【解決手段】受け板56が移動ホッパー31と固定ホッパー21との間に進入した後、開閉底板36が開き、補充スタック4が受け板56に落下する。その後、受け板61が固定ホッパー21の内側に進入するとともに、受け板56が受け板61の上にまで下降する。その後、受け板51が固定ホッパー21の外側に後退すると、補充スタック4が受け板51から受け板61に落下する。その後、受け板61が上側シャッター22の先端部の位置以下にまで下降する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
1. 供給装置及びコンベアの概要
図1は、供給装置1及びコンベア10の側面図である。
図2は、
図1に示されたII−II線の矢視平面図である。
図3は、
図2に示されたIII−III線の矢視断面図である。
図4は、供給装置1及びコンベア10の制御構成を示したブロック図である。なお、各図には、方向を表す補助線としてX軸、Y軸及びZ軸が図示されているが、これらX軸、Y軸及びZ軸は互いに直交し、X軸方向及びY軸方向は水平な方向であり、Z軸方向は鉛直な方向である。
【0012】
この供給装置1は、物品2を順次コンベア10に供給する装置である。つまり、供給装置1は、複数の物品2が積み重ねられてなる物品スタック3から最下段の物品2を1体ずつ分離して、コンベア2に落下させる装置である。ここで、物品2は薄板状又はシート状のものであり、より具体的にはブリスタ包装体(PTP包装体)又はストリップ包装体である。
【0013】
コンベア10は、供給装置1によって供給された物品2を水平方向(特に、X軸方向)に搬送する装置である。コンベア10は、搬送台11、従動プーリー12、駆動プーリー(図示略)、エンドレスベルト13、複数の押送フィンガー14及びモーター(図示略)等を備える。搬送台11が物品スタック3の下方に配置されており、搬送台11の上面が水平に設けられている。従動プーリー12及び駆動プーリーは搬送台11の下方に配置され、駆動プーリーは従動プーリー12の下流側に配置されている。エンドレスベルト13は、駆動プーリー及び従動プーリー12に掛け渡されている。押送フィンガー14は、エンドレスベルト13に所定ピッチで取り付けられている。駆動モーターによって駆動スプロケットが駆動されて、エンドレスベルト13が周回することによって、搬送台11上の物品2がその上流側から押送フィンガー14によって下流側へ押される。これにより、搬送台11に落下した物品2が搬送台11上を下流側へ搬送される。
【0014】
この供給装置1は、供給装置1の各部の動力源を制御する制御部100を有する。制御部100は、例えばプログラマルロジックコントローラ(PLC)等を有する制御回路によって構成される。
【0015】
2. 物品の一体ずつの供給について
上述のように、物品スタック3の物品2が下から順に一体ずつ下方のコンベア10に供給されるが、
図5及び
図6を参照して、物品2を一体ずつ落下させる物品供給機構について具体的に説明する。
【0016】
この物品供給機構は、搬送台11の上流側部位の上に設けられた固定ホッパー21と、固定ホッパー21の下端開口を開閉する複数の上側シャッター22と、上側シャッター22よりも下側において固定ホッパー21の下端開口を開閉する複数の下側シャッター23と、上側シャッター22と下側シャッター23を連動させて開閉させる連動駆動機構(第一駆動機構)24と、を備える。
【0017】
固定ホッパー21は、上から見て四つのL字型部材21aが水平方向に互いに離間した状態で矩形状の四つ角の位置に配設されることによって略角筒状に組み立てられてなるものである。固定ホッパー21の上端と下端は開口している。この固定ホッパー21内には物品2が段積みされた状態で収容され、固定ホッパー21の内側の物品スタック3の水平方向の動きが固定ホッパー21によって拘束され、その物品スタック3が固定ホッパー21によって上下方向に案内される。なお、物品スタック3は固定ホッパー21の上端よりも高く積み重ねられた状態となることもあるが、これについては後に詳細に説明する。
【0018】
上側シャッター22は、固定ホッパー21の両側に対になって設置されている。そして、上側シャッター22は、固定ホッパー21の両側の回転軸22aから垂下して固定ホッパー21の下端開口に向かって湾曲しており、その回転軸22aを中心にして揺動可能に設けられている。対の上側シャッター22が互いに近づくように揺動することによって、固定ホッパー21の下端開口が上側シャッター22によって閉じられ、対の上側シャッター22が互いに離れるように揺動することによって、固定ホッパー21の下端開口が開かれる。
【0019】
下側シャッター23は、固定ホッパー21の両側に対になって設置されている。そして、下側シャッター23は、固定ホッパー21の両側の回転軸23aから垂下して固定ホッパー21の下端開口に向かって湾曲しており、その回転軸23aを中心にして揺動可能に設けられている。対の下側シャッター23が互いに近づくように揺動することによって、固定ホッパー21の下端開口が下側シャッター23によって閉じられ、対の下側シャッター23が互いに離れるように揺動することによって、固定ホッパー21の下端開口が開かれる。なお、対の下側シャッター23が閉じる位置は、対の上側シャッター22が閉じられる位置よりも物品2の一段分だけ下である。
【0020】
連動駆動機構24は、カム機構及びリンク機構等の連動型伝動機構24aと、モーター24bとを備える。モーター24bの動力が連動型伝動機構24aによって上側シャッター22及び下側シャッター23の開閉動作の動力として回転軸22a,23aに伝達され、これにより上側シャッター22及び下側シャッター23が繰り返し開閉動作をする。なお、回転軸22a,23aの延びる方向はX軸方向であり、上側シャッター22及び下側シャッター23はほぼY軸方向に開閉する。
