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特開2017-175901節電器具、節電方法、節電器具の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-175901(P2017-175901A)
(43)【公開日】2017年9月28日
(54)【発明の名称】節電器具、節電方法、節電器具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20170901BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20170901BHJP
   H05K 9/00 20060101ALN20170901BHJP
【FI】
   H02B1/40 A
   H02B1/42
   H05K9/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-39006(P2017-39006)
(22)【出願日】2017年3月2日
(31)【優先権主張番号】特願2016-53162(P2016-53162)
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516079914
【氏名又は名称】有限会社メシャンスイート
(74)【代理人】
【識別番号】100166039
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 款
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 りか
【テーマコード(参考)】
5E321
5G211
【Fターム(参考)】
5E321AA11
5E321BB21
5E321BB51
5E321CC16
5E321GG11
5E321GH10
5G211AA01
5G211AA06
5G211AA12
5G211AA25
5G211DD10
5G211DD21
5G211DD39
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】安価で手軽に節電することができれば、環境問題にも適応し、生活者は勿論、コンビニエンスストア等の商業施設、工場等の費用軽減につながる。
【解決手段】消費電力の節約のため、電磁波を含めた放電ロスの磁束を収約し、微弱コイル化したフェライトに吸収し、放電体を利用し、電流の導線に磁界の習性を利用し、電流として元に戻すことにある。これは一種の電磁誘導を利用したものであり、電気のロスを少なくするものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流の流量が多く設備の使用状況が頻出する分電盤のブレーカ等に貼り付けて使用する略板状の節電器具であって、放射性磁性体からなる略板状の本体を具備する節電器具。
【請求項2】
分電盤のブレーカ等に貼り付けて使用する略板状の節電器具であって、放射性磁性体からなる略板状の本体を具備する節電器具。
【請求項3】
前記略板状の本体の表面を覆うように設けられた磁気シールドシートを更に具備しており、前記磁気シールドシートの側を分電盤のブレーカに貼り付けて使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の節電器具。
【請求項4】
前記磁気シールドシートの表面に設けられた粘着剤層と、
前記粘着剤層の上に剥離可能に設けられた剥離紙と、
を更に具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の節電器具。
【請求項5】
放射性磁性体からなる略板状の本体と、前記略板状の本体の表面を覆うように設けられた磁気シールドシートと、を具備する略板状の節電器具を、前記磁気シールドシートの側を分電盤に向けた状態で、該分電盤のサービスブレーカに貼り付けることを特徴とする節電方法。
【請求項6】
分電盤のブレーカ等に貼り付けて使用する略板状の節電器具の製造方法であって、
