【解決手段】エレベータ装置10は、建物3の異常を監視する警備装置5から異常検知信号を受信した場合にエレベータ装置10の運転モードを通常運転モードから防犯運転モードへ切り替える運転モード切替部40と、運転モードが防犯運転モードへ切り替わったときに、利用者20がかご11に乗り込むべき待機階にてかご戸18が開いたままの状態でかご11を待機させる待機制御部45を備える。
前記警備装置の動作モードとして、前記建物のいずれかの階に設置された防犯センサから検知信号が入力されても異常を通報せず、かつ前記建物の前記いずれかの階以外の階に設置された防犯センサから検知信号が入力されると異常を通報するモードが設定可能であり、
前記警備装置の前記出力信号は、前記動作モードの設定状態を示すことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
前記警備装置の動作モードとして、前記建物内部に設けられた第1防犯センサから検知信号が入力されても異常を通報せず、かつ前記建物の外周又は前記建物の開閉部に設置された第2防犯センサから検知信号が入力されると異常を通報するモードが設定可能であり、
前記警備装置の前記出力信号は、前記第1防犯センサの検知結果を示すことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ装置。
前記防犯運転モードにおいて前記かご操作部の操作に応じて前記かご戸を閉じる第1速度が、前記通常運転モードにおいて前記かご戸を閉じる第2速度よりも早いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレベータ装置。
前記かご戸制御部は、前記防犯運転モードにおいて前記かご操作部の操作に応じて前記かご戸を閉じる際に、閉じる途中のかご戸を反転して開く反転装置を無効にすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレベータ装置。
前記かご戸又は前記乗り場の乗場戸の少なくとも一方の下部に設けられ、前記防犯運転モードにおいて前記かご戸又は前記乗場戸の前記少なくとも一方が開くことを防止する施錠装置を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエレベータ装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態のエレベータ装置は、警備システムにより監視された建物に設置され、建物に異常が発生した場合に緊急避難用のスペースとして利用できるエレベータ装置である。本発明の実施形態のエレベータ装置は、例えば家庭用のホームエレベータであってもよく、集団住宅や、店舗や事業所等に設置される一般乗用エレベータであってもよい。本発明の実施形態のエレベータ装置は、建物の複数階の間で乗客を運ぶ様々な種類のエレベータに適用可能である。
【0013】
(第1実施形態)
(警備システムの全体構成)
図1を参照する。警備システム1は、監視対象である監視区域2に建てられた建物3の内部に設置され各階の異常をそれぞれ検知する複数の内部センサ4aと、建物3の窓やドアなどの開閉部6に設けられる開閉部センサ4bと、建物3の外周の異常を検知する外周センサ4cを備える。また、警備システム1は、内部センサ4a、開閉部センサ4b及び外周センサ4cにそれぞれ接続される警備装置5と、監視センタ7に設置され通信回線NTを通じて警備装置5に接続されるセンタ装置8を備える。
図1は、建物3が3階建ての場合を示すが、建物3の階数は3階に限定されるものではなく2階以上であればよい。すなわち、2階でもよく4階以上でもよい。
【0014】
内部センサ4aとしては、例えば、室内の移動体を検知するセンサなどが含まれる。また、外周センサ4cとしては、例えば、建物3の外周の移動体を検知するセンサなどが含まれる。内部センサ4a及び外周センサ4cは、例えば受光した赤外線の光量変化に基づいて探知範囲の侵入者9等の有無を検知する赤外線センサであってよい。また、内部センサ4a及び外周センサ4cは、例えば撮像画像と予め記憶された正常時の画像との差分に基づいて撮像範囲の侵入者9等の有無を検知する画像センサであってもよい。
【0015】
また、開閉部センサ4bとしては、例えば、開閉部6が開いたことや破損又は破壊されたことを検知するセンサなどが含まれる。開閉部センサ4bは、例えば開閉部の開閉を検知するマグネットセンサであってよい。
以下、内部センサ4a、開閉部センサ4b及び外周センサ4cを総称して「防犯センサ4」と表記することがある。
防犯センサ4は、異常を検知すると検知信号を警備装置5に送信する。防犯センサ4と警備装置5との間の通信は有線または無線で行われる。警備装置5は、防犯センサ4からの検知信号により監視区域2に発生した異常、例えば建物3への侵入者9の侵入を検知する。
【0016】
建物3には、複数階の間で乗客を運ぶエレベータ装置10が設置されている。エレベータ装置10は、昇降路を昇降可能なかご11を備える。かご11内部には、エレベータの操作するためのかご操作部12が設けられる。かご操作部12は、例えばかご11の行き先階を登録する行先階ボタンや、かご11のかご戸18を閉じるための戸閉ボタン、かご戸18を開くための戸開ボタンを含んでよい。
【0017】
