【解決手段】スペクトラムアナライザ1は、測定結果を示す測定結果画像を表示する表示画面14と、測定者を撮像する撮像部31と、撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて測定者の視線方向を検出する視線方向検出部32と、視線方向検出部32によって検出された視線方向に基づいて測定者が注視している測定結果画像の注視領域を特定する注視領域特定部33aと、注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成する拡大画像生成部33bと、注視領域拡大画像を表示画面に表示する制御を行う表示制御部35と、を備える。
前記注視領域拡大画像生成手段が、前記測定者の視線方向の移動に応じて前記測定結果画像上を移動する注視領域拡大画像を生成するものであることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のものでは、パラメータの設定画面や測定結果のグラフ等(以下「測定結果等」という)を限られた画面領域で表示する必要があるので、測定結果等を小さく表示する手法や、画面を切り替えて表示するといった手法がとられていた。測定結果等を小さく表示する手法では、測定結果等が見づらくなるという課題があった。また、画面を切り替えて表示する手法では、切り替えの手間がかかるという課題があった。
【0007】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る測定装置(1)は、測定結果を示す測定結果画像(40)を表示する表示画面(14)と、測定者を撮像する撮像手段(31)と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて前記測定者の視線方向を検出する視線方向検出手段(32)と、前記視線方向検出手段によって検出された視線方向に基づいて前記測定者が注視している前記測定結果画像の注視領域(41a)を特定する注視領域特定手段(33a)と、前記注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像(46、48)を生成する注視領域拡大画像生成手段(33b)と、前記注視領域拡大画像を前記表示画面に表示する制御を行う表示制御手段(35)と、を備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明の請求項1に係る測定装置は、測定者が注視している測定結果画像の注視領域を特定し、注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成して表示するので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【0010】
本発明の請求項2に係る測定装置は、前記注視領域拡大画像生成手段が、前記測定者の視線方向の移動に応じて前記測定結果画像上を移動する注視領域拡大画像を生成するものである構成を有している。
【0011】
この構成により、本発明の請求項2に係る測定装置は、測定者の視線方向の移動に応じて前記測定結果画像上を移動する注視領域拡大画像を生成して表示するので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係る測定装置(2)は、測定結果を示す測定結果画像(60)内の一部の領域を表示対象領域(61〜65)として表示する表示画面(14)と、測定者を撮像する撮像手段(31)と、前記撮像手段によって撮像された撮像画像に基づいて前記測定者の視線方向を検出する視線方向検出手段(32)と、前記視線方向の移動に応じて前記表示対象領域を移動させて前記表示画面に表示する制御を行う表示制御手段(51、52)と、を備えた構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の請求項3に係る測定装置は、測定結果を示す測定結果画像内の一部の領域を表示対象領域とし、視線方向の移動に応じて表示対象領域を移動させて表示画面に表示するので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る測定方法は、測定結果を示す測定結果画像(40)を表示画面(14)に表示する表示ステップ(S12)と、測定者を撮像する撮像ステップ(S13)と、前記撮像ステップにおいて撮像された撮像画像に基づいて前記測定者の視線方向を検出する視線方向検出ステップ(S14)と、前記視線方向検出ステップにおいて検出された視線方向に基づいて前記測定者が注視している前記測定結果画像の注視領域(41a)を特定する注視領域特定ステップ(S17)と、前記注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像(46、48)を生成する注視領域拡大画像生成ステップ(S17)と、前記注視領域拡大画像を前記表示画面に表示する制御を行う表示制御ステップ(S19)と、を含む構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明の請求項4に係る測定方法は、測定者が注視している測定結果画像の注視領域を特定し、注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成して表示するので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【0016】
