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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-174700(P2017-174700A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】ロック機構付きコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20170901BHJP
   H01R 13/627 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
   H01R13/627
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-61130(P2016-61130)
(22)【出願日】2016年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】工藤 広紀
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB07
5E021FC31
5E021FC36
5E021HC09
5E021KA03
(57)【要約】
【課題】操作性に優れたロック機構付きコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ100は、リセプタクル10とプラブ20が互いに係脱自在なロック機構11を備える。リセプタクル10は、第1ハウジング1と第1コンタクト3を備える。プラブ20は、第2ハウジング2と第2コンタクト4を備える。第1ハウジング1は、先端部にフック部12hを設けたロックアーム12を凹部110に有する。第2ハウジング2は、係合突起2bをヘッダー部2hに有する。ヘッダー部2hを凹部110に挿入したときは、係合突起2bがフック部12hを乗り越えて、リセプタクル10とプラブ20の完全嵌合を実感できる。ヘッダー部2hを凹部110から引き抜いたときは、フック部12hを変位させて、プラブ20をリセプタクル10から容易に引き抜くことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の第1コネクタと他方の第2コネクタが互いに係脱自在なロック機構を備えたロック機構付きコネクタであって、
前記第1コネクタは、
一方の面を略矩形に開口した凹部を有する直方体状の第1ハウジングと、
ピン状の接続端子を前記凹部の内部に配置した一つ以上の第1コンタクトと、を備え、
前記第2コネクタは、
前記凹部に嵌合自在なヘッダー部を一端部側に有し、前記第1ハウジングの一方の面に部分的に当接自在な鍔部を他端部に有する直方体状の第2ハウジングと、
前記第2ハウジングの内部に配置され、前記第1コンタクトの接続端子と接続自在なベローズ端子を一端部に有する第2コンタクトと、を備え、
前記第1ハウジングは、前記凹部の一方の内壁と所定の間隔を設けて、当該凹部の一方の内壁と略平行に、前記凹部の開口面に向って前記凹部の底部から突出し、前記凹部の中心部に向けて突出した台形状のフック部を先端部に設けた帯板状のロックアームを有し、
前記第2ハウジングは、前記ヘッダー部の一方の面から隆起し、前記フック部と係脱自在な一つ以上の四角錐台状の係合突起を有している、ロック機構付きコネクタ。
【請求項2】
前記第1コンタクトは、前記接続端子と連続し、プリント基板にハンダ接合自在なリード端子を有している、請求項1記載のロック機構付きコネクタ。
【請求項3】
前記第2コンタクトは、ケーブルの端末を圧接により結線する圧接端子を他端部に有している、請求項1又は2記載のロック機構付きコネクタ。
【請求項4】
前記第1コンタクトは、前記接続端子に対して前記リード端子を略直角に屈曲している、請求項2記載のロック機構付きコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構付きコネクタに関する。特に、相手側コネクタとの機械的保持を可能とするロック機構を備えたロック機構付きコネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のケーブル付きソケットコンタクトを実装したコネクタと、複数のピンコンタクトを有するコネクタを電気的及び機械的に接続する対をなすコネクタが知られている。例えば、基板対電線コネクタが知られている。この場合、一方のコネクタがプリント基板に実装され、一方のコネクタに他方のケーブル付きコネクタが着脱自在に接続される。
【0003】
