【課題】本発明は、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができる表示データ作成装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の表示データ作成装置は、取引先との取引に関するトランザクションデータを管理するための情報処理装置である。この表示データ作成装置の制御部は、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するに際し、取引先ごとに予め設定された制御パターンであって表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する。
取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための、制御部を備えた表示データ作成装置であって、
前記制御部は、
前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成手段
を備える
ことを特徴とする表示データ作成装置。
制御部を備えた情報処理装置において実行される、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための表示データ作成方法であって、
前記制御部において実行される、
前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成ステップ
を含む
ことを特徴とする表示データ作成方法。
制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための表示データ作成プログラムであって、
前記制御部において実行させるための、
前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成ステップ
を含む
ことを特徴とする表示データ作成プログラム。
制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うためのデータ変換プログラムであって、
前記制御部において実行させるための、
前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記トランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、前記トランザクションデータを変換して、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得ステップ
を含む
ことを特徴とするデータ変換プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、トランザクションデータを扱う販売システムにおいては、多数の取引先(例えば得意先)について、多岐にわたる商品又はサービスの会計データを管理することができるように構成されている必要がある。そのため、販売システムにおいては、できる限り多くの種類のトランザクションデータを扱うことができるように予め多数の管理項目が設定されているのが一般的である。
【0005】
ここで、販売システムにおいて、取引先ごとに管理される商品群又は1群のサービスは、通常、所定の範囲内に限られており、取引先が変わると管理項目も変わる。しかしながら、一般的な販売システムにおいては、多数の管理項目がデフォルトで設定されているために、特定の取引先のトランザクションデータを管理(表示画面上でのトランザクションデータの入力や既存トランザクションデータの取り込み)するにはかえってユーザに不便を生じさせる場合もあるという問題がある。管理項目のカスタマイズが可能な販売システムも存在するが、カスタマイズによる設定情報は特定の種類のトランザクションデータにだけに適用されるにとどまる。したがって、カスタマイズは、その都度、取引先ごとに、行われるのが一般的であり、手間がかかるという問題がある。
【0006】
なお、上述したような問題は、販売システムに限られて生じる問題ではなく、多くの種類のトランザクションデータを扱う可能性がある情報処理装置において同様に生じる。また、表示画面上でトランザクションデータの入力を受け付ける場合だけでなく、表示画面上でトランザクションデータの編集を受け付ける場合や、他の業務システム等からトランザクションデータを取り込む場合、及び、他の業務システムへトランザクションデータを送出する場合にも同様の問題が生じる。
【0007】
以上のことから、情報処理装置においては、多岐にわたるトランザクションデータの管理を、その都度のカスタマイズを要することなく、容易にすることが求められている。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができる表示データ作成装置、表示データ作成方法及び表示データ作成プログラム、並びに、データ変換装置、データ変換方法及びデータ変換プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示データ作成装置は、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための、制御部を備えた表示データ作成装置であって、前記制御部は、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示データ作成装置は、前記表示制御パターンが、前記デフォルト用表示データに前記取引に関する項目として含まれうる1以上の項目を、前記取引先用表示データに含めるか又は含めない旨に関する設定、前記デフォルト用表示データに前記取引に関する項目として含まれうる1以上の項目が必須項目であるか又は任意項目であるかを示す情報を、前記取引先用表示データに付加する旨の設定、前記デフォルト用表示データに前記取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、前記表示画面を介して数値の入力を受け付ける際の桁数を制限する情報を、前記取引先用表示データに付加する旨の設定、並びに、前記デフォルト用表示データに前記取引に関する項目として含まれうる1以上の項目の項目名に関する情報を、前記取引先用表示データにおいては所定の項目名に関する情報に変換する旨の設定のうちの1つ以上の設定を、前記表示データのフォーマットとして定めることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る表示データ作成装置は、前記表示データ作成装置が、前記表示画面を含む画像を表示するための表示部をさらに備え、前記制御部が、前記表示部における前記取引先用表示データに対応する表示画面の表示を制御する表示制御手段をさらに備え、前記表示制御手段が、前記表示制御パターンにしたがって、前記取引先用表示データを前記表示部に表示することを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るデータ変換装置は、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うための、制御部を備えたデータ変換装置であって、前記制御部は、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記トランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、前記トランザクションデータを変換して、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るデータ変換装置は、前記制御部が、前記トランザクションデータを前記取引先用トランザクションデータに変換する場合においてエラーが発生したときは、前記取引先用トランザクションデータにエラーフラグを設定するエラーフラグ設定手段
をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係るデータ変換装置は、前記エラーフラグ設定手段が、前記取引先用トランザクションデータにおける前記取引に関する必要項目が前記トランザクションデータにおいてブランクである場合に、前記取引先用トランザクションデータに前記エラーフラグを設定することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係るデータ変換装置は、前記変換制御パターンが、前記トランザクションデータに前記取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、前記取引先用トランザクションデータにおいては当該項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報を、前記取引先用トランザクションデータに付加する旨の設定を含み、かつ、前記エラーフラグ設定手段が、前記トランザクションデータに含まれる数値が前記変換制御パターンによって制限された桁数を満たさない場合に、前記取引先用トランザクションデータに前記エラーフラグを設定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るデータ変換装置は、前記制御部が、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成手段をさらに含み、前記変換制御パターンが、前記表示制御パターンを含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る表示データ作成方法は、制御部を備えた情報処理装置において実行される、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための表示データ作成方法であって、前記制御部において実行される、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成ステップを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る表示データ作成プログラムは、制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための表示データ作成プログラムであって、前記制御部において実行させるための、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成ステップを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るデータ変換方法は、制御部を備えた情報処理装置において実行される、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うためのデータ変換方法であって、前記制御部において実行される、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記トランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、前記トランザクションデータを変換して、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得ステップを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るデータ変換プログラムは、制御部を備えた情報処理装置において実行させるための、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うためのデータ変換プログラムであって、前記制御部において実行させるための、前記取引先ごとに予め設定された制御パターンであって前記トランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、前記トランザクションデータを変換して、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0024】
[1.概要]
本発明は、取引先との取引に関するトランザクションデータを管理するに際し、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを自動的に作成したり、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を自動的に行ったりする。これらの自動化のために、本発明においては、後述する制御パターンを用いる。これにより、本発明は、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができるという効果を奏するものである。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示す情報処理システム1000は、情報処理装置としての情報処理装置100と、サーバ200と、情報処理装置100及びサーバ200を通信可能に接続するネットワーク300とを含んでいる。
【0027】
情報処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、取引先との取引に関するトランザクションデータを管理するための装置であり、後述するように、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するための表示データ作成装置としても、トランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うためのデータ変換装置としても機能する。この情報処理装置100は、例えば、受注部門等の事業者においてトランザクションデータの管理を行う部署に1台設置されている。なお、情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。また、情報処理装置100は、情報処理システム1000内において複数台設置されていてもよい。