【0021】
ここで、連動駆動機構24は、上側シャッター22と下側シャッター23を交互に開閉させる。つまり、連動駆動機構24が上側シャッター22を閉じた状態で連動駆動機構24が下側シャッター23を一旦開いて閉じた後に、連動駆動機構24が下側シャッター23を閉じた状態で連動駆動機構24が上側シャッター22を一旦開いて閉じる。このような動作が繰り返されることによって、固定ホッパー21の物品2が下から順に1体ずつ落下する。つまり、下側シャッター23が開く度に、最下段の物品2以外の物品スタック3が閉じた上側シャッター22に支持された状態で最下段の物品2が落下し、上側シャッター22が開く度に、物品スタック3が閉じた下側シャッター23に落下して支持される。
【0022】
連動駆動機構24(特にそのモーター24b)及びコンベア10(特にそのモーター)は制御部100によって同期制御される。具体的には、押送フィンガー14が固定ホッパー21の下方を下流側に通過した時から次に後続の押送フィンガー14が固定ホッパー21の下方に至る時までの間に、下側シャッター23が連動駆動機構24によって開かれるので、落下した物品2が後続の押送フィンガー14によって押送される。
【0023】
3. 固定ホッパーへの補充について
上述のように上側シャッター22及び下側シャッター23が繰り返し開閉動作をすることによって、物品スタック3の物品2の数が減少する。そこで、上側シャッター22及び下側シャッター23が繰り返し開閉動作を行っている最中に、物品スタック3の高さが所定高さ以下になったら、新たな物品スタックが補充機構によって物品スタック3の上に補充される。以下、物品スタック3の上に新たな物品スタックを補充する補充機構について説明する。
【0024】
図1〜
図4に示すように、補充機構は、水平な閉じた軌跡(例えば、円状軌跡、オーバル状軌跡)に沿って配列された複数の移動ホッパー31と、移動ホッパー31を閉じた軌跡に沿って周回移動させる周運動駆動機構(第二駆動機構)40と、移動ホッパー31の下端に設けられた両開き戸式(観音開き戸式)の左右一組の開閉底板(開閉底部)36と、開閉底板36を開放する開閉用駆動機構50と、受け板(先行受け部)56と、受け板56を水平方向(具体的には、Y軸方向)に移動させる進退用直動駆動機構(先行受け部用駆動機構)57と、受け板56を鉛直方向に移動させる昇降用直動駆動機構(先行受け部昇降用駆動機構)58と、を備える。
【0025】
移動ホッパー31は、上端及び下端が開口した角筒状に形成されているとともに、立てられた状態に設けられている。移動ホッパー31の上端及び下端は開口している。
図7及び
図8を参照して、移動ホッパー31について詳細に説明する。
図7は、固定ホッパー21の上に位置した移動ホッパー31の正面図であり、
図7は、その移動ホッパー31の平面図である。
【0026】
移動ホッパー31は、本体部32と、引き戸式の左右一組の開閉板33と、左右一組の弾性部材34とを有する。本体部32は上から見てコ字型(U字型)に形成されていて、その本体部32の前面が開口している。開閉板33は、本体部32の前面に沿って水平方向に移動可能となるように、本体部32の側板32aの前端部にそれぞれ取り付けられている。これら開閉板33は、互いに近づくことにより本体部32の前面開口を閉じ、互いに離間することにより本体部32の前面開口を開放する。本体部32の側板32aには、開閉板33を閉じる方向に付勢する弾性部材(例えば圧縮ばね)34が設けられ、弾性部材34の弾性力によって開閉板33が閉じられた状態に保持されている。
【0027】
本体部32の側板32aの下端部には、開閉底板36がヒンジ軸36aにより揺動可能に連結されている。これら開閉底板36は、振り上げられることにより本体部32の下端開口を閉じ、振り下げられることにより本体部32の下端開口を開放する。ヒンジ軸36aには、開閉底板36を振り上げる方向に付勢する弾性部材36b(例えば、トーションばね)が設けられ、弾性部材36bの弾性力によって開閉底板36が振り上げられた状態に保たれている。
【0028】
移動ホッパー31内には物品2が段積みされた状態で収容され(以下、移動ホッパー31内の物品2の積層体を補充スタック4という)、移動ホッパー31の内側の補充スタック4の水平方向の動きが移動ホッパー31によって拘束され、その補充スタック4が移動ホッパー31によって上下方向に案内される。また、開閉底板36により移動ホッパー31の下端開口が閉じられることによって、補充スタック4が開閉底板36に支持される。
【0029】
周運動駆動機構40は、モーター等の動力源を有し、その動力源により移動ホッパー31を閉軌跡に沿って周方向に移動させる。周運動駆動機構40による移動ホッパー31の閉軌跡は固定ホッパー21の上を通る。なお、周運動駆動機構40による移動ホッパー31の閉軌跡が円形状である場合の周運動駆動機構40の構成については後に詳述する。
【0030】
移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に至る前に、補充スタック4が移動ホッパー31に装填されるが、その装填は自動的であってもよいし、手作業であってもよい。補充スタック4が自動的に移動ホッパー31に装填されることについては後に詳述する(応用例参照)。
【0031】
この周運動駆動機構40(
図1及び