このような電気接続用のコネクタでは、一方のコネクタと他方のコネクタを確実に接続しておくために、ロック機構を設けていることが多い。基板対電線コネクタでは、一方のコネクタに対して、他方のコネクタにケーブルを配設しているので、ロック機構を設ける場合が特に多い。
【0004】
このようなロック機構付きのコネクタとしては、複数のケーブルを配設した一方のコネクタには、レバー式のロックアームを設け、他方のコネクタには、ロックアームが係止自在なフック部を設けた、いわゆるレバーロック式のロック機構を備えたロック機構付きコネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
又、このようなロック機構付きのコネクタとしては、複数のケーブルを配設した一方のコネクタには、外壁から突出した一対の突起を設け、他方のコネクタには、内壁から外壁に貫通し、これらの突起が嵌合する一対の係止穴を開口し、一方のコネクタと他方のコネクタを摩擦力によりロックする、いわゆるフリクションロック式のロック機構を備えたロック機構付きコネクタが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−164294号公報
【特許文献2】特開2000−67988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図8は、従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを対向配置した状態図である。図9は、従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを接続した状態図である。なお、本願の図8図9は、特許文献1の図1図3に対応している。
【0008】
図8又は図9を参照すると、一方のコネクタ(以下、プラグという)91は、直方体状のハウジング91hと複数のソケット形のコンタクト91cを備えている。これらのコンタクト91cは、ハウジング91hの内部に配列されている(図9参照)。コンタクト91cは、その基端部がケーブルCbの端末を結線している。コンタクト91cの先端部は、後述するピンコンタクト93cと接続できる。
【0009】
又、図8又は図9を参照すると、プラグ91は、レバー式のロックアーム92を更に備えている。ロックアーム92は、略矩形の板状に形成している。又、ロックアーム92は、その底面がハウジング91hの一方の外壁面と略平行に配置されている。
【0010】
図9を参照すると、ハウジング91hは、所定の間隔で離隔した一対の支持部92m・92mを有している。一対の支持部92m・92mは、ロックアーム92に向かって、ハウジング91hの一方の外壁から突出している。又、一対の支持部92m・92mは、それらの先端部がロックアーム92の中間部に結合している。つまり、ハウジング91hとロックアーム92は、一体に成形されている。
【0011】
図8又は図9を参照すると、ロックアーム92は、第1の部分921と第2の部分922を有している。第1の部分921は、支持部92mから相手方のベースコネクタ93への装着方向A側に位置している(図8参照)。第2の部分922は、支持部92mから相手方のベースコネクタ93との反装着方向B側に位置している(図8参照)。
【0012】
図8又は図9を参照すると、ロックアーム92の第1の部分921は、鉤状に形成した一対のフック部91a・91bを含んでいる。一対のフック部91a・91bは、相手方のベースコネクタ93に形成した一対の係合突起93a・93bに係合できる。
【0013】
図8又は図9を参照すると、ロックアーム92の第2の部分922は、指押さえ部92fを含んでいる。指押さえ部92fをハウジング91hの一方の外壁に向かって押すと、一対の支持部92m・92mが弾性変形し、ハウジング91hの一方の外壁から、第1の部分921を離反できる。そして、一対のフック部91a・91bと一対の係合突起93a・93bの係合を解除できる。一方、指押さえ部92fを解放すると、ロックアーム92を元の状態に復帰できる。
【0014】
図8又は図9を参照すると、他方のコネクタ(以下、ベースコネクタという)93は、直方体状のハウジング93hと複数のピンコンタクト93cを備えている。これらのピンコンタクト93cは、ハウジング93hの底部に配列されている(図9参照)。ピンコンタクト93cは、その一端部がハウジング93hの内部に突出している。そして、ピンコンタクト93cの一端部は、コンタクト91cと接続できる(図9参照)。
【0015】