本発明の請求項5に係る測定方法は、測定結果を示す測定結果画像(60)内の一部の領域を表示対象領域(61〜65)として表示画面(14)に表示する表示ステップ(S32)と、測定者を撮像する撮像ステップ(S33)と、前記撮像ステップにおいて撮像された撮像画像に基づいて前記測定者の視線方向を検出する視線方向検出ステップ(S34)と、前記視線方向の移動に応じて前記表示対象領域を移動させて前記表示画面に表示する制御を行う表示制御ステップ(36)と、を含む構成を有している。
【0017】
この構成により、本発明の請求項5に係る測定方法は、測定結果を示す測定結果画像内の一部の領域を表示対象領域とし、視線方向の移動に応じて表示対象領域を移動させて表示画面に表示するので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができるという効果を有する測定装置及び測定方法を提供することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の測定装置をスペクトラムアナライザに適用した例を挙げて説明する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、本発明に係るスペクトラムアナライザの第1実施形態における構成について
図1に基づき説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ1は、RF(Radio Frequency)処理部20、ADC(アナログデジタルコンバータ)11、測定部12、測定結果画像生成部13、表示画面14、拡大画像消去部15、表示制御装置30を備えている。スペクトラムアナライザ1は、図示しないCPUと、ROMと、RAMと、各種インタフェースが接続される入出力回路等を備えたマイクロコンピュータを含む。スペクトラムアナライザ1は、ROMに予め格納された制御プログラムを実行させることにより、マイクロコンピュータを、RF処理部20、ADC11、測定部12、測定結果画像生成部13、表示画面14、拡大画像消去部15、表示制御装置30として機能させるようになっている。このスペクトラムアナライザ1は、測定装置の一例である。
【0023】
RF処理部20は、信号混合器21、局部発振器22、掃引制御部23、フィルタ24を備えている。
【0024】
信号混合器21は、入力する被測定信号と局部発振器22からの局部発振信号とを混合して出力するようになっている。
【0025】
局部発振器22は、指定された周波数帯域で掃引可能な局部発振周波数を有する局部発振信号を発振し、局部発振信号を信号混合器21に出力するようになっている。
【0026】
掃引制御部23は、局部発振器22に対して、図示しない操作部を測定者が操作することによって指定された基準周波数、掃引幅、取得サンプル数等に応じて局部発振信号の周波数を所定ステップで掃引させるようになっている。
【0027】
フィルタ24は、被測定信号と局部発振信号との差又は和の周波数成分のうち、例えば差の周波数成分を含む中間周波数信号を抽出するようになっている。
【0028】
ADC11は、フィルタ24が出力する中間周波数信号をアナログ値の信号からデジタル値の信号に変換して測定部12に出力するようになっている。
【0029】
測定部12は、ADC11からの波形データを掃引ごとに記憶する波形メモリを備え、記憶した波形データに対して所定の測定を行うようになっている。例えば、測定部12は、図示しない操作部によって測定者が定めた通信規格における測定項目の測定演算処理を行うものである。
【0030】
測定結果画像生成部13は、測定部12が測定した結果を示す測定結果データやグラフ等を含む測定結果画像を生成するようになっている。この測定結果画像は、後述する表示画面14によって表示される。
【0031】
表示制御装置30は、撮像部31、視線方向検出部32、拡大画像生成装置33、画像合成部34、表示制御部35を備えている。
【0032】
撮像部31は、後述するカメラ31aを備え、測定者を撮像するようになっている。例えば、撮像部31は、測定者の左右の目や顔の向きを撮像するものである。測定者の撮像画像データは、視線方向検出部32に出力される。なお、撮像部31は、撮像手段の一例である。
【0033】
視線方向検出部32は、撮像部31からの撮像画像データを解析し、公知の技術を用いて、例えば、測定者の眼部の画像を抽出して目の瞳と白目の位置関係から、又は顔の向き等から測定者の視線方向を検出するとともに、視線方向の移動も検出できるようになっている。なお、視線方向検出部32は、比較的細かい視線方向の動きを無視できるよう、例えば視線方向の動きを平均化して視線方向を求めるようになっている。この視線方向検出部32は、視線方向検出手段の一例である。
【0034】
拡大画像生成装置33は、注視領域特定部33a、拡大画像生成部33bを備え、視線方向検出部32が検出したデータと、測定結果画像生成部13が生成した測定結果画像のデータと、を入力するようになっている。
【0035】
注視領域特定部33aは、視線方向検出部32によって検出された視線方向に基づき、表示画面14に表示されている測定結果画像に対して測定者が注視している注視領域を特定するようになっている。具体的には、注視領域特定部33aは、測定者の視線方向が例えば3秒間以上ほぼ固定され、測定者がほぼ同じ領域を注視していると判断した場合には、注視している領域を注視領域として特定するようになっている。なお、注視領域特定部33aは、注視領域特定手段の一例である。
【0036】
