【解決手段】印刷装置2は、インクカートリッジ26が着脱自在に搭載される装置本体5と、インクカートリッジ26に関するカートリッジ情報を記憶する記憶部34と、外部の端末装置22からの電波を受信するアンテナ部28と、アンテナ部28で受信した電波によって電力を生起する電源部32と、電源部32により生起された電力が供給された際に、インクカートリッジ26が装置本体5に搭載されているか否かを判定し、その判定結果に対応するカートリッジ情報を記憶部34から読み出す制御部36と、アンテナ部28を介して端末装置22と近接無線通信する通信部30であって、制御部36により読み出されたカートリッジ情報を端末装置22に送信する通信部30とを備える。
前記制御部は、前記電源部により生起された電力を前記カートリッジを介してループバックする回路の接続状態に基づいて、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されているか否かを判定する
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のインクジェットプリンタでは、次のような課題が生じる。例えばインクジェットプリンタの主電源がオフの状態でインクカートリッジが取り外された場合には、不揮発性メモリには、取り外されたインクカートリッジに関する情報が記憶されたままとなる。このような場合に、不揮発性メモリに記憶された情報がスマートフォンに送信されたとしても、ユーザは、インクカートリッジに関する情報を適切に取得することができない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決しようとするものであり、その目的は、ユーザがカートリッジ(物品)に関する情報を適切に取得することができる印刷装置及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る印刷装置は、印刷用の記録剤が充填されたカートリッジが着脱自在に搭載される装置本体と、前記カートリッジに関するカートリッジ情報を記憶する記憶部と、外部の端末装置からの電波を受信するアンテナ部と、前記アンテナ部で受信した電波によって電力を生起する電源部と、前記電源部により生起された電力が供給された際に、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されているか否かを判定し、その判定結果に対応する前記カートリッジ情報を前記記憶部から読み出す制御部と、前記アンテナ部を介して前記端末装置と近接無線通信する通信部であって、前記制御部により読み出された前記カートリッジ情報を前記端末装置に送信する通信部と、を備える。
【0008】
本態様によれば、制御部は、判定結果に対応するカートリッジ情報を記憶部から読み出し、通信部は、制御部により読み出されたカートリッジ情報を端末装置に送信する。これにより、ユーザは、カートリッジが装置本体に搭載されているか否かに応じて適切なカートリッジ情報を取得することができる。
【0009】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記制御部は、前記電源部により生起された電力を前記カートリッジを介してループバックする回路の接続状態に基づいて、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されているか否かを判定するように構成してもよい。
【0010】
本態様によれば、制御部は、電力をカートリッジを介してループバックする回路の接続状態に基づいて、カートリッジが装置本体に搭載されているか否かを判定する。これにより、簡易な構成でカートリッジが装置本体に搭載されているか否かを判定することができる。
【0011】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記カートリッジ情報は、前記カートリッジの状態を示す第1の情報及び前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていないことを示す第2の情報を含み、前記記憶部は、前記装置本体に設けられ、前記第1の情報を記憶する第1の記憶領域と、前記装置本体に設けられ、前記第2の情報を記憶する第2の記憶領域と、を有し、前記制御部は、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていると判定した場合には、前記第1の記憶領域から前記第1の情報を読み出し、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていないと判定した場合には、前記第2の記憶領域から前記第2の情報を読み出すように構成してもよい。
【0012】
本態様によれば、カートリッジが装置本体に搭載されていると判定された場合には、第1の記憶領域から読み出された第1の情報が端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジの状態を示す第1の情報(例えば記録剤の残量を示す情報)を取得することができる。一方、カートリッジが装置本体に搭載されていないと判定された場合には、第2の記憶領域から読み出された第2の情報が端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジが装置本体に搭載されていないことを示す第2の情報を取得することができる。
【0013】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記カートリッジ情報は、さらに、前記カートリッジに固有の情報である第3の情報を含み、前記記憶部は、さらに、前記第3の情報を記憶する第3の記憶領域を有し、前記制御部は、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていると判定した場合には、前記第1の記憶領域から前記第1の情報を読み出し、且つ、前記第3の記憶領域から前記第3の情報を読み出し、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていないと判定した場合には、前記第2の記憶領域から前記第2の情報を読み出し、且つ、前記第3の記憶領域から前記第3の情報を読み出すように構成してもよい。
