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特開2017-174980異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-174980(P2017-174980A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20170901BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20170901BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20170901BHJP
   B60R 16/023 20060101ALI20170901BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
   H01L27/04 T
   H01L27/04 H
   B60R16/02 650J
   B60R16/023 P
   H02J1/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-59666(P2016-59666)
(22)【出願日】2016年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(72)【発明者】
【氏名】稲田 洋文
【テーマコード(参考)】
5F038
5G165
【Fターム(参考)】
5F038BE08
5F038BH19
5F038CD16
5F038DF04
5F038DF17
5F038DT12
5F038DT13
5F038DT15
5F038DT18
5F038DT19
5F038EZ20
5G165GA09
5G165LA01
5G165MA05
5G165MA09
5G165PA01
(57)【要約】
【課題】電源供給時における電圧変化を監視し、電源素子などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知する異常検出回路を提供する。
【解決手段】
異常検出回路40は、外部から入力される電圧VN1が上昇を始めるとカウント値CNTのカウントアップを開始し、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達するまでカウントアップを実行するタイマ30と、電圧VN1と、所定の閾値電圧Vthとを比較し、電圧が閾値電圧以上であれば、カウンタ出力C1を第1のレベルに設定し、電圧が閾値電圧未満であれば、カウンタ出力C1を第2のレベルに設定するコンパレータ20とを備え、タイマ30は、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達すると、コンパレータ20から出力されるカウンタ出力C1を参照し、カウンタ出力C1が第1のレベルでない場合に異常が発生したと判断して異常時の対応処理を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力される電圧が上昇を始めるとカウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するタイマと、
前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するコンパレータと
を備え、
前記タイマは、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常が発生したと判断して異常時の対応処理を実行することを特徴とする異常検出回路。
【請求項2】
前記外部から入力される前記電圧は、スイッチング電源素子により供給される電圧であることを特徴とする請求項1に記載の異常検出回路。
【請求項3】
前記異常時の対応処理は、アラートの出力処理と割り込み要求信号の出力処理のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出回路。
【請求項4】
外部から入力される電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視する異常検出回路を備え、
前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行することを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記異常検出回路は、
前記外部から入力される前記電圧が上昇を始めるとカウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するタイマと、
前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するコンパレータと
を備え、
前記タイマは、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記カウントアップの開始を指示するタイマスタート信号を前記タイマに供給するトランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記外部から入力される前記電圧は、スイッチング電源素子により供給される電圧であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記異常時の対応処理は、アラートの出力処理と割り込み要求信号の出力処理のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
バスを介して複数のデバイスを相互に通信可能に接続する通信システムであって、