【0028】
情報処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108とを備えている。情報処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0029】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。したがって、通信インターフェース部104は、他の部署に備え付けの情報処理装置からの入力情報、受注元(納品先)からの入力情報等を、ネットワーク300又はネットワーク300及びサーバ200を介して受け付けることが可能に構成されているとともに、所定の情報処理装置や、受注元に対して所定の情報を出力(送出)することが可能に構成されている。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラム(本発明のプログラムを含む)が記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。また、この記憶部106には、本発明のプログラムを実施するために用いられる各種のデータが書き出し/読み出し可能に格納されている。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0032】
制御部102は、情報処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0033】
さらに
図1を参照しながら、記憶部106及び制御部102の構成について詳述する。
【0034】
記憶部106は、
図1に示されるように、表示制御パターンマスタ106aと、表示データ記憶領域106bと、変換制御パターンマスタ106cと、トランザクションデータ記憶領域106dと、取引先マスタ106eとを含む。なお、表示制御パターンマスタ106aと変換制御パターンマスタ106cとは互いに統合されて制御パターンマスタを構成していてもよい。
【0035】
表示制御パターンマスタ106aは、表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める1以上の表示制御パターンを登録したマスタである。表示制御パターンとしては、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目を、取引先用表示データに含めるか又は含めない旨に関する設定;デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目が必須項目であるか又は任意項目であるかを示す情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定;デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、表示画面を介して数値の入力を受け付ける際の桁数を制限する情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定;並びに、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目の項目名に関する情報を、取引先用表示データにおいては所定の項目名に関する情報に変換する旨の設定を例示できる。
【0036】
表示データ記憶領域106bは、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面(例えば、受注入力、売上入力)に関する表示データを記憶するための領域である。表示データ記憶領域106bには、必要に応じて、デフォルト用表示データが記憶されており、さらに、情報処理装置100によって作成される取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データも読み出し可能に保持される。
【0037】
変換制御パターンマスタ106cは、トランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める1以上の変換制御パターンを登録したマスタである。変換制御パターンとしては、トランザクションデータに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、取引先用トランザクションデータにおいては当該項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報を、取引先用トランザクションデータに付加する旨の設定を例示できる。
【0038】
トランザクションデータ記憶領域106dは、取引先との取引に関するトランザクションデータ(例えば、受注データ)を記憶するための領域である。トランザクションデータ記憶領域106dには、カスタマイズ対象となるトランザクションデータが必要に応じて記憶され、さらに、情報処理装置100によって取得される取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータも読み出し可能に保持される。
【0039】
取引先マスタ106eには、1以上の取引先に関する情報が登録されており、本実施形態では、取引先マスタ106eにおいて、取引先を識別する取引先識別情報と、後述する表示制御パターン及び変換制御パターンの一方又は双方を含む制御パターンを識別する制御パターン識別情報とが互いに関連付けられている。なお、表示制御パターンマスタ106a及び変換制御パターンマスタ106cの一方又は双方において取引先識別情報が制御パターン識別情報と関連付けられて登録されていてもよい。
【0040】
制御部102は、
図1に示されるように、複数のモジュールを備えている。
図1に示す例では、制御部102は、表示データ作成部102aと、表示制御部102bと、トランザクションデータ取得部102cと、エラーフラグ設定部102dとを備えている。
【0041】
表示データ作成部102aは、取引先ごとに予め設定された制御パターンであって表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成する表示データ作成手段として機能するモジュールである。
【0042】
表示制御部102bは、表示画面を含む画像を表示するための表示部における前記取引先用表示データに対応する表示画面の表示を制御する表示制御手段として機能するモジュールである。ここで、表示部の一例は、出力装置114である。本実施形態では、表示制御部102bは、上記表示制御パターンにしたがって、取引先用表示データを表示部に表示する。
【0043】
トランザクションデータ取得部102cは、取引先ごとに予め設定された制御パターンであってトランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、トランザクションデータを変換して、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得するトランザクションデータ取得手段として機能するモジュールである。
