特開2017-169144(P2017-169144A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-169144(P2017-169144A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】網接続情報設定方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20170825BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20170825BHJP
   H04W 4/12 20090101ALI20170825BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20170825BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20170825BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170825BHJP
【FI】
   H04W48/08
   H04W4/04 190
   H04W4/12
   H04Q9/00 311J
   H04M11/00 301
   H04M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-54508(P2016-54508)
(22)【出願日】2016年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村田 亮
(72)【発明者】
【氏名】高野 厚志
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K048AA04
5K048BA36
5K048DC01
5K048EB01
5K048EB06
5K048EB10
5K048GC02
5K067AA34
5K067BB21
5K067BB27
5K067DD27
5K067DD51
5K067EE02
5K067EE16
5K067FF02
5K067HH21
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB35
5K127FA04
5K127GD17
5K127NA16
5K201AA06
5K201BA02
5K201CA09
5K201CB05
5K201EC05
5K201ED05
5K201FB02
(57)【要約】
【課題】無線端末の網接続情報をあらかじめ把握する必要がなく、設定作業を簡略化する。
【解決手段】携帯無線電話網60を使用してセンタ装置20と通信を行う無線端末10に、通信に必要な網接続情報を設定する方法であって、無線端末の設置前に、センタ装置が、無線端末の電話番号宛、SMSにおけるメッセージ通信を用いて網接続情報を送信すると、メッセージを管理する通信事業者のSMSサーバ30が、メッセージを保存する第1のステップ(S101,S102)と、無線端末が起動されると、無線端末が、SMSサーバに問い合わせを行って得られる網接続情報を、SMSを用いたメッセージ通信により受信する第2のステップ(S103,S104)と、無線端末が、SMSを用いたメッセージ通信によりSMSサーバから受信した網接続情報を自身に設定する第3のステップ(S105)と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する方法であって、
前記無線端末の設置前に、前記センタ装置が、前記無線端末の電話番号あてに、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、メッセージを管理する通信事業者のSMSサーバが、前記メッセージを保存する第1のステップと、
前記無線端末が起動されると、前記無線端末が、前記SMSサーバに問い合わせを行って得られる前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により受信する第2のステップと、
前記無線端末が、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記SMSサーバから受信した前記網接続情報を自身に設定する第3のステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
携帯端末をさらに有し、前記携帯端末が、前記無線端末の電話番号宛、SMSにおけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、前記無線端末が受信した前記網接続情報を自身に設定する第4のステップと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第4のステップにおいて、前記網接続情報は前記無線端末の設置前に前記携帯端末によって前記センタ装置から取得されたものであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する方法であって、
前記無線端末の設置前に、前記センタ装置が、前記無線端末の電話番号あて、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、メッセージを管理する通信事業者のSMSサーバが、前記メッセージを保存する第1のステップと、
前記無線端末を設置後、前記無線端末が起動されると、携帯端末が、前記SMSサーバに対し、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記無線端末へ前記網接続情報を送信するように指示する第2のステップと、