前記バスにプルアップされた電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視する異常検出回路を備え、前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行する半導体装置を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記異常検出回路は、
前記プルアップされた前記電圧が上昇を始めるとカウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するタイマと、
前記プルアップされた前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するコンパレータと
を備え、
前記タイマは、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に前記異常時の対応処理を実行することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記カウントアップの開始を指示するタイマスタート信号を前記タイマに供給するトランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記プルアップされた前記電圧は、スイッチング電源素子により供給される電圧であることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項13】
前記異常時の対応処理は、アラートの出力処理と割り込み要求信号の出力処理のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項14】
前記複数のデバイスの機能を有効にするイネーブル信号を、前記複数のデバイスに送信するCPUをさらに備え、
前記半導体装置は、前記異常時の対応処理として前記CPUに割り込み要求信号を送信し、
前記割り込み要求信号を受信した前記CPUは、前記複数のデバイスの機能を無効にするディスエーブル信号を、前記複数のデバイスに送信することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
前記割り込み要求信号を受信した前記CPUは、前記複数のデバイスの機能を無効にするディスエーブル信号を、非常用のバスを用いて、前記複数のデバイスに送信することを特徴とする請求項14に記載の通信システム。
【請求項16】
前記バスは、I2CバスまたはCANバスであることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項17】
前記半導体装置は、前記複数のデバイスのうちの1つのデバイスと一体化されることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項18】
前記半導体装置は、監視用LSIとして集積化されることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項19】
前記監視用LSIは、監視用レジスタを備えることを特徴とする請求項18に記載の通信システム。
【請求項20】
外部から入力される電圧が上昇を始めると、タイマが、カウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するステップと、
コンパレータが、前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するステップと、
前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記タイマが、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常時の対応処理を実行するステップと
を有することを特徴とする異常検出回路の動作方法。
【請求項21】
外部から入力される電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視するステップと、
前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行するステップと
を有し、
前記異常が発生したか否かを監視するステップは、
前記外部から入力される前記電圧が上昇を始めると、タイマが、カウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するステップと、
コンパレータが、前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するステップと、
前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記タイマが、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常時の対応処理を実行するステップと
を有することを特徴とする半導体装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載されるあらゆる部品のための安全機能(例えば、フェールセーフ、異常検出、安全停止などの機能)の規格が見直されつつある。特に、車載用の機器の多くは、電気的/電子的に制御されており、高性能化・高機能化だけでなく、安全性の確保も重要なニーズとなっている。
【0003】
安全な車載用機器の開発手法や管理方式等を体系的にまとめた国際基準規格ISO26262が策定されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】"ISO 26262-1:2011"、[online]、2011-11-15、International Organization for Standardization、[平成28年2月17日検索]、インターネット<URL:https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso:26262:-1:ed-1:v1:en>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、プルアップ電圧を供給する電源素子などの劣化や故障によって通信システムに発生し得る重大な事故を事前に回避するために、電源素子などの劣化や故障をいち早く検知することが求められる。
