【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図15は、従来技術による圧接コネクタの構成を示す図であり、
図15(A)は、圧接コネクタの平面図、
図15(B)は、圧接コネクタの正面図、
図15(C)は、
図15(B)のX−X矢視断面図である。
【0008】
図16は、従来技術による圧接コネクタの構成を示す斜視図である。
図17は、従来技術による圧接コネクタの構成を示す斜視図であり、圧接コネクタと相手側コネクタを対向配置した状態図である。なお、本願の
図15は、特許文献1の
図1から
図3に対応している。又、本願の
図16と
図17は、特許文献1の
図4と
図7に対応している。
【0009】
図15から
図17を参照すると、従来技術による圧接コネクタ(以下、プラグという)60は、直方体状のハウジング61と複数の圧接コンタクト(以下、コンタクトと略称する)62を備えている。これらのコンタクト62は、ハウジング61の内部に配列されている。又、コンタクト62は、その基端部が電線Wの端末を圧接により結線している。これらのコンタクト62の先端部は、ピンコンタクト72と接続できる(
図17参照)。
【0010】
図15を参照すると、コンタクト62は、電線接続部62aとコンタクト接触部62bを備えている。電線接続部62aは、電線Wを圧接接続できる。コンタクト接触部62bは、ピンコンタクト72と電気的に接続できる(
図17参照)。
【0011】
図15を参照すると、ハウジング61は、第1スロット611と第2スロット612を一方の側面に開口している。第1スロット611と第2スロット612は、互いに連通している。第1スロット611には、コンタクト62を収容できる。第2スロット612には、絶縁被覆で覆った状態の電線Wを保持できる。
【0012】
図15を参照すると、電線接続部62aは、一組の圧接片621・621を備えている。圧接片621は、第3スロット62sを中央部に開口している。第3スロット62sには、電線Wの芯線をその外周方向から導入できる。
【0013】
図15を参照して、第1スロット611及び第2スロット612に向かって、電線Wをその外周方向から押し込むと、第3スロット62sの両側に配置した一対の圧接刃が電線Wの絶縁被覆に喰い込み、一組の圧接片621・621を電線Wの芯線に接触できる。一方、第1スロット611には、絶縁被覆で覆った状態の電線Wを保持できる。
【0014】
図15(A)又は
図15(B)を参照すると、ハウジング61は、複数のコンタクト導入孔61hを一方の面に開口している。コンタクト接触部62bは、コンタクト導入孔61hに臨んで配置されている。
【0015】
図17を参照して、プラグ60をベースコネクタ70の凹部710に挿入すると、コンタクト導入孔61hを介して、ピンコンタクト72の先端部がハウジング61の内部に進入することで、ピンコンタクト72とコンタクト接触部62bを電気的に接続できる。
【0016】
図17を参照すると、プラグ60は、一対の突起61b・61bを更に備えている。これらの突起61b・61bは、ハウジング61の他方の側面から突出している。又、これらの突起61b・61bは、後述する一対の係止穴71i・71iに嵌合できる。
【0017】
図17を参照すると、相手側コネクタ(以下、ベースコネクタという)70は、直方体状のハウジング71と複数のピンコンタクト72を備えている。これらのピンコンタクト72は、ハウジング71の底部に配列されている。ピンコンタクト72は、その一端部がハウジング71の内部に突出している。そして、ピンコンタクト72の一端部は、プラグ60のコンタクト62と接続できる。
【0018】
図17を参照すると、ピンコンタクト72の他端部は、ハウジング71の底面から突出している。ピンコンタクト72の他端部は、図示しないプリント基板に開口されたスルーホールに挿入できる。そして、ピンコンタクト72の他端部とスルーホール(図示せず)をハンダ接合することで、ベースコネクタ70をプリント基板(図示せず)に実装できる。
【0019】
図17を参照すると、ハウジング71は、一方の面を開口した凹部710を有している。ハウジング71の凹部710には、プラグ60を挿抜できる(
図16参照)。
【0020】
又、
図17を参照すると、ハウジング71は、一対の係止穴71i・71iを他方の側面に開口している。これらの係止穴71i・71iは、凹部710の内壁から他方の側面に貫通している。
【0021】
図17を参照して、プラグ60をベースコネクタ70の凹部710に挿入すると、一対の突起61b・61bは、その先端部が凹部710の内壁をスライドしながら進入する。プラグ60を凹部710に更に挿入すると、一対の突起61b・61bを一対の係止穴71i・71iに係合できる。これにより、ベースコネクタ70に対して、プラグ60をロックできる。
【0022】
図17を参照すると、プラグ60とベースコネクタ70は、摩擦力によりロックする、いわゆるフリクションロック式のロック機構を備えた圧接コネクタとなっている。
【0023】
一方、プラグ60とベースコネクタ70がロックした状態から、プラグ60の両端部に配置した一対の鍔部61f・61fを把持し(