前記無線端末が、前記SMSを用いた通信により前記SMSサーバから取得した前記網接続情報を自身に設定する第3のステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
前記第2のステップにおいて、前記携帯端末は、あらかじめ前記センタ装置に対しSMSを用いたメッセージ通信により前記網接続情報の取得要求を行い、前記センタ装置から取得した前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により取得されたものであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する網接続情報設定システムであって、
前記無線端末の設置前に、前記無線端末の電話番号宛に、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信する前記センタ装置と、
前記センタ装置から受信したメッセージを保存するSMSサーバと、
設置後、起動されると、前記SMSサーバに問い合わせを行って得られる前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により受信し、前記SMSサーバから受信した前記網接続情報を自身に設定する前記無線端末と、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項7】
携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する網接続情報設定システムであって、
前記無線端末の設置前に、前記無線端末の電話番号宛に、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信する前記センタ装置と、
前記センタ装置から受信したメッセージを保存するSMSサーバと、
前記無線端末を設置後、前記無線端末が起動されると、前記SMSサーバに、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記網接続情報を送信するように指示する携帯端末と、
前記SMSを用いたメッセージ通信により前記SMSサーバから取得した前記網接続情報を自身に設定する前記無線端末と、
を備えたことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網接続情報設定方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス等の検針装置の無人化を図るため、検針メータと無線端末とを接続し、無線端末が検針メータから取得した検針値や警報値をセンタ装置に送信する検針システムが知られている。例えば、特許文献1に、無線信号によりメータ等の検針値や制御内容を情報伝送する無線端末の初期設定に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−303674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術によれば、ガスメータ等の無線端末を携帯無線電話網へ接続するにあたり必要な情報を、パソコン等により構成されるデータ設定装置から設定している。しかしながら、この方法によれば、作業員が無線端末に固有の情報を把握する必要があり、設定作業が煩雑で、特に、ガスメータ等の設置場所が高所にあった場合作業性が著しく低下する。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、無線端末の情報を把握しておく必要がなく、設定作業を簡略化して作業性を高めた、網接続情報設定方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために本発明の第1の態様に係る方法は、携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する方法であって、前記無線端末の設置前に、前記センタ装置が、前記無線端末の電話番号あてに、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、メッセージを管理する通信事業者のSMSサーバが、前記メッセージを保存する第1のステップと、前記無線端末が起動されると、前記無線端末が、前記SMSサーバに問い合わせを行って得られる前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により受信する第2のステップと、前記無線端末が、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記SMSサーバから受信した前記網接続情報を自身に設定する第3のステップと、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の態様に係る方法において、携帯端末をさらに有し、前記携帯端末が、前記無線端末の電話番号宛、SMSにおけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、前記無線端末が受信した前記網接続情報を自身に設定する第4のステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の態様に係る方法において、前記第4のステップにおいて、前記網接続情報は前記無線端末の設置前に前記携帯端末によって前記センタ装置から取得されたものであることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の態様に係る方法は、携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