図9を参照すると、ピンコンタクト93cの他端部は、ハウジング93hの底面から突出している。ピンコンタクト93cの他端部は、プリント基板9pに開口されたスルーホール(図示せず)に挿入できる(図8参照)。そして、ピンコンタクト93cの他端部とスルーホール(図示せず)をハンダ接合することで、ベースコネクタ93をプリント基板9pに実装できる。つまり、ベースコネクタ93は、プリント基板に実装できるプリント基板用コネクタである。
【0016】
図8を参照すると、ハウジング93hは、一方の面を開口した凹部930を有している。ハウジング93hの凹部930には、プラグ91を挿抜できる(図9参照)。
【0017】
図8を参照すると、ハウジング93hは、一対の係合突起93a・93bを一方の外壁面に形成している。一対の係合突起93a・93bは、ロックアーム92に設けた一対のフック部91a・91bに係合できる。一対の係合突起93a・93は、縦リブ931を挟んだ一対の凹部93d・93eの端部に形成している。
【0018】
図8又は図9を参照すると、一対の係合突起93a・93bは、傾斜した案内面93sを一端部側に形成している。プラグ91をベースコネクタ93の凹部930に挿入すると、一対のフック部91a・91bの先端縁が案内面93sに当接して、一対のフック部91a・91bを持ち上げることができる。
【0019】
図8又は図9を参照して、プラグ91を凹部930に更に挿入すると、一対のフック部91a・91bが一対の係合突起93a・93bを乗り越して、一対のフック部91a・91bを一対の係合突起93a・93bに係合できる。これにより、ベースコネクタ93に対して、プラグ91をロックできる。
【0020】
図10は、他の従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを対向配置した状態図である。図11は、他の従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す正面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを接続した状態図である。なお、本願の図10図11は、特許文献2の図7図8に対応している。
【0021】
図10又は図11を参照すると、一方のコネクタ(以下、プラグという)81は、直方体状のハウジング81hと図示しない複数のソケット形のコンタクトを備えている。これらのコンタクトは、ハウジング81hの内部に配列されている。又、コンタクトは、その基端部がケーブルCbの端末を圧接により結線している。これらのコンタクトの先端部は、後述するピンコンタクト83cと接続できる。
【0022】
図10を参照すると、プラグ81は、一対の突起81b・81bを更に備えている。これらの突起81b・81bは、ハウジング81hの一方の側面から突出している。又、これらの突起81b・81bは、後述する一対の係止穴83i・83iに嵌合できる。
【0023】
図10又は図11を参照すると、他方のコネクタ(以下、ベースコネクタという)83は、直方体状のハウジング83hと複数のピンコンタクト83cを備えている。これらのピンコンタクト83cは、ハウジング83hの底部に配列されている。ピンコンタクト83cは、その一端部がハウジング83hの内部に突出している。そして、ピンコンタクト83cの一端部は、プラグ81のコンタクト(図示せず)と接続できる。
【0024】
図10を参照すると、ピンコンタクト83cの他端部は、ハウジング83hの底面から突出している。ピンコンタクト83cの他端部は、プリント基板9pに開口されたスルーホール(図示せず)に挿入できる(図11参照)。そして、ピンコンタクト93cの他端部とスルーホール(図示せず)をハンダ接合することで、ベースコネクタ83をプリント基板9pに実装できる。
【0025】
図10を参照すると、ハウジング83hは、一方の面を開口した凹部830を有している。ハウジング83hの凹部830には、プラグ81を挿抜できる(図11参照)。
【0026】
又、図10を参照すると、ハウジング83hは、一対の係止穴83i・83iを一方の側面に開口している。これらの係止穴83i・83iは、凹部830の内壁から一方の側面に貫通している。
【0027】
図10を参照して、プラグ81をベースコネクタ83の凹部830に挿入すると、一対の突起81b・81bは、その先端部が凹部830の内壁をスライドしながら進入する。プラグ81を凹部830に更に挿入すると、一対の突起81b・81bを一対の係止穴83i・83iに係合できる。これにより、ベースコネクタ83に対して、プラグ81をロックできる(図11参照)。
【0028】
図10又は図11を参照すると、プラグ81とベースコネクタ83は、摩擦力によりロックする、いわゆるフリクションロック式のロック機構を備えたロック機構付きコネクタとなっている。
