【解決手段】本出願は、通路が閉鎖される閉位置と前記通路が開放される開位置との間で移動する扉の戸尻の可動領域から自動ドアの周囲のヒトを離隔させるように前記自動ドアの近くで固定された防護柵を開示する。防護柵は、前記扉の移動に連動して画像を表示する表示面を有する表示部と、前記表示部を保持する保持フレームと、を備える。前記保持フレームは、床面から立設された支柱を含む。前記表示面は、前記支柱の側方の所定領域を占める。
通路が閉鎖される閉位置と前記通路が開放される開位置との間で移動する扉の戸尻の可動領域から自動ドアの周囲のヒトを離隔させるように前記自動ドアの近くで固定された防護柵であって、
床面に立てられた支柱を備えた保持フレームと、
前記支柱の側方に配置されるように保持フレームに保持され、前記扉の移動に連動して画像を表示する表示面を有する表示部と、を備えた
防護柵。
前記光源は、前記光として第1光を前記入射部へ出射する複数の第1発光素子が並べられた第1発光素子列と、前記第1光とは色相において相違する第2光を前記光として出射する複数の第2発光素子が並べられた第2発光素子列と、を含み、
前記方向信号が、前記閉位置から前記開位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第1発光素子列を点灯させ、
前記方向信号が、前記開位置から前記閉位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第2発光素子列を点灯させる
請求項3に記載の防護柵。
前記保持フレームは、前記床面に立てられた他の支柱と、前記第1入射部に沿って側方に延びる上桁部と、前記上桁部の下方で前記第2入射部に沿って側方に延びる下桁部と、を有し、
前記上桁部は、前記第1発光素子列を保持し、
前記下桁部は、前記第2発光素子列を保持する
請求項5乃至10のいずれか1項に記載の防護柵。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、防護柵の縁部のみを発光させるので、通行者へ与える視覚的効果は、非常に小さい。何かに気を取られている通行者は、当該発光に気づかない恐れがある。
【0005】
本発明は、扉の移動に連動して通行者に強い視覚的効果を与えることができる防護柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る防護柵は、通路が閉鎖される閉位置と前記通路が開放される開位置との間で移動する扉の戸尻の可動領域から自動ドアの周囲のヒトを離隔させるように前記自動ドアの近くで固定される。防護柵は、床面に立てられた支柱を備えた保持フレームと、前記保持フレームに保持され、支柱の側方に配置された、前記扉の移動に連動して画像を表示する表示面を有する表示部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、表示部は、床面に立てられた支柱の側方の所定領域を占める表示面を備えるので、表示部は、広い領域を用いて、画像を表示することができる。したがって、通行者は、防護柵から強い視覚的効果を受けることができる。ここで、画像とは、図形、文字、記号もしくは色彩、またはこれらの任意の組み合わせなど視覚によって検知可能な2次元的な情報を含む概念である。
【0008】
上記構成に関して、防護柵は、前記表示部に光を出射する光源を更に備えてもよい。前記表示部は、前記光が入射する入射部を含んでもよい。前記表示面は、前記光の少なくとも一部を外部に漏出させる漏出部と、前記入射部から前記漏出部まで導く光導波路部と、を含んでもよい。
【0009】
この構成によれば、表示面は、光源から入射部に入射した光の少なくとも一部を外部に漏出させる漏出部と、前記入射部から前記漏出部まで導く光導波路部と、を含むので、表示部は、画像を表示するための多数の電気部品を要することなく、簡素な構造を用いて画像を表示することができる。
【0010】
上記構成に関して、防護柵は、前記扉の移動方向を表す方向信号を受信する受信部と、前記方向信号に応じて、前記光源を制御する制御回路と、を更に備えてもよい。前記方向信号が、前記閉位置から前記開位置への前記扉の移動を表すとき、前記表示面に、前記画像として、第1画像が表示されるように、前記制御回路は、前記光源を制御してもよい。前記方向信号が、前記開位置から前記閉位置への前記扉の移動を表すとき、前記表示面に、前記画像として、前記第1画像とは異なる第2画像が表示されるように、前記制御回路は、前記光源を制御してもよい。
