【解決手段】半導体回路が、入力デジタルデータの上位mビットに応じて第1及び第2参照電圧を選択するDA変換器と、それぞれが第1又は第2参照電圧のいずれかである第1乃至第N選択入力電圧を入力デジタルデータの下位nビットに応じて出力する選択部と、第1乃至第N差動入力段と、テイル電流源とを具備する。第1乃至第N差動入力段のそれぞれは、NMOS差動対を備えている。第i差動入力段(iは、1以上N以下の整数)の入力端には、それぞれ、第i選択入力電圧が供給される。テイル電流源は、第1乃至第N差動入力段のそれぞれに生成されるテイル電流の大きさを、入力デジタルデータの下位nビットに応じて制御する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、以下において、同一又は類似の構成要素は、同一又は対応する参照符号で参照することがあり、また、複数の同一の構成要素を互いに区別する場合、参照符号に添字を付することがあることに留意されたい。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態の半導体回路10の構成を示す回路図である。半導体回路10は、デジタル−アナログ変換とインピーダンス変換とを行う機能を有しており、より具体的には、入力デジタルデータD
INを受け取り、入力デジタルデータD
INの値に対応する電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを生成するように構成されている。ここで、本実施形態では、入力デジタルデータD
INは、(m+n)ビットデータであり(m、nは、いずれも自然数)、半導体回路10は、2
(m+n)段階の電圧レベルのいずれかの電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力するように構成されている。即ち、本実施形態の半導体回路10は、(m+n)ビットの分解能を有している。
【0016】
本実施形態では、半導体回路10が、DA変換器1、2と、セレクタ3、4と、差動増幅回路5とを備えている。
【0017】
DA変換器1、2は、それぞれ、参照電圧バス6から供給される参照電圧V
REF1−V
REFqのうちのいずれかを入力デジタルデータD
INの上位mビットの値に応じて選択し、選択した参照電圧を出力するように構成されている。ここで、DA変換器1、2に供給される参照電圧V
REF1〜V
REFqの数qは、2
m+1である。以下では、DA変換器1によって選択されて出力される参照電圧を、参照電圧V
REFHと記載し、DA変換器2によって選択されて出力される参照電圧を、参照電圧V
REFLと記載する。ここで、DA変換器1、2は、それぞれが選択する参照電圧V
REFH、V
REFLは互いに異なっており、参照電圧V
REFHが参照電圧V
REFLよりも高くなるように構成される。
【0018】
一実施形態では、参照電圧V
REF1〜V
REFqは、下記の条件を満たすように生成される:
V
REF1<V
REF2< ・・・ <V
REF(q−1)<
REFq
この場合、参照電圧V
REF1〜V
REFqのうち電圧レベルが隣接する2つの参照電圧V
REFk、V
REF(k+1)(kは、1以上、q−1以下の整数)が、参照電圧V
REFH、V
REFLとして選択されてもよい。後述されるように、本実施形態の半導体回路10は、アナログ出力電圧V
OUTが、参照電圧V
REFL以上であり、参照電圧V
REFHより低くなるようにアナログ出力電圧V
OUTを生成するように構成される。
【0019】
セレクタ3、4は、参照電圧V
REFH、V
REFLを受け取り、入力デジタルデータD
INの下位nビットの値に応じて差動増幅回路5に入力すべき選択入力電圧V
IN1、V
IN2を出力する選択部として動作する。ここで、選択入力電圧V
IN1、V
IN2のそれぞれは、参照電圧V
REFH、V
REFLから選択された電圧である。セレクタ3は、入力デジタルデータD
INの下位nビットの値に応じて参照電圧V
REFH、V
REFLのいずれかを選択入力電圧V
IN1として出力し、セレクタ4は、入力デジタルデータD
INの下位nビットの値に応じて参照電圧V
REFH、V
REFLのいずれかを選択入力電圧V
IN2として出力する。セレクタ3、4から出力される選択入力電圧V
IN1、V
IN2は、同一である場合もあることに留意されたい。
【0020】
差動増幅回路5は、セレクタ3、4から選択入力電圧V
IN1、V
IN2を受け取り、受け取った選択入力電圧V
IN1、V
IN2からアナログ出力電圧V
OUTを生成するように構成されている。後に詳細に議論されるように、差動増幅回路5から出力されるアナログ出力電圧V
OUTの電圧レベルが、入力デジタルデータD
INの下位nビットの値に応じて調節されることに留意されたい。
【0021】
図2は、一実施形態における差動増幅回路5の構成を示す回路図である。差動増幅回路5は、2つの差動入力段11
1、11
2と、テイル電流源回路12、13と、能動負荷回路14と、出力段15と、テイル電流源制御回路16とを備えている。差動増幅回路5は、セレクタ3、4から供給される選択入力電圧V
IN1、V
IN2を差動入力段11
1、11
2にそれぞれに接続された入力端17
1、17
2で受け取り、アナログ出力電圧V
OUTを出力端18から出力する。
【0022】
詳細には、差動入力段11
1は、PMOSトランジスタMP11、MP21と、NMOSトランジスタMN11、MN21とを備えている。なお、当業者には周知であるように、NMOSトランジスタは、NチャネルMISFET(metal insulator semiconductor field effect transistor)の一種であり、PMOSトランジスタは、PチャネルMISFETの一種である。
【0023】
PMOSトランジスタMP11、MP21は、ソースが共通に接続されており、PMOS差動対を構成している。詳細には、PMOSトランジスタMP11、MP21のソースは、ノードN11に共通に接続されている。PMOSトランジスタMP11のゲートは、セレクタ3から選択入力電圧V
IN1が入力される入力端17
1に接続されており、PMOSトランジスタMP21のゲートはアナログ出力電圧V
OUTが出力される出力端18に接続されている。また、PMOSトランジスタMP11のドレインは、ドレイン配線21に接続されており、PMOSトランジスタMP21のドレインは、ドレイン配線22に接続されている。
【0024】
NMOSトランジスタMN11、MN21は、ソースが共通に接続されており、NMOS差動対を構成している。詳細には、NMOSトランジスタMN11、MN21のソースは、ノードN21に共通に接続されている。NMOSトランジスタMN11のゲートは、入力端17
1に接続されており、NMOSトランジスタMN21のゲートは出力端18に接続されている。また、NMOSトランジスタMN11のドレインは、ドレイン配線23に接続されており、NMOSトランジスタMN21のドレインは、ドレイン配線24に接続されている。
【0025】
差動入力段11
2は、差動入力段11
1と同様の構成を有しており、PMOSトランジスタMP12、MP22と、NMOSトランジスタMN12、MN22とを備えている。
【0026】
PMOSトランジスタMP12、MP22は、ソースが共通に接続されており、PMOS差動対を構成している。詳細には、PMOSトランジスタMP12、MP22のソースは、ノードN12に共通に接続されている。PMOSトランジスタMP12のゲートは、セレクタ4から選択入力電圧V
IN2が入力される入力端17
2に接続されており、PMOSトランジスタMP22のゲートはアナログ出力電圧V
OUTが出力される出力端18に接続されている。また、PMOSトランジスタMP12のドレインは、ドレイン配線21に接続されており、PMOSトランジスタMP22のドレインは、ドレイン配線22に接続されている。
【0027】
NMOSトランジスタMN12、MN22は、ソースが共通に接続されており、NMOS差動対を構成している。詳細には、NMOSトランジスタMN12、MN22のソースは、ノードN22に共通に接続されている。NMOSトランジスタMN12のゲートは、入力端17
