【解決手段】シェル本体21には、インシュレータ3の後方側に形成された接続作業用空間7と、シェル本体21の後端に接続作業用空間と連通開口した接続作業用孔71とを備え、接続作業用空間71に露出した中心コンタクト4と同軸ケーブル1の中心導体11とが接続されるようにし、接続作業用空間7に充填される密封用樹脂8を備えるとともに、中心コンタクト4は、導電性板材が筒状を成す中心コンタクト本体41と、中心コンタクト本体41の後端側開口縁に一体に支持されて中心コンタクト本体41の後端側開口411を塞ぐ樹脂漏れ防止板42とを備えている。
筒状のシェル本体を有するシェルと、該シェル本体内に収容されるインシュレータと、該インシュレータに保持されて前記シェル本体の内側に同軸配置された中心コンタクトとを備え、前記シェル本体及び中心コンタクトに対し、同軸ケーブルが交差する方向に保持されるL型同軸コネクタであって、
前記シェル本体には、前記インシュレータの後方側に形成された接続作業用空間と、前記シェル本体の後端に前記接続作業用空間と連通開口した接続作業用孔とを備え、前記接続作業用空間に露出した前記中心コンタクトと同軸ケーブルの中心導体とが接続されるようにしたL型同軸コネクタにおいて、
前記接続作業用空間に充填される密封用樹脂を備えるとともに、
前記中心コンタクトは、導電性板材が筒状を成す中心コンタクト本体と、該中心コンタクト本体の後端側開口縁に一体に支持されて前記中心コンタクト本体の後端側開口を塞ぐ樹脂漏れ防止板とを備えていることを特徴とするL型同軸コネクタ。
前記中心コンタクトは、その後端側に前記同軸ケーブルの中心導体が挿入されるケーブル位置決め部を一体に備え、該ケーブル位置決め部に前記中心導体が前記樹脂漏れ防止板に対し浮き上がり不能に保持されるようにした請求項1に記載のL型同軸コネクタ。
前記ケーブル位置決め部は、位置決め孔が形成された浮き上がり防止部を備え、前記樹脂漏れ防止板は、前記位置決め孔より切起こされた部分により形成されている請求項2に記載のL型同軸コネクタ。
前記シェル本体の側面に前記接続作業用空間と連通するケーブル接続部を備え、該ケーブル接続部の接続作業用空間側開口縁が該接続作業用空間内に露出している請求項1〜3の何れか1に記載のL型同軸コネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の同軸コネクタでは、近年、電子機器の多様化等に伴い気密性、防水性に優れたものが求められているが、上述の如き従来の技術では、接続部の後方部に接続作業用空間が形成されているため、気密性、防水性を確保することが困難であった。
【0007】
一方、上述の如き従来の技術では、外部シェルの接続部内に中心コンタクトを保持させたインシュレータを収容する構造であるため、相手方コネクタとの接続時における押し込み力に対抗するストッパー構造が必要であり、その分、部品点数の増加や複雑な構造が必要となるため、コストが嵩むという問題があった。
【0008】
更には、従来の中心コンタクトは、削り出し等によって形成されていたため、高価であるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、気密性、防水性に優れ、且つ安価なL型同軸コネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、筒状のシェル本体を有するシェルと、該シェル本体内に収容されるインシュレータと、該インシュレータに保持されて前記シェル本体の内側に同軸配置された中心コンタクトとを備え、前記シェル本体及び中心コンタクトに対し、同軸ケーブルが交差する方向に保持されるL型同軸コネクタであって、前記シェル本体には、前記インシュレータの後方側に形成された接続作業用空間と、前記シェル本体の後端に前記接続作業用空間と連通開口した接続作業用孔とを備え、前記接続作業用空間に露出した前記中心コンタクトと同軸ケーブルの中心導体とが接続されるようにしたL型同軸コネクタにおいて、前記接続作業用空間に充填される密封用樹脂を備えるとともに、前記中心コンタクトは、導電性板材が筒状を成す中心コンタクト本体と、該中心コンタクト本体の後端側開口縁に一体に支持されて前記中心コンタクト本体の後端側開口を塞ぐ樹脂漏れ防止板とを備えているL型同軸コネクタにある。
