【課題】請求や債権の管理が請求先に加えてプロジェクト別でも行えるようにすることで、締日や回収条件についてもプロジェクト単位での管理が可能なプロジェクト別債権管理装置、プロジェクト別債権管理方法、および、プロジェクト別債権管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】プロジェクト毎の売上データを取得し、請求先マスタに登録された売上データの請求先に紐付いた債権管理設定、または、ユーザにより指定された債権管理設定を、売上データのプロジェクトが紐付けられたプロジェクトマスタに登録し、プロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録された場合、プロジェクトマスタに基づいて、売上データについて、請求先に対するプロジェクト毎の請求処理を含む債権管理を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように特許文献1は、1件工事における前記各種情報を容易に得ることができ、工事台帳を少ない工数で容易に作成することができる。しかしながら、特許文献1では、請求や債権の管理を現場やプロジェクト別に行っていなかったため、締日や回収条件についても現場やプロジェクト単位で管理することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、請求や債権の管理が請求先に加えてプロジェクト別でも行えるようにすることで、締日や回収条件についてもプロジェクト単位での管理が可能なプロジェクト別債権管理装置、プロジェクト別債権管理方法、および、プロジェクト別債権管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプロジェクト別債権管理装置は、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別債権管理装置であって、前記記憶部は、請求書の送付先である請求先とプロジェクト毎に債権管理を行うか否かを示す債権管理設定とが紐付けられた請求先マスタを記憶する請求先記憶手段と、前記請求先とプロジェクトと当該プロジェクトの締日および債権回収条件とが紐付けられたプロジェクトマスタを記憶するプロジェクト記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記プロジェクト毎の売上データを取得する売上データ取得手段と、前記請求先マスタに登録された前記売上データの前記請求先に紐付いた前記債権管理設定、または、ユーザにより指定された債権管理設定を、前記売上データの前記プロジェクトが紐付けられた前記プロジェクトマスタに登録するマスタ管理手段と、前記マスタ管理手段により前記プロジェクト毎に債権管理を行う前記債権管理設定が登録された場合、前記プロジェクトマスタに基づいて、前記売上データについて、前記請求先に対する前記プロジェクト毎の請求処理を含む債権管理を実行する債権管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理装置は、前記債権管理手段は、前記マスタ管理手段により前記プロジェクト毎に債権管理を行う前記債権管理設定が登録された場合、前記プロジェクトマスタに基づいて、前記売上データについて、前記請求先に対する前記プロジェクト毎の請求データを作成することで前記請求処理を実行し、前記請求データと前記請求先からの入金データとに基づいて、前記債権管理を実行することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理装置は、前記請求先マスタは、更に、前記請求先の締日および債権回収条件が登録されており、前記債権管理手段は、更に、前記マスタ管理手段により前記プロジェクト毎に債権管理を行わない前記債権管理設定が登録された場合、前記請求先マスタおよび前記プロジェクトマスタに基づいて、前記売上データについて、前記請求先に対する前記請求先毎の請求処理を含む前記債権管理を実行することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理装置は、前記債権管理は、更に、前記プロジェクト毎の債権残高データの管理、および/または、前記請求先毎の債権残高データの管理を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理装置は、前記プロジェクトは、土木工事業を含む建設業における工事現場であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理方法は、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別債権管理装置に実行させるためのプロジェクト別債権管理方法であって、前記記憶部は、請求書の送付先である請求先とプロジェクト毎に債権管理を行うか否かを示す債権管理設定とが紐付けられた請求先マスタを記憶する請求先記憶手段と、前記請求先とプロジェクトと当該プロジェクトの締日および債権回収条件とが紐付けられたプロジェクトマスタを記憶するプロジェクト記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記プロジェクト毎の売上データを取得する売上データ取得ステップと、前記請求先マスタに登録された前記売上データの前記請求先に紐付いた前記債権管理設定、または、ユーザにより指定された債権管理設定を、前記売上データの前記プロジェクトが紐付けられた前記プロジェクトマスタに登録するマスタ管理ステップと、前記マスタ管理ステップにて前記プロジェクト毎に債権管理を行う前記債権管理設定が登録された場合、前記プロジェクトマスタに基づいて、前記売上データについて、前記請求先に対する前記プロジェクト毎の請求処理を含む債権管理を実行する債権管理ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクト別債権管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えたプロジェクト別債権管理装置に実行させるためのプロジェクト別債権管理プログラムであって、前記記憶部は、請求書の送付先である請求先とプロジェクト毎に債権管理を行うか否かを示す債権管理設定とが紐付けられた請求先マスタを記憶する請求先