【0014】
本態様によれば、カートリッジが装置本体に搭載されていると判定された場合には、第1の記憶領域から読み出された第1の情報と第3の記憶領域から読み出された第3の情報とが端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジの状態を示す第1の情報とカートリッジに固有の第3の情報(例えばカートリッジの型番を示す情報)とを取得することができる。一方、カートリッジが装置本体に搭載されていないと判定された場合には、第2の記憶領域から読み出された第2の情報と第3の記憶領域から読み出された第3の情報とが端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジが装置本体に搭載されていないことを示す第2の情報と上述した第3の情報とを取得することができる。
【0015】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記第3の情報は、前記カートリッジの型番を示す情報であるように構成してもよい。
【0016】
本態様によれば、第3の情報を、カートリッジの型番を示す情報とすることができる。
【0017】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記カートリッジ情報は、前記カートリッジの状態を示す第1の情報及び前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていないことを示す第2の情報を含み、前記記憶部は、前記カートリッジに設けられ、前記第1の情報を記憶する第1の記憶部と、前記装置本体に設けられ、前記第2の情報を記憶する第2の記憶部と、で構成され、前記制御部は、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていると判定した場合には、前記第1の記憶部から前記第1の情報を読み出し、前記カートリッジが前記装置本体に搭載されていないと判定した場合には、前記第2の記憶部から前記第2の情報を読み出すように構成してもよい。
【0018】
本態様によれば、カートリッジが装置本体に搭載されていると判定された場合には、第1の記憶部から読み出された第1の情報が端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジの状態を示す第1の情報(例えば記録剤の残量を示す情報)を取得することができる。一方、カートリッジが装置本体に搭載されていないと判定された場合には、第2の記憶部から読み出された第2の情報が端末装置に送信される。これにより、ユーザは、カートリッジが装置本体に搭載されていないことを示す第2の情報を取得することができる。
【0019】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記第1の情報は、前記記録剤の残量を示す情報であるように構成してもよい。
【0020】
本態様によれば、第1の情報を、記録剤の残量を示す情報とすることができる。
【0021】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記記録剤はインクであり、前記カートリッジはインクカートリッジであるように構成してもよい。
【0022】
本態様によれば、カートリッジをインクカートリッジとすることができる。
【0023】
例えば、本発明の一態様に係る印刷装置において、前記記録剤はトナーであり、前記カートリッジはトナーカートリッジであるように構成してもよい。
【0024】
本態様によれば、カートリッジをトナーカートリッジとすることができる。
【0025】
また、本発明の一態様に係る電子機器は、物品が着脱自在に搭載される機器本体と、前記物品に関する物品情報を記憶する記憶部と、外部の端末装置からの電波を受信するアンテナ部と、前記アンテナ部で受信した電波によって電力を生起する電源部と、前記電源部により生起された電力が供給された際に、前記物品が前記機器本体に搭載されているか否かを判定し、その判定結果に対応する前記物品情報を前記記憶部から読み出す制御部と、前記アンテナ部を介して前記端末装置と近接無線通信する通信部であって、前記制御部により読み出された前記物品情報を前記端末装置に送信する通信部と、を備える。
【0026】
本態様によれば、制御部は、判定結果に対応するカートリッジ情報を記憶部から読み出し、通信部は、制御部により読み出されたカートリッジ情報を端末装置に送信する。これにより、ユーザは、カートリッジが機器本体に搭載されているか否かに応じて適切なカートリッジ情報を取得することができる。
【0027】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える印刷装置(電子機器)として実現することができるだけでなく、印刷装置(電子機器)に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする通信方法として実現することができる。また、印刷装置(電子機器)に含まれる特徴的な処理部としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは通信方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様に係る印刷装置等によれば、ユーザがカートリッジ(物品)に関する情報を適切に取得することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0031】
(実施の形態1)
[1−1.印刷装置の全体構成]
まず、