建物3の1階、2階及び3階の乗り場13a、13b及び13cには、それぞれ乗場操作部14a、14b及び14cが設けられる。乗場操作部14a〜14cは、エレベータ装置10のかご11をそれぞれ1階〜3階へ呼ぶための呼びボタンを含んでよい。また、乗り場13a〜13cには、乗り場13a〜13cの出入口をそれぞれ開閉する乗場戸19a、19b及び19cが設けられる。乗場戸19a〜19cは、かご11がそれぞれ1階〜3階の着床位置にあるときに、かご戸18に連動して開閉する。
以下、乗り場13a〜13cを総称して「乗り場13」と表記することがあり、乗場操作部14a〜14cを総称して「乗場操作部14」と表記することがあり、乗場戸19a〜19cを総称して「乗場戸19」と表記することがある。
【0018】
エレベータ装置10は、かご11を昇降駆動する昇降駆動手段16と、かご操作部12及び乗場操作部14の操作に応じて、昇降駆動手段16及び制動手段の作動を制御する制御ボックス17とを備えている。
制御ボックス17は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のCPU周辺部品とを含む電子回路であってもよい。制御ボックス17が備えるCPUは、記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、制御ボックス17が行なうべき処理を実行する。
【0019】
警備装置5の動作モードは、防犯センサ4から検知信号を受信すると建物3に発生した異常をセンタ装置8へ通報する警備セットモードと、検知信号を受信してもセンタ装置8へ通報しない警備解除モードの何れかに設定可能である。
また、建物3の利用者20が建物3の中にいる場合でも建物3の一部に警備セットモードを設定してもよい。この場合には、利用者20の所在範囲に部分的に警備解除モードを設定し、内部センサ4aが利用者20を検知しても異常がセンタ装置8へ通報されないようにしつつ、侵入者9の侵入が検知されると異常がセンタ装置8へ通報される。
【0020】
例えば、何れかの階のみを警備解除モードに設定し、他の範囲を警備セットモードにしてもよい。警備解除モードが設定される階は、例えば利用者20の所在階であってよい。このような動作モードが設定された場合、例えば警備装置5は、利用者20が所在する何れかの階の内部センサ4aから検知信号を受信しても異常をセンタ装置8へ通報せず、他の防犯センサ4から検知信号を受信すると異常をセンタ装置8へ通報する。
【0021】
また、建物3の内部のみを警備解除モードに設定し、建物3の外周及び開閉部6を警備セットモードにしてもよい。このような動作モードが設定された場合、例えば警備装置5は、内部センサ4aから検知信号を受信しても異常をセンタ装置8へ通報せず、開閉部センサ4b及び外周センサ4cから検知信号を受信すると異常をセンタ装置8へ通報する。警備装置5は、建物3に発生した異常をセンタ装置8へ通報する際に、制御ボックス17にも異常検知信号を出力する。
【0022】
異常検知信号を受信した制御ボックス17は、エレベータ装置10の運転モードを、乗場操作部14によるエレベータ装置10の操作が可能な通常運転モードから、かご11を避難スペースとして利用する防犯運転モードへ切り替える。
運転モードが防犯運転モードへ切り替わった時に、制御ボックス17は、利用者20がかご11に乗り込むべき待機階にてかご戸18が開いたままの状態でかご11を待機させる。
【0023】
例えば、待機階を予め定めておいてもよい。異常発生時には利用者20による呼び出し操作を待つことなく予めかご11を待機階に着床させておくことにより、異常発生時にかご11がどの階に着床していても、利用者20は既知の待機階からかご11に乗り込むことができる。このため、利用者20はかご11を乗場操作部14で呼び出す必要がなくなり、かご11の呼び出しにより生じる避難の遅れを防止できる。
また、かご戸18が開いたままの状態で待機させることにより、戸開操作からかご戸18が開くまでにかかる時間が生じる避難の遅れを防止できる。
【0024】
また、何れかの階のみを警備解除モードに設定し他の範囲を警備セットモードにした場合には、警備解除モードが設定された階を待機階としてもよい。警備解除モードは利用者20の所在階に設定されることがあるため、警備解除モードが設定された階にかご11を待機させておくことにより、異常発生時にかご11がどの階に着床していても利用者20は自分の所在階からかご11に乗り込むことができる。
また、建物3の内部のみを警備解除モードに設定し、建物3の外周及び開閉部6を警備セットモードにした場合には、内部センサ4aが利用者20を検知する階を待機階としてもよい。例えば、開閉部センサ4b及び外周センサ4cが異常を検知するより前に内部センサ4aが利用者20を検知していた階を待機階としてもよい。
【0025】
利用者20がかご11に乗り込んだ後、制御ボックス17は、かご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる。一方で、制御ボックス17は乗場操作部14の操作を無効にする。これにより、仮に侵入者9が乗場操作部14を操作しても、かご11を呼び出したり乗場戸19及びかご戸18を開くことができなくなる。以上により、利用者20を侵入者9から避難させることができる。
【0026】
(警備装置の機能構成)
以下、警備システム1の各部の機能構成について説明する。まず、警備装置5の機能構成を説明する。
図2を参照する。警備装置5は、制御部30と、センサインタフェース31と、操作部32と、表示部33と、通信部34と、記憶部35を備える。