図4等参照)は、移動ホッパー31を間欠的に移動させる。具体的には、移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置する毎に、周運動駆動機構40が移動ホッパー31を一時的に停止させる。移動ホッパー31の一時停止後に移動ホッパー31の移動が再開されるタイミングは、上側シャッター22及び下側シャッター23の開閉動作の繰り返しによって物品スタック3の高さが所定高さ以下になったタイミングに同期する。
【0032】
図1、
図3及び
図7に示すように、固定ホッパー21の周辺には、一対の開閉用駆動機構50が設けられている。移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置した場合、開閉底板36に設けられたローラーフォロワ36cが開閉用駆動機構50の上に位置する。開閉用駆動機構50は、プランジャを昇降させるエアシリンダ又は電磁ソレノイドである。開閉用駆動機構50のプランジャによってローラーフォロワ36cが押し上げられることによって、開閉底板36が弾性部材36bの弾性力に抗して振り下げられ、移動ホッパー31の下端開口が開放される。
【0033】
図2及び
図3に示すように、固定ホッパー21の周辺には、受け板56、進退用直動駆動機構57及び昇降用直動駆動機構58が配置されている。昇降用直動駆動機構58は機枠に取り付けられ、進退用直動駆動機構57は昇降用直動駆動機構58に連結され、受け板56は進退用直動駆動機構57に連結されている。昇降用直動駆動機構58は、例えば、電磁ソレノイド、エアシリンダ又はリニアモーターであるか、又はモーターと直動伝動機構(例えば、ピニオンラック機構、ボールネジ伝動機構)の組み合わせである。進退用直動駆動機構57についても同様である。
【0034】
昇降用直動駆動機構58は、進退用直動駆動機構57と受け板56を一体的にZ軸方向に移動させる。昇降用直動駆動機構58による受け板56の可動範囲の最上位置は、固定ホッパー21の上に位置した移動ホッパー31の下端と固定ホッパー21の上端との間であり(
図3参照)、その可動範囲の最下位置は、固定ホッパー21の上下方向中央部である。なお、連動駆動機構24の連動型伝動機構24aが複雑な構成をしていてその部品も多数であるため、受け板56や昇降用直動駆動機構58の設置スペースを大きく確保することができず、受け板56の可動範囲の最下位置が固定ホッパー21の上下方向中央部となっている。
【0035】
進退用直動駆動機構57は、受け板56をY軸方向に移動させる。具体的には、進退用直動駆動機構57は、固定ホッパー21の内側の受け止め位置と固定ホッパー21の外側の退避位置(
図2、
図3、
図5及び
図6参照)との間で受け板56を進退させる。
【0036】
固定ホッパー21の周辺には、物品スタック4の高さを検出する光センサ27,28が上下方向に配列されるように設けられている。光センサ27は、固定ホッパー21の上部内の物品2の有無を検出するものであり、光センサ28は、固定ホッパー21の中央部内の物品2の有無を検出するものであり、光センサ27,28の投光器と受光器は固定ホッパー21のX軸方向両側にそれぞれ配置されており、光センサ27,28の投光・受光の向きはX軸方向又はそれに対して上下に対して傾斜した向きである。
【0037】
固定ホッパー21の上方には、光センサ29が設けられている。固定ホッパー21の上端から光センサ29までの距離が移動ホッパー31の上下長よりも長いので、移動ホッパー31が光センサ29と固定ホッパー21との間に進入する。光センサ29は反射型センサである。つまり、光センサ29は、下方に向けて光を投光し、下方の物品2による反射光の受光の有無によって固定ホッパー21の下部内の物品2の有無をするものである。なお、光センサ29によって投光される光の経路が受け止め位置に位置する受け板56を避けるように、光センサ29が設置されている。
【0038】
以下に、補充機構の補充動作について詳細に説明する。
補充機構の補充動作が行われる前には、何れかの移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置した状態で、周運動駆動機構40による移動ホッパー31の移動が一時的に停止されている。また、受け板56は、昇降用直動駆動機構58により最上位置に位置しているとともに、進退用直動駆動機構57により退避位置に位置している(
図5の実線参照)。また、開閉底板36は開閉用駆動機構50によって開かれた状態にあり、物品2は固定ホッパー21よりも高く移動ホッパー31内にも積み上げられている。補充機構がそのような状態である際に、上述のように連動駆動機構24により上側シャッター22及び下側シャッター23が繰り返し開閉動作をし、物品2が順次コンベア10に供給される。
【0039】
上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作の最中に、制御部100が光センサ27,28,29の出力信号を監視する。ここで、物品2が固定ホッパー21よりも高く積み上げられているので、光センサ27,28,29によって物品2が検出されている。
【0040】
(1)閉鎖工程
その後、物品スタック3の高さが低くなって、上側の光センサ27によって物品2が検出されなくなると、補充機構の補充動作が開始する。つまり、制御部100は、上側の光センサ27によって物品2が検出されなくなった旨の信号を入力すると、開閉用駆動機構50を作動させて開閉用駆動機構50のプランジャを下降させる。そうすると、開閉底板36により移動ホッパー31の下端開口が閉じられる。