放射性磁性体からなる略板状の本体の表面を覆うように、前記本体に対して磁気シールドシートを取り付けることを特徴とする節電器具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤のブレーカ等に取り付けて使用する節電器具と、これを利用した節電方法と、前記節電器具の製造方法に関するものであって、具体的には、「電磁波を利用したスピントロニクスによるエネルギー消費効率の向上」に係る技術である。
【背景技術】
【0002】
(第1の問題点)
世界的な環境問題の深刻化を踏まえ、温室効果ガス削減対策が義務化され、それにより、電気設備機器の節電対策や無駄な電気を使用しないために消電等が積極的に行われている。
【0003】
しかしながら、交流電気の特性で、電気は基本的に磁場を作り、放電をしている。特に、コンビニエンスストアなどでは、来店客の出入り、自動ドアの開閉、空調機器や電熱機器の稼働、冷凍器や冷蔵庫の使用と開閉、などによる電力消費が多く、また、交流のため周波数の変化が多く、多量の電磁波等の放電が行われている。
【0004】
そして、これらを解決するために、節電タイプの電気器具の開発が行われている。
【0005】
しかしながら、節電効果を高めるために電気設備機器の開発を行っても、電気の使用量という点では限界があり、電磁波等の放電ロスを防ぐことができない。
【0006】
(第2の問題点)
温室効果ガス削減対策が義務化されるなか、工場や各種の商業施設(例えば24時間営業のコンビニエンスストアなど)では、節電対策を迫られている。
【0007】
このような状況に鑑み、様々な節電方法が提案されてきたが、そのほとんどは、冷蔵庫や照明器具などの電気機器の力率の変更のような消費電力を少なくするといった観点から提案されたものであった。
【0008】
しかしながら、このような節電手段の恩恵をうけるためには、従来機器を、節電タイプの機器に交換しなければならない。そのため、節電のために、電気機器交換のための大幅な出費を強いられるといった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、誰でも簡単に低コストで節電効果を得ることが可能な節電器具および節電方法を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、交流電源による電磁波等の放電ロスが従来の電気使用量に含まれていることを追及し、電磁波を吸収し、ファラデーの法則に基づいた電磁誘導・相互誘導・自己誘導を生じさせ、消費電力の中の位相ズレ、力率変更、放電部分のロスを防ぐものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、電流の流量が多く設備の使用状況が頻出する分電盤のブレーカ等に貼り付けて使用する略板状の節電器具であって、放射性磁性体からなる略板状の本体を具備する節電器具によって達成される。
【0011】
また上記目的は、分電盤のブレーカ等に貼り付けて使用する略板状の節電器具であって、放射性磁性体からなる略板状の本体を具備する節電器具によって達成される。
【0012】
上記節電器具は、略板状の本体の表面を覆うように設けられた磁気シールドシート(シート状磁気シールド部材)を更に具備しており、前記磁気シールドシートの側を分電盤のブレーカ等(例えばブレーカースイッチの近傍)に貼り付けて使用する。
【0013】
また上記節電器具は、前記磁気シールドシートの表面に設けられた粘着剤層と、前記粘着剤層の上に剥離可能に設けられた剥離紙と、を更に具備している。
【0014】
また上記目的は、放射性磁性体からなる略板状の本体と、前記略板状の本体の表面を覆うように設けられた磁気シールドシートと、を具備する略板状の節電器具を、前記磁気シールドシートの側を分電盤に向けた状態で、該分電盤のサービスブレーカ等に貼り付けることを特徴とする節電方法によって達成される。
【0015】
上記節電器具において、本体をなすセラミックスの放射性磁性体は、遠赤外線放射体を粉砕した粉末と酸化鉄を主成分としたフェライト(ソフトフェライト)を粉砕し、混合し、焼成し、複合化することで製造される。
【0016】
そして、扁平形状の放射性磁性体の設置貼付面(片面)に、好ましくはその片面の全面を覆うように、高透磁率ナノ結晶軟磁性材料からなる磁気シールドシートを貼り付ける。また、この磁気シールドシート表面に貼付け用(ブレーカ等への貼り付け用)の粘着部である粘着剤層を設ける。そして、この粘着剤層(ブレーカ等への貼り付け面)の上には、該粘着剤層を覆うように、剥離自在の剥離紙を設けておく。剥離紙は、節電器具を使用するときに(すなわち分電盤のブレーカ等に貼り付ける際に)粘着剤層から剥がし、露出した粘着剤層をブレーカに貼り付けるようにする。