操作部32は、警備装置5の動作モード(例えば、警備セットモードや警備解除モード)を設定するために操作されるキー入力部と、利用者の認証情報を読み取るための読取部とを備えて構成される。操作部32は、認証情報を読み込ませて利用者を照合した上で操作入力が許容される。また、操作部32は、表示部33の液晶モニタにタッチパネルを設けることにより、該タッチパネルにて構成してもよい。
【0027】
利用者の認証情報(ID(Identification)情報)を読み取る読取部としては、RFID(Radio Frequency Identification)タグからの無線信号を読み取るタグリーダ、IC(Integrated Circuit)カードや磁気カードのカード情報を読み取るカードリーダ、指紋や顔画像などのバイオメトリクス情報を読み取る生体情報取得手段などが適宜に設けられてよい。この場合、記憶部35には、入力される認証情報に対応する登録認証情報が記憶される。
【0028】
通信部34は、センタ装置8及び制御ボックス17と通信するための機能を備えている。通信部34は、警備装置5とセンタ装置8との間及び警備装置5と制御ボックス17との間を接続するための通信インタフェースである。上述のように、警備装置5とセンタ装置8は、通信回線NTとしての公衆回線網やインターネット網を介して接続される。
表示部33は、利用者に対して操作のガイドなどを出力する機能を備えている。表示部33は、液晶ディスプレイ、表示灯、スピーカなどにより構成することができる。表示部33は、操作部32の近傍に設置されるか、あるいは操作部32と一体的に設置される。表示部33により、操作のガイドやメニュー表示が行われる。操作のガイド等は、スピーカからの音声報知で行われてもよい。
【0029】
センサインタフェース31は、防犯センサ4などの周辺機器が接続されるインタフェースとしての機能を備えている。センサインタフェース31は、警備対象において監視すべき区域となる建物の内/外の適宜な場所に配置された防犯センサ4、煙感知器や熱感知器などの火災センサ、利用者に操作される非常ボタンなどと接続される。センサインタフェース31は、各種センサから検知信号を受信する通信インタフェースである。各種センサにはそれぞれ固有の識別番号が付与されており、検知信号にはこの識別番号(ID番号)が含まれる。
【0030】
記憶部35は、センサ情報(センサの識別番号など)、登録認証情報、動作モード履歴、異常履歴などの情報を記憶している。また、記憶部35は、制御部30を警備装置5として動作させるためのプログラム、各種センサのID番号毎にセンサの種類およびセンサの設置位置を対応付けたセンサ情報と、警備装置5を操作する利用者を認証するための登録認証情報と、動作モード履歴、異常履歴を記憶している。
【0031】
制御部30は、警備装置5の各種制御を行う機能を有している。制御部30は、モード設定部36、異常判定部37、通報制御部38を備えている。制御部30は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とを含む電子回路であってもよい。制御部30が備えるCPUは、記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、制御部30が行なうべき処理を実行する。
【0032】
モード設定部36は、操作部32を操作入力する利用者が予め登録された利用者か否かを判定する。そのために、モード設定部36は、操作部32から取得した利用者のID情報が記憶部35の登録認証情報に予め登録されたものと一致するか否かを調べる。一致した場合には、その利用者が正当な利用者としての操作権限(利用者権限)を有するものとして認証し、操作部32を通じて行われる操作入力による警備装置5の動作モードの設定を受け付ける。
【0033】
利用者の認証に失敗した場合には、モード設定部36は動作モードの移行の不許可を利用者に通知する。例えば、表示部33にて、利用者に対して動作モードの移行が許可されない旨のメッセージを出力する。
警備装置5の動作モードを警備解除モードから警備セットモードへと切り替える切換操作である警備セット操作が行われた場合、モード設定部36は、防犯センサ4が異常を検知しているか否かを判断する。
【0034】
防犯センサ4が異常を検知している場合には、モード設定部36は、警備セットモードへの移行を許可せず、警備セットモードの移行の不許可を利用者に通知する。防犯センサ4が異常を検知していない場合には、モード設定部36は警備装置5の動作モードを警備セットモードへと移行する。
警備装置5の動作モードを警備セットモードから警備解除モードへと切り替える切換操作である警備解除操作が行われた場合、モード設定部36は、警備装置5の動作モードを警備解除モードへと移行する。
さらにモード設定部36は、通信部34を介して警備装置5の動作モードの設定状態を示すモード設定信号を制御ボックス17へ出力する。
【0035】
警備セットモードにおいて異常判定部37は、センサから検知信号を受信すると、現在のモード及び記憶部35のセンサ情報と比較して異常の有無を判定する。異常判定部37は、警備セットモードに設定されているときに、防犯センサ4を含む各種センサの何れかから検知信号を受信すると異常と判定する。
【0036】
なお、建物3の何れかの階のみを警備解除モードに設定し他の範囲を警備セットモードにする場合、異常判定部37は、警備解除モードに設定された階の内部センサ4aから検知信号を受信しても異常と判定しない。この場合、異常判定部37は、警備解除モードに設定された階以外の階の内部センサ4a、開閉部センサ4b及び外周センサ4cから検知信号を受信すると異常と判定する。