【0044】
エラーフラグ設定部102dは、トランザクションデータを取引先用トランザクションデータに変換する場合においてエラーが発生したときは、取引先用トランザクションデータにエラーフラグを設定するエラーフラグ設定手段として機能するモジュールである。エラーフラグ設定部102dは、本実施形態では、取引先用トランザクションデータにおける取引に関する必要項目がトランザクションデータにおいてブランクである場合に、取引先用トランザクションデータにエラーフラグを設定したり、トランザクションデータに含まれる数値が変換制御パターンによって制限された桁数を満たさない場合に、取引先用トランザクションデータにエラーフラグを設定したりする。
【0045】
[3.処理]
次に、
図1に示す情報処理システム1000において実行される情報処理方法を例示的に説明する。
【0046】
図2は、
図1の情報処理システム1000において、情報処理装置100が実行するトランザクションデータの管理に関する情報処理方法の処理手順を示すフローチャートである。この
図2に示す処理は、概略的には、取引先との取引に関するトランザクションデータの管理に際し、必要に応じて、トランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行って、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータを取得し、また、必要に応じて、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データとして、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成するというものである。すなわち、トランザクションデータの管理に関する情報処理方法は、データ変換方法及び表示用データ作成方法の一方又は双方を含む。本処理の大部分は、情報処理装置100の制御部102において実行される。以下では、取引先としての特定の得意先との取引に関する受注データを管理する場合を例に挙げて説明する。
【0047】
図2において、まず、ステップS210では、情報処理装置100は、制御パターンマスタの登録又は編集といったメンテナンスが行われるかどうかを判別する。このステップS210の判別は、具体的には、
図3に例示されるような表示画面(制御パターンメンテナンス画面)が起動されて、制御パターンの登録又はメンテナンスの結果、登録されている制御パターンに変更又は更新が生じるかどうかを判別することによって行われる。制御パターンは、後述する表示制御パターン及び変換制御パターンの一方又は双方を含む。ただし、本実施形態では、変換制御パターンとして表示制御パターンと同じ制御パターンを用いる。すなわち、変換制御パターンは、表示制御パターンと共通している。ここで、ステップS210の判別の結果、制御パターンマスタのメンテナンスが行われない場合には(ステップS210でNo)、後述する取引先マスタのメンテナンス、後述する取引先用トランザクションデータの取得、又は、後述する取引先用表示データの作成を受け付けるべく、ステップS230の処理に進む。
【0048】
ステップS210の判別の結果、制御パターンマスタのメンテナンスが行われる場合には(ステップS210でYes)、ステップS220に進んで、制御パターンマスタのメンテナンス内容を受け付ける。ステップS220の処理は、以下に説明するステップS221〜S225の処理を含む。
【0049】
ステップS220の制御パターンマスタのメンテナンス内容を受け付けに際し、まず、ステップS221では、制御パターンを識別するための制御パターン識別情報(例えば、制御パターンコード、制御パターンコード名)の設定を受け付ける。
【0050】
続くステップS222では、ヘッダ部分のフォーマットを定める表示制御パターンの設定を受け付ける。ここで、ヘッダ部分とは、表示画面を構成しうる互いに遷移可能な複数の表示画面のうちの主たる表示画面(メイン画面)をさす。ここで、主たる表示画面は、複数のタブを含む表示画面であってもよい。
図4には、
図2のステップS222においてヘッダ部分の表示制御パターンの設定を受け付けるための表示画面の構成例が示されている。
【0051】
ここで、表示制御パターンについて説明する。表示制御パターンとは、取引先ごとに予め設定された制御パターンの1種であって、表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定めるものをいう。表示制御パターンは、表示データに含まれ得る項目とその項目に対して設定された制御の組み合わせで構成される。パターン表示制御パターンとしては、トランザクションデータに含まれる取引に関する各項目に対する表示/非表示に関する設定、必須項目/任意項目に関する設定、最大桁数に関する設定、及び、項目名変更に関する設定を挙げることができる。そして、表示制御パターンとして、それら複数種類の設定のうちの1種類以上の設定が1つ以上の項目に対してなされることで、表示データに対応する表示画面の表示フォーマットが定まることとなる。
【0052】
具体的には、後述する取引先用表示データ上では、上記の表示/非表示に関する設定により、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目を、取引先用表示データに含めるか又は含めない旨に関する設定がなされる。また、上記の必須項目/任意項目に関する設定により、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目が必須項目であるか又は任意項目であるかを示す情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定がなされる。上記の最大桁数に関する設定により、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、表示画面を介して数値の入力を受け付ける際の桁数を制限する旨の情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定がなされる。上記の項目名変更に関する設定により、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目の項目名に関する情報を、取引先用表示データにおいては所定の項目名に関する情報に変換する旨の設定がなされる。
【0053】
