特開2017-171145(P2017-171145A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ホンダアクセスの特許一覧

<>
  • 特開2017171145-車輪用装飾部材の取付構造 図000003
  • 特開2017171145-車輪用装飾部材の取付構造 図000004
  • 特開2017171145-車輪用装飾部材の取付構造 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-171145(P2017-171145A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】車輪用装飾部材の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/32 20060101AFI20170901BHJP
   F16D 65/00 20060101ALI20170901BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   B60Q1/32
   F16D65/00 A
   B60Q1/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-59986(P2016-59986)
(22)【出願日】2016年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】田村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】今 哲宏
(72)【発明者】
【氏名】日座 和重
(72)【発明者】
【氏名】中村 文香
【テーマコード(参考)】
3J058
3K339
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA62
3J058BA32
3J058BA46
3J058BA80
3J058DE08
3J058FA06
3K339AA33
3K339BA04
3K339BA12
3K339BA13
3K339BA18
3K339CA23
3K339DA01
3K339FA20
3K339GA01
3K339GB15
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC06
3K339HA01
3K339MC65
(57)【要約】
【課題】熱の影響が小さな車輪用装飾部材の取付構造を提供すること。
【解決手段】車体に固定されたナックル(11)は、車輪(12)と、この車輪(12)と共に回転可能なブレーキディスク(13)と、このブレーキディスク(13)の回転を制動するキャリパ(14)と、このキャリパ(14)に隣接し車幅中央側への水の浸入を抑制するスプラッシュガード(15)と、を支持している。ブレーキディスク(13)の外周、且つ、キャリパ(14)を避けた部位に略C字状に配置され、点灯することにより車輪(12)を装飾する車輪用装飾部材(20)を有している。車輪用装飾部材(20)は、スプラッシュガード(15)に固定された複数のステー(16,17)によって支持されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、この車輪と共に回転可能なブレーキディスクと、このブレーキディスクの回転を制動するキャリパと、このキャリパに隣接し車幅中央側への水の浸入を抑制するスプラッシュガードと、がナックルによって支持され、
前記ブレーキディスクの外周、且つ、前記キャリパを避けた部位に略C字状に配置され、点灯することにより前記車輪を装飾する車輪用装飾部材を有し、
前記車輪用装飾部材は、前記スプラッシュガードに固定された複数のステーによって支持されていることを特徴とする車輪用装飾部材の取付構造。
【請求項2】
前記複数のステーのうち少なくとも1つの前記ステーは、前記車輪の回転軸を基準として、前記キャリパに対向した部位に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車輪用装飾部材の取付構造。
【請求項3】
前記車輪用装飾部材は、点灯可能な点灯部と、この点灯部を囲い前記点灯部が発した光を拡散させる光拡散部と、を有し、
前記光拡散部は、前記点灯部に重なると共に車幅外側に向かって半円状に膨出し、内部が空洞状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車輪用装飾部材の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯することにより車輪を装飾する車輪用装飾部材の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の車両は、車輪を装飾するための車両用装飾部材を有している。車両用装飾部材は、点灯することにより車輪を装飾する。このような車輪用装飾部材に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、車両用装飾部材は、略C字状を呈すると共に、両端に固定された2つのステーによって支持されている。2つのステーは、それぞれ、キャリパと共に共締めされて固定されている。
【0004】