拡大画像生成部33bは、注視領域特定部33aによって注視領域が特定された場合には、その特定された注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成するようになっている。なお、拡大画像生成部33bは、注視領域拡大画像生成手段の一例である。
【0037】
画像合成部34は、拡大画像生成部33bによって注視領域拡大画像が生成された場合にはその注視領域拡大画像と、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像と、を合成した合成画像を生成するようになっている。なお、拡大画像生成部33bによって注視領域拡大画像が生成されていない場合には、画像合成部34は、測定結果画像のデータのみを出力する。
【0038】
表示制御部35は、画像合成部34によって合成された合成画像、又は、測定結果画像のみを表示画面14に表示する制御を行うようになっている。この表示制御部35は、表示制御手段の一例である。
【0039】
表示画面14は、例えば液晶パネルで構成され、表示制御部35の表示制御に応じて所定の画像を表示するようになっている。
【0040】
拡大画像消去部15は、例えば、スペクトラムアナライザ1の表面パネルに設けられた押しボタンスイッチ15aを備えている。この押しボタンスイッチ15aは、注視領域拡大画像が表示画面14に表示されている場合において、その注視領域拡大画像を消去する際に使用されるものである。
【0041】
次に、スペクトラムアナライザ1の詳細な構成や主な機能について、
図2〜
図4を用いて説明する。
【0042】
図2は、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ1の外観正面図を示している。
図2に示すように、スペクトラムアナライザ1は、表示画面14を備えている。表示画面14の上辺側のほぼ中央部には、撮像部31の一部を構成するカメラ31aが設けられている。なお、
図2では1つのカメラ31aを設けた例を図示しているが、本発明はこれに限定されず、例えばステレオカメラを用いる構成であってもよい。
【0043】
また、
図2には、拡大画像消去部15が備える押しボタンスイッチ15aが図示されている。注視領域拡大画像が表示画面14に表示されている場合に、測定者が押しボタンスイッチ15aを押下することにより、注視領域拡大画像が表示画面14に表示されなくなる。なお、押しボタンスイッチ15aに代えて、例えば、視線方向検出部32が、測定者の視線方向が表示画面14の外側に所定秒数間移動したことを検出した場合に、注視領域拡大画像を表示画面14から消去する構成としてもよい。
【0044】
図3は、測定結果画像生成部13が生成する測定結果画像40の一例を示している。
図3に示すように、測定結果画像40は、各種測定項目とその結果を示すデータ41と、コンスタレーション特性を示すデータ42と、変調精度(Error Vector Magnitude:EVM)対シンボルの関係を示すデータ43と、振幅誤差(Magnitude Error)対シンボルの関係を示すデータ44と、を含む。
【0045】
図3に示した測定結果画像40が表示画面14に表示された状態において、視線方向検出部32が測定者の視線方向を検出し、注視領域特定部33aが例えば領域41aを測定者が注視している注視領域であると特定した場合には、拡大画像生成部33bが注視領域である領域41aを含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像46(
図4(a)参照)を生成する。
【0046】
図4(a)は、画像合成部34が生成した合成画像45を示す図である。合成画像45は、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像40と、拡大画像生成部33bによって生成された注視領域拡大画像46とが合成された画像である。
【0047】
図4(a)に示した合成画像45が表示画面14に表示された状態において、視線方向検出部32が、測定者の視線方向が図中右下方向に移動したことを検出した場合には、視線方向の移動に応じて注視領域拡大画像46が移動し、例えば注視領域拡大画像48(
図4(b)参照)が表示される。この注視領域拡大画像48は、データ44(
図3参照)に含まれるグラフの一部を拡大した画像である。
【0048】
図4(b)は、画像合成部34が生成した合成画像47を示す図である。合成画像47は、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像40と、拡大画像生成部33bによって生成された注視領域拡大画像48と、が合成された画像である。
【0049】
注視領域拡大画像46が移動して注視領域拡大画像48が表示される過程は、例えば拡大鏡を用いて測定結果画像を部分的に拡大しながら移動するイメージである。
【0050】
次に、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ1の動作について
図5を用いて説明する。なお、スペクトラムアナライザ1が入力した被測定信号はRF処理部20で処理され、ADC11、測定部12と送られて所定の測定結果が求められるが、これらの動作は公知であるので説明を省略する。
【0051】
測定結果画像生成部13は、測定部12が測定した結果を示す測定結果データやグラフ等を含む測定結果画像を生成する(ステップS11)。生成された測定結果画像のデータは画像合成部34を介して表示制御部35に出力される。
【0052】
