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特開2017-169199海中光学・電気分配のためのシステム、方法、および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-169199(P2017-169199A)
(43)【公開日】2017年9月21日
(54)【発明の名称】海中光学・電気分配のためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/00 20130101AFI20170825BHJP
【FI】
   H04B10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-48979(P2017-48979)
(22)【出願日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】15/069,644
(32)【優先日】2016年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】517089835
【氏名又は名称】テレダイン インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイケル グリーン
(72)【発明者】
【氏名】シ ホイジャン
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA11
5K102AA15
5K102AB06
5K102AC02
5K102LA46
5K102PA01
(57)【要約】
【課題】海中光学・電気分配のためのシステム、方法、および装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、概して、海中通信ネットワークに関する。具体的には、本発明は、海中の炭化水素抽出プロセスに関与する海底上のデバイスと機器との間の通信信号の変換、ルーティング、および管理に関する。本発明は、海中光学・電気配電のためのシステム、方法、および装置を提供する。本発明は、光学信号を電気信号に変換し、変換された電気信号を適切なエンドデバイスに送るように適合さている1つ以上のルーティングユニットを備えている。ルーティングユニットは、重機を使用することなく設置され得る小型デバイスである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送システムであって、
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、
複数の伝送ケーブルと、
ソースデバイスと、
複数のエンドデバイスと、
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部に接続されている第1の端部、および前記光学または電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットと
を備え、
前記少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットは、大気チャンバ、および前記大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有し、
前記イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、
少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、
複数の電気入力/出力接合点と、
イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、
前記光学入力/出力接合点と前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、前記変換器モジュールは、前記光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつ前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を前記光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成されている、変換器モジュールと
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部から前記光学または電気光学ルーティングユニットの前記第1の端部の前記大気チャンバの中へ延び、前記多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、前記光学または電気光学ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、
第2の接合点から延び、前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを介して前記複数のケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤであって、前記複数の伝送ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤと
を備えている、システム。
【請求項2】
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記伝送システムの監視、および、前記ソースデバイスおよび前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記海中電気光学ルーティングユニットは、前記少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと前記複数の伝送ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信している、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記光学または電気光学ケーブルの前記第2の端部は、前記ソースデバイスに解放可能に接続され、前記複数の伝送ケーブルの各々は、前記複数のエンドデバイスからのエンドデバイスに解放可能かつ動作可能に接続されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送装置であって、
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、
複数の伝送ケーブルと、
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部に接続されている第1の端部、および前記光学または電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットと
を備え、
前記少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットは、大気チャンバ、および前記大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有し、
前記イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、
少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、
複数の電気入力/出力接合点と、
イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、
前記光学入力/出力接合点と前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、前記光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつ前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を前記光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成されている、変換器モジュールと
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部から前記海中電気光学ルーティングユニットの前記第1の端部の前記大気チャンバの中へ延び、前記多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、前記光学または電気光学ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、
第2の接合点から延び、前記複数の伝送ケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤであって、前記複数の伝送ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤと
を備えている、装置。