【0011】
この構成によれば、表示面上の画像は、扉の移動方向に応じて、第1画像と第2画像との間で切り替えられる。したがって、防護柵は、表示面に表示される画像を用いて、扉の移動方向を、通行者に知らせることができる。よって、扉の移動方向に応じて通行者により強い視覚的効果を与えることができる。
【0012】
上記構成に関して、前記光源は、前記光として第1光を前記入射部へ出射する複数の第1発光素子が並べられた第1発光素子列と、前記第1光とは色相において相違する第2光を前記光として出射する複数の第2発光素子が並べられた第2発光素子列と、を含んでもよい。前記方向信号が、前記閉位置から前記開位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第1発光素子列を点灯させてもよい。前記方向信号が、前記開位置から前記閉位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第2発光素子列を点灯させてもよい。
【0013】
この構成によれば、制御回路は、扉の移動方向に応じて、発光対象を、第1発光素子列と第2発光素子列との間で切り替えるので、表示面上に表示される第1画像及び第2画像は、色相において相違することとなる。したがって、通行者は、色相の相違から、扉の移動方向を認識することができる。
【0014】
上記構成に関して、前記入射部は、第1入射部と、前記第1入射部に対向する位置に設けられた第2入射部と、を含んでもよい。前記光源は、前記光として第1光を前記第1入射部へ出射する複数の第1発光素子が並べられた第1発光素子列と、前記光として第2光を前記第2入射部へ出射する複数の第2発光素子が並べられた第2発光素子列と、を含んでもよい。前記方向信号が、前記閉位置から前記開位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第1発光素子列を点灯させてもよい。前記方向信号が、前記開位置から前記閉位置への前記扉の前記移動を表すとき、前記制御回路は、前記第2発光素子列を点灯させてもよい。
【0015】
この構成によれば、第1発光素子列は、第1入射部に第1光を出射し、且つ、第2発光素子列は、第1入射部と対向する位置に設けられた第2入射部に第2光を出射するので、第1発光素子列は、第2発光素子列とは異なる位置に配置され得る。したがって、第1発光素子列は、複数の第1発光素子として、多数の発光素子を有することができる。すなわち発光素子の配置密度を高くし、輝度を高くできる。同様に、第2発光素子列は、複数の第2発光素子として、多数の発光素子を有することができる。上記同様に発光素子の配置密度を高くし、輝度を高くできる。したがって、表示部は、明るい画像を表示し、通行者に強い視覚的効果を与えることができる。
【0016】
上記構成に関して、前記表示面に表示される第1画像は、前記第2入射部よりも前記第1入射部の近くに表示されてもよい。前記表示面に表示される第2画像は、前記第1入射部よりも前記第2入射部の近くに表示されてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1画像は、第2入射部よりも第1入射部に近いので、防護柵は、第1画像を高い輝度で表示することができる。第2画像は、第1入射部よりも第2入射部に近いので、防護柵は、第2画像を高い輝度で表示することができる。
【0018】
上記構成に関して、前記第1画像は、前記第1入射部から前記第2入射部へ向かう第1方向に直交する第2方向において、前記第2画像と相違する位置に表示されてもよい。
【0019】
この構成によれば、第1画像は、第1入射部から第2入射部へ向かう第1方向に直交する第2方向において、第2画像と位置的に相違するので、第1画像は、第1光によって専ら発光されるが、第2光によっては明るく発光されない。すなわち、第1画像は、第2光の出射の下では、通行者に視認されにくい。仮に何らかの異常により第1光の代わりに第2光が出射していたとしても、通行者は第1画像を視認しにくいので、通行者は、不適切なタイミングで第1画像を視認しにくくなる。よって、防護柵は、第1画像を不適切なタイミングで表示しないため、扉の移動方向を通行者に誤って通知することを防止できる。
【0020】
