(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-170092(P2017-170092A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】持ち易いどんぶり
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20170901BHJP
【FI】
A47G19/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2016-76868(P2016-76868)
(22)【出願日】2016年3月22日
(71)【出願人】
【識別番号】597006975
【氏名又は名称】有限会社内山製陶所
(72)【発明者】
【氏名】内山 祐吉
【テーマコード(参考)】
3B001
【Fターム(参考)】
3B001AA04
3B001BB10
3B001CC11
3B001CC21
3B001DA02
(57)【要約】
【課題】本発明は、どんぶりに熱湯が満たされても、そのどんぶりを容易にもつことができるのである。そして、そのどんぶりの円形を維持し、ひずみをなくすことができる構造にした発明である。
【解決手段】本発明は、側面下部水平部分にハマが設置されることにより、どんぶり側面上部の外壁面が、摂氏約80℃以上になることに対し、ハマの先端部分は、摂氏約50℃ぐらいまでしか加熱されない。よって、とても持ち易くなるのである。そして、その側面に有するハマが、どんぶりの円形のひずみを解消した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
どんぶり側面下部水平部分にハマを1〜数か所つけたものを間隔を置いて特徴とし、その材質は、陶磁器製もしくは、ガラス製、シリコン製、プラスチック製、金属製、発泡スチロール製を特徴とするどんぶり。
【請求項2】
底面のハマから、側面下部水平部分にかけての傾斜面が、ひずみ止めであることを特徴とする請求項1に記載のどんぶり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陶磁器製もしくは、ガラス製、シリコン製、プラスティック製、金属製、発泡スチロール製のどんぶりについてのものである。
【0002】
本発明は、熱湯が満ちたどんぶりを、手で持ち上げても、どんぶり側面下部水平部分にハマを1〜数か所作り、ハマの先端部分に熱を伝わりにくくし、どんぶりに接する指先が、そのハマにより、熱くなりにくく指先にフィットし持ち易く、同時に、そのハマがどんぶりの重心を整え、円形のひずみをも無くする発明である。
【背景技術】
【0003】
従来のどんぶりには、側面下部水平面にはハマはついていなかった。特開平9−201266突起付どんぶりでは、斜めに傾斜したどんぶり側面に突起物をつけただけのものである。これでは、御汁が満たされた重い状態で、底面のハマにしっかりと手を添え指先に力を入れなければ、片手でどんぶりは持ち上げることができない。つまり、手の小さな子供や女性には、持ち上げる際のバランスに無理が生じるのである。
【0004】
従来、どんぶりには、陶磁器製しかなかったが、今回のどんぶりには、陶磁器製、金属製、ガラス製、シリコン製、プラスティック製、発泡スチロール製が使用できるという発明でもある。
【0005】
どんぶりの内部に熱湯が満たされた際、特開平9−201266突起付どんぶりでは、重心がとりにくく、しっかり握り込むことができない。よって、どうしても、人指し指が側面の熱い平面部分にあたってしまうのである。しかしながら、側面下部水平部分にハマが設置されることにより、どんぶり側面上部の外壁部分が、摂氏約80℃以上になることに対し、側面下部水平部分に形成されたハマの先端部分は、摂氏約50度ぐらいまでしか加熱されないので、あまり熱さを感じず、かつ、深く、指が水平部分に入り込むことにより、片手で持ち上げるバランス的にも、とても持ち易くなるのである。そして、その側面下部の水平部分に有するハマが、どんぶりの円形のひずみを解消した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−201266
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のどんぶりは、麺と御汁を入れて、冷めるのを待って、持ち上げていた。
熱湯が内部に満ちている際、熱くても持ち上げることができなかった。
このどんぶりは、このような状況でも、設置されたハマの先端が、さほど熱くない状況で、安定したバランスで、どんぶりを持ち上げることが可能である。
【0008】
従来のどんぶりは、ひずみが生じ易かったため、無水鍋には使用できなかった。
無水鍋は、下部の鍋と蓋との間で、隙間ができてはいけない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明により、どんぶりの側面下部水平面にハマをつける。
【0010】
この発明により、炊事中でも、どんぶりが、持ち易くなり、手を滑らして、破損することが少なくなった。
【発明の効果】
【0011】
この発明により、手の小さな子供や女性が、どんぶりを持ち易くなり、どんぶりの壁面が熱くなっていても、設置された側面下部の水平面のハマの部分に指を当てることで、バランスよく安定して持ち易くなった。そのことにより、麺類を食する際には、冷めてからでは、美味しくなくなることがある。この発明により、美味しいうちに食事が楽しめるのである。
【0012】
高齢者や障害者の食器としても、この発明は、従来よりも持ち易い食器として、介護食器として活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】どんぶりの側面下部水平部分にハマを設置した断面図である。
【0014】
(a) は、側面下部水平部分に設置された外側のハマである。
(b) は、側面下部水平部分に設置された内側のハマである。
(c) は、どんぶりの底面ハマから水平部分にかけての傾斜している側面である。
(d) は、どんぶり底面のハマである。(高台)
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1について説明します。
図1の方式では、(a)の側面外側ハマに指の第一関節がくいこむ。(b)の側面内側ハマに指の第一関節の先の中腹部分があたる。ハマの方向は、どんぶりの側面下部水平部分から、垂直に下方に突き出している。ハマの幅と高さは、どんぶりの形状と容量によって異なるが、3mm〜10mm程度である。
【0016】
図1(c)の傾斜部分は、底面のハマの外側から水平面に傾斜する部分で、ハマで、側面が重たくなった部分のひずみを防ぐためのものである。
【0017】
図2は、どんぶりの底面下部から見た図である。
(a) と(b)のハマの太さと位置は、どんぶりの形状と容量によって異なる。
尚、ハマの高さは、指が引っかかりやすい程度である。
【実施例】
【0018】
麺類を食する時、熱湯が、どんぶりに満たされる。そして、側面が、熱く加熱しているため、通常親指がどんぶり上部口元に添えられ、中指は、底面ハマに添えて、持ち上げられる。その際、指の負担が大きい。また、(c)に急な傾斜を有するどんぶりの場合、手の小さな子供や女性でも(a)と(b)に人差し指、中指、薬指を添えて、どんぶりを持ち上げることができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
近年、日本製のどんぶりは、USAで、日本食のラーメンブームに乗り、爆発的人気であり、日本では、生産量が追い付かない状態である。しかしながら、従来のどんぶりは、器が熱くなると持ちにくかった。この発明は、女性や子供や高齢者や障害者に持ち易さをアピールできるものである。また、側面下部水平部分にハマを有することで、どんぶりの円形を維持し、ひずみ難いことから、その特質を生かして、平たい蓋をつけ、電子レンジでの無水鍋にも使用できる。無水鍋の特質は、下部の鍋と蓋に隙間ができないことが必要不可欠であった。
【符号の説明】
【0020】
(a)は、側面下部水平部分に設置された外側ハマである。
(b)は、側面下部水平部分に設置された内側のハマである。
(c)は、どんぶりの底面ハマから水平部分にかけての傾斜している側面である。
(d)は、どんぶり底面のハマである。