【解決手段】このロボットの関節部2は、モータ7と、モータ7に連結される減速機8と、減速機8の出力軸16に固定される出力側部材27と、モータ7の回転位置を検出するための位置検出機構9と、モータ7および位置検出機構9が電気的に接続される回路基板10と、モータ7と減速機8と位置検出機構9と回路基板10とが収容されるケース体11とを備えており、モータ7と減速機8とは、ケース体11に固定されている。回路基板10には、モータ7を駆動するためのモータ駆動回路と、回路基板10に入力される信号を回路基板10の外部へ出力するための信号伝達回路と、配線の端部が接続されるコネクタとが実装されている。
前記関節部として、第1関節部と第2関節部と第3関節部と第4関節部と第5関節部と第6関節部とを備え、前記アームとして、第1アームと第2アームとを備えるとともに、前記第1関節部の前記フランジ部に固定される支持部材を備え、
少なくとも前記第2関節部の前記回路基板と前記第3関節部の前記回路基板と前記第4関節部の前記回路基板と前記第5関節部の前記回路基板には、前記コネクタとして第1コネクタと第2コネクタとの少なくとも2個のコネクタが実装され、
前記第1関節部と前記第2関節部とは、前記第1関節部の前記出力軸の軸方向と前記第2関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第2関節部の前記フランジ部に前記第1関節部の前記ケース体が固定され、
前記第2関節部と前記第1アームとは、前記第2関節部の前記出力軸の軸方向と前記第1アームの長手方向とが直交するように連結されるとともに、前記第1アームの基端が前記第2関節部の前記ケース体に固定され、
前記第1アームと前記第3関節部とは、前記第1アームの長手方向と前記第3関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第1アームの先端が前記第3関節部の前記ケース体に固定され、
前記第3関節部と前記第4関節部とは、前記第3関節部の前記出力軸の軸方向と前記第4関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第3関節部の前記フランジ部に前記第4関節部の前記ケース体が固定され、
前記第4関節部と前記第2アームとは、前記第4関節部の前記出力軸の軸方向と前記第2アームの長手方向とが一致するように連結されるとともに、前記第2アームの基端が前記第4関節部の前記フランジ部に固定され、
前記第2アームと前記第5関節部とは、前記第2アームの長手方向と前記第5関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第2アームの先端が前記第5関節部の前記ケース体に固定され、
前記第5関節部と前記第6関節部とは、前記第5関節部の前記出力軸の軸方向と前記第6関節部の前記出力軸の軸方向とが直交するように連結されるとともに、前記第5関節部の前記フランジ部に前記第6関節部の前記ケース体が固定され、
前記第6関節部の前記コネクタに一端が接続されるとともに前記第6関節部の前記ケース体から引き出された前記配線の他端は、前記第5関節部の前記第1コネクタに接続され、
前記第5関節部の前記第2コネクタに一端が接続されるとともに前記第5関節部の前記ケース体から引き出された前記配線の他端は、前記第4関節部の前記第1コネクタに接続され、
前記第4関節部の前記第2コネクタに一端が接続されるとともに前記第4関節部の前記ケース体から引き出された前記配線の他端は、前記第3関節部の前記第1コネクタに接続され、
前記第3関節部の前記第2コネクタに一端が接続されるとともに前記第3関節部の前記ケース体から引き出された前記配線の他端は、前記第2関節部の前記第1コネクタに接続され、
前記第2関節部の前記第2コネクタに一端が接続されるとともに前記第2関節部の前記ケース体から引き出された前記配線の他端は、前記第1関節部の前記コネクタに接続されていることを特徴とする請求項4記載のロボット。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の正面図である。
図2(A)は、
図1に示す産業用ロボット1の斜視図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す産業用ロボット1が動作している状態を示す斜視図である。
【0018】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、所定の製品の組立や製造等に用いられる多関節ロボットであり、組立ラインや製造ラインに設置されて使用される。ロボット1は、複数の関節部2と複数のアーム3とを備えている。本形態では、ロボット1は、6個の関節部2と、2本のアーム3とを備えている。以下では、6個の関節部2のそれぞれを区別して表す場合には、6個の関節部2のそれぞれを「第1関節部2A」、「第2関節部2B」、「第3関節部2C」、「第4関節部2D」、「第5関節部2E」および「第6関節部2F」とする。また、以下では、2本のアーム3のそれぞれを区別して表す場合には、2本のアーム3のそれぞれを「第1アーム3A」および「第2アーム3B」とする。
【0019】