ところで、キャリパは、ブレーキディスクの回転を制動する部材であり、ブレーキディスクとの摩擦熱により高温になる。特許文献1による車両用装飾部材は、高温になる部材と共に共締めされているため、熱の影響を受けやすいものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3421679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、熱の影響が小さな車輪用装飾部材の取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1による発明によれば、車輪と、この車輪と共に回転可能なブレーキディスクと、このブレーキディスクの回転を制動するキャリパと、このキャリパに隣接し車幅中央側への水の浸入を抑制するスプラッシュガードと、がナックルによって支持され、
前記ブレーキディスクの外周、且つ、前記キャリパを避けた部位に略C字状に配置され、点灯することにより前記車輪を装飾する車輪用装飾部材を有し、
前記車輪用装飾部材は、前記スプラッシュガードに固定された複数のステーによって支持されていることを特徴とする車輪用装飾部材の取付構造が提供される。
【0008】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記複数のステーのうち少なくとも1つの前記ステーは、前記車輪の回転軸を基準として、前記キャリパに対向した部位に配置されている。
【0009】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記車輪用装飾部材は、点灯可能な点灯部と、この点灯部を囲い前記点灯部が発した光を拡散させる光拡散部と、を有し、
前記光拡散部は、前記点灯部に重なると共に車幅外側に向かって半円状に膨出し、内部が空洞状に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明では、車輪用装飾部材は、スプラッシュガードに固定された複数のステーによって支持されている。車両が走行し停止する際には、キャリパは、ブレーキディスクの回転を制動する。キャリパは、ブレーキディスクとの摩擦熱により高温になる。一方、スプラッシュガードは、車両の走行中に温度が変化する部品ではない。このような部位にステーを固定し、ステーによって車輪用装飾部材を支持している。これにより、車両が走行することにより発生する熱から受ける影響を抑制することができる。
【0011】
スプラッシュガードは、例えば、車輪によって路面から跳ねられた水が車幅中央側へ浸入することを抑制する。このため、より広い範囲に亘って設けられる。このような部材によって車輪用装飾部材が支持されているため、ステーは、広い範囲に多数設けることができる。これにより、車輪用装飾部材の支持剛性を高めることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、複数のステーのうち少なくとも1つのステーは、車輪の回転軸を基準として、キャリパに対向した部位に配置されている。即ち、車両の走行中に高温となるキャリパに対して、最も遠い位置に少なくとも1つのステーが配置されている。キャリパから遠い位置に配置することによって、より熱から受ける影響を抑制することができる。
【0013】
請求項3に係る発明では、光拡散部は、点灯部に重なると共に車幅外側に向かって半円状に膨出し、内部が空洞状に形成されている。これにより、点灯部が発した光をより拡散することができる。光を拡散させることにより、車輪用装飾部材の全体を連続して光らせ、高い意匠性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例による車輪用装飾部材の取付構造が採用された車輪の側面図である。
図2図1の2矢視図である。
図3図1の3−3線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Ceは車幅中央、Ouは車幅外方、Upは上、Dwは下を示している。
<実施例>
【0016】
図1及び図2を参照する。図1には、四輪車の右前輪としての車輪12が示されている。車輪12は、車幅中央から車幅外側を見た状態によって示されている。
【0017】
車体に固定されたナックル11には、車輪12と、この車輪12と共に回転可能な円盤状のブレーキディスク13と、このブレーキディスク13の回転を制動するキャリパ14と、このキャリパ14に隣接し車幅中央側への水の浸入を抑制するスプラッシュガード15と、が取り付けられている。
【0018】
ナックル11、キャリパ14、スプラッシュガード15は、回転しない。車輪12、ブレーキディスク13は、回転軸CLを中心に回転する。
【0019】
車両の走行中に、乗員がブレーキペダルを踏むと、キャリパ14が作動し、回転しているブレーキディスク13を制動する。これにより、車両は、停止する。
【0020】
スプラッシュガード15は、キャリパ14の両端を繋ぐ略扇形状を呈している。スプラッシュガード15には、4つのステー16,17が固定されている。4つのステー16,17のうち、2つのステー17は、車輪12の回転軸CLを基準として、キャリパ14に対向した部位に配置されている。即ち、ステー17から回転軸CLに向かって延びる線L1は、回転軸CLを超えた位置においてキャリパ14に接触する。スプラッシュガード15は、他の部品を避けるように凹凸状に形成された凹凸形状部15aを含む。
