(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-174815(P2017-174815A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】高電力電気コンタクトデバイス、交換可能な高電力電気コンタクトモジュール、ならびに高電力電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/533 20060101AFI20170901BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20170901BHJP
H01R 13/04 20060101ALI20170901BHJP
H01R 13/207 20060101ALI20170901BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
H01R13/533 B
H01R13/11 301D
H01R13/04 A
H01R13/207
H01R13/52 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-54515(P2017-54515)
(22)【出願日】2017年3月21日
(31)【優先権主張番号】10 2016 105 470.4
(32)【優先日】2016年3月23日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー, ペーター
(72)【発明者】
【氏名】オンドレイ, ドゥシャン
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE10
5E087EE13
5E087FF07
5E087FF23
5E087JJ09
5E087LL23
5E087MM05
5E087MM08
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタ用の高電流または電力コンタクトデバイスに関し、高価な被覆なしで接続サイクル規格を実現する。
【解決手段】高電力電気コンタクトデバイス(10)は、接触区間(110)および接続区間(120)を備え、接触区間(110)は、高電力電気コンタクトデバイス(10)の第1の高電力電気コンタクト装置(110)として構成され、接続区間(120)は、第2の高電力電気コンタクト装置(120)として構成される。さらに、高電力電気コネクタ(1)用の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)に関し、少なくとも1つの接触区間レセプタクル(201、211)を有するインサートハウジング(20)を備え、接触区間レセプタクル(201、211)内には、高電力電気コンタクトデバイス(10)の高電力電気コンタクト装置(110)が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタ(1)用の高電力電気コンタクトデバイス(10)、特に電気高電流コンタクトデバイス(10)または電力コンタクトデバイス(10)であって、
高電力電気接触区間(110)および高電力電気接続区間(120)を備えるコンタクトデバイス(10)において、
前記接触区間(110)は、前記コンタクトデバイス(10)の第1の高電力電気コンタクト装置(110)として構成され、前記接続区間(120)は、第2の高電力電気コンタクト装置(120)として構成されることを特徴とする高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項2】
前記コンタクトデバイス(10)もしくは前記第1のコンタクト装置(110)は、交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)用に構成され、
個々のコンタクトデバイス(10)について前記2つのコンタクト装置(110、120)は、互いに別個に構成され、
互いに分離することができる前記2つのコンタクト装置(110、120)は、前記2つのコンタクト装置(110、120)を互いに電気的に切断することができる高電力電気接触領域(15)を備え、
互いに分離することができる前記2つのコンタクト装置(110、120)は、前記2つのコンタクト装置(110、120)を互いに機械的に切断することができる機械的接触領域(15)を備え、
前記コンタクトデバイス(10)は、少なくとも2つの部分で構成され、かつ/または
前記コンタクト装置(110、120)は、ワンピースでコンタクトデバイス(10)としてともに保持される
ことを特徴とする、請求項1に記載の高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項3】
前記第1のコンタクト装置(110)および前記第2のコンタクト装置(120)は、単一の解放可能な接続(15)によって互いに電気機械的に結合され、かつ/または
前記電気機械的接続(15)は、ポジティブおよび/もしくは非ポジティブ接続(15)として構成され、前記接続(15)は、好ましくは、プラグ接続(15)、ねじ接続(15)、ラッチ接続、もしくはスナップアクション接続として構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項4】
前記第1のコンタクト装置(110)は、コンタクト装置取付け区間(111)を有し、前記第2のコンタクト装置(120)は、前記コンタクト装置取付け区間(111)上/内に取付け可能でありもしくは取り付けられており、
前記第2のコンタクト装置(120)は、コンタクト装置取付け区間(121)を有し、前記第1のコンタクト装置(110)は、前記コンタクト装置取付け区間(121)上/内に取付け可能でありもしくは取り付けられており、
前記コンタクト装置取付け区間(111、121)は、相補的な形状および/または相補的な機能を部分的に有するように構成され、
前記第1のコンタクト装置(110)は、ハウジング取付け区間(112)を有し、前記第1のコンタクト装置(110)は、前記ハウジング取付け区間(112)によって、接触区間レセプタクル(201)上/内に間接もしくは直接に取付け可能でありもしくは取り付けられており、かつ/または
前記第2のコンタクト装置(120)は、ハウジング取付け区間(122)を有し、前記第2のコンタクト装置(120)は、前記ハウジング取付け区間(122)によって、コネクタハウジング(3)上/内に間接もしくは直接に取付け可能でありもしくは取り付けられている
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項5】
前記第1のコンタクト装置(110)の前記コンタクト装置取付け区間(111)は、コンタクトばねリング(111)もしくはコンタクトピンを備え、前記第2のコンタクト装置(120)の前記コンタクト装置取付け区間(121)は、コンタクトピン(121)もしくはコンタクトばねリングを備え、または
前記第1のコンタクト装置(110)の前記コンタクト装置取付け区間(111)は、めねじ(111)もしくはおねじを備え、前記第2のコンタクト装置(120)の前記コンタクト装置取付け区間(121)は、おねじ(121)もしくはめねじを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項6】
前記第1のコンタクト装置(110)および/もしくは前記第2のコンタクト装置(120)は、材料面ではワンピースもしくは一体の構成であり、
前記第1のコンタクト装置(110)および/もしくは前記第2のコンタクト装置(120)は、被覆されておらず、