【請求項9】
ソースデバイスおよび複数のエンドデバイスに接続するようにさらに適合されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスを監視するように適合されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記海中電気光学ルーティングユニットは、前記少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと前記複数の伝送ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信している、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
ソースデバイスと複数のエンドデバイスとの間の海中電気光学イーサネット(登録商標)伝送のための方法であって、前記方法は、
光学または電気光学ケーブルの第1の端部を前記ソースデバイスに解放可能に接続することと、
前記光学または電気光学ケーブルの第2の端部を海中電気光学ルーティングユニット上の光学または電気光学入力/出力ポートに解放可能に接続することと、
電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第1の端部を前記海中電気光学ルーティングユニット上の複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちの1つに解放可能に接続することと、
前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第2の端部をエンドデバイスに解放可能に接続することと、
構成マイクロコントローラによって、前記電気光学ルーティングユニットの中に配置されているイーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成することと、
前記ソースデバイスから前記電気光学ルーティングユニットの前記光学入力/出力ポートに第1の光学信号を伝達することと、
電気/光学変換器モジュールによって、前記第1の光学信号を第1の電気信号に変換することと、
前記電気/光学変換器モジュールから前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラに前記第1の電気信号を伝達することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、前記複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが前記第1の電気信号を伝達するかを決定することと、
前記決定された電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、前記第1の電気信号を前記エンドデバイスに伝送することと、
前記電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、前記エンドデバイスから前記電気光学ルーティングユニットの電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに第2の電気信号を伝達することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、前記複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが前記第2の電気信号を受信したかを決定し、ソース情報の組を前記第2の電気信号に付加することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから前記電気/光学変換器モジュールに前記第2の電気信号を伝達することと、
前記電気/光学変換器モジュールによって、前記第2の電気信号を第2の光学信号に変換することと、
前記光学または電気光学ケーブルによって、前記光学信号を前記ソースデバイスに伝送することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記海中電気光学ルーティングユニットによって、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスを監視することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記海中電気光学ルーティングユニットは、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される筐体を備えている、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、海中通信ネットワークに関する。具体的には、本発明は、海中の炭化水素抽出プロセスに関与する海底上のデバイスと機器との間の通信信号の変換、ルーティング、および管理に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋掘削および生産作業では、機器は、多くの場合、最大15,000psiの圧力で−50°F〜350°Fの作業温度を伴う海面下数千フィートの厳しい条件を受ける。海中制御および監視機器は、一般的に、油井からの流体、典型的には、油またはガス流に関する作業と関連して使用される。フローラインが、海中油井と、浮動プラットフォームまたは貯蔵船もしくはバージ等の生産設備との間に接続される。海中機器は、センサおよび監視デバイス(圧力、温度、腐食、浸食、砂検出、流量、流動成分、弁およびチョーク位置フイードバック)と、下げ孔圧力ならびに温度変換器等のデバイスのための追加の接続点とを含む。典型的制御システムは、センサ入力に基づいて監視し、測定し、および応答し、海中デバイスを制御するための制御信号を出力する。例えば、海中ツリーに取り付けられた制御システムが、下げ孔安全弁を制御する。海中機器の機能および動作要件は、適切な作業を確実にするために使用される感知および監視機器ならびに制御システムとともに、ますます複雑になっている。
【0003】
海中機器を動作させるために必要な多数かつ種々の感知、監視、および制御機器を接続するために、過酷な環境用のコネクタが、電気ケーブル、光ファイバケーブル、またはハイブリッド電気光学ケーブルとともに使用される。海中コネクタ開発の初期要求は、軍事用途に関連していた。時間とともに、そのようなコネクタの要求は、海洋石油業界用途に関連して増大してきた。海中通信システムで採用され得る種々の湿式嵌合および乾式嵌合の電気および光学コネクタが存在している。参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、Cairnsの米国特許第4,795,359号および第5,194,012号で説明されるもの等のいくつかの公知の水中電気コネクタでは、管状ソケット接点が、レセプタクルユニットの中に提供され、ばね付勢ピストンが、ソケットアセンブリの開放端と密閉係合させる。従来技術の圧力補償湿式嵌合デバイスの実施例は、それらの各々が参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第4,616,900号、第4,682,848号、第5,838,857号、第6,315,461号、第6,736,545号、および第7,695,301号で説明されている。参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、Cairnsの米国特許第4,666,242号は、雄および雌コネクタユニットが、油で充填され、圧力の平衡を保たれる水中電気光学コネクタを説明する。他の公知のシール機構は、ユニットが嵌合されていないときの閉鎖された密閉位置と、ユニットが嵌合されているときの開放位置との間で、シール要素を回転させるためのアクチュエータとともに、あるタイプの回転シール要素を伴い、接触プローブがシール要素を通過し、接触チャンバの中へ入ることを可能にする。そのようなコネクタは、例えば、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる、Cairnsの米国特許第5,685,727号および第5,738,535号で説明されている。
【0004】