【0011】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記中心コンタクトは、その後端側に前記同軸ケーブルの中心導体が挿入されるケーブル位置決め部を一体に備え、該ケーブル位置決め部に前記中心導体が前記樹脂漏れ防止板に対し浮き上がり不能に保持されるようにしたことにある。
【0012】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記ケーブル位置決め部は、位置決め孔が形成された浮き上がり防止部を備え、前記樹脂漏れ防止板は、前記位置決め孔より切起こされた部分により形成されていることにある。
【0013】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の構成に加え、前記シェル本体の側面に前記接続作業用空間と連通するケーブル接続部を備え、該ケーブル接続部の接続作業用空間側開口縁が該接続作業用空間内に露出していることにある。
【0014】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1〜4の構成に加え、前記中心導体の予備半田により前記樹脂漏れ防止板と前記中心コンタクト本体との隙間が封止されていることにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るL型同軸コネクタは、上述したように、筒状のシェル本体を有するシェルと、該シェル本体内に収容されるインシュレータと、該インシュレータに保持されて前記シェル本体の内側に同軸配置された中心コンタクトとを備え、前記シェル本体及び中心コンタクトに対し、同軸ケーブルが交差する方向に保持されるL型同軸コネクタであって、前記シェル本体には、前記インシュレータの後方側に形成された接続作業用空間と、前記シェル本体の後端に前記接続作業用空間と連通開口した接続作業用孔とを備え、前記接続作業用空間に露出した前記中心コンタクトと同軸ケーブルの中心導体とが接続されるようにしたL型同軸コネクタにおいて、前記接続作業用空間に充填される密封用樹脂を備えるとともに、前記中心コンタクトは、導電性板材が筒状を成す中心コンタクト本体と、該中心コンタクト本体の後端側開口縁に一体に支持されて前記中心コンタクト本体の後端側開口を塞ぐ樹脂漏れ防止板とを備えていることによって、高い防水性、気密性を確保することができるとともに、中心コンタクトに安価なプレス加工品を使用しても密封用樹脂の接続部側への漏れを防止し、接触不良を防止することができる。
【0016】
また、本発明において、前記中心コンタクトは、その後端側に前記同軸ケーブルの中心導体が挿入されるケーブル位置決め部を一体に備え、該ケーブル位置決め部に前記中心導体が前記樹脂漏れ防止板に対し浮き上がり不能に保持されるようにしたことにより、同軸ケーブルと中心コンタクトとの接続作業を効率よく行うことができる。
【0017】
更に、本発明において、前記ケーブル位置決め部は、位置決め孔が形成された浮き上がり防止部を備え、前記樹脂漏れ防止板は、前記位置決め孔より切起こされた部分により形成されていることにより、樹脂漏れ防止板と位置決め孔とを一括して形成することができ、部品コストの低減を図ることができる。
【0018】
更にまた、本発明において、前記シェル本体の側面に前記接続作業用空間と連通するケーブル接続部を備え、該ケーブル接続部の接続作業用空間側開口縁が該接続作業用空間内に露出していることにより、同軸ケーブルの誘導体端部の周囲に密封用樹脂が回り込み、同軸ケーブルとシェルとの隙間を埋めて密封性を高めることができる。
【0019】
また、本発明において、前記中心導体の予備半田により前記樹脂漏れ防止板と前記中心コンタクト本体との隙間が封止されていることにより、半田が樹脂漏れ防止板と中心コンタクト本体内周との隙間を埋め、より高い防水性、気密性を確保することができる。
ことができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係るL型同軸コネクタAの実施態様を
図1〜
図6に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号AはL型同軸コネクタ、符号1は同軸ケーブルである。