また、ロボット1は、第1関節部2Aに相対回動可能に連結される支持部材4を備えている。支持部材4は、フランジ部4aを有する鍔付きの円筒状に形成されており、支持部材4の内周側には、支持部材4の軸方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されている。フランジ部4aは、円環状に形成されており、ロボット1の底面部分を構成している。アーム3は、細長い円筒状に形成されている。
【0020】
ロボット1では、第1関節部2Aと第2関節部2Bとが相対回動可能に連結され、第2関節部2Bと第1アーム3Aの基端とが固定されている。また、第1アーム3Aの先端と第3関節部2Cとが固定され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが相対回動可能に連結され、第4関節部2Dと第2アーム3Bの基端とが相対回動可能に連結され、第2アーム3Bの先端と第5関節部2Eとが固定され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとが相対回動可能に連結されている。また、第6関節部2Fには、ハンドや工具等が相対回動可能に取付可能となっている。
【0021】
以下、関節部2の具体的な構成を説明する。なお、
図1に示すように、本形態では、第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cとが同じ大きさで形成され、第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとが同じ大きさで形成されている。また、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cの大きさは、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fの大きさよりも大きくなっている。ただし、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cと、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fとは、大きさが相違する点を除けば同様に構成されている。
【0022】
(関節部の構成)
図3は、
図1に示す関節部2の縦断面図である。
図4は、
図1に示す第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cと第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとの間の電気的な接続関係を説明するためのブロック図である。以下では、説明の便宜上、
図3のZ1方向側を「上」側とし、その反対側であるZ2方向側を「下」側とする。
【0023】
関節部2は、モータ7と、モータ7に連結される減速機8と、モータ7の回転位置を検出するための位置検出機構9と、モータ7および位置検出機構9が電気的に接続される回路基板10と、モータ7と減速機8と位置検出機構9と回路基板10とが収容されるケース体11とを備えている。モータ7は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空モータであり、中空状の回転軸13を備えている。また、モータ7は、ロータ14とステータ15とを備えている。減速機8は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。モータ7と減速機8とは上下方向で重なるように配置されている。具体的には、モータ7が上側に配置され、減速機8が下側に配置されている。また、モータ7と減速機8とは同軸上に配置されている。
【0024】
本形態の減速機8は、中空波動歯車装置であり、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。波動発生部18は、回転軸13に連結される中空状の入力軸20と、入力軸20の外周側に取り付けられるウエーブベアリング21とを備えている。本形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっている。また、関節部2は、停止しているロータ14の回転を規制する回転規制機構25と、回転軸13および入力軸20の内周側に挿通される筒状の管状部材26と、剛性内歯歯車16に固定される出力側部材27とを備えている。
【0025】
モータ7は、上述のように、ロータ14とステータ15とを備えている。ロータ14は、回転軸13と、回転軸13に固定される駆動用磁石29とを備えている。回転軸13は、上下方向に細長い略円筒状に形成されており、回転軸13の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、回転軸13の軸方向であるとともにロータ14の軸方向である。駆動用磁石29は、円筒状に形成されている。駆動用磁石29の長さ(上下方向の長さ)は、回転軸13よりも短くなっており、駆動用磁石29は、回転軸13の下端側部分の外周面に固定されている。本形態では、回転軸13の下端面と駆動用磁石29の下端面とが一致するように、駆動用磁石29が回転軸13の外周面に固定されている。
【0026】