する方法であって、前記無線端末の設置前に、前記センタ装置が、前記無線端末の電話番号宛、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信すると、メッセージを管理する通信事業者のSMSサーバが、前記メッセージを保存する第1のステップと、前記無線端末を設置後、前記無線端末が起動されると、携帯端末が、前記SMSサーバに対し、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記無線端末へ前記網接続情報を送信するように指示する第2のステップと、前記無線端末が、前記SMSを用いた通信により前記SMSサーバから取得した前記網接続情報を自身に設定する第3のステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様に係る方法において、前記第2のステップにおいて、前記携帯端末は、あらかじめ前記センタ装置に対しSMSを用いたメッセージ通信により前記網接続情報の取得要求を行い、前記センタ装置から取得した前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により取得されたものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様に係るシステムは、携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する網接続情報設定システムであって、前記無線端末の設置前に、前記無線端末の電話番号宛に、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信する前記センタ装置と、前記センタ装置から受信したメッセージを保存するSMSサーバと、設置後、起動されると、前記SMSサーバに問い合わせを行なって得られる前記網接続情報を、前記SMSを用いたメッセージ通信により受信し、前記SMSサーバから受信した前記網接続情報を自身に設定する前記無線端末と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様に係るシステムは、携帯無線電話網を使用してセンタ装置とパケット通信を行う無線端末に、前記パケット通信に必要な網接続情報を設定する網接続情報設定システムであって、前記無線端末の設置前に、前記無線端末の電話番号宛に、SMS(ショートメッセージサービス)におけるメッセージ通信を用いて前記網接続情報を送信する前記センタ装置と、前記センタ装置から受信したメッセージを保存するSMSサーバと、前記無線端末を設置後、前記無線端末が起動されると、前記SMSサーバに、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記網接続情報を送信するように指示する携帯端末と、前記SMSを用いたメッセージ通信により前記SMSサーバから取得した前記網接続情報を自身に設定する前記無線端末と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無線端末の情報を把握しておく必要がなく、設定作業を簡略化して作業性を高めた、網接続情報設定方法及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る網接続情報設定システムを構成する装置間のデータの流れを説明するために引用した図である。
図2図1の無線端末の内部構成を示すブロック図である。
図3】実施例1に係る網接続情報設定システムの動作シーケンス図である。
図4】実施例2に係る網接続情報設定システムの動作シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という)に係る網接続情報設定方法及びシステムについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0016】
(実施形態の構成)
図1に、本実施形態に係る網接続情報設定システムを構成する装置間のデータの流れを示す。図1によれば、本実施形態に係る網接続情報設定システム1は、ガスメータ等が接続される無線端末10と、ガスメータの検針情報を集中管理するセンタ装置20と、通信事業者ごとに構築されるSMSサーバ30と、を含む。なお、現場作業員が所持する携帯端末40を含んでもよい。この場合、無線端末10、及び携帯端末40は、携帯無線電話網60、及びIP(Internet Protocol)網50を介して、センタ装置20及び、SMSサーバ30に接続される。
【0017】
本実施形態に係る網接続情報設定システム1は、携帯無線電話網60を使用してセンタ装置20と通信を行う無線端末10に、通信に必要な網接続情報をSMSによるメッセージ通信を用いて設定する方法を実現するシステムである。周知のように、SMS(Shoort Message Service)は、回線交換ネットワーク上で文字(テキスト)メッセージを音声回線ではなく、それを制御する信号線及びシグナリングチャネルを使用して運ぶことによりサービスを実現している。なお、ここでいう網接続情報とは、IPアドレス情報、ポート番号、APN(Access Point Name)等をいい、無線端末10が、携帯無線電話網60を使用してIP網50に接続し、センタ装置20との間でパケット通信を行うために必要な情報をいう。
【0018】