【0022】
また、本実施例においては、相手方コネクタとの接続軸方向を基準とし、接続軸方向の相手方コネクタ側を前として説明する。
【0023】
このL型同軸コネクタAは、筒状のシェル本体21を有するシェル2と、シェル本体21内に収容されるインシュレータ3と、インシュレータ3に保持されてシェル本体21の内側に同軸配置された中心コンタクト4とを備え、シェル本体21に対し、同軸ケーブル1が中心コンタクト4の軸方向と交差する方向から接続され、その状態で保持される構造になっている。
【0024】
尚、このL型同軸コネクタAは、シェル2の外側に絶縁樹脂製の外部カバー5を備え、外部カバー5内にシェル2及び同軸ケーブル1の先端部が保持され、外部カバー5とシェル2との間の隙間をOリング等の封止部材6により封止できるようになっている。
【0025】
シェル2は、両端が開口した円筒状のシェル本体21と、シェル本体21の内側に配置される同心筒状のコンタクトシェル22とを備え、シェル本体21の後端に開口した接続作業用孔71よりシェル本体21内にコンタクトシェル22が互いに導通した状態に組み付けられている。
【0026】
シェル本体21は、導電性金属材により円筒状に形成され、その後端側の側面部に円筒状のケーブル接続部23が交差する方向に連通した状態で一体に突設され、ケーブル接続部23内に外部被覆14及び外部導体13を剥いた同軸ケーブル1の先端部が挿入され、誘導体12の端面が後述する接続作業用空間7内に露出するようになっている。
【0027】
また、ケーブル接続部23の外側には、円環状のケーブル接続用スリーブ24が嵌合され、ケーブル接続部23とケーブル接続用スリーブ24との間に同軸ケーブル11の外部導体13が挟持され、シェル2と外部導体13とが導通した状態に接続されるようになっている。
【0028】
コンタクトシェル22は、弾性を有する導電性金属材により一体に形成され、軸方向の両端が開口した円筒状に形成されている。
【0029】
このコンタクトシェル22は、周方向に間隔を置いて軸方向に向けた複数のスリット221,221を備え、このスリット221,221により筒状の相手方コネクタ接続側が周方向に分割され、周方向に複数のシェル弾性接触片部222,222...が形成されている。
【0030】
各シェル弾性接触片部222,222...には、内側に膨出した接点部223が一体に形成され、相手方コネクタが接続される際、この接点部223が相手方コネクタのシェル2の外周面に接触するようになっている。
【0031】
このコンタクトシェル22は、シェル本体21内に後端の接続作業用孔71より挿入することにより、互いに導通させた状態且つ相手方コネクタ側に抜け出し不能な状態で固定され、シェル弾性接触片部222,222...が径方向に変形可能な状態に保持される。
【0032】
インシュレータ3は、円柱状のインシュレータ本体部31と、インシュレータ本体部31の一端面中央より突出した円柱状のコンタクト収容突部32とが軸方向に連続した複数段円柱状に形成されている。
【0033】
また、このインシュレータ3には、コンタクト収容突部32及びインシュレータ本体部31の軸方向中心を貫通したコンタクト収容孔33が形成され、このコンタクト収容孔33に中心コンタクト4が挿入収容されることによりシェル本体21、コンタクトシェル22及び中心コンタクト4が同心状に配置され、且つ、コンタクトシェル22と中心コンタクト4との間に絶縁体からなるインシュレータ3が介在されるようになっている。
【0034】
インシュレータ本体部31は、フランジ部311を一体に有する円柱状に形成され、インシュレータ3をシェル本体21後端側の接続作業用孔71より挿入することにより、コンタクトシェル22の内側に嵌め込まれるとともに、フランジ部311がシェル本体21内周部に形成された段部211と係合し、相手方コネクタ側に抜け出し不能な状態に収容されるようになっている。
【0035】
そして、シェル本体21内には、インシュレータ3がシェル本体21内に固定されると、その後端側に接続作業用空間7が形成され、この接続作業用空間7には、内周面部にケーブル接続部23の接続作業用空間側開口端縁231が露出するとともに、インシュレータ3に保持された中心コンタクト4の端部が露出するようになっている。
