(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-167502(P2017-167502A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】ムートンシーツの補修方法の説明用キット
(51)【国際特許分類】
G09B 25/00 20060101AFI20170825BHJP
A47G 9/02 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
G09B25/00 Z
A47G9/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-117611(P2016-117611)
(22)【出願日】2016年6月14日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3204447号
【原出願日】2016年3月15日
(11)【特許番号】特許第6144389号(P6144389)
(45)【特許公報発行日】2017年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】516077677
【氏名又は名称】株式会社瑠光
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】舛田 貴広
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA06
(57)【要約】
【課題】ムートンシーツの補修方法を分かりやすく説明することができるムートンシーツの補修方法の説明用キットを提供する。
【解決手段】補修領域が設定されたミニチュアのシーツ本体10と、シーツ本体10の上に載置して人の就寝状態を示す人形20と、シーツ本体10に着脱可能なミニチュアの交換用パーツ30とを備えている。シーツ本体10はマグネットシートからなる基材シートBSの上面に、補修領域を除くように、天然ムートンNMが接着固定された本体部11と、本体部11の補修領域に着脱可能に装着される要補修パーツ12及び再使用パーツ13とから構成されている。交換用パーツ30はマグネットシートからなる基材シートBSの上面に天然ムートンNMが接着固定されており、シーツ本体10から要補修パーツ12を取り外し、再使用パーツ13を補修領域の片側に移動させることによって開放された部分に装着可能な大きさ、形状を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムートンシーツの補修方法を説明するために使用するムートンシーツの補修方法の説明用キットであって、
ミニチュアのシーツ本体と、ミニチュアの交換用パーツとを備え、
前記シーツ本体は、着脱可能に分割された補修領域を有しており、
前記補修領域には、補修を必要とする部分を示す要補修パーツと、再使用可能な部分を示す再使用パーツとが装着されており、
前記交換用パーツは、前記シーツ本体から前記要補修パーツを取り外し、前記再使用パーツを前記補修領域の片側に移動させることによって開放された部分に装着可能な大きさ、形状を有していることを特徴とするムートンシーツの補修方法の説明用キット。
【請求項2】
前記要補修パーツと前記再使用パーツとは識別可能に構成されている請求項1に記載のムートンシーツの補修方法の説明用キット。
【請求項3】
前記シーツ本体の上に載置して人の就寝状態を示す人形又は人型シートを備えている請求項1または2に記載のムートンシーツの補修方法の説明用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ムートンシーツの補修方法を説明するために使用するムートンシーツの補修方法の説明用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
天然ムートンは、羊の毛皮をなめして、天然の状態のまま貴化処理(毛伸し・艶だし)を施したものであり、らせん状の縮れ毛が高い保温・断熱効果及び優れた弾力性を発揮するとともに、羊毛自身の優れた吸湿性及び放湿性によって、さらっとした肌触りを保つことができるという特性を有しているため、例えば、ムートンシーツといった寝具等の敷物として使用されている。
【0003】
