特開2017-168243(P2017-168243A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017168243-二段構造の電池ケース 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-168243(P2017-168243A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】二段構造の電池ケース
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170825BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-50571(P2016-50571)
(22)【出願日】2016年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 武徳
(72)【発明者】
【氏名】五之治 巧
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY10
5H040CC12
5H040CC20
5H040CC33
5H040CC38
5H040CC59
5H040GG26
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】二段構造の電池ケースにおいて、二段構造の接続部の剛性及び結合強度の向上を図る。
【解決手段】二段構造の電池ケース10は、下段フレーム20と上段フレーム40を備える。下段フレーム20は、下段底板22から立ち上がり、電池12の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造の側壁部30を含む。上段フレーム40は、上段底板42から立ち下がり、電池12の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造のつなぎ壁部50を有する。第一結合部60において、下段フレーム20の側壁部30の下段張出部32と上段フレーム40のつなぎ壁部50の上段張出部52とが結合され、第二結合部62において、下段フレーム20の側壁部30の内壁部34と上段フレーム40のつなぎ壁部50の下延壁部53とが結合される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段側の電池が配置される下段底板、
及び、
前記下段底板から上段側に立ち上がって先端に外周側に張り出す下段張出部を有し、前記電池の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造の側壁部、
を含む下段フレームと、
前記上段側の電池が配置される上段底板、
及び、前記上段底板から前記下段側に立ち下がって先端に前記外周側に張り出す上段張出部及びさらに前記下段側に延出する下延壁部を有し、前記電池の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造のつなぎ壁部、
を含む上段フレームと、
前記下段フレームの前記側壁部の前記下段張出部と前記上段フレームの前記つなぎ壁部の前記上段張出部とが結合された第一結合部と、
前記下段フレームの前記側壁部の前記内壁部と前記上段フレームの前記つなぎ壁部の前記下延壁部とが結合された第二結合部と、
を備える、二段構造の電池ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二段構造の電池ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両等には、複数の電池セルを含む電池ケースが搭載される。ハイブリッド車両は搭載スペースが限られているので、電池の収納効率を向上させたコンパクトな電池ケースが要望される。
【0003】
例えば、特許文献1には、電池パックとして、上面がフランジ付の開口であるトレイ、トレイの内側に設けられる下部ブラケットの上に支持される下段フレーム、トレイの内側に設けられる中間ブラケットの上に支持される隔壁、カバーの二段構造が開示されている。ここでは、下部ブラケットの上面と下段フレームとの間、中間ブラケット上面と隔壁との間、トレイのフランジとカバーとの間は、それぞれボルトナット構造で固定される。
【0004】
特許文献2には、電池モジュール支持体として、ベースフレーム、中間フレーム、カバー部材の二段構造が開示される。ここでは、中間フレームは天井部とその両側で上側及び下側に突設した左右の側壁を有し、これがベースフレームの左右側壁に対し、上部と下部の2箇所で相互に嵌合、あるいはかぎ溝と差し込み溝による嵌合、T字形状と溝部による嵌合で一体化される。
【0005】
特許文献3には、電池パックとして、下側がフランジ付開口である第1ケース体、上側がフランジ付開口である第2ケース体、第1ケース体と第2ケース体との間に配置される環状のセンタープレートとで構成される二段構造が開示される。ここでは、第1ケース体のフランジ、センタープレートの環状部分、第2ケース体のフランジが重ねられてボルトナット構造で一体化される。
【0006】
本発明に関連する技術として、特許文献4には、車両の電池パック内に送風路がもうけられ、送風路とバッテリカバーとの間の空間に、送風路に沿って電力ケーブルが配置される構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−216071号公報
