【課題】物品の在庫が不足している場合に代替可能な互換品を対応させる在庫管理を実現できる互換品対応装置、互換品対応方法、及び互換品対応プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、在庫管理情報を参照して入力された物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索し、在庫検索部の検索によって当該物品の在庫が無いという結果が得られた場合は、当該物品の物品識別情報に基づいて互換品管理情報を参照して当該物品の互換品の物品識別情報を検索し、在庫管理情報を参照して互換品検索部の検索によって得られた互換品の物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索し、結果を表示させる。
前記互換品管理情報は、互換品が存在する基準物品の物品識別情報と、当該基準物品を互換品としていた当該基準物品の一世代前の物品の物品識別情報及び互換性格情報と、当該基準物品の一世代後の互換品の物品識別情報及び互換性格情報と、を含むものである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の互換品対応装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、部品同士の関連性と、部品不足時の互換品への変更はマスタデータテーブル化/システム化が困難であり、実現できていなかった。その為、在庫が不足した際には、代わりに使用できる部品がないかを毎回調べ、互換品があった場合はその在庫を再度確認し、在庫があれば代わりの部品を使用するなどと対応していた。また、例えば、部品点数が多い自動車製造業などの機械製造業における部品の互換品管理において、従来の受注管理システムでは、互換品の管理までシステム管理していなかった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、物品の在庫が不足している場合に代替可能な互換品を対応させる在庫管理を実現できる互換品対応装置、互換品対応方法、及び互換品対応プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る互換品対応装置は、制御部と記憶部とを備えた互換品対応装置であって、前記記憶部は、物品識別情報と当該物品識別情報で特定される物品の在庫数を含む在庫管理情報と、互換品が存在する物品の物品識別情報と当該互換品の物品識別情報とを含む互換品管理情報と、を格納し、前記制御部は、前記在庫管理情報を参照して、入力された物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する物品在庫検索手段と、前記物品在庫検索手段の検索によって当該物品の在庫が無いという結果が得られた場合は、当該物品の物品識別情報に基づいて前記互換品管理情報を参照して、当該物品の互換品の物品識別情報を検索する互換品情報検索手段と、前記在庫管理情報を参照して、前記互換品情報検索手段の検索によって得られた互換品の物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する互換品在庫検索手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、前記互換品管理情報は、片方互換を意味する情報及び相互互換を意味する情報のいずれかが設定される互換品の互換性格情報を更に含み、前記片方互換とは、2つの物品の関係が、一方の物品の互換品は他方の物品であり且つ当該他方の物品の互換品は当該一方の物品ではないという関係にあることを意味し、前記相互互換とは、2つの物品の関係が、一方の物品の互換品は他方の物品であり且つ当該他方の物品の互換品は当該一方の物品であるという関係にあることを意味し、前記互換品情報検索手段は、前記互換品在庫検索手段の検索によって在庫が無いという結果が得られた場合は、前記互換品管理情報を参照して、当該在庫が無い物品の互換品の物品識別情報であって当該互換品の互換性格情報に前記相互互換を意味する情報が設定されているものを検索することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、前記互換性格情報は、前記片方互換を意味する情報、前記相互互換を意味する情報及び条件付互換を意味する情報のいずれかが設定されるものであり、前記条件付互換は、或る物品に対して当該或る物品と互換可能な、複数の物品の組み合わせが存在することを意味し、前記記憶部は、物品の物品識別情報と、当該物品と互換可能な、複数の物品の組み合わせを構成する各物品の物品識別情報とを含む条件付互換品管理情報を更に格納し、前記互換品情報検索手段は、前記在庫が無い物品の互換品の互換性格情報に前記条件付互換を意味する情報が設定されていた場合は、前記在庫が無い物品の物品識別情報に基づいて前記条件付互換品管理情報を参照して、当該物品と紐付く複数の物品の物品識別情報を検索することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、前記互換品管理情報は、互換品が存在する基準物品の物品識別情報と、当該基準物品を互換品としていた当該基準物品の一世代前の物品の物品識別情報及び互換性格情報と、当該基準物品の一世代後の互換品の物品識別情報及び互換性格情報と、を含むものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、表示部を更に備え、前記制御部は、前記互換品在庫検索手段による互換品在庫検索結果、及