2に接続されており、NMOSトランジスタMN22のゲートは出力端18に接続されている。また、NMOSトランジスタMN12のドレインは、ドレイン配線23に接続されており、NMOSトランジスタMN22のドレインは、ドレイン配線24に接続されている。
【0028】
テイル電流源回路12は、差動入力段11
1、11
2のノードN11、N12に、それぞれ、テイル電流I11、I21を供給する。本実施形態では、テイル電流源回路12は、高電位線19とノードN11の間に接続されたテイル電流源26
1と、高電位線19とノードN12の間に接続されたテイル電流源26
2とを備えている。ここで、本実施形態では、高電位線19にアナログ電源電圧VSPが供給されている。テイル電流源26
1は、ノードN11を流れるテイル電流Icp1を生成し、テイル電流源26
2は、ノードN12を流れるテイル電流Icp2を生成する。テイル電流源回路12には、テイル電流源制御回路16から制御信号が供給されており、テイル電流Icp1、Icp2それぞれの電流レベルは、該制御信号に応じて制御される。
【0029】
同様に、テイル電流源回路13は、差動入力段11
1、11
2のノードN21、N22から、それぞれ、テイル電流Icn1、Icn2を引き出す。本実施形態では、テイル電流源回路13は、ノードN21と低電位線20との間に接続されたテイル電流源27
1と、ノードN22と低電位線20との間に接続されたテイル電流源27
2とを備えている。本実施形態では、低電位線20は、回路接地に接続される。テイル電流源27
1は、ノードN21を流れるテイル電流Icn1を生成し、テイル電流源27
2は、ノードN22を流れるテイル電流Icn2を生成する。テイル電流源回路13には、テイル電流源制御回路16から制御信号が供給されており、テイル電流Icn1、Icn2それぞれの電流レベルは、該制御信号に応じて制御される。
【0030】
能動負荷回路14は、ドレイン配線21〜24に接続される能動負荷として動作する。本実施形態では、能動負荷回路14は、PMOSトランジスタMP3、MP4と、NMOSトランジスタMN3、MN4と、定電流源28、29とを備えている。
【0031】
PMOSトランジスタMP3、MP4は、ドレイン配線23、24に接続されるカレントミラーを構成している。PMOSトランジスタMP3、MP4は、ソースが高電位線19に共通に接続されており、ゲートがPMOSトランジスタMP4のドレインに共通に接続されている。PMOSトランジスタMP3、MP4のドレインは、それぞれ、ドレイン配線23、24に接続されている。
【0032】
NMOSトランジスタMN3、MN4は、ドレイン配線21、22に接続されるカレントミラーを構成している。NMOSトランジスタMN3、MN4は、ソースが低電位線20に共通に接続されており、ゲートがNMOSトランジスタMN4のドレインに共通に接続されている。NMOSトランジスタMN3、MN4のドレインは、それぞれ、ドレイン配線21、22に接続されている。
【0033】
定電流源28は、PMOSトランジスタMP3のドレインとNMOSトランジスタMN3のドレインの間に接続されており、PMOSトランジスタMP3のドレインからNMOSトランジスタMN3のドレインに定電流I3を流す。同様に、定電流源29は、PMOSトランジスタMP4のドレインとNMOSトランジスタMN4のドレインの間に接続されており、PMOSトランジスタMP4のドレインからNMOSトランジスタMN4のドレインに定電流I4を流す。
【0034】
出力段15は、ドレイン配線21〜24を流れる電流に応じて出力端18を駆動する。本実施形態では、出力段15が、PMOSトランジスタMP5と、NMOSトランジスタMN5と、位相補償回路25とを備えている。PMOSトランジスタMP5と、NMOSトランジスタMN5とは、出力端18を駆動する出力トランジスタとして動作する。PMOSトランジスタMP5は、ソースが高電位線19に接続され、ドレインが出力端18に接続され、ゲートが能動負荷回路14のPMOSトランジスタMP3のドレインに接続されている。NMOSトランジスタMN5は、ソースが低電位線20に接続され、ドレインが出力端18に接続され、ゲートが能動負荷回路14のNMOSトランジスタMN3のドレインに接続されている。位相補償回路25は、PMOSトランジスタMP5のゲート、NMOSトランジスタMN5のゲート、及び、出力端18に接続されており、差動増幅回路5の位相補償を行う。
【0035】
テイル電流源制御回路16は、入力デジタルデータD
INの下位nビットD
IN[n−1:0]に応じてテイル電流源回路12、13に供給される制御信号を生成し、テイル電流源回路12、13によって生成されるテイル電流Icp1、Icp2、Icn1、Icn2を制御する。テイル電流Icp1、Icp2、Icn1、Icn2が、入力デジタルデータD
INの下位nビットD
IN[n−1:0]に応じて制御されることが重要である。後に詳細に説明するように、本実施形態では、テイル電流Icp1、Icp2、Icn1、Icn2を入力デジタルデータD
INの下位nビットD
IN[n−1:0]に応じて制御することで、nビットの分解能のデジタル−アナログ変換の機能を実現している。
【0036】
図3は、テイル電流源回路12、13の構成の一例を示す回路図である。
図3の構成では、テイル電流源回路12が、差動入力段11
1のノードN11にテイル電流Icp1を供給する可変電流源26
1と、差動入力段11
2のノードN12にテイル電流Icp2を供給する可変電流源26
2とを備えている。可変電流源26
1は、高電位線19と差動入力段11
1のノードN11との間に並列に接続された複数の定電流源31
1と、該複数の定電流源31
1とそれぞれに直列に接続された複数のスイッチ32
1とを備えている。同様に、可変電流源26
2は、高電位線19と差動入力段11
2のノードN12との間に並列に接続された複数の定電流源31
2と、該複数の定電流源31
2とそれぞれに直列に接続された複数のスイッチ32
2とを備えている。スイッチ32
1、32
2のオンオフは、テイル電流源制御回路16から供給される制御信号によって制御される。このように構成された可変電流源26
1、26
2は、オンされるスイッチ32
1、32
2の数を調節することでテイル電流Icp1、Icp2の大きさを制御することができる。
【0037】
一実施形態では、定電流源31
1、31
2は、同一の電流レベルの定電流を生成するように構成されてもよい。この場合、可変電流源26
1が生成するテイル電流Icp1が取り得る電流レベルの段階数は、定電流源31
1の数と同一であり、可変電流源26
2が生成するテイル電流Icp2が取り得る電流レベルの段階数は、定電流源31
2の数と同一である。また、定電流源31
1、31
2が生成する定電流に重み付けがなされてもよい。このような構成によれば、テイル電流源回路12が出力するテイル電流Icp1、Icp2が取り得る電流レベルの段階数を増大させることができる。例えば、a個の定電流源31
1がある場合にそれぞれの定電流源32
1が生成する定電流の電流レベルを、I、2×I、・・・、2
a−1×Iに設定すれば(Iは、所定の定数)、可変電流源26
1が生成するテイル電流Icp1の電流レベルの段階数を2
αにすることができる。可変電流源26
1が生成するテイル電流Icp2についても同様である。
【0038】
同様に、テイル電流源回路13は、差動入力段11
1のノードN21からテイル電流Icn1を引き出す可変電流源27
1と、差動入力段11
2のノードN22からテイル電流Icn2を引き出す可変電流源27
2とを備えている。可変電流源27
1は、高電位線19と差動入力段11
2のノードN21との間に並列に接続された複数の定電流源33
1と、該複数の定電流源33
1とそれぞれに直列に接続された複数のスイッチ34
1とを備えている。同様に、可変電流源27
2は、高電位線19と差動入力段11
2のノードN22との間に並列に接続された複数の定電流源33
2と、該複数の定電流源33
2とそれぞれに直列に接続された複数のスイッチ34
