特開2017-174798(P2017-174798A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-174798(P2017-174798A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/233 20160101AFI20170901BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20170901BHJP
   F21K 9/00 20160101ALI20170901BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20170901BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20170901BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20170901BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20170901BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20170901BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20170901BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20170901BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170901BHJP
【FI】
   F21K9/233 100
   H01L33/62
   F21K9/00 100
   F21K9/237
   F21S8/10 150
   F21S8/10 540
   F21S8/10 531
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V29/503
   F21V29/76
   F21V31/00 100
   F21W101:10
   F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-235796(P2016-235796)
(22)【出願日】2016年12月5日
(31)【優先権主張番号】特願2016-55100(P2016-55100)
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-55101(P2016-55101)
(32)【優先日】2016年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(72)【発明者】
【氏名】田尻 浩之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 裕也
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K243
5F142
【Fターム(参考)】
3K013AA07
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA05
3K014AA01
3K014NA05
3K243MA01
5F142AA81
5F142BA32
5F142CA03
5F142CB17
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD18
5F142CD34
5F142CF13
5F142CF32
5F142CG05
5F142CG26
5F142CG45
5F142DA12
5F142DA73
5F142DB24
5F142GA28
(57)【要約】
【課題】 車載用光源ユニットとして用いるのに適したLED照明装置を提供すること。
【解決手段】 複数のLEDチップ2と、当該複数のLEDチップ2が搭載される搭載面を有する基板1と、基板1に搭載され、且つ複数のLEDチップ2を発光させる回路をなす電子部品6と、を備えたLED照明装置A1であって、複数のLEDチップ2は、基板1の前記搭載面における中央に集約して配置されており、基板1は、基材11と、この基材11上に形成された配線パターン12と、基材11上ないし配線パターン12上に形成され、且つ複数の開口を有する絶縁層13と、を備え、各々が配線パターン12において前記開口に臨む部分を含んで構成された複数のパッド部14を有し、複数のLEDチップ2は、各々、パッド部14に配置されている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDチップと、当該複数のLEDチップが搭載される搭載面を有する基板と、前記基板に搭載され、且つ前記複数のLEDチップを発光させる回路をなす電子部品と、を備えたLED照明装置であって、
前記複数のLEDチップは、前記基板の前記搭載面における中央に集約して配置されており、
前記基板は、基材と、この基材上に形成された配線パターンと、前記基材上ないし前記配線パターン上に形成され、且つ複数の開口を有する絶縁層と、を備え、各々が前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を含んで構成された複数のパッド部を有し、
前記複数のLEDチップは、各々、前記パッド部に配置されている、LED照明装置。
【請求項2】
前記パッド部は、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を覆う金属めっき層を含む、請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分と、前記LEDチップとの間に介在する導電ペースト層をさらに備える、請求項1または2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記開口は、前記基板の厚さ方向視において円形である、請求項3に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記複数のLEDチップの実装密度は、1mm2あたり0.5〜1.0個の範囲である
、請求項1ないし4のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記複数のパッド部は、前記LEDチップが搭載される複数のLED搭載パッドと、一端が前記LEDチップにボンディングされたワイヤの他端がボンディングされる複数のワイヤボンディングパッドと、を有する、請求項5に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記基板の厚さ方向視における前記LED搭載パッドの面積は、前記厚さ方向視における前記LEDチップの面積の2倍以上である、請求項6に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記ワイヤボンディングパッドは、前記基板の前記厚さ方向視において、前記基板の中心から前記LED搭載パッドよりも離れた位置にある、請求項6または7に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記基板上に形成され、前記基板の前記厚さ方向視において前記複数のLEDチップを囲む枠部をさらに備える、請求項1ないし8のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記枠部は、前記基板の厚さ方向に対して傾斜し、且つ前記複数のLEDチップを平面視において囲む反射面を有する、請求項9に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記反射面は、平面視円形状である、請求項10に記載のLED照明装置。
