【課題】製造対象のアセンブリと当該アセンブリを構成する構成品の候補に関する情報とをまとめて管理することができる情報管理装置、情報管理方法、及び情報管理プログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る情報管理装置は、複数の構成品から構成されるアセンブリに関する情報をアセンブリ情報として管理するための、制御部を備えた情報管理装置である。この情報管理装置の制御部は、複数のアセンブリと当該複数のアセンブリの各々を構成し得る構成品の組み合わせのパターンが登録されている構成パターンマスタから、特定のアセンブリの主たる構成品の候補に関する情報と、主たる構成品の従たる構成品の候補に関する情報とを取得し、それら情報を組み合わせたアセンブリ情報を作成する。
制御部を備えた情報管理装置において実行させるための、複数の構成品から構成されるアセンブリに関する情報をアセンブリ情報として管理するための情報管理プログラムであって、
前記制御部において実行させるための、
複数のアセンブリと当該複数のアセンブリの各々を構成し得る構成品の組み合わせのパターンが登録されている構成パターンマスタから、特定のアセンブリの主たる構成品の候補に関する第1の情報を取得する第1の取得ステップと、
前記構成パターンマスタから、前記主たる構成品の従たる構成品の候補に関する第2の情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得した第1の情報又は当該第1の情報から選択された主たる構成品に関する情報と、前記第2の取得ステップで取得した第2の情報又は当該第2の情報から選択された従たる構成品に関する情報とを組み合わせたアセンブリ構成情報を、前記特定のアセンブリに関するアセンブリ情報として作成するアセンブリ情報作成ステップと
を含むこと
を特徴とする情報管理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.構成]
本実施形態に係る情報管理装置を含む情報管理システムの構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る情報管理装置を含む情報管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す情報管理システム1000は、情報処理装置としての情報管理装置100と、サーバ200と、情報管理装置100及びサーバ200を相互に通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
【0018】
情報管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、複数の構成品から構成されるアセンブリに関する情報をアセンブリ情報として管理するための情報処理装置である。なお、情報管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
情報管理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108とを備えている。情報管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、情報管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、
図1には図示されていない情報処理装置からの入力情報等を、ネットワーク300を介して又はネットワーク300及びサーバ200を介して、受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置に対して所定の情報を出力することが可能に構成されている。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明の情報管理プログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明の情報管理プログラムを実施するために用いられる各種のマスタ(データベース又はテーブル)が書出し/読出し可能に格納されている。各種のマスタについては後述する。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0023】
制御部102は、情報管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0024】
さらに
図1を参照しながら、記憶部106の構成と制御部102の構成について詳述する。
【0025】
記憶部106には、