なお、上側の光センサ27によって物品スタック3の物品2が検出されなくなった後も、シャッター22,23の開閉による物品2の供給が継続されるので、物品スタック3の高さが更に低くなり、下側の光センサ28によっても物品スタック3の物品2が検出されなくなる。
【0041】
(2)送り工程
閉鎖工程後(開閉底板36が閉じた後)、制御部100が周運動駆動機構40を作動させ、移動ホッパー31が周運動駆動機構40により周方向に移動する。そして、次の移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置したら、移動ホッパー31及び周運動駆動機構40が一時的に停止する。この次の移動ホッパー31内には物品2が積み重ねられて、補充スタック4が充填されている。
なお、この次の移動ホッパー31が空の場合もある。
【0042】
(3)進入工程
送り工程において移動ホッパー31の移動の際に、制御部100が進退用直動駆動機構57を作動させると、
図9に示すように、受け板56が進退用直動駆動機構57により退避位置から受け止め位置に移動する(矢印A参照)。受け板56が受け止め位置に位置しても、その受け板56が光センサ29によって検出されない。
なお、次の移動ホッパー31が空の場合でも、受け板56が矢印Aのように移動する。
【0043】
(4)開放工程
進入工程の後(移動ホッパー31の停止後且つ受け板56の受け止め位置での停止後)、制御部100が開閉用駆動機構50を作動させて、開閉用駆動機構50のプランジャを上昇させる(
図7参照)。そうすると、開閉底板36が振り下げられ、次の移動ホッパー31の下端開口が開放される。これにより、次の移動ホッパー31内の補充スタック4が落下により受け板56に移載される。
なお、次の移動ホッパー31が空の場合でも、開閉底板36が開かれる。
【0044】
(5)下降工程
開放工程の後(開閉底板36が開いた後)、制御部100が昇降用直動駆動機構58を作動させると、
図10に示すように、受け板56が昇降用直動駆動機構58により最上位置から最下位置に下降される(矢印B参照)。それに伴い、補充スタック4が受け板56に積載された状態で下降される。次の移動ホッパー31から補充スタック4が下降される際に、その補充スタック4の物品2が光センサ27によって検出され、これにより連動駆動機構24による上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作が継続される。
なお、次の移動ホッパー31が空の場合でも、受け板56が矢印Bのように下降されるが、光センサ27によって物品が検出されることはない。ここで、次の移動ホッパー31が空であるために、下側の光センサ28によって物品スタック3の物品2が検出されなくなったタイミングから所定時間経過するまでの間に、上側の光センサ27によって補充スタック4の物品2が検出されなかった場合には、制御部100が連動駆動機構24を停止させるので、上側シャッター22及び下側シャッター23が閉じた状態で停止する。
【0045】
(6)後退工程
下降工程の後(受け板56が最下位置に下降した後)、制御部100が進退用直動駆動機構57を作動させると、
図11に示すように、受け板56が進退用直動駆動機構57により退避位置に後退する(矢印C参照)。そうすると、受け板56に載置されていた補充スタック4は落下して、物品スタック3の最上段の物品2上に移載される。前述したように受け板56の後退前に補充スタック4が受け板56により下から支持された状態で下降されたので、補充スタック4の落下距離が短い。そのため、補充スタック4の物品2が安定した水平な姿勢で落下する。
なお、次の移動ホッパー31が空の場合でも、受け板56が矢印Cのように後退するが、その後、制御部100が図示しない押え装置を制御して、物品スタック3がその上から押え装置によって下方へ軽く押さえられる。
【0046】
(7)上昇工程
後退工程の後(受け板56が退避位置に後退した後)、制御部100が昇降用直動駆動機構58を作動させると、受け板56が昇降用直動駆動機構58により最下位置から最下位置に上昇される。これにより、補充機構は補充動作前の状態に戻る。これにより、補充機構の補充動作が終了する。
なお、次の移動ホッパー31が空の場合でも、受け板56が昇降用直動駆動機構58により最下位置から最下位置に上昇され、補充機構の補充動作が終了する。
【0047】
(8)上昇工程後について(但し、次の移動ホッパー31内に補充スタック4がある場合)
上昇工程の後(補充動作終了後)も、上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作が継続される。更に、上側の光センサ27によって物品2が検出されなくなる度に、補充機構の補充動作が行われる。よって、上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作の最中に、補充機構の補充動作が間欠的に繰り返し行われる。
【0048】
(9)上昇工程後について(但し、次の移動ホッパー31が空の場合)
上昇工程の後、制御部100が連動駆動機構24を再作動させるので、物品スタック3が押え装置によって押さえられた状態で、シャッター22,23の開閉による物品スタック3の物品2の供給が再開される。押え装置によって物品スタック3が押さえられるので、物品スタック3の重量が軽くても、物品スタック3の暴れが抑制される。
その後、固定ホッパー21内の物品スタック3の全ての物品2が供給されると、光センサ29によって物品2が検出されなくなるので、その旨の信号を入力した制御部100が連動駆動機構24を停止させるので、シャッター22,23が閉じた状態で停止する。その後、後述の充填機構によって補充スタック4が固定ホッパー21に充填される。
