特開2017-173661(P2017-173661A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-173661(P2017-173661A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】光変調器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/035 20060101AFI20170901BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   G02F1/035
   G02B6/12 301
   G02B6/12 363
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-61200(P2016-61200)
(22)【出願日】2016年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(72)【発明者】
【氏名】清水 亮
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 徳一
【テーマコード(参考)】
2H147
2K102
【Fターム(参考)】
2H147AB06
2H147AC01
2H147BB02
2H147BE01
2H147BE14
2H147BG02
2H147CA13
2H147CB05
2H147CC02
2H147CD02
2H147DA08
2H147EA05A
2H147EA05C
2H147EA06A
2H147EA06C
2H147EA12C
2H147EA14C
2H147EA37A
2H147FB12
2H147GA10
2K102AA21
2K102BA02
2K102BB01
2K102BB04
2K102BC04
2K102BD01
2K102BD09
2K102DA04
2K102DA05
2K102DB04
2K102DB05
2K102DD05
2K102DD10
2K102EA02
2K102EB02
2K102EB22
(57)【要約】
【課題】
受光素子の小型化により基板サイズを小型化可能な構成を有する光変調器を提供する。
【解決手段】
本発明に係る光変調器は、電気光学効果を有する基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極(不図示)とを有する。該光変調器は、受光素子3が該基板1上に配置され、該受光素子3は、該光導波路2を伝搬する光波を受光する受光部31を、該受光素子3の中心より光波進行方向の下流側に有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、
受光素子が該基板上に配置され、
該受光素子は、該光導波路を伝搬する光波を受光する受光部を、該受光素子の中心より光波進行方向の下流側に有することを特徴とする光変調器。
【請求項2】
請求項1に記載の光変調器において、
該光導波路は、該受光部において導波路幅を広げてあることを特徴とする光変調器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光変調器において、
該受光素子の光波進行方向の長さが、50μm〜800μmであることを特徴とする光変調器。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光変調器において、
該受光素子の高さが、50μm〜500μmであることを特徴とする光変調器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光変調器において、
該基板の表面にはバッファ層が形成されており、
該バッファ層は、該光導波路を伝搬する光波を該受光部に向かって導出する領域で排除され、又は他の領域より薄くしてあることを特徴とする光変調器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調器に関し、特に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野や光計測分野において、マッハツェンダー型光導波路を有する強度変調器や位相変調器など各種の光変調器が用いられている。マッハツェンダー型光導波路から出力される光の強度変化は、変調電極に印加される電圧に対して例えば正弦関数的な特性を示す。光変調器の用途に応じて、最適な出力光の強度を得るため、変調電極に印加される変調信号は、適切な動作バイアス点に設定することが必要となる。
【0003】
このため、従来では、光変調器から出力される信号光の一部、あるいはマッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される放射光を、モニタ光として、光検出器のような受光素子で検出し、光変調器の出力光の強度の状態をモニタすることが行われている。そして、受光素子の検出値(モニタ出力)に基づき、変調電極に印加される変調信号の動作バイアス点を調整(バイアス制御)している。
【0004】
このような光変調器に関し、これまでに種々の発明が提案されている。