前記第1のコンタクト装置(110)および/もしくは前記第2のコンタクト装置(120)は、銅合金、特に真鍮から構成され、
前記第2のコンタクト装置(120)の前記ハウジング取付け区間(122)は、封止台座(122)として構成され、
前記コンタクトデバイス(10)は、サブアセンブリ(10)として構成することができかつ/もしくは構成されており、
前記サブアセンブリ(10)は、コンタクトデバイスシール(130)を有し、ならびに/または
前記コンタクトデバイスシール(130)は、前記ハウジング取付け区間(122)上に取付け可能でありもしくは取り付けられている
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の高電力電気コンタクトデバイス(10)。
【請求項7】
たとえば3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタ(1)用の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)、特に交換可能な電気高電流コンタクトモジュール(2)または交換可能な電力コンタクトモジュール(2)において、
前記コンタクトモジュール(2)は、少なくとも1つの接触区間レセプタクル(201、211)を有するインサートハウジング(20)を備え、前記接触区間レセプタクル(201、211)上/内には、高電力電気コンタクトデバイス(10)の高電力電気コンタクト装置(110)が設けられることを特徴とする交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)。
【請求項8】
前記インサートハウジング(20)は、複数の接触区間レセプタクル(201)を有するベースプレート(200)を備え、前記複数の接触区間レセプタクル(201)を通って、複数のコンタクト装置(110)が挿入され、
少なくとも前記ベースプレート(200)は、前記コンタクトモジュール(2)の前記インサートハウジング(20)を構成し、前記インサートハウジング(20)は実質上、ディスク(200)または開かれたケージ、開かれたタブまたは容器(20)の形状であることを特徴とする、請求項7に記載の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)。
【請求項9】
複数の保護スリーブ(210)が、前記ベースプレート(200)から離れて延び、前記複数の保護スリーブ(210)のそれぞれの中に、接触区間レセプタクル(211)が設けられ、
前記コンタクト装置(110)は、前記保護スリーブ(210)の前記接触区間レセプタクル(211)内に受け取られ、
前記ベースプレート(200)は、前記保護スリーブ(210)と材料面ではワンピースもしくは一体の構成であり、
前記インサートハウジング(20)は、材料面ではワンピースもしくは一体の構成であり、
前記インサートハウジング(20)は、コネクタハウジング(3)とラッチするラッチデバイスもしくはラッチ装置を有し、かつ/または
前記コンタクトモジュール(2)は、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンタクトデバイス(10)もしくは第1のコンタクト装置(110)を有する
ことを特徴とする、請求項7または8に記載の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)。
【請求項10】
たとえば3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタ(1)または高電力電気相手側コネクタ(1)、特に電気高電流コネクタ(1)または電力コネクタ(1)であって、コネクタハウジング(3)を有する高電力電気コネクタ(1)または高電力電気相手側コネクタ(1)において、
前記コネクタハウジング(3)は、少なくとも1つの接触区間レセプタクル(301)を有し、前記接触区間レセプタクル(301)内には、高電力電気コンタクトデバイス(10)の高電力電気コンタクト装置(120)が設けられることを特徴とする高電力電気コネクタ(1)または高電力電気相手側コネクタ(1)。
【請求項11】
前記高電力電気コンタクトデバイス(10)は、請求項1から10のいずれか一項に記載のように構成され、かつ/または前記コネクタ(1)もしくは前記相手側コネクタ(1)は、請求項7から10のいずれか一項に記載のように構成された交換可能な高電力電気コンタクトモジュール(2)を有する
ことを特徴とする、請求項10に記載の高電力電気コネクタ(1)または高電力電気相手側コネクタ(1)。
【請求項12】
前記コネクタ(1)もしくは前記相手側コネクタ(1)は、プラグ(1)、カップリング(1)、プラグソケット、内蔵コネクタ、3相電流コネクタ(1)、もしくは充電コネクタ(1)として構成され、
前記コネクタハウジング(3)は、前記コンタクトモジュール(2)のインサートハウジング(20)とラッチするラッチデバイスもしくはラッチ装置を有し、かつ/または
前記コネクタ(1)もしくは前記相手側コネクタ(1)は、前記コンタクトモジュール(2)の前記コンタクトデバイス(10)もしくはコンタクトデバイス(10)を固定するコンタクト固定デバイスを有する
ことを特徴とする、請求項10または11に記載の高電力電気コネクタ(1)または高電力電気相手側コネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電力電気コネクタ用の高電力電気コンタクトデバイス、特に電気高電流コンタクトデバイスまたは電力コンタクトデバイスに関する。本発明はさらに、高電力電気コネクタ用の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール、特に交換可能な電気高電流コンタクトモジュールまたは交換可能な電力コンタクトモジュールに関する。本発明はさらに、たとえば3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタまたは高電力電気相手側コネクタ、特に電気高電流コネクタまたは電力コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気分野(電気工学、電気学、電力工学など)では、広範囲の電流、電圧、および/または周波数で電流、電圧、および/または信号を伝送するという目的を果たす多数の電気コネクタ装置もしくはコネクタデバイス、ソケット、および/またはピンコネクタなど(以下、((高電力)電気)(相手側)コネクタと呼ぶ)が知られている。低電圧、中電圧、もしくは高電圧の範囲、および/または中電流もしくは高電流の範囲、特に3相電流分野では、この種のコネクタは、温かい、場合により高温の、汚染された、湿気の多い、かつ/または化学的にアグレッシブな環境で、恒久的に、繰返し、かつ/または比較的長いサービス寿命後に、場合により即座に、電流、電圧、および/または信号の伝送を確実にしなければならない。
【0003】
適用分野が広範囲であるため、多数の特殊設計のコネクタが知られている。この種のコネクタまたはこの種のコネクタのハウジングは、電気ケーブル、ラインなど、および/または電気デバイスもしくは装置上に設置することができ、たとえばこの種の(高電力)電気構成要素またはデバイス、アセンブリなどのハウジング上/内に設置することができる。後者の場合、コネクタは、(相手側)コネクタデバイスと呼ばれることが多い。コネクタがケーブル上などにのみ位置する場合、前記コネクタは通常、(フライング)(プラグ)コネクタもしくはプラグ(通常はピンコンタクトデバイスを有する)、またはカップリング(通常はソケットコンタクトデバイスを有する)と呼ばれ、前記コネクタが(高電力)電気構成要素上/内に位置する場合、これは通常、(内蔵)プラグまたは(内蔵)ソケットなどの(内蔵)コネクタと呼ばれる。