【0029】
一方、図11に示した状態から、プラグ81の両端部に配置した一対の鍔部81f・81fを把持し(図10参照)、突起81bが係止穴83iから離脱する強い力で、プラグ81を引っ張ることで、ベースコネクタ83からプラグ81を引き抜くことができる。
【0030】
図8又は図9に示したレバーロック式のロック機構は、ロックアーム92の先端部が一対の係合突起93a・93bを乗り越えたときの感触(いわゆる、クリック感)で、プラグ81とベースコネクタ83の完全嵌合を実感できるという利点がある。
【0031】
一方、レバーロック式のロック機構は、コネクタを挿抜するとき以外は、ハウジングの外壁に構成したロックアームが不要な突起物ということもできる。プリント基板に実装した他の実装物がロックアームに当接して、コネクタのロックが不安定になるという心配がある。
【0032】
図10又は図11に示したフリクションロック式のロック機構は、コネクタの外壁にロックアームを設けていないので、コネクタのロックが不安定になる心配が無い。又、フリクションロック式のロック機構は、一方のコネクタの両側部を把持して、他方のコネクタから容易に引き抜くことができるので、操作性に優れているという利点がある。
【0033】
しかし、フリクションロック式のロック機構は、一方のコネクタと他方のコネクタを摩擦力によりロックしているので、一方のコネクタと他方のコネクタが完全嵌合したことを実感するのが容易でない、という不便な構造になっている。
【0034】
一方のコネクタと他方のコネクタが完全嵌合したことを実感できると共に、一方のコネクタと他方のコネクタとの着脱が容易な操作性に優れたロック機構付きコネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0035】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、一方のコネクタと他方のコネクタの完全嵌合を実感できると共に、操作性に優れたロック機構付きコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明者は、一方の第1コネクタには、第1ハウジングに形成した凹部の開口面に向って突出したロックアームを第1ハウジングに設け、他方の第2コネクタには、ロックアームの先端部に形成したフック部と係脱自在な四角錐台状の係合突起を第2ハウジングのヘッダー部に設け、ヘッダー部を凹部に挿入したときは、係合突起がフック部を乗り越えて、第1コネクタと第2コネクタの完全嵌合を実感でき、ヘッダー部を凹部から引き抜いたときは、フック部を変位させて、第2コネクタを第1コネクタから容易に引き抜くことができると考え、これに基づいて、以下のような新たなロック機構付きコネクタを発明するに至った。
【0037】
(1) 一方の第1コネクタと他方の第2コネクタが互いに係脱自在なロック機構を備えたロック機構付きコネクタであって、前記第1コネクタは、一方の面を略矩形に開口した凹部を有する直方体状の第1ハウジングと、ピン状の接続端子を前記凹部の内部に配置した一つ以上の第1コンタクトと、を備え、前記第2コネクタは、前記凹部に嵌合自在なヘッダー部を一端部側に有し、前記第1ハウジングの一方の面に部分的に当接自在な鍔部を他端部に有する直方体状の第2ハウジングと、前記第2ハウジングの内部に配置され、前記第1コンタクトの接続端子と接続自在なベローズ端子を一端部に有する第2コンタクトと、を備え、前記第1ハウジングは、前記凹部の一方の内壁と所定の間隔を設けて、当該凹部の一方の内壁と略平行に、前記凹部の開口面に向って前記凹部の底部から突出し、前記凹部の中心部に向けて突出した台形状のフック部を先端部に設けた帯板状のロックアームを有し、前記第2ハウジングは、前記ヘッダー部の一方の面から隆起し、前記フック部と係脱自在な一つ以上の四角錐台状の係合突起を有している、ロック機構付きコネクタ。
【0038】
(2) 前記第1コンタクトは、前記接続端子と連続し、プリント基板にハンダ接合自在なリード端子を有している、(1)記載のロック機構付きコネクタ。
【0039】
(3) 前記第2コンタクトは、ケーブルの端末を圧接により結線する圧接端子を他端部に有している、(1)又は(2)記載のロック機構付きコネクタ。
【0040】
(4) 前記第1コンタクトは、前記接続端子に対して前記リード端子を略直角に屈曲している、(2)記載のロック機構付きコネクタ。
【発明の効果】
【0041】