記憶手段と、前記請求先とプロジェクトと当該プロジェクトの締日および債権回収条件とが紐付けられたプロジェクトマスタを記憶するプロジェクト記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記プロジェクト毎の売上データを取得する売上データ取得ステップと、前記請求先マスタに登録された前記売上データの前記請求先に紐付いた前記債権管理設定、または、ユーザにより指定された債権管理設定を、前記売上データの前記プロジェクトが紐付けられた前記プロジェクトマスタに登録するマスタ管理ステップと、前記マスタ管理ステップにて前記プロジェクト毎に債権管理を行う前記債権管理設定が登録された場合、前記プロジェクトマスタに基づいて、前記売上データについて、前記請求先に対する前記プロジェクト毎の請求処理を含む債権管理を実行する債権管理ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、請求や債権の管理が請求先に加えてプロジェクト別でも行えるようにすることで、締日や回収条件についてもプロジェクト単位での管理が可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
本実施形態においては、例えば、建設・土木工事等の工事プロジェクトに卸す業態を想定し、受注毎にプロジェクト情報を指定して、プロジェクト別の実績管理や請求・債権管理を行うことができる。
【0017】
本実施形態においては、請求書の送付先(以下、「請求先」という)とは別に、一過性の債権管理単位(以下、「プロジェクト」または「PJ」という)を管理する点に特徴があり、これらの「請求先」+「プロジェクト」の組み合わせによって債権残高を管理する仕組みを提供することができる。
【0018】
本実施形態において、効果が期待できる業務としては、例えば、ゼネコン等から工事現場向け(一過性の債権管理単位)の資材・工事の発注を受けた際に、請求先単位だけでなく、「請求先」+「工事現場単位」の組み合わせにより請求残高管理や債権残高管理をする場合などがある。これは、相手先がプロジェクト(工事現場)単位に予算管理を行っている場合は、請負側もプロジェクト(工事現場)別の請求残高管理や債権残高管理が求められるため、これに対応する必要があるためである。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係るプロジェクト別債権管理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、プロジェクト別債権管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
プロジェクト別債権管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、プロジェクト別債権管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
プロジェクト別債権管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。プロジェクト別債権管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、プロジェクト別債権管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、プロジェクト別債権管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、請求先マスタ106aと、プロジェクトマスタ106bと、売上データファイル106cと、請求データファイル106dとを備えている。
【0024】
請求先マスタ106aは、請求書の送付先である請求先とプロジェクト毎に債権管理を行うか否かを示す債権管理設定とが紐付けられた請求先マスタである。ここで、請求先マスタは、更に、請求先の締日および債権回収条件が登録されていてもよい。また、請求先マスタ106aは、更に、請求先コード(CD)が登録されていてもよい。
【0025】
プロジェクトマスタ106bは、請求先とプロジェクトと当該プロジェクトの締日および債権回収条件とが紐付けられたプロジェクトマスタである。ここで、プロジェクトは、土木工事業を含む建設業における工事現場であってもよい。また、プロジェクトマスタ106bは、更に、請求先コード(CD)、プロジェクト(CD)、プロジェクト毎に債権管理を行うか否かを示す債権管理設定、プロジェクト毎の締日および債権回収条件、ならびに/または、プロジェクトの完了日が登録されていてもよい。
【0026】
売上データファイル106cは、売上データを記憶する。ここで、売上データファイル106cは、請求先毎、および/または、プロジェクト毎の売上データを記憶してもよい。また、売上データは、売上伝票番号、計上日付、請求先CD、請求先名称、プロジェクトCD、プロジェクト名称、売上金額、および/または、消費税額等を含んでいてもよい。
【0027】
請求データファイル106dは、請求(請求書)データを記憶する。ここで、請求データファイル106dは、請求先毎、および/または、プロジェクト毎の請求データを記憶してもよい。ここで、請求データは、請求明細(請求明細書)データを含んでいてもよい。また、請求データは、請求先CD、請求先名称、プロジェクトCD、プロジェクト名称、売上金額、消費税額、および/または、請求合計額等を含んでいてもよい。また、請求データファイル106dは、債権残高データを記憶していてもよい。ここで、債権残高データは、請求データと請求先からの入金データとに基づく債権残高の管理データであってもよい。また、請求データファイル106dは、請求先毎、または、プロジェクト毎の債権残高データを記憶していてもよい。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
制御部102は、プロジェクト別債権管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、売上データ取得部102aと、マスタ管理部102bと、債権管理部102cとを備えている。
【0030】