これらの水中デバイス間、異なる通信媒体間、およびネットワークタイプ間の通信を促進するために、システムおよび制御デバイスが、海中機器を管理するために採用される。海中通信は、光ファイバ、電気、またはハイブリッド光電気通信システムによって実装され得る。光ファイバ通信システムが、典型的には、1つ以上の光ファイバを採用する一方で、電気通信システムは、ツイストペアとして実装され得る銅線を採用する。デバイスと複数の機器との間の通信は、TCP/IPネットワーク上にあり得、1つ以上のモデム、スイッチ、ルータ、および制御装置によって対処され得る。複数の源泉を有する典型的海中通信ネットワークでは、FMC TechnologiesもしくはGeneral Electric Oil & Gasによって製造されたもの等の大型海中ルータモジュールが、1つ以上の海中デバイスと水面上の他の機器との間の通信を管理および促進するために採用される。例えば、石油プラットフォームは、石油プラットフォームにおける水面上の機器を海中機器に接続し、アンビリカル端末ヘッドにおいて終端する、アンビリカルを有し得る。次いで、アンビリカル端末ヘッドは、アンビリカルから海中ルータモジュールまでデータラインを接続する、1つ以上のリードを有するであろう。次いで、大型海中ルータモジュールは、水面と、源泉、分配ユニット、および監視機器等の他の海中機器との間の通信を促進する。海中ルーティングモジュールはまた、いくつかの実装では、信号を1つの形態から別の形態に転換または変換し、複数の海中デバイス間の通信を促進するように構成され得る。例えば、海中ルータモジュールは、光学入力信号を電気出力信号に変換すること、または電気入力信号を光学出力信号に変換することを行うように構成され得る。
【0005】
海中ルータモジュールに関する主要な問題は、モジュールが大きく高価であることである。加えて、たとえモジュールが海中デバイス接続のためにある形態の内部冗長性を提供し得ても、これらのモジュールは、電力の損失、圧力損失、または漏出からの単一障害点である傾向がある。例えば、海中ルータモジュールは、源泉の組と通信するための3つの冗長システムを有し得るが、システムが位置する大気チャンバが、漏出または圧力低下を受ける場合、冗長システムの全てが同時に故障するであろう。さらに、海中ルータモジュールを設置することは、時間がかかり、高価である。海中ルータモジュールは、大型重機を設置するために好適なクレーンまたは同様の装置によって海底まで降下させられなければならない大型の機器である。ルータモジュールはまた、海中に設置されると、補修および維持することが困難である。海中ルータモジュールを設置および維持することの困難は、海中ルータモジュールが実装するためにコストのかかる機器にしている。
【0006】
海中ルータモジュールはまた、あらゆるタイプの海中機器構成に特によく適しているわけではない。海中ルータモジュールは、アンビリカル端末ヘッド、石油プラットフォーム、または他の水面機器から長距離離れた多数、例えば、8つ以上の源泉もしくは源泉ツリーとともに使用されるときに、いくつかの利点を提供し得る。しかしながら、構成が、アンビリカル端末ヘッドまたは水面機器により物理的に近接近している、より少数の源泉を採用するとき、海中ルータモジュールは、ルーティングおよび海中通信のための理想的な選択ではない。
【0007】
必要とされるものは、大型海中ルータモジュールに対するより融通が利き、冗長で安価な代替案である。好ましくは、代替案は、デバイスを海底まで降下させるために大型クレーンを必要とすることなく、遠隔操作機(ROV)によって設置されることが可能であろう。加えて、デバイスは、信号変換に加えて、通信切り替えおよびルーティングを管理することが可能であるべきである。デバイスは、小型であり、必要とされるときに容易に移動可能かつ交換可能であるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,795,359号明細書
【特許文献2】米国特許第4,616,900号明細書
【特許文献3】米国特許第4,666,242号明細書
【特許文献4】米国特許第5,685,727号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、海中光学・電気分配のためのシステム、方法、および装置を提供する。本発明は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、MODULAR SECURING DEVICE FOR ROV AND DIVER MATE−ABLE SUBSEA APPLICATIONS、米国特許出願第14/582,165号で開示されるもの等のフライングリードハーネスまたはモジュール式接続化分配ユニット筐体(MCDU)の形態をとり得、少なくとも1つの光学信号入力と、複数の電気出力とを備え得る。本発明は、イーサネット(登録商標)ネットワーク、例えば、TCP/IPを介して、銅接続を介した他のイーサネット(登録商標)デバイスの組に通信するように、光ファイバイーサネット(登録商標)を提供する。本発明は、複数の機器がアンビリカル端末ヘッドに物理的に近接近して位置するとき、イーサネット(登録商標)を介して複数の海中機器をアンビリカルに接続するためのはるかに経済的なシステム、装置、および方法を提供する。
【0010】
本発明は、大型海中ルータモジュールを必要とすることなく、直接的に電気イーサネット(登録商標)機器への光学イーサネット(登録商標)の接続を可能にする。本発明は、光学信号を電気イーサネット(登録商標)信号に変換し、複数の海中デバイスを一緒に同期化させる。本発明は、ローカル構成マイクロコントローラ、接続箱、分配ユニット、または水面機器によって構成され得る。
【0011】
本発明は、従来技術の海中ルータモジュールおよび信号変換デバイスを改良する。本発明は、複数の銅線への1つ以上のファイバラインの接続を可能にする。一実施形態では、本発明は、入力として単一の光ファイバラインと、出力として4本の銅電気イーサネット(登録商標)ラインとを有する。全ての接続されたラインは、接続され、同時に通信することができる。追加のファイバラインが、追加の冗長性のために追加され得る。銅線は、1つ以上の海中デバイスもしくは機器との通信を可能にする。
【0012】
一実施形態では、本発明は、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルと、ソースデバイスと、複数のエンドデバイスと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部に接続されている第1の端部、および電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットであって、大気チャンバおよび大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有するルーティングユニットとを備えている小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送システムを提供し、イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、複数の電気入力/出力接合点と、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、構成マイクロコントローラと、光学入力/出力接合点とイーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、変換器モジュールは、光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつイーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成され、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラの構成は、構成マイクロコントローラによって決定される、変換器モジュールと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部からルーティングユニットの第1の端部の大気チャンバの中へ延び、多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、光学または電気光学ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、信号搬送光ファイバと、第2の接合点から延び、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤまたは導体であって、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤまたは導体とを備え、海中電気光学ルーティングユニットは、少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと複数のイーサネット(登録商標)ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信し、光学または電気光学ケーブルの第2の端部は、ソースデバイスに解放可能に接続され、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルの各々は、複数のエンドデバイスからのエンドデバイスに解放可能かつ動作可能に接続される。
【0013】
