【解決手段】太陽光パネル用架台は、上部構造体1と、上部構造体1を支持する下部構造体2と、を備える。上部構造体1は、太陽光パネル3を支持するフレーム構造体4を有し、下部構造体2は、支柱7と、支柱7から横方向に延在する第一支持部材8と、支柱7から第一支持部材8の先端部に向かって斜め上方に延在する第二支持部材9と、を有する。上部構造体1と第一支持部材8とは、第一固定部材30を介して固定され、第一支持部材8の基部および第二支持部材9の基部は、支柱7とそれぞれ第二固定部材32を介して固定され、第一支持部材8の先端部と第二支持部材9の先端部とが、固定されている。
前記第一支持部材と前記第二支持部材との対が前記支柱に複数対配置され、前記支柱の周方向に隣り合う対の間の角度が等角度であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネル用架台。
前記ブラケット部材の載置面は、水平面に対して傾斜しており、前記載置面の傾斜角度は、前記第一フレーム部材の傾斜角度と同等の角度であることを特徴とする請求項5に記載の太陽光パネル用架台。
前記第一固定部材は、前記第一支持部材に固定される第一固定部と、前記第一固定部から上方に延在し、前記第二フレーム部材に固定される第二固定部と、を有してL字形状に形成されており、
前記第二固定部に、凹部または凸部が形成されており、
前記第二フレーム部材には、前記第二固定部の凹部または凸部と係合する凸部または凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の太陽光パネル用架台。
前記フレーム構造体を構成するフレーム部材、前記第一支持部材、前記第二支持部材、前記第一固定部材および前記第二固定部材は、アルミニウム合金製の押出形材からなることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽光パネル用架台。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面とともに詳述する。なお、図面において、矢印Wは太陽光パネル用架台の幅方向(横方向)を示し、矢印Dは太陽光パネル用架台の奥行き方向(縦方向)を示し、矢印Hは太陽光パネル用架台の高さ方向を示す。
【0010】
図1から
図4に示すように、本発明の実施形態に係る太陽光パネル用架台は、上部構造体1と、上部構造体1を支持する下部構造体2と、を備える。
【0011】
上部構造体1は、太陽光パネル3を支持するフレーム構造体4を有する。このフレーム構造体4は、太陽光パネル3を支持する第一フレーム部材(垂木)5と、第一フレーム部材5を支持し、かつ、第一フレーム部材5と交差する方向に延在する第二フレーム部材(垂木受け)6と、から主に構成される。本実施形態では、第一フレーム部材5と第二フレーム部材6とは、直交して配置されている。また、第一フレーム部材5は、太陽光パネル用架台の奥行き方向Dの一方側(前面側)と他方側(後面側)とで高さが異なるように設定されている。具体的には、第一フレーム部材5は、太陽光パネル用架台の後面側が前面側よりも高くなるように設置されている(
図3参照)。
【0012】
第一フレーム部材5は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第一フレーム部材5は、断面略台形の筒状の中空材から構成されており、上面、下面および両側面を有する。
【0013】
図5に示すように、第一フレーム部材5の両側面の下端には、幅方向外側へ延出する係止プレート片10がそれぞれ第一フレーム部材5の長手方向に沿って形成されている。各係止プレート片10は、第一フレーム部材5の側面の下端に全長に亘って形成されている。そして、係止プレート片10の先端部に、上方に突出する凸部(立上部)11が第一フレーム部材5の長手方向に沿って形成されている。この凸部11は、係止プレート片10の先端部に第一フレーム部材5の全長に亘って形成されている。
【0014】
第二フレーム部材6は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第二フレーム部材6は、断面略矩形の筒状の中空材から構成されており、上面、下面および両側面を有する。
【0015】
図5および