【0004】
高電力電気コネクタは、問題のない電力の伝送を確実にしなければならず、互いに対応するコネクタ(コネクタおよび相手側コネクタ)は通常、コネクタを相手側コネクタへ/相手側コネクタ内に恒久的であるが概して解放可能に締結またはロックする締結またはロックデバイスを有する。さらに、対応する高電力電気コンタクトデバイス、たとえばソケットコンタクトデバイス、ピンコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイスなどは、前記コネクタ内にしっかりと収容されなければならない。高電力電気コネクタを改善し、かつ/または前記高電力電気コネクタをより費用効果の高いものにするための取組みが、継続してなされている。
【0005】
例として、電気自動車用の充電コネクタは、約−30℃〜約+50℃の外気温度および約500Vのピーク電圧で約32Aの電流を輸送しなければならない高電力電気コンタクトデバイス(電力コンタクトデバイス、接地コンタクトデバイス)を必要とする。信号コンタクトデバイスは、30Vの電圧で約2Aの電流を有する。この種の充電コネクタのサービス寿命は、ほぼまたは少なくとも10〜15年とするべきであり、環境(湿気、砂、塩など)に応じて、この種の充電コネクタとの10,000〜20,000回のプラグ接続サイクルを実施することが可能であるべきであり、恒久的に低い接触抵抗も実現されることが好ましい。比較的低い接触抵抗でそのような回数のプラグ接続サイクルを実現するために、コンタクトデバイスは被覆されていなければならず、これはやはり、コンタクトデバイスのコストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、たとえば3相電流分野または電気自動車分野向けの改善された高電力電気コネクタまたは改善された高電力電気相手側コネクタ、特に電気高電流コネクタまたは電力コネクタを特定することである。この場合、コネクタは、コネクタが使用される環境に応じて、10,000〜20,000回のプラグ接続サイクル用に設計されるべきであり、前記コネクタのコンタクトデバイスは、比較的費用効果を高くするべきである。特に、この場合、コンタクトデバイスの比較的コストの高い被覆なしで済ませることを可能にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項に記載の高電力電気コネクタ用の高電力電気コンタクトデバイス、特に電気高電流コンタクトデバイスまたは電力コンタクトデバイス、高電力電気コネクタ用の交換可能な高電力電気コンタクトモジュール、特に交換可能な電気高電流コンタクトモジュールまたは交換可能な電力コンタクトモジュール、ならびに好ましくは3相電流分野または電気自動車分野向けの高電力電気コネクタまたは高電力電気相手側コネクタ、特に電気高電流コネクタまたは電力コネクタによって実現される。本発明の有利な発展形態、追加の特徴、および/または利点は、従属請求項および以下の説明に記載する。
【0008】
本発明による高電力電気コンタクトデバイスは、高電力電気接触区間および高電力電気接続区間を備え、接触区間は、第1の高電力電気コンタクト装置として構成され、接続区間は、第2の高電力電気コンタクト装置として構成される。高電力電気とは、コンタクトデバイスがたとえば24V超、特に48V超、たとえば約500Vの電圧、4A超、特に12A超、たとえば約32Aの電流、および/または500mA超、特に1A超、たとえば約2Aの信号に適していることを意味するものとする。言うまでもなく、これらを上回る値を使用することもできる。
【0009】
この場合、コンタクトデバイスまたは第1のコンタクト装置は、交換可能な高電力電気コンタクトモジュール用に構成することができる。個々のコンタクトデバイスについて2つのコンタクト装置は、互いに別個に構成することができる。互いに分離することができまたは互いに重ねて取り付けることができる2つのコンタクト装置は、いずれの場合も、2つのコンタクト装置を互いに電気的に切断することができまたは互いに電気的に接続することができる高電力電気接触領域をさらに備えることができる。この場合、2つのコンタクト装置は、2つのコンタクト装置を互いに機械的に切断することができまたは互いに接続することができる機械的接触領域をさらに備えることができる。
【0010】
本発明によれば、コンタクトデバイスは、少なくとも2つの部分で構成される。この場合、コンタクト装置は、コンタクトデバイスとしてワンピースでともに保持することができる。すなわち、個々のコンタクトデバイスの(少なくとも)2つの部分、すなわち第1のコンタクト装置および第2のコンタクト装置は、互いに別個に構成され、すなわち個々に構成され、またはこれらの部分を相互に取り付ける前に、互いに電気的および/もしくは機械的に切断される。実施形態では、第1のコンタクト装置および第2のコンタクト装置は、単一の解放可能な接続によって互いに電気機械的に結合することができる。電気機械的接続は、ポジティブおよび/または非ポジティブ接続として構成することができ、接続は、好ましくは、プラグ接続、ねじ接続、ラッチ接続、またはスナップアクション接続として構成される。
【0011】
この場合、電気機械的接続は、好ましくは、相補的な形状および/または相補的な機能を(少なくとも)部分的に有するように構成される。さらに、この接続内には、弱凝集性の接続(コンタクトペースト、着脱可能な接着剤)を提供することができる。コンタクトデバイスの接続は、手および/または工具によって第1のコンタクト装置を第2のコンタクト装置から容易に分離することができ、逆も同様になるように構成することができる。これは、好ましくは、2つのコンタクト装置の一方を損傷することなく行われる。特に、これは、それぞれの他方のコンタクト装置が交換されるとき、交換することを意図しないコンタクト装置が損傷されないように行われる。
【0012】
実施形態では、第1のコンタクト装置は、接触領域を有し、高電力電気相手側コンタクトデバイスによって接触領域との電気および/または機械的接触を形成することができる。実施形態では、第2のコンタクト装置は、接続領域を有し、電気ケーブルを接続領域に電気的に接続することができる。実施形態では、第1のコンタクト装置は、コンタクト装置取付け区間を有することができ、第2のコンタクト装置は、コンタクト装置取付け区間上/内に取付け可能でありまたは取り付けられる。さらに、第2のコンタクト装置は、コンタクト装置取付け区間を有することができ、第1のコンタクト装置は、コンタクト装置取付け区間上/内に取付け可能でありまたは取り付けられる。この場合、コンタクト装置取付け区間は、相補的な形状および/または相補的な機能を部分的に有するように構成することができる。
【0013】
実施形態では、第1のコンタクト装置は、ハウジング取付け区間を有することができ、第1のコンタクト装置は、ハウジング取付け区間によって、接触区間レセプタクル上/内に間接または直接に取付け可能でありまたは取り付けられる。さらに、第2のコンタクト装置は、ハウジング取付け区間を有することができ、第2のコンタクト装置は、ハウジング取付け区間によって、コネクタハウジング上/内に間接または直接に取付け可能でありまたは取り付けられる。この場合、ハウジング取付け区間は、相補的な形状または相補的な機能を有するように構成することができない。取り付けられたコンタクトデバイスの場合、前記取り付けられたコンタクトデバイスのコンタクト装置取付け区間は、電気機械的接続または電気および機械的接触領域を構成する。
