特開2017-171053(P2017-171053A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-171053(P2017-171053A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/58 20060101AFI20170901BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20170901BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   B60N2/58
   A47C31/02 B
   B68G7/052 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-57793(P2016-57793)
(22)【出願日】2016年3月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000131810
【氏名又は名称】株式会社ジェイエスピー
(74)【代理人】
【識別番号】100094547
【弁理士】
【氏名又は名称】岩根 正敏
(72)【発明者】
【氏名】村田 誠志郎
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両用シートのシートパッド材として使用される熱可塑性樹脂発泡粒子成形体に、表面を覆うトリムカバーの吊り込み係止に使用されるワイヤーを、インサートすることなく簡単に後付けすることができ、低コストでしかも分解が容易なためにリサイクル性を保つことができる取り付け構造を提案すること。
【解決手段】シートパッド20は熱可塑性樹脂発泡成形体により形成されており、上記発泡成形体の裏面側に、トリムカバー50を係止するワイヤー材Wを保持する保持部23が形成されており、上記保持部によってワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に露出して保持されており、上記発泡成形体には、厚み方向に連通する貫通孔24が、上記保持部に保持されているワイヤー材に向けて形成されており、上記発泡成形体のおもて面側から貫通孔を介して、上記トリムカバーが上記ワイヤー材に吊り込み係止されている車両用シートとした。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートパッドと、該シートパッドのおもて面側を覆うトリムカバーとを備える車両用シートであって、上記シートパッドは熱可塑性樹脂発泡成形体により形成されており、上記発泡成形体の裏面側に、トリムカバーを係止するワイヤー材を保持する保持部が形成されており、上記保持部によってワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に露出して保持されており、上記発泡成形体には、厚み方向に連通する貫通孔が、上記保持部に保持されているワイヤー材に向けて形成されており、上記発泡成形体のおもて面側から貫通孔を介して、上記トリムカバーが上記ワイヤー材に吊り込み係止されていることを特徴とする、車両用シート。
【請求項2】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂から選択される樹脂からなる発泡粒子成形体であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
上記トリムカバーが、ホグリングにより上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に保持されたワイヤー材に吊り込み係止されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用シート。
【請求項4】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体の変形25%時の圧縮応力が、0.06〜0.7MPaであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シート。
【請求項5】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体の圧縮永久歪が、20%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シート。
【請求項6】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に突起が形成されており、該突起にワイヤー材の直径寸法より幅の狭いスリット部が形成されており、上記スリット部に上記ワイヤー材が挟持されることにより上記ワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体に保持されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用シート。