図6に示すように、第二フレーム部材6の両側面のうち、一方の側面の上部には、第二フレーム部材6にブラケット部材16を固定するためにビス12が螺合される。一方、第二フレーム部材6の両側面の下部には、第二フレーム部材6と第一固定部材30とを固定するために用いられるボルト45の頭部を収容する収容部13が第二フレーム部材6の長手方向に沿ってそれぞれ形成されている。この収容部13は、第二フレーム部材6の側面の下部に全長に亘って形成されている。ボルト45は六角ボルトであり、収容部13の幅は、ボルト45の二面幅よりも広く、ボルト45の対角距離よりも狭くなっている。このように構成することにより、収容部13は、ボルト45の回転を規制する回転止めとして機能する。さらに、収容部13の開口端には、収容部13の両側部から互いに対向するようにそれぞれ突出する突出部14が一対に形成されている。これらの一対の突出部14,14同士の間隔は、ボルト45の軸部の外径よりも広く、ボルト45の頭部の外径よりも狭くなっている。このように構成することにより、一対の突出部14,14は、収容部13からのボルト45の脱落を防止する脱落止めとして機能する。さらに、第二フレーム部材6の両側面の下部には、凹部15が第二フレーム部材6の長手方向に沿ってそれぞれ形成されている。この凹部15は、第二フレーム部材6の側面の下部に全長に亘って形成されている。
【0016】
図5に示すように、本実施形態に係る太陽光パネル用架台は、第二フレーム部材6の上部に固定されるブラケット部材16と、ブラケット部材16の上方に配置される挟持部材17と、をさらに備える。
【0017】
ブラケット部材16は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。このブラケット部材16は、ブラケット部材16の最上部を構成する基板部18と、基板部18の両側部から下方に延在する係合部19と、係合部19の下部に設けられる固定部20と、を有しており、下方が開口した略逆U字形状に形成されている。
【0018】
ブラケット部材16の基板部18は、平面視で矩形状に形成されている。基板部18の上面に、第一フレーム部材5の下面に当接する載置面21が形成されており、この載置面21は、水平面に対して傾斜している。この載置面21の傾斜角度は、第一フレーム部材5の傾斜角度と同等の角度である。
【0019】
基板部18には、ブラケット部材16の長手方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔22が形成されている。ボルト挿通孔22には、ブラケット部材16と第一フレーム部材5とを固定するためのボルト28の軸部が挿通される。また、基板部18には、下方に向かって突出し、かつ、ボルト28の頭部を挟んで対向する一対の回転防止用突条23,23が形成されている。
【0020】
ブラケット部材16の係合部19は、基板部18の幅方向両側部にそれぞれ設けられている。係合部19は、第二フレーム部材6の両側面の上端部に設けられた係止片24を囲うことができる形状に形成されている。ブラケット部材16の係合部19を第二フレーム部材6の係止片24に係合させることにより、ブラケット部材16は、第二フレーム部材6に対して、第二フレーム部材6の長手方向を除く上下左右方向への移動が規制される。
【0021】
ブラケット部材16の固定部20は、係合部19の下端部から下方に延在している。固定部20の内側面が第二フレーム部材6の側面に当接する。固定部20には、ビス用孔25が形成されており、このビス用孔25から第二フレーム部材6の側面にビス12を螺合させることにより、第二フレーム部材6の上部にブラケット部材16が固定される。
【0022】
挟持部材17は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。挟持部材17は、第一フレーム部材5の幅方向両側のそれぞれに配置され、各挟持部材17の側縁部が、各係止プレート片10の先端部を押さえる。
【0023】
挟持部材17の下面には、係止プレート片10の先端部に設けられた凸部11が入り込む凹溝26が形成されている。また、挟持部材17には、ボルト挿通孔27が形成されている。ボルト挿通孔27には、ブラケット部材16と第一フレーム部材5とを固定するためのボルト28の軸部が挿通される。
【0024】