上記構成に関して、前記表示部は、前記第1画像を形成する第1漏出部を有する第1表示板と、前記第2画像を形成する第2漏出部を有する第2表示板と、を含んでもよい。前記第1表示板は、前記第2表示板に隣接されてもよい。前記第1表示板と前記第2表示板との間に形成された境界は、前記第1表示板内で伝播する前記第1光が前記第2表示板に内部伝播することを妨げてもよい。
【0021】
この構成によれば、第1表示板と第2表示板との間に形成された境界は、第1表示板内で伝播する第1光が第2表示板に内部伝播することを妨げるので、第2画像は、第1光によって形成されにくい。したがって、防護柵は、第2画像を不必要に表示しないため、扉の移動方向を通行者に誤って通知することを防止できる。ここで形成とは、画像を通行者が視認可能な状態にすることをいう。
【0022】
上記構成に関して、防護柵は、通行者に情報を提示する他の表示部を備えてもよい。前記光源は、前記他の表示部の表示板へ第3光を出射する複数の第3発光素子が並べられた第3発光素子列を含んでもよい。前記他の表示部の表示板は、前記第3光が入射する第3入射部と、前記他の表示部の表示板内で伝播する前記第3光のうち少なくとも一部が漏出するように形成された第3漏出部と、を含んでもよい。
【0023】
この構成によれば、第3表示板内で伝播する第3光の少なくとも一部は、第3漏出部から漏出するので、防護柵は、第3漏出部から漏出した第3光を用いて、扉の移動とは関係なく、通行者に様々な情報を提供することができる。
【0024】
上記構成に関して、前記他の表示部の漏出部は、前記第1漏出部及び前記第2漏出部に重ならない位置に形成されてもよい。
【0025】
この構成によれば、第3漏出部は、第1漏出部及び第2漏出部に重ならない位置に形成されるので、第1画像及び第2画像は、第3光によって表示されることなく、通行者によって視認され得る。
【0026】
上記構成に関して、前記保持フレームは、前記床面から立設された他の支柱と、前記第1入射部に沿って側方に延びる上桁部と、前記上桁部の下方で前記第2入射部に沿って側方に延びる下桁部と、を有してもよい。前記上桁部は、前記第1発光素子列を保持してもよい。前記下桁部は、前記第2発光素子列を保持してもよい。
【0027】
この構成によれば、第1発光素子列及び第2発光素子列は、上桁部及び下桁部によって保持されるので、防護柵は、頑健な構造を有することができる。
【0028】
上記構成に関して、防護柵は、音を発するスピーカを更に備えてもよい。前記制御回路は、前記方向信号に応じて、前記スピーカから前記音を生じさせてもよい。
【0029】
上記構成によれば、表示制御部は、方向信号に応じて、スピーカから音を生じさせるので、防護柵は、画像だけでなく、音をも用いて、通行者に情報を伝達することができる。
【発明の効果】
【0030】
上述の防護柵は、扉の移動に連動して通行者に強い視覚的効果を与えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
自動ドアの前に設置された防護柵が、自動ドアの扉の移動に連動して、画像を、広い領域に表示するならば、防護柵は、強い視覚的効果を以て、通行者に自動ドアの動作に関する情報を与えることができる。第1実施形態において、自動ドアの扉に連動して、広い領域に画像を表示する例示的な防護柵の概念が説明される。なお、画像とは、図形、文字、記号もしくは色彩、またはこれらの任意の組み合わせなど視覚によって検知可能な2次元的な情報を含む概念である。
【0033】
図1は、第1実施形態の防護柵100の概念図である。
図1を参照して、防護柵100が説明される。
【0034】
図1は、自動ドア(図示せず)の扉SDRの一部を概略的に示す。扉SDRは、通路(図示せず)が閉鎖される閉位置と、通路が開放される開位置と、の間で移動する。扉SDRは、戸尻TREを含む。扉SDRが、閉位置から開位置へ移動する間、戸尻TREは、扉SDRの先頭縁となる。
【0035】
防護柵100は、戸尻TREの可動領域の前方で、床面FLRに固定される。扉SDRの周囲のヒトが、戸尻TREの可動領域に入り込まないように、防護柵100の位置は定められる。したがって、防護柵100は、戸尻TREの可動領域から、自動ドアの周囲のヒトを離隔することができる。この結果、自動ドアの周囲のヒトと戸尻TREとの間での衝突は、適切に予防される。
【0036】