売上データ取得部102aは、売上データを取得する。ここで、売上データ取得部102aは、請求先毎、および/または、プロジェクト毎の売上データを取得してもよい。ここで、売上データ取得部102aは、ユーザにより入力された売上データを取得してもよい。また、売上データ取得部102aは、売上データを売上データファイル106cに格納してもよい。
【0031】
マスタ管理部102bは、請求先マスタ106aに登録された売上データの請求先に紐付いた債権管理設定、または、ユーザにより指定された債権管理設定を、売上データのプロジェクトが紐付けられたプロジェクトマスタ106bに登録する。
【0032】
債権管理部102cは、売上データについて、請求先に対する請求処理を含む債権管理を実行する。ここで、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録された場合、プロジェクトマスタ106bに基づいて、売上データについて、請求先に対するプロジェクト毎の請求処理を含む債権管理を実行してもよい。また、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録された場合、プロジェクトマスタ106bに基づいて、売上データについて、請求先に対するプロジェクト毎の請求データを作成することで請求処理を実行し、請求データと請求先からの入金データとに基づいて、債権管理を実行してもよい。また、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行わない債権管理設定が登録された場合、請求先マスタ106aおよびプロジェクトマスタ106bに基づいて、売上データについて、請求先に対する請求先毎の請求処理を含む債権管理を実行してもよい。ここで、債権管理は、プロジェクト毎の債権残高データの管理、および/または、請求先毎の債権残高データの管理を含んでもよい。また、債権管理部102cは、請求データと請求先からの入金データとに基づいて、債権残高データを作成および/または更新してもよい。また、債権管理部102cは、請求データ、および/または、債権残高データを請求データファイル106dに格納してもよい。
【0033】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図14を参照して説明する。
【0034】
[債権管理処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態におけるプロジェクト別債権管理処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態におけるプロジェクト別債権管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図2に示すように、売上データ取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して入力されたプロジェクト毎の売上データを取得し、当該売上データを売上データファイル106cに格納する(ステップSA−1)。
【0036】
そして、マスタ管理部102bは、請求先マスタ106aに登録された売上データの請求先に紐付いた債権管理設定、または、ユーザにより入力装置112を介して指定された債権管理設定を、売上データ取得部102aにより取得された売上データのプロジェクトが紐付けられたプロジェクトマスタ106bに登録する(ステップSA−2)。
【0037】
そして、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録されたか否かを判定する(ステップSA−3)。
【0038】
そして、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録されたと判定した場合(ステップSA−3:Yes)、処理をステップSA−4に移行させる。
【0039】
そして、債権管理部102cは、プロジェクトマスタ106bに基づいて、売上データファイル106cに記憶されたプロジェクト毎の売上データについて、請求先に対するプロジェクト毎の請求データを作成することで請求処理を実行し、当該プロジェクト毎の請求データを請求データファイル106dに格納する(ステップSA−4)。
【0040】
そして、債権管理部102cは、請求データファイル106dに記憶されたプロジェクト毎の請求データと請求先からの入金データとに基づいて、プロジェクト毎の債権残高データの作成および更新を含む債権管理を実行し(ステップSA−5)、処理を終了する。
【0041】
一方、債権管理部102cは、マスタ管理部102bによりプロジェクト毎に債権管理を行う債権管理設定が登録されていないと判定した場合(ステップSA−3:No)、処理をステップSA−6に移行させる。
【0042】
そして、債権管理部102cは、請求先マスタ106aおよびプロジェクトマスタ106bに基づいて、売上データファイル106cに記憶されたプロジェクト毎の売上データについて、請求先に対する請求先毎の請求データを作成することで請求処理を実行し、当該請求先毎の請求データを請求データファイル106dに格納する(ステップSA−6)。
【0043】
そして、債権管理部102cは、請求データファイル106dに記憶された請求先毎の請求データと請求先からの入金データとに基づいて、請求先毎の債権残高データの作成および更新を含む債権管理を実行し(ステップSA−7)、処理を終了する。
【0044】
ここで、
図3および
図4を参照して、本実施形態におけるマスタ管理の一例について説明する。
図3は、請求先マスタの一例を示す図である。
図4は、プロジェクトマスタの一例を示す図である。
【0045】
本実施形態におけるマスタ構成は、
図3に示す請求先マスタ106aと、
図4に示すプロジェクトマスタ106bとを備えている。ここで、
図3に示すように、請求先マスタ106aは、請求書の送付先(取引先)である請求先を登録している。また、
図4に示すように、プロジェクトマスタ106bは、請求先別(毎)のプロジェクトを登録し、完了日を保持し、一過性の情報として管理している。また、
図3および