2とを備えている。スイッチ34
1、34
2のオンオフは、テイル電流源制御回路16から供給される制御信号によって制御される。このように構成された可変電流源27
1、27
2は、オンされるスイッチ34
1、34
2の数を調節することでテイル電流Icn1、Icn2の大きさを制御することができる。
【0039】
一実施形態では、定電流源33
1、33
2は、同一の電流レベルの定電流を生成するように構成されてもよい。この場合、可変電流源27
1が生成するテイル電流Icn1が取り得る電流レベルの段階数は、定電流源33
1の数と同一であり、可変電流源27
2が生成するテイル電流Icn2が取り得る電流レベルの段階数は、定電流源33
2の数と同一である。また、定電流源33
1、33
2が生成する定電流に重み付けがなされてもよい。このような構成によれば、テイル電流源回路13が出力するテイル電流Icn1、Inp2が取り得る電流レベルの段階数を増大させることができる。例えば、a個の定電流源33
1がある場合にそれぞれの定電流源33
1が生成する定電流の電流レベルを、I、2×I、・・・、2
a−1×Iに設定すれば(Iは、所定の定数)、可変電流源27
1が生成するテイル電流Icn1の電流レベルの段階数を2
αにすることができる。可変電流源27
1が生成するテイル電流Icn2についても同様である。
【0040】
続いて、本実施形態の半導体回路10の動作を説明する。
本実施形態の半導体回路10は、全体としては、(m+n)ビットの入力デジタルデータD
INに対応する電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力するように構成されている。加えて、本実施形態の半導体回路10では、差動増幅回路5によってインピーダンス変換が行われるので、出力インピーダンスを低くすることができる。これは、本実施形態の半導体回路10が、大きな容量を持つ負荷を駆動可能であることを意味している。以下、本実施形態の半導体回路10の各回路の動作について説明する。
【0041】
DA変換器1は、入力デジタルデータD
INの上位mビットに基づいて参照電圧V
REF1〜V
REFqから参照電圧V
REFHを選択し、DA変換器2は、入力デジタルデータD
INの上位mビットに基づいて参照電圧V
REF1〜V
REFqから参照電圧V
REFLを選択する。参照電圧V
REFH、V
REFLは、参照電圧V
REFHが参照電圧V
REFLよりも高くなるように選択される。このような動作を行うDA変換器1、2は、本実施形態の半導体回路10に、mビットのデジタル−アナログ変換の機能を与えていることになる。DA変換器1、2によって選択された参照電圧V
REFH、V
REFLは、セレクタ3、4に供給される。
【0042】
セレクタ3は、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて参照電圧V
REFH、V
REFLの一方を選択し、選択した参照電圧を選択入力電圧V
IN1として差動増幅回路5の差動入力段11
1に供給する。一方、セレクタ4は、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて参照電圧V
REFH、V
REFLの一方を選択し、選択した参照電圧を選択入力電圧V
IN2として差動増幅回路5の差動入力段N11
2に供給する。セレクタ3、4によって選択される選択入力電圧V
IN1、V
IN2は、同一であってもよい。
【0043】
差動増幅回路5は、選択入力電圧V
IN1、V
IN2が同一である場合には、選択入力電圧V
IN1、V
IN2と同一の電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力し、選択入力電圧V
IN1、V
IN2が異なる場合には、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて、選択入力電圧V
IN1、V
IN2の間の電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力する。
【0044】
詳細には、
図2の回路図から理解されるように、選択入力電圧V
IN1、V
IN2が同一である場合には、差動増幅回路5は、一般的なボルテッジフォロアと同様の動作を行い、選択入力電圧V
IN1、V
IN2と同一の電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力する。
【0045】
一方、選択入力電圧V
IN1、V
IN2が異なる場合、差動増幅回路5は、テイル電流Icp1、Icp2、Icn1、Icn2の大きさに応じて選択入力電圧V
IN1、V
IN2の間の電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTを出力する。テイル電流Icp1がテイル電流Icp2よりも大きい場合には、選択入力電圧V
IN1により近い電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTが出力され、テイル電流Icp2がテイル電流Icp1よりも大きい場合には、選択入力電圧V
IN2により近い電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTが出力される。テイル電流Icn1、Icn2についても同様に、テイル電流Icn1がテイル電流Icn2よりも大きい場合には、選択入力電圧V
IN1により近い電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTが出力され、テイル電流Icn2がテイル電流Icp1よりも大きい場合には、選択入力電圧V
IN2により近い電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTが出力される。
【0046】
ここで、本実施形態では、テイル電流源制御回路16により、テイル電流Icp1、Icp2、Icn1、Icn2が入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて制御されるので、結果として、差動増幅回路5は、特定の選択入力電圧V
IN1、V
IN2に対して、下位nビットの2
n段階の電圧を出力可能である。このような動作により、本実施形態の半導体回路10は、(m+n)ビットのデジタル−アナログ変換を行うことができる。
【0047】
なお、選択入力電圧V
IN1、V
IN2のうちの一つは、参照電圧V
REFH又はV
REFLに固定されてもよい。2つの差動入力段11
1、11
2の一方に供給される選択入力電圧(V
IN1又はV
IN2)が固定されていても、他方に供給される選択入力電圧を適正に選択することにより、セレクタ3、4と差動増幅回路5によってnビットの分解能のアナログを実現可能である。選択入力電圧V
IN1、V
IN2のうちの一つが参照電圧V
REFH又はV
REFLに固定される場合には、それに対応するセレクタ(セレクタ3又は4)は設けられなくてもよく、このような構成は、回路規模の低減に有用である。ただし、セレクタ3、4の両方を設ける構成は、半導体回路10から出力されるアナログ出力電圧V
OUTの電圧レベルを柔軟に設定可能にするために好ましい。
【0048】
図4は、本実施形態の半導体回路10の動作、特に、セレクタ3、4及び差動増幅回路5の動作の一例を示す表である。
図4には、n=2である場合の動作が図示されている。ここで、「接続電流源数」の欄は、可変電流源26
1、26
2、27
1、27
2に含まれる定電流源31
1、31
2、33
1、33
2のうち、テイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の供給に用いられる定電流源の数を示している。詳細には、「接続電流源数」の欄のうちの「Icp1/Icn1」の列は、テイル電流Icp1、Icn1の生成にそれぞれ用いられる定電流源31
1、33
1の数を示しており、「Icp2/Icn2」の列は、テイル電流Icp2、Icn2の生成にそれぞれ用いられる定電流源31
2、33
2の数を示している。
【0049】