図1を参照しながら、実施の形態1に係る印刷装置2の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る印刷装置2の外観を示す斜視図である。
【0032】
実施の形態1に係る印刷装置2(電子機器の一例)は、例えばインク(記録剤の一例)を用いて用紙(図示せず)に画像を印刷するインクジェットプリンタである。
図1に示すように、印刷装置2は、筐体4を有する装置本体5(機器本体の一例)を備えている。筐体4の背面には、印刷すべき用紙を筐体4の内部に供給するための供給口6が設けられている。供給口6には、印刷すべき用紙を後方より支持するための供給トレイ8が取り付けられている。筐体4の前面には、印刷された用紙を筐体4の外部に排出するための排出口10が設けられている。排出口10には、印刷された用紙を下方より支持するための排出トレイ12が開閉自在に取り付けられている。
【0033】
筐体4の上面には、印刷装置2とユーザとの間のユーザインタフェースである操作パネル14が設けられている。操作パネル14には、操作部16、表示部18及びNFCユニット20が配置されている。操作部16は、ユーザによる印刷装置2に対する各種操作(例えば、主電源のオン・オフ又は印刷の開始等)を受け付けるための押しボタンである。表示部18は、印刷装置2の状態に関する各種メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイである。NFCユニット20は、印刷装置2と外部の端末装置22(例えば、スマートフォン)との間で近接無線通信を確立するためのユニットである。なお、近接無線通信とは、例えばNFC規格に従った通信方式による通信である。端末装置22をNFCユニット20にかざすことにより、印刷装置2と端末装置22との間で近接無線通信が確立する。
【0034】
装置本体5は、さらに、筐体4の内部に配置され且つ所定方向に往復移動するキャリッジ24を有している。キャリッジ24には、インクカートリッジ26(カートリッジ及び物品の一例)が着脱自在に搭載されている。インクカートリッジ26には、例えば、ブラック(B)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びシアン(C)の各色のインクが充填されている。キャリッジ24の下端部には、インクカートリッジ26から供給されるインクを吐出するための記録ヘッド(図示せず)が設けられている。
【0035】
印刷装置2で用紙に画像を印刷する際には、用紙は、キャリッジ24が往復移動する方向に略垂直な方向に搬送される。この状態で、記録ヘッドから用紙に向けてインクが吐出されることにより、用紙に画像が印刷される。
【0036】
[1−2.印刷装置の機能構成]
次に、
図2を参照しながら、実施の形態1に係る印刷装置2の機能構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係る印刷装置2の機能構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、印刷装置2は、アンテナ部28、通信部30、電源部32、記憶部34及び制御部36を有している。なお、アンテナ部28、通信部30及び電源部32は、上述したNFCユニット20を構成する。
【0038】
アンテナ部28は、端末装置22と近接無線通信するためのアンテナであり、端末装置22との間で電波を送受信する。
【0039】
通信部30は、アンテナ部28を介して端末装置22との間で近接無線通信を行う。ユーザが端末装置22をNFCユニット20にかざした状態で、通信部30に設けられたICタグ(図示せず)が端末装置22からのポーリングを受信することにより、印刷装置2と端末装置22との間で近接無線通信が確立する。通信部30は、近接無線通信が確立した時点で、端末装置22との間で情報(データ)の送受信を行う。
【0040】
なお、実施の形態1では、端末装置22側にリーダライタ機能が実装され、印刷装置2側にICタグ機能が実装される場合について説明するが、これとは反対に、端末装置22側にICタグ機能が実装され、印刷装置2側にリーダライタ機能が実装されていてもよい。
【0041】
電源部32は、アンテナ部28で受信した電波に基づいて、電磁誘導によって電力を生起する。電源部32は、端末装置22からの電波をアンテナ部28で受信している間、通信部30、記憶部34及び制御部36にそれぞれ生起した電力を供給する。これにより、印刷装置2の主電源がオフである場合であっても、通信部30、記憶部34及び制御部36の各々が動作可能となるので、印刷装置2と端末装置22との間で近接無線通信を行うことができる。
【0042】
記憶部34は、互いに異なる領域である第1の記憶領域34a及び第2の記憶領域34bを有する不揮発性メモリである。第1の記憶領域34aは、インクカートリッジ26の状態に関する第1の情報(カートリッジ情報及び物品情報の一例)を記憶する。第1の情報は、例えばインクカートリッジ26に充填された各色のインク残量を示す情報である。第2の記憶領域34bは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないことを示す第2の情報(カートリッジ情報及び物品情報の一例)を記憶する。
【0043】
制御部36は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。制御部36は、印刷装置2の主電源がオンである場合に、インクカートリッジ26からの検出信号に基づいて、第1の情報を第1の記憶領域34aに記憶させる。具体的には、制御部36は、インクカートリッジ26に充填された各色のインク残量を所定時間毎に検出し、検出したインク残量が変化(減少)した際に、第1の記憶領域34aに記憶されている第1の情報を更新する。これにより、第1の記憶領域34aには、現在キャリッジ24に搭載されているインクカートリッジ26の各色のインク残量を示す第1の情報が記憶されるようになる。
【0044】