第一フレーム部材5と第二フレーム部材6との固定は、ブラケット部材16と、挟持部材17と、ボルト28およびナット29とを介して行う。具体的には、まず、ブラケット部材16のボルト挿通孔22にボルト28の軸部を下方から挿入し、このボルト28の軸部をブラケット部材16の上面から突出させる。さらに、ボルト28の軸部を挟持部材17のボルト挿通孔27に挿通して、このボルト28の先端を挟持部材17の上面から突出させる。また、ブラケット部材16の載置面21に載置された第一フレーム部材5の係止プレート片10の先端部に位置する凸部11が、挟持部材17の凹溝26と係合するように第一フレーム部材5を配置する。そして、挟持部材17の上面から突出したボルト28の軸部にナット29を締め付けると、第一フレーム部材5と第二フレーム部材6とが固定される。
【0025】
一方、下部構造体2は、
図1から
図4に示すように、一本の支柱7と、支柱7から横方向に延在する第一支持部材8と、支柱7から第一支持部材8の先端部に向かって斜め上方に延在する第二支持部材9と、から主に構成される。本実施形態では、第一支持部材8は、水平方向に延在するように配置される。
【0026】
上部構造体1の第二フレーム部材6と下部構造体2の第一支持部材8とは、第一固定部材30を介して第一締結部材31により固定されている。また、第一支持部材8の基部および第二支持部材9の基部はそれぞれ、第二固定部材32を介して第二締結部材33により支柱7と固定されている。そして、第一支持部材8の先端部と第二支持部材9の先端部とが、第三締結部材34により固定されている。このように、支柱7、第一支持部材8および第二支持部材9を、相互に固定することにより、側面視で三角形のトラス構造が形成される(
図3、
図4参照)。
【0027】
また、第一支持部材8と第二支持部材9との対が支柱7に複数対配置され、支柱7の周方向に隣り合う対の間の角度が等角度であるように設定される。第一支持部材8と第二支持部材9との対のうち、第一支持部材8が第二支持部材9よりも上方に配置され、第二支持部材9は第一支持部材8よりも下方に配置される。本実施形態では、第一支持部材8と第二支持部材9との対が支柱7に4対配置され、支柱7の周方向に隣り合う対の間の角度が90度であるように設定される。このように複数対の第一支持部材8および第二支持部材9を配置(固定)することにより、平面視で三角形のトラス構造が形成される(
図2参照)。
【0028】
第一支持部材8は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第一支持部材8は、断面略矩形の筒状の中空材から構成されており、上面、下面および両側面を有する。第一支持部材8の幅は、第二支持部材9の幅よりも小さく設定されている。
【0029】
図6および
図7に示すように、第一支持部材8の上面には、ボルト42の収容部35が第一支持部材8の長手方向に沿って形成されており、収容部35に、第一固定部材30を第一支持部材8に固定するために用いられるボルト42の頭部が収容される。この収容部35は、第一支持部材8の上面に全長に亘って形成されている。ボルト42は六角ボルトであり、収容部35の幅は、ボルト42の二面幅よりも広く、ボルト42の対角距離よりも狭くなっている。このように構成することにより、収容部35は、ボルト42の回転を規制する回転止めとして機能する。さらに、収容部35の開口端には、収容部35の両側部から第一支持部材8の幅方向内側にそれぞれ突出する突出部36が一対に形成されている。これらの一対の突出部36,36同士の間隔は、ボルト42の軸部の外径よりも広く、ボルト42の頭部の外径よりも狭くなっている。このように構成することにより、一対の突出部36,36は、収容部35からのボルト42の脱落を防止する脱落止めとして機能する。
【0030】
第一支持部材8の基部には、第一支持部材8の高さ方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔37が形成されている。このボルト挿通孔37には、第一支持部材8と第二固定部材32(半円バンド51)とを固定するためのボルト56の軸部が挿通される。また、第一支持部材8の先端部には、第一支持部材8の長手方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔38が形成されている。このボルト挿通孔38には、第一支持部材8と第二支持部材9とを固定するためのボルト59の軸部が挿通される。
【0031】
第二支持部材9は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第二支持部材9は、断面略矩形の筒状の中空材から構成されており、上面、下面および両側面を有する。
【0032】