【0036】
中心コンタクト4は、
図3に示すように、導電性金属板材を
図4に示す展開図のように打ち抜き、それをプレス加工することにより一体に形成され、板状材が筒状を成す中心コンタクト本体41と、中心コンタクト本体41の後端側開口411縁に一体に支持されて中心コンタクト本体41の後端側開口411を塞ぐ樹脂漏れ防止板42とを備えている。
【0037】
また、中心コンタクト本体41は、その後端側に同軸ケーブル1の中心導体11が挿入される位置決め孔431が形成されたケーブル位置決め部43を一体に備え、樹脂漏れ防止板42は、位置決め孔431より切起こされた部分により形成されており、位置決め孔431は、その切起こし孔によって形成されている。
【0038】
ケーブル位置決め部43は、中心コンタクト本体41を構成する板材の後端側と一体に連続した浮き上がり防止部432と、浮き上がり防止部432の両側より折り曲げられた側面ガイド片433,433とをもってU字状に形成され、インシュレータ3に保持された状態で当該U字状の開口側がケーブル接続部23側に向けられて固定される。
【0039】
そして、同軸ケーブル1の中心導体11の先端が両側面ガイド片433,433に案内され、その最先端が位置決め孔431に挿入されることにより中心導体11を容易に位置決めできるとともに、同軸ケーブル1の中心コンタクト4(樹脂漏れ防止板42)に対する浮き上がりが防止されるようになっている。
【0040】
中心コンタクト本体41は、矩形板材がプレス加工により丸められて円筒状に形成され、その先端部に円錐台筒状を成す中心接続部44が一体に形成されている。
【0041】
また、中心コンタクト本体41の外周面部には、外向きに突出した固定用凸片45,45が対称配置に形成され、この固定用凸片45,45がコンタクト収容孔33の内側面と係合されてインシュレータ3に中心コンタクト4が固定されるようになっている。
【0042】
中心接続部44は、周方向に間隔を置いて軸方向に向けた複数のスリット441,441を備え、このスリット441,441により円錐台筒状が周方向に分割され、一対の弾性接触片部442,442が形成され、両弾性接触片442,442間に相手方コネクタの中心コンタクトが挿入挟持されるようになっている。
【0043】
樹脂漏れ防止板42は、中心コンタクト本体41の内径とほぼ同じ円形状に形成され、
図4に示す展開図のように団扇状に切れ目を入れ、屈曲させた支持片421に支持された状態で中心コンタクト本体41の後端側開口411に嵌まり込み、後端側開口411を塞いでいる。
【0044】
この樹脂漏れ防止板42は、同軸ケーブル1の中心導体11と中心コンタクト4とを接続する接続端子を兼ねており、ここに中心導体11を半田付けにより接続するようになっている。
【0045】
その場合、中心導体11の先端部に予め予備半田を施しておくことにより、半田が中心コンタクト本体41の内周面と樹脂漏れ防止板42との間に流れ込み、それによって中心コンタクト4の後端側開口411がより厳密に封止される。
【0046】
接続作業用空間7は、シェル本体21の内周面とインシュレータ3とに囲まれたインシュレータ3の後端面を底とする凹穴状に形成され、そこに密封用樹脂8が充填されている。
【0047】
密封用樹脂8は、硬化前では高い流動性を有し、充填性に優れ、硬化後は高い気密性を発揮する樹脂を使用し、例えば、エポキシ系樹脂等を使用する。
【0048】
次に、このL型同軸コネクタAの組み立て方法について
図5、
図6に基づいて説明する。
【0049】
まず、
図5(a)に示すように、シェル本体21内に接続作業用孔71を通してコンタクトシェル22、インシュレータ3及び中心コンタクト4を挿入し、シェル本体21内にコンタクトシェル22、インシュレータ3及び中心コンタクト4を互いに同軸配置に且つ相手方コネクタ側に抜け出し不能な状態に収容する。
【0050】
その際、中心コンタクト4を保持したインシュレータ3は、その一部がケーブル接続部23の開口部と重ならず、且つ、中心コンタクト4のケーブル位置決め部43のU字開口側がケーブル接続部23側に向くように位置決めされる。
【0051】
次に、