本実施形態では、定電流源31
1、31
2が生成する定電流の電流レベルが同一に調節され、定電流源33
1、33
2が生成する定電流の電流レベルが同一に調節される。加えて、テイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の生成に用いられる定電流源31
1、33
1、31
2、33
2の数を制御することで、テイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の大きさが制御される。
【0050】
セレクタ3、4は、DA変換器1、2から参照電圧V
REFH、V
REFLを受け取り、入力デジタルデータD
INの下位2ビットの値に応じて、選択入力電圧V
IN1、V
IN2を選択する。
【0051】
より具体的には、入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“00”である場合、セレクタ3、4は、選択入力電圧V
IN1、V
IN2の両方を参照電圧V
REFLに設定する。この場合、差動増幅回路5から出力されるアナログ出力電圧V
OUTは、参照電圧V
REFLと同一になる。このとき、テイル電流源制御回路16は、テイル電流Icp1、Icn1の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
1、33
1の数を2に設定し、テイル電流Icp2、Icn2の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
2、33
2の数を2に設定する。即ち、テイル電流源制御回路16は、スイッチ32
1のうちの2つをオンし、スイッチ32
2のうちの2つをオンすると共に、スイッチ34
1のうちの2つをオンし、スイッチ34
2のうちの2つをオンする。
【0052】
入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“01”、“10”、“11”である場合、セレクタ3、4は、選択入力電圧V
IN1を参照電圧V
REFHに設定し、選択入力電圧V
IN2を参照電圧V
REFLに設定する。一方で、テイル電流源制御回路16は、入力デジタルデータD
INの下位2ビットに応じて、テイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の電流レベルを制御する。本実施形態では、テイル電流源制御回路16は、スイッチ32
1、34
1、32
2、34
2のうちターンオンされるスイッチの数を制御することによってテイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の供給に用いられる定電流源の数を制御し、これにより、テイル電流Icp1、Icn1、Icp2、Icn2の電流レベルを制御する。
【0053】
詳細には、入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“01”である場合、テイル電流源制御回路16は、テイル電流Icp1、Icn1の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
1、33
1の数を1に設定し、テイル電流Icp2、Icn2の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
2、33
2の数を3に設定する。即ち、テイル電流源制御回路16は、スイッチ32
1のうちの1つをオンし、スイッチ32
2のうちの1つをオンすると共に、スイッチ34
1のうちの3つをオンし、スイッチ34
2のうちの3つをオンする。これにより、差動増幅回路5から出力されるアナログ出力電圧V
OUTは、(V
REFH+V
REFL×3)/4になる。
【0054】
また、入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“10”である場合、テイル電流源制御回路16は、テイル電流Icp1、Icn1の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
1、33
1の数を2に設定し、テイル電流Icp2、Icn2の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
2、33
2の数を2に設定する。即ち、テイル電流源制御回路16は、スイッチ32
1のうちの2つをオンし、スイッチ32
2のうちの2つをオンすると共に、スイッチ34
1のうちの2つをオンし、スイッチ34
2のうちの2つをオンする。これにより、差動増幅回路5から出力されるアナログ出力電圧V
OUTは、(V
REFH+V
REFL)/2になる。
【0055】
更に、入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“11”である場合、テイル電流源制御回路16は、テイル電流Icp1、Icn1の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
1、33
1の数を3に設定し、テイル電流Icp2、Icn2の供給にそれぞれに用いられる定電流源31
2、33
2の数を1に設定する。即ち、テイル電流源制御回路16は、スイッチ32
1のうちの3つをオンし、スイッチ32
2のうちの3つをオンすると共に、スイッチ34
1のうちの1つをオンし、スイッチ34
2のうちの1つをオンする。これにより、差動増幅回路5から出力されるアナログ出力電圧V
OUTは、(V
REFH×3+V
REFL)/4になる。
【0056】
このような動作により、
図4に図示された半導体回路10の動作では、入力デジタルデータD
INの上位mビットに応じて選択された参照電圧V
REFH、V
REFLから、下位2ビットの値に対応する電圧レベルを有するアナログ出力電圧V
OUTが生成される。したがって、半導体回路10は、全体としては、(m+2)ビットの分解能のデジタル−アナログ変換を行うことになる。
【0057】
なお、
図4に図示されている動作では、セレクタ4から差動入力段11
2に供給される選択入力電圧V
IN2が参照電圧V
REFLに固定されているので、
図4に図示されている動作を行う場合にはセレクタ4は不要である。この場合、DA変換器2から出力される参照電圧V
REFLが、直接、選択入力電圧V
IN2として差動増幅回路5に入力されてもよい。
【0058】
ここで、本実施形態の半導体回路10では、供給される参照電圧V
REF1〜V
REFqの数qが2
m+1であるにも関わらず、(m+n)ビットの分解能を実現していることに留意されたい。単に、供給された複数の参照電圧からアナログ出力電圧を選択する構成のDA変換器では、(m+n)ビットの分解能を実現するためには参照電圧の数を2
(m+n)にする必要がある。一方、本実施形態の半導体回路10の構成では、(m+n)ビットの分解能を有するにも関わらず、供給される参照電圧V
REF1〜V
REFqの数qを2
m+1にまで低減できる。これは、回路規模の低減に有効である。このように、本実施形態の半導体回路10は、デジタル−アナログ変換とインピーダンス変換とを行う際に、高い分解能と回路規模の低減を同時に実現することができる。
【0059】
以下では、本実施形態の半導体回路10の様々な変形例について説明する。
図5は、本実施形態の半導体回路10の一変形例における差動増幅回路5のテイル電流源回路12、13の構成を示す回路図である。
【0060】
図5の変形例では、テイル電流源回路12が、複数の定電流源35と、複数のスイッチ36と、複数のスイッチ37とを備えている。1つの定電流源35に対し、1つのスイッチ36とスイッチ37とが設けられている。複数の定電流源35は、高電位線19に並列に接続されており、それぞれが定電流を生成するように構成されている。各スイッチ36は、対応する定電流源35と差動入力段11
1のノードN11の間に接続されており、各スイッチ37は、対応する定電流源35と差動入力段11
2のノードN12の間に接続されている。スイッチ36、37は、テイル電流源制御回路16による制御の下、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて、定電流源35のそれぞれを、差動入力段11