【請求項12】
前記枠部の外形は、平面視多角形状である、請求項11に記載のLED照明装置。
【請求項13】
前記枠部は、白色樹脂からなる、請求項9ないし12のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項14】
前記枠部に囲まれた領域に充填され、且つ前記複数のLEDチップを覆っており、前記複数のLEDチップからの光を透過させる封止樹脂をさらに備える、請求項9ないし13のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項15】
前記封止樹脂は、前記複数のLEDチップにおいて前記基板の前記搭載面と同じ方向を向く主面を除いた部分の少なくとも一部ずつを覆う第1封止樹脂部と、前記第1封止樹脂部を覆い且つ透光性を有する第2封止樹脂部と、を有する、請求項14に記載のLED照明装置。
【請求項16】
前記第1封止樹脂部は、白色樹脂からなる、請求項15に記載のLED照明装置。
【請求項17】
前記基板を支持するソケット部をさらに備える、請求項1ないし16のいずれかに記載のLED照明装置。
【請求項18】
前記ソケット部は、前記基板を収容し、且つ前記基板のうち前記搭載面が向く方向に開口する発光側筒状部を有する、請求項17に記載のLED照明装置。
【請求項19】
前記ソケット部は、前記発光側筒状部を前記基板のうち前記搭載面が向く方向とは反対側から塞ぐ底板部を有する、請求項18に記載のLED照明装置。
【請求項20】
前記電子部品は、前記基板の前記搭載面に搭載されている、請求項19に記載のLED照明装置。
【請求項21】
前記底板部と前記基板との間に介在する放熱部材を有する、請求項20に記載のLED照明装置。
【請求項22】
前記放熱部材は、アルミからなる、請求項21に記載のLED照明装置。
【請求項23】
前記ソケット部は、前記底板部から前記基板とは反対側に突出するフィン部を有する、請求項21または22に記載のLED照明装置。
【請求項24】
前記ソケット部は、前記フィン部の少なくとも一部を収容する接続側筒状部を有する、請求項23に記載のLED照明装置。
【請求項25】
前記接続側筒状部は、段差部を有する、請求項24に記載のLED照明装置。
【請求項26】
前記接続側筒状部の前記段差部に嵌め込まれたパッキンをさらに備える、請求項25に記載のLED照明装置。
【請求項27】
前記複数のLEDチップは、互いに直列に接続され且つ平面視において円形をなす配置とされた複数の第1LEDチップと、これらの第1LEDチップとは並列に接続され且つ平面視においてこれらの第1LEDチップに囲まれた第2LEDチップと、を含む、請求項1ないし26のいずれかに記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDチップを備えたLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLEDチップが光源として用いられた照明装置が広く使用されている。特許文献1には、LED照明装置の一例が開示されている。同文献に開示されたLED照明装置は、配線パターンが形成された基板上に、複数のLEDチップが実装されている。複数のLEDチップは、互いに直列に接続されたいくつかのLEDチップが並列に接続された構成である。
【0003】
LED照明装置は、様々な分野において既存の照明装置の代替利用が図られており、たとえば屋内照明用の白熱電球や蛍光灯などの屋内照明あるいは車載用光源ユニットなどでの利用が進められている。既存の照明装置からLED照明装置に置き換える場合には、照明装置自体のサイズや発光特性などの観点において、既存の照明装置と互換性を有することが求められる。たとえば車載用光源ユニットにおいては、従来は光源としてハロゲンランプが用いられているが、車載用光源ユニットとしてLED照明装置により置き換える場合、従来と互換性を有するLED照明装置を適切に製造することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−122377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、車載用光源ユニットとして用いるのに適したLED照明装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるLED照明装置は、複数のLEDチップと、当該複数のLEDチップが搭載される搭載面を有する基板と、前記基板に搭載され、且つ前記複数のLEDチップを発光させる回路をなす電子部品と、を備えたLED照明装置であって、前記複数のLEDチップは、前記基板の前記搭載面における中央に集約して配置されており、前記基板は、基材と、この基材上に形成された配線パターンと、前記基材上ないし前記配線パターン上に形成され、且つ複数の開口を有する絶縁層と、を備え、各々が前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を含んで構成された複数のパッド部を有し、前記複数のLEDチップは、各々、前記パッド部に配置されている。
【0007】
好ましい実施の形態においては、前記パッド部は、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を覆う金属めっき層を含む。
【0008】
好ましい実施の形態においては、記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分と、前記LEDチップとの間に介在する導電ペースト層をさらに備える。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記開口は、前記基板の厚さ方向視において円形である。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記複数のLEDチップの実装密度は、1mm2あたり0.5〜1.0個の範囲である。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記複数のパッド部は、前記LEDチップが搭載される複数のLED搭載パッドと、一端が前記LEDチップにボンディングされたワイヤの他端がボンディングされる複数のワイヤボンディングパッドと、を有する。
【0012】
好ましい実施の形態においては、前記基板の厚さ方向視における前記LED搭載パッドの面積は、前記厚さ方向視における前記LEDチップの面積の2倍以上である。
【0013】
好ましい実施の形態においては、前記ワイヤボンディングパッドは、前記基板の前記厚さ方向視において、前記基板の中心から前記LED搭載パッドよりも離れた位置にある。
【0014】
好ましい実施の形態においては、前記基板上に形成され、前記基板の前記厚さ方向視において前記複数のLEDチップを囲む枠部をさらに備える。
【0015】
好ましい実施の形態においては、前記枠部は、前記基板の厚さ方向に対して傾斜し、且つ前記複数のLEDチップを平面視において囲む反射面を有する。
【0016】