図1に示されるように、構成パターンマスタ106aが格納されている。この構成パターンマスタ106aには、複数のアセンブリと当該複数のアセンブリの各々を構成し得る構成品の組み合わせのパターンが登録されている。具体的には、アセンブリを識別するためのアセンブリ識別情報と、当該アセンブリの主たる構成品の候補に関する第1の情報と、主たる構成品の従たる構成品の候補に関する第2の情報とが互いに関連付けられた状態で構成パターンマスタ106aに登録される。
【0026】
上記アセンブリ識別情報は、アセンブリを受注するときに用いる受注番号であってもよいし、出荷するときに用いる品番であってもよい。なお、アセンブリは、複数の構成品から構成される物品であればよく、したがって、組み立て型の装置に限られることはなく、組み立て型の部品であってもよいし、組立てを必要としないキットであってもよい。また、構成品は、部品に限られることはなく、資材であってもよいし、材料であってもよく、さらには、出荷するときに用いる梱包材等を含んでもよい。
【0027】
また、上記の第1の情報とは、アセンブリを構成する候補となる構成品のうち、任意に選択された単体の構成品又は1群の構成品を特定するための情報をいう。この第1の情報としては、単体の構成品を特定するために用いている情報(例えば、品目コード若しくは品名又は発注番号)を用いてもよいし、任意に設定した品目コード又は品目名を用いてもよい。ここで、好ましくは、主たる構成品としては、アセンブリにおいて構成品の変更の可能性が低くかつ複数の品目からの選定を要しない1以上の構成品が選択される。これにより、構成パターンマスタ106aのメンテナンス等の管理を容易にすることができる。より好ましくは、主たる構成品として、アセンブリの本体又は主要部をなす構成品が選択される。このため、主たる構成品を本明細書においては標準構成とも称する場合がある。これにより、主たる構成品の情報から、製造対象のアセンブリを想起しやすくなる。
【0028】
上記の第2の情報とは、上述の第1の情報のために選択されなかった構成品を特定するための情報をいう。ここで、好ましくは、従たる構成品としては、アセンブリにおいて構成品の変更の可能性が上記主たる構成品よりも高い1以上の構成品が選択され、より好ましくは、アセンブリの本体又は主要部をなす構成品に対するオプション品(例えば、付属品)や選定を要する構成品(以下、「選定品」ともいう)が選択される。
【0029】
制御部102は、
図1に示されるように、複数のモジュールを備えており、具体的には、第1取得部102aと、第2取得部102bと、アセンブリ情報作成部102cと、計画データ作成部102dとを備えている。
【0030】
第1取得部102aは、特定のアセンブリ(例えば、受注品に係る製造対象のアセンブリ)に関するアセンブリ情報を作成する処理(
図2を用いて後述する情報管理処理の一部)において、上述の構成パターンマスタ106aから、当該特定のアセンブリの主たる構成品の候補に関する第1の情報を取得するためのモジュールである。したがって、このモジュールは、第1の取得手段として機能する。
【0031】
第1取得部102aは、上記特定のアセンブリに関するアセンブリ情報を作成する処理(
図2を用いて後述する情報管理処理の一部)において、上述の構成パターンマスタ106aから、当該特定のアセンブリの主たる構成品の候補に関する第2の情報を取得するためのモジュールである。したがって、このモジュールは、第2の取得手段として機能する。
【0032】
アセンブリ情報作成部102cは、第1取得部102a及び第2取得部102bが取得した第1の情報及び第2の情報を組み合わせたアセンブリ構成情報を作成するためのモジュールである。ここで作成されるアセンブリ構成情報は、少なくとも特定のアセンブリを構成する複数の構成品を特定する情報を含んでおり、上記特定のアセンブリに関するアセンブリ情報に該当する。したがって、このモジュールは、アセンブリ情報作成手段として機能する。
【0033】
計画データ作成部102dは、上記特定のアセンブリの製造までに又は製造に際して必要となる計画データの作成を行うためのモジュールである。ここで、計画データの第1の例は、特定のアセンブリを構成する複数の構成品の各々を調達するために必要となる発注に係る計画データである。計画データの第2の例は、複数の構成品から特定のアセンブリを製造するときの製造管理に必要となる製造に係る計画データである。これらの発注及び製造に係る計画データの作成に際し、計画データ作成部102dは、第1取得部102aが取得した第1の情報、第2取得部102bが取得した第2の情報、及び、アセンブリ情報作成部102cが作成したアセンブリ情報から選択された1以上の情報を用いる。したがって、このモジュールは、計画データ作成手段として機能する。
【0034】