本発明によるロック機構付きコネクタは、一方の第1コネクタには、第1ハウジングに形成した凹部の開口面に向って突出したロックアームを第1ハウジングに設け、他方の第2コネクタには、ロックアームの先端部に形成したフック部と係脱自在な四角錐台状の係合突起を第2ハウジングのヘッダー部に設け、ヘッダー部を凹部に挿入したときは、係合突起がフック部を乗り越えて、第1コネクタと第2コネクタの完全嵌合を実感でき、ヘッダー部を凹部から引き抜いたときは、フック部を変位させて、第2コネクタを第1コネクタから容易に引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態図である。
図2】前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを対向配置した状態図である。
図3】前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視断面図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態図である。
図4】前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す図であり、図4(A)は、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態で示すロック機構付きコネクタの平面図、図4(B)は、図4(A)の正面図、図4(C)は、図4(A)の背面図、図4(D)は、図4(A)の右側面図、図4(E)は、図4(A)の左側面図、図4(F)は、図4(A)の下面図である。
図5】前記実施形態による一方の第1コネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタを底面側から観ている。
図6】前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方の第1コネクタに他方の第2コネクタを挿入する前の状態図である。
図7】前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方の第1コネクタに他方の第2コネクタを挿入した状態図である。
図8】従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを対向配置した状態図である。
図9】従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを接続した状態図である。
図10】他の従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを対向配置した状態図である。
図11】他の従来技術によるロック機構付きコネクタの構成を示す正面図であり、一方のコネクタと他方のコネクタを接続した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[ロック機構付きコネクタの構成]
最初に、本発明の一実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を説明する。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態図である。図2は、前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを対向配置した状態図である。
【0045】
図3は、前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す斜視断面図であり、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態図である。
【0046】
図4は、前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す図であり、図4(A)は、一方の第1コネクタと他方の第2コネクタを接続した状態で示すロック機構付きコネクタの平面図、図4(B)は、図4(A)の正面図、図4(C)は、図4(A)の背面図、図4(D)は、図4(A)の右側面図、図4(E)は、図4(A)の左側面図、図4(F)は、図4(A)の下面図である。
【0047】
図5は、前記実施形態による一方の第1コネクタの構成を示す斜視図であり、一方の第1コネクタを底面側から観ている。
【0048】
図6は、前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方の第1コネクタに他方の第2コネクタを挿入する前の状態図である。図7は、前記実施形態によるロック機構付きコネクタの構成を示す縦断面図であり、一方の第1コネクタに他方の第2コネクタを挿入した状態図である。
【0049】