こういったムートンシーツを長年使用していると、人の体圧が加わる肩部、臀部及びかかと部の羊毛だけがすり減って部分的に薄くなり、寝心地が悪くなるため、こういった部分的に損耗したムートンシーツは、新しいムートンシーツに買い換えるのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ムートンシーツは高価であり、肩部、臀部及びかかと部等の損耗部分以外は継続使用が可能な状態であるので、損耗部分を補修して継続使用することが望まれているが、その補修方法について、ムートンシーツの所有者に口頭で説明しただけでは、イメージがわかず、十分に理解してもらえないのが現状である。
【0006】
実際に損耗したムートンシーツを前にして補修方法を説明する場合はまだしも、損耗したムートンシーツが目の前に無い状態で、その補修方法を説明する場合は、さらにイメージしにくいといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、ムートンシーツの補修方法を分かりやすく説明することができるムートンシーツの補修方法の説明用キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ムートンシーツの補修方法を説明するために使用するムートンシーツの補修方法の説明用キットであって、ミニチュアのシーツ本体と、ミニチュアの交換用パーツとを備え、前記シーツ本体は、着脱可能に分割された補修領域を有しており、前記補修領域には、補修を必要とする部分を示す要補修パーツと、再使用可能な部分を示す再使用パーツとが装着されており、前記交換用パーツは、前記シーツ本体から前記要補修パーツを取り外し、前記再使用パーツを前記補修領域の片側に移動させることによって開放された部分に装着可能な大きさ、形状を有していることを特徴とするムートンシーツの補修方法の説明用キットを提供するものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のムートンシーツの補修方法の説明用キットにおいて、前記要補修パーツと前記再使用パーツとは識別可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明のムートンシーツの補修方法の説明用キットにおいて、前記シーツ本体の上に載置して人の就寝状態を示す人形又は人型シートを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、請求項1に係る発明のムートンシーツの補修方法の説明用キットは、ミニチュアのシーツ本体が、補修を必要とする部分を示す要補修パーツと、再使用可能な部分を示す再使用パーツとに分割され、これらのパーツが着脱可能に装着された補修領域を有しており、シーツ本体から要補修パーツを取り外し、再使用パーツを補修領域の片側に移動させることによって開放された部分に装着可能なミニチュアの交換用パーツを有しているので、例えば、ミニチュアのシーツ本体から要補修パーツを取り外し、再使用パーツを補修領域の片側に移動させることによって開放された部分にミニチュアの交換用パーツを装着することで、実際の補修工程を、各工程毎に視覚的に把握することができる。従って、この説明用キットを使用することで、ムートンシーツの補修方法をイメージしやすくなり、容易に理解することができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明のムートンシーツの補修方法の説明用キットは、要補修パーツと再使用パーツとが識別可能に構成されているので、補修前の状態で何処が損耗部分で、その損耗部分がどのように再生されたのかを確実に把握することができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明のムートンシーツの補修方法の説明用キットは、シーツ本体の上に載置して人の就寝状態を示す人形又は人型シートを備えているので、補修前のシーツ本体の上に人形又は人型シートを載置することで、シーツ本体のどの部分が損耗しやすいのかを、人の身体の部位との関係で把握することができ、よりイメージしやすいという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)はこの発明に係るムートンシーツの補修方法の説明用キットの一実施形態を構成しているミニチュアのシーツ本体を示す平面図、(b)は同上の説明用キットを構成している人形を示す平面図、(c)は同上の説明用キットを構成しているミニチュアの交換用パーツを示す平面図である。
【
図2】同上のシーツ本体から要補修パーツ及び再使用パーツを取り外した状態を示す平面図である。
【
図3】同上のシーツ本体及び交換用パーツを示す断面図である。
【
図4】同上の説明用キットの使用方法を段階的に示す図である。
【
図5】同上の説明用キットの使用方法を段階的に示す図である。
【
図6】同上の説明用キットの使用方法を段階的に示す図である。