上記の実施形態のシステムはさらに、ソースデバイスが、アンビリカル端末であり、複数のエンドデバイスが、少なくとも1つの油井ツリーを備えていることを含み得る。システムはさらに、伝送システムならびにソースデバイスおよび複数のエンドデバイスの監視が、水面ベースの機器の組によって行われることを含み得る。筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択され得る。筐体はさらに、ペネトレータの組によって大気チャンバから分離された油入りチャンバを備え得る。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部に接続されている第1の端部、および電気ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットであって、大気チャンバおよび大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有するルーティングユニットとを備えている小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送装置を提供し、イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、複数の電気入力/出力接合点と、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、構成マイクロコントローラと、光学入力/出力接合点とイーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、変換器モジュールは、光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつイーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成され、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラの構成は、構成マイクロコントローラによって決定される、変換器モジュールと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部からルーティングユニットの第1の端部の大気チャンバの中へ延び、多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、光学または電気光学ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、第2の接合点から延び、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤまたは導体であって、複数の電気イーサネット(登録商標)ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤまたは導体とを備え、海中電気光学ルーティングユニットは、少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと複数のイーサネット(登録商標)ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信している。
【0015】
上記の実施形態の装置はさらに、ソースデバイスおよび複数のエンドデバイスに接続するように適合され得る。ソースデバイスは、アンビリカル端末であり得、複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている。この装置は、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、ソースデバイス、および複数のエンドデバイスを監視するように適合され得る。伝送システム、ソースデバイス、および複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われ得る。筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択され得る。筐体はさらに、ペネトレータの組によって大気チャンバから分離された油入りチャンバを備え得る。
【0016】
さらに別の実施形態では、本発明は、ソースデバイスと複数のエンドデバイスとの間の海中電気光学イーサネット(登録商標)伝送のための方法を提供し、方法は、光学または電気光学ケーブルの第1の端部をソースデバイスに解放可能に接続することと、光学または電気光学ケーブルの第2の端部を海中電気光学ルーティングユニット上の光学または電気光学入力/出力ポートに解放可能に接続することと、電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第1の端部を海中電気光学ルーティングユニット上の複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに解放可能に接続することと、電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第2の端部をエンドデバイスに解放可能に接続することと、構成マイクロコントローラによって、電気光学ルーティングユニットの中に配置されているイーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成することと、ソースデバイスから電気光学ルーティングユニットの光学入力/出力ポートに第1の光学信号を伝達することと、電気/光学変換器モジュールによって、第1の光学信号を第1の電気信号に変換することと、電気/光学変換器モジュールからイーサネット(登録商標)切り替えコントローラに第1の電気信号を伝達することと、イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが第1の電気信号を伝達するかを決定することと、決定された電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、第1の電気信号をエンドデバイスに伝送することと、電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、エンドデバイスから電気光学ルーティングユニットの電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに第2の電気信号を伝達することと、イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが第2の電気信号を受信したかを決定し、ソース情報の組を第2の電気信号に付加することと、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから電気/光学変換器モジュールに第2の電気信号を伝達することと、電気/光学変換器モジュールによって、第2の電気信号を第2の光学信号に変換することと、光学または電気光学ケーブルによって、光学信号をソースデバイスに伝送することとを含む。
【0017】
上記の実施形態の方法はさらに、ソースデバイスが、アンビリカル端末であり、複数のエンドデバイスが、少なくとも1つの油井ツリーを備えていることを含み得る。方法はさらに、海中電気光学ルーティングユニットによって、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、ソースデバイス、および複数のエンドデバイスを監視することを含み得る。伝送システム、ソースデバイス、および複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われ得る。海中電気光学ルーティングユニットは、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される筐体を備え得る。筐体はさらに、ペネトレータの組によって大気チャンバから分離された油入りチャンバを備え得る。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、複数の伝送ケーブルと、ソースデバイスと、複数のエンドデバイスと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部に接続されている第1の端部、および光学または電気・電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットであって、大気チャンバおよび大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有する、海中電気光学ルーティングユニットとを備えている、小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送システムを提供し、イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、複数の電気入力/出力接合点と、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、光学入力/出力接合点とイーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、変換器モジュールは、光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつイーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成され、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラの構成は、構成マイクロコントローラによって決定される、変換器モジュールと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部から光学または電気光学ルーティングユニットの第1の端部の大気チャンバの中へ延び、多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、光学または電気光学ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、第2の接合点から延び、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを介して複数のケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤまたは導体であって、複数の伝送ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤまたは導体とを備えている。