1のノードN11と差動入力段11
2のノードN12とのいずれかに接続するように構成されたスイッチ回路を構成している。言い換えれば、各定電流源35に接続されたスイッチ36、37は、該定電流源35を、差動入力段11
1のノードN11と差動入力段11
2のノードN12との一方に電気的に接続する機能を有していることになる。
【0061】
テイル電流源回路13も、テイル電流源回路12と同様に構成されており、複数の定電流源38と、複数のスイッチ39と、複数のスイッチ40とを備えている。1つの定電流源38に対し、1つのスイッチ39とスイッチ40とが設けられている。複数の定電流源38は、低電位線20に並列に接続されており、それぞれが定電流を生成するように構成されている。各スイッチ39は、対応する定電流源38と差動入力段11
1のノードN21の間に接続されており、各スイッチ40は、対応する定電流源38と差動入力段11
2のノードN22の間に接続されている。スイッチ39、40は、テイル電流源制御回路16による制御の下、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて、定電流源38のそれぞれを、差動入力段11
1のノードN21と差動入力段11
2のノードN22とのいずれかに接続するように構成されたスイッチ回路を構成している。各定電流源38に接続されたスイッチ39、40は、該定電流源38を、差動入力段11
1のノードN21と差動入力段11
2のノードN22との一方に電気的に接続する機能を有していることになる。
【0062】
図5の構成では、テイル電流源回路12に含まれている各定電流源35を、必要に応じて、差動入力段11
1におけるテイル電流Icp1の生成と差動入力段11
2におけるテイル電流Icp2の生成のいずれにも使用可能である。このような構成によれば、各定電流源35を有効に利用でき、テイル電流源回路12の回路規模を小さくすることができる。
【0063】
図5のようなテイル電流源回路12の構成は、テイル電流Icp1、Icp2が可変に制御される一方で、テイル電流Icp1の生成に用いられる定電流源の数とテイル電流Icp2の生成に用いられる定電流源の数の和が一定であるような場合に特に有用である。例えば、定電流源35の数が4であり、定電流源35が生成する定電流の大きさが同一である構成について、
図4に示されているような動作を行う場合を考えよう。入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“00”である場合、テイル電流Icp1、Icp2の生成に用いられる定電流源の数は、それぞれ2であるので、2つの定電流源35が差動入力段11
1のノードN11に接続され、2つの定電流源35が差動入力段11
2のノードN12に接続される。同様に、入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“01”である場合、テイル電流Icp1、Icp2の生成に用いられる定電流源の数は、それぞれ1、3であるので、1つの定電流源35が差動入力段11
1のノードN11に接続され、3つの定電流源35が差動入力段11
2のノードN12に接続される。いずれの場合も、4つの定電流源35のすべてがテイル電流Icp1又はIcp2に使用されることに留意されたい。入力デジタルデータD
INの下位2ビットが“10”、“11”である場合も同様に、4つの定電流源35のすべてがテイル電流Icp1又はIcp2に使用される。このように、各定電流源35が、差動入力段11
1のノードN11と差動入力段11
2のノードN12のいずれにも選択的に接続可能な
図5の構成では、定電流源35を有効に利用することができる。
【0064】
テイル電流源回路13についても同様の議論が成立する。
図5の構成では、テイル電流源回路13に含まれている各定電流源38を、必要に応じて、差動入力段11
1におけるテイル電流Icn1の生成と差動入力段11
2におけるテイル電流Icn2の生成のいずれにも使用可能である。このような構成によれば、各定電流源38を有効に利用でき、テイル電流源回路13の回路規模を小さくすることができる。
図5に図示されたテイル電流源回路13の構成は、テイル電流Icn1、Icn2が可変に制御される一方で、テイル電流Icn1の生成に用いられる定電流源の数とテイル電流Icn2の生成に用いられる定電流源の数の和が一定であるような場合に特に有用である。
【0065】
図3の差動増幅回路5の構成では、差動入力段11
1、11
2がPMOS差動対とNMOS差動対の両方を有しているが、一変形例では、差動入力段11
1、11
2が、PMOS差動対のみを有していてもよい。このような構成では、差動入力段11
1、11
2に含まれる回路素子の数を低減することができる。
【0066】
図6は、差動入力段11
1、11
2がPMOS差動対のみを有する場合の差動増幅回路5の構成を示す回路図である。
図6に図示された差動増幅回路5の構成では、差動入力段11
1、11
2からNMOS差動対を構成するNMOSトランジスタMN11、MN21、MN12、MN22が除去されている。これに伴い、差動入力段11
1、11
2のNMOS差動対にテイル電流Icn1、Icn2を供給するテイル電流源回路13と、NMOSトランジスタMN11、MN21、MN12、MN22に接続されるドレイン配線23、24が除去される。
【0067】
また、他の変形例では、差動入力段11
1、11
2が、NMOS差動対のみを有していてもよい。このような構成でも、差動入力段11
1、11
2に含まれる回路素子の数を低減することができる。
【0068】
図7は、差動入力段11
1、11
2がNMOS差動対のみを有する場合の差動増幅回路5の構成を示す回路図である。
図7に図示された差動増幅回路5の構成では、差動入力段11
1、11
2からPMOS差動対を構成するPMOSトランジスタMP11、MP21、MP12、MP22が除去されている。これに伴い、差動入力段11
1、11
2のPMOS差動対にテイル電流Icp1、Icp2を供給するテイル電流源回路12と、PMOSトランジスタMP11、MP21、MP12、MP22に接続されるドレイン配線21、22が除去される。
【0069】
図3に図示されている構成では、差動増幅回路5が2つの差動入力段(11
1、11
2)を有しているが、3以上の差動入力段を有していてもよい。特に、差動入力段の数が2
b個である構成では(bは、2以上の整数)、選択入力電圧を各差動入力段に供給するセレクタの動作との組み合わせによって当該構成自体でbビットの分解能を提供できるので、分解能の増大に有用である。
【0070】
図8Aは、本実施形態の半導体回路10の他の変形例における構成を示す回路図であり、より具体的には、差動増幅回路5が4つの差動入力段を有する場合の半導体回路10の構成を示している。
図8Aに図示された半導体回路10の構成は、
図1に図示されている半導体回路10の構成と同様であるが、
図8Aに図示された半導体回路10の構成では、半導体回路10に、差動入力段と同じ数の、即ち、4つのセレクタ3
1〜3
4が設けられる。セレクタ3
1〜3
4のそれぞれには、DA変換器1、2から入力デジタルデータの上位mビットに応じて選択された参照電圧V
REFH、V
REFLが供給される。セレクタ3
1〜3
4のそれぞれは、参照電圧V
REFH、V
REFLのうちから、入力デジタルデータの下位nビットに応じて差動増幅回路5に入力すべき選択入力電圧V
IN1〜V
IN4をそれぞれ選択する。ここで、選択入力電圧V
IN1〜V
IN4は、それぞれ、セレクタ3
1〜3
4から差動増幅回路5に供給される選択入力電圧である。
【0071】
図8Bは、4つの差動入力段を有する差動増幅回路5の構成の一例を示す回路図である。
図8Bにおいて、当該4つの差動入力段は、符号11
1〜11
4によって示されている。
図8Bに図示されている差動増幅回路5の構成は、
図2に図示されている差動増幅回路5の構成と同様であり、差動入力段11
1〜11