表示制御部35は、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像を表示画面14に表示する制御を行う(ステップS12)。
【0053】
撮像部31は、測定者を撮像し(ステップS13)、撮像データを視線方向検出部32に出力する。
【0054】
視線方向検出部32は、撮像部31からの撮像データを解析し、測定者の視線方向を検出する(ステップS14)。検出された視線方向を示すデータは拡大画像生成装置33に出力される。
【0055】
拡大画像生成装置33は、注視領域拡大画像が表示画面14に表示されているか否かを判断する(ステップS15)。なお、
図5では、注視領域拡大画像を拡大画像と省略して記載している。
【0056】
ステップS15において、注視領域拡大画像が表示画面14に表示されていると判断されなかった場合には、注視領域特定部33aは、注視領域が特定されたか否かを判断する(ステップS16)。
【0057】
ステップS16において、注視領域が特定されたと判断された場合には、注視領域特定部33aは、測定者が注視している領域を注視領域として特定し、拡大画像生成部33bは、注視領域特定部33aによって特定された注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成する(ステップS17)。具体的には、注視領域特定部33aは、例えば3秒間以上ほぼ同じ領域を測定者が注視していると判断した場合には、測定者が注視している領域を注視領域として特定する。
【0058】
一方、ステップS16において、注視領域が特定されたと判断されなかった場合には、ステップS13の処理に戻る。
【0059】
画像合成部34は、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像と、拡大画像生成部33bによって生成された注視領域拡大画像と、を合成した合成画像を生成する(ステップS18)。
【0060】
表示制御部35は、画像合成部34によって合成された合成画像を表示画面14に表示する制御を行い(ステップS19)、ステップS13の処理に戻る。
【0061】
前述のステップS15において、注視領域拡大画像が表示画面14に表示されていると判断された場合には、注視領域拡大画像を消去するための押しボタンスイッチ15aが押下されたか、つまり注視領域拡大画像の消去のコマンドが実行されたか否かを判断する(ステップS20)。
【0062】
ステップS20において、注視領域拡大画像の消去のコマンドが実行されたと判断された場合には、拡大画像消去部15は、注視領域拡大画像を消去するコマンドを画像合成部34に出力し(ステップS21)、ステップS12に戻る。その結果、画像合成部34は、測定結果画像生成部13によって生成された測定結果画像のみのデータを表示制御部35に出力し、表示画面14には測定結果画像のみが表示されることとなる。
【0063】
ステップS20において、注視領域拡大画像の消去のコマンドが実行されたと判断されなかった場合には、視線方向検出部32は、測定者の視線方向が移動したか否かを判断する(ステップS22)。
【0064】
ステップS22において、測定者の視線方向が移動したと判断された場合にはステップS17に進み、測定者の視線方向が移動したと判断されなかった場合にはステップS13の処理に戻る。ここで、例えば、表示画面14の左上から右下の方向に視線方向が移動した場合には、視線方向の移動に沿って注視領域拡大画像が順次生成されて測定結果画像と合成され、注視領域拡大画像が左上から右下の方向に移動することとなる。
【0065】
以上のように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ1は、測定者が注視している測定結果画像の注視領域を特定し、注視領域を含む所定領域を拡大した画像である注視領域拡大画像を生成して表示する構成としたので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。
【0066】
(第2実施形態)
まず、第2実施形態におけるスペクトラムアナライザ2の構成について説明する。
【0067】
図6に示すように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ2は、第1実施形態(
図1参照)の構成の一部を変更したものであり、測定結果画像生成部16、表示制御装置50を備えている。このスペクトラムアナライザ2は、測定装置の一例である。なお、第1実施形態と同様な構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0068】
測定結果画像生成部16は、表示画面14の表示領域よりも大きい予め定められた画像サイズで、測定結果画像を生成するようになっている。すなわち、測定結果画像生成部16によって生成された測定結果画像の一部が表示画面14に表示されることとなる。本実施形態では、表示画面14の画面解像度を横1280画素×縦1024画素とする。
【0069】
表示制御装置50は、撮像部31、視線方向検出部32、表示領域指示部51、表示制御部52を備えている。
【0070】
表示領域指示部51は、視線方向検出部32が検出した視線方向の移動に応じて、表示画面14に表示する測定結果画像の表示対象領域を移動させる指示を表示制御部52に行うようになっている。なお、表示領域指示部51は、表示制御手段の一例である。
【0071】