【0037】
また、建物3の内部のみを警備解除モードに設定し、建物3の外周及び開閉部6を警備セットモードにする場合、異常判定部37は、内部センサ4aから検知信号を受信しても異常と判定しない。この場合、異常判定部37は、開閉部センサ4b及び外周センサ4cから検知信号を受信すると異常と判定する。
異常判定部37は、通信部34を介して、内部センサ4aによる検知結果を示す内部センサ検知信号を制御ボックス17へ出力する。
【0038】
内部センサ検知信号は、検知信号を出力した内部センサ4aを識別する情報、検知信号を出力した内部センサ4aの設置位置、検知信号を出力した内部センサ4aの設置階など、異常が検知された階を特定するための情報を含んでもよい。
通報制御部38は、異常判定部37が異常と判定するとかかる異常を示す通報信号を通信部34によりセンタ装置8に送信する。通報信号は、警備装置5の識別番号、異常を検知したセンサのID番号、センサの種類及びその設置位置の情報を含んでよい。また、通報制御部38は、異常判定部37が異常と判定すると制御ボックス17にも異常検知信号を出力する。
【0039】
(エレベータ装置の機能構成)
続いて、エレベータ装置10の機能構成を説明する。
図3を参照する。かご操作部12は、操作ボタン40と操作部制御回路41を備える。操作ボタン40は、例えばかご11の行き先階を登録する行先階ボタンや、かご11のかご戸18を閉じるための戸閉ボタン、かご戸18を開くための戸開ボタンを含んでよい。
操作ボタン40は、操作部制御回路41に接続されている。操作部制御回路41は、制御ボックス17に通信ケーブルで接続されており、操作部制御回路41と制御ボックス17とが行う通信により、操作ボタン40によるエレベータ装置10に操作指示が制御ボックス17に入力される。
【0040】
各階の乗場操作部14a〜14cは、操作ボタン42a〜42cと、操作部制御回路43a〜43cとをそれぞれ備える。操作ボタン42a〜42cは、エレベータ装置10のかご11をそれぞれ1階〜3階へ呼ぶための呼びボタンを含んでよい。操作ボタン42a〜42cは、操作部制御回路43a〜43cにそれぞれ接続されている。操作部制御回路43a〜43cは、制御ボックス17に内装された制御ボックス17に通信ケーブルで接続されており、操作部制御回路43a〜43cと制御ボックス17とが行う通信により、それぞれ操作ボタン42a〜42cによるエレベータ装置10に操作指示が制御ボックス17に入力される。
制御ボックス17は、かご操作部12及び乗場操作部14a〜14cから入力された情報に基づいて、昇降駆動手段16の動作を制御してかご11を昇降させる昇降制御処理と、戸開閉装置49を制御してかご戸18を開閉する戸開閉処理と、を実行するように構成されている。
【0041】
また、制御ボックス17は、運転モード切替部44と、待機制御部45と、かご戸制御部46と、操作無効化部47と、反転制御部48を備える。
制御ボックス17は、図示しない通信部により警備装置5から異常検知信号を受信する。制御ボックス17にて異常検知信号が受信されると、運転モード切替部44は、エレベータ装置10の運転モードを、通常運転モードから防犯運転モードへ切り替える。
【0042】
また、運転モード切替部44は、所定の解除条件が成立するとエレベータ装置10の運転モードを、防犯運転モードから通常運転モードへ切り替える。例えば運転モード切替部44は、警備装置5から受信したモード設定信号に基づいて警備装置5が警備解除モードに設定されたと判断した場合に、エレベータ装置10の運転モードを通常運転モードへ切り替えてもよい。
【0043】
また例えば運転モード切替部44は、一定時間かご操作部12及び乗場操作部14a〜14cの操作がない場合に、エレベータ装置10の運転モードを自動的に通常運転モードへ切り替えてもよい。
また例えば運転モード切替部44は、センタ装置8からの指示に基づいて警備装置5から出力される解除信号を受信した場合に、エレベータ装置10の運転モードを自動的に通常運転モードへ切り替えてもよい。
【0044】
運転モードが防犯運転モードへ切り替わった時に、待機制御部45は、建物3の利用者20がかご11に乗り込むべき待機階にかご11が着床しているか否かを判断する。待機階を予め定められ設定された階でもよい。
また、待機制御部45は、警備装置5から受信したモード設定信号に基づいて、警備解除モードが部分的に設定されているか否かを判断してもよい。
【0045】
何れかの階のみが警備解除モードに設定され他の範囲が警備セットモードに設定されている場合には、待機制御部45は、警備装置5から受信したモード設定信号に基づいて、警備解除モードに設定された階を判断してもよい。待機制御部45は、警備解除モードに設定された階を待機階としてもよい。
また、建物3の内部のみが警備解除モードに設定され、建物3の外周及び開閉部6が警備セットモードに設定された場合には、待機制御部45は、警備装置5から受信した内部センサ検知信号に基づいて、内部センサ4aが利用者20を検知した階を判断してもよい。待機制御部45は内部センサ4aが利用者20を検知した階を待機階としてもよい。例えば待機制御部45は、開閉部センサ4b及び外周センサ4cが異常を検知するより前に内部センサ4aが利用者20を検知していた階を待機階としてもよい。
【0046】