【請求項7】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側にワイヤー材を収納できる凹溝が形成されており、該凹溝の一部にワイヤー材の直径寸法より幅の狭いスリット部が形成されており、上記スリット部に上記ワイヤー材が挟持されることにより上記ワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の凹溝に保持されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用シート。
【請求項8】
上記シートパッドは、上記熱可塑性樹脂発泡成形体と軟質ウレタン発泡成形体とからなり、上記熱可塑性樹脂発泡成形体は発泡粒子成形体により形成され、上記発泡成形体のおもて面側に上記軟質ウレタン発泡成形体が積層されており、上記軟質ウレタン発泡成形体には上記発泡成形体の貫通孔に連通する連通孔が形成されており、上記トリムカバーがおもて面側から上記連通孔と上記貫通孔を介して、ホグリングにより上記シートパッドの裏面側に保持されたワイヤー材に連結され、上記トリムカバーがシートパッドに吊り込み係止されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関するものであり、シートパッドにトリムカバーが吊り込み係止されて取り付けられている車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用シートの座面や背もたれ部分などは、シートパッドのおもて面がトリムカバーにより被覆されて形成されている。トリムカバーをシートパッドに被覆する際には、トリムカバーの縫製部分を収納し、トリムカバーの浮きやずれを防止して、シートパッドの外面形状に密着させて見栄え良く被覆するために、トリムカバーがいわゆる吊り込み係止されてシートパッドに取り付けられている。
【0003】
例えば、吊り込み係止は、トリムカバーを支持するシートパッドの内部にワイヤー材が固定され、そのワイヤー材からシートパッドのおもて面側に向けて細長形状の吊り込み孔が形成され、この吊り込み孔の背後に固定されているワイヤー材と、トリムカバーの吊り込み部とをC形状のホグリングにより連結して、トリムカバーをシートパッドの吊り込み孔内に引き込んで固定するものが挙げられる。
【0004】
ここで、従来、上記トリムカバーの吊り込みに使用されるワイヤー材は、シートパッド材である軟質ポリウレタンフォームに、予めインサートして一体成形する方法が採用されていた。このような場合、シートパッドに一体成形されたワイヤー材に、トリムカバーの裏面に装着されたワイヤー材、或いはトリムゴムや引き布等が、ホグリング等の手段で引き込み係止して固定されていた。
また、特許文献1には、上述した方法とは異なり、ホグリングによる固定に用いるワイヤーの機能を果たすループ部が、シートパッドを支える支承ばねの一部に形成されており、ワイヤー材がポリウレタンフォームからなるシートパッドにインサートされていない技術が開示されている。
【0005】
なお、近年においては、軽量化などを目的として、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体をシートパッドやかさ上げ材として用いた構成の車両用シートも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−263933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の軟質ポリウレタンフォーム製の車両用シートと同様に、吊り込み固定用のワイヤー材を熱可塑性樹脂発泡粒子成形体にインサートして一体成形すると、内包されたワイヤー材は容易には取り外せないため、リサイクル作業が難しくなるおそれがあった。また、成形直後に冷却されて収縮する熱可塑性樹脂発泡体に、成形による寸法変化が少ない金属製のワイヤー材がインサートされ一体化されていると、収縮しようとする熱可塑性樹脂発泡体と金属製ワイヤー材が互いに抗う状態となり、その結果、発泡粒子成形体全体に反りや歪みが生じやすくなるおそれがあった。また、ワイヤー材がインサートされ一体化された発泡成形体は、ワイヤー材を容易に取り外すことが難しく、リサイクルの観点から課題を残すものであった。
【0008】
本発明は、熱可塑性樹脂発泡成形体をシートパッドとして用いる形態の車両用シートにおいて、該熱可塑性樹脂発泡成形体に、簡便で作業性が良くトリムカバーを吊り込み係止させる事が可能で、リサイクル性に優れる車両用シートを創案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明は、次の〔1〕〜〔8〕に記載した車両用シートとした。
〔1〕シートパッドと、該シートパッドのおもて面側を覆うトリムカバーとを備える車両用シートであって、上記シートパッドは熱可塑性樹脂発泡成形体により形成されており、上記発泡成形体の裏面側に、トリムカバーを係止するワイヤー材を保持する保持部が形成されており、上記保持部によってワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に露出して保持されており、上記発泡成形体には、厚み方向に連通する貫通孔が、上記保持部に保持されているワイヤー材に向けて形成されており、上記発泡成形体のおもて面側から上記貫通孔を介して、上記トリムカバーが上記ワイヤー材に吊り込み係止されていることを特徴とする、車両用シート。