【0049】
4. 固定ホッパーへの初期充填について
ところで、物品供給機構による物品2の供給開始前等は、固定ホッパー21内に物品2が全く残留していない。そのような場合、充填機構によって補充スタック4が固定ホッパー21に充填される。また、上述のような補充動作の際に、固定ホッパー21の上に移動してきた次の移動ホッパー31が空の場合でも、更に後続の移動ホッパー31内の補充スタック4が充填機構によって固定ホッパー21に充填される。以下、
図2〜
図6を参照して、充填機構について詳細に説明する。
【0050】
充填機構は、上述の補充機構と、第二受け板61と、第二受け板61を水平方向(具体的には、X軸方向)に移動させる第二進退用直動駆動機構(進退用駆動機構)62と、第二受け板61を鉛直方向に移動させる第二昇降用直動駆動機構(昇降用駆動機構)63と、第二進退用直動駆動機構62の移動方向に対して直交する水平方向(具体的には、Y軸方向)に受け板61を移動させる第三進退用直動駆動機構64と、を備える。
【0051】
第二受け板61、第二進退用直動駆動機構62、第二昇降用直動駆動機構63及び第三進退用直動駆動機構64は固定ホッパー21の周辺に配置されている。第三進退用直動駆動機構64は機枠に取り付けられ、第二昇降用直動駆動機構63は第三進退用直動駆動機構64に連結され、第二進退用直動駆動機構62は第二昇降用直動駆動機構63に連結され、受け板61は第二進退用直動駆動機構62に連結されている。
【0052】
受け板61の先端部の幅(Y軸方向の長さ)は、閉じた上側シャッター22の先端部同士の間隔よりも短いうえ、閉じた下側シャッター23の先端部同士の間隔よりも短い。
【0053】
第三進退用直動駆動機構64は、第二受け板61、第二進退用直動駆動機構62及び第二昇降用直動駆動機構63を一体的にY軸方向に移動させる。具体的には、第三進退用直動駆動機構64は、上から見て第二受け板61がコンベア10に重なる進入位置と、上から見て第二受け板61がコンベア10からY軸方向に外れた後退位置との間で第二受け板61を進退させる。
【0054】
第二昇降用直動駆動機構63は、第二受け板(受け部)61及び第二進退用直動駆動機構62を一体的にY軸方向に移動させる。第二昇降用直動駆動機構63による第二受け板61の可動範囲の最上位置(以下、第二最上位置という)は、固定ホッパー21の上下方向中央部であり、その可動範囲の最下位置(以下、第二最下位置という)は、固定ホッパー21の下端部である。ここで、第二最上位置は最下位置よりも僅かに下方であり、第二最下位置は閉じた状態の上側シャッター22の先端部の位置以下である。
【0055】
第二進退用直動駆動機構62は、第二受け板61をX軸方向に移動させる。具体的には、第二進退用直動駆動機構62は、固定ホッパー21の内側の第二受け止め位置と固定ホッパー21の外側の第二退避位置との間で第二受け板61を進退させる。
【0056】
以下に、充填機構の充填動作について詳細に説明する。
充填機構の充填動作が行われる前には、制御部100が周運動駆動機構40、進退用直動駆動機構57、開閉用駆動機構50、第二進退用直動駆動機構62、第二昇降用直動駆動機構63、第三進退用直動駆動機構64、連動駆動機構24及びコンベア10を制御することによって、充填機構及び物品供給機構が初期状態になる。充填機構及び物品供給機構の初期状態は次の通りである。
【0057】
何れかの移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置した状態で、周運動駆動機構40による移動ホッパー31の移動が停止されている。受け板56は、昇降用直動駆動機構58により最上位置に位置しているとともに、進退用直動駆動機構57により退避位置に位置している(
図5の実線及び
図6参照)。第二受け板61は、第二昇降用直動駆動機構63により第二最上位置に位置しているとともに、第二進退用直動駆動機構62により第二退避位置に位置し、更に第三進退用直動駆動機構64により後退位置に位置している(
図5の及び
図6参照)。また、開閉底板36は開閉用駆動機構50のプランジャが下方に引き込んだ状態にあり、移動ホッパー31の下端開口が開閉底板36によって閉じられた状態にある。また、固定ホッパー21及びその上の移動ホッパー31は空であるが、固定ホッパー21の上よりも上流側にある移動ホッパー31には物品2の補充スタック3が充填されている。また、連動駆動機構24及びコンベア10が停止されており、上側シャッター22及び下側シャッター23が閉じた状態となっている。
【0058】
以上のような初期状態から充填機構の充填動作が開始される。
まず、光センサ29によって物品2が検出されていないので、制御部100が周運動駆動機構40を作動させ、移動ホッパー31が周運動駆動機構40により周方向に移動する。そして、物品2が積み重ねられた移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置したら、制御部100が周運動駆動機構40に停止させる。
【0059】
移動ホッパー31の移動の際に、制御部100が進退用直動駆動機構57を作動させると、
図12に示すように、受け板56が進退用直動駆動機構57により退避位置から受け止め位置に移動する(矢印D参照)。その後、制御部100が開閉用駆動機構50を作動させて、開閉用駆動機構50のプランジャを上昇させる。そうすると、開閉底板36が振り下げられ、移動ホッパー31の下端開口が開放される。これにより、移動ホッパー31内の補充スタック4が落下により受け板56に移載される。