【0017】
このような特徴を具備する略板状の節電器具を、工場やコンビニエンスストアなどの商業施設のブレーカなど(例えば分電盤に設けられたサービスブレーカのカバー部分)に直接貼り付けることで、位相ズレ、力率変更、電磁波等のロスを軽減し電子への起電力により節電効果がもたらされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、略板状の節電器具を、単に、分電盤のサービスブレーカ等に貼り付けるだけで、節電効果を得ることができる。したがって、従来より使用している冷蔵庫や照明器具などの電気機器を、節電タイプの機器に交換することなく、誰でも簡単に低コストで簡単に節電効果を得ることができる。
【0019】
また、本発明が広く普及することで、地球規模でエネルギー消費量が大幅に減り、ひいては、CO2排出量を削減することができ、地球温暖化の抑制に貢献することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の節電器具の構造を概略的に示す斜視図である。
図2】本発明の節電器具の使用例を示す図である。
図3】本発明の節電器具の使用例を示す断面図である。
図4A】本発明を利用することで節電が達成される理論を説明する図である。
図4B図4Aの続きを示す図である。
図5A】本発明を利用することで節電が達成される理由を説明する図である。
図5B図5Aの続きを示す図である。
図5C図5Bの続きを示す図である。
図5D図5Cの続きを示す図である。
図5E図5Dの続きを示す図である。
図5F図5Eの続きを示す図である。
図5G図5Fの続きを示す図である。
図6A】「電磁波を利用したスピントロニクスによるエネルギー消費効率の向上」の理論を示す図である。
図6B図6Aの続きを示す図である。
図6C図6Bの続きを示す図である。
図6D図6Cの続きを示す図である。
図6E図6Dの続きを示す図である。
図6F図6Eの続きを示す図である。
図7】実施例1でのテスト結果を示す表である。
図8】実施例1でのテスト結果を示すグラフである。
図9】実施例1でのテスト結果を示すグラフである。
図10】実施例2でのテストを実施する際の測定箇所を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(本発明の概要)
本発明の目的は、温室効果ガス削減対策が義務化されるなか、工場や各種の商業施設(例えば24時間営業のコンビニエンスストアなど)に設置するだけで誰でも簡単に節電できる器具を提供することにある。
【0022】
本発明に係る節電器具は、一般家庭は勿論のこと商業施設、工場などにおいて消費電力を節約する効果を発揮する器具に関するものである。
【0023】
この節電器具を作るにあたっては、遠赤外線放射体と酸化鉄を主成分とするフェライト材をパウダー状にし複合化し焼成して、扁平形状の放射性磁性体からなる本体を構成し、図1に示すように、この扁平形状の本体(放射性磁性体)に対し高透磁率磁性材料からなる磁気シールドシートを粘着して被覆させ、また、磁気シールドシートの反対側に他機器(分電盤のサービスブレーカ等)に粘着するための粘着部(粘着剤層)を設けて、その上に剥離紙を具備させる。
【0024】
図2に示すように節電器具を分電盤に貼り付ける際に、図3に示すように剥離紙を粘着剤層から剥がし、節電器具の磁気シールドシートの側(粘着剤層の側)を分電盤のサービスブレーカのカバー部分に密着させる。図3に示すように磁気シールドシートの表面(剥離紙を剥がすことで露出した表面)には、粘着剤層が設けられているので、略板状の節電器具をサービスブレーカのカバー部分に密着した状態が保持される。
【0025】
節電器具が具備する放射性磁性体は、電磁波を吸収することにより、電磁体となり起電力を生じ電流を生み、電磁誘導や相互誘導や自己誘導を生じ、コンデンサー等の役割を演じ周波数に影響し、電力のロスを軽減する。前記電磁体は、トランス(変圧)やコンデンサー(蓄電)の役割を演ずる。
【0026】
(本発明の構成材料)
1. ソフトフェライトと遠赤外線放射物質を混合焼成したセラミック(本体)。