ステータ15は、全体として略円筒状に形成されており、駆動用磁石29の外周面を覆うように、駆動用磁石29の外周側に配置されている。回転軸13の上端側部分は、ステータ15の上端面よりも上側に突出している。このステータ15は、駆動用コイルと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極を有するステータコアとを備えている。ステータコアの突極は、内周側に向かって突出するように形成されており、突極の先端面は、駆動用磁石29の外周面に対向している。モータ7は、ケース体11に固定されている。具体的には、ステータ15の外周面がケース体11に固定されている。
【0027】
減速機8は、上述のように、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。剛性内歯歯車16は、扁平な略円筒状に形成されており、剛性内歯歯車16の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、減速機8の出力軸である剛性内歯歯車16の軸方向となっている。剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19の内輪19aに固定されている。クロスローラベアリング19の外輪19bは、ケース体11の下端側部分に固定されており、剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19を介してケース体11の下端側部分に回転可能に保持されている。
【0028】
可撓性外歯歯車17は、上端にフランジ部17aを有する鍔付きの略筒状に形成されている。フランジ部17aは、略円環状に形成されており、フランジ部17aの外周側部分は、ケース体11に固定されている。すなわち、減速機8は、ケース体11に固定されている。剛性内歯歯車16は、減速機8の下端側部分を構成している。フランジ部17aは、減速機8の上端側部分を構成している。剛性内歯歯車16の内周面には、内歯が形成されている。可撓性外歯歯車17の下端側の外周面には、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合う外歯が形成されている。
【0029】
波動発生部18は、上述のように、入力軸20とウエーブベアリング21とを備えている。入力軸20は、全体として上下方向に細長い筒状に形成されており、入力軸20の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。入力軸20の、下端側部分以外の部分は、細長い略円筒状に形成されている。入力軸20の下端側部分は、入力軸20の軸方向から見たときの内周面の形状が円形状となり、入力軸20の軸方向から見たときの外周面の形状が楕円形状となる楕円部20aとなっている。
【0030】
入力軸20の上端側部分は、回転軸13の下端側部分の内周側に挿入されて固定されている。具体的には、入力軸20の上端側部分は、回転軸13の、駆動用磁石29が固定された部分の内周側に挿入されて固定されている。回転軸13と入力軸20とは同軸上に配置されている。また、入力軸20の上端側部分は、接着によって回転軸13に固定されている。
【0031】
上下方向における入力軸20の中心部分は、ベアリング30に回転可能に支持されている。ベアリング30は、ボールベアリングである。このベアリング30は、軸受保持部材31に取り付けられ、軸受保持部材31は、ケース体11に固定されている。すなわち、入力軸20は、軸受保持部材31を介してケース体11に取り付けられるベアリング30に回転可能に支持されている。軸受保持部材31は、円環状かつ平板状に形成されており、可撓性外歯歯車17のフランジ部17aと上下方向で重なるようにケース体11に固定されている。
【0032】
ウエーブベアリング21は、可撓性の内輪および外輪を備えたボールベアリングである。このウエーブベアリング21は、楕円部20aの外周面に沿って配置されており、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の、外歯が形成される下端側部分は、ウエーブベアリング21を囲むようにウエーブベアリング21の外周側に配置されており、この部分は、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の外歯は、楕円状に撓む可撓性外歯歯車17の下端側部分の長軸方向の2か所で、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合っている。
【0033】
出力側部材27は、フランジ部27aと筒部27bとを有する鍔付きの略円筒状に形成されている。この出力側部材27は、出力側部材27の軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、出力側部材27の内周側には、上下方向に貫通する貫通孔27cが形成されている。フランジ部27aは、平板状かつ円環状に形成されており、筒部27bの下端に繋がっている。フランジ部27aは、フランジ部27aの上面が剛性内歯歯車16の下面に接触するように剛性内歯歯車16に固定されている。また、フランジ部27aは、ケース体11の下端よりも下側に配置されており、ケース体11の外側に配置されている。
【0034】