防護柵100は、表示部200と、保持フレーム300と、を備える。表示部200は、扉SDRの移動に連動して画像を表示する。画像は、所定の形状の画像を表してもよい。あるいは、画像は、単色の平面像であってもよい。本実施形態の原理は、画像によって表される特定の内容に限定されない。
【0037】
様々な既知の通信技術や既知の画像生成技術は、扉SDRの移動に連動した画像表示に適用され得る。本実施形態の原理は、扉SDRの移動に連動した画像表示に利用される特定の技術に限定されない。
【0038】
保持フレーム300は、表示部200を保持する。保持フレーム300は、床面FLRから固定的に立設された支柱311,312を含む。表示部200は、支柱311,312によって直接的に接続並びに支持されてもよい。あるいは、表示部200は、支柱311,312に連結された他の部材を介して支持されてもよい。本実施形態の原理は、表示部200と保持フレーム300との間の特定の接続構造に限定されない。
【0039】
支柱311は、支柱312から離れた位置に配置される。支柱311,312の間の距離は、戸尻TREのストロークに適合するように定められてもよい。
【0040】
表示部200は、支柱311,312の間で側方に広がる表示面210を含む。表示面210は、支柱311,312の間の領域を占めるので、表示部200は、大きな画像を表示することができる。したがって、防護柵100は、通行者に、高い視覚的効果を与えることができる。
【0041】
表示部200は、光導波路の構造を有する板材であってもよい。この場合、表示部200は、光導波路から漏出した光を用いて、画像を表示する。表示部200は、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminecence)ディスプレイであってもよい。この場合、表示部200は、画像信号に応じて、様々な画像を表示することができる。本実施形態の原理は、表示部200として用いられる特定の装置に限定されない。
【0042】
<第2実施形態>
表示部は、光導波路として機能する板材であってもよい。この場合、表示部は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった画像表示装置とは異なり、電気部品をほとんど含まないので、防護柵は、頑健な構造を有することができる。第2実施形態において、光導波路として機能する板材を用いて形成された表示部を有する例示的な防護柵が説明される。
【0043】
図2は、第2実施形態の防護柵100Aの概略図である。
図1及び
図2を参照して、防護柵100Aが説明される。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的とする。これらの用語は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
【0044】
第1実施形態と同様に、防護柵100Aは、保持フレーム300(
図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は、保持フレーム300に援用される。
【0045】
防護柵100Aは、表示部200Aと、光源400と、を更に備える。表示部200Aは、
図1を参照して説明された表示部200として利用可能である。表示部200に関する説明は、表示部200Aに援用されてもよい。
【0046】
表示部200Aは、前面221と、後面222と、周縁面223と、を含む。後面222は、開位置にある扉SDR(
図1を参照)に対向する。前面221は、後面222とは反対側に位置する。周縁面223は、前面221と後面222との間で、略矩形状の輪郭を形成する。
【0047】
周縁面223は、上縁面224と、下縁面225と、左縁面226と、右縁面227と、を含む。上縁面224は、光源400に対向する。下縁面225は、上縁面224とは反対側に位置する。左縁面226は、上縁面224及び下縁面225の左端の間で略鉛直に延びる。右縁面227は、上縁面224及び下縁面225の右端の間で略鉛直に延びる。
【0048】
光源400は、複数の発光素子410を含む。複数の発光素子410は、上縁面224に沿って並べられる。複数の発光素子410それぞれは、上縁面224へ光を出射する。複数の発光素子410は、発光ダイオードであってもよいし、発光機能を有する他の光学的部品であってもよい。本実施形態の原理は、複数の発光素子410それぞれとして用いられる特定の光学的部品に限定されない。