さらに、制御部36は、回路38の接続状態に基づいて、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されているか否かを判定する。この回路38は、電源部32により生起された電力を、制御部36の出力ポート40からキャリッジ24に搭載されたインクカートリッジ26を介して制御部36の入力ポート42にループバックする閉回路である。インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されている場合には、回路38が接続状態となるので、入力ポート42における電圧値は出力ポート40における電圧値とほぼ等しくなる。一方、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていない場合には、回路38が遮断状態となるので、入力ポート42における電圧値はほぼ0Vとなる。
【0045】
したがって、制御部36は、入力ポート42における電圧値が所定の閾値(0Vよりも大きく且つ出力ポート40における電圧値よりも小さい電圧値)以上である場合には、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていると判定する。一方、制御部36は、入力ポート42における電圧値が所定の閾値未満である場合には、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判定する。
【0046】
さらに、制御部36は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていると判定した場合には、第1の記憶領域34aから第1の情報を読み出す。一方、制御部36は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には、第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出す。
【0047】
[1−3.印刷装置の動作]
次に、
図3〜
図4Bを参照しながら、実施の形態1に係る印刷装置2の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係る印刷装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
図4Aは、端末装置22における第1の情報の表示例を示す図である。
図4Bは、端末装置22における第2の情報の表示例を示す図である。
【0048】
図3に示すように、ユーザが操作パネル14の操作部16を操作することにより、印刷装置2の主電源がオンする(S1)。印刷装置2の主電源がオンの状態で、制御部36は、第1の情報を第1の記憶領域34aに記憶させる(S2)。なお、第2の記憶領域34bには、第2の情報が予め記憶されている。その後、ユーザが操作パネル14の操作部16を再度操作することにより、印刷装置2の主電源がオフする(S3でYES)。なお、印刷装置2の主電源がオフしない場合には(S3でNO)、上述したステップS2が繰り返し実行される。
【0049】
印刷装置2の主電源がオフした後に(S3でYES)、ユーザは、インクカートリッジ26に関する情報を知りたいと思った場合には、端末装置22にインストールされている所定のアプリケーションを起動させる。その後、印刷装置2の主電源がオフの状態で、ユーザが端末装置22を印刷装置2のNFCユニット20にかざすことにより、通信部30に設けられたICタグが端末装置22からのポーリングを受信する(S4)。これにより、印刷装置2と端末装置22との間で近接無線通信が確立する。このとき、電源部32は、アンテナ部28で受信した電波に基づいて、電磁誘導によって電力を生起し、通信部30、記憶部34及び制御部36にそれぞれ生起した電力を供給する(S5)。
【0050】
制御部36は、回路38の接続状態に基づいて、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されているか否かを判定する(S6)。制御部36は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていると判定した場合には(S6でYES)、第1の記憶領域34aから第1の情報を読み出す(S7)。その後、通信部30は、制御部36により読み出された第1の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S8)。これにより、
図4Aに示すように、端末装置22が第1の情報を解析することによって、第1の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。なお、
図4Aに示す例では、端末装置22の表示画面44には、ブラック(B)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びシアン(C)の各色のインク残量を表す数値(パーセント表示)が第1の情報として表示される。
【0051】
一方、ステップS6において、制御部36は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には(S6でNO)、第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出す(S9)。その後、通信部30は、制御部36により読み出された第2の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S10)。これにより、
図4Bに示すように、端末装置22が第2の情報を解析することによって、第2の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。なお、
図4Bに示す例では、端末装置22の表示画面44には、「インクカートリッジがありません」というメッセージが第2の情報として表示される。
【0052】
[1−4.効果]