筒部27bの上端側には、筒部27bの下端側部分よりも外径の小さい小径部27dが形成されており、筒部27bの上端側部分の外周側には、上下方向に直交する円環状の段差面27eが形成されている。小径部27dは、管状部材26の下端側部分の内周側に挿入されており、管状部材26の下端面は、段差面27eに対向している。また、貫通孔27cは、管状部材26の内周側に通じている。筒部27bの上端側部分は、入力軸20の下端側部分の内周側に配置されている。筒部27bの外周面と入力軸20の下端側部分の内周面との間には、ベアリング34が配置されている。ベアリング34は、ボールベアリングである。
【0035】
管状部材26は、上下方向に細長い円筒状に形成されており、管状部材26の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。上述のように、管状部材26は、回転軸13および入力軸20の内周側に挿通されている。管状部材26の上端面は、回転軸13の上端面よりも上側に配置され、管状部材26の下端面は、入力軸20の下端面よりも上側に配置されている。また、上述のように、管状部材26の下端側部分の内周側に出力側部材27の小径部27dが挿入されるとともに管状部材26の下端面が段差面27eに対向しており、管状部材26の下端側は、出力側部材27に保持されている。
【0036】
管状部材26の上端側は、保持部材32に保持されている。保持部材32は、支柱33に固定され、支柱33は、ケース体11に固定されている。すなわち、保持部材32は、支柱33を介してケース体11に固定されている。保持部材32は、管状部材26の上端側を保持する円筒状の保持部32aを備えている。保持部32aは、保持部32aの軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、保持部32aの内周側には、上下方向に貫通する貫通孔32bが形成されている。
【0037】
保持部32aの下端側には、保持部32aの上端側よりも内径の大きい大径部32cが形成されており、保持部32aの下端側部分の内周側には、上下方向に直交する円環状の段差面32dが形成されている。管状部材26の上端側は、大径部32cの内周側に挿入されており、管状部材26の上端面は、段差面32dに対向している。また、貫通孔32bは、管状部材26の内周側に通じている。
【0038】
位置検出機構9は、ステータ15の上側に配置されている。この位置検出機構9は、回転軸13の上端側に固定されるスリット板36と、センサ37とを備えている。センサ37は、互いに対向するように配置される発光素子と受光素子とを備える透過型の光学式センサである。センサ37は、支持部材38に固定されている。支持部材38は、ケース体11に固定されている。すなわち、センサ37は、支持部材38を介してケース体11に固定されている。スリット板36は、薄い平板状に形成されるとともに円環状に形成されている。スリット板36には、スリット板36の周方向に一定の間隔で複数のスリット孔が形成されている。スリット板36は、スリット板36の周方向の一部分がセンサ37の発光素子と受光素子との間に配置されるように回転軸13に固定されている。
【0039】
ケース体11は、上下の両端が開口するケース本体41と、ケース本体41の上端側の開口を塞ぐカバー42とから構成されている。ケース本体41の下端側の開口は、減速機8によって塞がれている。ケース本体41の側面には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。すなわち、ケース体11には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。開口部41aは、ケース本体41の側面部分を貫通するように形成されている。
【0040】
回転規制機構25は、ケース体11に収容されている。この回転規制機構25は、ロータ14に固定される平板状かつ略円環状の回転側規制部材45と、回転側規制部材45と係合してロータ14の周方向における回転側規制部材45の移動を規制する固定側規制部材46と、固定側規制部材46を上下方向へ移動させる駆動機構47と、固定側規制部材46を上下方向へ案内するリニアブッシュ48とを備えている。駆動機構47は、固定側規制部材46を上側へ付勢する圧縮コイルバネ49と、固定側規制部材46を下側へ移動させるソレノイド50とを備えている。
【0041】
固定側規制部材46は、上端にフランジ部46aを有する鍔付きの円柱状に形成されており、固定側規制部材46の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。固定側規制部材46は、固定側規制部材46の上側に配置されるソレノイド50のプランジャ50aに固定されている。固定側規制部材46の下端面には、上側に向かって窪む凹部が形成されており、この凹部の中には、圧縮コイルバネ49の上端側部分が配置されている。
【0042】
リニアブッシュ48は、上端にフランジ部を有する鍔付きの円筒状に形成されており、リニアブッシュ48の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。リニアブッシュ48の、フランジ部よりも下側の部分は、支持部材38の上面に形成される凹部の中に配置されている。この凹部の底面には、圧縮コイルバネ49の下端側部分が配置される窪みが下側に向かって窪むように形成されている。リニアブッシュ48の内周側には、固定側規制部材46の、フランジ部46aよりも下側の部分が配置されている。