かご11が既に待機階に着床している場合には、待機制御部45は、かご11を待機階から移動させずに、戸開閉装置49を制御してかご戸18を開く。待機制御部45は、かご戸18が開いたままの状態で待機させる。
かご11が待機階以外の階に着床している場合には、待機制御部45は、かご11を待機階へ移動させる。かご11が待機階に着床すると、待機制御部45は戸開閉装置49を制御してかご戸18を開く。待機制御部45は、かご戸18が開いたままの状態で待機させる。
【0047】
かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる。かご戸制御部46は、例えばかご操作部12の戸閉ボタンや行先階ボタンが押されたときにかご戸18を閉じてよい。
防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる第1速度は、通常運転モードにおいてかご戸18を閉じる第2速度よりも早くてもよい。すなわち、かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる際に、通常運転モードにおける第2速度よりも早い第1速度でかご戸18を閉じてもよい。
【0048】
防犯運転モードにおいてかご戸18を高速で閉じることによりかご11への避難の完了の遅れを低減できる。
なお、かご戸18を高速で閉じるとかご11へ避難しようとする利用者20がかご戸18に挟まる虞がある。このため、かご戸制御部46は、かご戸18を閉じるためのボタンが押し続けられた場合にかご戸18を第1速度で閉じてもよい。かご戸18を閉じるためのボタンは、例えばかご操作部12に含まれる戸閉ボタンであってもよく行先階ボタンであってもよい。
【0049】
反転制御部48は、かご戸18が閉じる途中に所定の反転条件が満たされるとかご戸18を反転して開く反転制御を行う。例えば、反転制御部48は、閉じる途中のかご戸18に接触する物体を検出するとかご戸18を反転して開いてもよい。また例えば、反転制御部48は、閉じる途中のかご戸18の軌道上にある物体を検出するとかご戸18を反転して開いてもよい。また例えば、かご11が着床している階の乗場操作部14が操作されると、かご戸18を反転して開いてもよい。
【0050】
かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる際に反転制御部48による反転制御を無効にしてもよい。反転制御を無効にすることにより、反転制御により生じるかご11への避難の完了の遅れを低減できる。また、侵入者9がかご戸18に手や足を挟んだりすることによりかご戸18を開いてかご11への避難を妨害するのを防止できる。
なお、反転制御を無効にすると、かご11へ避難しようとする利用者20がかご戸18に挟まってもかご戸18を反転せず、利用者20がかご戸18に挟まったままになる虞がある。このため、かご戸制御部46は、かご戸18を閉じるためのボタンが押し続けられた場合に反転制御を無効にしてもよい。
【0051】
操作無効化部47は、防犯運転モードにおいて乗場操作部14の操作を無効にすることにより、利用者20が避難したかご11のかご戸18を外部から開くことを防止する。
なお、内部センサ4aは、第1防犯センサの一例である。開閉部センサ4b及び外周センサ4cは第2防犯センサの一例である。モード設定信号は、警備装置5の動作モードの設定状態を示す警備装置5の出力信号の一例である。内部センサ検知信号は、内部センサ4aの検知結果を示す警備装置5の出力信号の一例である。反転制御部48は反転装置の一例である。
【0052】
(第1実施形態のエレベータ装置の動作)
次に、第1実施形態のエレベータ装置10の動作の一例を説明する。
図4を参照する。
制御ボックス17にて異常検知信号が受信されると、ステップS1において運転モード切替部44は、エレベータ装置10の運転モードを通常運転モードから防犯運転モードへ切り替える。
運転モードが防犯運転モードへ切り替わった時に、ステップS2において待機制御部45は、利用者20が乗り込むべき待機階にかご11が着床しているか否かを判断する。
【0053】
かご11が待機階に着床していなければ、待機制御部45はかご11を待機階へ移動させ、かご11が待機階に着床していれば待機階に着床させた状態を維持する。
ステップS3において待機制御部45は、かご戸18が開いたままの状態でかご11を待機させる。
ステップS4においてかご戸制御部46は、かご操作部12が操作されたか否かを判断する。かご操作部12が操作された場合(ステップS4:Y)に処理はステップS5へ進む。かご操作部12が操作されない場合(ステップS4:N)に処理はステップS3へ戻る。
【0054】
ステップS5において操作無効化部47は、乗場操作部14の操作を無効にする。
ステップS6においてかご戸制御部46は、反転制御部48による反転制御を無効にする。
ステップS7においてかご戸制御部46は、ステップS4におけるかご操作部12の操作に応じてかご戸18を第1速度で閉じる。
【0055】
(第1実施形態の効果)
(1)エレベータ装置10の運転モードが防犯運転モードへ切り替わった時に、待機制御部45は、利用者20がかご11に乗り込むべき待機階にてかご戸18が開いたままの状態でかご11を待機させる。これにより、利用者20はかご11を乗場操作部14で呼び出す必要がなくなり、呼び出し操作後のかご11の移動時間により生じる避難の遅れを防止できる。
【0056】