好ましい実施の形態においては、前記反射面は、平面視円形状である。
【0017】
好ましい実施の形態においては、前記枠部の外形は、平面視多角形状である。
【0018】
好ましい実施の形態においては、前記枠部は、白色樹脂からなる。
【0019】
好ましい実施の形態においては、前記枠部に囲まれた領域に充填され、且つ前記複数のLEDチップを覆っており、前記複数のLEDチップからの光を透過させる封止樹脂をさらに備える。
【0020】
好ましい実施の形態においては、前記封止樹脂は、前記複数のLEDチップにおいて前記基板の前記搭載面と同じ方向を向く主面を除いた部分の少なくとも一部ずつを覆う第1封止樹脂部と、前記第1封止樹脂部を覆い且つ透光性を有する第2封止樹脂部と、を有する。
【0021】
好ましい実施の形態においては、前記第1封止樹脂部は、白色樹脂からなる。
【0022】
好ましい実施の形態においては、前記基板を支持するソケット部をさらに備える。
【0023】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記基板を収容し、且つ前記基板のうち前記搭載面が向く方向に開口する発光側筒状部を有する。
【0024】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記発光側筒状部を前記基板のうち前記搭載面が向く方向とは反対側から塞ぐ底板部を有する。
【0025】
好ましい実施の形態においては、前記電子部品は、前記基板の前記搭載面に搭載されている。
【0026】
好ましい実施の形態においては、前記底板部と前記基板との間に介在する放熱部材を有する。
【0027】
好ましい実施の形態においては、前記放熱部材は、アルミからなる。
【0028】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記底板部から前記基板とは反対側に突出するフィン部を有する。
【0029】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記フィン部の少なくとも一部を収容する接続側筒状部を有する。
【0030】
好ましい実施の形態においては、前記接続側筒状部は、段差部を有する。
【0031】
好ましい実施の形態においては、前記接続側筒状部の前記段差部に嵌め込まれたパッキンをさらに備える。
【0032】
好ましい実施の形態においては、前記複数のLEDチップは、互いに直列に接続され且つ平面視において円形をなす配置とされた複数の第1LEDチップと、これらの第1LEDチップとは並列に接続され且つ平面視においてこれらの第1LEDチップに囲まれた第2LEDチップと、を含む。
【0033】
本発明の第2の側面によって提供されるLED照明装置は、複数のLEDチップと、当該複数のLEDチップが搭載される搭載面を有する基板と、を備えたLED照明装置であって、前記複数のLEDチップは、前記基板の前記搭載面における中央に集約して配置されており、前記基板は、基材と、この基材上に形成された配線パターンと、を備え、各々が前記配線パターンの一部により構成された複数のプローブパッドを有し、前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの各々を介して各別に導通する対を含む。
【0034】
好ましい実施の形態においては、前記基板に搭載され、且つ前記複数のLEDチップを発光させる回路をなす電子部品をさらに備え、前記複数のプローブパッドは、前記電子部品を介して導通する対を含む。
【0035】
好ましい実施の形態においては、前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの配置領域から前記基板の厚さ方向に対して直角である第1方向に離れた第1領域に配置されており、前記厚さ方向および前記第1方向のいずれにも直角である第2方向において並ぶ少なくとも2以上の前記プローブパッドを含む。
【0036】
好ましい実施の形態においては、前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの配置領域を挟んで前記基板の厚さ方向に対して直角である第1方向に離れた第1領域および第2領域に配置されており、前記第1領域および第2領域それぞれにおいて、前記厚さ方向および前記第1方向のいずれにも直角である第2方向において並ぶ少なくとも2以上の前記プローブパッドを含む。
【0037】
好ましい実施の形態においては、前記基板は、前記基材上ないし前記配線パターン上に形成され、且つ複数の開口を有する絶縁層をさらに備え、前記複数のプローブパッドは、各々、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分により構成される。
【0038】
好ましい実施の形態においては、前記プローブパッドは、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を覆う金属めっき層を含む。
【0039】
好ましい実施の形態においては、前記複数のLEDチップの実装密度は、1mm2あた
り0.5〜1.0個の範囲である。
【0040】
好ましい実施の形態においては、前記基板は、各々が前記配線パターンの一部により構成された複数のLED搭載パッドおよび複数のワイヤボンディングパッドを有し、前記LED搭載パッドには、前記LEDチップが搭載されており、前記ワイヤボンディングパッドには、一端が前記LEDチップにボンディングされたワイヤの他端がボンディングされる。
【0041】
好ましい実施の形態においては、前記基板の厚さ方向視における前記LED搭載パッドの面積は、前記厚さ方向視における前記LEDチップの面積の2倍以上である。
【0042】
好ましい実施の形態においては、前記ワイヤボンディングパッドは、前記基板の前記厚さ方向視において、前記基板の中心から前記LED搭載パッドよりも離れた位置にある。
【0043】
好ましい実施の形態においては、前記基板上に形成され、前記基板の前記厚さ方向視において前記複数のLEDチップを囲む枠部をさらに備える。
【0044】
好ましい実施の形態においては、前記枠部は、前記基板の厚さ方向に対して傾斜し、且つ前記複数のLEDチップを平面視において囲む反射面を有する。
【0045】
好ましい実施の形態においては、前記反射面は、平面視円形状である。
【0046】
好ましい実施の形態においては、前記枠部の外形は、平面視多角形状である。
【0047】
好ましい実施の形態においては、前記枠部は、白色樹脂からなる。
【0048】
好ましい実施の形態においては、前記枠部に囲まれた領域に充填され、且つ前記複数のLEDチップを覆っており、前記複数のLEDチップからの光を透過させる封止樹脂をさらに備える。
【0049】
好ましい実施の形態においては、前記封止樹脂は、前記複数のLEDチップにおいて前記基板の前記搭載面と同じ方向を向く主面を除いた部分の少なくとも一部ずつを覆う第1封止樹脂部と、前記第1封止樹脂部を覆い且つ透光性を有する第2封止樹脂部と、を有する。
【0050】
好ましい実施の形態においては、前記第1封止樹脂部は、白色樹脂からなる。
【0051】
好ましい実施の形態においては、前記基板を支持するソケット部をさらに備える。
【0052】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記基板を収容し、且つ前記基板のうち前記搭載面が向く方向に開口する発光側筒状部を有する。