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、複数の伝送ケーブルと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部に接続されている第1の端部、および光学または電気・電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットであって、大気チャンバおよび大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有する海中電気光学ルーティングユニットとを備えている小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送装置を提供し、イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、複数の電気入力/出力接合点と、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、光学入力/出力接合点とイーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、変換器モジュールは、光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつイーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成され、イーサネット(登録商標)切り替えコントローラの構成は、構成マイクロコントローラによって決定される、変換器モジュールと、光学または電気光学ケーブルの第1の端部から海中電気光学ルーティングユニットの第1の端部の大気チャンバの中へ延び、多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、光学または電気光学ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、第2の接合点から延び、複数の伝送ケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤまたは導体であって、複数の伝送ケーブルは、海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤまたは導体とを備えている。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送システムであって、
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、
複数の伝送ケーブルと、
ソースデバイスと、
複数のエンドデバイスと、
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部に接続されている第1の端部、および前記光学または電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットと
を備え、
前記少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットは、大気チャンバ、および前記大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有し、
前記イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、
少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、
複数の電気入力/出力接合点と、
イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、
前記光学入力/出力接合点と前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、前記変換器モジュールは、前記光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつ前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を前記光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成されている、変換器モジュールと
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部から前記光学または電気光学ルーティングユニットの前記第1の端部の前記大気チャンバの中へ延び、前記多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、前記光学または電気光学ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、
第2の接合点から延び、前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを介して前記複数のケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤであって、前記複数の伝送ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤと
を備えている、システム。
(項目2)
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、前記項目に記載のシステム。
(項目3)
前記伝送システムの監視、および、前記ソースデバイスおよび前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目4)
前記筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
前記海中電気光学ルーティングユニットは、前記少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと前記複数の伝送ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信している、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
前記光学または電気光学ケーブルの前記第2の端部は、前記ソースデバイスに解放可能に接続され、前記複数の伝送ケーブルの各々は、前記複数のエンドデバイスからのエンドデバイスに解放可能かつ動作可能に接続されている、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目8)
小型海中イーサネット(登録商標)切り替え伝送装置であって、
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと、
複数の伝送ケーブルと、
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部に接続されている第1の端部、および前記光学または電気光学ケーブルの一方の端部に接続されている第2の端部を有する少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットと
を備え、
前記少なくとも1つの海中電気光学ルーティングユニットは、大気チャンバ、および前記大気チャンバの中に搭載されているイーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスを含む小型海中筐体を有し、
前記イーサネット(登録商標)切り替えまたはルーティングデバイスは、
少なくとも1つの光学入力/出力接合点と、
複数の電気入力/出力接合点と、
イーサネット(登録商標)切り替えコントローラと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成するための構成マイクロコントローラと、