2. 磁気シールドシート(シート状磁気シールド部材)。
【0027】
(本発明の原理)
・交流電流が流れている電線の近くに(例えばブレーカー)に置く。例えば貼付する。
・電線からは電磁波が発生する。
・電流の変化がなければ電界・磁界共変化しない。
・発生する電磁波を磁気シールドシートにより磁束として集め、本体のセラミックにて吸収する。
・セラミックの内部で電子がスピンを始める。
・磁気化すると同時に分子電流を発生。
・遠赤外線放射体として電磁波を放出。
・導線からの電磁波を吸収し弱まっている為、セラミックからの電磁波が導線に向かう。
・導線の周囲の磁界が変化する為、電子にローレンツ力が働き起電力を生じる。
・流れている電流と逆向きの電流の流れが生じる。(レンツ・ファラデーの法則)
・これが電気使用量の削減となる。
・つまり磁場の変動を生じさせ、節電を行うものである。
・尚、正確な削減数値は種々の公式により算出は可能であるが、電流・電圧・磁場の変化及びセラミックの電子スピンの状況により、セラミックにより多少の変動がある。
【0028】
また、本発明の理論的説明は、図4A、4Bにおいて上から順に示すとおりである。
また、本発明を利用することで節電が達成される理由は、図5A〜Gに示すとおりである。
また、本発明は、「電磁波を利用したスピントロニクスによるエネルギー消費効率の向上」に係る技術であり、その詳細は図6A〜Fに示すとおりである。
なお、添付図において、本発明の節電器具を、必要に応じて「アジャストボード」と称する。
【0029】
(本発明の構成及び用途)
本発明の節電器具は主として、図1に示すように、放射性磁性体からなる略板状の本体と、この板状の本体の表面を覆うように設けられた磁気シールドシートとを有しており、図2に例示するように、商業施設(例えばコンビニエンスストアなど)の分電盤のサービスブレーカのカバー部分(サービスブレーカの表面部分)に貼り付けて使用する節電器具である。
【0030】
略板状の本体をなす放射性磁性体は、遠赤外線放射体と酸化鉄を主体としたソフトフェライト材で焼成したセラミックスである。ソフトフェライトは酸化鉄を主原料とする軟質磁性材料である。
【0031】
(節電器具の作り方)
放射性崩壊する自然放射性元素であるトリウム又はウランを含有する放射性鉱物・ジルコン・シリカ・モナザイト・コージライト・アルミナ等を放射性原材料として作られたセラミックス遠赤外線放射体を粉砕し、粉末とする。
それに3価の鉄の酸化物Feと二価鉄の酸化物(FeO、CoO、ZnO、BaO)等の複合酸化物で作ったフェライトを混合し、1,100〜1,400℃で焼成し、磁性材料のフェライトを作成する。
遠赤外線放射体に対するフェライトの割合(混合率)は、例えば80〜90%が好ましい。
【0032】
これに設置用及び交流磁界のシールド部材及び磁束を作り磁束密度を向上させる部材として高透磁率ナノ結晶材料ファインメット(登録商標)FT−3M薄帯とPETフイルムをラミネートした磁気シールドシートを粘着テープと共にセラミック放射性磁性体の片面に貼付する。磁気シールドシートは、両面テープの如く、その両面に粘着剤を具備している。
【0033】
これにより電磁波を防御しつつ廻り込みの特徴を生かし磁束をつくらせ集合し、本体に吸収させる。
すなわち、これらにより、電磁場や電場より放たれた電磁波を磁束として放射性磁性体が捉え、該放射性磁性体の粒子が振動し微小磁石の性格を保有し、磁気エネルギーを電気エネルギーに変え、電磁誘導−相互誘導により電流に変換する。
【0034】
(磁気シールドシート)
放射性磁性体からなる本体片面に設ける磁気シールドシートの素材は、ナノ結晶磁性材である。これは、Fe(三酸化二鉄)を主成分にして、これにSi(シリコン)とB(ボロン)およびCu(銅)とNb(ニオブ)などを添加した高温融液を約100万℃/秒で急冷固化したアモルファス(非晶質)を結晶化温度以上で熱処理し、結晶粒径を10nm(nm:ナノメートル、1nm=0.001μm=百万分の1mm)程度まで小さくしたものを20μm程度の薄膜にし、樹脂フィルムにホットメルトしたフィルム状のシートである。
【0035】
磁気シールドシートの役割は、分散する電磁波を防御しつつ磁束をつくらせ集合し、それを本体で一気に吸収するのである。
【0036】
次に、上記特徴を具備する節電器具の具体的実施例について説明する。