4に加え、テイル電流源回路12、13と、能動負荷回路14と、出力段15と、テイル電流源制御回路16とを備えている。
【0072】
各差動入力段11
i(iは、1以上4以下の整数)は、PMOSトランジスタMP1i、MP2iと、NMOSトランジスタMN1i、MN2iとを備えている。
【0073】
PMOSトランジスタMP1i、MP2iは、ソースが共通に接続されており、PMOS差動対を構成している。PMOSトランジスタMP11、MP21のソースは、ノードN1iに共通に接続されている。また、PMOSトランジスタMP1iのドレインは、ドレイン配線21に接続されており、PMOSトランジスタMP2iのドレインは、ドレイン配線22に接続されている。
【0074】
NMOSトランジスタMN1i、MN2iは、ソースが共通に接続されており、NMOS差動対を構成している。NMOSトランジスタMN1i、MN2iのソースは、ノードN2iに共通に接続されている。また、NMOSトランジスタMN1iのドレインは、ドレイン配線23に接続されており、NMOSトランジスタMN2iのドレインは、ドレイン配線24に接続されている。
【0075】
各差動入力段11
iのPMOSトランジスタMP1iのゲートは、セレクタ3
iから選択入力電圧V
INiが入力される入力端17
iに接続されており、各差動入力段11
iのPMOSトランジスタMP2iのゲートはアナログ出力電圧V
OUTが出力される出力端18に接続されている。同様に、各差動入力段11
iのNMOSトランジスタMN1iのゲートは、入力端17
iに接続されており、各差動入力段11
iのNMOSトランジスタMN2iのゲートは出力端18に接続されている。
【0076】
テイル電流源回路12は、差動入力段と同数の、即ち、4つの可変電流源26
1〜26
4を備えている。各可変電流源26
iは、対応する差動入力段11
iのノードN1iにテイル電流Icpiを供給する。テイル電流Icp1〜Icp4の大きさは、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて制御される。
【0077】
同様に、テイル電流源回路13は、差動入力段と同数の、即ち、4つの可変電流源27
1〜27
4を備えている。各可変電流源27
iは、対応する差動入力段11
iのノードN2iからテイル電流Icniを引き出す。テイル電流Icn1〜Icn4の大きさは、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて制御される。
【0078】
図8A、
図8Bに図示された構成の半導体回路10では、差動増幅回路5が4つの差動入力段11
1〜11
4を有している構成とセレクタ3
1〜3
4の動作により、2ビットの分解能を提供できる。したがって、
図8A、
図8Bに図示された構成によれば、半導体回路10が提供するデジタル−アナログ変換の分解能を増大し、又は、各可変電流源26
i、27
iが供給するテイル電流の調節の段階数を低減することができる。ただし、
図8A、
図8Bの構成の半導体回路10のように、差動入力段の数が増大すると、差動入力段に供給すべきテイル電流の大きさが増大し、消費電流が増大する。したがって、消費電流の低減の観点では、
図1、
図2に図示されているように、差動入力段の数が2であることが好ましい。
【0079】
なお、差動増幅回路5が3以上の差動入力段を含んでいる場合でも、
図5に図示されている構成と同様に、テイル電流源回路12に含まれる定電流源35のそれぞれが、3以上の差動入力段のそれぞれにおけるテイル電流の生成に使用可能なようにテイル電流源回路12が構成されてもよい。同様に、テイル電流源回路13に含まれる定電流源38のそれぞれが、3以上の差動入力段のそれぞれにおけるテイル電流の生成に使用可能なようにテイル電流源回路12が構成されてもよい。
【0080】
図9は、差動増幅回路5が4つの差動入力段11
1〜11
4を含んでいる場合のテイル電流源回路12、13の構成の一例を示す回路図である。
図9の構成では、テイル電流源回路12が、複数の定電流源35と、複数のスイッチ36
1〜36
4とを備えている。
図9には、4つの定電流源35が図示されているが、実際には、テイル電流Icp1〜Icp4の調節に十分な数の定電流源35が設けられる。1つの定電流源35に対し、スイッチ36
1〜36
4が、それぞれ1つずつ設けられている。複数の定電流源35は、高電位線19に並列に接続されており、それぞれが定電流を生成するように構成されている。各スイッチ36
1は、対応する定電流源35と差動入力段11
1のノードN11の間に接続されており、各スイッチ36
2は、対応する定電流源35と差動入力段11
2のノードN12の間に接続されている。また、各スイッチ36
3は、対応する定電流源35と差動入力段11
3のノードN13の間に接続されており、各スイッチ36
4は、対応する定電流源35と差動入力段11
2のノードN14の間に接続されている。スイッチ36
1〜36
4は、テイル電流源制御回路16による制御の下、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて、定電流源35のそれぞれを、差動入力段11
1〜11
4のノードN11〜N14のいずれかに接続するように構成されたスイッチ回路を構成している。
【0081】
テイル電流源回路13も、テイル電流源回路12と同様に構成されており、複数の定電流源38と複数のスイッチ39
1〜39
4とを備えている。1つの定電流源38に対し、スイッチ39
1〜39
4が、それぞれ1つずつ設けられている。複数の定電流源38は、低電位線20に並列に接続されており、それぞれが定電流を生成するように構成されている。各スイッチ36
1は、対応する定電流源38と差動入力段11
1のノードN21の間に接続されており、各スイッチ36
2は、対応する定電流源38と差動入力段11
2のノードN22の間に接続されている。また、各スイッチ36
3は、対応する定電流源38と差動入力段11
3のノードN23の間に接続されており、各スイッチ36
4は、対応する定電流源38と差動入力段11
4のノードN24の間に接続されている。スイッチ39
1〜39
4は、テイル電流源制御回路16による制御の下、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて、定電流源38のそれぞれを、差動入力段11
1〜11
4のノードN21〜N24のいずれかに接続するように構成されたスイッチ回路を構成している。
【0082】
図9の構成では、テイル電流源回路12に含まれている各定電流源35が、必要に応じて、差動入力段11
1〜11
4におけるテイル電流Icp1〜Icp4のいずれの生成にも使用可能である。このような構成によれば、各定電流源35を有効に利用でき、テイル電流源回路12の回路規模を小さくすることができる。テイル電流源回路13についても同様に、テイル電流源回路13に含まれている各定電流源38が、必要に応じて、差動入力段11
1〜11
4におけるテイル電流Icn1〜Icn4のいずれの生成にも使用可能である。このような構成によれば、各定電流源38を有効に利用でき、テイル電流源回路13の回路規模を小さくすることができる。
【0083】
なお、
図9の回路構成においても、差動入力段11
1〜11
4に入力される選択入力電圧V
IN1〜V
IN4のうちの一つは、参照電圧V
REFH又はV
REFLに固定されてもよい。この場合、固定される当該一つの選択入力電圧を出力するセレクタは設けられなくてもよい。一般に、差動増幅回路5に含まれるN個の差動入力段(Nは、2以上の整数)のうちの一つに供給される選択入力電圧は、参照電圧V
REFH又はV
REFLに固定されてもよく、この場合、N−1個のセレクタが半導体回路10に設けられる。ただし、N個の差動入力段のそれぞれに選択入力電圧を供給するN個のセレクタを設ける構成(例えば、
図9に図示されているように、差動入力段11
1〜11
4に選択入力電圧V
IN1〜V
IN4を供給するセレクタ3
1〜3
4を設ける構成)は、半導体回路10から出力されるアナログ出力電圧V
OUTの電圧レベルを柔軟に設定可能にするために好ましい。