【特許文献2】特開2014−99257号公報
【特許文献3】特開2013−129391号公報
【特許文献4】特開2014−22092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の二段構造の電池ケースでは、2つのケース体等がボルトナット構造で結合されている。電池を二段構造とする電池ケースでは、二段構造の結合部に最も負担が懸るので、二段構造の接続部において、さらなる剛性の向上と、さらなる結合強度の向上が要望される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る二段構造の電池ケースは、下段側の電池が配置される下段底板、及び、下段底板から上段側に立ち上がって先端に外周側に張り出す下段張出部を有し、電池の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造の側壁部、を含む下段フレームと、上段側の電池が配置される上段底板、及び、上段底板から下段側に立ち下がって先端に外周側に張り出す下段張出部及びさらに下段側に延出する下延壁部を有し、電池の収納側の内壁部と外形壁部との間が複数に仕切られた中空部を有する中空構造のつなぎ壁部、を含む上段フレームと、下段フレームの側壁部の下段張出部と上段フレームのつなぎ壁部の上段張出部とが結合された第一結合部と、下段フレームの側壁部の内壁部と上段フレームのつなぎ壁部の下延壁部とが結合された第二結合部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の二段構造の電池ケースによれば、中空構造の側壁部と中空構造のつなぎ壁部とが、互いに結合方向の異なる第一結合部と第二結合部とで結合されるので、結合部における剛性が向上し、結合強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施の形態における二段構造の電池ケースの斜視図である。
図2図1のA部についての側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、ハイブリッド車両に搭載される二段構造の電池ケース10を示す斜視図である。ハイブリッド車両に対する電池ケースの配置関係として、前後方向と左右方向と上下方向の3方向を図1に示す。前後方向における前方側は、ハイブリッド車両の前方側の方向であり、左右方向の右側はハイブリッド車両において右側ドアの設けられる方向であり、上下方向における上方側は、路面上のハイブリッド車両において路面に対し上方側の方向である。後方側、左側、下方側は、これらの逆方向である。図1でAと示す部分について左側から見た側面図を図2に示す。
【0014】
電池ケース10は、ハイブリッド車両の回転電機を駆動するための充放電可能な高電圧用二次電池を内部に収容するケースである。電池ケース10は、ハイブリッド車両のバッテリフレーム8に取付けられる。電池ケース10の内部に収容される高電圧用二次電池は、複数の電池セルを直列及び並列接続して、所定の高電圧、大電流を出力可能とした組電池である。単池セルとしては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等を用いることができる。
【0015】
電池ケース10は、ハイブリッド車両における搭載スペースを考慮して、高電圧用二次電池の全体を下段側の電池12と上段側の電池14とに分け、上下方向に二段に配置できる二段構造を有する。上段側とは、ハイブリッド車両に配置されたときの上方側であり、下段側とは上段側に対し下方側である。電池ケース10は、左右方向に対し、前後対称形であるので、以下では、左右対称の前方側における構成を述べる。
【0016】
二段構造の電池ケース10は、下段フレーム20と、上段フレーム40と、カバー72とを含む。
【0017】
下段フレーム20は、下段側の電池12が配置される下段底板22と、下段底板22から上段側に立ち上がる側壁部30とを含む。下段底板22は、下段側の電池12の質量を底支えする板部材である。かかる下段底板22には、金属製の板材を所定の形状に成形したものを用いる。金属製の板材としては、鉄板、アルミニウム合金板が用いられる。
【0018】
側壁部30は、電池ケース10において下方側の側壁を構成する部材で、電池ケース10の左右方向に沿って連続して延出する。側壁部30は、上段側に立ち上がった先端に、外周側に張り出す下段張出部32を有する。外周側とは、側壁部30よりも前方側である。図1に示すように、下段張出部32は、電池ケース10の左右方向に沿って鍔状に連続して延出する。
【0019】
側壁部30は、下段側の電池12の収納側の内壁部34と、外形壁部36との間が、複数に仕切られた中空部38を有する中空構造である。図1図2の例では、略梯子状の断面において、2つの仕切部によって3つの中空部38を有する。中空部38の形状は、そのまま、電池ケース10の左右方向に沿って延びる。例えば、1枚の板材を曲げ成形した形状の側壁構造の剛性に比較して、この中空構造によって、下段フレーム20における側壁部30の剛性が向上する。かかる側壁部30は、金属材料を押出成形技術によって所定の形状に成形したものを用いる。金属材料としては、軽量で所定の強度を有する材料が用いられる。例えば、アルミニウム合金が用いられる。
【0020】