【0049】
上縁面224に入射した光は、その後、前面221と後面222との間で繰り返し反射され、下縁面225に向けて内部伝播する。したがって、前面221及び後面222は、光導波路として機能することができる。表示部200Aは、ガラスやアクリルをベースとして形成されてもよい。この場合、光導波路として機能することができる面は、容易に作り出される。本実施形態において、入射部は、上縁面224によって例示される。
【0050】
前面221は、漏出部228を含む。前面221と後面222とによって下方へ導かれた光の一部は、漏出部228に到達する。漏出部228は、前面221と後面222との間で繰り返し反射し、下方に向かう光の少なくとも一部を外部へ漏出させる。通行者は、漏出部228から漏れ出た光を視認し、防護柵100Aから様々な情報を受け取ることができる。漏出部228は、内部伝播する光の少なくとも一部が散乱するように、クラッド層として用いられる材料とは屈折率において異なる材料からなる微細な薄層が分散配置されることによって形成されてもよい。あるいは、漏出部228は、クラッド層に形成された微細な傷及び/又は凹部が分散配置されることによって形成されてもよい。光導波路に関連する様々な技術及び知見は、漏出部228の形成に利用可能である。したがって、本実施形態の原理は、漏出部228を形成するための特定の技術に限定されない。本実施形態において、光導波路部は、前面221及び後面222によって例示される。
【0051】
図2に示される漏出部228は、前面221の下部領域を占める。しかしながら、漏出部は、前面221の上部領域を占めてもよいし、中央領域を占めてもよい。必要に応じて、漏出部は、後面222に形成されてもよい。本実施形態の原理は、漏出部の特定の形成位置に限定されない。
【0052】
図2に示される漏出部228は、前面221の一部を占める。しかしながら、漏出部は、前面221に全体的に形成されてもよい。本実施形態の原理は、漏出部の大きさによっては何ら限定されない。
【0053】
図2に示される漏出部228は、矩形状であり、漏出部228の形状自体は、特定の意味を有さない。しかしながら、漏出部は、特定の情報を表す形状を有してもよい。漏出部が、矢印の形状を有するならば、防護柵は、漏出部からの漏光を利用して、扉SDRの移動方向に関する情報を、通行者に提供することができる。本実施形態の原理は、漏出部の特定の形状に限定されない。
【0054】
上述の如く、
図2に示される漏出部228の形状自体は、特定の意味を有さない。この場合、扉SDRが移動している間においてのみ、光源400が光を出射してもよい。漏出部228からの漏光があるならば、防護柵100Aは、扉SDRが移動していることを通行者に通知することができる。
【0055】
光源400は、扉SDRが特定の方向に移動している間においてのみ、光を出射してもよい。たとえば、光源400は、扉SDRが閉位置から開位置に向けて移動している間のみ、光を出射してもよい。この場合、漏出部228からの漏光があるならば、防護柵100Aは、扉SDRが閉位置から開位置に向けて移動していることを通行者に通知することができる。
【0056】
光源400は、扉SDRの移動方向に応じて、光の色相を変更してもよい。たとえば、扉SDRが、閉位置から開位置へ移動している間、光源400は、青色光を出射してもよい。一方、扉SDRが、開位置から閉位置へ移動している間、光源400は、赤色光を出射してもよい。
【0057】
上述の如く、光源400に対して、様々な動作パターンが設計され得る。したがって、本実施形態の原理は、光源400の特定の動作に限定されない。
【0058】
<第3実施形態>
防護柵は、発光色を変更し、扉の移動方向を通行者に知らせてもよい。第3実施形態において、扉の移動方向に応じて、発光色を変更する例示的な防護柵が説明される。
【0059】
図3は、第3実施形態の防護柵100Bの概念的なブロック図である。
図1乃至
図3を参照して、防護柵100Bが説明される。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的とする。これらの用語は、本実施形態の原理を何ら限定しない。第2実施形態の説明は、第2実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
【0060】