【0060】
続いて、制御部100が昇降用直動駆動機構58を作動させると、
図13に示すように、受け板56が昇降用直動駆動機構58により最上位置から最下位置に下降される(矢印E参照)。それに伴い、補充スタック4が受け板56に積載された状態で下降される。
【0061】
受け板56の下降の際に、制御部100が第三進退用直動駆動機構64を作動させると、第二受け板61が第三進退用直動駆動機構64により後退位置から進入位置に移動する(
図13の矢印F参照)。その後、制御部100が第二進退用直動駆動機構62を作動させると、第二受け板61が第二進退用直動駆動機構62により第二退避位置から第二受け止め位置に進出する(
図13の手前向き記号G参照)。なお、手前向き記号Gは紙面の手前側に向かう向きを表す。
【0062】
受け板56が最下位置に到達し、且つ第二受け板61が第二受け位置に到達したら、制御部100が進退用直動駆動機構57を作動させる。そうすると、
図14に示すように、受け板56が進退用直動駆動機構57により退避位置に後退する(矢印H参照)。これにより、受け板56に載置されていた補充スタック4が落下して、第二受け板61上に移載される。第二受け板61が受け板56の下の近傍に位置しているので、補充スタック4の落下距離が短く、補充スタック4の物品2が安定した水平な姿勢で第二受け板61に着地する。
【0063】
続いて、制御部100が第二昇降用直動駆動機構63を作動させると、
図15に示すように、第二受け板61が第二昇降用直動駆動機構63により第二最上位置から第二最下位置に下降される(矢印J参照)。それに伴い、補充スタック4が第二受け板61に積載された状態で下降される。そして、第二受け板61が上側シャッター22の先端部の位置以下に到達すると、補充スタック4が第二受け板61から上側シャッター22に移載される。
【0064】
第二受け板61の下降の際に、制御部100が昇降用直動駆動機構58を作動させると、
図15に示すように、受け板56が昇降用直動駆動機構58により最下位置から最上位置に上昇される(矢印K参照)。
【0065】
続いて、制御部100が第二進退用直動駆動機構62を作動させると、
図16に示すように、第二受け板61が第二進退用直動駆動機構62により第二受け止め位置から第二退避位置に移動する(奥向き記号L参照)。なお、奥向き記号Lは紙面の奥側に向かう向きを表す。
【0066】
続いて、制御部100が第二昇降用直動駆動機構63を作動させると、
図16に示すように、第二受け板61が第二昇降用直動駆動機構63により第二最下位置から第二最上位置に上昇される(矢印M参照)。
【0067】
続いて、制御部100が第三進退用直動駆動機構64を作動させると、第二受け板61が第三進退用直動駆動機構64により進入位置から後退位置に移動する(矢印N参照)。
【0068】
その後、制御部100が連動駆動機構24(特にそのモーター24b)及びコンベア10(特にそのモーター)を作動させる。これにより、上述のような上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作によって物品2がコンベア10に順次供給され、供給された物品2がコンベア10により搬送される。更に、上述のような補充機構の補充動作が制御部100の制御によって間欠的に繰り返し行われる。なお、上側シャッター22及び下側シャッター23の繰り返し開閉動作中、第二受け板61は
図16に示す実線の位置で静止している。
【0069】
5. 効果
以上の実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1) 補充動作の際には、補充スタック4が受け板56によって下から支持された状態で、補充スタック4の最下段が物品スタック3の最上段のすぐ上の位置に到達するまで補充スタック4が下降される。そのため、補充スタック4の物品2が崩れずに、物品スタック3の上に補充される。
【0070】
(2) 充填動作の際にも、補充スタック4が受け板56によって下から支持された状態で、補充スタック4の最下段が第二受け板61のすぐ上の位置に到達するまで補充スタック4が下降される。そのため、補充スタック4の物品2が崩れずに、第二受け板61に移載される。その後、第二受け板61が閉じた上側シャッター22の先端部よりも下にまで下降するので、補充スタック4の物品2が崩れずに、上側シャッター22の先端部に移載される。
【0071】
(3) 充填動作の際、上側シャッター22及び下側シャッター23が閉じた状態で静止しているので、補充スタック4の物品2が安定した姿勢で上側シャッター22の先端部に移載される。
【0072】
6. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に述べる変更点は可能な限り組み合わせて適用してもよい。
【0073】
(1) 上記実施形態では、コンベア10が押送フィンガーコンベアであったが、コンベア10をベルトコンベアに変更してもよい。
【0074】
(2) 上記実施形態では、物品供給機構により物品2が一体ずつ落下したが、物品2を複数体ずつ落下してもよい。この場合、シャッター22,23が閉じた場合の上側シャッター22の先端部と下側シャッター23の先端部との間隔は、物品2の厚さの複数倍である。そうすると、下側シャッター23が開くことによって、上側シャッター22の下側にある複数の物品2がまとめて落下する。
【0075】
(3) 上記実施形態では、第二受け板61の可動範囲の第二最上位置が受け板56の可動範囲の最下位置よりも下側であり、初期補充動作の際に、補充スタック4が受け板56から第二受け板61に移載されるものであった(
