(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-175538(P2017-175538A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】携帯通信端末機用収納具
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20170901BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20170901BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20170901BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H04M1/00 L
H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-61966(P2016-61966)
(22)【出願日】2016年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】500399770
【氏名又は名称】株式会社東栄
(74)【代理人】
【識別番号】100079371
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 庸男
(72)【発明者】
【氏名】小林 一
【テーマコード(参考)】
5K023
5K127
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023BB04
5K023HH08
5K023LL00
5K023MM03
5K023MM25
5K023PP04
5K023PP12
5K127AA17
5K127BA03
5K127BB18
5K127CB06
5K127GA14
5K127GB21
5K127MA14
(57)【要約】
【課題】
安価で携帯通信端末機の通信呼出を外部から認知することのできる携帯通信端末機用収納具を提供する。
【解決手段】
携帯通信端末機Sの表示部Scを被覆保護するカバー部2を備え、カバー部2に携帯通信端末機Sの通信呼出を検知して発光する発光体7が取付けられている。カバー部2の携帯通信端末機Sの表示部Scに対面する面に携帯通信端末機Sの表示部Scの通信呼出の発光を検知する光センサ5が取付けられ、発光体7と光センサ5との間に光センサ5が発光を検出した際に発光体7に発光を指示するコントローラが接続されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末機の表示部を被覆保護するカバー部を備え、カバー部に携帯通信端末機の通信呼出を検知して発光する発光体が取付けられた携帯通信端末機用収納具において、カバー部の携帯通信端末機の表示部に対面する面に携帯通信端末機の表示部の通信呼出の発光を検知する光センサが取付けられ、発光体と光センサとの間に光センサが発光を検出した際に発光体に発光を指示するコントローラが接続されていることを特徴とする携帯通信端末機用収納具。
【請求項2】
請求項1の携帯通信端末機用収納具において、カバー部の携帯通信端末機の表示部に対面する面に携帯通信端末機の表示部の発光以外の光が光センサの受光面へ入射するのを規制する遮光部材が取付けられていることを特徴とする携帯通信端末機用収納具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話,スマートフォン,タブレット等の携帯通信端末機を収納携帯するための携帯通信端末機用収納具に係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯通信端末機がタッチパネル式の大型の表示部を備えるようになってきている。このため、携帯通信端末機を取り落とす危険が増しており、携帯通信端末機を被覆保護して収納携帯することのできる携帯通信端末機用収納具が必要とされている。そして、このような携帯通信端末機用収納具には、通信呼出により発光する携帯通信端末機の表示部の発光が、被覆保護された状態のままで前記収納具の外部から認知することができる機能を備えることが要求される。
【0003】
従来、携帯通信端末機用収納具としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0004】
特許文献1には、携帯通信端末機の表示部を被覆保護するカバー部を備え、カバー部に携帯通信端末機の通信呼出の受信電波を検知して発光する発光体が取付けられた携帯通信端末機用収納具が記載されている。
【0005】