【0006】
本実施の形態は、電源供給時における電圧変化を監視し、電源素子などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができる異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の一態様によれば、外部から入力される電圧が上昇を始めるとカウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するタイマと、前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するコンパレータとを備え、前記タイマは、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常が発生したと判断して異常時の対応処理を実行する異常検出回路が提供される。
【0008】
本実施形態の他の態様によれば、外部から入力される電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視する異常検出回路を備え、前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行する半導体装置が提供される。
【0009】
本実施形態の他の態様によれば、バスを介して複数のデバイスを相互に通信可能に接続する通信システムであって、前記バスにプルアップされた電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視する異常検出回路を備え、前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行する半導体装置を備える通信システムが提供される。
【0010】
本実施形態の他の態様によれば、外部から入力される電圧が上昇を始めると、タイマが、カウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するステップと、コンパレータが、前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するステップと、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記タイマが、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常時の対応処理を実行するステップとを有する異常検出回路の動作方法が提供される。
【0011】
本実施形態の他の態様によれば、外部から入力される電圧がLowレベルから所望の電圧値まで上昇する際の傾きと所要時間に基づいて、異常が発生したか否かを監視するステップと、前記電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間で前記所望の電圧まで上昇しなかった場合、異常時の対応処理を実行するステップとを有し、前記異常が発生したか否かを監視するステップは、前記外部から入力される前記電圧が上昇を始めると、タイマが、カウント値のカウントアップを開始し、前記カウント値が所定のカウント設定値に達するまでカウントアップを実行するステップと、コンパレータが、前記外部から入力される前記電圧と、所定の閾値電圧とを比較し、前記電圧が前記閾値電圧以上であれば、カウンタ出力を第1のレベルに設定し、前記電圧が閾値電圧未満であれば、前記カウンタ出力を第2のレベルに設定するステップと、前記カウント値が前記所定のカウント設定値に達すると、前記タイマが、前記コンパレータから出力される前記カウンタ出力を参照し、前記カウンタ出力が前記第1のレベルでない場合に異常時の対応処理を実行するステップとを有する半導体装置の動作方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本実施の形態によれば、電源供給時における電圧変化を監視し、スイッチング電源素子などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができる異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】複数のブロックをシリアル接続するI2C通信システムを例示する模式的構成図。
図2図1に例示したI2C通信システムのスイッチング電源素子に異常が発生した場合の電圧値の一例を示す概略図。
図3】I2Cシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置の一例を示す模式的構成図。
図4】(a)実施の形態に係る半導体装置における正常動作時のドライブNの波形例、(b)ノードN1の波形例。
図5】(a)実施の形態に係る半導体装置における異常動作時のドライブNの波形例、(b)ノードN1の波形例。
図6】(a)実施の形態に係る半導体装置における正常動作時のドライブNの波形例、(b)ノードN1の波形例、(c)タイマのタイミング例。
図7】(a)実施の形態に係る半導体装置における異常動作時のドライブNの波形例、(b)ノードN1の波形例、(c)タイマのタイミング例。
図8】CANシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置の一例を示す模式的構成図。
図9】実施の形態に係る半導体装置を適用したI2Cシステムの別の例を示す模式的構成図。
図10】実施の形態に係る半導体装置を集積化した監視用LSIの一例を示す模式的構成図。
図11】実施の形態に係る半導体装置を集積化した監視用LSIの1つの適用例を示す模式的構成図。
