントロールユニットにCAN通信で接続される制御部と、前記制御部にCAN通信で接続される表示装置とを備え、前記表示装置で入力されたエンジン回転数指令値に基づいて、前記エンジンコントロールユニットは前記エンジンを制御することを特徴としている。このようなエンジン制御装置は、建設機械に用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエンジン制御装置によれば、表示装置で入力されたエンジン回転数指令値に基づいて、エンジン回転数を直接制御できるので、アクセルボリュームが故障しても、施工を中断する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のエンジン制御装置の第1形態例を示す説明図である。
【
図2】本発明の表示装置の表示例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本形態例に示す建設機械のエンジン制御装置1は、エンジン11と、目標エンジン回転数を指示する指示信号(電圧信号)を出力するアクセルボリューム12と、このアクセルボリューム12からの電圧信号に基づいて目標エンジン回転数を演算し、エンジン11の回転数を制御するエンジンコントロールユニット(以下、ECU)13とを備えている。
【0010】
エンジン11は、建設機械に搭載され、油圧源である油圧ポンプを駆動し、吐出された圧油によって、リーダの起伏シリンダやアームシリンダ等の各種アクチュエータを作動させる。
【0011】
ECU13はCAN(Controller Area Network)通信機能を有するものであり、エンジン11の実際のエンジン回転数を制御部14に出力する。
【0012】
制御部14は、同様にCAN通信接続により、そのエンジン回転数を表示装置15に出力し、
図2に示されるディスプレイ画面のメーター21に表示させる。
【0013】
ディスプレイ画面上には、メーター21以外にも燃料計表示部22、水温計表示部23、すす蓄積量表示部24等が表示される。また、ディスプレイ画面の下部には、1〜4の数字で割り振られた機能ボタン25や、上下左右方向の操作ボタン26、各種選択を確定するためのOKボタン28、各種選択をキャンセルするためのescボタン27等が表示される。
【0014】
ここで、通常の場合は、アクセルボリューム12を操作すると、エンジン11の回転数が変動し、その実際の回転数に基づいて、表示装置15のメーター21のエンジン回転数の表示値が変化する。しかしながら、何らかの故障がアクセルボリューム12自体やアクセルボリューム12とECU13との間の配線に生じている場合には、アクセルボリューム12を操作しても、メーター21の回転数が変化しない。
【0015】
そのような場合には、アクセルボリューム12の動作不良と判断し、機能ボタン25を押して、「エンジン回転数設定画面」に切り替える。そして、操作ボタン26の上下ボタンを押すことにより、任意のエンジン回転数を設定することができる。
【0016】
表示装置15は、この設定されたエンジン回転数を回転数指令値として、制御部14を介して、ECU13に出力する。ECU13では、アクセルボリューム12から入力された電圧信号よりも優先して、表示装置15の「エンジン回転数設定画面」で入力されたエンジン回転数指令値に基づいて、エンジン11のエンジン回転数を制御する。
【0017】
このように、エンジン回転数の制御を、アクセルボリューム12のみでなく、表示装置15を用いたCAN通信の2系統とすることにより、アクセルボリューム12等に故障が発生しても、施工作業を中断する必要はない。
【0018】
なお、エンジン制御装置1を搭載する建設機械は、杭打機や油圧ショベル等様々な建設機械が対応することができる。また、ECU13は、エンジンの回転数だけでなく、エンジン11の始動・停止やエンジン側の各種搭載機器の制御をすることができる。
【符号の説明】
【0019】
1…エンジン制御装置、11…エンジン、12…アクセルボリューム、13…エンジンコントロールユニット、14…制御部、15…表示装置
21…メーター、22…燃料計表示部、23…水温計表示部、24…すす蓄積量表示部、25…機能ボタン、26…操作ボタン、27…escボタン、28…OKボタン