特許文献1に係る携帯通信端末機用収納具は、発光体の発光によって、携帯通信端末機の表示部がカバー部で被覆保護された状態でも通信呼出されていることを前記収納具の外部から認知することができるようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3198867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係る携帯通信端末機用収納具では、他の電波の干渉等によって誤作動しないように制御系を精細に構成しなければならないため、製造コストが高くなってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、安価で携帯通信端末機の通信呼出を外部から認知することのできる携帯通信端末機用収納具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係る携帯通信端末機用収納具は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、携帯通信端末機の表示部を被覆保護するカバー部を備え、カバー部に携帯通信端末機の通信呼出を検知して発光する発光体が取付けられた携帯通信端末機用収納具において、カバー部の携帯通信端末機の表示部に対面する面に携帯通信端末機の表示部の通信呼出の発光を検知する光センサが取付けられ、発光体と光センサとの間に光センサが発光を検出した際に発光体に発光を指示するコントローラが接続されていることを特徴とする。
【0011】
この手段では、携帯通信端末機の表示部の通信呼出の発光を光センサで検知してコントローラで発光体を発光させるという簡素な制御系を構成することで、製造コストが高くなるのを回避している。
【0012】
また、請求項2では、請求項1の携帯通信端末機用収納具において、カバー部の携帯通信端末機の表示部に対面する面に携帯通信機の表示部の発光以外の光が光センサの受光面へ入射するのを規制する遮光部材が取付けられていることを特徴とする。
【0013】
この手段によると、遮光部材で携帯通信端末機の表示部の発光以外の光が光センサの受光面へ入射するのを規制することで、光センサの受光面への周囲からの無用の光の漏込みを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る携帯通信端末機用収納具は、携帯通信端末機の表示部の通信呼出の発光を光センサで検知してコントローラで発光体を発光させるという簡素な制御系を構成することで、製造コストが高くなるのを回避しているため、安価で携帯通信端末機の通信呼出を外部から認知することができる効果がある。
【0015】
さらに、請求項2として、遮光部材で携帯通信端末機の表示部の発光以外の光が光センサの受光面へ入射するのを規制することで、光センサ受光面への周囲からの無用の光の漏込みを防止することができるため携帯通信端末機の通信呼出を携帯通信端末機収納具の外部から正確に認知することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る携帯通信端末機用収納具を実施するための形態の第1例の斜視図である。
【
図2】
図1の携帯通信端末機の収納途中状態図である。
【
図4】
図1の携帯通信端末機用収納具の分解図である。
【
図6】
図3の要部の拡大断面図であり、(A)に携帯通信端末機の収納前のカバー部の状態が示され、(B)に携帯通信端末機の収納後の状態が示されている。
【
図8】本発明に係る携帯通信端末機用収納具を実施するための形態の第2例の斜視図である。
【
図9】
図8のメッシュ部分を下向きにした部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る携帯通信端末機用収納具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜
図7は、本発明に係る携帯通信端末機用収納具を実施するための形態の第1例を示すものである。
【0019】
第1例では、スマートフォンからなる携帯通信端末機Sの収納携帯に好適なものを示してある。
【0020】
第1例は、
図1〜
図4に示すように、本体部1,カバー部2,付属部3,吸着部材4,光センサ5,遮光部材6,発光体7,コントローラ8の各部で構成されている。
【0021】
本体部1は、薄板形の携帯通信端末機Sの裏面Saの全面を覆う面積を有するシート状材料,板状材料,積層材料等からなる。本体部1の携帯通信端末機Sに対面する面である内側面には、カード類を差込み収納することのできるポケット11,窓付ポケット12が設けられている。
【0022】
カバー部2は、薄板形の携帯通信端末機Sの表面Sbの全面を覆う面積を有するシート状材料,板状材料,積層材料等からなる。このカバー材2は、本体部1と一体的に形成され2つ折りに折畳まれる見開き式に形成されている。
【0023】
付属部3は、見開き式の本体部1,カバー部2の中綴のような格好のシート材からなるもので、一側部が本体部1,カバー部2の間に沿って縫着,接着等の手段で固定され(
図4参照)他側部が自由状態になっている。この付属部3は、縦方向の長さが携帯通信端末機Sの縦長よりも短い形状に形成され、カメラ機能を備えた携帯通信端末機Sの裏面Saに設けられている撮影レンズを遮らず開放するようになっている。
【0024】
吸着部材4は、付属部3のカバー部2に対面する面である表面に積層された平板状の基盤41と、基盤41に格子状に並列された小型の丸皿形の吸盤42とからなる。基盤41,吸盤42は、ゴム材,合成樹脂材によって一体的に成形されている。