び、互換品在庫検索に切り替えた旨の通知を前記表示部に示す表示実行手段を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、前記表示実行手段は、前記物品在庫検索手段による物品在庫検索結果を前記表示部に更に示すことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る互換品対応装置は、前記互換品対応装置において、前記物品は、機械の部品であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る互換品対応方法は、制御部と記憶部とを備えた情報処理装置で実行される互換品対応方法であって、前記記憶部は、物品識別情報と当該物品識別情報で特定される物品の在庫数を含む在庫管理情報と、互換品が存在する物品の物品識別情報と当該互換品の物品識別情報とを含む互換品管理情報と、を格納し、前記制御部で実行される、前記在庫管理情報を参照して、入力された物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する物品在庫検索ステップと、前記物品在庫検索ステップによって当該物品の在庫が無いという結果が得られた場合は、当該物品の物品識別情報に基づいて前記互換品管理情報を参照して、当該物品の互換品の物品識別情報を検索する互換品情報検索ステップと、前記在庫管理情報を参照して、前記互換品情報検索ステップによって得られた互換品の物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する互換品在庫検索ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る互換品対応プログラムは、制御部と記憶部とを備えた情報処理装置に実行させるための互換品対応プログラムであって、前記記憶部は、物品識別情報と当該物品識別情報で特定される物品の在庫数を含む在庫管理情報と、互換品が存在する物品の物品識別情報と当該互換品の物品識別情報とを含む互換品管理情報と、を格納し、前記制御部に実行させるための、前記在庫管理情報を参照して、入力された物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する物品在庫検索ステップと、前記物品在庫検索ステップによって当該物品の在庫が無いという結果が得られた場合は、当該物品の物品識別情報に基づいて前記互換品管理情報を参照して、当該物品の互換品の物品識別情報を検索する互換品情報検索ステップと、前記在庫管理情報を参照して、前記互換品情報検索ステップによって得られた互換品の物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索する互換品在庫検索ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品の在庫が不足している場合に代替可能な互換品を対応させる在庫管理を実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
互換品とは、或る物品の代わりとして使用できる物品のことであり、機械製造業などの業界においては、或る部品の代わりとして使用できる部品のことを意味する。例えば、生産終了や不具合などの理由で使用されなくなった部品に対し、互換性のある新部品が開発されることがある。機械のメンテナンスなどで部品が必要になった際、その部品の在庫がもし存在しなければ互換性のある部品を使用することで、納期短縮や在庫回転率向上に繋がる。
【0019】
図1は、互換品の種類の一例を示す図である。
図1に示すように、代表的な互換品の種類として、片方互換、相互互換、及び条件付互換などがある。片方互換とは、部品Aの代わりに部品Bが代用でき、部品Bの代わりに部品Aは代用できない場合を意味する。相互互換とは、部品Aの代わりに部品Bが代用でき、部品Bの代わりとしても部品Aを代用できる場合を意味する。条件付互換とは、部品Aの代わりに、部品Bと部品Cの2つの部品を組み合わせることにより代用できる場合を意味する。
【0020】
また、或る物品に対して当該或る物品の一世代前の物品と代替可能な互換品である前互換品を意味する情報、又は、或る物品に対して当該或る物品の一世代後の物品と代替可能な互換品である後互換品を意味する情報を用いて、複数世代の互換管理が可能である。
図2は、複数世代の互換管理の一例を示す図である。
図2に示すように、部品Aがなければ部品B、部品Bもなければ部品C…とすることで、互換品の複数世代管理にも対応できる。
【0021】
図3は、従来の互換品運用の一例を示す図である。従来の互換品運用は、部品同士の関連性と、部品不足時の互換品への変更はシステム化されていなかった。そこで、
図3に示すように、得意先からメンテナンスの依頼があるとユーザが見積入力や受注入力時に部品コード(以下、「部品CD」と略す場合がある)を入力するが、特定部品の在庫が不足していた際、代わりに使用できる部品がないかを毎回人が調べ、互換品があった場合はその在庫を再度確認し、在庫があれば代わりの部品を手入力していた。
【0022】
次に、本実施形態における互換品運用について説明する。
図4は、本実施形態における互換品運用の一例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態における互換品運用としては、ユーザが販売システムに入力した部品の在庫が不足していた場合、互換品の有無と、在庫があるかをシステムが検索し、使用可能な部品CDを自動的に画面に設定する。そのために、まず、商品同士の関連性と、部品不足時の互換品への変更をシステム化する。