図12】実施の形態に係る半導体装置を集積化した監視用LSIの別の適用例を示す模式的構成図。
図13】実施の形態に係る監視用LSIを適用したCANシステムのバス構成例を示す模式的構成図。
図14】実施の形態に係る監視用LSIを適用したCANシステムのCANパケットエラー訂正信号とシリアルインタフェースとの関係を例示する模式図。
図15】実施の形態に係る半導体装置の処理動作例を示すフローチャートチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0015】
又、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
[実施の形態]
(I2Cシステムに適用した半導体装置の構成例)
図1は、I2Cインタフェースによる通信システムを模式的に例示する。この通信システムは、複数のブロック(ブロックA(81)とブロックB(82)と)を、I2C(Inter-Integrated Circuit:集積回路間通信)バスを介して通信可能にシリアル接続する。
【0017】
I2Cインタフェースは、マイコンシステムなどにおいてIC間(例えばブロックA(81)とブロックB(82)との間)で通信をする際に用いられる同期式シリアル通信インタフェースである。I2Cインタフェースにおける信号線は、クロック線(SCL:シリアルクロック)とデータ線(SDA:シリアルデータ)の2本の信号線(図1においては省略)により構成されており、例えばプルアップ抵抗RPでプルアップされた双方向信号線である。ここで、ブロックA(81)は、例えばマスタデバイスであり、ブロックB(82)は、例えばスレーブデバイスである。
【0018】
データ線は、ある電圧にプルアップされている。このプルアップ電圧は、スイッチング電源素子10などから供給されるが、スイッチング電源素子10に劣化、故障、破壊などが生じることにより、マイコンシステムのプログラムが誤動作(例えば暴走など)する恐れがある。
【0019】
スイッチング電源素子10などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができれば、重大な事故等を事前に防止することができる可能性がある。
【0020】
図2は、スイッチング電源素子10に異常が発生した場合の電圧値Vccの一例を概略的に示す。
【0021】
スイッチング電源素子10などに劣化や軽微な故障が生じると、正常動作時(スペックの範囲内)において安定的に供給されていた電圧(段階SP1)は、次第に下降し始め(段階SP2)、そのまま放置すると、破壊等の重大な故障に結びつくくらいまで著しく下降し(段階SP3)、その結果、重大な事故を引き起こす場合もある。段階SP3に至る前、すなわち、下降し始めの段階SP2において異常を検知してアラートなどを出力することができれば、重大な事故等を未然に防止することができる可能性がある。
【0022】
図3は、I2Cシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置100の一例を模式的に示す。
【0023】
半導体装置100は、プルアップ抵抗RPでプルアップされたI2Cデータバスに、ポート(Port)Aを介して接続され、ノードN1の電圧VN1がLowレベルから所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)まで上昇する際の傾き(Vth/(t2−t1))と所要時間(t2−t1)とに基づいて、スイッチング電源素子10に異常が発生したか否かを監視する異常検出回路40を備える。
【0024】
異常検出回路40は、外部からポートAを介して入力されるノードN1の電圧VN1が上昇を始めるとカウント値CNTのカウントアップを開始し、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達するまでカウントアップを実行するタイマA(30)と、外部からポートAを介して入力されるノードN1の電圧VN1と、所定の閾値電圧Vthとを比較し、ノードN1の電圧VN1≧閾値電圧Vthであれば、カウンタ出力C1を第1のレベル(Highレベル(「1」))に設定し、ノードN1の電圧VN1<閾値電圧Vthであれば、カウンタ出力C1を第2のレベル(Lowレベル(「0」))に設定するコンパレータA(20)とを備える。タイマA(30)は、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達すると、コンパレータA(20)から出力されるカウンタ出力C1を参照し、カウンタ出力C1がHighレベルでない場合に異常時の対応処理を実行する。
【0025】
所定のカウント設定値CNT_MAXは、正常動作時(スペックの範囲内)において電圧VN1が所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)に達するのに要する標準的な時間に基づいて、設定される。
【0026】
所定の閾値電圧Vthは、スイッチング電源素子10に異常が発生したか否かを判定するのに十分な値に設定される。閾値電圧Vthの値を大きく設定すれば、異常発生の検出精度が上がるが、異常発生の検出に要する時間は長くなる。閾値電圧Vthの値を小さく設定すれば、異常発生の検出精度は下がるが、異常発生の検出に要する時間は短縮される。
【0027】
また、半導体装置100は、タイマ処理(カウントアップ)の開始を指示するタイマスタート信号SをタイマA(30)に供給するnMOSトランジスタM1を備えても良い。
【0028】
また、異常検出回路40は、ポートAから入力される電圧VN1などを一時的に蓄えるバッファ35を備えても良い。
【0029】
ポートAは、双方向(入出力)端子である。例えば、I2Cのデータ線(SDA)が接続される。
【0030】