(2)待機制御部45は、警備装置5の出力信号に応じて待機階を決定する。これにより、待機制御部45は、警備装置5の出力信号に応じて利用者20の所在階を判断して待機階に指定し、利用者20の所在階にて予めかご11を待機させることができる。このため、利用者20はかご11を呼び出さずに乗り込むことができ、かご11への避難を早めることができる。
【0057】
(3)警備装置5の動作モードとして、建物3のいずれかの階に設置された防犯センサ4から検知信号が入力されても異常を通報せず、その他の階に設置された防犯センサ4から検知信号が入力されると異常を通報するモードが設定可能である。この動作モードが設定されると、待機制御部45は、警備装置5から出力されるモード設定信号に基づいて待機階を決定する。これにより、待機制御部45は、モード設定信号に応じて判断した利用者20の所在階にてかご11を待機させることができる。このため、利用者20はかご11を呼び出さずに乗り込むことができ、かご11への避難を早めることができる。
【0058】
(4)警備装置5の動作モードとして、内部センサ4aから検知信号が入力されても異常を通報せず、かつ開閉部センサ4b又は外周センサ4cから検知信号が入力されると異常を通報するモードが設定可能である。この動作モードが設定されると、待機制御部45は、警備装置5から出力される内部センサ検知信号に基づいて待機階を決定する。これにより、待機制御部45は、内部センサ検知信号に応じて判断した利用者20の所在階にてかご11を待機させることができる。このため、利用者20はかご11を呼び出さずに乗り込むことができ、かご11への避難を早めることができる。
【0059】
(5)かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる際に、通常運転モードにおける第2速度よりも早い第1速度でかご戸18を閉じる。これによりかご11への避難の完了の遅れを低減できる。
(6)かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12のボタンを押し続けた場合にかご戸18を第1速度で閉じる。これにより高速で閉じるかご戸18に利用者20が挟まることを防止できる。
(7)かご戸制御部46は、防犯運転モードにおいてかご操作部12の操作に応じてかご戸18を閉じる際に、反転制御部48による反転制御を無効にする。これにより反転制御により生じるかご11への避難の完了の遅れを低減できる。また、侵入者9がかご戸18に手や足を挟んだりすることによりかご戸18を開いてかご11への避難を妨害するのを防止できる。
【0060】
(変形例)
(1)エレベータ装置10は、かご操作部12及び乗場操作部14の操作を無効とするチャイルドロック機構を備えてもよい。エレベータ装置10は、制御ボックス17にて異常検知信号が受信されるとチャイルドロック機構を無効にするチャイルドロック無効化部を備えてもよい。異常検知信号の受信時にチャイルドロック機構を無効にすることにより、異常発生時にチャイルドロック機構が子供の避難を妨害するのを防止できる。また、チャイルドロック機構による避難の遅れを防止できる。
【0061】
(2)エレベータ装置10は、制御ボックス17への電源供給を遮断する省電力機構を備えてもよい。エレベータ装置10は、省電力機構により制御ボックス17への電源供給が遮断されている時に異常検知信号を受信すると、制御ボックス17への電源供給を再開させる復帰制御部を備えてもよい。異常検知信号の受信時に制御ボックス17への電源供給を再開させることにより、省電力機構による避難の遅れを防止できる。
【0062】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態の警備システム1及び警備装置5の構成は、
図1及び
図2に示す構成と同様である。
第2実施形態のエレベータ装置10は、防犯運転モードにおいてかご11内に避難した利用者20の操作に従って、安全度の異なる複数の避難レベルにて段階的に利用者20を侵入者9から避難させる防犯手段を備える。
例えば第1の避難レベルでは、第1実施形態と同様に、かご11内に利用者20がいる状態でかご操作部12の操作に従ってかご戸18を閉じて乗場操作部14の操作を無効にする。
【0063】
例えば第2の避難レベルでは、エレベータ装置10は、かご操作部12の操作に従ってかご11内に利用者20が避難した状態でかご11を他階へ避難させる。侵入者9のいない階へかご11を移動させることにより、第1の避難レベルよりも安全度の高いレベルで利用者20を避難させることができる。
例えば第3の避難レベルでは、エレベータ装置10は、かご操作部12の操作に従ってかご11内に利用者20が避難した状態でかご11を階間の任意の位置へ移動させる。かご11を階間へ移動させることによりかご11へのアクセスがより困難になるので、第2の避難レベルよりも安全度の高いレベルで利用者20を避難させることができる。
【0064】
例えば第4の避難レベルでは、かご11内に避難した利用者20がかご11内部に設置された防犯戸を操作し、防犯戸でかご11の出入口を閉鎖することにより、第2、第3の避難レベルよりも安全度の高いレベルで利用者20を避難させることができる。
なお、避難レベルの数は4に限られず2以上4未満でもよく、4より大きくてもよい。避難レベルが4未満の場合には、第2〜第4の避難レベルのいずれかを省略してもよい。また、各避難レベルにおける避難形態は上記の形態に限られず、他の形態の避難を行ってもよい。