【0025】
光センサ5は、携帯通信端末機Sの液晶画面等からなる表示部Scの通信呼出の発光を検知するもので、センサ本体51が積層構造のカバー部2の内部に埋込まれ受光面52がカバー部2の携帯通信端末機Sに対面する面である内側面に露出されている。なお、受光面52は、携帯通信端末機Sの表示部Scに対面するように位置設定されている。
【0026】
遮光部材6は、弾性を有する材料で光センサ5の受光面52に通信呼出の発光が入射する孔が形成されたもので、穴が受光面52を囲む位置に貼着等の手段で取付けられている。この遮光部材6は、
図6に詳細に示されるように、光センサ5の受光面52よりも携帯通信端末機Sの表示部Sc側へ突き出るように形成されており、その外形は環状、箱枠状その他デザイン化した形状を選ぶことができる。
【0027】
発光体7は、
図5に示すように、LED等の発光素子からなるもので、発光を外部から認知することができるようにカバー部2の外側面にスポット的に複数個が取付けられている。
【0028】
コントローラ8は、光センサ5,発光体7に接続した制御回路81とバッテリ82とスイッチ83とからなるもので、積層構造のカバー部2の内部に埋込まれるようにして設けられている。制御回路81には、
図7に示すように、光センサ5が携帯通信端末機Sの表示部Scの通信呼出の発光を検知した際に発光体7に点灯(発光)を指示し、その後一定時間の経過した際に発光体7に消灯を指示し、さらにその後光センサ5が遮光された際に発光体7への消灯の指示を解除する設定がなされている。この設定は、バッテリ82の無用の消耗を避けるのに有効である。
【0029】
第1例によると、吸着部材4に携帯通信端末機Sの裏面Saを押付けることにより、吸着部材4の吸盤42を押圧して弾性変形させ携帯通信端末機Sの裏面Saを吸着させることができる。この結果、
図2に示すように、携帯通信端末機Sが吸着部材4,付属部3を介して本体部1に装着されることになる。
【0030】
そして、
図3に示すように、カバー部2を本体部1(携帯通信端末機S)側へ折畳むことによって、洋服のポケット等に携帯されても、カバー部2で携帯通信端末機Sの表示部Scを含む全体を覆って保護することができるようになる。
【0031】
なお、カバー部2を見開くように展開してから携帯通信端末機Sの裏面Saを吸着部材4から剥がすことで、携帯通信端末機Sを簡単に離脱させることができる。
【0032】
図3に示す状態で携帯通信端末機Sに通信呼出があった場合、携帯通信端末機Sの表示部Scの発光を光センサ5が検知することになる。このとき、コントローラ8は、発光体7に点灯を指示する。この結果、発光体7の発光によって、携帯通信端末機Sに通信呼出があることを収納具の外部から認知することができる。
【0033】
そして、携帯通信端末機Sに通信呼出があったことを収納具の外部から認知させる制御系の構成が簡素で、製造コストが高くなるのを回避しているため、携帯通信端末機収納具を安価で提供することができる。
【0034】
なお、
図3に示す状態では、
図6(B)に示すように、携帯通信端末機Sの表示部Scによって圧縮された遮光部材6が光センサ5の受光面52の周囲を密に囲んでいる。従って、光センサ5の受光面52に他の光が漏込むことがないことから、誤作動することなく正確に携帯通信端末機Sに通信呼出があったことを収納具の外部から認知させることができる。
【0035】
図8,
図9は、本発明に係る携帯通信端末機用収納具を実施するための形態の第2例を示すものである。
【0036】
第2例は、遮光部材6を光センサ5の受光面52を覆うシート状材としている。
【0037】
第2例によると、第1例よりも遮光性能が低下するものの、光センサ5の受光面52への他の光の漏込みを抑制することで、誤作動を防止することができる。なお、光センサ5の感度を第1例のものよりも低いものを選択するとすることで、誤作動を確実に防止することができる。シート状材としては、ある程度厚みのあるメッシュ材や遮光粒子が含まれた合成樹脂フィルム、布や遮光色を有した合成樹脂フィルム等が有効と言える
【0038】
また、第2例によると、全体を薄性化するのに有効性を発揮する。
【0039】
以上、図示した各例の外に、携帯通信端末機Sを吸着部材4以外の係合,嵌合等の手段で本体部1,カバー部2にセットできるようにすることも可能である。また、本体部1,付属部を備えずにカバー部2に携帯通信端末機Sをセットするようにすることも可能である。
【0040】
さらに、発光体7を面状にすることも可能であり、発光色を変化させたり点滅させたりする点灯形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る携帯通信端末機用収納具は、大型のタブレットからなる携帯通信端末機の収納に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 本体部
2 カバー部
5 光センサ
52 受光面
6 遮光部材
7 発光体
8 コントローラ
S 携帯通信端末機
Sc 表示部