図17参照)、突起61bが係止穴71iから離脱する強い力で、プラグ60を引っ張ることで、ベースコネクタ70からプラグ60を引き抜くことができる。
【0024】
図18は、他の従来技術による圧接コネクタの構成を示す斜視図であり、圧接コネクタと相手側コネクタを対向配置した状態図である。
図19は、他の従来技術による圧接コネクタの構成を示す斜視図である。
図20は、他の従来技術による圧接コネクタの構成を示す斜視図であり、
図19と異なる方向から圧接コネクタを観ている。
【0025】
図21は、他の従来技術による圧接コネクタに備わる圧接コンタクトの構成を示す斜視図である。
図22は、他の従来技術による圧接コネクタに備わる圧接コンタクトの構成を示す右側面図である。
図23は、他の従来技術による圧接コネクタに備わる圧接コンタクトの構成を示す正面図である。
【0026】
図24は、他の従来技術による圧接コネクタの構成を示す縦断面図であり、
図24(A)は、圧接コネクタを相手側コネクタに接続する前の状態図、
図24(B)は、圧接コネクタを相手側コネクタに接続した状態図である。
【0027】
なお、本願の
図18から
図23は、特許文献2の
図1から
図6に対応している。又、本願の
図24は、特許文献2の
図7に対応している。
【0028】
図18から
図24を参照すると、他の従来技術による圧接コネクタ(以下、プラグという)80は、平板体状のハウジング81と複数の圧接コンタクト(以下、コンタクトと略称する)82を備えている。これらのコンタクト82は、ハウジング81の内部に配列されている。又、コンタクト82は、その基端部が電線Wの端末を圧接により結線している(
図23参照)。これらのコンタクト82の先端部は、ブレードコンタクト92と接続できる(
図24参照)。
【0029】
図21から
図23を参照すると、コンタクト82は、電線接続部82aとコンタクト接触部82bを備えている。電線接続部82aは、電線Wを圧接接続できる。コンタクト接触部82bは、ブレードコンタクト92と電気的に接続できる(
図24参照)。
【0030】
図21から
図23を参照すると、電線接続部82aは、帯状の基底板821と一対の圧接片822・823で構成している。基底板821は、一対のバーブ(圧入突起)82v・82vを両側面から突出している。一対のバーブ82v・82vは、ハウジング81に形成した後述する第1スロット811の内壁に圧入できる。一対の圧接片822・823は、基底板821の両端部を略直角に折り曲げた状態で、基底板821と連続している。
【0031】
図21又は
図23を参照すると、一対の圧接片822・823は、スロット82sを中央部に開口している。スロット82sには、電線Wの芯線Wcをその外周方向から導入できる。
【0032】
図21又は
図23を参照して、一対のスロット82s・82sに向かって、電線Wをその外周方向から押し込むと、スロット82sの両側に配置した一対の圧接刃が電線Wの絶縁被覆に喰い込み、一組の圧接片822・823を電線Wの芯線Wcに接触できる。
【0033】
図21から
図23を参照すると、コンタクト接触部82bは、一対の挟持片824・824で構成している。一対の挟持片824・824は、それらの基端部が他方の圧接片823から一方の圧接片822と反対側に略平行に延出している。
【0034】
図21又は
図23を参照すると、一対の挟持片824・824は、それらの基端部から先端部に向かって、対向距離が漸次縮小するように配置されている。そして、一対の挟持片824・824の最近接部は、後述するブレードコンタクト92の両側面に接触自在な一対の接点84s・84sを形成している。
【0035】
図19又は
図20を参照すると、ハウジング81は、第1スロット811と第2スロット812を一方の側面に開口している。第1スロット811と第2スロット812は、互いに連通している。第1スロット811には、コンタクト82を収容できる。第2スロット812には、絶縁被覆で覆った状態の電線Wを保持できる。
【0036】
図18又は
図20を参照すると、ハウジング81は、複数のコンタクト導入溝81dを一方の面に開口している。これらのコンタクト導入溝81dは、第1スロット811に連通している。コンタクト接触部82bは、コンタクト導入溝81dに臨んで配置されている(
図24(A)参照)。
【0037】
図24を参照して、プラグ80をベースコネクタ90の凹部910に挿入すると、コンタクト導入溝81d介して、後述するブレードコンタクト92の先端部がハウジング81の内部に進入することで、ブレードコンタクト92とコンタクト接触部82bを電気的に接続できる。
【0038】
図18又は
図24を参照すると、相手側コネクタ(以下、ベースコネクタという)90は、平板状のハウジング91と複数の板状のブレードコンタクト92を備えている。これらのブレードコンタクト92は、ハウジング91の背面側に配列されている。ブレードコンタクト92は、その一部がハウジング91の内部に突出している。そして、ピンコンタクト72の一部は、プラグ80のコンタクト82と接続できる。
【0039】