図3は、建物(図示せず)の通路(図示せず)に設けられる引戸式の自動ドアAMDを示す。自動ドアAMDは、第1実施形態に関連して説明された扉SDRを備える。自動ドアAMDは、モータMTRと、エンコーダECDと、を更に備える。モータMTRは、扉SDRを摺動させるための駆動力を生成する。駆動力は、モータMTRから扉SDRへ伝達される。既知の様々な伝達機構に関する技術は、モータMTRから扉SDRへの駆動力の伝達に利用されることができる。したがって、本実施形態の原理は、モータMTRから扉SDRへ駆動力を伝達するための特定の機構に限定されない。
【0061】
扉SDRは、モータMTRによって生成された駆動力によって、開位置と閉位置との間で移動する。防護柵100Bは、扉SDRの移動に連動して、画像として、単色の平面像を表示する。
【0062】
エンコーダECDは、モータMTRに内蔵される。エンコーダECDは、モータMTRの回転をパルス信号で出力する。扉SDRの位置は、モータMTRの動作に連動する。扉SDRの位置は、エンコーダECDによって生成されるパルス信号のパルスが、予め設定された特定の位置(例えば、全閉位置や全開位置)から積算されることによって算出される。扉SDRの移動方向は、モータMTRの回転方向から判別され得る。扉SDRの移動速度は、単位時間当たりに生成されたパルス数が積算されることによって算出される。パルス数の積算は、モータMTRの回転制御を行う自動ドアコントローラ(図示せず)によって行われる。したがって、扉SDRの移動方向を表す方向信号は、エンコーダECD及び/又は自動ドアコントローラから出力される。
【0063】
本実施形態において、回転型モータが、モータMTRとして利用される。しかしながら、リニアモータが、モータMTRとして利用されてもよい。この場合、エンコーダECDは、リニアモータの可動子の位置をパルス信号で出力する。エンコーダECDは、タコジェネレータを用いて回転速度を出力してもよい。この場合、扉SDRの位置は、回転速度の積分演算によって算出される。エンコーダECDは、モータMTRとは別体であってもよい。エンコーダECDは、ホール素子等を用いた磁気式であってもよいし、LED等を用いた光学式であってもよい。上述の如く、本実施形態の原理は、様々な自動ドアに適用可能である。
【0064】
方向信号は、自動ドアAMDを防護柵100Bと電気的に接続するケーブル(図示せず)を通じて、防護柵100Bへ伝達されてもよい。代替的に、方向信号は、送信装置(図示せず)によって、無線信号として、防護柵100Bへ伝達されてもよい。
【0065】
エンコーダECDに代えて、扉SDRの移動方向を検出することができる他のセンサ素子(たとえば、リミットスイッチ、近接スイッチや光センサ)が用いられてもよい。例えば、扉の閉位置および開位置に配置されたリミットスイッチを用いて、閉位置のリミットスイッチがオフになって開位置のリミットスイッチがオンするまでを開動作中、開位置のリミットスイッチがオフになってから閉位置のリミットスイッチがオンするまでを閉動作中と認識するようにしても良い。本実施形態の原理は、方向信号を生成する特定の装置に限定されない。
【0066】
第1実施形態と同様に、防護柵100Bは、保持フレーム300(
図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は、保持フレーム300に援用される。
【0067】
防護柵100Bは、表示部200Bと、光源400Bと、受信部510と、制御回路520と、を備える。方向信号は、エンコーダECDから受信部510へ伝達される。方向信号が、ケーブルを通じて伝達されるならば、受信部510は、ケーブルが接続されるコネクタ素子であってもよい。方向信号が、無線信号であるならば、受信部510は、受信機であってもよい。本実施形態の原理は、受信部510として用いられる特定の装置に限定されない。
【0068】
制御回路520は、受信部510を通じて、方向信号を受け取る。制御回路520は、方向信号に応じて、光源400Bを制御する。
【0069】
光源400Bは、複数の青色発光ダイオード411と、複数の赤色発光ダイオード412と、を含む。複数の青色発光ダイオード411は、
図2を参照して説明された複数の発光素子410のうち一部に対応する。複数の赤色発光ダイオード412は、
図2を参照して説明された複数の発光素子410のうち残りの一部に対応する。複数の発光素子410に関する説明は、複数の青色発光ダイオード411及び複数の赤色発光ダイオード412それぞれに援用されてもよい。