【0084】
また、差動増幅回路5が3以上の差動入力段を含んでいる場合でも、差動入力段のそれぞれは、PMOS差動対のNMOS差動対のいずれか一方のみを含んでいてもよい。例えば、差動入力段の全てがPMOS差動対のみを含んでいてもよいし、差動入力段の全てがNMOS差動対のみを含んでいてもよい。差動入力段がPMOS差動対のNMOS差動対のいずれか一方のみを含む構成によれば、各差動入力段に含まれる回路素子の数を低減できる。
【0085】
ただし、差動増幅回路5の電圧動作範囲を拡大するためには、複数の差動入力段のそれぞれがPMOS差動対のNMOS差動対のいずれか一方のみを含んでいる場合でも、少なくとも1つの差動入力段がPMOS差動対を含んでおり、少なくとも1つの差動入力段がNMOS差動対を含んでいることが好ましい。また、回路の対称性を保ち、電圧動作範囲を拡大する観点では、差動入力段の数が偶数であり、該差動入力段の半数がPMOS差動対のみを含み、残りの半数がNMOS差動対のみを含むことが好ましい。
【0086】
図10は、差動増幅回路5が4つの差動入力段11
1〜11
4を備えており、且つ、2つの差動入力段11
1、11
2がPMOS差動対のみを有しており、差動入力段11
3、11
4がNMOS差動対のみを有している場合の差動増幅回路5の構成の例を示す回路図である。
【0087】
差動入力段11
1は、PMOSトランジスタMP11、MP21を備えており、差動入力段11
2は、PMOSトランジスタMP12、MP22を備えている。差動入力段11
1のPMOSトランジスタMP11、MP21は、ソースがノードN11に共通に接続されており、同様に、差動入力段11
2のPMOSトランジスタMP12、MP22は、ソースがノードN12に共通に接続されている。差動入力段11
1のPMOSトランジスタMP11及び差動入力段11
2のPMOSトランジスタMP12のドレインは、ドレイン配線21に接続されており、差動入力段11
1のPMOSトランジスタMP21及び差動入力段11
2のPMOSトランジスタMP22のドレインは、ドレイン配線22に接続されている。
【0088】
差動入力段11
3は、NMOSトランジスタMN13、MN23を備えており、差動入力段11
4は、NMOSトランジスタMN14、MN24を備えている。差動入力段11
3のNMOSトランジスタMN13、MN23は、ソースがノードN13に共通に接続されており、同様に、差動入力段11
4のNMOSトランジスタMN14、MN24は、ソースがノードN14に共通に接続されている。差動入力段11
3のNMOSトランジスタMN13及び差動入力段11
4のNMOSトランジスタMN14のドレインは、ドレイン配線23に接続されており、差動入力段11
3のNMOSトランジスタMN23及び差動入力段11
4のNMOSトランジスタMN24のドレインは、ドレイン配線24に接続されている。
【0089】
差動入力段11
1のPMOSトランジスタMP11のゲートは、セレクタ3
1から選択入力電圧V
IN1が入力される入力端17
1に接続されており、差動入力段11
2のPMOSトランジスタMP12のゲートは、セレクタ3
2から選択入力電圧V
IN2が入力される入力端17
2に接続されている。また、差動入力段11
1のPMOSトランジスタMP21のゲート及び差動入力段11
2のPMOSトランジスタMP22のゲートは、アナログ出力電圧V
OUTが出力される出力端18に接続されている。
【0090】
同様に、差動入力段11
3のNMOSトランジスタMN13のゲートは、セレクタ3
3から選択入力電圧V
IN3が入力される入力端17
3に接続されており、差動入力段11
4のNMOSトランジスタMN14のゲートは、セレクタ3
4から選択入力電圧V
IN4が入力される入力端17
4に接続されている。また、差動入力段11
3のNMOSトランジスタMN23のゲート及び差動入力段11
4のNMOSトランジスタMN24のゲートは、出力端18に接続されている。
【0091】
テイル電流源回路12は、差動入力段11
1のノードN11にテイル電流Icp1を供給する可変電流源26
1と、差動入力段11
2のノードN12にテイル電流Icp2を供給する可変電流源26
2とを備えている。テイル電流Icp1、Icp2の大きさは、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて制御される。
【0092】
一方、テイル電流源回路13は、差動入力段11
3のノードN23にテイル電流Icn3を供給する可変電流源27
3と、差動入力段11
4のノードN24にテイル電流Icn4を供給する可変電流源27
4とを備えている。テイル電流Icn3、Icn4の大きさは、入力デジタルデータD
INの下位nビットに応じて制御される。
【0093】
図10に図示された差動増幅回路5の構成では、差動増幅回路5が4つの差動入力段11
1〜11
4を有している構成とセレクタ3
1〜3
4の動作により、2ビットの分解能を提供できる。したがって、
図10に図示された構成によれば、半導体回路10が提供するデジタル−アナログ変換の分解能を増大し、又は、各可変電流源26
i、27
iが供給するテイル電流の調節の段階数を低減することができる。加えて、
図10に図示された構成では、各差動入力段に含まれる回路素子の数を低減でき、これは、回路規模の縮小に有効である。
【0094】
続いて、上述された本実施形態の半導体回路10の好適な応用例について説明する。本実施形態の半導体回路10は、デジタル−アナログ変換とインピーダンス変換とを行う機能を有しており、パネル表示装置において、表示パネル(例えば、液晶表示パネルやOLED(organic light emitting diode)表示パネル)のソース線を駆動する表示ドライバに好適に適用される。
【0095】
図11は、一実施形態におけるパネル表示装置(
図11においては、符号50で参照されている)の構成を概略的に示すブロック図である。パネル表示装置50は、表示パネル51と、表示ドライバ52とを備えている。表示パネル51は、ゲート線とソース線と行列に配置された画素を備えている(ただし、ゲート線、ソース線、及び、画素は
図11には図示されない)。各画素は、異なる色(一般には、赤色、緑色、青色)を表示する3つの副画素を備えており、各副画素は、画素回路を備えている。表示パネル51がOLED表示パネルである場合、各副画素は、一例としては、選択トランジスタと、駆動トランジスタと、保持容量と、OLED素子を備えている。また、表示パネル51が液晶表示パネルである場合には、各副画素は、一例としては、選択トランジスタと、保持容量と、画素電極とを備えている。各画素が表示する色は、当該3つの副画素それぞれの輝度で決定される。
【0096】
表示ドライバ52は、ホスト53から受け取った画像データ及び制御データに応じて表示パネル51のソース線を駆動する。
【0097】
図12は、表示ドライバ52の構成を概略的に示すブロック図である。表示ドライバ52は、インターフェース61と、表示メモリ62と、画像IPコア63と、駆動部64と、制御ロジック回路65とを備えている。
【0098】
インターフェース61は、ホスト53と通信して表示ドライバ52の動作に必要な様々なデータを交換する。具体的には、インターフェース61は、ホスト53から画像データを受け取り、受け取った画像データを表示メモリ62に転送する。また、インターフェース61は、ホスト53から制御データを受け取り、受け取った制御データの内容に応じて制御コマンドや制御パラメータを制御ロジック回路65に供給する。
【0099】
表示メモリ62は、インターフェース61から受け取った画像データを一時的に保存し、画像IPコア63に転送する。画像IPコア63は、表示メモリ62から送られた画像データに対して所望の画像処理を行い、該画像処理によって得られた画像データを駆動部64に出力する。
【0100】
駆動部64は、データバス66を介して画像IPコア63に接続されており、画像IPコア63から受け取った画像データに応答してソース出力S1〜Sx(xは、2以上の整数)に接続された表示パネル51のソース線を駆動する。駆動部64の構成については、後に詳細に説明する。