【0021】
凹凸形状部15aにもステー16が取り付けられている。凹凸状に形成された凹凸形状部15aは、他の部位に比べて強度が高い。少なくとも一部のステー16は、このような強度の高い部位に取り付けられている。
【0022】
ステー16,17は、車輪12を装飾する車輪用装飾部材20を支持している。車輪用装飾部材20は、例えば、イグニッションスイッチがオンにされることにより点灯する電飾部品である。車輪用装飾部材20は、ブレーキディスク13の外周に配置されている。
【0023】
図3を参照する。ステー17は、スプラッシュガード15の車外側の面に溶接されたナット18と、このナット18に螺合されたボルト19と、によってスプラッシュガード15に固定されている。ステー17は、略J字状を呈し、スプラッシュガード15に当接すると共に外周に向かって延びる第1辺部17aと、この第1辺部17aから車外側に向かって延びる第2辺部17bと、この第2辺部17bの車外側の先端から第1辺部17aに沿って曲げられた第3辺部17cと、からなる。第3辺部17cの車外側の面には、車輪用装飾部材20が貼り付けられている。
【0024】
ステー16(図1参照)についても構成は同様であり、詳細な説明は省略する。
【0025】
車輪用装飾部材20は、第3辺部17cに貼り付けられたクリップ21と、このクリップ21に固定されたシリコン製の装飾部材本体部30と、この装飾部材本体部30の内部に配置され装飾部材本体部30の形状を保持する形状保持部材23と、この形状保持部材23の上部に載せられ点灯可能な点灯部24と、を有する。
【0026】
装飾部材本体部30、形状保持部材23、及び、点灯部24は、ブレーキディスク13の外周に沿って略C字状に配置されている。クリップ21は、断続的にそれぞれのステー16,17第3辺部17cに固定されている。
【0027】
装飾部材本体部30は、クリップ21に差し込まれた脚部31と、この脚部31に一体的に形成され点灯部24が発した光を拡散させる光拡散部32と、からなる。
【0028】
光拡散部32は、点灯部24に重なると共に車幅外側に向かって半円筒状に膨出し、内部が空洞状に形成されている。
【0029】
形状保持部材23は、例えば、金属製の薄板によって構成される。
【0030】
点灯部24は、例えば、テープ上に複数のLEDが配置されてなる。
【0031】
以上に説明した本発明は、以下の効果を奏する。
【0032】
図1を参照する。車輪用装飾部材20は、スプラッシュガード15に固定された複数のステー16,17によって支持されている。車両が走行し停止する際には、キャリパ14は、ブレーキディスク13の回転を制動する。キャリパ14は、ブレーキディスク13との摩擦熱により高温になる。一方、スプラッシュガード15は、車両の走行中に温度が変化する部品ではない。このような部位にステー16,17を固定し、ステー16,17によって車輪用装飾部材20を支持している。これにより、車両が走行することにより発生する熱から受ける影響を抑制することができる。
【0033】
スプラッシュガード15は、例えば、車輪12によって路面から跳ねられた水が車幅中央側へ浸入することを抑制する。このため、より広い範囲に亘って設けられる。このような部材によって車輪用装飾部材20が支持されているため、ステー16,17は、広い範囲に多数設けることができる。これにより、車輪用装飾部材20の支持剛性を高めることができる。
【0034】
さらに、複数のステーのうち少なくとも1つのステー17は、車輪12の回転軸CLを基準として、キャリパ14に対向した部位に配置されている。即ち、車両の走行中に高温となるキャリパ14に対して、最も遠い位置に少なくとも1つのステー17が配置されている。キャリパ14から遠い位置に配置することによって、より熱から受ける影響を抑制することができる。
【0035】
図3を参照する。点灯部24が発した光を拡散させる光拡散部32は、点灯部24に重なっていると共に、車幅外側に向かって半円状に膨出し、膨出した部位の内部が空洞状に形成されている。これにより、点灯部24が発した光をより拡散することができる。光を拡散させることにより、車輪用装飾部材20の全体を連続して光らせ、高い意匠性を得ることができる。
【0036】
車輪用装飾部材20は、スプラッシュガード15よりも車幅外方に位置すると共に、スプラッシュガード15の外周の縁に重なっている。車輪用装飾部材20によって、スプラッシュガード15の縁を覆うことができ、意匠性を高めることができる。
【0037】
尚、本発明による車輪用装飾部材の取付構造は、実施の形態では四輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。さらには、車両以外の乗り物全般に採用することができる。
【0038】
即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の車輪用装飾部材の取付構造は、四輪車に好適である。
【符号の説明】
【0040】
11…ナックル
12…車輪
13…ブレーキディスク
14…キャリパ
15…スプラッシュガード
16,17…ステー
20…車輪用装飾部材
24…点灯部
32…光拡散部
CL…回転軸
図1
図2
図3