【0070】
表示部200Bは、
図1を参照して説明された表示部200として利用可能である。第2実施形態と同様に、表示部200Bは、後面222と、周縁面223と、を含む。第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0071】
表示部200Bは、前面221Bを更に含む。前面221Bは、後面222とは反対側に位置する。前面221Bには、漏出部228Bが全体的に形成される。漏出部228Bは、
図2を参照して説明された漏出部228と同様の形成技術に基づいて形成される。したがって、漏出部228に関する説明は、漏出部228Bに援用されてもよい。
【0072】
制御回路520が複数の青色発光ダイオード411から青色光を出射させると、漏出部228Bから青色光が漏れ出る。この結果、前面221Bは、全体的に、青色発光する。制御回路520が複数の赤色発光ダイオード412から赤色光を出射させると、漏出部228Bから赤色光が漏れ出る。この結果、前面221Bは、全体的に、赤色発光する。
【0073】
複数の青色発光ダイオード411は、表示部200Bの上縁面224に沿って並べられる。本実施形態において、複数の第1発光素子は、複数の青色発光ダイオード411によって例示される。第1発光素子列は、複数の青色発光ダイオード411の列によって例示される。
【0074】
扉SDRが、閉位置から開位置へ変位するとき、制御回路520は、方向信号に応じて、複数の青色発光ダイオード411から上縁面224へ青色光を出射させる。この間、複数の赤色発光ダイオード412は、制御回路520の制御下で、消灯される。上述の如く、前面221Bは、青色光の出射下で、全体的に青色発光する。この結果、通行者は、前面221B上に現れた青色の平面像を視認することができる。本実施形態において、第1画像は、青色の平面像によって例示される。第1光は、青色光によって例示される。
【0075】
複数の赤色発光ダイオード412は、表示部200Bの上縁面224に沿って並べられる。本実施形態において、複数の第2発光素子は、複数の赤色発光ダイオード412によって例示される。第2発光素子列は、複数の赤色発光ダイオード412の列によって例示される。
【0076】
扉SDRが、開位置から閉位置へ変位するとき、制御回路520は、方向信号に応じて、複数の赤色発光ダイオード412から上縁面224へ赤色光を出射させる。この間、複数の青色発光ダイオード411は、制御回路520の制御下で、消灯される。上述の如く、前面221Bは、赤色光の出射下で、全体的に赤色発光する。この結果、通行者は、前面221B上に現れた赤色の平面像を視認することができる。本実施形態において、第2画像は、赤色の平面像によって例示される。第2光は、赤色光によって例示される。
【0077】
本実施形態において、青色発光ダイオード411及び赤色発光ダイオード412は、上縁面224に沿って交互に並べられる。しかしながら、青色又は赤色の平面像を表示することを可能にする他の配列パターンが採用されてもよい。本実施形態の原理は、青色発光ダイオード411及び赤色発光ダイオード412の特定の配列パターンに限定されない。
【0078】
本実施形態において、防護柵100Bは、青色及び赤色の平面像を選択的に表示する。しかしながら、防護柵は、他の色相を用いて、扉SDRの移動方向を、通行者に知らせてもよい。したがって、本実施形態の原理は、扉SDRの移動方向を通知するために用いられる特定の色相に限定されない。
【0079】
<第4実施形態>
第3実施形態において、光源からの光は、表示部の上縁面に入射する。しかしながら、光源からの光は、表示部の複数の縁面に入射してもよい。この場合、多くの発光素子が、画像の表示に用いられ得る。防護柵は、明るい画像を表示することができるので、通行者に強い視覚的効果を与えることができる。第4実施形態において、複数の入射部を有する表示部を含む例示的な防護柵が説明される。
【0080】
図4は、第4実施形態の防護柵100Cの概略図である。
図1及び
図4を参照して、防護柵100Cが説明される。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的とする。これらの用語は、本実施形態の原理を何ら限定しない。第3実施形態の説明は、第3実施形態と同一の符号が付された要素に対して援用される。