〔2〕上記熱可塑性樹脂発泡成形体が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂から選択される樹脂からなる発泡粒子成形体であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の車両用シート。
〔3〕上記トリムカバーが、ホグリングにより上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に保持されたワイヤー材に吊り込み係止されていることを特徴とする、上記〔1〕または〔2〕に記載の車両用シート。
〔4〕上記熱可塑性樹脂発泡成形体の変形25%時の圧縮応力が、0.06〜0.7MPaであることを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の車両用シート。
〔5〕上記熱可塑性樹脂発泡成形体の圧縮永久歪が、20%以下であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の車両用シート。
〔6〕上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に突起が形成されており、該突起にワイヤー材の直径より幅の狭いスリット部が形成されており、上記スリット部に上記ワイヤー材が挟持されることにより上記ワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体に保持されていることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の車両用シート。
〔7〕上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側にワイヤー材を収納できる凹溝が形成されており、該凹溝の一部にワイヤー材の直径寸法より幅の狭いスリット部が形成されており、上記スリット部に上記ワイヤー材が挟持されることにより上記ワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の凹溝に保持されていることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の車両用シート。
〔8〕上記シートパッドは、上記熱可塑性樹脂発泡成形体と軟質ウレタン発泡成形体とからなり、上記熱可塑性樹脂発泡成形体は発泡粒子成形体により形成され、上記発泡成形体のおもて面側に上記軟質ウレタン発泡成形体が積層されており、上記軟質ウレタン発泡成形体には上記発泡成形体の貫通孔に連通する連通孔が形成されており、上記トリムカバーがおもて面側から上記連通孔と上記貫通孔を介して、ホグリングにより上記シートパッドの裏面側に保持されたワイヤー材に連結され、上記トリムカバーがシートパッドに吊り込み係止されていることを特徴とする、上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の車両用シート。
【発明の効果】
【0010】
上記した本発明に係る車両用シートによれば、上記熱可塑性樹脂発泡成形体に厚み方向に連通する貫通孔が形成されていると共に、上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側にトリムカバーを吊り込み係止するためのワイヤー材の保持部が形成されており、ここにワイヤーが保持されている。また、上記発泡粒子成形体のおもて面側から貫通孔を介して、上記トリムカバーが上記ワイヤー材に吊り込み係止されている。上記構成により従来構造のようにワイヤー材をインサートする必要がなく、簡便で作業性が良く、トリムカバーをシートパッドに吊り込み係止させる事が可能である。更に、使用後の分別が容易であり、リサイクル性に優れる車両用シートを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両用シートの一例を示した斜視図である。
図2】熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッドの裏面側に形成したワイヤーの保持部の一実施形態を示した概念的な斜視図である。
図3図2のA−A線に沿う部分の一部を拡大して示した断面図である。
図4図2のA−A線に沿う部分の変形例を示した断面図である。
図5】熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッドの裏面側に形成したワイヤーの保持部の他の実施形態を示した概念的な斜視図である。
図6図5のB−B線に沿う部分の一部を拡大して示した断面図である。
図7】熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッドの裏面側に形成したワイヤーの保持部の更に他の実施形態を示した概念的な斜視図である。
図8図7のC−C線に沿う部分の一部を拡大して示した断面図である。
図9図5のワイヤー保持部の実施形態を採用した場合のトリムカバーの吊り込み係止構造の一例を示した、図5のD−D線に沿う部分に相当する部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車両用シートの実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