図24を参照すると、ブレードコンタクト92は、圧入片92a、コンタクト接続片92b、及び、連結片92cを有している。圧入片92aは、ハウジング91の背面壁に圧入できる。そして、ブレードコンタクト92をハウジング91に固定できる。
【0040】
図24を参照すると、コンタクト接続片92bは、その先端部側をハウジング71の内部に突出している。コンタクト接続片92bの先端部側は、コンタクト接触部82bと接続できる。連結片92cは、圧入片92aとコンタクト接続片92bを連結している。
【0041】
図24を参照すると、連結片92cは、その板厚面をプリント基板9pの一方の面にハンダ接合できる。つまり、図示したベースコネクタ90は、プリント基板9pの表面に実装できる、表面実装型のコネクタになっている。
【0042】
図24(A)を参照すると、ハウジング91は、一方の面を開口した凹部910を有している。ハウジング91の凹部910には、プラグ80を挿抜できる(
図24(B)参照)。
【0043】
図15(C)を参照すると、コンタクト62のコンタクト接触部62bは、一対の挟持片624・624で構成している。ピンコンタクト72は、一対の挟持片624・624の先端部が開閉する方向と直交する方向から、一対の挟持片624・624の間に挿入している。
【0044】
図15(C)を参照して、一対の挟持片624・624の間に、ピンコンタクト72を挿入しようとすると(
図17参照)、一対の挟持片624・624の曲げ応力に抗して、ピンコンタクト72を挿入する必要がある。
【0045】
図15(C)を参照すると、プラグ60は、プリント基板(図示せず)での実装面積を高密度にするために、ハウジング61の幅Whを狭くしている。これにより、挟持片624の固定端からピンコンタクト72との接点までの距離を短くすることを余儀なくされ、ピンコンタクト72との挿抜力が大きいという、問題がある。
【0046】
図15(C)又は
図17を参照して、コンタクト62とピンコンタクト72との一本当たりの挿抜力が小さくても、コンタクトの極数が多くなると、ベースコネクタ70に対して、プラグ60を着脱することが容易で無くなるという問題がある。
【0047】
相手側コンタクト及び相手側コネクタと着脱が容易な、圧接コンタクト及び圧接コネクタが求められている。
【0048】
図23又は
図24を参照すると、コンタクト82のコンタクト接触部82bは、一対の挟持片824・824で構成している。コンタクト接続片92bは、一対の挟持片824・824の先端部が開閉する方向と直交する方向から、一対の挟持片824・824の間に挿入している。
【0049】
図24(A)を参照して、一対の挟持片824・824の間に、コンタクト接続片92bを挿入しようとすると、一対の挟持片824・824の曲げ応力に抗して、コンタクト接続片92bを挿入する必要がある。
【0050】
図24(A)を参照すると、プラグ80は、プリント基板9pの実装高さを低背化するために、ハウジング81の高さHを狭くしている。これにより、挟持片824の固定端からコンタクト接続片92bとの接点84sまでの距離を短くすることを余儀なくされ(
図23参照)、ブレードコンタクト92との挿抜力が大きいという、問題がある。
【0051】
図18又は
図24を参照して、コンタクト82とブレードコンタクト92との一本当たりの挿抜力が小さくても、コンタクトの極数が多くなると、ベースコネクタ90に対して、プラグ80を着脱することが容易で無くなるという問題がある。
【0052】
一方、
図21から
図23に示したコンタクト82は、打ち抜き加工後の展開した金属板をプレス成形して製造している。このようなコンタクトは、生産性を向上するために、複数のコンタクトが一括してプレス成形されて製造されている。そして、これらのコンタクトは、その端部が長尺の帯板状のコンタクトキャリアで結合されており、連続してプレス成形されている。
【0053】
又、コンタクトキャリアから1個、1個バラ状に切り離されたコンタクトは、バラ状コンタクトと呼ばれ、手動工具などを用いて電線を結線している。一方、コンタクトキャリアに結合した状態のコンタクトは、連鎖状コンタクトと呼ばれている。リールに巻回された連鎖状コンタクトは、引き出されて、自動圧着機などで電線を連続して結線できる。
【0054】
図21から
図23を参照すると、コンタクト82は、打ち抜き加工後の展開板の状態では、一対の挟持片824・824がコンタクトキャリア(図示せず)の延びる方向と略平行に配置されている。つまり、コンタクト82を連鎖状コンタクトとして製造した場合には、連鎖状コンタクトのピッチとハウジング81への取り付けピッチが異なっている。
【0055】
連鎖状コンタクトのピッチとハウジングへの取り付けピッチが一致する圧接コンタクトが実現できれば、コンタクトのハウジングへの組立が容易になり、生産性を向上できる。又、連鎖状コンタクトのピッチを短くできれば、コンタクトキャリアの単位長さに対して、コンタクトの本数を多くでき、省資源化に寄与できる。
【0056】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、相手側コンタクト及び相手側コネクタと着脱が容易であり、連鎖状コンタクトのピッチを短くすることが可能な圧接コンタクト及び圧接コネクタを提供することを目的とする。