(全体構成)
図1から図7を参照すると、本発明の一実施形態によるロック機構付きコネクタ(以下、コネクタと略称する)100は、一方の第1コネクタ(以下、リセプタクルという)10と他方の第2コネクタ(以下、プラブという)20が互いに係脱自在なロック機構11を備えている。
【0050】
図1から図7を参照すると、リセプタクル10は、直方体状の第1ハウジング1と複数の第1コンタクト3を備えている。第1ハウジング1は、一方の面を略矩形に開口した凹部110を有している(図2又は図5及び図6参照)。第1コンタクト3は、ピン状の接続端子3cを凹部110の内部に配置している(図5から図7参照)。
【0051】
図1から図4及び図6又は図7を参照すると、プラブ20は、直方体状の第2ハウジング2と複数の第2コンタクト4を備えている。第2ハウジング2は、ヘッダー部2hを一端部側に有し、鍔部2fを他端部に有している(図3又は図6及び図7参照)。ヘッダー部2hは、第1ハウジング1の凹部110に嵌合できる。鍔部2fは、第1ハウジング1の一方の面に部分的に当接できる。
【0052】
図3又は図6及び図7を参照すると、第2コンタクト4は、第2ハウジング2の内部に配置されている。第2コンタクト4は、ベローズ端子4bを一端部に有している。ベローズ端子4bは、第1コンタクト3の接続端子3cと電気的に接続できる。
【0053】
図3又は図5及び図6又は図7を参照すると、第1ハウジング1は、帯板状のロックアーム12を有している。ロックアーム12は、凹部110の一方の内壁と所定の間隔を設けて、凹部110の一方の内壁と略平行に、凹部110の開口面に向って凹部110の底部から突出している。
【0054】
又、図3又は図5及び図6又は図7を参照すると、ロックアーム12は、台形状のフック部12hを先端部に設けている。フック部12hは、凹部110の中心部に向けて突出している。
【0055】
一方、図2又は図6及び図7を参照すると、第2ハウジング2は、四つの四角錐台状の係合突起2bを有している。これらの係合突起2bは、ヘッダー部2hの一方の面から隆起している。そして、これらの係合突起2bは、ロックアーム12のフック部12hと係脱できる(図6又は図7参照)。
【0056】
図6又は図7を参照すると、実施形態によるコネクタ100は、ヘッダー部2hを凹部110に挿入したときは、係合突起2bがフック部12hを乗り越えて、リセプタクル10とプラブ20の完全嵌合を実感できる。一方、ヘッダー部2hを凹部110から引き抜いたときは、フック部12hを変位させて、プラブ20をリセプタクル10から容易に引き抜くことができる。
【0057】
(第1ハウジングの構成)
次に、実施形態による第1ハウジング1の構成を説明する。図1から図7を参照すると、第1ハウジング1は、絶縁性を有している。非導電性の材料からなる合成樹脂を成形して、所望の形状の絶縁性の第1ハウジング1を得ることができる。
【0058】
図2から図5を参照すると、第1ハウジング1は、一対のキー溝1d・1dを有している。一対のキー溝1d・1dは、凹部110と連通している。又、一対のキー溝1d・1dは、凹部110の一方の内壁に穿設している。一対のキー溝1d・1dは、後述するキー2kをスライド自在に案内できる。
【0059】
一方、図2又は図4(B)を参照すると、第2ハウジング2は、一対のキー2k・2kをヘッダー部2hに有している。一対のキー2k・2kは、ヘッダー部2hの一方の面から隆起している。又、一対のキー2k・2kは、所定の間隔を設けて、ヘッダー部2hの前部に配置されている。
【0060】
図2を参照して、一対のキー2k・2kは、一対のキー溝1d・1dに嵌合できる。プラブ20の天地を逆にして、リセプタクル10の凹部110に挿入しようとすると、一対のキー2k・2kが第1ハウジング1の一方の面に当接することで、プラブ20の誤挿入を防止できる。
【0061】
(第1コンタクトの構成)
次に、実施形態による第1コンタクト3の構成を説明する。図2から図7を参照して、第1コンタクト3は、導電性を有している。導電性の金属板を打ち抜き加工して、所望の形状の導電性の第1コンタクト3を得ることができる。第1コンタクト3は、加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、例えば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定されない。
【0062】
図3又は図5から図7を参照すると、第1コンタクト3は、リード端子3rを有している。リード端子3rは、接続端子3cと連続している。リード端子3rをプリント基板9pの表面にあるパターン(図示せず)にハンダ接合することで、リセプタクル10をプリント基板9pに実装できる(図1又は図2参照)。