車両用シート1の一例として、図1に示すように、乗員の着座部となるシートクッション2と、背もたれとなるシートバック3とを備えている。シートバック3の上部には、乗員の頭部を支持するヘッドレスト4が設けられている。シートクッション2やシートバック3は、シートパッドのおもて面がトリムカバーにより被覆されて形成されている。また、シートパッドには、一般的に強度保持のためのフレームが内包されている。トリムカバーをシートパッドに被覆する場合、トリムカバーをシートパッドの外表面形状に沿って張設被覆するために、いわゆる吊り込み係止がなされており、上記トリムカバーを上記ワイヤー材に吊り込むことにより上記トリムカバーがシートパッドに係止されている。ここで、シートパッドを構成する熱可塑性樹脂発泡成形体は、トリムカバーが被覆されて人体が接する側をおもて面側とし、該おもて面に対向する側の面を裏面とする。なお、本発明の構成は、上記車両用シート1の少なくとも一部分に採用されていれば良い。
【0014】
本発明においては、上記シートパッドを構成する材料として、熱可塑性樹脂発泡成形体が少なくとも用いられている。特に、シートパッドの裏面側が上記発泡粒子成形体により形成されていると、トリムカバーとワイヤー材との係止状態が良好となるので好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、成形体を加熱することによって再び樹脂原料として再利用できるマテリアルリサイクルが可能な原料である。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂などの汎用樹脂、ゴム変性ポリスチレンおよびポリスチレン等のスチレン系樹脂、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂などが例示され、これらの中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂(特に、ポリオレフィン系樹脂中にスチレン単量体を含浸重合してなる複合樹脂)から選択される樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂が更に好ましい。
【0015】
上記熱可塑性樹脂発泡成形体としては、押出発泡体、発泡粒子成形体などを挙げることができるが、これらの中でも、比較的自由な形状に成形が可能である発泡粒子成形体を用いることが好ましい。また、これらの中でも、独立気泡構造を有するポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体がより好ましい。
【0016】
従来、車両用シートは、シートパッド材として連続気泡構造を有する、軟質なポリウレタンフォーム(例えば、JIS K6401に示される耐荷重用軟質ポリウレタンフォーム)が長らく使用されていた。軟質ポリウレタンフォームをシートパッド材として用いる場合には、軟質ポリウレタンフォームにワイヤー材をインサートして成形し、該ワイヤー材の周囲を軟質ポリウレタンフォームで包み込むことによって固定し、このインサートされたワイヤー材にホグリングなどによりトリムカバーを取り付けて固定していた。
【0017】
本発明者らは、熱可塑性樹脂発泡成形体をシートパット材として使用する際に、熱可塑性樹脂発泡成形体が軟質ポリウレタンフォームに比べてワイヤーを定位置に留まらせる充分な剛性があることに着目し、ワイヤーをインサート成形しなくても、トリムカバーを固定する構造を創案した。
【0018】
なお、上記観点から、本発明において用いる熱可塑性樹脂発泡成形体は、その変形25%時の圧縮応力が0.06〜0.7MPaであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.6MPaであり、特に好ましくは0.1〜0.3MPaである。
変形25%時の圧縮応力の下限が0.06MPa以上であれば、保持部へのワイヤーの挿し込みが容易であると共に、輸送中、或いはトリムカバー吊り込み作業中に、容易にワイヤーがずれたり脱落することがなく、ワイヤーの保持力に優れたものとなる。一方、変形25%時の圧縮応力の上限が0.7MPa以下であれば、ワイヤー保持部の幅をワイヤーよりもわずかに小さくしてスリット部を形成し、このスリット部にワイヤーを挿し挟んだ場合でも、必要以上に大きな力でワイヤーを押し込まなければならないというようなことがなく、ワイヤーの挿し込み作業に非常に容易となる。
なお、変形25%時の圧縮応力は、JIS K 7220−1(2006)に準拠して測定することができる
【0019】
また、熱可塑性樹脂発泡成形体の圧縮永久歪は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、12%以下であることが特に好ましい。
上記圧縮永久歪が20%以下であれば、熱可塑性樹脂発泡体は弾性を有し、復元性に優れたものとなる。また、ワイヤーを熱可塑性樹脂発泡成形体に形成されたスリット部に挿し込んだ際には、熱可塑性樹脂発泡成形体が復元して充分にワイヤーを保持することができる。なお、ワイヤーに併せて、熱可塑性樹脂発泡成形体に非常に高精度の加工を施さなくても、ワイヤーを上記スリット部に容易に挿し込むことができ、更にワイヤーの保持力にも優れたものとなる。