【0043】
回転側規制部材45は、回転側規制部材45の厚さ方向と上下方向とが一致するように回転軸13の上端面に固定されており、位置検出機構9よりも上側に配置されている。回転側規制部材45には、ロータ14の径方向の外側へ突出する複数の突起がロータ14の周方向において一定の間隔で形成されている。
【0044】
ソレノイド50が通電状態でないときには、圧縮コイルバネ49の付勢力で、固定側規制部材46のフランジ部46aが、ロータ14の周方向における回転側規制部材45の突起の間に配置されるように固定側規制部材46が上昇している。そのため、回転側規制部材45の突起とフランジ部46aとによって、停止しているロータ14の回転が規制される。一方、ソレノイド50が通電状態となると、
図3に示すように、プランジャ50aが下側へ突出して、ロータ14の周方向における回転側規制部材45の突起の間からフランジ部46aが外れるまで、固定側規制部材46が下降する。そのため、ロータ14が回転可能となる。
【0045】
回路基板10は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。この回路基板10は、回路基板10の厚さ方向と上下方向とが一致するようにケース体11に固定されている。また、回路基板10は、ケース体11の上端側に固定されており、回転側規制部材45よりも上側に配置されている。管状部材26の上端は、回路基板10の上面よりも上側に配置されている。
【0046】
回路基板10には、
図4に示すように、モータ7を駆動するためのモータ駆動回路58と、回路基板10に入力される信号を回路基板10の外部へ出力するための信号伝達回路59とが実装されている。また、回路基板10には、配線60の端部が接続されるコネクタ61、62が実装されている。具体的には、少なくとも2個のコネクタ61、62が回路基板10に実装されている。コネクタ61、62は、回路基板10の上面に実装されている。なお、コネクタ61、62は、雄型または雌型のコネクタであり、配線60の端部に固定される雄型または雌型のコネクタがコネクタ61、62に係合することで、コネクタ61、62に配線60の端部が接続される。
【0047】
信号伝達回路59は、たとえば、位置検出機構9からの出力信号(具体的には、センサ37からの出力信号)またはこの出力信号を回路基板10上で処理した後の信号をコネクタ61またはコネクタ62から回路基板10の外部へ出力するために設けられている。また、信号伝達回路59は、コネクタ61から入力される信号をコネクタ62から出力し、コネクタ62から入力される信号をコネクタ61から出力するために設けられている。
【0048】
(関節部、アームの連結構造)
上述のように、支持部材4と第1関節部2Aとが相対回動可能に連結され、第1関節部2Aと第2関節部2Bとが相対回動可能に連結され、第2関節部2Bと第1アーム3Aの基端とが固定され、第1アーム3Aの先端と第3関節部2Cとが固定され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが相対回動可能に連結され、第4関節部2Dと第2アーム3Bの基端とが相対回動可能に連結され、第2アーム3Bの先端と第5関節部2Eとが固定され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとが相対回動可能に連結されている。具体的には、たとえば、
図2(B)に示す動作をロボット1が行うことが可能となるように、以下のように、各関節部2およびアーム3が連結されている。
【0049】
なお、以下の説明では、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸方向を「第1関節部2Aの軸方向」とし、第2関節部2Bの剛性内歯歯車16の軸方向を「第2関節部2Bの軸方向」とし、第3関節部2Cの剛性内歯歯車16の軸方向を「第3関節部2Cの軸方向」とし、第4関節部2Dの剛性内歯歯車16の軸方向を「第4関節部2Dの軸方向」とし、第5関節部2Eの剛性内歯歯車16の軸方向を「第5関節部2Eの軸方向」とし、第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸方向を「第6関節部2Fの軸方向」とする。
【0050】
まず、支持部材4と第1関節部2Aとは、第1関節部2Aのフランジ部27aに支持部材4が固定されることで連結されている。具体的には、支持部材4と第1関節部2Aとは、第1関節部2Aのフランジ部27aに、支持部材4の、フランジ部4aが形成されていない側の端面が固定されることで連結されている。すなわち、第1関節部2Aの軸方向と支持部材4の軸方向とが一致するように支持部材4と第1関節部2Aとが連結されている。第1関節部2Aの出力側部材27の貫通孔27cは、支持部材4の貫通孔に通じている。
【0051】
第1関節部2Aと第2関節部2Bとは、第1関節部2Aの軸方向と第2関節部2Bの軸方向とが直交するように連結されている。また、第2関節部2Bのフランジ部27aに第1関節部2Aのケース体11が固定されている。具体的には、第2関節部2Bのフランジ部27aに、第1関節部2Aのケース本体41の開口部41aが形成された側面が固定されている。第2関節部2Bのフランジ部27aは、第1関節部2Aのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第2関節部2Bの出力側部材27の貫通孔27cは、第1関節部2Aのケース体11の内部に通じている。