前記光学入力/出力接合点と前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラとの間に動作可能に配置されている多方向電気/光学変換器モジュールであって、前記光学入力/出力接合点において受信される光学入力信号を前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラにおける電気出力信号に変換し、かつ前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから受信される電気入力信号を前記光学入力/出力接合点における光学出力信号に変換するように構成されている、変換器モジュールと
前記光学または電気光学ケーブルの前記第1の端部から前記海中電気光学ルーティングユニットの前記第1の端部の前記大気チャンバの中へ延び、前記多方向電気/光学変換器モジュールの第1の接合点に接続されている1つ以上の信号搬送光ファイバであって、前記光学または電気光学ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている信号搬送光ファイバと、
第2の接合点から延び、前記複数の伝送ケーブルの中の対応する電気信号ワイヤと通信する複数の電気信号ワイヤであって、前記複数の伝送ケーブルは、前記海中電気光学ルーティングユニットに解放可能に接続されている、電気信号ワイヤと
を備えている、装置。
(項目9)
ソースデバイスおよび複数のエンドデバイスに接続するようにさらに適合されている、前記項目に記載の装置。
(項目10)
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目11)
前記装置は、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスを監視するように適合されている、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目12)
前記伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目13)
前記筐体は、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目14)
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目15)
前記海中電気光学ルーティングユニットは、前記少なくとも1つの海中光学または電気光学ケーブルと前記複数の伝送ケーブルとの間に配置され、それらと動作可能に電気通信している、前記項目のいずれか1項に記載の装置。
(項目16)
ソースデバイスと複数のエンドデバイスとの間の海中電気光学イーサネット(登録商標)伝送のための方法であって、前記方法は、
光学または電気光学ケーブルの第1の端部を前記ソースデバイスに解放可能に接続することと、
前記光学または電気光学ケーブルの第2の端部を海中電気光学ルーティングユニット上の光学または電気光学入力/出力ポートに解放可能に接続することと、
電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第1の端部を前記海中電気光学ルーティングユニット上の複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちの1つに解放可能に接続することと、
前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第2の端部をエンドデバイスに解放可能に接続することと、
構成マイクロコントローラによって、前記電気光学ルーティングユニットの中に配置されているイーサネット(登録商標)切り替えコントローラを構成することと、
前記ソースデバイスから前記電気光学ルーティングユニットの前記光学入力/出力ポートに第1の光学信号を伝達することと、
電気/光学変換器モジュールによって、前記第1の光学信号を第1の電気信号に変換することと、
前記電気/光学変換器モジュールから前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラに前記第1の電気信号を伝達することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、前記複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが前記第1の電気信号を伝達するかを決定することと、
前記決定された電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、前記第1の電気信号を前記エンドデバイスに伝送することと、
前記電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに接続されている前記電気イーサネット(登録商標)ケーブルによって、前記エンドデバイスから前記電気光学ルーティングユニットの電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートに第2の電気信号を伝達することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えモジュールの電流構成に基づいて、前記複数の電気イーサネット(登録商標)入力/出力ポートのうちのいずれが前記第2の電気信号を受信したかを決定し、ソース情報の組を前記第2の電気信号に付加することと、
前記イーサネット(登録商標)切り替えコントローラから前記電気/光学変換器モジュールに前記第2の電気信号を伝達することと、
前記電気/光学変換器モジュールによって、前記第2の電気信号を第2の光学信号に変換することと、
前記光学または電気光学ケーブルによって、前記光学信号を前記ソースデバイスに伝送することと
を含む、方法。
(項目17)
前記ソースデバイスは、アンビリカル端末であり、前記複数のエンドデバイスは、少なくとも1つの油井ツリーを備えている、前記項目に記載の方法。
(項目18)
前記海中電気光学ルーティングユニットによって、海中イーサネット(登録商標)伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスを監視することをさらに含む、前記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記伝送システム、前記ソースデバイス、および前記複数のエンドデバイスの監視は、水面ベースの機器の組によって行われる、前記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記海中電気光学ルーティングユニットは、フライングリード筐体およびモジュール式接続化分配ユニット筐体から成る群から選択される筐体を備えている、前記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記筐体は、ペネトレータの組によって前記大気チャンバから分離された油入りチャンバをさらに備えている、前記項目のいずれか1項に記載の方法。
(摘要)
本発明は、海中光学・電気配電のためのシステム、方法、および装置を提供する。本発明は、光学信号を電気信号に変換し、変換された電気信号を適切なエンドデバイスに送るように適合さている1つ以上のルーティングユニットを備えている。ルーティングユニットは、重機を使用することなく設置され得る小型デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明、本システム、および使用される用語の完全な理解を促進するために、ここで、類似要素が類似数字で参照される添付図面を参照する。これらの図面は、本発明またはシステムを限定するものとして解釈されるべきではないが、例示的であり、かつ参照用である。
図1図1は、本発明の一実施形態による、ルーティングユニットを備え得る構成要素を示す、ブロック回路図を提供する。
図2図2は、単一の光学リードを5つの電気イーサネット(登録商標)リードに接続するフライングリードとして、本発明のルーティングユニットの実施形態の図を提供する。
図3図3は、MCDU搭載可能筐体に封入され、単一の光学入力と、4つの電気出力の組とを有するものとして、本発明のルーティングユニットの実施形態の側面図を提供する。
図4図4は、アンビリカル端末と油井ツリーの組との間の通信を促進するために海中ルータモジュールを利用する、従来技術の海中通信システムのブロック図を提供する。
図5図5は、各油井ツリーが別個のルーティングユニットによってアンビリカル端末に接続される構成における、本発明のルーティングユニットのブロック図を提供する。
図6図6は、単一のルーティングユニットが、複数の光学リードによってアンビリカル端末に接続され、油井ツリーの組の各々に接続される構成における、本発明のルーティングユニットのブロック図を提供する。
図7図7は、2つのルーティングユニットの各々が、単一の光学リードによってアンビリカル端末に接続され、2つのルーティングユニットの各々が、油井ツリーの組の各々に接続される構成における、本発明のルーティングユニットのブロック図を提供する。