【0023】
本実施形態における互換品運用は、新たな構造のマスタデータテーブル(以下、単にマスタと略す場合がある)を使用することにより、部品同士の関連性(片方互換・双方互換・条件付互換・最新部品などの情報)と部品不足時の互換品への変更を、システムに判断させることが出来る。
【0024】
互換情報の実際のデータベースにおけるマスタの構造については後述する。メンテナンスに必要な部品Aが入力されると、システムが部品Aの在庫を参照する。在庫が無い場合、在庫の存在する互換品をシステムが検索する。ヒットする部品Bがあった場合、入力値を部品Bに自動切替えする。
【0025】
部品Aと入力すると、部品Bに自動で切替えるため、互換品を使用したことをユーザに通知する便利機能を搭載してもよい。例えば、互換品に切替えた旨の確認メッセージを画面に表示する。更に、元々の入力値である部品Aも備考情報として画面に表示することができる。
【0026】
続いて、各種互換品における対応機能について説明する。片方互換は、部品Aを入力時に、部品Bに自動切替えする。部品Bを入力時に、部品Aには切替えされない。相互互換は、部品Aを入力時に、部品Bに自動切替えする。部品Bを入力時に、部品Aに自動切替えする。条件付互換は、部品Aを入力時に、部品Bと部品Cの2行に自動変換する。
【0027】
本実施形態は、例えば、建機の保守メンテナンスを行っている業務におけるシステムに好適である。ユーザが入力した部品CDの在庫が不足していた場合、互換品の有無と、その互換品の在庫があるかをシステムで検索して自動で互換品の部品を画面に設定する。これにより、例えば、古い部品を長期に亘って持たなくてもよくなったり、在庫全体の数を減らせたりする。なお、例えば、部品の価格(高い・安い)や製造時期(新しい・古い)、倉庫内における保管位置(奥・手前、上・下)等に関する情報を基に設定した優先順位を考慮したり、また、「先に在庫を出して欲しい」等といった要望を基に設定した在庫の優先順位を考慮したりして、互換品の検索を行ってもよい。また、互換品としての適性は、加工せずにそのまま代用可能な部品だけでなく、例えば、実現が容易な加工を行うことで代用可能となる部品なども含めてもよい。また、互換の複数世代管理にも対応することができる。
【0028】
[2.構成]
本実施形態に係る互換品対応装置の構成の一例について、
図5を参照して説明する。
図5は、互換品対応装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
互換品対応装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、互換品対応装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0030】
互換品対応装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。互換品対応装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0031】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、互換品対応装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、互換品対応装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0032】
記憶部106には、部品マスタ106a、互換品マスタ106b、代替品マスタ106c、各種のデータベース(DB)、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0033】
部品マスタ106aは、物品識別情報と当該物品識別情報で特定される物品の在庫数を含むレコードを格納する。互換品マスタ106bは、互換品が存在する物品の物品識別情報、当該互換品の物品識別情報、及び互換性格情報を含むレコードを格納する。代替品マスタ106cは、代替可能な互換品の識別情報、代替品の識別情報、及び代替数量を含むレコードを格納する。
【0034】
本実施形態における各種互換品の対応機能として、互換性格について説明する。互換性格は、片方互換(互換品コード:K1)、相互互換(互換品コード:S1)、及び条件付互換(互換品コード:JN)がある。片方互換は、商品Aの入力時には商品Bに自動切替えするが、商品Bの入力時には商品Aに自動切替えしない。相互互換は、商品Aの入力時に商品Bに自動切替えし、商品Bの入力時に商品Aに自動切替する。そして、制御部102は、互換情報の前後の繋がりを管理する互換品マスタを作成する。
【0035】
次に、互換品マスタ106bについて説明する。
図6は、互換品マスタ106bの一例を示す図である。互換品マスタ106bは、記憶部106に格納されている。また、在庫照会時に、部品マスタ106aから作成されてもよい。互換品マスタ106bは、互換性格という項目で、互換品の種類を管理(片方互換、相互互換、条件付互換)することができる。また、互換品コードという項目で、互換品の部品を管理することができる。前互換、後互換という管理をすることで、複数世代の互換管理が可能である。さらに、条件付互換の場合、別途代替品マスタにより構成部品・代替数量を管理することができる。その他の便利機能として、最新互換品コードをマスタに持たせている。
【0036】
具体的に説明すると、互換品マスタ106bは、