例えば、特許文献1には、マッハツェンダー型光導波路の合波部からの2つの放射光を同時に受光モニタする場合でも、受光素子の周波数帯域の低下を抑制するようにした光変調器が開示されている。また、特許文献2には、基板上に受光素子を配置した場合でも、受光素子の受光感度を高めると共に、受光素子の周波数帯域の低下を抑制するようにした光変調器が開示されている。また、特許文献3には、受光素子の検出信号に電気的クロストークなどのノイズが入り込むのを抑制するようにした光変調器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−194517号公報
【特許文献2】特開2015−138145号公報
【特許文献3】特開2015−197451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年の通信の大容量化に伴い、1つの基板に複数の光変調部を設け、光変調部毎に異なる変調信号を変調電極に印加して光変調を行う構造の光変調器が開発されている。また、複数の光変調部が設けられた基板を複数備えた多素子構造の光変調器も開発されている。このような光変調器では、各々の光変調部で独立に変調信号のバイアス制御を行うために、基板に多数の受光素子を配置して、光変調部毎にモニタ光を検出する構成となる。
一方、光変調器の小型化の要請に伴い、光変調器を構成する基板の小型化が進められているが、基板に多数の受光素子を配置することは基板サイズの増大を招き、基板の小型化を進める上で難点となる。そこで、基板の小型化のために、基板に配置する受光素子を小型にすることが検討されている。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上述したような問題を解決し、受光素子の小型化により基板サイズを小型化することが可能な構成を有する光変調器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は、以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、受光素子が該基板上に配置され、該受光素子は、該光導波路を伝搬する光波を受光する受光部を、該受光素子の中心より光波進行方向の下流側に有することを特徴とする。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の光変調器において、該光導波路は、該受光部において導波路幅を広げてあることを特徴とする。
【0010】
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、該受光素子の光波進行方向の長さが、50μm〜800μmであることを特徴とする。
【0011】
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該受光素子の高さが、50μm〜500μmであることを特徴とする。
【0012】
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光変調器において、該基板の表面にはバッファ層が形成されており、該バッファ層は、該光導波路を伝搬する光波を該受光部に向かって導出する領域で排除され、又は他の領域より薄くしてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極とを有する光変調器において、受光素子が該基板上に配置され、該受光素子は、該光導波路を伝搬する光波を受光する受光部を、該受光素子の中心より光波進行方向の下流側に有するため、受光素子を光波進行方向の長さを短縮して小型化することができ、光変調器の基板サイズの小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係る光変調器を説明する平面図である。
図2図1の受光素子に係る、放射光用導波路に沿った方向の断面図である。
図3】従来の受光素子に係る、放射光用導波路に沿った方向の断面図である。
図4図1の受光素子を拡大した平面図である。
図5】光導波路から反射により光波を抽出する例を示す断面図である。
図6】受光素子を配置する領域のバッファ層を薄くする例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る光変調器について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る光変調器を説明する平面図である。図2は、図1の受光素子に係る、放射光用導波路に沿った方向の断面図である。
本発明の光変調器は、図1及び図2に示すように、電気光学効果を有する基板1と、該基板に形成された光導波路2と、該光導波路を伝搬する光波を変調するための変調電極(不図示)とを有する光変調器に関するものである。
該光変調器は、受光素子3が該基板1上に配置され、該受光素子3は、該光導波路2を伝搬する光波を受光する受光部31を、該受光素子3の中心より光波進行方向の下流側に有することを特徴とする。
【0016】
基板1としては、石英、半導体など光導波路を形成できる基板や、電気光学効果を有する基板である、LiNbO(ニオブ酸リチウム),LiTaO(タンタル酸リチウム)又はPLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)のいずれかの単結晶などを用いた基板がある。
【0017】
基板に形成する光導波路2は、例えば、LiNbO基板(LN基板)上にチタン(Ti)などの高屈折率物質を熱拡散することにより形成される。また、光導波路となる部分の両側に溝を形成したリブ型光導波路や光導波路部分を凸状としたリッジ型導波路も利用可能である。また、PLC等の異なる基板に光導波路を形成し、これらの基板を貼り合せ集積した光回路にも、本発明を適用することが可能である。