なお、圧縮永久歪は、JIS K 6767(1999)に準拠して測定することができる。
【0020】
また、前記発泡成形体の見掛け密度は、0.015g/cm3〜0.2g/cm3であることが好ましく、0.020g/cm3〜0.15g/cm3であることがより好ましい。
上記範囲内であれば、ワイヤーを保持する十分な剛性を備える。また、上記見かけ密度の発泡成形体を用いることにより、従来使用されてきた軟質ウレタンフォームのシートパッドに比べて、シートパッドを更に軽量化することができる。
なお、見掛け密度は、発泡成形体の重量(g)を、水没法から得られる発泡成形体の体積(cm3)で除して得るものとする。また、前記水没法では、発泡成形体を23℃の雰囲気温度下に24時間おいた後に、該発泡成形体を23℃の水に沈めて体積を測定するものとする。
【0021】
本発明の車両用シートは、上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側にワイヤーの保持部が形成され、該保持部によってワイヤーが上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に露出して保持されている。また、本発明においては、トリムカバー固定用のワイヤー材がインサート成形されず、後工程で取り付けされるので、ワイヤー材は上記発泡成形体の裏面側から露出して保持される。そして、上記熱可塑性樹脂発泡成形体のおもて面側から裏面側に連通する貫通孔を介して、上記トリムカバーが上記シートパッドの裏面側に保持されたワイヤーと連結されている。なお、前記ワイヤー材(単にワイヤーと記すことがある)としては、棒状、線状、管状等の、金属製または樹脂製のワイヤーを用いることが好ましく、上記ワイヤー材の直径は、1〜8mmであることが好ましく、1.5〜5mmであることがより好ましい。
一方、従来の、シートパッド用として用いられる軟質ウレタンフォームは、JIS K6401(1997)における25%硬度が150〜280N程度のものであり、上記のような構成にしても、軟質ウレタンフォームがワイヤーを保持できる剛性を有していないので、トリムカバーを固定化することは難しい。本発明においては、熱可塑性樹脂発泡成形体がワイヤーを保持するのに十分な剛性を有しているので、熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側にワイヤーを保持させ、熱可塑性樹脂発泡成形体の貫通孔を通して、トリムカバーとワイヤーを連結させると共に熱可塑性樹脂発泡成形体を挟み込むことで、トリムカバーの固定が可能となることを見出したものである。
なお、上記のような構成にすることによって、特許文献1のようにトリムカバーの固定位置を支承バネの位置に合せる必要がないため、車両用シートのデザインに合わせて、ワイヤーの位置を比較的自由に配置することができる。
【0022】
本発明においては、シートパッドを構成する熱可塑性樹脂発泡成形体には、厚み方向に連通する貫通孔が形成されていると共に、裏面側にワイヤーの保持部が形成されている。具体的には、上記貫通孔は、シートパッドの厚み方向に向けて開口しており、おもて面側の開口部からトリムカバーに設けたワイヤー、フック等の固定部材を引き込み、熱可塑性樹脂発泡体の裏面側に保持されたワイヤーと、ホグリング或いはフック等の機械的固定手段によって係止し連結する。なお、発泡成形体に保持されているワイヤーとトリムカバーの固定部材とを連結させるために、貫通孔は、該ワイヤーが保持されている位置に形成されていることが好ましく、少なくとも貫通孔の裏面側開口部分の一部がワイヤーに接するように形成されていることが好ましい。
【0023】
上記したワイヤーを保持する保持部は、シートパッドを構成する熱可塑性樹脂発泡粒子成形体裏面側に設けられる。そして、ワイヤーは、発泡成形体の裏面側に設けられた保持部によって固定されている。なお、この際、ワイヤーは、発泡成形体の裏面側に露出して保持されているので、リサイクルの際には容易に取り外すことができる。
【0024】
具体的には、上記保持部には、熱可塑性樹脂発泡成形体に突起を設け、該突起にワイヤーの直径寸法より幅の狭いスリット部を設けることにより構成してもよく、或いは熱可塑性樹脂発泡成形体にワイヤーを収納する凹溝を設け、該凹溝の適所にワイヤーの直径寸法より幅の狭いスリット部を形成することにより構成してもよい。また、上記の凹溝部は、必ずしも直線形状である必要はなく、加工されたワイヤーやトリムカバーの形状に合わせた、屈曲形状や曲線状でも良い。
【0025】
上記保持部は、熱可塑性樹脂発泡成形体が成形される際に、金型内で形成されても良いし、発泡粒子成形体を成形した後に、機械加工等によって形成されても良い。
また、ワイヤーは保持部に形成されたスリット部の側壁に挟まれて保持され、スリット部に挟持されることによって保持固定される。この際、ワイヤーをスリット部に挿し挟んで挟挿する時に一時的に発泡成形体が圧縮、変形され、挟挿後にはスリット部周囲の発泡成形体が復元することによってワイヤーが保持される。その後、トリムカバー裏面に装着されたワイヤーやトリムゴム、引き布等の固定部材を、シートパッドの裏面側に設置されたワイヤーに、フック、或いはホグリング等の手段で引き込み固定する。なお、トリムカバー固定用ワイヤーはトリムカバー側へ押し付けられて係止されるため、乗員の着座による外力などが加えられても脱落することはなく強固に固定される。