【0052】
第2関節部2Bと第1アーム3Aとは、第2関節部2Bの軸方向と第1アーム3Aの長手方向(軸方向)とが直交するように連結されている。また、第2関節部2Bのケース体11に第1アーム3Aの基端が固定されている。具体的には、第2関節部2Bのケース本体41の開口部41aが形成された側面に第1アーム3Aの基端が固定されている。第1アーム3Aの基端は、第2関節部2Bのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第1アーム3Aの内周側は、第2関節部2Bのケース体11の内部に通じている。
【0053】
第1アーム3Aと第3関節部2Cとは、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが直交するように連結されている。また、第3関節部2Cのケース体11に第1アーム3Aの先端が固定されている。具体的には、第3関節部2Cのケース本体41の開口部41aが形成された側面に第1アーム3Aの先端が固定されている。第1アーム3Aの先端は、第3関節部2Cのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第1アーム3Aの内周側は、第3関節部2Bのケース体11の内部に通じている。
【0054】
第3関節部2Cと第4関節部2Dとは、第3関節部2Cの軸方向と第4関節部2Dの軸方向とが直交するように連結されている。また、第3関節部2Cのフランジ部27aに第4関節部2Cのケース体11が固定されている。具体的には、第3関節部2Cのフランジ部27aに、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aが形成された側面が固定されている。より具体的には、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aが形成された側面に固定される連結部材63を介して、第3関節部2Cのフランジ部27aに、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aが形成された側面が固定されている。連結部材63は、第3関節部2Cのフランジ部27aに固定されるフランジ部63aを備える鍔付きの円筒状に形成されている。連結部材63は、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、連結部材63の軸方向に貫通する貫通孔および第3関節部2Bの出力側部材27の貫通孔27cは、第4関節部2Dのケース体11の内部に通じている。
【0055】
第4関節部2Dと第2アーム3Bとは、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが一致するように連結されている。また、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端が固定されている。第2アーム3Bの内周側は、第4関節部2Dの出力側部材27の貫通孔27cに通じている。なお、第2アーム3Bの基端には、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端を固定するためのフランジ部3aが形成されており、第4関節部2Dのフランジ部27aとフランジ部3aとが互いに固定されている。
【0056】
第2アーム3Bと第5関節部2Eとは、第2アーム3Bの長手方向と第5関節部2Eの軸方向とが直交するように連結されている。また、第5関節部2Eのケース体11に第2アーム3Bの先端が固定されている。具体的には、第5関節部2Eのケース本体41の開口部41aが形成された側面に第2アーム3Bの先端が固定されている。第2アーム3Bの先端は、第5関節部2Eのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第2アーム3Bの内周側は、第5関節部2Eのケース体11の内部に通じている。
【0057】
第5関節部2Eと第6関節部2Fとは、第5関節部2Eの軸方向と第6関節部2Fの軸方向とが直交するように連結されている。また、第5関節部2Eのフランジ部27aに第6関節部2Fのケース体11が固定されている。具体的には、第5関節部2Eのフランジ部27aに、第6関節部2Fのケース本体41の開口部41aが形成された側面が固定されている。第5関節部2Eのフランジ部27aは、第6関節部2Fのケース本体41の開口部41aを塞いでおり、第5関節部2Eの出力側部材27の貫通孔27cは、第6関節部2Fのケース体11の内部に通じている。
【0058】
(配線の引き回し構造)
以下、ロボット1の内部での配線60の引き回し構造を説明する。以下の説明では、第1関節部2Aの回路基板10を「回路基板10A」とし、第2関節部2Bの回路基板10を「回路基板10B」とし、第3関節部2Cの回路基板10を「回路基板10C」とし、第4関節部2Dの回路基板10を「回路基板10D」とし、第5関節部2Eの回路基板10を「回路基板10E」とし、第6関節部2Fの回路基板10を「回路基板10F」とする。