【0053】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記発光側筒状部を前記基板のうち前記搭載面が向く方向とは反対側から塞ぐ底板部を有する。
【0054】
好ましい実施の形態においては、前記電子部品は、前記基板の前記搭載面に搭載されている。
【0055】
好ましい実施の形態においては、前記底板部と前記基板との間に介在する放熱部材を有する。
【0056】
好ましい実施の形態においては、前記放熱部材は、アルミからなる。
【0057】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記底板部から前記基板とは反対側に突出するフィン部を有する。
【0058】
好ましい実施の形態においては、前記ソケット部は、前記フィン部の少なくとも一部を収容する接続側筒状部を有する。
【0059】
好ましい実施の形態においては、前記接続側筒状部は、段差部を有する。
【0060】
好ましい実施の形態においては、前記接続側筒状部の前記段差部に嵌め込まれたパッキンをさらに備える。
【0061】
好ましい実施の形態においては、前記複数のLEDチップは、互いに直列に接続され且つ平面視において円形をなす配置とされた複数の第1LEDチップと、これらの第1LEDチップとは並列に接続され且つ平面視においてこれらの第1LEDチップに囲まれた第2LEDチップと、を含む。
【0062】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明の第1実施形態に基づくLED照明装置を示す正面図である。
図2図1のLED照明装置を示す平面図である。
図3図2のIII−III線に沿う断面図である。
図4図2のIV−IV線に沿う断面図である。
図5図1のLED照明装置を示す要部平面図である。
図6図5に示したLED照明装置の基板について、LEDチップ、電子部品、枠部を搭載する前の状態を示す平面図である。
図7図6に示した基板の断面構造を示しており、(a)はパッド部の断面を表し、(b)はプローブパッドの断面の一例を表し、(c)はプローブパッドの断面の他の例を表す。
図8図5のVIII−VIII線に沿う断面図である。
図9図1のLED照明装置を示す要部拡大平面図である。
図10図9のX−X線に沿う要部拡大断面図である。
図11】本発明の第2実施形態に基づくLED照明装置を示す要部平面図である。
図12図11に示したLED照明装置の基板について、LEDチップ、電子部品、枠部を搭載する前の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0065】
図1図10は、本発明の第1実施形態に基づくLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A1は、基板1、複数のLEDチップ2、枠部3、封止樹脂4、放熱部材5、複数の電子部品6、複数の接続端子7およびソケット部8を備えている。LED照明装置A1は、たとえば車載される光源ユニットとして用いられるものであるが、本発明に係るLED照明装置の用途は特に限定されない。
【0066】
図1は、LED照明装置A1を示す正面図である。図2は、LED照明装置A1を示す平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、LED照明装置A1を示す要部平面図である。図6は、基板1を表しており、LEDチップ2、電子部品6、枠部3を搭載する前の状態を示す平面図である。図7は、図6に示した基板の断面構造を示す図であり、(a)はパッド部の断面を表し、(b)はプローブパッドの断面の一例を表し、(c)はプローブパッドの断面の他の例を表す。図8は、図5のVIII−VIII線に沿う断面図である。図9は、LED照明装置A1を示す要部拡大平面図である。図10は、図9のX−X線に沿う要部拡大断面図である。なお、図2図5および図9においては、理解の便宜上、封止樹脂4を省略している。
【0067】
基板1は、基材11、配線パターン12、および絶縁層13を有する。基材11は、たとえばセラミックスからなり、本実施形態においては、平面視矩形状である。基材11には、複数の貫通孔111が形成されている。配線パターン12は、基材11の表面に形成されており、たとえば、Cu,Ni,Pd,Au等の金属層からなる。配線パターン12の厚さは、たとえば10μm〜30μmである。詳細は後述するが、配線パターン12は、複数のLEDチップ2が実装されるパッドや、複数のLEDチップ2への導通経路を構成する。また、配線パターン12は、複数の電子部品6が実装されるパッドや、複数の電子部品6と複数のLEDチップ2とを導通させる導通経路を構成する。さらに、配線パターン12は、複数のLEDチップ2や複数の電子部品6の特性を測定するために用いるプローブパッドを構成する。
【0068】
絶縁層13は、基材11の表面ないし配線パターン12上に形成されており、基板1の厚さ方向視において基材11の殆どを覆っている。絶縁層13は、たとえばSiO2など
の絶縁材料からなる。図6に示すように、絶縁層13の適所には、複数の開口131および複数の開口132が形成されている。複数の開口131は、基板1の厚さ方向視において配線パターン12と重なる位置にあり、配線パターン12のうち開口131に臨む部分によって後述のパッド部14が構成される。また、複数の開口132は、基板1の厚さ方向視において配線パターン12と重なる位置にあり、配線パターン12のうち開口132に臨む部分によって後述のプローブパッド15が構成される。なお、図6において、配線パターン12の形成箇所は右上がり斜線のハッチングで表し、パッド部14およびプローブパッド15の形成箇所はクロスハッチングで表す。絶縁層13の厚さは、たとえば5μm〜20μmである。
【0069】
パッド部14は、前記のように配線パターン12のうち開口131に臨む部分によって構成されており、複数の開口131に対応して互いに離れた複数の箇所に設けられている。これらパッド部14は、複数のLED搭載パッド14Aと、複数のワイヤボンディングパッド14Bと、複数の電子部品搭載パッド14Cとを有する。複数のLED搭載パッド14Aおよび複数のワイヤボンディングパッド14Bは、基板1の厚さ方向視において基板1の中央に位置する。本実施形態では、LED搭載パッド14Aの数量は5つであり、ワイヤボンディングパッド14Bの数量は4つである。図6に示すように、ワイヤボンディングパッド14Bは、基板1の厚さ方向視において、基板1の中心からLED搭載パッド14Aよりも離れた位置にある。
【0070】
プローブパッド15は、前記のよう配線パターン12のうち開口132に臨む部分によって構成されており、複数の開口132に対応して互いに離れた複数の箇所に設けられている。本実施形態では、基板1には7つのプローブパッド15が設けられている。プローブパッド15の詳細については後述する。
【0071】
図7は、図6に示したパッド部14およびプローブパッド15の断面構造を表している。図7(a)に示すように、パッド部14は、配線パターン12において開口131に臨む部分を覆うように形成された金属めっき層140を含む。図7(b)に示すように、プローブパッド15(後述の6つのプローブパッド151〜156)は、配線パターン12において開口132に臨む部分を覆うように形成された金属めっき層150を含む。図7(b)に示すプローブパッド15は、開口132に臨む領域の一部により構成される。図7(c)に示すように、残りのプローブパッド15(後述のプローブパッド157)は、配線パターン12において開口132に臨む部分を覆うように形成された金属めっき層150を含む。図7(c)に示すプローブパッド15は、開口132に臨む領域のすべてにより構成される。金属めっき層140および金属めっき層150は、たとえばAuめっきからなる。金属めっき層140および金属めっき層150の厚さは、たとえば0.05μm〜0.2μmである。