【
図7】同上の説明用キットの使用方法を段階的に示す図である。
【
図8】同上の説明用キットの使用方法を段階的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、このムートンシーツの補修方法の説明用キットは、幅方向の中央部に補修領域が設定されたミニチュアのシーツ本体10と、このシーツ本体10の上に載置して人の就寝状態を示す人形20と、ミニチュアの交換用パーツ30とを備えている。
【0016】
前記シーツ本体10は、
図2及び
図3に示すように、マグネットシートからなる長方形状の基材シートBSの上面に、補修領域を除くように、天然ムートンNMが接着固定された本体部11と、この本体部11の補修領域に着脱可能に装着される、補修を必要とする部分を示す3つの要補修パーツ12と、再使用可能な部分を示す2つの再使用パーツ13とから構成されており、要補修パーツ12及び再使用パーツ13は、補修領域を、その長手方向に5等分した大きさを有している。
【0017】
前記要補修パーツ12及び再使用パーツ13も、本体部11と同様に、マグネットシートによって形成された基材シートBSの上面に天然ムートンNMが接着固定されており、要補修パーツ12及び再使用パーツ13を本体部11の補修領域に所定状態で配置したときに、要補修パーツ12及び再使用パーツ13の基材シートBSの下面が本体部11の基材シートBSの上面に磁気吸着されるようになっている。
【0018】
前記再使用パーツ13は、本体部11の補修領域に装着した状態で、本体部11を構成している天然ムートンNMの羊毛部分の上端と略同一高さになるように、羊毛部分がカットされているが、要補修パーツ12は、すり減った状態を認識しやすいように、本体部11の補修領域に装着した状態で、本体部11を構成している天然ムートンNMの羊毛部分の上端よりも低くなるように、羊毛部分がカットされている。従って、本体部11の補修領域に要補修パーツ12及び再使用パーツ13を装着した状態では、要補修パーツ12を装着した部分が補修を必要とする部分であり、再使用パーツ13を装着した部分が再使用可能な部分であることを容易に認識することができるようになっている。
【0019】
前記交換用パーツ30は、シーツ本体10の再使用パーツ13と同様に、マグネットシートからなる基材シートBSの上面に天然ムートンNMが接着固定されており、シーツ本体10から要補修パーツ12を取り外し、再使用パーツ13を補修領域の片側に移動させることによって開放された部分に装着可能な大きさ、形状を有している。
【0020】
また、交換用パーツ30は、シーツ本体10の補修領域に着脱自在に装着することができるように、シーツ本体10の本体部11の補修領域に所定状態で配置したときに、交換用パーツ30の基材シートBSの下面がシーツ本体10の本体部11の基材シートBSの上面に磁気吸着されるようになっており、シーツ本体10の再使用パーツ13と同様に、シーツ本体10の補修領域に装着した状態で、シーツ本体10の本体部11を構成している天然ムートンNMの羊毛部分の上端と略同一高さになるように、羊毛部分がカットされている。
【0021】
以上のように構成された説明用キットの使用方法の一例について、以下に説明する。まず、
図4に示すように、シーツ本体10の本体部11の補修領域における長手方向の両端部及び中央部に3つの要補修パーツ12をそれぞれ装着すると共に、要補修パーツ12間に2つの再使用パーツ13をそれぞれ装着しておき、肩部、臀部及びかかと部が要補修パーツ12部分に位置するように、シーツ本体10の上に人の就寝状態を示す人形20を載置することで、ムートンシーツにおける人の体圧が加わる肩部、臀部及びかかと部の羊毛だけがすり減って部分的に損耗し易いことを説明する。
【0022】
次に、
図5に示すように、シーツ本体10の上から人形20を取り除き、
図6に示すように、シーツ本体10の本体部11の補修領域から3つの要補修パーツ12を取り外すことで、ムートンシーツの損耗部分を切り取ることを説明する。
【0023】
続いて、
図7に示すように、シーツ本体10の本体部11の補修領域に残っている2つの再使用パーツ13を補修領域のかかと側に移動させることで、ムートンシーツの損耗部分の間に位置している非損耗部分を切り取ってかかと側に移動させてムートンの皮部同士を縫製することにより再利用することを説明する。
【0024】
最後に、
図7及び
図8に示すように、再使用パーツ13をかかと側に移動させることによって補修領域の中央部から肩部側に開放された部分に交換用パーツ30を装着することで、損耗部分の代わりに新品のムートンパーツを嵌め込んでムートンの皮部同士を縫製することによりムートンシーツのリフォームが完了することを説明する。