【実施例1】
【0037】
本発明の節電器具を、商業施設(コンビニエンスストア)にて実際にテスト使用して、その節電効果を確認した。
テスト要件は次のとおりであった。
【0038】
<テストに使用した節電器具の構成材料>
遠赤外線放射体: 美濃顔料化学株式会社製造
磁気シールドシート: 日立金属株式会社製造
ソフトフェライトの構成成分:
酸化カルシウム 8.21、酸化マンガン 1.40、酸化マグネシウム 0.14、
第一酸化鉄 1.057、第二酸化鉄 5.47、酸化アルミニウム 15.91、
酸化セリウム 15.55、酸化イソトリウム 6.85、酸化トリウム 2.22、
酸化ケイ素 30.06、酸化チタニウム 0.17、二酸化炭素 0.34、
硫黄 0.26、結晶水 2.10、水分
【0039】
<テスト要件>
下記条件の商業施設において、図2に示す如く、分電盤に設けられたサービスブレーカのカバー部分に、本発明に係る略板状の節電器具を貼り付けた。
【0040】
対象店舗 :東京都中央区にある同規模の最大手コンビニエンス・ストアの2店。
なお、対象店舗の2店は、同一経営者が営む店舗であって、近隣(約500mの距離)に位置する同規模の店舗である。コンビニエンス・ストアの2店のうちの一方(店舗A)を実施例用の店舗とし、他方(店舗B)を比較例用の店舗とした。
【0041】
テスト概要: 本発明の節電器具を使用する場合の電力使用量と、使用しない場合の電力使用量の比較テストを行なった。
【0042】
【表1】
【0043】
なお、店舗A(使用店舗)でのテストを実施するにあたって、節電器具は、店舗関係者以外の者(来店客など)からは見えないように、且つ、秘密の状態が保たれるように設置した。また、節電器具を取り付けた使用店舗の関係者に対しては、節電器具に関して守秘義務を課した。
【0044】
<テスト内容1>
はじめに、本発明の節電器具を使用しない場合の両店舗ABの電力使用状況を確認するため、2015年の電力使用量を確認し比較した。
【0045】
<テスト内容2>
次に、店舗A(使用店舗)に本発明の節電器具を設置し、また、店舗B(未使用店舗)は前年と同様に節電器具未使用の状態とし、この条件下で節電器具を使用する場合の電力使用量と、使用しない場合の電力使用量の比較を行なった。
店舗A(使用店舗)でのテスト開始日:2016年1月25日。
店舗B(未使用店舗)との比較開始日:2016年2月より。
なお、店舗A(使用店舗)での節電器具の貼付は、100V、200Vに各々1枚で計2枚使用した。
【0046】
<テスト結果1>
前述したテスト内容1の結果は、図7(a)(b)の各前年度の欄に示すとおりであり、この数値結果をグラフ化して比較すると図8に示すとおりであった。
つまり、本発明の節電器具を使用しない場合における両店舗ABの電力使用状況を比較すると、スペースが僅かに上回る店舗Bが、電力使用量の点で店舗Aを常に上回ったが、両店舗の電力使用量の差は僅かであり、また、両店舗の電力使用量の「差」は1年を通じてほぼ一定であった。つまり、店舗ABの電力使用量は、ほぼ同じ程度の規模であることが確認された。
【0047】
<テスト結果2>
前述したテスト内容2の結果は、図7(a)(b)の各今年度の欄に示すとおりであり、この数値結果をグラフ化して比較すると図9に示すとおりであった。
そして、図8図9を比較して分かるとおり、店舗ABの電力使用量の差は、本発明の節電器具を使用することで、差がより大きくなっていることが明らかである。つまり、本発明の節電器具を使用した店舗Aの電力使用量は、節電器具を使用していない店舗Bに比べて、大幅に低減されていることが分かる。
【0048】
この実験結果から、本発明の節電器具によれば、これを使用しない場合に比べて電力使用量を大幅に削減できることが明らかとなった。
【実施例2】
【0049】
本発明の節電器具を、商業施設(工場)にて実際にテスト使用して、その節電効果を確認した。
テスト要件は次のとおりであった。
【0050】
<テストに使用した節電器具の詳細>
実施例1で使用したものと同じものを使用した。
【0051】
<テスト要件>
下記の商業施設において、図2に示す如く、分電盤に設けられたサービスブレーカのカバー部分に、本発明に係る略板状の節電器具を貼り付けた。
【0052】