【0072】
複数のLEDチップ2は、LED照明装置A1の光源である。複数のLEDチップ2は、基板1の上面(図3図4等に示した搭載面1a)に搭載されている。図9および図10に示すように、LEDチップ2は、主面21、裏面22、第1電極パッド23および第2電極パッド24を有する。
【0073】
LEDチップ2は、たとえばGaN系半導体などの半導体からなる複数の半導体層が積層された構造を有する。LEDチップ2がGaN系半導体からなる場合、LEDチップ2は、たとえば青色光を発する。
【0074】
主面21と裏面22とは互いに反対側を向いている。主面21は、基板1から離間する側を向いており、裏面22は、基板1と対向している。
【0075】
第1電極パッド23は、主面21に形成されている。第1電極パッド23は、たとえば、Cu,Ni,Al,Auなどのめっき層からなる。第2電極パッド24は、裏面22に形成されている。第2電極パッド24は、たとえば、Cu,Ni,Al,Auなどのめっき層からなる。第2電極パッド24は、たとえば裏面22の全面に形成されている。
【0076】
第1電極パッド23は、第1極性であり、第2電極パッド24は、第2極性である。たとえば、第1電極パッド23が正極(p側極)である場合、第2電極パッド24が負極(n側極)である。第1電極パッド23が負極(n側極)、第2電極パッド24が正極(p側極)であってもよい。
【0077】
第2電極パッド24は、導電ペースト層25を介してLED搭載パッド14Aに接合されている。導電ペースト層25は、たとえばAgペーストが固化されたものである。LEDチップ2は、LED搭載パッド14Aに対していわゆるダイボンディングされている。
【0078】
第1電極パッド23には、ワイヤ27がボンディングされている。ワイヤ27は、一端が第1電極パッド23(LEDチップ2)にボンディングされる一方、他端がワイヤボンディングパッド14Bにボンディングされている。
【0079】
なお、LEDチップ2において活性層などの発光部位から発せられる光は、主に主面21から出射される。LEDチップ2の寸法の一例を挙げると、基板1の厚さ方向視において一辺が400〜600μm程度の正方形状であり、厚さが150〜300μm程度である。
【0080】
複数のLEDチップ2は、基板1の搭載面1aにおける中央に集約して配置されている。本実施形態においては、複数のLEDチップ2は、複数の第1LEDチップ2Aと1つの第2LEDチップ2Bとを含んでいる。複数の第1LEDチップ2Aは、互いに直列に接続されており、平面視において円形をなす配置とされている。複数の第1LEDチップ2Aの個数は特に限定されず、図示された例においては、4つである。第2LEDチップ2Bは、複数の第1LEDチップ2Aとは並列に接続されており、平面視においてこれらの第1LEDチップ2Aに囲まれている。複数のワイヤ27は、このような複数の第1LEDチップ2Aおよび1つの第2LEDチップ2Bの接続を実現すべく、LEDチップ2の第1電極パッド23と、当該LEDチップ2に近接するワイヤボンディングパッド14Bとにボンディングされている。
【0081】
本実施形態においては、複数のLEDチップ2は、一定ピッチで配列されており、所定の実装密度で配置されている。複数のLEDチップ2の実装密度は、たとえば1mm2
たり0.5〜1.0個の範囲である。また、基板1の厚さ方向視におけるLED搭載パッド14Aの面積は、当該厚さ方向視におけるLEDチップ2の面積の2倍以上である。
【0082】
LEDチップ2の配列およびLEDチップ2やLED搭載パッド14Aの寸法の具体例を挙げると、図9において仮想線で示した各領域は1辺が1.3mmの正方形であり、当該各領域に1個のLEDチップ2が配置されている。また、LEDチップ2の厚さ方向視におけるサイズは1辺が0.5mmの正方形であり、当該厚さ方向視におけるLEDチップ2の面積は0.25mm2である。LED搭載パッド14Aの厚さ方向視におけるサイ
ズは直径1mmの円であり、当該厚さ方向視におけるLED搭載パッド14Aの面積は0.785mm2である。この具体例の場合、複数のLEDチップ2の実装密度は、1mm2あたり0.592個である。また、厚さ方向視におけるLED搭載パッド14Aの面積は、当該厚さ方向視におけるLEDチップ2の面積の3.14倍である。
【0083】
枠部3は、基板1上に形成され、複数のLEDチップ2を平面視において囲む。枠部3は、たとえば白色のナイロン樹脂からなる。枠部3の高さは、LEDチップ2よりも高い。枠部3は、基板1の厚さ方向に対して傾斜し、且つ複数のLEDチップ2を平面視において囲む反射面31を有する。枠部3の反射面31は、平面視円形状である。また、枠部3外形は、平面視多角形状であり、本実施形態においては、八角形状である。
【0084】
図8に示すように、封止樹脂4は、枠部3に囲まれた領域に充填されており、複数のLEDチップ2を覆っている。封止樹脂4は、複数のLEDチップ2からの光を透過させる。本実施形態においては、封止樹脂4は、第1封止樹脂部41および第2封止樹脂部42からなる。
【0085】
第1封止樹脂部41は、複数のLEDチップ2において主面21を除いた部分の少なくとも一部ずつを覆う。本実施形態においては、第1封止樹脂部41は、複数のLEDチップ2の大半を覆っている。第1封止樹脂部41は、たとえば白色のシリコーン樹脂からなる。
【0086】
第2封止樹脂部42は、第1封止樹脂部41を覆っており、LEDチップ2のうち第1封止樹脂部41から露出する部分(主面21を含む)を覆っている。第2封止樹脂部42は、たとえば、透明なシリコーン樹脂からなる。あるいは、第2封止樹脂部42は、透明なシリコーン樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえば青色光によって励起されることにより、黄色光を発する。上記のように第1封止樹脂部41および第2封止樹脂部42が積層された構成により、第1封止樹脂部41のうち第2封止樹脂部42との境界面においては光が反射させられ、第2封止樹脂部42においては光が透過する。
【0087】
図5に示す複数の電子部品6は、複数のLEDチップ2を適切に発光させるための発光回路を構成する。複数の電子部品6は、たとえば、ダイオード、コンデンサ、抵抗器などである。
【0088】
前記の図6図7に示した基板1は、たとえば以下の方法で作製することができる。まず、基材11の適所に複数の貫通孔111を形成する。貫通孔111の形成は、たとえばレーザー加工により行う。次に、基材11上に配線パターン12および絶縁層13を形成する。配線パターン12の形成において、まず、Cuをパターン印刷し、焼成する。次に、基材11上ないし上記のCuパターン上に絶縁層13を形成する。絶縁層13の形成は、SiO2を印刷・焼成することにより行う。これにより、所定位置に複数ずつの開口1