【0059】
図4に示すように、第6関節部2Fと第5関節部2Eとの間では、第6関節部2Fの回路基板10Fのコネクタ61と第5関節部2Eの回路基板10Eのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Fのコネクタ61に一端が接続されるとともに第6関節部2Fのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Eのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第6関節部2Fの開口部41aを通過するように第6関節部2Fのケース体11から引き出され、第5関節部2Eの出力側部材27の貫通孔27cおよび第5関節部2Eの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Eのコネクタ62に接続される。
【0060】
第5関節部2Eと第4関節部2Dとの間では、第5関節部2Eの回路基板10Eのコネクタ61と第4関節部2Dの回路基板10Dのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Eのコネクタ61に一端が接続されるとともに第5関節部2Eのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Dのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第5関節部2Eの開口部41aを通過するように第5関節部2Eのケース体11から引き出され、第2アーム3Bの内周側、第4関節部2Dの出力側部材27の貫通孔27cおよび第4関節部2Dの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Dのコネクタ62に接続される。
【0061】
第4関節部2Dと第3関節部2Cとの間では、第4関節部2Dの回路基板10Dのコネクタ61と第3関節部2Cの回路基板10Cのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Dのコネクタ61に一端が接続されるとともに第4関節部2Dのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Cのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第4関節部2Dの開口部41aを通過するように第4関節部2Dのケース体11から引き出され、連結部材63の貫通孔、第3関節部2Cの出力側部材27の貫通孔27cおよび第3関節部2Cの管状部材26の内周側を通過するように引き回されて回路基板10Cのコネクタ62に接続される。
【0062】
第3関節部2Cと第2関節部2Bとの間では、第3関節部2Cの回路基板10Cのコネクタ61と第2関節部2Bの回路基板10Bのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Cのコネクタ61に一端が接続されるとともに第3関節部2Cのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Bのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第3関節部2Cの開口部41aを通過するように第3関節部2Cのケース体11から引き出され、第1アーム3Aの内周側および第2関節部2Bの開口部41aを通過するように引き回されて回路基板10Bのコネクタ62に接続される。
【0063】
第2関節部2Bと第1関節部2Aとの間では、第2関節部2Bの回路基板10Bのコネクタ61と第1関節部2Aの回路基板10Aのコネクタ62とが配線60によって接続されている。すなわち、回路基板10Bのコネクタ61に一端が接続されるとともに第2関節部2Bのケース体11から引き出された配線60の他端は、回路基板10Aのコネクタ62に接続されている。この配線60は、第2関節部2Bの管状部材26の内周側および第2関節部2Bの出力側部材27の貫通孔27cを通過するように第2関節部2Bのケース体11から引き出され、第1関節部2Aの開口部41aを通過するように引き回されて回路基板10Aのコネクタ62に接続される。
【0064】
なお、回路基板10Aのコネクタ61は、配線60を介してロボット1のコントローラ65に接続されている。この配線60は、第1関節部2Aの管状部材26の内周側および第1関節部2Aの出力側部材27の貫通孔27cを通過するように第1関節部2Aのケース体11から引き出され、支持部材4の貫通孔を通過するように引き回される。また、本形態では、回路基板10B、10C、10D、10Eのコネクタ62は、第1コネクタあり、回路基板10B、10C、10D、10Eのコネクタ61は、第2コネクタある。