ノードN1の電圧VN1は、半導体装置100内のドライブ(Drive)Nにより、GNDレベル(Lowレベル「0」)と、電源電圧Vccとの2つの値をとる。nMOSトランジスタM1のドライブNがHighレベル(「1」)であれば、ノードN1の電圧VN1はLowレベル(「0」)となり、ドライブNがLowレベル(「0」)であれば、ノードN1の電圧VN1は、Highレベル(「1」)となる。ノードN1の電圧VN1のHighレベルは、スイッチング電源素子10により維持される。
【0031】
図4は、半導体装置100における正常動作時のドライブN(図4(a))とノードN1の電圧VN1図4(b))との関係を模式的に例示する。ドライブNがHighレベルからLowレベルに移行する時刻t1、すなわち、ノードN1の電圧VN1がLowレベルからHighレベルに移行する時刻t1では、ノードN1の電圧レベルは緩やかに上昇していく。
【0032】
図5は、半導体装置100における異常動作時のドライブN(図5(a))とノードN1の電圧VN1図5(b))との関係を模式的に例示する。
【0033】
ここで、スイッチング電源素子10が劣化し始め、スイッチング電源素子10が供給する電流Iが減り始めたとする。すると、時刻t1から、ノードN1の電圧VN1がLowレベルから所望の電圧Vccまで上昇するのに要する時間(図5(b)での破線)が、正常動作時に要する時間(図5(b)での実線)に比べて長くなり始める。これは、プルアップ抵抗RPの劣化により、スイッチング電源素子10がプルアップ抵抗RPを介して、電流Iで充電していく時間が、正常動作に比べて時間を要するようになるからである。
【0034】
実施の形態に係る半導体装置100は、ノードN1の電圧VN1が所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)に達するのに要する時間を測定し、その時間が所定の時間よりも長くなった場合に、スイッチング電源素子10に異常(例えば劣化の兆し)が生じていると判断し、アラート等を出力して、重大な事故等を未然に防止する。
【0035】
図6は、半導体装置100における正常動作時のドライブN(図6(a))とノードN1の電圧VN1図6(b))とタイマA(30)(図6(c))との関係を模式的に例示する。
【0036】
ドライブNがHighレベルからLowレベルに転じると、タイマスタート信号SがタイマA(30)に供給され、タイマA(30)は、カウント値CNTをカウントアップし始める。タイマA(30)は、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達すると、カウントアップを停止する。
【0037】
コンパレータA(20)は、ノードN1の電圧VN1と所定の閾値電圧Vthとを比較し、ノードN1の電圧VN1≧閾値電圧Vthであれば、カウンタ出力C1をHighレベル(「1」)に設定し、ノードN1の電圧VN1<閾値電圧Vthであれば、カウンタ出力C1をLowレベル(「0」)に設定する。
【0038】
図6に例示するように、正常動作時においては、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達する前に、カウンタ出力C1がLowレベルからHighレベルに転じる(時刻t2)。したがって、ノードN1の電圧VN1が閾値電圧Vthまで達するのに要する時間が正常動作時の範囲内であり、スイッチング電源素子10に異常(例えば劣化の兆し)が生じていないと判断し、タイマA(30)は、アラート等を出力しない。
【0039】
図7は、実施の形態に係る半導体装置100における異常動作時のドライブN(図7(a))とノードN1の電圧VN1図7(b))とタイマA(30)(図7(c))との関係を模式的に例示する。
【0040】
図7に例示するように、異常動作時においては、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達しても、カウンタ出力C1はLowレベルのままである(カウンタ出力C1がLowレベルからHighレベルに転じるのは(時刻t2)、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達した後である)。したがって、ノードN1の電圧VN1が閾値電圧Vthまで達するのに要する時間が正常動作時に比べて長く、スイッチング電源素子10に異常(例えば劣化の兆し)が生じていると判断し、タイマA(30)は、アラート等を出力する。
【0041】
以上説明したように、I2Cシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置100によれば、電源供給時における電圧変化を監視することで、スイッチング電源素子10などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができる。
【0042】
(CANシステムに適用した半導体装置の構成例)
実施の形態に係る半導体装置100は、I2Cシステム以外にも、差動インタフェースを用いるLVDS(Low Voltage Differential Signaling)、DisplayPort(ディスプレイポート)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、CAN(Controller Area Network)などにも適用することができる。
【0043】
図8は、CANシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置100の一例を模式的示す。
【0044】
実施の形態に係る半導体装置100においは、特定のデータフレームの特定ビットがHighレベルであることが確定している場合に、その特定ビットが所望の電圧に達するまでに要する時間をタイマA(30)が計測する。
【0045】
異常検出回路40を備える半導体装置100は、CANデバイスSG1(61)、SG2(62)に接続され、CAN信号が正常の傾き且つ正常の所要時間でLowレベルからHighレベルあるいはHighレベルからLowレベルに変化するか否かを監視する。異常を検出した場合、半導体装置100は、CPU200に対してIRQ(Interrupt ReQuest:割り込み要求)信号を出力して、異常検出を通知する。