そして、ステップS222で受け付けた表示制御パターンは、変換制御パターンにも反映される。変換制御パターンとは、取引先ごとに予め設定された制御パターンであってトランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定めるものをいう。変換制御パターンは、トランザクションデータに含まれうる項目とその項目に対して設定された制御の組み合わせで構成される。表示制御パターンを変換制御パターンに反映させた結果、例えば、上記の最大桁数に関する設定により、変換制御パターンとして、トランザクションデータに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、取引先用トランザクションデータにおいては当該項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報を、取引先用トランザクションデータに付加する旨の設定がなされることとなる。
【0054】
次に、ステップS223では、明細部分のフォーマットを定める表示制御パターンの設定を受け付ける。ここで、明細部分とは、表示画面を構成しうる互いに遷移可能な複数の表示画面のうちの副次的な表示画面(例えば、明細情報表示画面、詳細情報表示画面、補足情報表示画面)をさす。ここで、副次的な表示画面は、複数のタブを含む表示画面であってもよい。
図5には、
図2のステップS223において明細部分の表示制御パターンの設定を受け付けるための表示画面としての明細情報表示画面の構成例が示されており、また、
図6には、
図2のステップS223において明細部分の表示制御パターンの設定を受け付けるための表示画面としての詳細情報表示画面及び補足情報表示画面の構成例が示されている。ステップS223で設定可能な表示制御パターンの種類は、ステップS222で設定可能な表示制御パターンと同じであり、また、ステップS223で受け付けた表示制御パターンは、変換制御パターンにも反映される。
【0055】
そして、表示制御パターンの設定が完了したら、制御パターンマスタの更新を行う(ステップS224)。このようにしてステップS220の処理を行うことにより、制御パターン識別情報ごとに、さまざまな表示制御パターンの組み合わせを設定することができることとなる。なお、制御パターンマスタの更新は、上述したステップS221〜223の処理のうちのいずれか1つの処理がなされるたびに行われてもよい。すなわち、ステップS221〜S223の処理は任意にスキップ可能であり、また、処理手順も任意に変更可能である。そして、ステップS230の処理に進む。
【0056】
次に、ステップS230では、取引先マスタ106の登録又は編集といったメンテナンスが行われるかどうかを判別する。取引先マスタとは、取引先に関する情報が登録されたマスタであり、本実施形態では、制御パターン識別情報を含む。このステップS230の判別は、具体的には、所定の表示画面(取引先マスタメンテナンス画面)が起動されて、取引先マスタの登録又はメンテナンスの結果、登録されている情報に変更又は更新が生じるかどうかを判別することによって行われる。
図7には、
図2のステップS230で起動される取引先マスタメンテナンス画面の構成例が示されており、
図7に示すように、取引先ごとに制御パターンが設定される。なお、登録される制御パターンは、表示制御パターン及び変換制御パターンの一方又は双方であってもよいし、表示制御パターン及び変換制御パターンを統合した単一の制御パターンであってもよい。ここで、ステップS230の判別の結果、取引先マスタのメンテナンスが行われない場合には(ステップS230でNo)、後述する取引先マスタのメンテナンス、後述する取引先用表示データの作成、又は、後述する取引先用トランザクションデータの取得を受け付けるべく、ステップS240の処理に進む。
【0057】
ステップS230の判別の結果、取引先マスタのメンテナンスが行われる場合には(ステップS230でYes)、ステップS231に進んで、取引先マスタのメンテナンス内容を受け付け、この際、取引先ごとに制御パターン識別情報が登録される。なお、制御パターン識別情報が登録されていない取引先については、デフォルトの制御パターン識別情報を設定するようにしてもよい。そして、取引先マスタのメンテナンスが完了したら、取引先マスタの更新を行い(ステップS232)、ステップS240の処理に進む。
【0058】
次に、ステップS240では、取引先用トランザクションデータの取得を行うかどうかを判別する。ここで、取引先用トランザクションデータとは、取引先ごとに固有フォーマットのトランザクションデータをいい、本実施形態では、元となるトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うことによって取得可能なデータである。取引先用トランザクションデータの取得は、例えば、元となるトランザクションデータ(例えば、既存の受注データ)を情報処理装置100に取り込むとき、又は、トランザクションデータを他の業務システムに送出するとき等、フォーマットを整える変換を行いたいときに行われる。このステップS240の判別は、具体的には、所定の表示画面(例えば、受注データ取込画面)が起動されて、トランザクションデータ取り込みの旨の指示入力等の、トランザクションデータの変換の旨の指示入力がなされるかどうかを判別することによって行われる。
【0059】
ステップS240の判別の結果、取引先用トランザクションデータの取得を行わない場合には(ステップS240でNo)、後述する取引先用表示データの作成を受け付けるべく、ステップS260の処理に進む。一方、ステップS240の判別の結果、取引先用トランザクションデータの取得を行う場合には、ステップS250で、以下に
図8を用いて詳細に説明する取引先用トランザクションデータ取得処理を行って、ステップS260の処理に進む。
【0060】
図8は、
図2のステップS250で実行される取引先用トランザクションデータ取得処理のサブルーチンに係る処理手順を詳細に示すフローチャートである。
【0061】
図8に示す取引先用トランザクションデータ取得処理において、まず、ステップS251では、取引先識別情報を取得する。取引先識別情報は、例えば受注データ取込画面において指定された取引先コードから取得することができる。続いて、ステップS252では、制御パターン識別情報を取得する。制御パターン識別情報は、ステップS251で取得した取引先識別情報で取引先マスタを参照することによって取得される。これにより、ステップS252で取得した制御パターン識別情報で制御パターンマスタを参照することにより、ステップS251で取得した取引先識別情報に対応する取引先に固有の制御パターン(変換制御パターン)が特定されることとなる。
【0062】
そして、ステップS253では、指定されたトランザクションデータ(例えば、受注データ取込画面において指定された受注データ)の取引先用トランザクションデータへの変換を開始する。この変換は、取引先に固有の制御パターンを参照しながら行われる。
【0063】
続くステップS254では、ステップS253におけるトランザクションデータの変換を監視し、エラーが発生したかどうかを判別する。ステップS254の判別の結果、トランザクションデータの取引先用トランザクションデータへの変換中にエラーが発生した場合には(ステップS254でYes)、エラーフラグを設定し(ステップS255)、ステップS256へ進む。一方、エラーが発生しなかった場合には、ステップS255の処理をスキップしてステップS256へ進む。