【0014】
この場合、コンタクト装置取付け区間は、好ましくは、互いに部分的に案内される。さらに、コンタクト装置取付け区間は、この場合好ましくは、コンタクトデバイスの軸方向および/または径方向に重複する。さらに、コンタクト装置取付け区間は、相互に中心合わせすることができる。すなわち、一方のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、コンタクト装置取付け区間の外側で、場合により他方のコンタクト装置内に、たとえば径方向に中心合わせされ、他方のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、コンタクト装置の内側(場合により、コンタクト装置取付け区間の内側またはさらにはハウジング取付け区間の内側)で、径方向に中心合わせされる。
【0015】
さらに、取り付けられたコンタクトデバイスのハウジング取付け区間は、軸方向に互いに隔置することができ、ハウジング取付け区間は、実質上等しいもしくは等しくない(外側)直径または等しいもしくは等しくない(外側)寸法を有することができる。個々のコンタクト装置のハウジング取付け区間は、前記個々のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間の向こうまたは外側に径方向に設けることが可能である。さらに、同じコンタクト装置のハウジング取付け区間およびコンタクト装置取付け区間は、好ましくは軸方向に重複することができ、すなわちたとえば、コンタクト装置取付け区間は、ハウジング取付け区間の内側へ場合によりわずかに突出することができる。言うまでもなく、ハウジング取付け区間は、好ましくは軸方向に、同じコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間から距離をあけて設けることも可能である。
【0016】
第1のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、コンタクトばねリングまたはコンタクトピンを備えることができる。第2のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、相似的に、コンタクトピンまたはコンタクトばねリングを備えることができる。さらに、第1のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、めねじ(ねじ付き凹部)またはおねじ(ねじ付きピン)を備えることができる。第2のコンタクト装置のコンタクト装置取付け区間は、相似的に、おねじ(ねじ付きピン)またはめねじ(ねじ付き凹部)を備えることができる。
【0017】
実施形態では、コンタクトデバイスは、ソケットコンタクトデバイス、ピンコンタクトデバイス、またはタブコンタクトデバイスとして構成することができる。言うまでもなく、他のコンタクトデバイスを使用することもできる。第1のコンタクト装置は、場合により部分的に、コンタクトデバイスの接触区間として、特にソケットコンタクトとして構成することができる。言うまでもなく、第1のコンタクト装置はまた、場合により部分的に、ピンコンタクト、タブコンタクトなどとして構成することもできる。
【0018】
高電力電気相手側コンタクトデバイスまたは高電力電気相手側コンタクト装置が、部分的に相似的および/または相補的に構成され(たとえば、ソケットコンタクトに関連するピンコンタクトまたはタブコンタクト)、コンタクトデバイスおよび相手側コンタクトデバイス、コンタクト装置および相手側コンタクト装置という用語は、同義に使用することができる。これはまた、コネクタおよび相手側コネクタにも適用することができる(下記も参照されたい)。さらに、第2のコンタクト装置は、場合により部分的に、ケーブル用の接続区間として、特にコンタクトデバイスの圧着接続として構成することができる。言うまでもなく、ここでは、場合により部分的に、(締固め)溶接接続、はんだ接続、接着接続、プラグ接続、ねじ接続などを使用することもできる。
【0019】
第1のコンタクト装置および/または第2のコンタクト装置は、材料面では(in material terms)ワンピースまたは一体の構成とすることができる。材料面でワンピース構成の場合、コンタクト装置の個々の部分(もしあれば)は、たとえば溶接、はんだ付け、接着接合によって互いに凝集して固定され、好ましくは、構成を損傷しなければ個々の部分に分離することができない。前記個々の部分は、ポジティブ接続および/または非ポジティブ接続によって、ともに物理的にさらに保持することができる。一体構成の場合、多かれ少なかれ破壊しなければ分離することができない単一の構成要素部分のみが存在する。したがって、一体コンタクト装置は、単一の部品から製造され、この単一の部品は、それに関する限り、一体またはモノリシックとすることができる。
【0020】
実施形態では、第1のコンタクト装置および/または第2のコンタクト装置は、被覆されていないものとすることができる。この場合、被覆されていないとは、当該コンタクト装置の実際の材料が空気に開かれており、場合により部分的に、たとえばニッケルを含有する被覆下に設けられていないことを意味するものとする。第1のコンタクト装置および/または第2のコンタクト装置は、銅合金、特に真鍮から構成することができる。この種の銅合金は、たとえば、CuZn37Pb2またはCuZn35Pb2とすることができる。
【0021】
実施形態では、第2のコンタクト装置のハウジング取付け区間は、流体シールのための封止台座として構成することができる。さらに、コンタクトデバイスは、サブアセンブリとして構成することができ、サブアセンブリは、コンタクトデバイスシールを有することができる。この場合、コンタクトデバイスシールは、たとえばハウジング取付け区間上に取付け可能としまたは取り付けることができる。
【0022】
本発明による交換可能な高電力電気コンタクトモジュールは、少なくとも1つの接触区間レセプタクルを有するインサートハウジングを備え、接触区間レセプタクル上/内には、高電力電気コンタクトデバイスの高電力電気コンタクト装置を設けることができまたは設けられている。この場合、コンタクト装置は、たとえば接触区間レセプタクル上/内に、少なくとも部分的に、ポジティブおよび/または非ポジティブで受け取ることができまたは受け取られている。たとえば、コンタクト装置は、たとえば接触区間レセプタクルへ/接触区間レセプタクル内に、ラッチすることができもしくはラッチされており、クリッピングすることができもしくはクリッピングされており、かつ/または接着接合することができもしくは接着接合されている、などである。
【0023】
実施形態では、インサートハウジングは、複数の接触区間レセプタクルを有するベースプレートを備えることができ、複数の接触区間レセプタクルを通って、複数のコンタクト装置が挿入される。この場合、少なくともベースプレートは、コンタクトモジュールのインサートハウジングを構成することができ、インサートハウジングは実質上、ディスク(ベースプレート、板)またはさらに(開かれた)ケージ、(開かれた)タブまたは容器の形状である。複数の保護スリーブが、ベースプレートから離れて延びることができ、複数の保護スリーブのそれぞれの中に、接触区間レセプタクルが設けられる。コンタクト装置は、保護スリーブの接触区間レセプタクル内に(部分的に)受け取ることができる。
【0024】