図5(b)に示すように、外部被覆14及び外部導体13を剥いた同軸ケーブル1の先端部を、誘導体12の端面が接続作業用空間7内に挿入される位置までケーブル接続部23を通してシェル本体21内、即ち、接続作業用空間7に挿入する。
【0052】
その際、中心導体11は、
図6に示すように、両側がケーブル位置決め部43の側面ガイド片433,433に案内され、最先端が位置決め孔431に挿入され、中心コンタクト4の樹脂漏れ防止板42に浮き上がり不能な状態に接触する。
【0053】
また、同軸ケーブル1の外部導体13は、ケーブル接続部23の外側に配置され、そこに接続用スリーブ24をはめ込み、ケーブル接続部23の外周と接続用スリーブ24との間に外部導体13を挟持することにより、シェル2と同軸ケーブル1の外部導体13とが導通するとともに、同軸ケーブル1が仮固定される。
【0054】
この状態で、接続作業用孔71を通して中心コンタクト4の樹脂漏れ防止板42に対し中心導体11を半田付けすることにより、中心コンタクト4と同軸ケーブル1の中心導体11とが導通した状態に固定される。
【0055】
その際、中心導体11は、中心コンタクト4に対し浮き上がり不能な状態に保持されているので効率よく半田による接続作業を行うことができる。
【0056】
また、中心導体11に予め予備半田を施しておくことにより、当該予備半田が中心コンタクト本体41の内周と樹脂漏れ防止板42との間に流れ込み、樹脂漏れ防止板42と中心コンタクト本体41の内周との隙間が封止される。
【0057】
そして、
図5(c)に示すように、接続作業用孔71から密封用樹脂8を接続作業用空間7に充填し、それを硬化させることにより、密封用樹脂8によって中心導体11とシェル本体21との間隙及び同軸ケーブル11の誘導体12とシェル本体21との間隙が封止される。
【0058】
その際、ケーブル接続部23の開口縁231が接続作業用空間7内に露出しているので、接続作業用空間7に充填された密封用樹脂8が同軸ケーブル1の接続作業用空間7内に挿入された部分の外周の全周に亘って回り込むことができ、同軸ケーブル1の接続作業用空間7内に挿入された部分全体を覆うことができるので、同軸ケーブル1とシェル本体21との間隙を好適に封止することができる。
【0059】
尚、密封用樹脂8は、硬化するまで一定の流動性を有するが、中心コンタクト4に中心コンタクト本体41の後端側開口411を閉鎖する樹脂漏れ防止板42を備えていることにより、中心コンタクト4接続部側への樹脂の漏れ出しを防ぐことができ、樹脂が接触性能に悪影響を及ぼさないようになっている。
【0060】
また、密封用樹脂8が硬化すると当該密封用樹脂8がシェル本体21に対して固定され、この密封用樹脂8がストッパーとして機能し、コンタクトシェル22、インシュレータ3及び中心コンタクト4の後端側への抜け出し不能とし、相手方コネクタと接続する際の押し込み力に対する抵抗力が確保される。
【0061】
そして、
図1に示すように、必要に応じて接続作業用孔71に閉鎖蓋72を嵌合させて閉鎖するとともに、シェル2及び同軸ケーブル1の先端部の外側を覆うように樹脂製の外部カバー5を成形する。
【0062】
このように構成されたL型同軸コネクタAは、シェル本体21の後端部に形成される接続作業用空間7を有することにより、中心コンタクト4と同軸ケーブル1との接続作業を容易且つ効率的に行え、また、この接続作業用空間7を密封用樹脂8で充填することによって高い防水性、気密性を有する構造とすることができる。
【0063】
一方、このL型同軸コネクタAでは、中心コンタクト本体41の後端側開口411を塞ぐ樹脂漏れ防止板42を備え、密封用樹脂8が相手方コネクタとの接続部側に漏れ出すのを防止することができることから、プレス加工品の中心コンタクト4が導入でき、製造コストの低減を図ることができる。
【0064】
また、L型同軸コネクタAは、シェル本体21内のインシュレータ3より後方側に充填される密封用樹脂8を備えているので、別途ストッパー用の部品及び構造がなくとも、コンタクトシェル22、インシュレータ3及び中心コンタクト4が相手方コネクタと接続する際、各部が密封用樹脂8に支持されて相手方コネクタから受ける押し込み方向の負荷に対抗できる。
【0065】
尚、上述の実施例では、接続作業用孔71に嵌合し、孔を閉鎖する閉鎖蓋を備えている例について説明したが、閉鎖蓋は必ずしも設けなくともよい。