【0064】
ここで、エラーフラグについて説明する。エラーフラグとは、取引先用トランザクションデータに設定されるフラグであって、取引先に固有の制御パターンにしたがってトランザクションデータを変換するときにエラーが発生したこと及び当該エラーの内容を示すフラグである。
【0065】
エラーフラグは、以下のような場合に設定される。第1の例は、指定されたトランザクションデータにおいて、取引先用トランザクションデータの必要項目がない(ブランクである)場合である。この場合には、当該項目に数値がセットされていない旨がエラーフラグとして設定される。第2の例は、トランザクションデータにおける各項目にセットされている数値が、取引先に固有の制御パターンによって制限された桁数(例えば桁数の上限)を満たさない場合である。この場合には、該当項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報が取引先用トランザクションデータに付加され、さらにエラーフラグが設定される。なお、該当項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報を付加することに代えて、取引先用トランザクションデータにおいて、該当項目に制限された桁数を満たすように四捨五入するようにしてもよいし、該当項目をブランクとしてもよく、これらの場合であっても、ユーザはエラーフラグから、指定されたトランザクションデータと作成された取引先用トランザクションデータとの相違を確認することができる。
【0066】
そして、ステップS253で開始したトランザクションデータの変換が完了することにより、取引先用トランザクションデータが取得されることになる(ステップS256)。取引先用トランザクションデータは、取引先ごとに予め設定された制御パターンにしたがって作成されたものであるため、取引先ごとに固有フォーマットを有している。したがって、ユーザにとっては、指定したトランザクションデータのカスタマイズに要する変換の手間が軽減されることとなる。ステップS256で取引先用トランザクションデータを取得したら、ステップS250の取引先用トランザクションデータ取得処理を完了して、
図2の処理にリターンし、ステップS260の処理に進む。
【0067】
次に、ステップS260では、取引先用表示データの作成を行うかどうかを判別する。ここで、取引先用表示データとは、取引先ごとに固有フォーマットの表示データをいい、本実施形態では、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関するデフォルト用表示データをカスタマイズすべく変換を行うことによって取得可能なデータである。取引先用表示データの作成は、例えば、トランザクションデータの入力又は編集(例えば、受注入力、又は、売上入力)が行われる前に行われる。このステップS260の判別は、具体的には、トランザクションデータの入力又は編集を行うための所定の表示画面(例えば、受注入力画面)が起動されるかどうかを判別することによって行われる。
【0068】
ステップS260の判別の結果、取引先用表示データの作成を行わない場合には(ステップS260でNo)、上述した制御パターンマスタのメンテナンス、取引先マスタのメンテナンス、又は、取引先用トランザクションデータの取得を受け付けるべく、ステップS210の処理に戻る。一方、ステップS260の判別の結果、取引先用表示データの作成を行う場合には、ステップS270で、以下に
図9を用いて詳細に説明する取引先用表示データ作成処理を行う。そして、本処理を完了する。
【0069】
図9は、
図2のステップS270で実行される取引先用表示データ作成処理のサブルーチンに係る処理手順を詳細に示すフローチャートである。
【0070】
図9に示す取引先用表示データ作成処理において、まず、ステップS271では、取引先識別情報を取得する。取引先識別情報は、例えば受注入力画面又は売上入力画面において指定された取引先コードから取得することができる。続いて、ステップS272では、制御パターン識別情報を取得する。制御パターン識別情報は、ステップS271で取得した取引先識別情報で取引先マスタを参照することによって取得される。これにより、ステップS272で取得した制御パターン識別情報で制御パターンマスタを参照することにより、ステップS271で取得した取引先識別情報に対応する取引先に固有の制御パターン(表示制御パターン)が特定されることとなる。
【0071】
そして、ステップS273では、ステップS271で取得した取引先識別情報に対応する取引先の取引に関するトランザクションデータの入力又は編集(例えば、受注入力又は売上入力)を受け付けるための表示画面に関する表示データの読み出しを開始する。表示データは、デフォルト用表示データであってもよいし、予め記憶されている取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データであってもよい。この読み出しは、取引先に固有の制御パターンを参照しながら行われる。
【0072】
続くステップS274では、ステップS273で読み出される表示データから、取引先に固有の制御パターンにしたがって、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データを作成し、引き続いてステップS275で、作成した取引先用表示データに対応する画像を、必要に応じて出力制御を行って、表示部に表示する。すなわち、表示データに取引先に固有の制御パターンが反映される。
【0073】
表示データに反映される制御パターンの例を説明する。
【0074】
第1の例は、各項目に対する表示/非表示に関する設定である。この設定が反映されることにより、例えば、読み出される表示データに含まれていた項目を取引先用表示データには含めないようにすることができ、その結果、取引先用表示データに対応する画像を表示部に表示したときに、対応する項目を非表示とすることができるようになる。非表示の設定に限られず、表示の設定の場合も同様に反映される。
【0075】
第2の例は、必須項目/任意項目に関する設定である。この設定が反映されることにより、例えば、読み出される表示データに含まれている項目に必須項目である旨を示す情報が付加され、その結果、取引先用表示データに対応する画像を表示部に表示したときに、例えば、対応する項目が必須項目である旨が視覚可能に表示される。必須項目の設定に限られず、任意項目の設定の場合も同様に反映される。
【0076】
第3の例は、最大桁数に関する設定である。この設定が反映されることにより、例えば、読み出される表示データに含まれている項目に、表示画面を介して数値の入力を受け付ける際の桁数を制限する情報が付加され、その結果、取引先用表示データに対応する画像を表示部に表示したときに、例えば、対応する項目で入力の受け付け可能な最大桁数が明示的に又は黙示的に設定される。好ましくは、最大桁数を超える入力を受け付けた場合には、エラー表示を行うように構成される。なお、最大桁数の設定に限られず、最小桁数の設定であっても同様に反映される。