実施形態では、ベースプレートは、材料面では保護スリーブを有するワンピースまたは一体の構成とすることができる。さらに、インサートハウジングは、材料面ではワンピースまたは一体の構成とすることができる。同様に、材料面でワンピースまたは一体の構成に関しては、上記を参照されたい。インサートハウジングは、コネクタハウジングとラッチするラッチデバイスまたはラッチ装置を有することができる。ラッチデバイスは、たとえば、ラッチばね、ラッチアーム、ラッチラグなどとして構成することができる。さらに、ラッチ装置は、たとえば、ラッチ要素、ラッチ突起、ラッチラグ、ラッチ肩部、ラッチ境界、ラッチ縁部、ラッチ凹部、ラッチ通路凹部などとして構成することができる。コンタクトモジュールは、本発明によるコンタクトデバイスまたは第1のコンタクト装置を有することができる。
【0025】
本発明による高電力電気コネクタまたは本発明による高電力電気相手側コネクタは、コネクタハウジングを備え、コネクタハウジングは、少なくとも1つの接触区間レセプタクルを有し、接触区間レセプタクル内には、高電力電気コンタクトデバイスの高電力電気コンタクト装置が設けられる。この場合、コンタクトデバイスは、本発明によるコンタクトデバイスとして構成することができる。さらに、コネクタまたは相手側コネクタは、本発明による交換可能な高電力電気コンタクトモジュールを有することができる。この場合、コネクタまたは相手側コネクタは、コンタクトモジュールのコンタクトデバイスまたはコンタクトデバイスを固定するコンタクト固定デバイスを有することができる。この場合、コンタクト固定デバイスは、別個に設けることができ、かつ/またはコネクタハウジング内に設けることができる。
【0026】
コネクタまたは相手側コネクタは、プラグ、カップリング、プラグソケット、または内蔵コネクタとして構成することができる。さらに、コネクタまたは相手側コネクタは、3相電流コネクタまたは充電コネクタとして構成することができる。コネクタハウジングは、コンタクトモジュールのインサートハウジングとラッチするラッチデバイスまたはラッチ装置を有することができる(ラッチデバイスまたはラッチ装置に関しては上記を参照されたい)。関係するラッチデバイス、関係するラッチ装置、またはラッチ装置に関係するラッチデバイス、およびその逆は、取り付けられた状態で、ポジティブおよび/または非ポジティブ組合せを形成することができる。この場合、組合せは、好ましくは、相補的な形状および/または相補的な機能を部分的に有するように構成される。
【0027】
本発明について、例示的な実施形態を使用して、原寸に比例しない添付の詳細な図面を参照し、以下でより詳細に説明する。図の説明、参照記号の一覧、および特許請求の範囲では、同一、一義、または類似の構成および/または機能を有する要素、構成要素部分、または構成要素に対して同じ参照記号を提供し、図面の図では同じ参照記号によって識別する。本発明の記載の例示的な実施形態またはそれらの個々のアセンブリ、部分、もしくは区間に関して、本説明に記載しない、図面に図示しない、かつ/または排他的でない、可能な代替手段、定常状態および/または運動状態の逆転、組合せなどは、参照記号の一覧に記載する。
【0028】
参照記号の一覧内の特徴を含む記載の特徴はすべて、1つまたは複数の指定された組合せだけでなく、1つもしくは複数の他の組合せで使用することができ、または単独で使用することができる。特に、本発明の説明、図の説明、および/または参照記号の一覧において、本発明の説明および/または図の説明の1つまたは複数の特徴は、前記参照記号に関連する参照記号および特徴に基づいて置き換えることが可能である。さらに、特許請求の範囲内の1つまたは複数の特徴は、解釈し、より詳細に指定し、かつ/またはその結果置き換えることができる。これらの図は、例示的なものにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】前面から斜めに見た、本発明によるコンタクトデバイスの一実施形態を有する本発明によるコネクタ(相手側コネクタ)の一実施形態の、横方向に中央で切断した斜視図である。
【
図2】前面から斜めに見た、前記コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置がともに差し込まれた状態にある、
図1からの高電力電気コンタクトデバイスの実施形態の同様の、横方向に中央で切断した斜視図である。
【
図3】コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置が互いに分離されて取り外された状態にある、
図2からのコンタクトデバイスの実施形態の
図2と同様の図である。
【
図4】前面上方から斜めに見た、前記コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置がともにねじ込まれた状態にある、本発明による高電力電気コンタクトデバイスのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図5】コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置が互いに分離されて取り外された状態にある、
図4からのコンタクトデバイスの第2の実施形態の
図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明について、3相電流分野または電気自動車分野向けの、特に銅またはアルミニウムケーブル用の高電力電気コンタクトデバイス10の2つの実施形態(
図1〜
図3ならびに
図4および
図5)、ならびに交換可能な高電力電気コンタクトモジュール2の一実施形態および高電力電気コネクタ1の一実施形態(どちらも
図1)を参照して、以下でより詳細に説明する。コネクタ1およびコンタクトデバイス10に関して示す情報は、相手側コネクタ1および相手側コンタクトデバイス10にも当てはまるものとする。すなわち、これらの名称は、同義であると解釈されるべきである。
【0031】
本発明は、この種の実施形態に制限されるものではなく、より基本的な性質のものであり、結果的に、自動車分野または自動車以外の分野、たとえば電気工学分野、エネルギー関連分野などで、他のコンタクトデバイスに使用することができる。すなわち、本発明の保護範囲から逸脱することなく、これらの実施形態から他の変形形態を導き出すことができる。この場合、以下の記載は、コネクタ1、コンタクトデバイス10、および/またはコンタクトデバイス10のコンタクト装置110、120の軸方向Ax(axial)、長手方向軸Ax、または回転軸Ax、径方向Ra(radial)、ならびに円周方向Um(tangential)に関し、それぞれの場合で、そのような方向のうちの2つが可能である。
【0032】
本発明による高電力電気(高電流/電力)(相手側)コネクタ1は、この場合は線形に構成されており、プラグ1(高電流プラグ1、充電プラグ1、シュラウド付きプラグ1など)またはカップリング1(高電流カップリング1、充電カップリング1、シュラウド付きカップリング1など)として構成される。言うまでもなく、コネクタ1を傾斜または湾曲させて構成することも可能である。さらに、コネクタ1は、プラグソケット、内蔵コネクタなどとして構成することができる。本発明による高電力電気(高電流/電力)コンタクトデバイス10は、この場合も同様に線形に構成されており、圧着コンタクトデバイス10として構成され、コンタクトデバイス10は、ソケットコンタクトデバイス10としてさらに構成される。
【0033】
言うまでもなく、コンタクトデバイス10をピンコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイスなどとして構成することも可能である。さらに、コンタクトデバイス10は、高電力でない電気コンタクトデバイス10として、すなわち電気コンタクトデバイス10として構成することができる。さらに、コンタクトデバイス10は、(締固め)溶接コンタクトデバイス、はんだコンタクトデバイスなどとして構成することができる(下記参照)。言うまでもなく、コンタクトデバイス10を傾斜または湾曲させて構成することも可能である。