図13、
図14参照)。それに対して、第二受け板61の可動範囲の第二最上位置が受け板56の可動範囲の最上位置と同じであってもよい(
図17の二点鎖線参照)。この場合、初期補充動作の際、受け板56が動作しない。その代わりに、開閉用駆動機構50により開閉底板36が開かれる前に、第二受け板61が固定ホッパー21の上部において第二退避位置から第二受け止め位置に進出する。そして、開閉用駆動機構50により開閉底板36(開閉底板36は水平方向のスライドにより開閉することが好ましい。)が開かれると、移動ホッパー31内の補充スタック4が第二受け板61に落下する。その後は、第二受け板61が第二昇降用直動駆動機構63により第二最下位置にまで下降される(
図17参照)。その後の第二受け板61の動作は、
図16を用いて説明した上述の動作と同様である。
【0076】
7. 応用例(移動ホッパーへの物品スタックの自動装填)について
図18の平面図及び
図19の側面図を参照して、移動ホッパー31に物品2のスタックを装填する機構について説明する。
【0077】
周運動駆動機構40による移動ホッパー31の閉軌跡は円形であり、複数(具体的には、4体)の移動ホッパー31が周方向に所定角度(具体的には、90°)置きに配列されている。周運動駆動機構40の動力源は回転モーター41であり、その回転モーター41の回転軸42が上下方向に延在している。その回転軸42には、複数の連結棒43が放射状に取り付けられている。連結棒43の先端が移動ホッパー31の本体部32の後面に連結され、移動ホッパー31の開閉板33が周方向外方に向けられている。回転モーター41の周辺に上述の固定ホッパー21が設けられており、周運動駆動機構40による移動ホッパー31の円軌跡は固定ホッパー21の上を通る。
【0078】
回転モーター41の周辺には、起伏モーター71が横になった状態に設置されている。起伏モーター71の回転軸72は、水平方向(具合的には、Y軸方向)に延在している。また、
図18に示すように、起伏モーター71の回転軸72は、固定ホッパー21から回転モーター41の回転軸42周りに所定角度(具体的には、90°)の位置に配置されている。起伏モーター71の回転軸72には、連結アーム73が径方向外方に延出するように設けられている。起伏モーター71が連結アーム73を起立状態と倒伏状態との間で揺動させる。起立状態の連結アーム73は回転モーター41の回転軸42に対して平行であり、倒伏状態の連結アーム73はその回転軸42の径方向に延在する。
【0079】
連結アーム73には、カセットホルダ74が連結アーム73の長手方向(起伏モーター71の回転軸72の径方向)に延在するように取り付けられている。カセットホルダ74は、連結アーム73の長手方向に直交する断面の形状がコ字型(U字型)に形成されていて、周方向(起伏モーター71の回転軸72に関しての周方向のことをいう)の移動ホッパー31側の面が開口している。そのため、カセットホルダ74及び連結アーム73が倒伏状態にある場合には、カセットホルダ74が上に向けて開口し、カセットホルダ74及び連結アーム73が起立状態にある場合には、移動ホッパー31の本体部32の前面開口とカセットホルダ74の周方向側の開口部が向かい合う。
また、カセットホルダ74の基端部74a及び先端部74bも開口している。
【0080】
カセットホルダ74の両側の側板には、引き戸式の左右一組の開閉板75が設けられている。開閉板75は、水平な軸方向(起伏モーター71の回転軸72に関しての軸方向のことをいう)に移動可能となるように、カセットホルダ74の側板にそれぞれ取り付けられている。これら開閉板75は、互いに近づくことによりカセットホルダ74の周方向側の開口部を閉じ、互いに離間することによりカセットホルダ74の周方向側の開口部を開放する。カセットホルダ74の側板には、開閉板75を開閉させる駆動機構(例えば、エアシリンダ、電磁ソレノイド)77が設けられている。
【0081】
開閉板75には、係合爪76が凸設されている。一方、移動ホッパー31の開閉板33には、係合孔33aが形成されている(
図7及び
図19等参照)。カセットホルダ74及び連結アーム73が起立状態にある場合には、係合爪76が係合孔33aに嵌め込まれる。そのため、駆動機構77によって開閉板75とともに開閉板33も開閉される。
【0082】
倒伏したカセットホルダ74の先端部74bの先方には、ベルトコンベア式のカセット搬送機96及びカセット搬送機90が設けられている。カセット搬送機96は、カセット99をカセットホルダ74の先端部74bの近傍にまでX方向に搬送する。カセット搬送機96によって搬送されたカセット99は、カセット搬送機90に載せ換えられて、倒伏したカセットホルダ74と並列される。カセット搬送機90は、カセット搬送機96によって搬送されたカセット99をY軸方向に搬送するものである。カセット搬送機96及びカセット搬送機90連続的に運転されている。倒伏したカセットホルダ74の先端部74bの周辺には、カセット搬送機90の搬送経路を開閉する二つの遮断機91が設けられている。カセット搬送機96からカセット搬送機90に載せ換えられたカセット99は遮断機91によって一時的に止められる。なお、カセット搬送機96に対して平行に設けられた第三カセット搬送機がカセット搬送機90の下流側端部からX軸の逆方向に設けられ、カセット搬送機90に対して平行に設けられた第四カセット搬送機が第三カセット搬送機の下流側端部からカセット搬送機96の上流側端部に設けられており、これらカセット搬送機90,96、第三カセット搬送機及び第四カセット搬送機によってカセット99が矩形状軌道に沿って循環される。