【0077】
第4の例は、項目名変更に関する設定である。この設定が反映されることにより、例えば、読み出される表示データに含まれている項目の項目名に関する情報を、作成する取引先用表示データにおいては所定の項目名に関する情報に変換する旨の設定が付加され、その結果、取引先用表示データに対応する画像を表示部に表示したときに、例えば、対応する項目名を取引先に固有の項目名で表示される。なお、項目名を変換することに代えて、項目名の上に変更対象の項目名を重複表示するよう出力制御してもよい。
【0078】
上述したようにして、取引先用表示データが作成され、対応する画像が表示されると、ユーザによるトランザクションデータの入力又は編集を待機することとなる。そして、ステップS270の取引先用トランザクションデータ取得処理を完了して、
図2の処理にリターンし、
図2、
図8及び
図9に示す一連の処理を完了する。
【0079】
以上詳細に説明したように、
図2、
図8及び
図9に示したトランザクションデータの管理に関する情報処理方法によれば、取引先との取引に関するトランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面に関する表示データを作成するに際し(ステップS270)、取引先ごとに予め設定された制御パターンであって表示データに対応する表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンにしたがって、デフォルト用表示データから、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用表示データが作成される(ステップS274)。これにより、ユーザは、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができる。特には、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面のフォーマットを取引先ごとに整えることができる。また、
図2、
図8及び
図9に示す処理によれば、表示制御パターンにしたがって、取引先用表示データが表示部に表示されるので(ステップS275)、ユーザの手間を軽減しつつ、取引先ごとにカスタマイズされたユーザインターフェース、具体的には、トランザクションデータの入力又は編集を受け付けるための表示画面を提供できる。
【0080】
また、
図2、
図8及び
図9に示す処理によれば、表示制御パターンとして、以下に示す例のうちの1つ以上の設定を、表示データのフォーマットとして定めることが可能である。第1の例は、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目を、取引先用表示データに含めるか又は含めない旨に関する設定であり;第2の例は、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目が必須項目であるか又は任意項目であるかを示す情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定であり;第3の例は、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、表示画面を介して数値の入力を受け付ける際の桁数を制限する情報を、取引先用表示データに付加する旨の設定であり;第4の例は、デフォルト用表示データに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目の項目名に関する情報を、取引先用表示データにおいては所定の項目名に関する情報に変換する旨の設定である。このように、各種のカスタマイズが可能であるのでユーザの利便性を向上させることができる。なお、表示制御パターンは、上述の例に限られることはなく、表示制御パターンを用いることにより、
図4〜
図6に付記されたような内容やメモに関する項目の追加や、選択項目の設定も実現することができる。
【0081】
さらに、
図2、
図8及び
図9に示す処理によれば、取引先との取引に関するトランザクションデータをカスタマイズすべく変換を行うに際し(ステップS250)、取引先ごとに予め設定された制御パターンであってトランザクションデータのカスタマイズに要する変換に関する変換フォーマットを定める変換制御パターンにしたがって、トランザクションデータが変換されて、取引先ごとに固有フォーマットの取引先用トランザクションデータが取得される(ステップS256)。これにより、ユーザは、カスタマイズの手間を軽減しつつ、多岐にわたるトランザクションデータの管理を容易にすることができる。特には、取り込むべきトランザクションデータ又は外部へ送出すべきトランザクションデータのフォーマットを取引先ごとに整えることができる。
【0082】
また、
図2、
図8及び
図9に示す処理によれば、トランザクションデータを取引先用トランザクションデータに変換する場合においてエラーが発生したときは、取引先用トランザクションデータにエラーフラグが設定される(ステップS255)。例えば、取引先用トランザクションデータにおける取引に関する必要項目がトランザクションデータにおいてブランクである場合に、取引先用トランザクションデータにエラーフラグが設定される。また、変換制御パターンが、トランザクションデータに取引に関する項目として含まれうる1以上の項目につき、取引先用トランザクションデータにおいては当該項目に設定可能な数値の桁数を制限する旨の情報を、取引先用トランザクションデータに付加する旨の設定を含む場合において、トランザクションデータに含まれる数値が変換制御パターンによって制限された桁数を満たさないときは、取引先用トランザクションデータにエラーフラグが設定される。これらのようにエラーフラグが設定されることにより、ユーザは、指定したトランザクションデータと、作成される取引先用トランザクションデータとの相違を容易に把握することができる。
【0083】
さらに、
図2、
図8及び
図9に示す処理によれば、変換制御パターンが表示制御パターンを含むことにより、制御パターンの設定に要するユーザの手間を軽減することができる。なお、ステップS220において、変換制御パターンと表示制御パターンとを個別に設定してもよい。
【0084】