【0046】
CPU200は、正常動作時には、CANデバイスSG1(61)、SG2(62)の機能を有効にするイネーブル信号EN1、EN2をそれぞれCANデバイスSG1(61)、SG2(62)に出力する。それに対して、半導体装置100からのIRQ信号を受信したCPU200は、IRQ信号に呼応して、CANデバイスSG1(61)、SG2(62)の機能を無効にするディスエーブル信号をイネーブル端子EN1、EN2からCANデバイスSG1(61)、SG2(62)にそれぞれ出力する。
【0047】
以上説明したように、CANシステムに適用した実施の形態に係る半導体装置100によれば、CAN信号の電圧変化を監視することで、CANデバイスなどの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができる。
【0048】
(半導体装置を適用したI2Cシステムの別の構成例)
図9は、実施の形態に係る半導体装置100を適用したI2Cシステムの別の構成例を模式的に示す。
【0049】
図9に例示するI2Cシステムにおいては、I2Cマスタブロック310とI2Cスレーブブロック320は、クロック線(SCL)とデータ線(SDA)の2本の信号線を介して、通信可能に接続されている。クロック線(SCL)とデータ線(SDA)は、プルアップ抵抗R1、R2でそれぞれプルアップされた双方向信号線である。
【0050】
I2Cマスタデバイス(マスタ1)300は、I2Cマスタブロック310と実施の形態に係る半導体装置100とを内蔵したI2Cのマスタデバイスである。半導体装置100は、少なくとも実施の形態に係る異常検出回路40を備える。
【0051】
異常検出回路40を備える半導体装置100は、端子SDA1、SCL1を介してクロック線(SCL)とデータ線(SDA)に接続され、クロック線(SCL)とデータ線(SDA)の電圧が正常の傾き且つ正常の所要時間でLowレベルから所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)まで上昇するか否かを監視する。異常を検出した場合、半導体装置100は、CPU200に対してIRQ信号を出力して、異常検出を通知する。
【0052】
CPU200は、正常動作時には、I2Cマスタブロック310とI2Cスレーブブロック320の機能を有効にするイネーブル信号SCL1、SDA1をそれぞれ2Cマスタブロック310とI2Cスレーブブロック320に出力する。
【0053】
それに対して、半導体装置100からIRQ信号を受信したCPU200は、IRQ信号に呼応して、2Cマスタブロック310とI2Cスレーブブロック320の機能を無効にするディスエーブル信号SCL1、SDA1をそれぞれ2Cマスタブロック310とI2Cスレーブブロック320に出力することもできる。しかしながら、異常が発生しているこのような状況において、通常のI2C信号線(バス)を用いてイネーブル信号SCL1、SDA1を送信することは好ましくない場合もある。そこで、CPU200は、せめてI2Cマスタデバイス(マスタ1)300内のI2Cマスタブロック310だけでも機能停止させるために、非常用のI2C信号線(バス)を用いて、ディスエーブル信号SCL2、SDA2を、非常用のバスを用いて、I2Cマスタデバイス(マスタ1)300の非常用の端子SDA2、SCL2に出力する。
【0054】
CPU200から非常用の端子SDA2、SCL2を介してディスエーブル信号SCL2、SDA2を受信した半導体装置100は、I2Cマスタデバイス(マスタ1)300内のI2Cマスタブロック310の機能を停止させる。
【0055】
以上説明したように、半導体装置100を適用したI2Cシステムの別の構成例によれば、劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができるとともに、I2Cマスタブロック310などを安全に停止させることができる。
【0056】
(監視用LSI)
図10は、実施の形態に係る半導体装置100を集積化した監視用LSI70の一例を模式的に示す。監視用LSI70は、異常検出回路40(図示せず)を備える半導体装置100(図示せず)と、監視用レジスタ71とを備え、I2C信号線I2C1を介してCPU200と接続される。監視用LSI70は、異常を検出した場合、CPU200あるいは他のデバイスなどに対してIRQ信号を出力して、異常検出を通知する。
【0057】
図11は、監視用LSI70の1つの適用例を模式的に示しており、I2Cマスタデバイス300は、I2Cマスタブロック310と監視用LSI70とを内蔵する。
【0058】
なお、図11に示す例では、I2Cマスタブロック310と監視用LSI70とが一体化された例を示しているが、I2Cスレーブブロック320と監視用LSI70とが一体化されても良い。
【0059】
図12は、監視用LSIのさらに別の例を模式的に示しており、監視用LSI70は、I2Cマスタブロック310やI2Cスレーブブロック320とは独立した形で配備されている。
【0060】
図13は、監視用LSI70(半導体装置100)を適用したCANシステムのバス構成例を模式的に示す。また、図14は、実施の形態に係る半導体装置を適用したCANシステムのCANパケットエラー訂正信号401とシリアルインタフェース402との関係を模式的に例示する。
【0061】
(半導体装置の処理動作例)
図15は、実施の形態に係る半導体装置100(異常検出回路40)の処理動作例を概略的に示す。
【0062】
ステップS101において、ドライブNがHighレベルからLowレベルに転じると、タイマスタート信号SがタイマA(30)に供給され、ステップS102において、タイマA(30)は、カウント値CNTをカウントアップし始める。
【0063】