図6に示すように、互換品コード、前互換性格、前互換品コード、後互換性格、後互換品コード、最新互換性格、最新互換品コードの各項目を有する。なお、互換品コードは、物品を特定する物品識別情報である。具体的に説明すると、「商品A」については、前互換品に対応する商品はなく、後互換品は「K1:片方互換」の「商品B」であり、最新互換品は「K1:片方互換」の「商品C」である。「商品B」については、前互換品は「K1:片方互換」の「商品A」であり、後互換品は「S1:相互互換」の「商品C」であり、最新互換品は「K1:片方互換」の「商品C」である。「商品C」については、前互換品は「S1:相互互換」の「商品B」であり、後互換品に対応する商品は無く、最新互換品は「K1:片方互換」の「商品C」である。
【0037】
なお、
図6に示す互換品マスタ106bは、前互換性格及び前互換品コードで1世代前の互換情報を管理することができ、後互換性格及び後互換品コードで1世代後の互換情報を管理することができ、最新互換性格及び最新互換品コードで最新の互換情報、すなわち現在使用されている互換情報を管理することができる。つまり
図6に示す互換品マスタでは、互換品の候補を管理することができる。
【0038】
図7は、条件付互換を含む互換品マスタ106bの一例を示す図である。
図7に示す互換品マスタ106bは、
図6に示す互換品マスタ106bと同じ項目を有するが、互換性格として条件付互換を更に有する。具体的に説明すると、「商品H」については、前互換品に対応する商品は無く、後互換品は「K1:片方互換」の「商品I」であり、最新互換品は「JN:条件付互換」の「商品J」である。「商品I」については、前互換品は「K1:片方互換」の「商品H」であり、後互換品は「S1:相互互換」の「商品J」であり、最新互換品は「JN:条件付互換」の「商品J」である。「商品J」については、前互換品は「S1:相互互換」の「商品I」であり、後互換品は「JN:条件付互換」の複数の商品であり、最新互換品は「JN:条件付互換」の「商品J」である。
【0039】
ここで、条件付互換(JN)が複数の商品である場合、商品Jを入力時に、商品Xと商品Yの2行に自動変換して代替品マスタ106cを作成する。
図8は、代替品マスタ106cの一例を示す図であり、構成数量も管理することが可能である。
【0040】
また、条件付互換は、互換品の複数世代管理にも対応できる。後互換性格が「JN:条件付互換」の場合に、互換品の繋がりが1:Nとなる構成情報を管理する代替品マスタを参照し、1互換品に対して複数の代替品の繋がりを持たせて管理を行うことができる。
【0041】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114または画面114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0042】
制御部102は、互換品対応装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、機能概念的に、在庫検索部102a、互換品検索部102b、及び表示実行部102cを備える。更に、制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0043】
在庫検索部102aは、部品マスタ106aを参照して、入力された物品識別情報(互換品検索部102bで検索された物品識別情報を含む)で特定される在庫の物品の有無を検索する。互換品検索部102bは、在庫検索部102aの検索によって当該物品の在庫が無いという結果が得られた場合は、当該物品の物品識別情報に基づいて互換品マスタ106bを参照して、当該物品の互換品の物品識別情報を検索する。表示実行部102cは、部品マスタ106aを参照して、互換品検索部102bの検索によって得られた互換品の物品識別情報で特定される物品の在庫の有無を検索し、結果を画面114に表示させる。
【0044】
[3.処理]
ここで、
図9から
図12を参照して、本実施形態に係る互換品対応装置の処理について説明する。
【0045】
図9は、互換品対応装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップS1で、入力装置112からメンテナンスに必要な部品Aが入力されると、ステップS2で、在庫検索部102aは、部品マスタ106aを参照して、部品Aの在庫の有無を検索する。ステップS3で、部品Aの在庫が無い場合は、ステップS4に進み、互換品検索部102bが互換品マスタ106bを参照して部品Aの互換品の有無を検索し、ステップS5に進む。ステップS3で、部品Aの在庫がある場合は、ステップS6に進み、表示実行部102cは検索結果を画面114に表示させ、終了する。ステップS5で、部品Aの互換品が無い場合は、ステップS6に進み、表示実行部102cは検索結果を画面114に表示させ、終了する。ステップS5で、部品Aの互換品として部品Bを発見した場合は、ステップS7に進み、在庫検索部102aは部品Aの互換品である部品Bを自動入力し、部品Bの在庫の有無を検索して、ステップS8に進む。ステップS8で、部品Bの在庫がある場合は、ステップS6に進み、表示実行部102cは検索結果を画面114に表示させ、終了する。ステップS8で、部品Bの在庫が無い場合は、ステップS4に戻り、互換品検索部102bが互換品マスタ106bを参照して、部品B以外に部品Aの互換品の有無を検索し、上記の処理を繰り返す。
【0046】
本実施形態では、商品同士の関連性と、商品不足時の互換品への変更をシステム化している。在庫照会時に互換を持つ商品を対象とした場合は、紐付く最新互換品を明示する。互換を持つ商品コードを指定した場合、紐付く前後の互換商品の在庫照会結果を抽出する。また、指定された商品に紐付く後互換性格が「JN:条件付互換」の場合には、代替品マスタから対象となる商品の在庫照会結果を抽出する。