上述した実施形態による具体的な効果の例を説明する。例えば、取引先によって扱う商品が異なるために、トランザクションデータ(例えば受注データ)のフォーマット等が異なる場合がある。このような場合であっても、本実施形態によれば、トランザクションデータのフォーマットを整えることができ、その結果、従来のようにデフォルトの項目をすべて表示する等の従来の運用又は取り決めに従う必要がなくなる。さらに、得意先、業界単位でデータ連携用(データ取り込用又はデータ送出用)の予備項目が異なる場合に、必要な項目のみを入出力することができたり、入力内容が途切れて(例えば桁数制限に起因して)連携できなくなることを回避することができたりする。その結果、データ連携に際して、データの入出力のミスを防止又は回避して手戻りでの作業をなくすこともでき、さらには、設定を保存しておくことにより、ユーザが前回のカスタマイズの内容を忘れても同じ設定でデータ連携を行うこともできるようになる。したがって、本実施形態は、データ連携が多い業態や、使用ユーザが多い場合に特に有効である。また、作成したトランザクションデータ(例えば発注データ)のチェックに用いることもできる。さらに、上述した効果は、情報処理装置100のユーザに限られて享受されるものではなく、情報処理装置100のユーザにメンテナンスを依頼された者も享受することができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【0085】
なお、上述した説明では、ステップS220において、制御パターンが新規に登録される場合を例に挙げたが、既存の制御パターンを読み出して編集することによって新たな制御パターンが登録されてもよい。このために、ステップS222で設定されるヘッダ部分の制御パターンとステップS223で設定される明細部分の制御パターンの各々に、制御パターン識別情報(例えば、制御パターン識別コードに枝番)を設定して、ヘッダ部分の制御パターンと明細部分の制御パターンを個別に読み出し可能に保持することが好ましい。また、上述した説明では、ステップS220における制御パターンマスタのメンテナンスと、ステップS231における取引先マスタへの制御パターン識別情報の登録とを個別に行ったが、制御パターン識別情報と取引先識別情報とが互いに紐付けられていればよく、このために、制御パターンマスタと取引先マスタとが統合されていてもよい。
【0086】
また、上述したステップS210,S230,S240,S260における各判別は、任意のタイミングで行ってよい。すなわち、ステップS210,S230,S240,S260の判別処理は、任意のタイミングで割り込み処理可能である。
【0087】
また、上述した実施形態では、取引先の例として、事業者を挙げたが、これに代えて、取引先として、取引先の各部門若しくは各倉庫、又は、受注側(自社)の受注区分といった取引単位を設定してもよく、これらの場合にも取引先識別情報によって識別可能である。
【0088】
また、上述した実施形態では、制御パターンの内容を対象となるデータ(表示データ又はトランザクションデータ)に組み込む例について説明したが、制御パターンの内容と対象となるデータとを互いに関連付けておき、必要に応じて読み出す際に制御パターンの内容を対象となるデータに反映させるようにしてもよい。
【0089】
[4.具体例]
次に、上述した実施形態の具体例について、
図10〜
図12を参照して説明する。
【0090】
図10は、
図2のステップS220における制御パターンマスタのメンテナンスに際し表示される表示画面の具体例を示す図である。
図10に示す例では、表示制御パターンとして、受注入力を受け付けるための表示画面の表示フォーマットを定める表示制御パターンが設定される。
【0091】
図10に示されるように、表示制御パターンの設定に際しては、デフォルトで任意項目とされている複数の項目に対して、項目名、表示/非表示の区別、及び、任意項目/必須項目の区別が順次設定される。このとき、情報処理装置100は、入力すべきトランザクションデータの種別に応じて、例えば、受注入力、売上入力の区別に応じて、項目名、表示/非表示の区別、及び、任意項目/必須項目の区別の候補を提示するようにすることが好ましく、これにより、ユーザの手間を軽減することができる。また、制御パターン識別情報としての制御パターンコード又は制御パターン名を入力することにより、既に登録されている制御パターンを読み出して編集することも可能である。
【0092】
図11は、
図2のステップS275において表示される取引先用表示データに対応する画像を含む表示画面の具体例に係る構成を示す図である。
図11に示す具体例に係る表示画面は、特定の取引先の受注入力画面であり、
図10に示すような表示画面を介して設定された表示パターンにしたがって、取引先ごとに異なる画面として表示される。また、
図12は、
図11に示す表示画面から遷移可能な表示画面の具体例に係る構成を示す図であり、
図12(a)は、詳細情報表示画面の例を、
図12(b)は、補足情報表示画面の例を示す。
図12(a)に示す詳細情報表示画面は、
図11に示した表示画面中における伝票情報から遷移可能な画面であり、
図12(b)に示す補足情報表示画面は、
図12(a)に示す詳細情報表示画面内にあるタブから遷移可能な画面である。
【0093】
図10〜
図12を用いて説明したように、表示制御パターンを用いることにより、取引先ごとに、受注入力画面が自動的にカスタマイズされることとなる。その結果、カスタマイズの手間を軽減しつつ、取引先ごとに多岐にわたる受注データの管理を容易にすることができる。
【0094】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0095】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0096】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0097】
また、情報処理装置100及び情報処理システム1000に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0098】
例えば、情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0099】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理装置100に対して任意のネットワーク(例えばネットワーク300)を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0100】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明した処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0101】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0102】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0103】
また、情報処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置100は、当該装置に本明細書で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0104】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。