【0026】
使用する熱可塑性樹脂発泡成形体の材料が上記した弾性が高く、復元力に優れた熱可塑性樹脂発泡成形体である場合には、スリット部にワイヤーを挿し挟んで挟挿する際に、一時的な圧縮を受けてスリット部の幅が広がっても、その後挟挿以前の幅へ復元し、ワイヤーを所定位置で保持するに十分な固定力を発揮することができる。なお、トリムカバーが固定される前の段階においては、ワイヤーが輸送時や、トリムカバー吊り込み作業中等に容易に移動、脱落しない程度に保持されていれば良い。上記スリットの幅は、挿し込まれるワイヤーの直径よりも小さく設定されることが好ましく、ワイヤーの直径よりも0.5mm小さい幅から、ワイヤーの直径の40%程度の幅であることが好ましい。
【0027】
一方、軟質ポリウレタンフォームなどの材料では、本発明の構成とし、ワイヤーをスリットに挿し込んだ際に、挟挿前のスリット幅へ直ちに軟質ポリウレタンフォームが復元したとしても、材料剛性に劣るためワイヤーを固定することが困難となるおそれがある。上記の固定力の観点からは、熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂を使用した場合には、一旦挿し込まれたワイヤーを引き抜くために要する力が、ワイヤーを挟挿するために要した力に近くなり、輸送中や吊り込み作業中に容易にワイヤーが移動したり、脱落したりすることが更に抑制される。
【0028】
具体的には、ポリオレフィン系樹脂発泡体、ポリスチレン系樹脂発泡体、硬質ウレタンフォームについてそれぞれ、発泡成形体の表面に長さ90mm、幅1mm、深さ1mmのスリット部を形成し、このスリット部に、直径2mmのワイヤーを挿入して、挿入に要した力と引き抜きに要した力をプッシュプルゲージで測定したところ、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体(密度0.032g/cm3)では挿入力22N、引抜力18Nであり、ポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体(密度0.020g/cm3)では挿入力28N、引抜力13Nであり、硬質ウレタンフォーム(密度0.042g/cm3)では 挿入力37N、引抜力19Nであった。
上記の結果から、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体は、適度な剛性と復元性、柔軟性を有するので、スリット部の形成に最適であり、挿入力と引抜力との差が小さく、取り付け作業が容易で作業性に優れると共に、取り付け後の物性にも優れることが分かる。
【0029】
また、上記発泡成形体としては、特に、見かけ密度が0.02g/cm3〜0.2g/cm3であるポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子成形体は、見かけ密度が上記範囲内であれば、適度な弾性を有するのでワイヤーの係止性にも優れたものとなる。また、トリムカバーをホグリングなどによりワイヤーに吊り込み係止させた際には、従来使用されていた軟質ウレタンに比べて適度な剛性を有するので、ワイヤーが発泡成形体に沈み込んだりすることなく固定することができ、トリムカバーを良好に吊り込み係止できる。更に、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体は、独立気泡構造を有しており適度な復元性も有するので、吊り込み係止している箇所に局部的に力がかかり、外力によって発泡粒子成形体が凹んでしまったりしても、発泡粒子成形体が復元することで元どおりの吊り込み係止を形成でき、トリムカバーの吊り込みが弛んでしまったりすることが防止される。また、スリット部のワイヤーの保持も良好となる。上記観点から、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の見かけ密度は0.025〜0.1g/cm3であることがより好ましく、0.03〜0.08g/cm3であることが更に好ましい。また、上記観点から、上記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体の圧縮弾性率が1MPa以上20MPa以下であることが好ましく、2MPa以上15MPa以下であることがより好ましく、3MPa以上10MPa以下であることが更に好ましい。
なお、上記圧縮弾性率は、発泡成形体から縦50mm、横50mm、厚み50mmの試験片を切出し、該試験片を用いてJIS K 7220(2006年)に準じて圧縮試験を行うことによって得られる。
【0030】