【0083】
図20は、カセット99の斜視図である。カセット99は概略直方体箱状に形成されており、カセット99の上面が開口している。カセット99には、複数の物品2が小端立て状態で収容されている。小端立て状態とは、駒立て状態ともいい、複数の物品2がカセット99の底に起立した状態で寄せ集められていることによってこれら物品2がカセット99の長手方向に隣接して配列されている状態をいう。
【0084】
図18及び
図19に示すように、倒伏したカセットホルダ74の先端部74bの先方且つカセット搬送機90の上流側端部の上方には、カセット移載機95が設けられている。このカセット移載機95は、カセットホルダ74に並列されたカセット99をカセットホルダ74に水平方向(Y軸方向)に移載したり、カセットホルダ74に装着されたカセット99を水平方向(Y軸方向)にカセット搬送機90に移載したりする。
【0085】
起伏モーター71の回転軸の近傍には、スタック移載機81が設けられている。このスタック移載機81は、起立した状態のカセットホルダ74に装着されたカセット99に収容された物品2のスタックを水平方向に挟持した状態で、物品2のスタックを移動ホッパー31に水平方向に移載するものである。
【0086】
図4に示すように、スタック移載機81、遮断機91及びカセット移載機95の動作タイミングは制御部100によって制御される。
【0087】
移動ホッパー31への物品2のスタックの装填動作について説明する。
装填動作が行われる前には、カセットホルダ74及び連結アーム73が起伏モーター71により水平に倒伏した状態にあり、開閉板75が駆動機構77により閉じられた状態にある。また、カセット搬送機90,96、第三カセット搬送機及び第四カセット搬送機も運転されており、遮断機91が閉じた状態にあり、カセット搬送機96上の複数のカセット99及びカセット搬送機90上の最上流側のカセット99が滞留した状態になっている。また、これらカセット99には複数の物品2が小端立て状態で装填されている。
【0088】
周運動駆動機構40によって移動ホッパー31が所定角度(具体的には、90°)ずつ間欠的に周方向に移動される。移動ホッパー31の一時的な停止中に以下に説明する装填動作が行われる。なお、移動ホッパー31の一時的停止の際には、何れかの移動ホッパー31が固定ホッパー21の上に位置しており、その移動ホッパー31の一つ上流側隣りの移動ホッパー31の前面がカセット搬送機90やカセットホルダ74側に向いている(
図18参照)。
【0089】
装填動作では、まず制御部100が上流側の遮断機91を作動させると、遮断機91が1回開閉する。遮断機91が開くことによって、1つのカセット99がカセット搬送機90により下流へ搬送される。そして、次のカセット99がカセット搬送機96からカセット搬送機90に載せ換えられて、閉じた遮断機91によって止められる。
【0090】
続いて、制御部100がカセット移載機95を作動させると、遮断機91に止められたカセット99がカセット移載機95によってY方向に送られて、カセットホルダ74に装着される。
【0091】
続いて、制御部100が起伏モーター71を作動させると、カセットホルダ74が起伏モーター71により振り上げられて起立状態になる。カセットホルダ74が起立状態になることによって、カセット99の開口が移動ホッパー31の本体部32の開口に向かい合う。また、移動ホッパー31の開閉板33と開閉板75が対向し、係合爪76が係合孔33aに嵌め込まれる。
【0092】
続いて、制御部100が駆動機構77を作動させると、開閉板75が駆動機構77により開かれる。係合爪76が係合孔33aに嵌め込まれているので、開閉板75とともに開閉板33も弾性部材34の弾性力に抗して開かれる。
【0093】
続いて、制御部100がスタック移載機81を作動させると、カセット99内の物品2のスタックがスタック移載機81によってカセット99から移動ホッパー31の本体部32内に水平方向に移動されて、開閉底板36上に載置される。これにより、物品2のスタックが移動ホッパー31に装填される。その後、スタック移載機81は物品2のスタックを解放した上で、元の位置に戻る。
【0094】
続いて、制御部100が駆動機構77を作動させると、開閉板75及び開閉板33が駆動機構77により閉じられる。
【0095】
続いて、制御部100が起伏モーター71を作動させると、カセットホルダ74が起伏モーター71により振り下げられて倒伏状態になる。カセットホルダ74が振り下げられることによって、係合爪76が係合孔33aから外れる。
【0096】
続いて、制御部100がカセット移載機95を作動させると、空のカセット99がカセット移載機95によってカセットホルダ74から外れてカセット搬送機90に移載される。そして、制御部100が遮断機91を作動させると、遮断機91が1回開閉する。これにより空のカセット99がカセット搬送機90によって下流側へ搬送され、その後次のカセット99がカセット搬送機96からカセット搬送機90に載せ換えられる。
【0097】
以上が一連の装填動作である。移動ホッパー31に物品2のスタックが装填された後に、周運動駆動機構40によって移動ホッパー31が所定角度周方向に移動されると、物品2のスタックが固定ホッパー21の上方に位置する。
【0098】
以上に説明する装填動作は繰り返し行われるが、上述の初期充填動作の前に装填動作が1回行われ、初期充填動作に並行して装填動作が1回行われ、その後の補充動作毎に装填動作と補充動作が並行して行われる。