[2.処理]
次に、本実施形態に係る情報管理システム1000において行われる、アセンブリ情報を管理するための処理について、
図2〜
図11(b)を参照して説明する。
【0035】
図2は、
図1における情報管理装置100において実行される情報管理方法の処理手順を示すフローチャートである。この
図2に示す処理は、概略的には、受注品に係る製造対象のアセンブリを特定し、当該アセンブリの標準構成の候補とオプション品の候補とを構成パターンマスタ106aから抽出し、必要に応じて修正を加えて得られたアセンブリ構成情報から、構成品発注計画データ及び製造計画データの作成を行うというものである。本処理の大部分は、情報管理装置100の制御部102において実行される。
【0036】
図2において、まず、ステップS210では、受注データの更新を待機する。受注データの更新は、新規の受注データを作成することによって行ってもよいし、他の業務システム等で作成された受注データを取り込むことによって行ってもよい。
図3には、
図2のステップS210の処理に際し、受注データを取り込むときの表示画面の一例が示されている。なお、受注データの更新がなくても、特定の受注データの編集を行う場合には、このステップS210をスキップしてステップS220の処理に進む。
【0037】
続いて、ステップS220では、受注データの選択を受け付けることにより、本処理の対象となる受注品を特定する。受注データの選択は、例えば、受注番号や製番の入力によって行われる。
図4には、
図2のステップS220の処理に際し、受注データの選択がなされたときの表示画面の一例が示されている。この
図4に示すような表示画面を用いることにより、受注データの管理がなされる。具体的には、
図4に示すような表示画面を介して、製番又は受注番号の入力、商品コードの入力、受注品の受注品の特性値等のパラメータの設定又はその変更、受注品の受注から製造までの日程管理、受注品を構成する構成品に関する情報の管理、単価等の会計管理等が可能になっている。
【0038】
次に、ステップS230では、ステップS220で特定された受注品についてアセンブリ情報の作成を行う。このステップS230の処理の詳細は、
図5に示すサブルーチンに示されている。
【0039】
図5において、まず、ステップS231では、構成パターンマスタ106aの読出しを行う。先述のとおり、構成パターンマスタ106aにおいては、アセンブリ識別情報と、第1の情報、すなわち標準構成の候補に関する情報と、第2の情報、すなわちオプション品に関する情報とが互いに関連付けられている。
【0040】
続くステップS232では、ステップS231で読み出した構成パターンマスタ106aから、ステップS220で特定された受注品のアセンブリ識別情報(当該受注品を識別するための情報、例えば、商品コード、又は、製番若しくは受注番号)に関連付けられている標準構成に関する情報を第1の情報として取得する。これにより、標準構成の候補が抽出されることとなる。
【0041】
図6(a)には、
図5のステップS232の処理の結果抽出された標準構成の候補の例が示されている。この例では、商品コードを同一にする3つの標準構成の候補が抽出されている。このように抽出される複数の標準構成の候補には、任意の品目コード及び品目名の少なくとも一方(
図6(a)に示す例では品目コード)が設定されている。そして、本実施の形態では、標準構成の候補に設定された品目コードは、
図6(a)に示すように、親品目コードとして管理されており、この親品目コードに対応する標準構成は、
図6(b)に示すように、1以上の子品目に展開可能にデータ管理されている。このようにデータ管理を行うことで、多数に及ぶ子品目をより少数の親品目コードで扱うことが可能となる。
図6(b)に示す例では、羽根車、ケーシング、フランジ、及びレールの4つの子品目が1つの親品目コードで管理されている。
【0042】
また、ステップS233では、ステップS231で読み出した構成パターンマスタ106aから、ステップS220で特定された受注品のアセンブリ識別情報(当該受注品を識別するための情報、例えば、商品コード、又は、製番若しくは受注番号)に関連付けられているオプション品に関する情報を第2の情報として取得する。これにより、オプション品の候補が抽出されることとなる。なお、アセンブリ識別情報だけでなくステップS232で抽出した標準構成の候補に関する情報(第1の情報)も参照することで、オプション品の候補の数を絞り込むことが好ましい。
【0043】
図7(a)には、
図5のステップS233の処理の結果抽出されたオプション品の候補の例が示されている。この例では、オプションコードを同一にする2つのオプション品の候補が抽出されている。このように抽出される複数のオプション品の候補には、任意の品目コード及び品目名の少なくとも一方(