本発明においては、上記シートパットが熱可塑性樹脂発泡成形体からなる場合だけでなく、上記シートパットが上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体と軟質ウレタン樹脂発泡成形体とからなる場合も含まれ、少なくとも最裏面側が熱可塑性樹脂発泡成形体で構成されていれば、他の部材を積層してシートパッドを形成することができる。上記シートパットが上記熱可塑性樹脂発泡成形体と軟質ウレタン発泡成形体とからなる場合には、上記軟質ウレタン発泡成形体がおもて面側に積層されており、上記軟質ウレタン発泡成形体には上記発泡粒子成形体の貫通孔に連通する連通孔が形成されており、上記シートパッドのおもて面側から、上記連通孔と上記貫通孔を介して、上記トリムカバーがホグリングにより上記シートパッドの裏面側に保持されたワイヤーに連結され、上記トリムカバーがシートパッドの裏面側のワイヤーに吊り込み係止されている。上記の構造とすることにより、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体と軟質ウレタン発泡成形体とを組み合わせてシートパッドを形成した場合であっても、ホグリングによるトリムカバーの固定を同様にして行うことができる。このような場合には、従来使用されてきた軟質ウレタンフォームに対して、熱可塑性樹脂発泡成形体が軽量であるので、シートパッドを更に軽量化することができる。
【0031】
図2は、熱可塑性樹脂発泡成形体に形成したワイヤーの保持部の具体的な実施形態を示した概念的な斜視図である。
この実施形態においては、熱可塑性樹脂発泡成形体からなるシートパッド10の裏面側(トリムカバーで覆われる側と反対側)に、突起11を設けている。該突起11には、熱可塑性樹脂発泡成形体の貫通孔の方向と直交する方向にワイヤーWの直径寸法より幅の狭いスリット部12を設けた構造の保持部13を設けている。熱可塑性樹脂発泡成形体の成形にあたっては、図2の上下方向が型開き方向となるため、この場合、図3図4に示したように、スリット部12の下方に貫通部14を設ければ、二次加工することなく通常の成形だけでスリット部12を形成することができる。なお、図2中15は、シートパッド10の厚み方向に連通する貫通孔である。16は、シートパッド10のおもて面側に形成されたトリムカバーの引き込み溝である。
【0032】
上記突起11に形成されたスリット部12を用いてワイヤーWを保持させるためには、ワイヤーWを横方向からスリット部12へ挟挿する。作業上は突起11の熱可塑性樹脂発泡成形体本体との連結部がワイヤーのストッパーとなるが、連結部以外でもスリット内の任意の場所でワイヤーを固定することができる。また、図2の形態でワイヤーWを保持させる場合、スリット部12を形成している上部の熱可塑性樹脂発泡成形体の厚みは、スリット部12の幅と共にワイヤーの固定力を左右する一要因となるが、本発明で用いられる熱可塑性樹脂発泡体の一般的な成形性を鑑みれば、該厚みが5mmを超えるものであれば、十分な固定力を発揮できるものとなる。
【0033】
なお、図2では、突起11の形状は立方体であるが、半円柱形、半球形、或いは熱可塑性樹脂発泡成形体からなるシートパッド10が相対する別部品の形状に従って定められた異形状であってもよい。また、スリット部12の幅は、スリット全体にわたって同一である必要はなく、例えば図4に示したように、ワイヤーWを挿し込む際、侵入側となるスリットの幅を広げてワイヤーを挟みやすくすることも可能である。更に、スリット部12の開口部の方向は、シート上に着座した乗員により加えられる水平方向の外力の方向を考慮して決定することが望ましく、またワイヤーWを固定するためスリット部12を有する複数の突起11を設ける場合には、スリット部12の開口部の方向を交互に設ければ、より効果的に輸送中或いは吊り込み作業中のワイヤーの脱落も防止することができるものとなる。
【0034】
図5図6は、熱可塑性樹脂発泡成形体に形成したワイヤーの保持部の具体的な他の実施形態を示した図である。
この実施形態においては、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッド20の裏面側に、突起21を設け、該突起21に熱可塑性樹脂発泡成形体の貫通孔と同方向にワイヤーWの直径寸法より幅の狭いスリット部22を設け、ワイヤーWの保持部23を構成したものである。なお、図5中24は、シートパッド20の厚み方向に連通する貫通孔である。25は、シートパッド20のおもて面側に形成されたトリムカバーの引き込み溝である。
【0035】
この実施形態においては、ワイヤーWを垂直方向に挿し込むことができるので、ワイヤーWにクランク状の屈曲部Waがある場合でも、その挟挿作業が容易である。ワイヤーWが保持されるスリット部22の左右に十分な厚みの熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の突起部があれば、吊り込み作業時に加えられる外力に対しても十分な固定力を発揮することができる。
【0036】
図6は、形成したスリット部22のワイヤー保持位置に、略ワイヤーの断面形状に形成した拡張空間部26を示す。この構造の場合、ワイヤーWの挟挿時に、ワイヤーが固定位置に達する手ごたえ(クリック感)があるため、作業の確実性を高めることができる。本発明で使用される熱可塑性樹脂発泡成形体であれば、弾性と復元性に優れているため、特別な金型構造或いは二次加工を施すことなく、通常の成形で上記した拡張空間部26をスリット部22に形成することができる。
【0037】