テスト対象施設: 大手印刷会社 相模原工場 第1工場 3,4号棟
テスト実施箇所: 1箇所(空調冷却用冷却水ポンプ モーター 15KW)
【0053】
なお、大手印刷会社 相模原工場 第1工場 3,4号棟 空調冷却用冷却水ポンプ(モーター 15KW)は、常に、同一条件下で24時間稼働している。つまり、当該施設でのポンプ稼働量(モーター稼働量)等に変動はなく、時期・時間にかかわらず常に同一条件で稼働している。したがって、当該施設(テスト実施箇所)における電気使用量の理論値は、年間を通じて同一であって変動は無い。
【0054】
<テスト概要>
上記テスト実施箇所(同じ設備)において、本発明の節電器具を使用する場合の電力使用量と、使用しない場合の電力使用量の比較テストを行なった。
【0055】
なお、下記の実施例および比較例のテストの実施にあたっては、当該施設において、モーターを同一条件で24時間稼働させた。つまり、実施例および比較例のテストは、節電器具の有無を除いて、モータの稼働時間等を含めてすべて同一条件で実施した。
【0056】
【表2】
【0057】
各実施例・比較例について、図10に示す要領で、当該施設・設備(同じ施設・設備)での電力使用量を測定した。
【0058】
また、各実施例・比較例について、テスト開始(測定開始)から70時間が経過するまで、1分単位で、消費電力を測定した。そして、48時間、70時間が経過した時点でのトータル電力使用量(測定開始から70時間を経過するまでの使用電力の合計)をテスト結果とした。
【0059】
当該施設(同一箇所)において、はじめに実施例1のテストを実施し、次いで、実施例2のテストを実施し、最後に比較例のテストを実施した。
【0060】
なお、テストを実施するにあたって、節電器具は、施設関係者以外の者(来客者など)からは見えないように、且つ、秘密の状態が保たれるように設置した。また、節電器具を取り付けた施設関係者に対しては、節電器具に関して守秘義務を課した。
【0061】
<テスト結果>
表3に示すとおり、
実施例1では、48時間経過時のトータル使用電力は 665,931 W 、70時間経過時のトータル使用電力は 972,552 W であった。
実施例2では、48時間経過時のトータル使用電力は 666,581 W 、70時間経過時のトータル使用電力は 969,426 W であった。
比較例では、48時間経過時のトータル使用電力は 668,061 W 、70時間経過時のトータル使用電力は 975,742 W であった。
【0062】
【表3】
【0063】
上記測定結果を比較して分かるとおり、48時間経過時および70時間経過時のいずれも、実施例のトータル電力使用量は、比較例のそれを下回っていることが分かる。
【0064】
つまり、同一施設・設備において、本発明の節電器具を使用した場合(実施例1、2)の電力使用量は、節電器具を使用していない場合(比較例)に比べて、大幅に低減されていることが分かる。
【0065】
したがって、この実験結果から、本発明の節電器具によれば、これを使用しない場合に比べて電力使用量を大幅に削減できることが明らかとなった。
【0066】
(本発明に関する付記1)
消費電力の節約のため、電磁波を含めた放電ロスの磁束を収約し、微弱コイル化したフェライトに吸収し、放電体を利用し、電流の導線に磁界の習性を利用し、誘導起電力を起し、電流の流れを妨害し、消費電力を少なくし、即わち電流として元に戻すこととなる。これは電磁誘導・相互誘導・自己誘導を利用したものであり、電気のロスを少なくするものである。
【0067】
(本発明に関する付記2)
高透磁率磁性材料からなる磁気シールドシート及びソフトフェライトと赤外線放射体を粉末にして混合し焼成して扁平形状の放射性磁性体を作成し、双方を粘着させる。これを分電盤等に粘着すると、磁気シールドシートから送られる磁束を放射性磁性体が吸収し、電子のスピンにより粒子が磁石化される。同時に磁束を受け続けるので、放射性磁性体が磁気を帯び、別の電磁石を置いた状態となる。そのため、内部の磁気モーメントは外部磁石の方向に向きを変え、励起状態となり、赤外線放射体を利用し、共鳴エネルギーとして外部へ移動する。その電磁波エネルギーが電流の導線に回収される。これにより放電電磁波のロスが軽減される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10