【0034】
本発明によれば、コンタクトデバイス10は、いくつかの部分、特に2つの部分で構成される。すなわち、単一のコンタクトデバイス10の少なくとも2つの区間または構成部分を、機械的、電気的、および/または電気機械的に互いに切断することができ、場合によりともに再び接合することができる。この場合、2つの区間もしくは構成部分は、互いに別個に形成することができ、または2つの区間もしくは構成部分は、材料面ではワンピースもしくは一体の部分(コンタクトデバイス10)から形成される。
【0035】
コンタクトデバイス10は、好ましくは、2つの(高電力電気、電気)コンタクト装置110、120を備える。この場合、コンタクト装置110は、ソケットコンタクト110、ピンコンタクト、タブコンタクトなどとして構成することができ、この場合、接続装置120として構成されたコンタクト装置120は、圧着接続120、(締固め)溶接接続、はんだ接続、接着接続、プラグ接続、ねじ接続などとして構成することができる。コンタクト装置110、120は、コンタクトデバイス10として、ワンピースであるが容易に解放可能に、ともに保持される。
【0036】
互いに重ねて取り付けられた状態(
図1、
図2、および
図5参照)で、互いに分離することができる個々のコンタクトデバイス10の2つのコンタクト装置110、120は、接触領域15または接続15を構成し、接触領域または接続内で、前記コンタクト装置は、機械的、電気的、および/または電気機械的に互いに切断することができ、場合によりともに再び接合することができる。この接触領域15は、ポジティブおよび/または非ポジティブ接続15として部分的に構成することができる。例として、(ばね)プラグ接続(
図1〜
図3参照)、ねじ接続(
図4および
図5参照)、ラッチ接続、スナップアクション接続(クリップ配置など)などが、この目的で使用される。
【0037】
好ましくは、コンタクトデバイス10の接触区間110は、コンタクトデバイス10の第1のコンタクト装置110として構成され、コンタクトデバイス10の接続区間120は、第2のコンタクト装置120として構成される。すなわち、コンタクトデバイス10は、軸方向Axに2つの区間110、120を有し、2つの区間110、120は、2つの区間110、120の共通の接触領域15とは別に、好ましくは、コンタクトデバイス10の完全な軸方向区間を形成する。
【0038】
互いに関連する2つのコンタクト装置110、120を相互に取り付けるために、各コンタクト装置110、120は、対応するコンタクト装置取付け区間111、121を有し、これらのコンタクト装置取付け区間は、コンタクト装置110、120が取り付けられた状態で、コンタクト装置取付け区間同士の間に個々のコンタクトデバイス10の接触領域15を形成する。コンタクト装置取付け区間111、121は特に、互いに重ねて、場合により複数回重ねて、設けることができまたは取り付けることができるように構成される。
【0039】
好ましくは、この場合は互いに重ねて設けることができまたは取り付けることができるコンタクト装置取付け区間111、121は、部分的にポジティブで構成され、かつ/または部分的に非ポジティブで構成される。取付け区間111、121のポジティブおよび/または非ポジティブ接続は、たとえば、(ばね)プラグ接続111、121(
図1〜
図3参照)、ねじ接続(
図4および
図5参照)、ラッチ接続、スナップアクション接続(クリップ配置など)などとして構成することができる。
【0040】
したがって、たとえば、コンタクト装置取付け区間111/121をコンタクトピン/コンタクトばねリング111/121として構成することが可能であり、かつそれに対応しまたはそれに相補的に、コンタクト装置取付け区間121/111を部分的にコンタクトばねリング/コンタクトピン121/111として構成することが可能である(
図1〜
図3参照)。さらに、たとえば、取付け区間111/121をめねじ(ねじ付き凹部)/おねじ(ねじ付きピン)111/121として構成することが可能であり、かつそれに対応しまたはそれに相補的に、コンタクト装置取付け区間121/111を部分的におねじ(ねじ付きピン)/めねじ(ねじ付き凹部)121/111として構成することが可能である(
図4および
図5参照)。言うまでもなく、コンタクト装置取付け区間111、121用の他の電気機械的接続15を使用することもできる。
【0041】
コンタクト装置110、120の少なくとも1つは、ハウジング取付け区間112、122を有し、ハウジング取付け区間112、122は、場合により、コンタクトデバイス10をハウジング3、20上/内に取り付けるための封止台座(112、)122として構成される。コンタクト装置110/120の一方の上に、コンタクトデバイス10の単一のハウジング取付け区間112/122のみが存在する場合、それぞれの他方のコンタクト装置120/110は、好ましくは、第1のコンタクト装置110/120によってハウジング3、20上/内に保持される。しかし、好ましくは、個々のコンタクトデバイス10のコンタクト装置110/120がそれぞれ、ハウジング取付け区間112、122を有する。
【0042】
さらに、コンタクトデバイス10またはコンタクト装置110、120の一方は、接触領域113を有し、コンタクトデバイス10またはコンタクト装置120、110の一方は、接続領域123を有する。接触領域113は、たとえば、ソケット領域113、ピン領域、タブ領域などとして構成することができる。接続領域123は、たとえば、圧着領域123、(締固め)溶接領域、はんだ領域、接着領域、プラグ領域、ねじ領域などとして構成することができる。
【0043】
それぞれのコンタクト装置110、120の設計に応じて、それぞれのコンタクト装置取付け区間111/121、それぞれのハウジング取付け区間112/122、および/またはそれぞれの接触領域113もしくは接続領域123は、コンタクト装置110、120内で、径方向Raに互いに対してずれ、かつ場合により部分的に軸方向Axに互いに重複するように形成することができ、また軸方向Axに互いに対してずれ、かつ/または径方向Raに互いに対してずれるように形成することができる。
【0044】
したがって、特に個々のコンタクト装置110/120の場合、コンタクト装置取付け区間111/121は、このコンタクト装置110/120のハウジング取付け区間112/122内に、部分的または実質上完全に設けることが可能である(
図1〜
図3参照)。この場合、コンタクト装置取付け区間111/121およびハウジング取付け区間112/122の等しくない半径を実現することができる。さらに、個々のコンタクト装置120/110の場合、コンタクト装置取付け区間121/111は、このコンタクト装置110/120のハウジング取付け区間122/112から軸方向の距離をあけて設けることが可能である。この場合、コンタクト装置取付け区間121/111およびハウジング取付け区間122/112の等しいまたは等しくない半径を実現することができる(
図4および
図5参照)。
【0045】
さらに、コンタクトデバイス10またはコンタクト装置110、120の一方は、コンタクトデバイスシール130を有することができる。この目的のため、ハウジング取付け区間112、122は、好ましくは、封止台座(112、)122として構成され、コンタクトデバイスシール130は、封止台座上で封止するように着座する。この場合、コンタクトデバイスシール130を有するコンタクトデバイス10は、サブアセンブリ10として構成することができる。