図7図8は、熱可塑性樹脂発泡成形体に形成したワイヤーの保持部の具体的な更に他の実施形態を示した図である。
この実施形態においては、熱可塑性樹脂発泡成形体からなるシートパッド30の裏面側に、ワイヤーWを収納する凹溝31を設け、その凹溝31の任意の位置に、ワイヤー固定用となるワイヤーWの直径寸法より幅の狭いスリット部32を設けた構造の保持部33である。この構造の場合、熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に突出部がないので、部品全体をコンパクトにすることができる。上記の場合であっても、上記保持部によってワイヤー材が上記熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側に露出して保持されている。なお、図7中34は、シートパッド30の厚み方向に連通する貫通孔である。35は、シートパッド30のおもて面側に形成されたトリムカバーの引き込み溝である。
【0038】
上記した種々の構造の保持部に保持されるトリムカバーの固定用ワイヤーWは、金属製または樹脂製のワイヤーであって、トリムカバーの吊り込み係止に必要な曲げ剛性と弾性を備えたものである。また、該ワイヤーWは、直線状、或いはトリムカバーを収納する熱可塑性樹脂発泡成形体に形成された吊り込み溝の形状に合せた曲線状、或いはホグリング作業を容易にするためにワイヤーの一部にクランク状の屈曲部Waを設け、トリムカバーに近い位置でホグリング作業を可能にした形状などであってもよい。
【0039】
熱可塑性樹脂発泡成形体の裏面側において、上記した種々の構造の保持部によって保持されたワイヤーWは、トリムカバーの吊り込み係止に利用され、トリムカバーが、熱可塑性樹脂発泡成形体からなるシートパッドの外表面形状に沿って、形状的に整合されて張設被覆される。
【0040】
図9は、図5のワイヤー保持部の実施形態を採用した場合のトリムカバーの吊り込み係止構造の一例を示した、図5のD−D線に沿う部分に相当する部分の断面図である。
図に示すように、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体20の裏面側に形成された保持部23によって保持されたワイヤーWは、そのクランク状の屈曲部Waを該熱可塑性樹脂発泡粒子成形体20の厚み方向に連通する貫通孔24に挿入された状態で保持されている。一方、トリムカバー50の吊り込み部51にもワイヤーYが取り付けられており、該トリムカバー50の吊り込み部51は、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の表面側に形成された引き込み溝25内に引き込まれた状態とされている。そして、トリムカバー50側に取り付けられたワイヤーYと、シートパッド20側に保持されたワイヤーWとがホグリングPにより係止され、トリムカバー50が、シートパッド20のおもて面側に吊り込み係止されている。ホグリングPによるワイヤーW,Y同士の支持箇所は、吊り込み溝25内において所定間隔を置いて複数個設定されている。この支持箇所の所定間隔は、トリムカバー50のシートパッド20の該おもて面への張設状態を考慮して適宜設定される。なお、ホグリングPはC形状に形成されており、ホグリング取り付け工具としてのホグリンガーを用い、シートパッド20の厚み方向に連通する貫通孔24を利用して、ホグリングPによるワイヤーW,Yの固定が行なわれる。
【0041】
以上、本発明に係る車両用シートの実施形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変更を加えた実施形態とすることが可能であることは当然である。例えば、上記実施形態においては、車両用シートのシートパッド材として熱可塑性樹脂発泡成形体が使用され、該熱可塑性樹脂発泡粒子成形体にトリムカバーの引き込み溝が形成されている実施形態を説明したが、熱可塑性樹脂発泡成形体は少なくともシートパッドの裏面側に形成されており、本発明の構成を備えていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る車両用シートは、軽量化、リサイクル性の向上を図ることができ、産業上の利用可能性は非常に高い。
【符号の説明】
【0043】
1 車両用シート
2 シートクッション
3 シートバック
4 ヘッドレスト
10 熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッド
11 突起
12 スリット部
13 保持部
14 貫通部
15 貫通孔
16 トリムカバーの引き込み溝
20 熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッド
21 突起
22 スリット部
23 保持部
24 貫通孔
25 トリムカバーの引き込み溝
26 拡張空間部
30 熱可塑性樹脂発泡粒子成形体からなるシートパッド
31 凹溝
32 スリット部
33 保持部
34 貫通孔
35 トリムカバーの引き込み溝
50 トリムカバー
51 トリムカバーの吊り込み部
W ワイヤー
Wa ワイヤーのクランク状の屈曲部
Y トリムカバー側のワイヤー
P ホグリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9