【0063】
又、図3又は図5から図7を参照すると、第1コンタクト3は、接続端子3cに対してリード端子3rをプリント基板9pの表面に実装するため、略直角に屈曲させている。
【0064】
(第2ハウジングの構成)
次に、実施形態による第2ハウジング2の構成を説明する。図1から図4及び図6又は図7を参照すると、第2ハウジング2は、絶縁性を有している。非導電性の材料からなる合成樹脂を成形して、所望の形状の絶縁性の第1ハウジング1を得ることができる。
【0065】
図1から図3を参照すると、第2ハウジング2は、下面に開口した複数の収容溝2eを有している。収容溝2eには、ケーブルCbを外周方向から導入できる。収容溝2eは、ケーブルCbが、第2ハウジング2から離反困難にΩ字状に開口側が狭まっている。
【0066】
図6又は図7を参照すると、収容溝2eの奥側には、後述する圧接端子4cを配置している。ケーブルCbをその外周方向から収容溝2eに導入すると、圧接端子4cに設けた一対の圧接刃(図示せず)がケーブルCbの被覆を押しのけて、ケーブルCbの芯線と圧接端子4cを電気的に接続できる。
【0067】
(第2コンタクトの構成)
次に、実施形態による第2コンタクト4の構成を説明する。図3又は図6及び図7を参照して、第2コンタクト4は、導電性を有している。導電性の金属板を打ち抜き加工して、所望の形状の導電性の第2コンタクト4を得ることができる。第2コンタクト4は、加工の容易性や、ばね特性、導電性などを考慮すれば、例えば、銅合金が好ましく用いられるが、銅合金に限定されない。
【0068】
図3又は図5から図7を参照すると、第2コンタクト4は、圧接端子4cを他端部に有している。圧接端子4cは、収容溝2eに導入されたケーブルCbの端末を圧接により結線している。そして、プラブ20は、一方の面から複数のケーブルCbを延設している(図1参照)。
【0069】
[ロック機構付きコネクタの作用]
次に、実施形態によるコネクタ100の動作を説明しながら、コネクタ100の作用及び効果を説明する。
【0070】
図1又は図2を参照して、プリント基板9pの垂直方向から、プラブ20をリセプタクル10の凹部110に挿入することで、第2コンタクト4及び第1コンタクト3を介して、ケーブルCbとプリント基板9pのパターンを電気的に接続できる(図7参照)。実施形態によるコネクタ100は、「基板対電線コネクタ」ということもできる。
【0071】
図6に示した状態から、プラブ20をリセプタクル10の凹部110の奥部に挿入すると、係合突起2bがフック部12hに当接する。プラブ20を更に挿入すると、係合突起2bとフック部12hの当接面は、斜面を形成しているので、フック部12hは凹部110の一方の内壁に向かって変位する。プラブ20を更に挿入して、係合突起2bがフック部12hを乗り越えると(図7参照)、フック部12hが弾性復帰して、プラブ20とリセプタクル10の完全嵌合を実感できる。
【0072】
一方、図7に示した状態から、プラブ20をリセプタクル10の凹部110から引き抜くと、係合突起2bとフック部12hの当接面は、斜面を形成しているので、フック部12hは凹部110の一方の内壁に向かって変位する。これにより、プラブ20をリセプタクル10から容易に引き抜くことができる(図6参照)。
【0073】
実施形態によるコネクタ100は、ロック機構11であるロックアーム12を凹部110の内部に配置しているので、プリント基板9pに実装した他の実装物がロックアームに当接して、コネクタのロックが不安定になるという心配が無くなる。
【0074】
又、実施形態によるコネクタ100は、リセプタクル10とプラブ20が完全嵌合したことを実感できると共に、リセプタクル10とプラブ20との着脱が容易であり、操作性に優れている。
【0075】
本発明による実施形態は、基板対電線コネクタ用のロック機構付き角型コネクタを開示したが、本発明によるロック機構付きコネクタは、基板対電線コネクタに限定されない。又、本発明によるロック機構付きコネクタは、丸型コネクタにも応用することもできる。
【符号の説明】
【0076】
1 第1ハウジング
2 第2ハウジング
2b 係合突起
2f 鍔部
2h ヘッダー部
3 第1コンタクト
3c 接続端子
4 第2コンタクト
4b ベローズ端子
10 リセプタクル(第1コネクタ)
11 ロック機構
12 ロックアーム
12h フック部
20 プラブ(第2コネクタ)
100 コネクタ(ロック機構付きコネクタ)
110 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11