さらにエレベータ装置10は、エレベータ装置10が利用者20を避難させる避難レベルを外部の通信装置へ通報する。避難レベルを外部へ通報することにより、利用者20が置かれている状況の危険度を外部の人間に知らせることができる。例えばエレベータ装置10は、警備装置5を介してセンタ装置8へ通報してもよい。
【0065】
図5を参照する。第1実施形態のエレベータ装置10の構成要素と同様な構成要素については同じ参照符号を付する。制御ボックス17は、退避制御部50と避難レベル通報部51を備える。
利用者20がかご操作部12の行先階ボタンを押下すると、退避制御部50は、第2の避難レベルの避難動作として第2避難動作を行う。第2避難動作において退避制御部50は、押下された行先階ボタンに対応する階へかご11を移動させる。
【0066】
利用者20がかご操作部12の行先階ボタンを長押しすると、退避制御部50は、第3の避難レベルの避難動作として第3避難動作を行う。第3避難動作において退避制御部50は、行先階ボタンを長押しされている間だけかご11を昇降させることにより、かご11を階間の任意の位置に避難させる。例えば退避制御部50は、かご11の現在位置よりも上の階の行先階ボタンが長押しされている間だけかご11を上昇させ、かご11の現在位置よりも下の階の行先階ボタンが長押しされている間だけかご11を降下させる。退避制御部50は、行先階ボタンの押下が止んだ位置でかご11を停止する。
【0067】
第4の避難レベルの避難動作である第4避難動作では、かご11内に設けられた防犯戸によりかご11の出入口を閉鎖する。
図6の(a)及び
図6の(b)を参照する。参照符号52はかご11内に設けられた防犯戸を示し、参照符号53はかご11の内壁を示し、参照符号54は防犯戸52を内壁53に固定する固定装置を示し、参照符号55は防犯戸52がかご11の出入口を閉鎖した状態で防犯戸52を施錠する防犯戸施錠装置を示す。なお、図示の例ではかご戸18は引き戸18a及び18bを有する2枚戸片開きドアであるが、かご戸18の構成はこれに限定されるものではない。
【0068】
第4避難動作では、かご11内に避難した利用者20は、固定装置54を操作して固定装置54による防犯戸52の固定を解除し、
図6の(b)の矢印のように防犯戸52を枢動させてかご11の出入口を閉鎖する。
退避制御部50は、固定装置54による固定状態を監視しており、防犯戸52の固定が解除されると、かご操作部12及び乗場操作部14の操作によるかご戸18の自動開扉を無効にする。
防犯戸52が出入り口を閉鎖する位置に至ると、防犯戸施錠装置55は、出入り口を閉鎖した防犯戸52を施錠する。
図5を参照する。退避制御部50は防犯戸施錠装置55の施錠状態を監視し、防犯戸施錠装置55が防犯戸52を施錠すると、かご戸18及び乗場戸19の一方又は両方を施錠する。
【0069】
以下、
図7及び
図8を参照して乗場戸19の施錠装置について説明する。
図7は、乗場戸19の構成の一例の説明図である。この構成例では、乗場戸19は引き戸19m及び19nを有する2枚戸片開きドアであり、2枚の引き戸19m及び19nが前後に配置される。前面側の引き戸19mのハンガープレート60に2つの滑車61を設けて、各滑車61に掛けたワイヤ62の一端を後面側の引き戸19nのハンガープレート60に、他端をヘッダー63に固定したピン64に結び付ける。また、ハンガープレート60には、ヘッダー63に固定したガイドレール66a、66bに案内されて転動する車輪65を取り付ける。後面側の引き戸19nに動力を供給してスライドさせることにより、前面側の引き戸19mを後面側の引き戸19nと同じ方向に半分の速度でスライドさせて、出入口の開閉を行うようにしている。
【0070】
図8を参照する。参照符号67は、乗場戸19の下部に設けられ、乗場戸19が開くことを防止する第1施錠装置を示し、参照符号68は、乗場戸19の上部に設けられ、乗場戸19が開くことを防止する第2施錠装置を示す。第2施錠装置68は、例えば後面側の引き戸19nのハンガープレート60に設けられる。
防犯戸施錠装置55が防犯戸52を施錠すると、退避制御部50は第1施錠装置67及び第2施錠装置68により乗場戸19の下部及び上部をそれぞれ固定する。
【0071】
図7及び
図8に示す乗場戸19は、乗場戸19がハンガープレート60に吊下げられる構成を有するので、乗場戸19の下部に力を加えるとテコの原理によって乗場戸19の上部に大きな力として伝わる。したがって第2施錠装置68により乗場戸19の上部のみを固定しても容易に施錠が開錠される虞がある。第2実施形態では、第1施錠装置67によって乗場戸19の下部も固定することによって、乗場戸19の開錠を困難にすることができる。
【0072】
ここでは、乗場戸19の施錠装置のみを説明したが、かご戸18にも下部及び上部をそれぞれ固定する施錠装置を設けてもよい。
図5を参照する。避難レベル通報部51は、エレベータ装置10が利用者20を避難させる現在の避難レベルを外部の通信装置へ通報する。例えば避難レベル通報部51は、警備装置5を介してセンタ装置8へ通報してもよい。
退避制御部50、防犯戸52、第1施錠装置67及び第2施錠装置68は、侵入者9から利用者20を避難させる防犯手段の一例である。
【0073】
(第2実施形態のエレベータ装置の動作)
次に、第2実施形態のエレベータ装置10の動作の一例を説明する。
図9を参照する。
制御ボックス17にて異常検知信号が受信されると、ステップS1において運転モード切替部44は、エレベータ装置10の運転モードを通常運転モードから防犯運転モードへ切り替える。