31,132を有する絶縁層13が形成される。次いで、上記したCuパターンのうち開口131,132から露出する部分に対して、Ni,Pd,Auなどを無電解めっきによって積層する。これにより、配線パターン12が形成される。次いで、金属めっき層140,150を形成する。金属めっき層140,150の形成は、配線パターン12のうち開口131,132から露出する部分に対して、電解めっきによってAuを積層することにより行う。本実施形態では、配線パターン12のうち開口131に臨む部分および当該部分を覆う金属めっき層140によりパッド部14が構成される。また、配線パターン12のうち開口132に臨む部分および当該部分を覆う金属めっき層150によりプローブパッド15が構成される。
【0089】
なお、基板1は、たとえばLED照明装置A1の基板1を複数個得ることのできるサイズとされる。ここでは複数個の基板1を一括して製造する手法を前提としているが、1つの基板1を製造する方法であっても構わない。複数個の基板1を一括して製造する場合、複数個の基板1が平面的につながった形態をもつ集合基板に、まず、電子部品6を搭載する。ここで、電子部品搭載パッド14Cにはんだペーストを印刷し、その上に電子部品6を載置する。そして、リフロー炉によって上記はんだペーストを溶融させた後に硬化させることにより、電子部品6の搭載が完了する。次に、基板1上にLEDチップ2を搭載する。ここで、たとえばLED搭載パッド14AにAgペーストを塗布し、その上にLEDチップ2をダイボンディングする。次いで、LEDチップ2の第1電極パッド23と、ワイヤボンディングパッド14Bとに、ワイヤ27をボンディングする。次いで、基板1上に、たとえば接着剤を用いて枠部3を固定する。次いで、枠部3に囲まれた領域に封止樹脂4を充填する。ここで、まず、基板1上の枠部3に囲まれた領域にたとえば白色のシリコーン樹脂材料を塗布した後に硬化させることで、第1封止樹脂部41を形成する。次いで、第1封止樹脂部41上の枠部3に囲まれた領域にたとえば透明なシリコーン樹脂材料を塗布した後に硬化させることで、第2封止樹脂部42を形成する。その後、前記集合基板を各々が所定サイズの基板1となるように分割することにより、図5等に示した基板1が得られる。
【0090】
本実施形態においては、複数(7つ)のプローブパッド15および貫通孔111を囲う配線パターン12の露出部(3箇所)を利用して、複数のLEDチップ2および複数の電子部品6について特性測定を行うことができる。なお、図6においては、理解の便宜上、7つのプローブパッド15について、符号151〜157を併記して区別する。
【0091】
図5図6を参照すると理解されるように、本実施形態においては、プローブパッド154,155は1つのLEDチップ2(図中上側に位置するLEDチップ2)を介して電気的に導通しており、プローブパッド154,155にプローブを接触させることで当該単一のLEDチップ2の特性(たとえば順方向電圧)を測定することができる。また、プローブパッド152,154の対、プローブパッド152,156の対、プローブパッド155,156の対、およびプローブパッド153,154の対についても、それぞれ1つのLEDチップ2を介して導通しており、前記したプローブパッドの各対にプローブを接触させることで当該各対に対応する各LEDチップ2の特性を測定することができる。
【0092】
また、本実施形態では、プローブパッド15の対を用いることで、電子部品6の特性を測定することができる。たとえばプローブパッド151,154の対を用いることで、複数の電子部品6の特性を測定することができる。さらに、プローブパッド15と、貫通孔111を囲う配線パターン12の露出部との対を用いることで、他の電子部品6の特性を測定することができる。測定する特性としては、電子部品6がダイオードの場合には順方向電圧、コンデンサの場合には容量、抵抗器の場合には抵抗値が挙げられる。
【0093】
図6に示すように、本実施形態においては、複数(7つ)のプローブパッド15は、複数のLEDチップ2の配置領域である基板1の中央付近を挟んで基板1の厚さ方向に対して直角である方向xに離れた2つの領域(第1領域R1および第2領域R2)に配置されている。第1領域R1には、プローブパッド151,152,153,157が配置されており、第2領域R2にはプローブパッド154,155,156が配置されている。第1領域R1に配置されたプローブパッド151,152,153,157のうち2つのプローブパッド152,153は、基板1の厚さ方向および前記方向xのいずれに直角である方向yにおいて並んでいる。また、第2領域R2に配置された3つのプローブパッド154,155,156は、方向yにおいて並んでいる。
【0094】
図1図4に示すように、ソケット部8は、基板1を収容しており、LED照明装置A1の外形をなす部材である。ソケット部8は、発光側筒状部81、底板部82、接続側筒状部83、端子筒状部84および複数のフィン部85を有する。ソケット部8は、カーボンが混入された樹脂からなる。前記樹脂は、たとえばPETである。
【0095】
発光側筒状部81は、基板1のうち複数のLEDチップ2が搭載された面が向く方向に開口する。本実施形態においては、発光側筒状部81は、略円筒形状である。底板部82は、発光側筒状部81を基板1のうち複数のLEDチップ2が搭載された面が向く方向とは反対側から塞ぐ。複数のフィン部85は、底板部82から基板1とは反対側に突出する。本実施形態においては、フィン部85は、平板状である。
【0096】
接続側筒状部83は、底板部82から発光側筒状部81とは反対側に突出する筒状部分である。接続側筒状部83は、複数のフィン部85の少なくとも一部を収容している。端子筒状部84は、底板部82から発光側筒状部81とは反対側に突出する筒状部分である。端子筒状部84は、複数のフィン部85と略同じ長さである。
【0097】
接続側筒状部83は、段差部831を有する。段差部831は、接続側筒状部83の上下方向下部において、外方に突出する形状である。段差部831には、パッキン89が嵌め込まれている。パッキン89は、LED照明装置A1が車載部品として車両に取り付けられた際に、水分などの浸入を防止するためのものである。
【0098】
放熱部材5は、基板1とソケット部8の底板部82との間に介在している。放熱部材5は、たとえばアルミなどの金属からなる。
【0099】
複数の接続端子7は、基板1の配線パターン12に導通しており、基板1の基材11の複数の貫通孔111に挿通されている。また、複数の接続端子7の上端部分は、たとえばはんだによって基板1の配線パターン12に導通接合されている。底板部82の適所には貫通孔821が形成されており、複数の接続端子7は、当該貫通孔821に挿通されている。放熱部材5は、平面視において接続端子7を避けた位置に設けられている。
【0100】
次に、LED照明装置A1の作用について説明する。
【0101】
本実施形態においては、複数のLEDチップ2が基板1の中央に集約して配置されている。基板1には、基材11ないし配線パターン12上に形成された絶縁層13が形成されており、この絶縁層13の適所には複数の開口131が形成されている。各LEDチップ2を搭載するためのパッド部14(LED搭載パッド14A)は、配線パターン12のうち開口131から臨む部分を含んで構成される。このような構成によれば、複数のLEDチップ2相互間の不当な導通を回避しつつ、これらLEDチップ2を集約させて所定の位置に適切に配置することができる。
【0102】
LEDチップ2は導電ペースト層25を介してパッド部14(LED搭載パッド14A)に搭載されている。導電ペースト層25は、配線パターン12において開口131に臨む部分とLEDチップ2との間に介在している。このような構成によれば、LEDチップ2の裏面22側の第2電極パッド24の全面を導電ペースト層25に接合させつつ、導電ペースト層25を開口131からはみ出さないよう当該開口131の内側に的確に収めることができる。したがって、基板1へのダイボンディングによるLEDチップ2の搭載を的確に行うことができる。