図7(a)に示す例では品目コード)が設定されている。そして、本実施の形態では、オプション品の候補に設定された品目コードは、
図7(a)に示すように、親品目コードとして管理されており、この親品目コードに対応するオプション品は、
図7(b)に示すように、1以上の子品目に展開可能にデータ管理されている。このようにデータ管理を行うことで、多数に及ぶ子品目をより少数の親品目コードで扱うことが可能となる。
図7(b)に示す例では、プラグA及びソケットAの2つの子品目と、後述する選定品である機種名SRM3のモータが1つの親品目コードで管理されている。
【0044】
次に、ステップS234では、ステップS220で特定された受注品を構成する構成品に選定品があるかどうか判別する。ここで、
図7(a)に示した例は、オプション品に関する情報の中に、選定品に関する情報(機種名、番手等の情報)が選定品パラメータとして含まれている例であり、この例では、オプション品に関する情報を取得することにより選定品に関する情報も取得される。なお、選定品の候補をオプション品とは別に抽出可能にデータ管理してもよく、その場合には、例えば、選定品の候補の有無を示すフラグを例えばアセンブリ識別情報にセットすればよい。
【0045】
そして、ステップS234の判別の結果、選定品がある場合には(ステップS234でYes)、その選定品に関する情報を取得し、これにより、選定品の候補を抽出する(ステップS235)。
図7(a)に示した例では、オプション品の候補1つにつき1つの選定品の候補が抽出されることとなる。
図8には、
図5のステップS235の処理の結果、
図7(a)に示したオプション品の候補から抽出された選定品の候補の例が示されている。このように選定品の候補を抽出することで、
図8に示すように、選定品の各候補の品目コードやより詳細なパラメータに関する情報(例えばモータの出力に関する情報)を取得することが可能となる。
【0046】
続くステップS236では、ステップS235で抽出した選定品の各候補について選定表のデータを作成する。選定表とは、選定品ごとにそのパラメータを対比可能にしたリストをいう。例えば、選定品がモータである場合、メーカー、型式、品番(品目コード)及び出力値(kW)が同一であっても、正端/逆端の区別や適用周波数(Hz)を異にする場合がある。
図9には、
図8に示される選定品であるモータの候補のうち、出力値が0.75kWのモータについて、
図5のステップS236の処理で作成した選定表のデータが模式的に示されている。このステップS236の処理のように、選定表のデータを用意しておくことで、ユーザの最終的な選定を簡便にすることができる。
【0047】
さらに、ステップS237では、選定品の下位品目に関する情報を取得するかどうかを判別する。選定品に対して、さらに下位品目が設定されているかどうかは、例えば、ステップS235で抽出した選定品の各候補に関する情報に、下位品目の有無を示すフラグをセットすることで判別することが可能であり、本実施形態においては、このフラグをチェックすることで、ステップS237の判別を行う。なお、下位品目設定ありのフラグをセットすることに代えて、例えば、選定表に、選定品を特定可能な親品目コード(又は親品目名)、又は、当該選定品の下位品目に関する情報を組み入れてもよい。
【0048】
選定品に設定される下位品目とは、例えば、選定品とともに必要となる構成品又はオプション品等の構成品をいい、このように下位品目を設定することで、例えば、選定品によってオプション品が異なる場合にも選定をより簡便にすることができる。本実施形態においては、選定品に対して親品目コード(又は親品目名)等の識別情報を設定し、下位品目をオプション品としてデータ管理されている。そのため、選定品の下位品目に関する情報を取得する場合、つまり、下位品目設定ありのフラグがONにセットされている場合には(ステップS237でYes)、ステップS233の処理に戻って、選定品の下位品目の候補を抽出する。
図10には、選定品に親品目コードが設定され、かつ、当該選定品の下位品目にプーリー素材が設定された場合の一例が示されている。
【0049】
一方、選定品の下位品目に関する情報を取得する必要がない場合、又は、選定品の下位品目の候補の抽出が済んでいる場合には、ステップS235〜S237の処理をスキップして、
図5の処理を終了する。
【0050】
上述したようにして
図5の一連の処理を行うことにより、受注品を構成する全ての構成品の候補が抽出されることとなる。これらの構成品の候補に関する情報は、すべて、アセンブリ識別情報(例えば、製番又は受注番号)と互いに関連付けられており、また、それらを組み合わせることで、受注品であるアセンブリの構成を示すアセンブリ構成情報をなす。このようにして、受注品のアセンブリ情報が作成され、