【0025】
以上のように、この説明用キットを用いてムートンシーツの補修方法を説明すると、実際の補修工程を、各工程毎に視覚的に把握することができるので、ムートンシーツの補修方法をイメージしやすくなり、容易に理解することができる。
【0026】
特に、このムートンシーツの補修方法の説明用キットでは、要補修パーツ12の羊毛部分の高さを本体部11や再使用パーツ13の羊毛部分の高さより低くすることで、損耗部分と非損耗部分とを識別するようにしているので、補修前の状態で何処が損耗部分で、その損耗部分がどのように再生されたのかを確実に把握することができる。
【0027】
また、このムートンシーツの補修方法の説明用キットでは、補修前のシーツ本体10の上に人の就寝状態を示す人形20を載置することで、ムートンシーツのどの部分が損耗しやすいのかを、人の身体の部位との関係で把握することができるので、よりイメージしやすいという効果が得られる。
【0028】
なお、上述した実施形態では、要補修パーツ12の羊毛部分の高さを本体部11や再使用パーツ13の羊毛部分の高さより低くすることで、損耗部分と非損耗部分とを識別するようにしているが、これに限定されるものではなく、要補修パーツ12の羊毛部分を特定の色彩に着色することによって損耗部分と非損耗部分とを識別するようにしてもよい。
【0029】
また、上述した実施形態では、シーツ本体10の本体部11の補修領域を、5分割しているが、これに限定されるものではなく、その分割数や要補修パーツ12及び再使用パーツ13の数は、補修方法の説明内容に応じて適宜設定すればよい。
【0030】
また、上述した実施形態では、基材シートとしてマグネットシートを使用することで、シーツ本体10の本体部11に対して、要補修パーツ12、再使用パーツ13及び交換用パーツ30を着脱可能に保持しているが、これに限定されるものではなく、マグネットシートに替えて面ファスナーを使用することも可能である。面ファスナーを使用する場合は、布地等の基材上面に、補修領域を除くように、天然ムートンを縫製し、基材上面における補修領域に面ファスナーの一方のファスナー要素を取り付けることで本体部を形成すると共に、天然ムートンの皮部の裏面にファスナーの他方のファスナー要素を取り付けることで、要補修パーツ、再使用パーツ及び交換用パーツを形成すればよい。
【0031】
また、上述した実施形態では、本体部11に対して要補修パーツ12、再使用パーツ13及び交換用パーツ30を着脱可能に保持するために、マグネットシート等の保持部材を使用しているが、こういった保持部材は必ずしも設ける必要はなく、省略することも可能である。ただし、シーツ本体の本体部については、保持部材を省略する場合であっても、天然ムートンを取り付ける布地等からなる基材が必要であることはいうまでもない。
【0032】
また、上述した実施形態では、シーツ本体10の本体部11は、マグネットシートからなる基材シートBSの上面に天然ムートンNMが接着固定されているが、これに限定されるものではなく、天然ムートンNMは基材シートBSの上面に着脱可能に取り付けられていてもよく、着脱可能に分割されていてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、シーツ本体10(本体部11、要補修パーツ12、再使用パーツ13)及び交換用パーツ30に天然ムートンを使用しているが、これに限定されるものではなく、人工ムートンを使用することも可能であり、不織布や樹脂発泡体等によってシーツ本体や交換用パーツを形成してもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、人の就寝状態を示すために立体的な人形20を使用しているが、これに限定されるものではなく、合成樹脂シートを人型に切り抜いた人型シートを使用することも可能である。
【0035】
また、上述した説明用キットの使用方法は、特定のムートンシーツの補修方法を説明するための使用方法であり、ムートンシーツの補修方法はこれに限定されるものではないので、説明しようとするムートンシーツの補修方法に応じて、説明用キットの使用方法も適宜変更すればよいことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の説明用キットは、ムートンシーツの補修方法を説明する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 シーツ本体
11 本体部
12 要補修パーツ
13 再使用パーツ
20 人形
30 交換用パーツ
BS 基材シート
NM 天然ムートン