表示制御部52は、表示領域指示部51の指示に基づき、測定結果画像生成部16が生成した測定結果画像の一部の領域を表示対象領域として表示画面14に表示させる制御を行うようになっている。すなわち、表示画面14は、測定結果を示す測定結果画像内の一部の領域を表示対象領域として表示するものである。なお、表示制御部52は、表示制御手段の一例である。
【0072】
次に、測定結果画像生成部16、表示領域指示部51の機能について
図7〜
図9を用いて説明する。
【0073】
図7は、測定結果画像生成部16が生成する測定結果画像60の一例を示している。説明のため、測定結果画像60が、測定結果画像60内の一部の領域として、左上部領域61、右上部領域62、中央部領域63、左下部領域64、右下部領域65を有するものとする。これらの各領域61〜65は、表示画面14の表示領域と同じく横1280画素×縦1024画素で構成されている。また、測定結果画像60は、表示画面14の表示領域よりも大きい予め定められた画像サイズ、例えば横2800画素×縦2200画素の画像で構成されている。なお、左上部領域61、右上部領域62、中央部領域63、左下部領域64、右下部領域65は、表示対象領域の一例である。
【0074】
図8は、スペクトラムアナライザ2の表示画面14に左上部領域61が表示された状態を示している。
図8において、視線方向検出部32が、測定者の視線方向が例えば3秒間以上ほぼ固定され、測定者が左上部領域61の左辺付近又は上辺付近を注視していると検出しても、左上部領域61の左辺や上辺は測定結果画像の外縁であるので(
図7参照)、表示領域指示部51は表示対象領域を移動させる指示を行わず、表示画面14の画面は変化しない。
【0075】
次に、視線方向検出部32が、測定者が左上部領域61の右辺付近を注視していると検出した場合には、表示領域指示部51は、視線方向検出部32から視線方向が右方向に向いている情報を取得し、左上部領域61の右方向に表示対象領域を移動させる指示を行う。
【0076】
同様に、視線方向検出部32が、測定者が左上部領域61の下辺付近を注視していると検出した場合には、表示領域指示部51は、視線方向検出部32から視線方向が下方向に向いている情報を取得し、左上部領域61の下方向に表示対象領域を移動させる指示を行う。
【0077】
図9は、表示画面14に表示される画面を説明する図である。前述のように、例えば、表示画面14に左上部領域61が表示されている状態において、視線方向検出部32が、測定者が左上部領域61の下辺付近を注視し続けていると検出した場合には、表示領域指示部51は、左上部領域61の下方向に表示対象領域を移動させる指示を行うことにより、最終的に表示画面14には左下部領域64が表示される。
【0078】
また、例えば、表示画面14に左下部領域64が表示されている状態において、視線方向検出部32が、測定者が左下部領域64の右上付近を注視し続けていると検出した場合には、表示領域指示部51は、左下部領域64の右上方向に表示対象領域を移動させる指示を行うことにより、中央部領域63の表示の後、最終的には表示画面14には右上部領域62が表示される。
【0079】
次に、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ2の動作について
図10を用いて説明する。
【0080】
測定結果画像生成部16は、測定部12が測定した結果を示す測定結果データやグラフ等を含む測定結果画像を、表示画面14の表示領域よりも大きい予め定められたサイズで生成する(ステップS31)。生成された測定結果画像のデータは表示制御部52に出力される。
【0081】
表示制御部52は、測定結果画像生成部16によって生成された測定結果画像のうち、予め定められた領域の画像、例えば左上部領域61(
図7参照)を表示画面14に表示する制御を行う(ステップS32)。
【0082】
撮像部31は、測定者を撮像し(ステップS33)、撮像データを視線方向検出部32に出力する。
【0083】
視線方向検出部32は、撮像部31からの撮像データを解析し、測定者の視線方向の移動を検出する(ステップS34)。検出された視線方向の移動を示すデータは表示領域指示部51に出力される。
【0084】
表示領域指示部51は、検出された視線方向に表示可能な表示領域があるか否かを判断する(ステップS35)。具体的には、例えば、表示画面14に左上部領域61が表示された状態(
図8参照)において、視線方向検出部32が、測定者が左上部領域61の左辺付近を注視していると検出した場合には、左上部領域61の左辺は測定結果画像の外縁であるので(
図7参照)、表示領域指示部51は、表示可能な表示領域がないと判断する。
【0085】
一方、同じ状態において、視線方向検出部32が、測定者が左上部領域61の右辺付近を注視していると検出した場合には、左上部領域61の右辺側には測定結果画像が存在するので(
図7参照)、表示領域指示部51は、表示可能な表示領域があると判断する。
【0086】
ステップS35において、表示可能な表示領域がないと判断された場合には、ステップS33に戻る。
【0087】
一方、ステップS35において、表示可能な表示領域があると判断された場合には、表示領域指示部51は、測定者の視線方向の移動に応じて、表示画面14に表示する測定結果画像の表示対象領域を移動させる制御を表示制御部52に行う(ステップS36)。その結果、表示画面14には、測定者の視線方向の移動に応じた測定結果画像が表示されることとなる。
【0088】
以上のように、本実施形態におけるスペクトラムアナライザ2は、測定者の視線方向の移動に応じて表示対象領域を移動させて表示画面14に表示する構成としたので、画面を切り替えることなく測定結果等を見やすく表示することができる。