図5の処理(
図2のステップS230の処理)を終了して、
図2の後続の処理へ進む。
【0051】
図2に戻り、後続のステップS240では、受注品を構成する構成品の候補について発注計画データを作成する。この発注計画データには、例えば、各構成品の発注先から予め取得しておいた納期に関する情報が含まれており、これにより、構成品の調達が可能であるかどうかの判断材料とすることができる。さらには、構成品の発注計画データを集約することにより複数の構成品の発注計画データを作成してもよく、好ましくは、納期の対比表も作成される。なお、ステップS240で作成した注文計画データに変更がない場合(例えば、構成品の候補の数が1つの場合)には、当該発注計画データを注文書として発注先へ送付するようにしてもよく、これにより、調達担当者の手間を大幅に省くことができる。また、構成品の候補の数が多すぎる場合等、さらなる選定が必要な場合には、ステップS240の処理をスキップしてステップS250に進んでもよい。
【0052】
そして、ステップS250では、受注品の候補として抽出された構成品に関する情報の修正入力を待機する。ユーザは、ステップS230で作成されたアセンブリ情報やステップS250で作成された発注計画データを参照することで得られる、構成品の候補の数や当該構成品の納期等を判断材料として、アセンブリ情報の編集を行う。この編集の結果、各構成品の候補の数は実質的に1つに絞り込まれることとなる。
図11(a)には、アセンブリ識別情報と、抽出及び編集された構成品に関する情報とを関連付けたアセンブリ情報の一例が模式的に示されている。また、
図11(b)には、
図11(a)のアセンブリ情報とは別のアセンブリ情報の例が模式的に示されている。
図11(a)の例と
図11(b)の相違は、選定品と当該選定品の下位品目の有無である。
【0053】
そして、アセンブリ情報の編集の結果、アセンブリ情報における構成品に関する情報に修正入力がなされたと判断された場合には(ステップS250でYes)、ステップS240の処理に戻って、修正入力に係る構成品についての発注計画データの修正を行う。一方、構成品に関する情報に修正がない又は修正の必要がない(つまり、受注品の構成品がすべて確定)と判断された場合には(ステップS250でNo)、ステップS260の処理に進む。
【0054】
次に、ステップS260では、ステップS230で作成されかつ必要に応じてステップS250で編集されたアセンブリ情報に基づいて、製造計画データを作成する。製造計画データは、構成品の組み立てに要する作業日数等を過去の実績等に基づいて予め設定しておくことで自動的に作成される。作成された製造計画データは、ユーザによる編集が可能に構成されており、ユーザは、受注品の出荷希望日等と、製造計画データに含まれる組立計画日とを比較することで、製造計画データの見直しを行う。
【0055】
その後、ステップS270では、他の受注品についても、アセンブリ情報、発注計画データ、及び製造計画データの作成を行う処理を行うかどうか判別する。他の受注品について上述した処理を行う場合には(ステップS270でYes)、ステップS220に戻って、ステップS220〜S270の処理を行い、一方、他の受注品について上述した処理を行わない場合には、本処理を終了し、
図2の処理を完了する。
【0056】
上述した
図2及び
図5の処理によれば、構成パターンマスタ106aから、受注品に係るアセンブリの標準構成の候補に関する情報を第1の情報として取得し(ステップS232)、構成パターンマスタ106aから、標準構成のオプション品(選定品含む)の候補に関する情報を第2の情報として取得し(ステップS233,S235)、それらの情報を組み合わせたアセンブリ構成情報が、受注品に係るアセンブリに関するアセンブリ情報として作成される。そして、作成されたアセンブリ情報はユーザ編集可能であるので、ユーザとしては、情報管理装置100は、アセンブリ情報を管理するための装置として機能することとなる。このように、本実施形態によれば、受注品が特定されれば、標準構成の候補に関する情報とオプション品(選定品含む)の候補に関する情報の双方をまとめて取得することができる。なお、本実施形態は、受注品に限らず、任意のアセンブリについて構成シミュレーションを行うことも可能である。
【0057】
また、
図2及び
図5の処理によれば、抽出された選定品の選定表のデータが作成される(ステップS236)。そして、この選定表のデータは、選定品の候補と、当該選定品の特性を示すパラメータとともに一覧可能にすなわち出力可能に作成されている。そのため、ユーザは、選定表上で、選定品のパラメータを対比しながら受注品の構成品とすべき選定品を容易に選ぶことができる。