【0047】
(在庫照会)
次に、本実施形態における互換品対応機能を使用した在庫照会について説明する。在庫照会時に互換を持つ商品を対象とした場合は、紐付く最新互換品を明示する。
図10は、本実施形態における互換品対応機能を使用した在庫照会の一例を示す図である。
図10に示すように、商品コード、商品名、倉庫コード、在庫数、最新互換品コード、最新互換品名、必要個数の各項目が表示される。なお、倉庫コードは、商品の在庫がある倉庫を識別する情報である。「商品A」について、「商品A」の在庫数は0であるが、最新互換品として必要個数1個分の「商品C」がある。「商品B」について、「商品B」の在庫数は3であるが、最新互換品として必要個数1個分の「商品C」がある。「商品C」について、在庫数は50であり、最新互換品として必要個数1個分の「商品C」がある。
【0048】
このように互換品を対応させることで、「商品A」のように在庫が無い場合は互換品である「商品C」を代用することができる。また、「商品B」のように在庫が有る場合も、最新互換品である「商品C」を選択することができる。更に、「商品C」のようにそれが最新の商品である場合は、最新互換品として「商品C」自体を表示させることにより、最新互換品の項目のみに着目すればよいため、在庫管理が容易になる。
【0049】
図11及び
図12は、本実施形態における互換品対応機能を使用した互換照会の一例を示す図である。
図11は、互換品の情報を詳細に表示しないモード1の表示例であり、
図12は、互換品に関する情報を詳細に表示するモード2の表示例である。
図10の在庫照会と同様に、商品コード、商品名、倉庫コード、在庫数、最新互換品コード、最新互換品名、必要個数の各項目が表示される。互換を持つ商品コードを指定した場合、紐付く互換商品の在庫照会結果を抽出する。また、指定された商品に紐付く後互換性格が「JN:条件付互換」で設定されている場合には、代替品マスタから対象となる商品の在庫照会結果を抽出する。
【0050】
なお、
図11において、最新互換品コード及び最新互換品名の欄の「***」及び「********」という表示は、条件付互換という互換性格を有する互換品が存在することを意味するものである。これは、例えば、商品自体は1つであるが在庫照会には複数の互換品が存在する場合など、互換品に関する情報を詳細に表示すると煩雑になるため、あえて詳細を表示しないモードである。商品Jについて後互換性格が「JN:条件付き互換」で設定されており、商品Jの互換品として商品Xと商品Yとが存在する場合、モードを切り替えることで、
図12のように、これらの最新互換品コード及び最新互換品名を複数行に表示することができる。すなわち、商品Xに対応する最新互換品αと、商品Yに対応する最新互換品βとを、それぞれ別な行に分けて表示することができる。
【0051】
本実施形態は、世代管理だけでなく、複数互換品の管理も可能である。また、互換品マスタで予め特定のマスタを設定出来るだけでなく、先に在庫を出す必要があるものを優先して出す機能を有してもよい。
【0052】
本実施形態は、機械器具、自動車、電子機器などの部品の管理に好適であるが、これらに限定されるものではなく、効能効果が同じで、型番は違うが同じものを使える商品等、特に有体物であれば全てに対応可能である。例えば、代替可能な種類の多い各種消耗品、文房具、食器類、衣料品、飲食品などの管理にも広く適用可能である。また、医薬品分野における、先発医薬品と後発医薬品の管理にも適用可能である。
【0053】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0054】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0055】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0056】
また、互換品対応装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0057】
例えば、互換品対応装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて互換品対応装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0058】
また、このコンピュータプログラムは、互換品対応装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0059】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0060】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順並びに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0061】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0062】
また、互換品対応装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、互換品対応装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0063】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。