第二支持部材9の先端部の上面には、上方に開口する収容部39が生成されており、この収容部39に第一支持部材8の先端部が収容されるようになっている。
【0033】
第二支持部材9の基部には、第二支持部材9の高さ方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔40が形成されている。このボルト挿通孔40には、第二支持部材9と第二固定部材32(半円バンド51)とを固定するためのボルト56の軸部が挿通される。また、第二支持部材9の先端部には、第二支持部材9の長手方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔41が形成されている。このボルト挿通孔41には、第一支持部材8と第二支持部材9とを固定するためのボルト59の軸部が挿通される。
【0034】
第一固定部材30は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第一固定部材30は、側面視でL字形状に形成されており、第二フレーム部材6を両側から挟むように一対に配置されている。
【0035】
各第一固定部材30は、ボルト42およびナット43(第一締結部材31)を介して第一支持部材8に固定される平板状の第一固定部44と、この第一固定部44から上方に延在し、ボルト45およびナット46(第一締結部材31)を介して第二フレーム部材6に固定される第二固定部47と、を有する。第一固定部材30の第一固定部44は、第一支持部材8との固定に用いるボルト42を挿通するボルト挿通孔48を有している。また、第一固定部材30の第二固定部47は、第二フレーム部材6との固定に用いるボルト45を挿通するボルト挿通孔49を有している。さらに、第一固定部材30の第二固定部47には、第二フレーム部材6の凹部15と係合する凸部50が形成されている。この凸部50は、第一固定部材30の全長に亘って形成されている。
【0036】
上部構造体1の第二フレーム部材6と第一固定部材30との固定は、ボルト45およびナット46(第一締結部材31)を介して行う。具体的には、まず、第二フレーム部材6の側面の下部に形成された収容部13にボルト45の頭部を収容し、このボルト45の軸部を収容部13から突出させる。さらに、ボルト45の軸部を、第一固定部材30の第二固定部47のボルト挿通孔49に挿通して、このボルト45の軸部の先端をボルト挿通孔49から突出させる。そして、ボルト挿通孔49から突出したボルト45の軸部にナット46を締め付けると、第二フレーム部材6と第一固定部材30とがボルト45およびナット46によって挟持される。これにより、上部構造体1の第二フレーム部材6と第一固定部材30とが固定される。
【0037】
下部構造体2の第一支持部材8と第一固定部材30との固定は、ボルト42およびナット43(第一締結部材31)を介して行う。具体的には、まず、第一支持部材8の上面に形成された収容部35にボルト42の頭部を収容し、このボルト42の軸部を収容部35から突出させる。さらに、ボルト42の軸部を、第一固定部材30の第一固定部44のボルト挿通孔48に挿通して、このボルト42の軸部の先端をボルト挿通孔48から突出させる。そして、ボルト挿通孔48から突出したボルト42の軸部にナット43を締め付けると、第一支持部材8と第一固定部材30とがボルト42およびナット43によって挟持される。これにより、下部構造体2の第一支持部材8と第一固定部材30とが固定される。
【0038】
第二固定部材32は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。また、第二固定部材32は、
図7に示すように、一対の半円バンド51からなり、各半円バンド51がアルミニウム合金製の押出形材からなる。各半円バンド51は、支柱7の外周に密着する半円状部分(密着部)52と、半円状部分52の両端部にそれぞれ形成されるフランジ部53と、から主に構成される。半円バンド51のフランジ部53は、支柱7の周方向に隣り合う他の半円バンド51のフランジ部53とボルトおよびナットを介して固定される。これにより、一対の半円バンド51(第二固定部材32)が支柱7に対して固定されるようになっている。
【0039】