【0018】
変調電極は、信号電極や接地電極から構成され、基板表面に、Ti・Auの電極パターンを形成し、金メッキ方法などにより形成する。さらに、必要に応じて光導波路形成後の基板表面に誘電体SiO等のバッファ層を設けることも可能である。なお、基板1(光導波路2)内を伝搬する信号光を、受光素子3側に導出する領域においては、バッファ層を形成すると、信号光を効率良く導出することが難しくなるため、当該領域にはバッファ層を形成しないことが好ましい。
【0019】
また、図6に示すように、バッファ層5を介して受光素子3を配置する場合には、受光感度を確保するには、受光素子3を配置する領域のバッファ層5の厚みを他の領域よりも薄くする方がよい。バッファ層の排除又は薄膜化は、受光素子3を配置する領域全体に対して施さずともよく、少なくとも、信号光を受光素子3の受光部31に向かって導出する領域、すなわち、光波進行方向の上流側領域に施されればよい。
【0020】
受光素子3a,3bは光導波路2に直接接触させてもよいが、光導波路2から放射される光(エバネセント波)を効率よく抽出するには、光導波路2上に高屈折率膜を形成してその上に配置することが好ましい。この場合、高屈折率膜の屈折率は、光導波路2の屈折率よりも高く、受光素子基板の屈折率よりも低く設定する必要がある。
【0021】
光導波路2は、マッハツェンダー型導波路構造であり、入力導波路を2つに分岐し、2つの分岐導波路を結合して出力導波路21に繋げる構成を有している。なお、光導波路2は、図1のように1つのマッハツェンダー型光導波路で形成したものに限定されない。すなわち、例えば、2つのマッハツェンダー型光導波路を入れ子型に配置したネスト型光導波路で形成したもの、2つのネスト型光導波路を更に入れ子型に配置したものなど、種々の形状のものを用いることができる。
【0022】
基板1の面上には、光導波路2を伝搬する光波を受光する受光素子3が配置される。本例では、基板1として、20μm以下の厚みの基板を用いているが、基板の厚みは任意である。
受光素子3は、出力導波路21を伝搬して光変調器から出力される信号光の一部、あるいはマッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される放射光を、モニタ光として検出する。図1の例では、出力導波路21の両側に、マッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される放射光をモニタ光として検出する受光素子3を1つずつ設けてある。
【0023】
モニタ光として検出する放射光を受光素子3まで効率よく案内するためには、図1に示すように、放射光を導波する放射光用導波路22を形成することが好ましい。これにより、放射光の伝搬光路を容易に調整することができ、受光素子3との位置関係や出力導波路21との位置関係をより最適に設定することが可能となる。
【0024】
なお、出力導波路21を跨ぐように受光素子を配置して、マッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される2つの放射光を1つの受光素子で受光するようにしてもよい。この場合、2つの放射光に対応させて2つの受光部を設けてもよいし、2つの放射光を1つの受光部で受光するようにしてもよい。
【0025】
本発明の光変調器の特徴は、図1図2に示すように、受光素子3が、光導波路2を伝搬する光波(モニタ光)を受光する受光部31を、受光素子3の中心より光波進行方向の下流側に有することである。
【0026】
受光素子3としては、フォトダイオード(PD)が好適に使用できる。図2では、InPやGaAsの受光素子基板33の上側に、InGaAsやGaAsによる受光層32を設け、受光層32に接するように受光部31が配置されている。また、受光素子基板33は、放射光用導波路22の屈折率より高い屈折率を持ち、放射光用導波路22に接触させて設けることで、放射光用導波路22を伝搬する放射光を受光部31の方に吸い上げる。
【0027】
ここで、例えば、受光素子基板33の屈折率を3.16、放射光用導波路22の実効屈折率を2.15とすると、光波の放射角度は導波路基板1の法線から約43度の方向となる。図2では、放射光用導波路22を伝搬する光波(矢印)の一部が受光素子基板33内に入射する様子を図示してある。
【0028】
受光素子3に対する受光部31の配置位置は、導波路断面方向から見た場合は、放射光用導波路22の直上に配置されていることが望ましい。これは、放射光用導波路22から受光素子基板33内に放射された光(エバネセント波)は、導波路基板1の法線方向に放射され、また、放射角度が法線を中心として対象だからである。
【0029】
一方で、受光素子3に対する受光部31の配置位置は、光波進行方向については、受光素子3の中心より下流側に設けることが望ましい。これは、受光素子基板33の下面に入射した光波は、導波路基板1の法線に対して斜め方向(前述の例では約43度)に進行し、入射位置の直上よりも下流側にずれた位置で受光素子基板33の上面(受光層32)に到達するためである。従って、受光素子基板33下面の上流側に入射した光波を受光するように、受光素子基板33の上面に受光部31を配置すれば、それより下流側の受光素子部分は不要となる。このように、受光素子3の中心より光波進行方向の下流側に受光部3を設けることで、受光素子3の光波進行方向の幅を従来より短縮した構造にすることができる。但し、受光素子基板33内の多重反射を考慮した場合はこの限りではない。