【0065】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、関節部2は、モータ7および位置検出機構9が電気的に接続される回路基板10を備えており、回路基板10には、回路基板10に入力される信号を回路基板10の外部へ出力するための信号伝達回路59と、コネクタ61、62とが実装されている。そのため、本形態では、上述のように、6個の関節部2のそれぞれの間に配置される配線60の一端を、一方の関節部2の回路基板10のコネクタ61に接続し、配線60の他端を、他方の関節部2の回路基板10のコネクタ62に接続することで、6個の関節部2の間での信号の通信、および、6個の関節部2とコントローラ65との間での信号の通信が可能になる。したがって、本形態では、6個の関節部2のそれぞれの間に配置される配線60の一端を、一方の関節部2の回路基板10のコネクタ61に接続し、配線60の他端を、他方の関節部2の回路基板10のコネクタ62に接続することで、6個の関節部2の間の配線60の引き回しを完了させることが可能になる。その結果、本形態では、ロボット1が複数の関節部5を備えていても、配線60の引き回しを簡素化することが可能になる。また、本形態では、配線60の引き回しを簡素化することが可能になるため、ロボット1の組立が容易になる。
【0066】
本形態では、関節部2は、モータ7と減速機8と位置検出機構9と回路基板10とケース体11と出力側部材27とを備えており、モータ7と減速機8とは、ケース体11に固定されている。また、本形態では、回路基板10に、モータ駆動回路58と信号伝達回路59とコネクタ61、62とが実装されている。そのため、本形態では、関節部2を、機能的にまとまった関節モジュールとすることが可能になる。したがって、本形態では、ロボット1の関節部2の数を容易に変更することが可能になる。すなわち、たとえば、第5関節部2Eのフランジ部27aに固定された第6関節部2Fのケース体11を取り外すとともに、回路基板10Eのコネクタ62に接続された配線60を取り外すことで、ロボット1の関節部2の数を6個から5個に変更することが可能になるため、ロボット1の関節部2の数を容易に変更することが可能になる。
【0067】
本形態では、減速機8の出力軸となる剛性内歯歯車16に出力側部材27が固定されており、出力側部材27には、ケース体11の外側に配置されるフランジ部27aが形成されている。そのため、本形態では、フランジ部27aを利用して、関節部2の間の固定強度を高めることが可能になる。
【0068】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0069】
上述した形態では、第2関節部2Bのフランジ部27aに第1関節部2Aのケース体11が固定され、第2関節部2Bのケース体11に第1アーム3Aの基端が固定され、第3関節部2Cのケース体11に第1アーム3Aの先端が固定され、第3関節部2Cのフランジ部27aに第4関節部2Cのケース体11が固定され、第2アーム3Bの基端が第4関節部2Dのフランジ部27aに固定され、第5関節部2Eのケース体11に第2アーム3Bの先端が固定され、第5関節部2Eのフランジ部27aに第6関節部2Fのケース体11が固定されている。この他にもたとえば、第1関節部2Aのフランジ部27aに第2関節部2Bのケース体11が固定され、第2関節部2Bのフランジ部27aに第1アーム3Aの基端が固定され、第3関節部2Cのフランジ部27aに第1アーム3Aの先端が固定され、第3関節部2Cのケース体11に第4関節部2Cのフランジ部27aが固定され、第2アーム3Bの基端が第4関節部2Dのケース体11に固定され、第5関節部2Eのフランジ部27aに第2アーム3Bの先端が固定され、第5関節部2Eのケース体11に第6関節部2Fのフランジ部27aが固定されても良い。
【0070】
上述した形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっているが、可撓性外歯歯車17が減速機8の出力軸となっていても良い。この場合には、剛性内歯歯車16がケース体11およびクロスローラベアリング19の内輪19aに固定され、可撓性外歯歯車17がクロスローラベアリング19の外輪19bおよび出力側部材27のフランジ部27aに固定される。また、上述した形態では、減速機8は、中空波動歯車装置であるが、減速機8は、中空波動歯車装置以外の中空減速機であっても良い。また、減速機8は、中空減速機以外の減速機であっても良い。また、上述した形態では、モータ7は、中空モータであるが、モータ7は、中空モータ以外のモータであっても良い。
【0071】
上述した形態では、ロボット1は、6個の関節部2を備えているが、ロボット1が備える関節部2の数は、5個以下であっても良いし、7個以上であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、2本のアーム3を備えているが、ロボット1が備えるアーム3の数は、1本であっても良いし、3本以上であっても良い。また、上述した形態では、関節部2およびアーム3の内部で配線60が引き回されているが、関節部2およびアーム3の外部で配線60が引き回されても良い。また、上述した形態では、出力側部材27にフランジ部27aが形成されているが、アーム3やケース体11を出力側部材27に固定することができるのであれば、出力側部材27にフランジ部27aが形成されていなくても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、産業用ロボットであるが、ロボット1は、様々な用途に適用可能である。たとえば、ロボット1は、サービス用ロボットであっても良い。