本実施形態では、一対の半円バンド51の内、一方の半円バンド51の半円状部分52に、半円状部分52から外方へ張り出すブラケット部54が設けられている。このブラケット部54は、平面視で略U字形状とされており、第一支持部材8の基端部または第二支持部材9の基端部が収まるようになっている。また、ブラケット部54には、半円バンド51の高さ方向に間隔を隔てて二つのボルト挿通孔55が形成されている。このボルト挿通孔55には、第一支持部材8または第二支持部材9と、半円バンド51とを固定するためのボルト56の軸部が挿通される。
【0040】
第一支持部材8の基部と支柱7との固定は、半円バンド51を介してボルト56およびナット57(第二締結部材33)により行う。カラー部材58が、第一支持部材8のボルト挿通孔37を貫通して半円バンド51のブラケット部54に挟持される。このカラー部材58の外径は、第一支持部材8のボルト挿通孔37の内径よりも小さく、かつ、ブラケット部54のボルト挿通孔55の内径よりも大きい。そして、ブラケット部54の外側面から突出したボルト56の軸部にナット57を締め付けると、第一支持部材8の基部と半円バンド51とが固定される。
【0041】
第二支持部材9の基部と支柱7との固定は、第一支持部材8の基部および支柱7の固定と同様に、半円バンド51を介してボルト56およびナット57(第二締結部材33)により行う。カラー部材58が、第二支持部材9のボルト挿通孔40を貫通して半円バンド51のブラケット部54に挟持される。このカラー部材58の外径は、第二支持部材9のボルト挿通孔40の内径よりも小さく、かつ、ブラケット部54のボルト挿通孔55の内径よりも大きい。そして、ブラケット部54の外側面から突出したボルト56の軸部にナット57を締め付けると、第二支持部材9の基部と半円バンド51とが固定される。
【0042】
第一支持部材8の先端部と第二支持部材9の先端部との固定は、ボルト59およびナット60(第三締結部材34)により行う。カラー部材61が、第一支持部材8のボルト挿通孔38を貫通して第二支持部材9の収容部39に収まるようになっている。このカラー部材61の外径は、第一支持部材8のボルト挿通孔38の内径よりも小さく、かつ、第二支持部材9のボルト挿通孔41の内径よりも大きい。そして、第二支持部材9の外側面から突出したボルト59の軸部にナット60を締め付けると、第一支持部材8の先端部と第二支持部材9の先端部とが固定される。
【0043】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0044】
(1)本実施形態に係る太陽光パネル用架台は、上部構造体1と、上部構造体1を支持する下部構造体2と、を備える。上部構造体1は、太陽光パネル3を支持するフレーム構造体4を有し、下部構造体2は、支柱7と、支柱7から横方向に延在する第一支持部材8と、支柱7から第一支持部材8の先端部に向かって斜め上方に延在する第二支持部材9と、を有する。上部構造体1と第一支持部材8とは、第一固定部材30を介して固定され、第一支持部材8の基部および第二支持部材9の基部は、支柱7とそれぞれ第二固定部材32を介して固定され、第一支持部材8の先端部と第二支持部材9の先端部とが、固定されている。
【0045】
本実施形態に係る太陽光パネル用架台においては、支柱7と第一支持部材8と第二支持部材9とにより、側面視で三角形のトラス構造が形成されるので、強度に優れた単柱型の太陽光パネル用架台を提供することが可能になる。
【0046】
(2)第一支持部材8と第二支持部材9との対が支柱7に複数対配置され、支柱7の周方向に隣り合う対の間の角度が等角度である。
【0047】
複数のトラス構造(側面視)が支柱7の周囲に等間隔で配置されるので、上部構造体1からの荷重が分散され、支柱7の特定の箇所に荷重が集中しなくなり、支柱7の寿命を延ばすことができるようになる。
【0048】
(3)第二固定部材32は、一対の半円バンド51と、半円バンド51の半円状部分52から外方へ張り出すブラケット部54と、を有し、ブラケット部54に、第一支持部材8の基部および第二支持部材9の基部のいずれかが固定される。
【0049】
第一支持部材8および第二支持部材9と支柱7との固定を、比較的簡単な構造で行うことができるとともに、第一支持部材8および第二支持部材9の延在方向(支柱7の半径方向)をあらかじめ方向づけることができる。
【0050】
(4)フレーム構造体4は、太陽光パネル3を支持する第一フレーム部材5と、第一フレーム部材5を支持し、かつ直交方向に延在する第二フレーム部材6と、を有し、第二フレーム部材6と第一支持部材8とが、第一固定部材30を介して固定される。
【0051】