次に、ステップS103において、タイマA(30)は、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達したか否かを判定する。ステップS103における判定の結果、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達していれば、ステップS108に進み、逆に、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達していなければ、ステップS104に進む。
【0064】
ステップS104において、コンパレータA(20)は、ノードN1の電圧VN1と所定の閾値電圧Vthとを比較する。ステップS104における判定の結果、ノードN1の電圧VN1≧閾値電圧Vthであれば、コンパレータA(20)は、ステップS106において、カウンタ出力C1をHighレベル(「1」)に設定する。逆に、ノードN1の電圧VN1<閾値電圧Vthであれば、コンパレータA(20)は、ステップS105において、カウンタ出力C1をLowレベル(「0」)に設定する。
【0065】
次に、ステップS107において、タイマA(30)は、カウント値CNTをカウントアップする。
【0066】
以上のステップS103〜S107の一連の処理を、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達するまで繰り返す。
【0067】
ステップS103における判定の結果、カウント値CNTが所定のカウント設定値CNT_MAXに達していれば、次に、ステップS108において、半導体装置100は、カウンタ出力C1がHighレベルであるか否かを判定する。
【0068】
ステップS108における判定の結果、カウンタ出力C1がHighレベルである場合、所定の時間内に、ノードN1の電圧VN1が所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)に到達したためスイッチング電源素子10に異常(例えば劣化の兆し)が生じていないと判断し、一連の処理を終了する。
【0069】
ステップS108における判定の結果、カウンタ出力C1がHighレベルでない(すなわち、カウンタ出力C1がLowレベルである)場合、所定の時間が経過しても、ノードN1の電圧VN1が所望の電圧Vcc(閾値電圧Vth)に到達していないのでスイッチング電源素子10に異常(例えば劣化の兆し)が生じていると判断し、半導体装置100は、ステップS109において、異常時の対応処理を実行する。ステップS109における異常時の対応処理としては、上述したように、アラート(例えば、警告メッセージ、警告音など)を出力する、CPU200に対してIRQ信号を出力して、電源の供給を停止する、電源の供給を縮小する、などが想定される。
【0070】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電源供給時における電圧変化を監視し、スイッチング電源素子などの劣化や故障等の異常の兆候をいち早く検知することができる異常検出回路およびその動作方法、半導体装置およびその動作方法、および通信システムを提供することができる。
【0071】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態について記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0072】
例えば、実施の形態においては、車載用の電子機器などに電源を供給する電源供給用装置(スイッチング電源素子10)を例にして説明したが、電源電圧を供給する対象は車載用の電子機器に限らず、様々な用途に用いられる電子機器に電源を供給することができる。
【0073】
また、実施の形態においては、I2C、LVDS、DisplayPort、HDMI(登録商標)、CANなどの通信システムに半導体装置100を適用した例を説明したが、半導体装置100を適用する通信システムは、これらに限らず、SIO(Serial Input/Output)、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)など、様々な通信システムに適用可能である。
【0074】
このように、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本実施の形態は、例えば、自動車、航空機、船舶、鉄道、ロケット、医療機器、産業機械、ロボットなど様々な分野の電子機器類などに適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
10…スイッチング電源素子
40…異常検出回路
30…タイマA
20…コンパレータA
61…CANデバイスSG1
62…CANデバイスSG2
70…監視用LSI
71…監視用レジスタ
81…ブロックA
82…ブロックB
100…半導体装置
200…CPU
300…I2Cマスタデバイス(マスタ1)
310…I2Cマスタブロック
320…I2Cスレーブブロック
401…CANパケットエラー訂正信号
402…シリアルインタフェース
C1…カウンタ出力
CNT…カウント値
CNT_MAX…カウント設定値
EN1、EN2…イネーブル端子
EN1、EN2、SCL1、SDA1…イネーブル信号
I…電流
I2C1…I2C信号線
L−ch、R−ch…データ信号
M1…nMOSトランジスタ
N…ドライブ(Drive)
1…ノード
RP、R1、R2…プルアップ抵抗
S…タイマスタート信号
SCL2、SDA2…ディスエーブル信号
SCL…クロック線
SDA…データ線
SDA1、SCL1…端子
SDA2、SCL2…非常用の端子
SP1、SP2、SP3…段階
t1、t2…時刻
Vcc…電源電圧(所望の電圧)
VN1…電圧
Vth…閾値電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15