図8図8および9は、本発明による、フライングリード筐体の中の海中ルーティングユニットの断面図を提供する。
図9図8および9は、本発明による、フライングリード筐体の中の海中ルーティングユニットの断面図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、添付図面で示されるような例示的実施形態を参照して、本発明およびシステムをさらに詳細に説明する。本発明およびシステムは、例示的実施形態を参照して本明細書で説明されるが、本発明およびシステムは、そのような例示的実施形態に限定されないことを理解されたい。当業者および本明細書の教示にアクセスできる者であれば、追加の実装、修正、および実施形態、ならびに、本明細書で開示および請求されるような本発明の範囲内として本明細書で完全に想定され、およびそれに関して本発明およびシステムが有意に有用となり得る、本発明およびシステムを使用するための他の用途を認識するであろう。
【0022】
ここで図1を参照すると、本発明による、ルーティングユニット100を構成する構成要素を示すブロック回路図が提供される。ルーティングユニット100は、単一モードファイバポート110と、光学伝送機および受信機120と、マイクロコントローラ130と、イーサネット(登録商標)切り替えチップ140と、変圧器モジュールの組200と、RJ−45接続の組300と、10/100/1000BASE−Tイーサネット(登録商標)ポートの組400とを備え得る。ルーティングユニット100はまた、高電圧DC−DC変換器510と、DC−DC変換器520とを備え得る。変圧器モジュールの組200は、複数のクアッド変圧器モジュール210を備え得る。RJ−45接続の組300は、複数のRJ−45接続310を備え得る。10/100/1000BASE−Tイーサネット(登録商標)ポートの組400は、複数の電気イーサネット(登録商標)ポート210を備え得る。ルーティングユニット100を構成する構成要素は、図2および3に示されるもの等の筐体に封入されるであろう。高電圧DC−DC変換器510およびDC−DC変換器520は、ルータ100の全ての実施形態にあるとは限らない。しかしながら、使用される場合、高電圧DC−DC変換器510は、150VDC〜410VDCの入力電圧を28VDCに下げるであろう。DC−DC変換器520はさらに、ルータ100の構成要素のために要求に応じて、電圧を5.0V、3.3V、2.5V、1.8V、および1.0Vまで低減させるであろう。
【0023】
マイクロコントローラ130は、イーサネット(登録商標)切り替えチップ140のための電流構成を提供する。マイクロコントローラ130は、ルータ100が組み立てられるときに事前にプログラムされ得るか、またはルータ100が海中通信ネットワーク内に設置された時点でプログラムされ得る。光学伝送機および受信機120は、アンビリカル端末ヘッド等のソースデバイスからの光学信号を電気信号に変換し、電気信号をイーサネット(登録商標)切り替えチップ140に送信する。電気信号を送信すべき正しいクアッド変圧器モジュール210は、マイクロコントローラ130からの電流構成に基づいて、イーサネット(登録商標)切り替えチップ140によって決定される。どのクアッド変圧器モジュール210に、さらには、どのRJ−45ポート310およびイーサネット(登録商標)ポート410に電気信号を送信するかが決定されると、適切な伝送のために必要な任意の追加の情報が、信号に付加され、電気信号が、エンドデバイスに送信される。
【0024】
ここで図2を参照すると、光学入力ケーブル610を5つの電気イーサネット(登録商標)出力ケーブル640に接続する、フライングリードハーネス600の側面図が提供される。光学入力ケーブル610の第1の端部612は、アンビリカル端末等のソースデバイスに接続する。単一モード光ファイバまたはハイブリッド電気光学ケーブルであり得る光学ケーブル616は、第1の端部612を第2の端部614に接合する。光学ケーブル610の第1の端部612および第2の端部614、ならびに電気イーサネット(登録商標)ケーブル640の第1の端部642および第2の端部644は、海中環境で機能することが可能であり、かつ高い圧力および温度差に耐えることが可能である、任意の好適な解放可能湿式嵌合または乾式嵌合コネクタであり得る。光学ケーブル610の第2の端部614は、電気光学入力/出力ポート624に接続する。電気光学入力/出力ポート624は、ルータモジュール筐体620の一方の端部にある。ルータモジュール筐体620は、図1で描写される回路を収納する、大気チャンバ622を備え得る。配電箱630のケーブルブレイクアウト632は、図1に示されるイーサネット(登録商標)ポートの組400を備え得る。電気イーサネット(登録商標)ケーブルの組640の中の各ケーブル640は、電気イーサネット(登録商標)ケーブル640の第1の端部642において電気入力/出力接合点634に接続する。電気イーサネット(登録商標)ワイヤ646は、第1の端部642を電気イーサネット(登録商標)ケーブルの第2の端部644に接合し、油井ツリー等のエンドデバイスに接続し得る。
【0025】
ここで図3を参照すると、光学入力ポート742と、複数の電気イーサネット(登録商標)出力ポート722とを有する、MCDU筐体720の中のルーティングユニット700の実施形態の側面図が提供される。MCDU筐体720は、第1のフレーム端711と、第2のフレーム端712とを備え、本体702と、最上部713とを有し得る。リング基部762を伴うリング716は、第1のフレーム端711および第2のフレーム端712を本体702に固定するために、またはMCDU筐体720を移動させて動作させるために、使用され得る。搭載点の組715は、MCDU筐体720をより大型の構造または支持表面に固定するために使用され得る。ケーブル733と、接続端731とを有する、光学ケーブル730は、光学入力ポート742に接続するように適合される。カラー714は、光学入力ポート714とMCDU筐体720の本体702との間のシールを形成する。各光学入力ポート722は、本体721と、基部723と、シール724とを有し、MCDU筐体720の本体702の最上部713の上に配置される。回路筐体740は、MCDU筐体720の本体702の端部に配置され得、図1に説明される回路100を保持する大気チャンバを備え得る。
【0026】
図2または図3に示されるいずれか一方の構成では、本発明のルーティングデバイスは、クレーンまたは他の大型水面機器を使用することなく、海中通信ネットワーク内に容易に設置され得る小型のコンパクトな自己充足型デバイスである。両方の構成は、潜水作業員によって、またはROVによって設置可能であり、接続および配置するために重機または重装備を必要としない。本発明のルーティングデバイスの小さいサイズおよび容易な設置は、現在使用されている、図4に示される海中ルーティングモジュール820等の大型海中ルーティングモジュールと比べて、費用ならびに時間の節約を提供する。
【0027】
ここで図4を参照すると、従来技術の海中通信システム800のブロック図が提供される。システム800は、アンビリカル端末810と、ルータ820と、油井ツリー832A、832B、832C〜832nを備えているエンドデバイスの組830と備えている。アンビリカル端末810は、水面上の機器まで延びるであろうアンビリカルに接続するソースデバイスである。代替として、アンビリカル端末810は、電子通信を送信および管理することが可能な別のソースデバイスであり得る。ルータ820は、アンビリカル端末810と、エンドデバイスの組830を備えている各油井ツリー832A、832B、832C〜832nとの間の通信をルーティングし、管理するために機能する。エンドデバイスの組830はまた、炭化水素または鉱物の海中抽出で使用される任意の他のエンドデバイスであり得る。接続812A、812B、812C〜812nを備えている光学接続の組811は、ルータ820をアンビリカル端末810に接続し、接続822A、822B、822C〜822nを備えている電気イーサネット(登録商標)接続の組822は、対応する油井ツリー832A、832B、832C〜832nの各々をルータ820に接続する。ルータ820はまた、海中通信システム800の診断を行うため、およびシステム800を備えている機器の他の状態を監視するための機器を備え得る。
【0028】
この従来技術のシステム800は、いくつかの欠点に悩まされる。第1に、それは、互いに物理的に近接近して位置し、かつアンビリカル端末810に物理的に近接近して位置するごくわずかなエンドデバイス830を備えている海中炭化水素抽出作業のための最適な構成である。ルータ820を設置することは、費用のかかる高価な作業であり、ルータ自体は、ごくわずかなエンドデバイス830を備えている作業のために最適化されない。従来技術のシステム800は、互いに近くに位置し、かつアンビリカル端末810の近くに位置する少数の5つ以下のエンドデバイス830を有する作業のための費用効果の高い解決策ではない。