ステップS11では、第1の避難レベルの避難動作である第1避難動作を行う。第1避難動作は、第1実施形態における
図4のステップS2〜S7の避難動作と同様であってよい。
ステップS12において避難レベル通報部51は、利用者20を避難させる現在の避難レベルが第1の避難レベルであることをセンタ装置8へ通報する。
【0074】
ステップS13では、第2〜第4の避難レベルの避難動作を開始する利用者20の操作を受け付ける。例えば、退避制御部50は、第2の避難レベルの第2避難動作を開始するための行先階ボタンの押下操作を受け付ける。また、例えば退避制御部50は、第3の避難レベルの第3避難動作を開始するための行先階ボタンの長押し操作を受け付ける。例えば固定装置54は、防犯戸52の固定を解除する操作を受け付ける。
第2〜第4の避難レベルの避難動作を開始する操作を受け付けるまで処理はステップS13へ戻る(ステップS13:N)。操作を受け付けると(ステップS13:Y)処理はステップS14へ進む。
【0075】
ステップS14では、ステップS13で受け付けた操作に応じた避難レベルの避難動作へ処理を進める。第2の避難レベルの避難動作を開始する操作を受け付けた場合に(ステップS14:第2レベル)処理はステップS15へ進む。第3の避難レベルの避難動作を開始する操作を受け付けた場合に(ステップS14:第3レベル)処理はステップS16へ進む。第4の避難レベルの避難動作を開始する操作を受け付けた場合に(ステップS14:第4レベル)処理はステップS17へ進む。
【0076】
ステップS15において退避制御部50は、第2避難動作を行う。
図10を参照する。
ステップS20において退避制御部50は、かご操作部12及び乗場操作部14の操作によるかご戸18の自動開扉を無効にする。
ステップS21において退避制御部50は、押下された行先階ボタンに対応する階へかご11を移動させる。
【0077】
ステップS22において退避制御部50は、行先階ボタンが更に押下されたか否かを判断する。行先階ボタンが押下された場合(ステップS22:Y)に処理はステップS21へ進む。行先階ボタンが押下されない場合(ステップS22:N)に処理はステップS23へ進む。
移動先の階が安全である場合、利用者20はかご操作部12の戸開ボタンを押下することによりかご戸18を開き、安全な階へ避難することができる。
【0078】
ステップS23において退避制御部50は、かご操作部12の戸開ボタンが押下されたか否かを判断する。戸開ボタンが押下された場合(ステップS23:Y)に処理はステップS24へ進む。戸開ボタンが押下されない場合(ステップS23:N)に第2避難レベルのまま処理は
図9のステップS18へ進む。
ステップS24において退避制御部50は、かご戸18を開く。
【0079】
図9を参照する。ステップS16において退避制御部50は、第3避難動作を行う。
図11を参照する。
ステップS30において退避制御部50は、かご操作部12及び乗場操作部14の操作によるかご戸18の自動開扉を無効にする。
ステップS31において退避制御部50は、
図9のステップS13で始まった行先階ボタンの長押し操作が継続している間だけかご11を昇降させる。
【0080】
ステップS32において退避制御部50は、行先階ボタンの長押し操作が継続しているか否かを判断する。長押し操作が継続している場合(ステップS32:Y)に処理はステップS31へ戻る。長押し操作が終了している場合(ステップS32:N)に処理は
図9のステップS18へ進む。この結果、かご11を階間の任意の位置に移動させ第3の避難レベルへ移行することができる。
【0081】
図9を参照する。ステップS17では第4避難動作を行う。
図12を参照する。固定装置54による防犯戸52の固定が解除されると、ステップS40で退避制御部50は、かご操作部12の操作によるかご戸18の自動開扉を無効にする。
防犯戸52が出入り口を閉鎖する位置に至ると、ステップS41において防犯戸施錠装置55は、出入り口を閉鎖した防犯戸52を施錠する。
防犯戸施錠装置55が防犯戸52を施錠すると、ステップS42において退避制御部50は、かご戸18及び乗場戸19の一方又は両方を施錠する。その後、第4避難レベルのまま処理は
図9のステップS18へ進む。
【0082】
図9を参照する。ステップS18において避難レベル通報部51は、利用者20を避難させる現在の避難レベルをセンタ装置8へ通報する。
ステップS19において運転モード切替部44は、防犯運転モードを解除すべきか否かを判断する。防犯運転モードを解除すべきでない場合(ステップS19:N)に処理はステップS13に戻り、防犯運転モードを継続する。防犯運転モードを解除すべきである場合(ステップS19:Y)に運転モード切替部44は、運転モードを通常運転モードに切り替えて処理を終了する。
【0083】
(第2実施形態の効果)
(1)エレベータ装置10は、かご11内に避難した利用者20の操作に従って、安全度の異なる複数の避難レベルにて段階的に侵入者9から利用者20を避難させる防犯手段を備える。このため、利用者20が置かれている状況の危険度に応じて段階的に避難レベルを上げ、避難した利用者20の安全を確保することができる。
(2)避難レベル通報部51は、利用者20を避難させる現在の避難レベルを外部に通報する。これにより利用者20が置かれている状況の危険度を外部の人間に知らせることができる。この結果、危険度を知らされた外部の人間は、利用者20が置かれている状況の危険度に応じて異常事態へ対処方法を選択することができる。