【0046】
コネクタ1の一実施形態を
図1に示す。
図1で、コネクタ1は、コネクタハウジング3または外側ハウジング3を有し、ハウジング3上/内には、交換可能な高電力電気コンタクトモジュール2または交換可能な電気高電流コンタクトモジュール2または交換可能な電力コンタクトモジュール2が、その取り付けられた位置に示されている。コンタクトモジュール2は、インサートハウジング20またはコンタクトモジュールハウジング20を備え、この場合、ハウジング20は、実質上容器の形態で構成される。言うまでもなく、実質上ディスク状(ベースプレート200のみ、下記参照)、実質上ケージ状、または実質上タブ状の構成などを使用することもできる。
【0047】
インサートハウジング20は、少なくとも1つのベースプレート200を備え、ベースプレート200は、ディスク200、板などとして構成することができる。ベースプレート200は、コンタクトデバイス10のそれぞれのコンタクト装置110/120、特に第1のコンタクト装置110を保持するための少なくとも1つの接触区間レセプタクル201を有する。この場合、コンタクト装置110(、120)は、そのコンタクト装置取付け区間111(、121)によって、接触区間レセプタクル201内に収容される。取付け区間111(、121)の軸方向端部上に存在することができるカラー114は、コンタクト装置110(、120)がインサートハウジング20内へあまりに深く挿入されることを防止する。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つの保護スリーブ210または保護ノズル210が、ベースプレート200から離れて延びており、場合により部分的に保護スリーブ210の接触区間レセプタクル211内に収容されたコンタクト装置110(、120)に作業者が接触できないように、コンタクト装置110(、120)または場合により少なくとも前記コンタクト装置の実際の接触領域113を、前記保護スリーブまたは保護ノズル内に受け取ることが可能である。保護スリーブ210は、好ましくは、実質上中空の円筒形に構成される。
【0049】
場合によりベースプレート200の径方向外側ホイールに設けられる側壁200により、コンタクトモジュール2をコネクタハウジング3内へ挿入することをより容易にすることができる。この場合、側壁220は、ベースプレート200の外側ホイールの周りを円周方向Umに実質上完全に通ることができる。これに相似的に、コネクタハウジング3は、場合により実質上完全に円周を囲むシュラウド320を有することができる。ベースプレート200およびコネクタハウジング3または側壁220およびシュラウド320は、好ましくは互いに解放することができる相補的ラッチデバイスを、場合により部分的に有し、その結果、コンタクトモジュール2をコネクタハウジング3上/内に固定することができる。
【0050】
本発明によれば、コンタクトデバイス10のそれぞれのコンタクト装置120、110、特に第2のコンタクト装置120は、コネクタハウジング3によって保持することができる。この目的のため、コネクタハウジング3は、接触区間レセプタクル301を有し、コンタクト装置120(、110)は、そのコンタクト装置取付け区間121(、111)によって、接触区間レセプタクル301内に受け取られる。取付け区間121(、111)の軸方向端部に存在することができるカラー124は、他方のコンタクト装置110(、120)のカラー114に対する止め具を画定し、場合により、コンタクトデバイスシール130に対する軸方向止め具として働く。
【0051】
コンタクト装置120(、110)は、好ましくは、コネクタハウジング3の接触区間レセプタクル301内またはコネクタハウジング3内に、回転方向に固定されるように受け取られる。さらに、コンタクト装置110(、120)も同様に、好ましくは、接触区間レセプタクル201および保護スリーブ210内、またはコンタクトモジュール2内に、回転方向に固定されるように受け取られる。好ましくは、2つのコンタクト装置110、120は、たとえば場合によりばねスロットとは別に、タブコンタクトとして構成されるソケット領域113または接触領域113内で実質上回転対称に構成される。
【0052】
本発明によるコネクタ1は、たとえばコンタクト装置110(、120)の接触領域113が過剰な摩耗量を呈した場合、コンタクトモジュール2をコネクタ1から除去しまたはコネクタ1から取り出すことができ、第2のコンタクトモジュール2によって交換することができるように設計される。その結果、コネクタ1全体を交換する必要がなくなり、コネクタ1の一部を交換するだけでよい。
【0053】
図1〜
図3に示すコンタクトデバイス10の実施形態について、以下でより詳細に説明する。
図1および
図2は、取り付けられたコンタクトデバイス10を示し、
図3は、取り外されたコンタクトデバイス10を示す。この場合、コンタクトデバイス10は、前記コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置110、120を互いの中へまたは互いに重ねて挿入することができ、それに対応して線形に再び互いに切断することができるように構成され、これを
図2に2つの太い矢印によって示す。
【0054】
コンタクトデバイス10の第1の接触区間110または第1のコンタクト装置110は、自由長手方向端部区間上に、ソケット領域113として構成される接触領域113を備える。ハウジング取付け区間112が、接触領域113に軸方向にさらに後方で隣接する。この場合、ハウジング取付け区間112は、封止台座として構成されない。コンタクトばねリング111、たとえばソケットの形として構成されるコンタクト装置取付け区間111は、前記ハウジング取付け区間に軸方向にさらに後方で隣接する。好ましくは、第1のコンタクト装置110内でハウジング取付け区間112とコンタクト装置取付け区間111との間にカラー114が形成される。
【0055】
コンタクトデバイス10の第2の接触区間120または第2のコンタクト装置120は、自由長手方向端部区間上に、ハウジング取付け区間122を備え、この場合、ハウジング取付け区間122は、好ましくは、封止台座として構成される。カラー124は、好ましくは、ハウジング取付け区間122の自由端部に形成される。ハウジング取付け区間122内には、コンタクトピン121またはコンタクトボルト121として構成されるコンタクト装置取付け区間121が設けられ、コンタクト装置取付け区間121は、コンタクトピン121とは別に、中空のハウジング取付け区間122内に、部分的または実質上完全に設けることができる。
【0056】
第2のコンタクト装置120の接続領域123は、好ましくは圧着領域123として構成されており、ハウジング取付け区間122およびコンタクト装置取付け区間121に軸方向にさらに後方で隣接する。好ましくは、前記接続領域とハウジング取付け区間との間には、コンタクト装置125を固定する固定領域125が設けられ、その目的で、対応するラッチデバイスまたはラッチ装置が、固定領域125内/上に係合または作用することができる。この場合、ラッチデバイスまたはラッチ装置は、コネクタハウジング3の一区間とすることができ、または外部の構成要素部分とすることもでき、もしくは外部の構成要素部分上に形成することができる。
【0057】
図1〜
図3に示すように、第2のコンタクト装置120は、コンタクトピン121がハウジング取付け区間122から突出するように構成することが可能である。この場合、コンタクトピン121の自由長手方向端部区間は、コンタクトデバイス10が取り付けられた状態にあるとき、第1のコンタクト装置110の中心合わせ凹部115内へ係合することができ、中心合わせ凹部115は、第1のコンタクト装置110のハウジング取付け区間112の内側に形成される。