【0101】
制御ロジック回路65は、インターフェース61から受け取った制御コマンドや制御パラメータに応じて表示ドライバ52の各回路の制御を行う。制御ロジック回路65は、表示ドライバ52の各回路のタイミング制御に用いられるタイミング制御信号(例えば、垂直同期信号や水平同期信号)を生成するタイミングコントローラとしても動作する。
【0102】
図13は、駆動部64の構成の一例を示す回路図である。駆動部64は、上述された構成のx個の半導体回路10(ここで、xは、2以上の整数)と、参照電圧バス6と、データラッチ67
1〜67
xとを備えている。ここで、
図13では、x個の半導体回路10を互いに区別するために添字が付されている。
図13の構成の駆動部64では、半導体回路10
1〜10
xは、ソース出力S1〜Sxにソース電圧を出力するために用いられる。ソース出力S1〜Sxに出力されたソース電圧は、ソース出力S1〜Sxに接続された表示パネル51のソース線に供給され、これにより、該ソース線が駆動される。
【0103】
データラッチ67
1〜67
xには、対応するソース出力の画像データD1〜Dmが、画像IP63からデータバス66を介して供給される。ここで、画像データD1〜Dmは、(m+n)ビットデータである。データラッチ67
1〜67
xは、それぞれ画像データD1〜Dmを、半導体回路10
1〜10
xに供給する。
【0104】
半導体回路10
1〜10
xは、それぞれ、データラッチ67
1〜67
xから受け取った画像データD1〜Dmに対してデジタル−アナログ変換を行い、アナログ出力電圧V
OUT1〜V
OUTmを差動増幅回路5の出力から出力する。このデジタル−アナログ変換には、参照電圧バス6から半導体回路10
1〜10
xに供給される参照電圧V
REF1〜V
REFq(q=2
m+1)が用いられる。半導体回路10
1〜10
xから出力されるアナログ出力電圧V
OUT1〜V
OUTmがソース出力S1〜Sxに供給され、ソース線を駆動するソース電圧として用いられる。
【0105】
なお、
図13には図示されていないが、半導体回路10
1〜10
xとソース出力S1〜Sxの間には、半導体回路10
1〜10
xとソース出力S1〜Sxとの間の接続関係を切り換えるスイッチ回路や、プリチャージ回路などが設けられ得ることに留意されたい。
【0106】
図13に図示されている構成では、駆動部64に供給される参照電圧V
REF1〜V
REFqが、ガンマ回路(参照電圧生成回路)70によって生成される。一例としては、ガンマ回路70は、抵抗ラダー71と、トーナメント回路72と、プリアンプ73
1〜73
pと、抵抗ラダー74とを備えている。
【0107】
抵抗ラダー71は、高電位線79と低電位線80との間に接続されており、電圧分割によって各位置に電圧V
1〜V
rを生成するために用いられる。本実施形態では、高電位線79にはアナログ電源電圧VSPが供給され、低電位線80は、回路接地に接続される。
【0108】
トーナメント回路72は、抵抗ラダー71から電圧V
1〜V
rを受け取り、電圧V
1〜V
rのうちから選択した電圧をプリアンプ73
1〜73
pのそれぞれに供給する。プリアンプ73
1〜73
pのそれぞれに供給される電圧は、それぞれ、参照電圧制御データD
REF_CTRL1〜D
REF_CTRLpに応じて制御される。ここで、参照電圧制御データD
REF_CTRL1〜D
REF_CTRLpは、それぞれ、参照電圧V
REF1〜V
REFqの電圧レベルの制御に用いられる(s+t)ビットのデジタルデータである。参照電圧制御データD
REF_CTRL1〜D
REF_CTRLpは、それぞれ、プリアンプ73
1〜73
pに対応づけられており、トーナメント回路72からプリアンプ73
1〜73
pに供給される電圧は、参照電圧制御データD
REF_CTRL1〜D
REF_CTRLpに応じて選択される。
【0109】
プリアンプ73
1〜73
pは、それぞれ、トーナメント回路72から受け取った電圧から基準電圧V
STD1〜V
STDpを生成し、抵抗ラダー74に供給する。ここで、基準電圧V
STD1〜V
STDpは、下記の条件(1)を満たすように生成される。
V
STD1<V
STD2<・・・<V
STD(p−1)<V
STDp ・・・(1)
【0110】
抵抗ラダー74は、プリアンプ73
1〜73
pから基準電圧V
STD1〜V
STDpを受け取り、電圧分割によって参照電圧V
REF1〜V
REFqを生成する。詳細には、抵抗ラダー74の一端に基準電圧V
STD1が供給され、他端に基準電圧V
STDpが供給される。基準電圧V
STD2〜V
STD(p−1)は、抵抗ラダー74の中間の各位置に供給される。参照電圧V
REF1〜V
REFqは、抵抗ラダー74の各位置に生成され、生成された参照電圧V
REF1〜V
REFqは、参照電圧バス6を介して、半導体回路10
1〜10
xのそれぞれのDA変換器1、2に供給される。
図13の構成の本実施形態の表示ドライバ52では、基準電圧V
STD1〜V
STDpの電圧レベルを適切に調節することによって参照電圧V
REF1〜V
REFqの電圧レベルを調節し、これにより、表示ドライバ52のガンマ特性を調節することができる。
【0111】
本実施形態の半導体回路10は、ガンマ回路70のトーナメント回路72及びプリアンプ73
1〜73
pとしても使用され得る。
図14は、この場合における、トーナメント回路72の構成を示す回路図である。
図14には、トーナメント回路72のうち、1つのプリアンプ73
iに対応する回路部分の構成が図示されている。
【0112】
トーナメント回路72は、DA変換器75、76と、セレクタ77、78とを備えている。プリアンプ73
iは、セレクタ77、78の出力に接続され、
図2等に図示されている差動増幅回路5と同様に構成される。ここで、
図14に図示されている構成は、
図1に図示された半導体回路10の構成と同一であることに留意されたい。DA変換器75、76、セレクタ77、78及びプリアンプ73
iは、それぞれ、
図1に図示されたDA変換器1、2、セレクタ3、4及び差動増幅回路5に対応する動作を行う。
【0113】
詳細には、DA変換器75、76は、それぞれ、抵抗ラダー71から受け取った電圧V
1〜V
rのうちのいずれかを参照電圧制御データD
REF_CTRLiの上位sビットの値に応じて選択し、選択した電圧を出力するように構成されている。ここで、DA変換器75、76に供給される電圧V
1〜V
rの数rは、2
s+1である。以下では、DA変換器75によって選択されて出力される電圧を、選択電圧V
STDHと記載し、DA変換器76によって選択されて出力される電圧を、選択電圧V
STDLと記載する。ここで、DA変換器75、76が選択する選択電圧V
STDH、V
STDLは互いに異なっており、選択電圧V
STDHは、選択電圧V
STDLよりも高い。
【0114】
セレクタ77、78は、参照電圧制御データD
REF_CTRLiの下位tビットの値に応じて選択電圧V
STDH、V
STDLのいずれかを選択し、選択した電圧を出力する。セレクタ3によって選択されて出力される電圧は、プリアンプ73
iに供給される選択入力電圧V
IN1として用いられ、セレクタ4によって選択されて出力される電圧は、プリアンプ73
iに供給される選択入力電圧V
IN2として用いられる。
【0115】
プリアンプ73
iは、セレクタ77、78から選択入力電圧V
IN1、V
IN2を受け取り、受け取った選択入力電圧V
IN1、V
IN2から基準電圧V
STDiを生成するように構成されている。ここで、プリアンプ73
iは、上述の差動増幅回路5と同様に構成されており、基準電圧V
STDiの電圧レベルは、参照電圧制御データD
REF_CTRLiの下位tビットの値に応じて調節される。
【0116】
図14に図示された構成のトーナメント回路72とプリアンプ73
iの構成は、(s+t)ビットの分解能のデジタル−アナログ変換を行う機能を有するにも関わらず、供給される電圧V
1〜V
rの数rを2
sにまで低減できる。
【0117】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。