【0030】
なお、受光部31を受光素子3の中心よりどの程度下流側に配置するかは、受光素子基板33内の光波の進行角度(受光素子基板33の屈折率と放射光用導波路22の実効屈折率との関係)や、受光素子基板33の高さ(厚み)に応じて決定すればよい。
【0031】
受光部31の幅は、任意に設定することが可能であるが、導波路断面方向については、受光部31で受光する光波のビーム幅程度に設定すればよい。例えば、光波の波長を1.55μm、放射光用導波路22のモード径を10μm、受光素子基板33の高さを150μmとすると、前述の屈折条件のもとで、受光部31におけるビーム幅は20μm程度となる。但し、受光素子3の実相位置トレランスを考慮すると、受光部31の幅は40〜80μm程度が望ましい。
【0032】
一方で、光波進行方向については、モニタ光は略一様な強度の平行ビームとなるため、受光部31の幅に特段の制限はないが、PD作製の容易さから、正方形もしくは円形の受光部31となるような幅にすることが望ましい。
【0033】
受光素子3は、出来る限り小型化することが望ましいが、要求される受光感度を得ることができるサイズが必要となる。これらを考慮すると、受光素子3の光波進行方向の長さは、例えば、50μm〜800μmであることが好ましい。また、受光素子3の高さは、例えば、50μm〜500μmであることが好ましい。
【0034】
本発明に係る受光素子のサイズと従来の受光素子のサイズとを比較する。図3には、従来の受光素子の例として、光波進行方向に対して略中心の位置に受光部41を設けた受光素子4を示してある。図2図3を比較すると明らかなように、本発明に係る受光素子3の光波進行方向の長さL1は、従来例に係る受光素子4の光波進行方向の長さL2よりも短くなっている。このように、受光素子3の中心より光波進行方向の下流側に受光部31を設けることで、受光素子3の光波進行方向の長さを短縮して受光素子3の小型化を図ることができる。
【0035】
ここで、放射光用導波路22は、受光部31の部分において導波路幅を広げた構造とすることが望ましい。これにより、受光素子3の小型化のために受光部31のエリアを小さくする場合でも、放射光用導波路22を伝搬するモニタ光を効率よく受光素子3に取り込んで、受光部31で受光できるようになる。
【0036】
なお、これまでの説明では、マッハツェンダー型光導波路の合波部から放射される放射光を伝搬する放射光用導波路22に受光素子3を設け、放射光をモニタ光として受光する構成について説明したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、出力導波路21を伝搬する信号光の一部を抽出するモニタ用導波路を設け、このモニタ用導波路に対して受光素子3を配置する構造にして、出力導波路21を伝搬する信号光の一部をモニタ光として検出するようにしてもよい。
【0037】
また、上記のように、光導波路2から放射される光(エバネセント波)を受光素子3で受光する構成でなくともよく、光導波路2を伝搬する光波を、光導波路2の直上ではなく光波進行方向に対して斜め方向に抽出できる構成であればよい。すなわち、例えば特開2013−80009号公報に開示されているように、基板1(あるいは光導波路2等)に溝又は反射部材を配置して、光波の一部を反射により受光素子3の方に導くように構成してもよい。このとき、図5に示すように、光導波路2の直上ではなく光波進行方向に対して斜め方向に光波を反射できるような角度で溝又は反射部材を配置する構成であれば、本発明の適用が有効である。また、エバネセント波と反射光の両方を受光素子3で抽出して受光するように構成してもよく、これにより受光素子3の感度を効果的に高めることができる。また、出力導波路21に重ねて受光素子3を配置すると共に、出力導波路21の断面の一部に溝や反射部材を設けることで、出力導波路21を伝搬する信号光の一部を反射により取り出して受光素子3で受光するようにしてもよい。
【0038】
ここで、これまでの説明では、1枚の基板に複数の光変調部を設けた光変調器を例にしたが、本発明は、複数の光変調部が設けられた基板を複数備えた多素子構造の光変調器にも適用することができる。また、複数の光変調部でそれぞれ異なる波長の光波を光変調する構成にも適用することができる。
また、各光変調部は、1つのマッハツェンダー型光導波路で形成したもの、2つのマッハツェンダー型光導波路を入れ子型に配置してネスト型光導波路としたもの、2つのネスト型光導波路を更に入れ子型に配置したものなど、種々の形状とすることができる。この場合、外側のマッハツェンダー型光導波路で構成される主変調部に対して受光素子を設けるだけでなく、内側のマッハツェンダー型光導波路で構成される副変調部に対しても受光素子を設けることができる。
【0039】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上、説明したように、本発明によれば、受光素子の小型化により基板サイズを小型化可能な構成を有する光変調器を提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 基板
2 光導波路
3,4 受光素子
5 バッファ層
21 出力導波路
22 放射光用導波路
31,41 受光部
32 受光層
33 受光素子基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6