上段フレーム40は、上段側の電池14が配置される上段底板42と、上段底板42を挟み込み固定し下段側に立ち下がるつなぎ壁部50とを含む。上段底板42は、上段側の電池14の質量を底支えする板部材である。かかる上段底板42には、下段底板22と同様に、金属製の板材を所定の形状に成形したものを用いる。金属製の板材としては、鉄板、アルミニウム合金板が用いられる。
【0021】
つなぎ壁部50は、上段底板42が受け止めた上段側の電池14の質量を、下段フレーム20の側に伝達する役割を有する部材である。つなぎ壁部50は、上段底板42から下段側に立ち下がって先端に外周側に張り出す上段張出部52を有する。上段張出部52の外周側への張り出しは、下段フレーム20に上段フレーム40を組み合わせて電池ケース10を形成するときに、下段フレーム20の側壁部30の上端面に当接できる位置と大きさに設定される。また、つなぎ壁部50は、上段張出部52からさらに下段側に延出する下延壁部53を有する。下延壁部53の下方への延出は、下段フレーム20に上段フレーム40を組み合わせて電池ケース10を形成するときに、下段フレーム20における内壁部34に当接できる位置と大きさに設定される。
【0022】
つなぎ壁部50は、下段側の電池12の収納側の内壁部54と、外形壁部56との間が、複数に仕切られた中空部58を有する中空構造である。図1図2の例では、略梯子状の断面において、3つの仕切部によって4つの中空部58を有する。例えば、1枚の板材を曲げ成形した形状の側壁構造の剛性に比較して、この中空構造によって、上段フレーム40におけるつなぎ壁部50の剛性が向上する。かかるつなぎ壁部50は、金属材料を押出成形技術によって所定の形状に成形したものを用いる。金属材料としては、軽量で所定の強度を有する材料が用いられる。例えば、アルミニウム合金が用いられる。
【0023】
第一結合部60は、下段フレーム20の側壁部30の下段張出部32と、上段フレーム40のつなぎ壁部50の上段張出部52とを当接させたうえで、結合手段によって上下方向に結合された部分である。結合手段としては、ボルトナット機構が用いられる。
【0024】
第二結合部62は、下段フレーム20の側壁部30の内壁部34と上段フレーム40のつなぎ壁部50の下延壁部53とを当接させたうえで、結合手段によって前後方向に結合された部分である。結合手段としては、ボルトナット機構が用いられる。
【0025】
第一結合部60と第二結合部62とにおいて、下段フレーム20と上段フレーム40とが結合されるが、第一結合部60において結合される方向は上下方向であり、第二結合部62において結合される方向は前後方向である。さらに図2に示すように、下段フレーム20の側壁部30の上方側の先端の断面形状は、L字肩状の凸形状であり、上段フレーム40のつなぎ壁部50の下方側の先端の断面形状はL字曲りの凹形状である。この凸形状の2辺と、凹形状の2辺とが互いに当接し、当接した2辺の一方は第一結合部60において、他方は第二結合部62において結合される。このように、剛性の高い中空構造の側壁部30とつなぎ壁部50とが、互いに結合方向の異なる第一結合部と第二結合部とにおいて結合される。したがって、1枚の板材を曲げ成形した形状の側壁部とつなぎ壁部とを一方向から結合する構造に比べ、結合部における剛性が向上し、結合強度が向上する。
【0026】
上段フレーム40のつなぎ壁部50は、下段フレーム20の側壁部30のように、電池ケース10の左右方向に沿って連続して延出してもよいが、結合部におけるつなぎ壁部50の剛性が十分大きく、結合強度が十分大きい場合には、切欠きを設けてもよい。図1では、つなぎ壁部50を電池ケース10の左右方向に沿って適当に切り欠いた例を示す。すなわち、電池ケース10の最左側のつなぎ壁部50と、これよりも右側に配置されるつなぎ壁部51との間は、つなぎ壁部50が切り欠かれる。切欠き領域80は、電池ケース10における各種ワイヤハーネス等の配線部材の配置領域として用いられる。切欠き領域80は、電池ケース10の外形よりも内側であるので、配線部材が電池ケース10の外側に配置される場合に比べ、電池ケース10の全体の取扱が便利となる。また、切欠き領域80においては、下段側の電池12の側面が露出されるので、電池ケース10におけるワイヤハーネス等の組付作業、配線作業等が容易となる。
【0027】
図1図2に示すように、下段側の電池12と、側壁部30の内壁部34、及び、つなぎ壁部50の内壁部54の間には、空間82が設けられる。仮に、ハイブリッド車両が衝突等の衝撃を受けたとしても、この空間82が電池ケース10に対する衝撃を緩和する緩和空間として働く。また、つなぎ壁部50の切欠き領域80と同様に、配線部材の配置領域としても利用できる。
【0028】
図1図2に示す接続部材70は、上段フレーム40とカバー72とを接続する板部材である。カバー72の質量は電池12,14に比べると小さいので、接続部材70は電池ケース10の四隅等の適当な個所に設けられる。したがって、接続部材70と上段側の電池14との間は適当な空間ができるので、この空間を上段側の電池14についての配線部材等の配置場所とできる。
【符号の説明】
【0029】
8 バッテリフレーム、10 電池ケース、12,14 電池、20 下段フレーム、22 下段底板、30 側壁部、32 下段張出部、34,54 内壁部、36,56 外形壁部、38,58 中空部、40 上段フレーム、42 上段底板、50,51 つなぎ壁部、52 上段張出部、53 下延壁部、60 第一結合部、62 第二結合部、70 接続部材、72 カバー、80 切欠き領域、82 空間。
図1
図2