次に、実施の形態1に係る印刷装置2により得られる効果について説明する。上述したように、制御部36は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されているか否かを判定し、その判定結果に対応するカートリッジ情報を記憶部34から読み出す。
【0053】
インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されている場合には、第1の記憶領域34aから読み出された第1の情報が端末装置22に送信される。その結果、ユーザは、現在キャリッジ24に搭載されているインクカートリッジ26の各色のインク残量を示す第1の情報を端末装置22により取得することができる。
【0054】
一方、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていない場合には、第2の記憶領域34bから読み出された第2の情報が端末装置22に送信される。その結果、例えば印刷装置2の主電源がオフの状態でインクカートリッジ26が取り外された場合であっても、ユーザは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないことを示す第2の情報を端末装置22により取得することができる。
【0055】
したがって、ユーザは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されているか否かに応じて、インクカートリッジ26に関する情報を適切に取得することができる。
【0056】
(実施の形態2)
[2−1.印刷装置の機能構成]
次に、
図5を参照しながら、実施の形態2に係る印刷装置2Aの機能構成について説明する。
図5は、実施の形態2に係る印刷装置2Aの機能構成を示すブロック図である。なお、以下に示す各実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図5に示すように、実施の形態2に係る印刷装置2Aでは、通信部30A、記憶部34A及び制御部36Aの各構成が上記実施の形態1と異なっている。
【0058】
記憶部34Aは、第1の記憶領域34a及び第2の記憶領域34bに加えて、第3の記憶領域34cを有している。第3の記憶領域34cは、インクカートリッジ26に固有の情報である第3の情報(カートリッジ情報及び物品情報の一例)を記憶する。第3の情報は、例えばインクカートリッジ26の型番を示す情報である。
【0059】
制御部36Aは、インクカートリッジ26がキャリッジ24(
図1参照)に搭載されていると判定した場合には、第1の記憶領域34aから第1の情報を読み出し、且つ、第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す。この場合、通信部30Aは、制御部36Aにより読み出された第1の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する。
【0060】
一方、制御部36Aは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には、第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出し、且つ、第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す。この場合、通信部30Aは、制御部36Aにより読み出された第2の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する。
【0061】
[2−2.印刷装置の動作]
次に、
図6及び
図7を参照しながら、実施の形態2に係る印刷装置2Aの動作について説明する。
図6は、実施の形態2に係る印刷装置2Aの動作の流れを示すフローチャートである。
図7は、端末装置22における第3の情報の表示例を示す図である。
【0062】
図6に示すように、上記実施の形態1で説明したステップS1〜S6と同様に、ステップS21〜S26が実行される。ステップS26において、制御部36Aは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていると判定した場合には(S26でYES)、第1の記憶領域34aから第1の情報を読み出し、且つ、第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す(S27)。その後、通信部30Aは、制御部36Aにより読み出された第1の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S28)。これにより、実施の形態1で説明した
図4Aに示すように、第1の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。ここで、ユーザが端末装置22を操作することにより、
図4Aに示す画面から
図7に示す画面に遷移し、第3の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。なお、
図7に示す例では、端末装置22の表示画面44には、インクカートリッジ26の型番「CB−20」が第3の情報として表示される。
【0063】
一方、ステップS26において、制御部36Aは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には(S26でNO)、第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出し、且つ、第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す(S29)。その後、通信部30Aは、制御部36Aにより読み出された第2の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S30)。これにより、実施の形態1で説明した