【0058】
さらに、
図2及び
図5の処理によれば、標準構成(親品目)とその子品目、オプション品(親品目)とその子品目、選定品(上位品目)とその選定表(下位品目)、並びに、選定品(親品目)とその下位品目といったように(
図6(a)〜
図10参照)、構成品に関する情報が上位品目に関する情報と上位品目を構成する一以上の子品目に関する情報とを含むようにデータ管理されている。これにより、データ管理が容易になる。
【0059】
加えて、
図2及び
図5の処理によれば、発注計画データが作成されたり(ステップS240)、また、製造計画データが作成されたりする(ステップS260)。これにより、ユーザの手間を軽減することができる。
【0060】
なお、上述した実施形態においては、構成パターンマスタ106aは、アセンブリ識別情報と、第1の情報と、第2の情報とを互いに関連付けたマスタであると説明したが、構成パターンマスタ106aの構成例はこれに限られることはない。例えば、アセンブリ識別情報及び第1の情報を関連付けた第1のマスタと、第1の情報及び第2の情報を関連付けた第2のマスタを用意してもよいし、アセンブリ識別情報と第1の情報とを関連付けた第1のマスタと、アセンブリ識別情報と第2の情報とを関連付けた第2のマスタと、第1の情報と第2の情報を互いに関連付けた第3のマスタを用意してもよい。
【0061】
また、上述した例では、
図2及び
図5の処理においてアセンブリ情報が作成されることについて主として説明されているが、
図1に示したような情報管理装置100は、作成されたアセンブリ情報の編集又はシミュレーションのために用いてもよい。例えば、構成品の代替品(特には後発品)がある場合、下位品目として代替品に関する情報を構成パターンマスタ106aに追加登録することで、既存品と後発品の対比を行うことも可能となる。
【0062】
さらに、上述した実施形態では、主として、アセンブリが受注品である場合について説明したが、アセンブリは受注品に限られることはない。また、上述した実施形態で作成されるようなアセンブリ情報は、計画データの作成のために利用できるだけでなく、例えば、出力することによって資材票(例えば、受付伝票、仕入伝票、倉庫から構成品を取り出すための指示書、アセンブリの2次元描画又は3次元描画のための基本指示書)としても機能させることもできる。
【0063】
また、上述した実施形態では、構成品の候補及びそのオプション品がすべて抽出される例について説明したが、所定の候補又は所定のオプション品について、表示/非表示の設定を加えることにより、構成品の候補の数を制限することができるようにしてもよい。さらには、構成品の候補に優先順位情報を付加しておき、優先順位にしたがって構成品の候補を表示するときの並び順を変更してもよい。
【0064】
[3.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0065】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0066】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0067】
また、情報管理装置100及び情報管理システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0068】
例えば、情報管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0069】
また、このコンピュータプログラムは、情報管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバ(例えばネットワーク300を介して接続されたサーバ200)に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0070】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0071】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0072】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0073】
また、情報管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0074】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。