図1によれば、センタ装置20は、まず、無線端末10の設置前に、無線端末10の電話番号宛に、SMSにおけるメッセージを用いて網接続情報を送信すると、そのメッセージを管理する通信事業者のSMSサーバ30が、当該メッセージを保存する(a:第1のステップ)。続いて、現場作業員が、設置された無線端末10の電源をON(起動)すると、無線端末10は、SMSサーバ30に問い合わせを行い、得られる網接続情報を、SMSを用いた通信により受信することでセンタ装置20との間で通信に必要な網接続情報を取得することができる(b:第2のステップ)。そして、無線端末10が、SMSを用いた通信によりSMSサーバ30から受信した網接続情報を自身に設定することにより、無線端末10とセンタ装置20間の通信が確立され、以降、パケット通信による運用が開始される(c:第3のステップ)。
【0019】
なお、現場作業員が、無線端末10毎に網接続情報を個別に設定する場合、現場作業員が所持する携帯端末40を用いてSMSを用いたメッセージ通信により、無線端末10に対し、直接、網接続情報を送信して設定することも可能である(d:第4のステップ)。ただし、この場合、携帯端末40は、事前にその網接続情報をセンタ装置20からSMSを用いた通信により取得し、取得した網接続情報を、SMSを用いた通信により無線端末10の電話番号宛に送信することになる。
【0020】
図2に無線端末10の内部構成を示す。図2によれば、無線端末10は、制御部101と、記憶部102と、操作部103と、表示部104と、通信部105と、アンテナ106と、メータインタフェース部(メータI/F部107)と、電源部108と、により構成される。
【0021】
制御部101は、無線端末10全体を制御する。制御部101は、無線端末10を現場に設置後、起動すると、通信部105,アンテナ106を介してSMSサーバ30と通信を行い、SMSサーバ30に問い合わせを行って得られる網接続情報を、SMSを用いた通信により受信し、SMSサーバ30から受信した網接続情報を自身に設定する手段として機能するCPU(Central Processing Unit)を含む。CPUは、記憶部102に実装されたROM(Read Only Memory)に記録されたプログラムを逐次読み出し実行することにより、上記の手段を実現する。このとき、記憶部102に実装されたRAM(Random Access Memory)には、SMSサーバ30から取得して設定される網接続情報、あるいは設定後の運用に必要な開通情報が記憶される。
【0022】
操作部103は、例えば、キーなどの操作手段を備え、無線端末10の装置状況確認、設置操作、通信テストを行う際に、該当のキーを押下することにより制御部101を起動する。表示部104は、例えば、LED(Light Emitted Diode)等の表示手段を備え、制御部101による制御の下で設置確認結果、試験結果表示などを行う。なお、操作部103と表示部104は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)とタッチセンサとが一体形成されたタッチパネルで実現してもよい。
【0023】
通信部105は、IP網50を含む携帯無線電話網60との通信インタフェースを司り、SMSサーバとの間で通信を行う。また、通信部105、センタ装置20からの検針データの要求信号の受信とそれに応じた検針データの送信等を行う特定小電力無線手段としても機能する。メータI/F107は、図示省略した検針メータと接続するための外部通信インタフェースである。電源部108は、無線端末10の駆動電源となる電池等で構成されている。
【0024】
(実施形態の動作)
以下、本実施形態に係る網接続情報設定システム1の動作について図3図4のシーケンス図を参照して詳細に説明する。以下の説明では、センタ装置20から取得した網接続情報をSMSサーバ30経由で無線端末10に設定するケースを第1実施形態とし、現場作業員が所持する携帯端末40から無線端末10のそれぞれに対して個別に設定するケースを第2実施形態として説明する。
【0025】
(第1実施形態)
第1実施形態の動作について図3のシーケンス図を参照しながら説明する。図3によれば、まず、センタ装置20が、無線端末10が設置される前に、その無線端末10の電話番号宛、SMSにおけるメッセージを用い、その電話番号及びメッセージを管理する通信事業者のSMSサーバ30に網接続情報を送信する(ステップS101:網接続情報のSMS送信)。メッセージを受信したSMSサーバ30は、そのメッセージを内蔵の記憶装置(図示省略)に保存する(ステップS102)。
【0026】
次に、現場作業員が無線端末10を設置し、当該無線端末10の電源部108をONすることにより起動すると、無線端末10は、制御部101が通信部105を介してSMSサーバ30に問い合わせを行い(ステップS103)、得られる網接続情報を、SMSを用いた通信により受信する(ステップS104)。続いて、制御部101は、通信部105を介して受信した網接続情報を記憶部102に設定する(ステップS105:網接続情報の設定登録)。
【0027】
続いて、無線端末10は、センタ装置20に網接続情報設定完了通知信号を送信することにより(ステップS106)、センタ装置20と無線端末10との間の通信が確立され、パケット通信の運用が開始される。そして、無線端末10は、センタ装置20に対し開通要求を送信し、網接続情報を除くパケット通信の運用に必要な開通情報の要求を行うと(ステップS107)、センタ装置20から開通応答信号を受信して(ステップS108)、記憶部102に開通情報を設定することができる(ステップS109)。
【0028】
開通情報の設定後、無線端末10が、センタ装置20に対して開通完了通知を送信すると(ステップS110)、センタ装置20は、無線端末10に対して開通が正しく行われたことを確認するためのテスト要求信号を送信する(ステップS111)。テスト要求信号を受信した無線端末10は、メータI/F部107を介して接続される検針器との試験通信を行い(ステップS112)、その結果であるテスト応答信号をセンタ装置20に送信する(ステップS113)。以降、センタ装置20は、初期設定状態から運用状態に移行し(ステップS114)、無線端末10へテスト完了通知信号を送信する(ステップS115)。なお、テスト通信は、現場作業員が無線端末10の操作部103に割り当てられた専用のキーを押すことによっても起動される。