図4Bに示すように、第2の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。ここで、上述と同様に、ユーザが端末装置22を操作することにより、
図4Bに示す画面から
図7に示す画面に遷移し、第3の情報が端末装置22の表示画面44に表示される。
【0064】
なお、実施の形態2では、ステップS30において、第2の情報及び第3の情報が端末装置22に送信されるようにしたが、例えば第3の情報のみが端末装置22に送信されるようにしてもよい。この場合、端末装置22は、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないと判断し、例えば
図4Bに示すように、端末装置22の表示画面44に「インクカートリッジがありません」というメッセージを表示させる。
【0065】
[2−3.効果]
次に、実施の形態2に係る印刷装置2Aにより得られる効果について説明する。上述したように、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されている場合には、第1の記憶領域34aから読み出された第1の情報と第3の記憶領域34cから読み出された第3の情報とが端末装置22に送信される。その結果、ユーザは、現在キャリッジ24に搭載されているインクカートリッジ26の各色のインク残量を示す第1の情報と、インクカートリッジ26の型番を示す第3の情報とを端末装置22により取得することができる。
【0066】
一方、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていない場合には、第2の記憶領域34bから読み出された第2の情報と第3の記憶領域34cから読み出された第3の情報とが端末装置22に送信される。その結果、ユーザは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されていないことを示す第2の情報と、インクカートリッジ26の型番を示す第3の情報とを端末装置22により取得することができる。
【0067】
したがって、上記実施の形態1と同様に、ユーザは、インクカートリッジ26がキャリッジ24に搭載されているか否かに応じて、インクカートリッジ26に関する情報を適切に取得することができる。
【0068】
(実施の形態3)
[3−1.印刷装置の機能構成]
次に、
図8を参照しながら、実施の形態3に係る印刷装置2Bの機能構成について説明する。
図8は、実施の形態3に係る印刷装置2Bの機能構成を示すブロック図である。
【0069】
図8に示すように、実施の形態3に係る印刷装置2Bでは、通信部30B、電源部32B、インクカートリッジ26B、第1の記憶部46(記憶部の一例)、第2の記憶部34B(記憶部の一例)及び制御部36Bの各構成が上記実施の形態1と異なっている。
【0070】
電源部32Bは、端末装置22からの電波をアンテナ部28で受信している間、通信部30B、第1の記憶部46、第2の記憶部34B及び制御部36Bにそれぞれ生起した電力を供給する。
【0071】
インクカートリッジ26Bは、第1の記憶部46を有している。第1の記憶部46は、第1の情報を記憶する不揮発性メモリである。
【0072】
第2の記憶部34Bは、第2の記憶領域34b及び第3の記憶領域34cを有している。第2の記憶領域34bは第2の情報を記憶し、第3の記憶領域34cは第3の情報を記憶する。
【0073】
制御部36Bは、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24(
図1参照)に搭載されていると判定した場合には、第1の記憶部46から第1の情報を読み出し、且つ、第2の記憶部34Bの第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す。この場合、通信部30Bは、制御部36Bにより読み出された第1の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する。
【0074】
一方、制御部36Bは、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には、第2の記憶部34Bの第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出し、且つ、第2の記憶部34Bの第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す。この場合、通信部30Bは、制御部36Bにより読み出された第2の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する。
【0075】
[3−2.印刷装置の動作]
次に、
図9を参照しながら、実施の形態3に係る印刷装置2Bの動作について説明する。
図9は、実施の形態3に係る印刷装置2Bの動作の流れを示すフローチャートである。
【0076】
図9に示すように、上記実施の形態1で説明したステップS1と同様に、ステップS41が実行される。その後、印刷装置2Bの主電源がオンの状態で、制御部36Bは、第1の情報を第1の記憶部46に記憶させる(S42)。その後、上記実施の形態1で説明したステップS3〜S6と同様に、ステップS43〜S46が実行される。
【0077】
ステップS46において、制御部36Bは、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されていると判定した場合には(S46でYES)、第1の記憶部46から第1の情報を読み出し、且つ、第2の記憶部34Bの第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す(S47)。その後、通信部30Bは、制御部36Bにより読み出された第1の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S48)。
【0078】