【0058】
言うまでもなく、第1のコンタクト装置110のコンタクト装置取付け区間111を第2のコンタクト装置120上に設けることが可能であり、これに相似的に、第2のコンタクト装置120のコンタクト装置取付け区間121を第1のコンタクト装置110上に設けることが可能である。さらに、以下の実施形態に相似的に、コンタクトばねリング111およびコンタクトピン121の配置の代わりに、おねじ121(ねじ付きピン121)およびめねじ111(ねじ付き凹部111)の配置またはめねじ111(ねじ付き凹部111)およびおねじ121(ねじ付きピン121)の配置を使用することも可能である。
【0059】
図4および
図5に示すコンタクトデバイス10の実施形態について、以下でより詳細に説明する。
図4は、取り外されたコンタクトデバイス10を示し、
図5は、取り付けられたコンタクトデバイス10を示す。この場合、コンタクトデバイス10は、前記コンタクトデバイスの2つのコンタクト装置110、120を互いにねじ込むことができるように構成され、これを
図4に2つの太い矢印によって示す。したがって、2つのコンタクト装置110、120は、逆回転運動によって再び互いに切断することができる。
【0060】
コンタクトデバイス10の第1の接触区間110または第1のコンタクト装置110は、自由長手方向端部区間上に、ソケット領域113として構成される接触領域113を備える。ハウジング取付け区間112が、接触領域113に軸方向にさらに後方で隣接する。この場合、ハウジング取付け区間112は、封止台座として構成されない。ハウジング取付け区間112内には、めねじ111(ねじ付き凹部111)として構成されるコンタクト装置取付け区間111が設けられ、好ましくは、完全にハウジング取付け区間112内に設けられる。第1のコンタクト装置110は、好ましくは、カラーをもたない。
【0061】
コンタクトデバイス10の第2の接触区間120または第2のコンタクト装置120は、自由長手方向端部区間上に、コンタクト装置取付け区間121を備え、コンタクト装置取付け区間121は、おねじ121(ねじ付きピン121)として構成され、第2のコンタクト装置120から突出する。ハウジング取付け区間122が、前記コンタクト装置取付け区間に軸方向にさらに後方で隣接し、好ましくは、コンタクト装置取付け区間121とハウジング取付け区間122との間には、カラー124が形成される。この場合、ハウジング取付け区間122は、好ましくは、封止台座として構成される。
【0062】
第2のコンタクト装置120の接続領域123は、好ましくは圧着領域123として構成されており、ハウジング取付け区間122に軸方向にさらに後方で隣接する。好ましくは、前記接続領域とハウジング取付け区間との間には、コンタクト装置125を固定する固定領域125が設けられ、その目的で、対応するラッチデバイスまたはラッチ装置が、固定領域125内/上に係合または作用することができる。この場合、ラッチデバイスまたはラッチ装置は、やはりコネクタハウジング3の一区間とすることができ、または外部の構成要素部分とすることもでき、もしくは外部の構成要素部分上に形成することができる。
【0063】
言うまでもなく、第1のコンタクト装置110のコンタクト装置取付け区間111を第2のコンタクト装置120上に設けることが可能であり、これに相似的に、第2のコンタクト装置120のコンタクト装置取付け区間121を第1のコンタクト装置110上に設けることが可能である。さらに、上記の実施形態に相似的に、めねじ111(ねじ付き凹部111)およびおねじ121(ねじ付きピン121)の配置の代わりに、コンタクトばねリング111およびコンタクトピン121の配置またはコンタクトピン121およびコンタクトばねリング111の配置を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 たとえば3相電流分野、電気自動車分野などのための、線形の、傾斜した、または湾曲した、(高電力電気)(高電流/電力)(相手側)コネクタ、たとえば(フライング)プラグ、(フライング)カップリング、プラグソケット、内蔵コネクタ、たとえば電気ケーブル、電線などのための高電流プラグ/カップリング、充電プラグ/カップリング、シュラウド付きプラグ/カップリングなど
2 交換可能な高電力電気コンタクトモジュール、交換可能な電気高電流コンタクトモジュール、交換可能な電力コンタクトモジュール
3 コンタクトモジュール2用のハウジング、コネクタハウジング、外側ハウジング
10 線形の、傾斜した、または湾曲した、高電力電気(高電流/電力)(相手側)コンタクトデバイス、たとえばソケットコンタクトデバイス、ピンコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイスなど、および/またはたとえば圧着コンタクトデバイス、(締固め)溶接コンタクトデバイス、はんだコンタクトデバイスなど、場合によりサブアセンブリとして設けることができ、場合によりコンタクトデバイスシール130を有する。
15 コンタクト装置110、120間の電気的、機械的、および/または電気機械的に解放可能な接触領域または接続、ポジティブおよび/または非ポジティブ接続、たとえば(ばね)プラグ接続、ねじ接続、ラッチ接続、スナップアクション接続(クリップ配置など)など
20 ハウジング、インサートハウジング、コンタクトモジュールハウジング、ディスク状(ベースプレート200のみ)、ケージ状、タブ状、容器状など
110 コンタクトデバイス10の接触区間、(第1の)高電力電気コンタクト装置、コンタクト形成デバイス、たとえばソケットコンタクト、ピンコンタクト、タブコンタクトなど
111 コンタクト装置取付け区間、コンタクトばねリング/コンタクトピン、めねじ(ねじ付き凹部)/おねじ(ねじ付きピン)
112 場合により封止台座として構成されるハウジング取付け区間
113 接触領域、ソケット領域、ピン領域、タブ領域など。
114 カラー
115 中心合わせ凹部
120 コンタクトデバイス10の接続区間、(第2の)高電力電気コンタクト装置、接続装置、たとえば圧着接続、(締固め)溶接接続、はんだ接続、接着接続、プラグ接続、ねじ接続など
121 コンタクト装置取付け区間、コンタクトピン/コンタクトばねリング、おねじ(ねじ付きピン)/めねじ(ねじ付き凹部)
122 場合により封止台座として構成されるハウジング取付け区間、
123 接続領域、圧着領域、(締固め)溶接領域、はんだ領域、接着領域、プラグ領域、ねじ領域など
124 カラー
125 コンタクト装置125を固定する固定領域
130 コンタクトデバイスシール
200 ベースプレート、ディスク、板
201 第1のコンタクト装置110(コンタクト装置取付け区間111)を保持する接触区間レセプタクル
210 保護スリーブ、保護ノズル
211 第1のコンタクト装置110または実際の接触領域113を受け取る接触区間レセプタクル
220 側壁(任意選択)
301 第2のコンタクト装置120(コンタクト装置取付け区間121)を、場合によりコンタクトデバイスシール130によって保持する接触区間レセプタクル
320 シュラウド
Ax コネクタ1、コンタクトデバイス10、コンタクト装置110、120の軸方向、長手方向軸、回転軸
Ra コネクタ1、コンタクトデバイス10、コンタクト装置110、120の径方向
S コネクタ1、コンタクトデバイス10、コンタクト装置110、120のプラグイン方向。軸方向Axでもある。
Um コネクタ1、コンタクトデバイス10、コンタクト装置110、120の円周方向
【外国語明細書】