【0103】
LEDチップ2が搭載されるパッド部14(LED搭載パッド14A)に対応する開口131は、基板1の厚さ方向視において円形である。このような構成によれば、導電ペースト層25が開口131からはみ出すことをより適切に回避することができる。
【0104】
基板1の中央に集約された複数のLEDチップ2の実装密度は、1mm2あたり0.5
〜1.0個の範囲とされる。また、複数のLEDチップ2の周囲には、LEDチップ2との間でワイヤ27が接続される複数のワイヤボンディングパッド14Bが配置されている。これらワイヤボンディングパッド14Bは、配線パターン12のうち開口131から臨む部分を含んで構成されており、基板1の厚さ方向視において基板1の中心からLED搭載パッド14Aよりも離れた位置にある。このような構成によれば、複数のLEDチップ2を基板1の中央に集約させつつ、各LEDチップ2についてワイヤ27を適切に接続することができる。
【0105】
パッド部14は、配線パターン12において開口131に臨む部分を覆う金属めっき層140を含む。このような構成によれば、金属めっき層140はパッド部14となる部分にのみ形成されるので、金属めっき層140を構成する金属材料の使用量を削減することができる。
【0106】
本実施形態においては、複数のLEDチップ2が基板1の中央に集約して配置されている。基板1は、配線パターン12の一部により構成された複数のプローブパッド15を有する。これらプローブパッド15は、複数のLEDチップ2の各々を介して各別に導通する対を含む。このような構成によれば、複数のLEDチップ2の各々について別個に特性を測定することができる。したがって、個々のLEDチップ2の電気特性(IF−VF特性)を正確に確認することができる。
【0107】
本実施形態において、複数のプローブパッド15は、電子部品6を介して導通する対を含む。これにより、電子部品6の特性を測定することができる。したがって、LED照明装置A1全体としての発光特性をより正確に確認することができる。
【0108】
複数のプローブパッド15は、複数のLEDチップ2の配置領域を挟んで基板1の厚さ方向に対して直角である方向xに離れた第1領域R1および第2領域R2に配置されている。第1領域R1および第2領域R2それぞれにおいて、基板1の厚さ方向および方向xのいずれにも直角である方向yにおいて並ぶ2以上のプローブパッド15を含む。基板1の平面視サイズに制約があり、また実装部品(LEDチップ2や電子部品6)を搭載する必要がある条件のもとで、複数のプローブパッド15を効率よく配置することができる。
【0109】
プローブパッド15は、配線パターン12のうち開口132から臨む部分を含んで構成される。このような構成によれば、プローブパッド15を用いて測定を行う際、意図しない配線パターン12との不当な導通を回避し、プローブパッド15を用いた測定を適切に行うことができる。
【0110】
プローブパッド15は、配線パターン12において開口132に臨む部分を覆う金属めっき層150を含む。このような構成によれば、金属めっき層150はプローブパッド15となる部分にのみ形成されるので、金属めっき層150を構成する金属材料の使用量を削減することができる。
【0111】
枠部3に充填される封止樹脂4は、複数のLEDチップ2の主面21を除いた部分を覆い且つ白色樹脂からなる第1封止樹脂部41と、第1封止樹脂部41を覆い且つ透光性を有する第2封止樹脂部とを有する。このような構成によれば、第1封止樹脂部41のうち第2封止樹脂部42との境界面において、LEDチップ2から発せられた光が反射される。したがって、LED照明装置A1の発光効率を高めるのに適する。
【0112】
基板1はソケット部8に収容されており、ソケット部の底板部82は、基板1のうち搭載面1aが向く方向と反対側から塞いでいる。これにより、基板1を介して、複数のLEDチップ2からの熱を逃がすことができる。また、ソケット部8の底板部82と基板1との間に放熱部材5が介在することにより、LEDチップ2の放熱を促進することができる。底板部82から複数のフィン部85が突出していることにより、LEDチップ2の放熱効果をより高めることができる。
【0113】
図11は、本発明の第2実施形態に基づくLED照明装置を示す要部平面図である。本実施形態のLED照明装置A2は、複数のLEDチップ2の構成および配置が、上述した実施形態と異なっている。また、複数のLEDチップ2の配置等の変更にともない、複数のパッド部14、複数のプローブパッド15および複数の電子部品6の配置等が上述の実施形態と異なっている。図12は、本実施形態における基板1を表しており、LEDチップ2、電子部品6、枠部3を搭載する前の状態を示す平面図である。なお、図12以降の図においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0114】
本実施形態においては、複数のLEDチップ2は、互いに直列に接続された4つの第1LEDチップ2Aのみを含んでいる。4つの第1LEDチップ2Aは、円形をなす配置とされている。
【0115】
本実施形態では、基板1には5つのプローブパッド15が設けられている。本実施形態においては、これらプローブパッド15および貫通孔111を囲う配線パターン12の露出部(2箇所)を利用して、複数のLEDチップ2および複数の電子部品6について特性測定を行うことができる。なお、図12においては、理解の便宜上、5つのプローブパッド15について、符号151〜155を併記して区別する。
【0116】
図11図12を参照すると理解されるように、本実施形態においては、プローブパッド151,152は1つのLEDチップ2(図中左上側に位置するLEDチップ2)を介して電気的に導通しており、プローブパッド151,152にプローブを接触させることで当該単一のLEDチップ2の特性(たとえば順方向電圧)を測定することができる。また、プローブパッド152,153の対、プローブパッド153,154の対、およびプローブパッド151,155の対についても、それぞれ1つのLEDチップ2を介して導通しており、前記したプローブパッドの各対にプローブを接触させることで当該各対に対応する各LEDチップ2の特性を測定することができる。
【0117】
また、本実施形態では、プローブパッド15の対を用いることで、電子部品6の特性を測定することができる。たとえばプローブパッド154,155の対を用いることで、複数の電子部品6の特性を測定することができる。さらに、プローブパッド15と、貫通孔111を囲う配線パターン12の露出部との対を用いることで、他の電子部品6の特性を測定することができる。
【0118】
図12に示すように、本実施形態においては、複数(5つ)のプローブパッド15は、複数のLEDチップ2の配置領域である基板1の中央付近から基板1の厚さ方向に対して直角である方向xに離れた領域(第1領域R1)に配置されている。第1領域R1に配置された5つのプローブパッド151〜155は、基板1の厚さ方向および前記方向xのいずれに直角である方向yにおいて並んでいる。
【0119】
本実施形態のLED照明装置A2においても、LED照明装置A1に関して上述したのと同様の作用を奏する。
【0120】
本発明に係るLED照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0121】