図4のPJ(プロジェクト)別債権管理有無の項目は、プロジェクト別(毎)に債権残高管理をするか否かを設定するものである。プロジェクト毎に債権残高管理をする場合は、当該PJに対して行われた取引は、「請求先」+「PJ別」の債権管理を行うようにする。プロジェクト毎に債権残高管理をしない場合は、当該PJに対して行われた取引は、請求先別(毎)の債権管理を行うようにする(この場合、納入先情報として取引にPJ情報は付加されるが、債権管理単位とはしない)。また、締日/回収条件等の項目は、請求先マスタ、および(PJ別債権管理する場合の)プロジェクトマスタの双方に設定が可能である。PJ別債権管理する場合、請求はプロジェクトマスタの締日/回収条件等に従って行われる。なお、PJ別債権管理する/しないは、請求先で決まり、同一請求先コードの取引を「取引別(伝票別)」にPJ別債権管理する/しないは変更できないとする設定も可能である。しかし、請求先のプロジェクト毎にプロジェクト別請求が必要か否かが変わる可能性があるため、請求先コードを分けて運用する必要がある。つまり、請求先の内訳として、請求先コードとプロジェクトコードを設定し、且つ請求先単位として請求管理するレベルを「請求先単位」と「プロジェクト単位」から選択可能とする。このように、プロジェクト単位で債権管理単位を設定する場合は、取引毎に紐付くプロジェクトによって請求および債権の管理単位を決定できるようにすると、より有効性が高まる。
【0046】
また、本実施形態における債権管理処理の流れの一例について、
図5から
図14を参照して説明する。
図5は、売上入力画面の一例を示す図である。
図6は、売上データの一例を示す図である。
図7は、請求データの一例を示す図である。
図8は、請求一覧表の一例を示す図である。
図9は、プロジェクト別請求残高管理における請求明細書の一例を示す図である。
図10は、プロジェクト別請求残高管理における請求明細書の別の一例を示す図である。
図11は、請求先別請求残高管理における請求明細書の一例を示す図である。
図12は、債権残高管理における債権残高一覧表の一例を示す図である。
図13は、入金入力画面の一例を示す図である。
図14は、入金処理における請求明細書の一例を示す図である。
【0047】
まず、(1)売上入力処理として、
図5に示すように、ユーザは、売上入力画面を使って売上データを入力する。特に、
図5の売上入力画面では、少なくとも請求先データとプロジェクト別債権管理をするか/しないかを制御するプロジェクト情報(債権管理設定)とを入力する必要がある。そして、本実施形態においては、
図5の売上入力画面に入力されることで、
図6に示すように、売上データが生成される。ここで、
図6に示すように、売上伝票番号毎にPJ別債権管理をする案件か、請求先別債権管理をする案件かが紐付けられている。
【0048】
そして、(2)請求処理として、本実施形態においては、
図6の売上データに基づいて、
図7に示すように、請求データが生成され、当該請求データに基づいて、
図8に示すように、請求一覧表が作成される。ここで、
図8の請求一覧表に示すように、プロジェクト別請求残高管理を行う案件については、プロジェクトの締日と回収条件とが表示され、請求先別請求残高管理を行う案件については、請求先の締日と回収条件とが表示されている。
【0049】
ここで、
図9および
図10に示すように、本実施形態におけるプロジェクト別請求残高管理を行う場合の請求明細書には、送付先(請求先)とは別にプロジェクト名が記載され、プロジェクト単位の請求明細書となっている。また、
図11に示すように、本実施形態における請求先別請求残高管理を行う場合の請求明細書には、送付先(請求先)のみが記載され、請求先単位の請求明細書となっている。
【0050】
そして、(3)債権残高管理として、本実施形態においては、
図12の債権残高一覧表に示すように、プロジェクト別請求残高管理を行う案件について、各プロジェクト別明細と請求先計とが分けて表示され、それぞれの債権残高を管理することができる。一方、本実施形態においては、
図12の債権残高一覧表に示すように、請求先別請求残高管理を行う案件について、請求先合計が表示され、それに基づいて債権残高を管理することができる。
【0051】
そして、(4)入金処理として、
図13に示すように、本実施形態においては、ユーザが入金入力画面の入金請求先(請求先:請求書送付先)を入力した場合、その入金請求先で扱っている各プロジェクト情報が表示され、プロジェクト毎に入金消込を行うか否かのチェックボックスが表示される。ここで、
図13に示すように、本実施形態においては、PJ件名が「○○市役所別館工事」という案件のチェックボックスにチェックがユーザにより入力された場合、
図14の債権残高一覧表に示すように、まとめ入金機能を使って請求先からの入金を各プロジェクト別の入金消込処理が実行されてもよい。
【0052】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0053】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0054】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0055】
また、プロジェクト別債権管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0056】
例えば、プロジェクト別債権管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてプロジェクト別債権管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0057】
また、このコンピュータプログラムは、プロジェクト別債権管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0058】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0059】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0060】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0061】
また、プロジェクト別債権管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、プロジェクト別債権管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0062】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。