一方、制御部36Bは、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されていないと判定した場合には(S46でNO)、第2の記憶部34Bの第2の記憶領域34bから第2の情報を読み出し、且つ、第2の記憶部34Bの第3の記憶領域34cから第3の情報を読み出す(S49)。その後、通信部30Bは、制御部36Bにより読み出された第2の情報及び第3の情報を、アンテナ部28を介して端末装置22に送信する(S50)。
【0079】
なお、実施の形態3では、制御部36Bは、回路38の接続状態に基づいて、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されているか否かを判定したが、これに限定されない。例えば、制御部36Bは、第1の記憶部46からの第1の情報の読み出しに成功した場合に、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されていると判定し、第1の記憶部46からの第1の情報の読み出しに失敗した場合に、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されていないと判定してもよい。
【0080】
[3−3.効果]
実施の形態3に係る印刷装置2Bでは、上記実施の形態1と同様に、ユーザは、インクカートリッジ26Bがキャリッジ24に搭載されているか否かに応じて、インクカートリッジ26Bに関する情報を適切に取得することができる。
【0081】
(変形例)
以上、本発明の実施の形態1〜3に係る印刷装置について説明したが、本発明は、これらの実施の形態1〜3に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態1〜3を適宜組み合わせてもよい。
【0082】
例えば、上記各実施の形態では、印刷装置2(2A,2B)がインクジェットプリンタである場合について説明したが、これに限定されず、例えばレーザプリンタ等であってもよい。なお、印刷装置2(2A,2B)がレーザプリンタである場合には、トナー(記録剤の一例)が充填されたトナーカートリッジ(カートリッジ及び物品の一例)が装置本体5に着脱自在に搭載される。
【0083】
例えば、上記各実施の形態では、電子機器が印刷装置2(2A,2B)である場合について説明したが、これに限定されず、例えば光ディスクプレーヤ等の再生装置及びファクシミリ装置等でもよい。なお、電子機器が再生装置である場合には、光ディスク(物品の一例)が装置本体に着脱自在に搭載される。また、電子機器がファクシミリ装置である場合には、インクリボン(物品の一例)が装置本体に着脱自在に搭載される。
【0084】
例えば、上記各実施の形態では、1個のインクカートリッジ26が装置本体5に着脱自在に搭載される場合について説明したが、これに限定されず、例えばブラックのインクが充填されたモノクロカートリッジとカラーのインクが充填されたカラーカートリッジとが装置本体5に着脱自在に搭載されるようにしてもよい。
【0085】
例えば、上記各実施の形態では、近接無線通信がNFC規格に従った通信方式による通信である場合について説明したが、これに限定されず、例えばRFID(Radio Frequency Identification)タグよる通信方式による通信であってもよい。
【0086】
例えば、上記各実施の形態では、端末装置22がスマートフォンである場合について説明したが、これに限定されず、例えばタブレット端末等であってもよい。
【0087】
例えば、上記各実施の形態では、第2の情報が不揮発性メモリで構成された記憶部34(34A)又は第2の記憶部34Bに記憶される場合について説明したが、これに限定されず、第2の情報は、例えば装置本体5に設けられたROM(Read Only Memory)(記憶部の一例)に記憶されていてもよい。なお、このROMには制御プログラムが格納されており、制御部36(36A,36B)が動作する際にこの制御プログラムが読み出される。
【0088】
例えば、上記各実施の形態では、印刷装置2(2A,2B)の主電源がオフの状態で、印刷装置2(2A,2B)と端末装置22とが近接無線通信する場合について説明したが、これに限定されず、印刷装置2(2A,2B)の主電源がオンの状態で、印刷装置2(2A,2B)と端末装置22とが近接無線通信するようにしてもよい。
【0089】
(他の変形例)
また、上記の印刷装置(電子機器)は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、印刷装置(電子機器)は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0090】
さらに、上記の印刷装置(電子機器)を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、例えば、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムを含む。この場合、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0091】
さらにまた、上記の印刷装置(電子機器)を構成する構成要素の一部または全部は、印刷装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0092】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0093】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0094】
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0095】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0096】
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。