上記の実施形態のバリエーションを以下に付記として示す。
[付記1]
複数のLEDチップと、当該複数のLEDチップが搭載される搭載面を有する基板と、を備えたLED照明装置であって、
前記複数のLEDチップは、前記基板の前記搭載面における中央に集約して配置されており、
前記基板は、基材と、この基材上に形成された配線パターンと、を備え、各々が前記配線パターンの一部により構成された複数のプローブパッドを有し、
前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの各々を介して各別に導通する対を含む、LED照明装置。
[付記2]
前記基板に搭載され、且つ前記複数のLEDチップを発光させる回路をなす電子部品をさらに備え、
前記複数のプローブパッドは、前記電子部品を介して導通する対を含む、付記1に記載のLED照明装置。
[付記3]
前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの配置領域から前記基板の厚さ方向に対して直角である第1方向に離れた第1領域に配置されており、前記厚さ方向および前記第1方向のいずれにも直角である第2方向において並ぶ少なくとも2以上の前記プローブパッドを含む、付記1または2に記載のLED照明装置。
[付記4]
前記複数のプローブパッドは、前記複数のLEDチップの配置領域を挟んで前記基板の厚さ方向に対して直角である第1方向に離れた第1領域および第2領域に配置されており、前記第1領域および第2領域それぞれにおいて、前記厚さ方向および前記第1方向のいずれにも直角である第2方向において並ぶ少なくとも2以上の前記プローブパッドを含む、付記1または2に記載のLED照明装置。
[付記5]
前記基板は、前記基材上ないし前記配線パターン上に形成され、且つ複数の開口を有する絶縁層をさらに備え、
前記複数のプローブパッドは、各々、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分により構成される、付記1ないし4のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記6]
前記プローブパッドは、前記配線パターンにおいて前記開口に臨む部分を覆う金属めっき層を含む、付記5に記載のLED照明装置。
[付記7]
前記複数のLEDチップの実装密度は、1mm2あたり0.5〜1.0個の範囲である
、付記1ないし6のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記8]
前記基板は、各々が前記配線パターンの一部により構成された複数のLED搭載パッドおよび複数のワイヤボンディングパッドを有し、
前記LED搭載パッドには、前記LEDチップが搭載されており、前記ワイヤボンディングパッドには、一端が前記LEDチップにボンディングされたワイヤの他端がボンディングされる、付記7に記載のLED照明装置。
[付記9]
前記基板の厚さ方向視における前記LED搭載パッドの面積は、前記厚さ方向視における前記LEDチップの面積の2倍以上である、付記8に記載のLED照明装置。
[付記10]
前記ワイヤボンディングパッドは、前記基板の前記厚さ方向視において、前記基板の中心から前記LED搭載パッドよりも離れた位置にある、付記8または9に記載のLED照明装置。
[付記11]
前記基板上に形成され、前記基板の前記厚さ方向視において前記複数のLEDチップを囲む枠部をさらに備える、付記1ないし10のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記12]
前記枠部は、前記基板の厚さ方向に対して傾斜し、且つ前記複数のLEDチップを平面視において囲む反射面を有する、付記11に記載のLED照明装置。
[付記13]
前記反射面は、平面視円形状である、付記12に記載のLED照明装置。
[付記14]
前記枠部の外形は、平面視多角形状である、付記13に記載のLED照明装置。
[付記15]
前記枠部は、白色樹脂からなる、付記11ないし14のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記16]
前記枠部に囲まれた領域に充填され、且つ前記複数のLEDチップを覆っており、前記複数のLEDチップからの光を透過させる封止樹脂をさらに備える、付記11ないし15のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記17]
前記封止樹脂は、前記複数のLEDチップにおいて前記基板の前記搭載面と同じ方向を向く主面を除いた部分の少なくとも一部ずつを覆う第1封止樹脂部と、前記第1封止樹脂部を覆い且つ透光性を有する第2封止樹脂部と、を有する、付記16に記載のLED照明装置。
[付記18]
前記第1封止樹脂部は、白色樹脂からなる、付記17に記載のLED照明装置。
[付記19]
前記基板を支持するソケット部をさらに備える、付記1ないし18のいずれかに記載のLED照明装置。
[付記20]
前記ソケット部は、前記基板を収容し、且つ前記基板のうち前記搭載面が向く方向に開口する発光側筒状部を有する、付記19に記載のLED照明装置。
[付記21]
前記ソケット部は、前記発光側筒状部を前記基板のうち前記搭載面が向く方向とは反対側から塞ぐ底板部を有する、付記20に記載のLED照明装置。
[付記22]
前記底板部と前記基板との間に介在する放熱部材を有する、付記21に記載のLED照明装置。
[付記23]
前記放熱部材は、アルミからなる、付記22に記載のLED照明装置。
[付記24]
前記ソケット部は、前記底板部から前記基板とは反対側に突出するフィン部を有する、付記22または23に記載のLED照明装置。
[付記25]
前記ソケット部は、前記フィン部の少なくとも一部を収容する接続側筒状部を有する、付記24に記載のLED照明装置。
[付記26]
前記接続側筒状部は、段差部を有する、付記25に記載のLED照明装置。
[付記27]
前記接続側筒状部の前記段差部に嵌め込まれたパッキンをさらに備える、付記26に記載のLED照明装置。
[付記28]
前記複数のLEDチップは、互いに直列に接続され且つ平面視において円形をなす配置とされた複数の第1LEDチップと、これらの第1LEDチップとは並列に接続され且つ平面視においてこれらの第1LEDチップに囲まれた第2LEDチップと、を含む、付記1ないし27のいずれかに記載のLED照明装置。
【符号の説明】
【0122】
A1,A2 LED照明装置
1 基板
1a 搭載面
11 基材
111 貫通孔
12 配線パターン
13 絶縁層
131 開口
132 開口
14 パッド部
14A LED搭載パッド
14B ワイヤボンディングパッド
14C 電子部品搭載パッド
140 金属めっき層
15(151〜157) プローブパッド
150 金属めっき層
2 LEDチップ
2A 第1LEDチップ
2B 第2LEDチップ
21 主面
22 裏面
23 第1電極パッド
24 第2電極パッド
25 導電ペースト層
27 ワイヤ
3 枠部
31 反射面
4 封止樹脂
41 第1封止樹脂部
42 第2封止樹脂部
5 放熱部材
6 電子部品
7 接続端子
8 ソケット部
81 発光側筒状部
82 底板部
821 貫通孔
83 接続側筒状部
831 段差部
84 端子筒状部
85 フィン部
89 パッキン
R1 第1領域
R2 第2領域
x 方向(第1方向)
y 方向(第2方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12