【0029】
最後に無線端末10は、制御部101が、表示部104に、LED点灯等の表示動作を行うことで(ステップS116)、現場作業員はその内容を確認することでテスト通信が正常にできたか否かを判断することができる。なお、テスト通信の結果は、センタ装置20から現場作業員が所持する携帯端末40に通知しても、あるいは、無線端末10から携帯端末40へ通知する形態をとってもよい。
【0030】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態に係る網接続情報設定システム1によれば、センタ装置20が、設置前の無線端末10に対しSMSを用いた通信により網接続情報を送信し、無線端末10が設置後起動された時にSMSサーバ30に問い合わせ、SMSサーバ30に保存された網接続情報を取得して設定することにより、センタ装置20と無線端末10とのパケット通信を確立することができる。このため、現場作業員は、無線端末10の網接続情報を把握する必要がなく、また、遠隔で設定が可能になるため、作業性が低下することなく、かつ、設定作業が簡素化される。また、その際にPC等のデータ設定装置も不要になる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る網接続情報設定システム1の動作について図4のシーケンス図を参照しながら説明する。以下に説明する第2実施形態に係る網接続情報設定システムにおいて、図3に示す第1実施形態との差異は、現場作業員が所持する携帯端末40を用いて無線端末10ごと個別に網接続情報を設定する仕組み(携帯端末40と無線端末10との間で直接設定するステップS206とS207)を付加したものである。
【0032】
携帯端末40は、センタ装置20から無線端末10の網接続情報を取得し(S200)、無線端末10の電話番号宛、SMSにおけるメッセージ通信を用いて網接続情報を送信すると(ステップS206)、無線端末10(制御部101)が受信した網接続情報を自身の記憶部102に設定する(ステップS207)。このとき、網接続情報は、無線端末10の設置前携帯端末40によってセンタ装置20から取得されたものである。
【0033】
すなわち、図4に太い一点鎖線で示すように、センタ装置20と携帯端末40との間で事前に網接続情報の取得要求と、網接続情報の送信のやりとり(ステップS200)が必要である。このやり取りは、無線端末10の設置前に行われれば、その実行のタイミングは任意である。この場合の通信手段は、SMS通信に限定されるものではなく、IP通信でも構わない。なお、以降の網設定情報の設定後の動作(S208〜S218)は、第1実施形態(S106〜S116)のそれぞれと同様である。
【0034】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態に係る網接続情報設定システム1によれば、携帯端末40が、無線端末10の電話番号宛、SMSにおけるメッセージを用いて網接続情報を送信し、無線端末10が受信した網接続情報を自身に設定することで、無線端末10ごとに個別に網接続情報を設定することができる。したがって、第1実施形態と同様、現場作業員は、遠隔で設定が可能になるため、作業性が低下することなく、かつ、設定作業が簡素化される。また、その際にPC等のデータ設定装置も不要になる。さらに、現場作業員は、無線端末10の網接続情報を個別に把握しておく必要がないといった独自の効果も有する。
【0035】
(変形例)
なお、本実施形態に係る網接続情報設定システム1によれば、センタ装置20に保存されている網接続情報を、現場作業員が携帯端末40からSMSを用いたメッセージにより送信を指示することも可能である。この場合、無線端末10は、あらかじめ設定されたセンタ装置20の電話番号を宛先にしてSMSを用いた網接続情報の取得要求を行う。次に、網接続情報の取得要求を受信したセンタ装置20は、SMSにより網接続情報をメッセージ送信するため、これを受信した無線端末10は、センタ装置20との間でパケット通信の運用を開始することができる。
【0036】
また、パケット通信確立後、無線端末10は、現場作業員がセンタ装置20に対して開通要求を発行するが、センタ装置20に、SMSによりパケット通信が可能になった後の動作(網接続情報以外に運用に必要な情報)についてもあらかじめ登録しておくことにより、無線端末10は、自動でパケット通信を利用した不足する情報の設定も可能になり、設定の仕方に選択肢を提供でき、使い勝手が向上する。
【0037】
なお、本実施形態に係る網接続情報設定システム1によれば、SMSによるメッセージを用い無線端末10に網接続情報の設定を行うものとして説明したが、ショートメッセージに限らず、文字の大きさや配置が変更可能で、音声やアニメーションも挿入可能な拡張(Enhanced Message Service)でもよく、相手の電話番号を指定してメッセージを送受信するものであれば代用が可能である。
【0038】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0039】
1 網接続情報設定システム
10 無線端末
20 センタ装置
30 SMSサーバ
40 携帯端末
50 IP網
60 携帯無線電話網
101 制御部
102 記憶部
103 操作部
104 表示部
105 通信部
106 アンテナ
107 メータI/F部
108 電源部
図1
図2
図3
図4