【0029】
ここで図5−7を参照すると、種々の構成における本発明のルーティングユニットのブロック図が提供される。本発明のルーティングユニットは、これらの構成のうちのいずれかで、または図5−7の構成に示される要素を組み合わせる別の構成で採用され得ることが、当業者によって理解されるはずである。図5−7のソースおよびエンドデバイスが、具体的デバイスとして示されるが、海中通信ネットワークで使用される任意のデバイスが、各通信ネットワークで使用され得ることも理解されたい。
【0030】
最初に図5を参照すると、エンドデバイスの組930の中の油井ツリー932A、932B、932C〜932nが、ルーティングユニットの組920の中の別個の対応するルーティングユニット922A、922B、922C〜922nによって、アンビリカル端末910に接続される海中通信システム900構成のブロック図が提供される。本構成では、ルーティングユニットの組920の中の各ルーティングユニット922A、922B、922C〜922nは、光学または電気光学ケーブルの組911の中の対応する光学または電気光学ケーブル912A、912B、912C〜912nによって、アンビリカル端末910に接続される。ルーティングユニットの組920は、1)光学入力信号を電気信号に変換し、2)どのエンドデバイス930に電気信号を送信すべきかを決定し、3)電気信号を適切なエンドデバイス930に伝送し、4)アンビリカル端末910に伝送するために電気入力信号を光学信号に変換する役割を果たす。通信システム900の構成では、各ルーティングユニット922A、922B、922C〜922nが、対応する電気イーサネット(登録商標)接続924A、924B、924C〜924nによって、単一のエンドデバイス930のみに接続されるので、どの油井ツリー932A、932B、932C〜932nに電気信号を送信するかを決定することは、単純化される。
【0031】
ここで図6を参照すると、エンドデバイスの組1030の中の各油井ツリー1032A、1032B、1032C〜1032nが、単一のルーティングユニット1020によってアンビリカル端末1010に接続される、海中通信システム1000構成のブロック図が提供される。ルーティングユニット1020は、光学または電気光学ケーブル1012および1013によってアンビリカル端末に冗長的に接続される。次いで、ルーティングユニット1020は、対応する電気イーサネット(登録商標)接続1022A、1022B、1022C〜1022nによって、エンドデバイスの組1032の中の各油井ツリー1032A、1032B、1032C〜1032nに接続される。アンビリカル端末1010からの入力光学信号は、主にケーブル1012を通して送信されるが、ケーブル1012が故障する場合、代わりに、二次ケーブル1013が使用され得る。ルーティングユニット1020は、光学入力信号を電気信号に変換し、エンドデバイス1030のうちのどれに電気信号を送信するかを決定する。ルーティングユニット1020はまた、エンドデバイス1030からの帰還電気信号に対処する。
【0032】
次に図7を参照すると、エンドデバイスの組1130の中の各油井ツリー1132A、1132B、1132C〜1132nが、第1のルーティングユニット1121および第2のルーティングユニット1122の両方によって、アンビリカル端末1110に接続される海中通信システム1100構成のブロック図が提供される。ルーティングユニットの組1120の中の第1のルーティングユニット1121および第2のルーティングユニット1122は、それぞれ、光学または電気光学ケーブル1112ならびに1113によって、アンビリカル端末1110に接続される。複数の電気ケーブル1124A、1124B、1124C〜1124nは、第1のルーティングユニット1121をエンドデバイスの組1130の中の各油井ツリー1132A、1132B、1132C〜1132nに接続する。複数の電気ケーブル1126A、1126B、1126C〜1126nは、第2のルーティングユニット1122をエンドデバイスの組1130の中の各油井ツリー1132A、1132B、1132C〜1132nに接続する。例えば、電気ケーブル1124Aは、第1のルーティングユニット1121を油井ツリー1132Aに接続する。このようにして、システム1100は、完全に冗長であり、ルーティングユニット1120のうちのいずれか一方が故障した場合、他方が、追加の介入を伴わずに全てのエンドデバイス1130への通信に対処することができる。
【0033】
他の構成も可能である。例えば、ルーティングユニット1120の各々は、複数の光学または電気光学ケーブル入力を有し得る。加えて、第1のルーティングユニット1121がエンドデバイス1130の一部に接続され、第2のルーティングユニット1122がエンドデバイス1130の他の一部に接続される構成が採用され得る。
【0034】
図5−7に示される構成のうちのいずれかでは、ルーティングユニットまたは複数のルーティングユニットが、図4に示される海中ルーティングモジュール820に効果的に取って代わる。各ルーティングユニットは、モジュール820等の大型ルーティングモジュールより単純で、小さく、安価である。ルーティングユニットは、海中ルーティングモジュール820が行うことが可能である診断および監視の一部を行う能力を有し得るが、好ましい実施形態では、これらの機能は、より容易に監視および維持され得る水面ベースの機器に移送される。
【0035】
ここで図8および9を参照すると、それぞれ、フライングリードルーティングユニット1200ならびに1300の断面図が提供される。図8に示されるフライングリードルーティングユニット1200は、例えば、図2に示されるフライングリードハーネス600であり得る。フライングリードルーティングユニット1200は、主要本体1210と、光学接続端1260と、電気接続端1220とを備えている。主要本体1210は、一方の端部に、電気ペネトレータ1236および光学ペネトレータ1234が配置される端部キャップ1262を有する。主要本体1210の他方の端部には、電気ペネトレータ1214が配置される。主要本体内には、回路基板搭載プレート1252および回路基板1250が配置される大気領域1216がある。光学接続端1260では、電気光学ケーブル1272の光学ケーブル端末1270が、端部キャップ1212に接続し、フライングリードルーティングユニット1200を任意の好適なソースデバイスに接続する。電気ケーブル1232および光学ケーブル1236は、それぞれ、電気光学ケーブル1272と電気ペネトレータ1236との間、および電気光学ケーブル1272と光学ペネトレータ1234との間に動作接続を形成する。大気領域1216の内側で、電気ケーブル1239および光学ケーブル1238は、回路基板1250に接続する。回路基板1250は、図1に示される基板であり得る。
【0036】
基板1250から銅イーサネット(登録商標)ケーブルであり得る複数の電気接続1240は、基板1250と電気ペネトレータ1214との間に動作電気接続を形成する。電気接続端1220では、油入領域1222が、電気接続端1220内に配置され、ケーブル端末接続1246と電気ペネトレータ1214との間に圧力ならびに粒子状物質および/または流体障壁を形成する。電線1242は、ペネトレータ1214をケーブル端末接続1245に接合する。ケーブル端末1248は、ケーブル端末接続1246に接続し、フライングリードルーティングユニット1200を任意の好適なエンドデバイスに接合する。図9に示されるフライングリードルーティングユニット1300は、大気領域1304が電気端末端1302内で延びるという点で、図8に示されるルーティングユニット1200と異なる。さらに、単一の電気ペネトレータ1214の代わりに、複数の電気ペネトレータ1322が使用される。加えて、各ケーブル端末接続1310は、ケーブル端末接続内に油入領域1312を備えている。ワイヤ1320は、回路基板1324を各電気ペネトレータ1322に接続する。
【0037】
ある好ましい実施形態を参照することによって、本発明が説明されているが、多数の変更が、説明される発明の概念の精神および範囲内で行われ得ることを理解されたい。さらに、本発明は、本明細書に説明される具体的実施形態によって範囲が限定されるものではない。本明細書に説明されるものに加えて、本発明の他の種々の実施形態および修正が、前述の説明ならびに添付図面から当業者に明白となるであろうことが全体的に考慮される。したがって、そのような他の実施形態および修正は、以下の添付される請求項の範囲内に入ることを意図している。さらに、本発明は、特定の実施形態および実装ならびに用途との関連で、および特定の環境内で、本明細書に説明されているが、当業者は、その有用性がそれに限定されず、本発明は、任意の数の目的で任意の数の方法および環境において有益に適用され得ることを理解するであろう。したがって、以下に記載される請求項は、本明細書に開示されるような本発明の完全な範疇および精神を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】
2017169199000001.pdf