本実施形態に係る太陽光パネル用架台においては、支柱7の周方向に隣り合う二本の第一支持部材8と第二フレーム部材6とによって平面視で三角形のトラス構造を形成することにより、強度により優れた単柱型の太陽光パネル用架台を提供することが可能になる。
【0052】
(5)太陽光パネル用架台は、第二フレーム部材6の上部に固定されるブラケット部材16と、ブラケット部材16の上方に配置される挟持部材17と、をさらに備える。ブラケット部材16は、第一フレーム部材5の下面に当接する載置面21を有し、第一フレーム部材5は、ブラケット部材16と挟持部材17とで挟持されることにより、第二フレーム部材6に固定される。
【0053】
第一フレーム部材5を、ブラケット部材16と挟持部材17とで挟持しているので、第一フレーム部材5と第二フレーム部材6との固定強度を高めることができる。
【0054】
(6)ブラケット部材16の載置面21は、水平面に対して傾斜しており、載置面21の傾斜角度は、第一フレーム部材5の傾斜角度と同等の角度である。
【0055】
このようにすることにより、使用するブラケット部材16によって、水平面に対する第一フレーム部材5の傾斜角度が決まる。すなわち、第一フレーム部材5は、ブラケット部材16の載置面21に載置するだけで所定の傾斜角度に傾斜するので、第一フレーム部材5の傾斜角度の調整が容易になる。
【0056】
(7)第二フレーム部材6の両側面の上部には、外側に延出する係止片24が設けられ、ブラケット部材16の両側部には、係止片24に係合する係合部19が設けられている。係合部19の下部には、下方へ垂下する固定部20が設けられ、固定部20が第二フレーム部材6の側面にビス12により固定される。
【0057】
ブラケット部材16と第二フレーム部材6との位置決めを容易かつ正確に行うことができることにより、作業性が向上する。
【0058】
(8)第一固定部材30は、第一支持部材8に固定される第一固定部44と、第一固定部44から上方に延在し、第二フレーム部材6に固定される第二固定部47と、を有してL字形状に形成されている。第二固定部47に、凸部50が形成されており、第二フレーム部材6には、第二固定部47の凸部50と係合する凹部15が形成されている。
【0059】
第一固定部材30と第二フレーム部材6との位置決めを容易かつ正確に行うことができることにより、作業性が向上する。
【0060】
本実施形態とは逆に、第二固定部47に、凹部が形成され、第二フレーム部材6には、第二固定部47の凹部と係合する凸部が形成されていてもよい。
【0061】
(9)フレーム構造体4を構成するフレーム部材(第一フレーム部材5、第二フレーム部材6)、第一支持部材8、第二支持部材9、第一固定部材30および第二固定部材32は、アルミニウム合金製の押出形材からなる。
【0062】
これにより、これらの各部材を鋼材からなるものとした場合と比較すると、太陽光パネル用架台全体を軽量化することが可能になる。また、これらの各部材の寸法精度を高めることができ、太陽光パネル用架台の設置を容易かつ正確に行うことができるとともに、優れた耐食性および外観を得ることができる。さらに、長尺の部材を比較的低コストで製造することができるため、製造コストを低減することができるとともに、アルミニウム合金はリサイクル性に比較的優れているため、太陽光パネル用架台の撤去後に材料を再利用することができる。
【0063】
ところで、本発明の太陽光パネル用架台は前述の実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
【0064】
例えば、
図8から
図10に示すように、
図1から
図7に示した太陽光パネル用架台を複数隣り合うように配置し、隣り合う2つ以上の太陽光パネル架台の、第二フレーム部材6同士を連結プレート(ガセットプレート)71を介して連結することにより、太陽光パネル用架台ユニット70を構成するようにしてもよい。
図8から
図10に示す太陽光パネル用架台ユニット70では、連結プレート71は、矩形板状に形成されており、第二フレーム部材6を両側から挟むように一対に配置されている。連結プレート71は、例えば、アルミニウム合金製の押出形材からなる。
【0065】
2つ以上の太陽光パネル用架台を連結して太陽光パネル用架台ユニット70を構成することで、固定強度の高い安定した太陽光パネル用の架台とすることができる。また、太陽光パネル用架台ユニット70は、太陽光パネル用架台が単体で互いに離れて設置されるケースと比べて、太陽光パネルを密に設置することができる。