【0081】
第1実施形態と同様に、防護柵100Cは、保持フレーム300(
図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は、保持フレーム300に援用される。第3実施形態と同様に、防護柵100Cは、受信部510と、表示部200Bと、を更に備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0082】
防護柵100Cは、制御回路520Cと、青色LED列420と、赤色LED列430と、を含む。制御回路520Cは、受信部510を通じて、方向信号を受け取る。制御回路520Cは、方向信号を参照し、扉SDR(
図1を参照)の移動方向を判定する。制御回路520Cは、扉SDRの移動方向に関する判定結果に基づき、青色LED列420及び赤色LED列430を制御する。
【0083】
青色LED列420は、上縁面224に沿って並べられた複数の青色発光ダイオード421を含む。複数の青色発光ダイオード421は、青色光を、表示部200Bの上縁面224に向けて出射する。赤色LED列430は、下縁面225に沿って並べられた複数の赤色発光ダイオード431を含む。複数の赤色発光ダイオード431は、赤色光を、表示部200Bの下縁面225に向けて出射する。本実施形態において、第1発光素子列は、青色LED列420によって例示される。第2発光素子列は、赤色LED列430によって例示される。複数の第1発光素子は、複数の青色発光ダイオード421によって例示される。複数の第2発光素子は、複数の赤色発光ダイオード431によって例示される。第1光は、青色光によって例示される。第2光は、赤色光によって例示される。第1光及び第2光それぞれは、他の色相を有してもよい。第1入射部は、上縁面224によって例示される。第2入射部は、下縁面225によって例示される。
【0084】
方向信号が、閉位置から開位置への扉SDRの移動を表すならば、制御回路520Cは、青色LED列420を選択的に点灯させる。青色LED列420が点灯している間、赤色LED列430は、消灯される。第3実施形態と同様に、前面221Bは、青色光の出射下で、全体的に青色発光する。この結果、通行者は、前面221B上に現れた青色の平面像を視認することができる。
【0085】
方向信号が、開位置から閉位置への扉SDRの移動を表すならば、制御回路520Cは、赤色LED列430を選択的に点灯させる。赤色LED列430が点灯している間、青色LED列420は、消灯される。第3実施形態と同様に、前面221Bは、赤色光の出射下で、全体的に赤色発光する。この結果、通行者は、前面221B上に現れた赤色の平面像を視認することができる。
【0086】
<第5実施形態>
漏出部は、扉の動作を表すように形成された特定の形状を有してもよい。この場合、漏出部によって表される画像を見て、様々な情報を防護柵から受け取ることができる。第5実施形態において、画像を表示する表示部を含む例示的な防護柵が説明される。
【0087】
図5は、第5実施形態の防護柵100Dの概略図である。
図1、
図2及び
図5を参照して、防護柵100Dが説明される。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的とする。これらの用語は、本実施形態の原理を何ら限定しない。第4実施形態の説明は、第4実施形態と同一の符号が付された要素に対して援用される。
【0088】
第1実施形態と同様に、防護柵100Dは、保持フレーム300(
図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は、保持フレーム300に援用される。第4実施形態と同様に、防護柵100Dは、受信部510と、制御回路520Cと、を備える。第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0089】
防護柵100Dは、表示部200Dと、青色LED列420Dと、赤色LED列430Dと、を更に備える。表示部200Dは、
図1を参照して説明された表示部200として利用可能である。青色LED列420D及び赤色LED列430Dは、制御回路520Cの制御下で点灯及び消灯する。したがって、第4実施形態の説明は、青色LED列420D及び赤色LED列430Dに対する制御に援用される。
【0090】
表示部200Dは、左表示板230と、右表示板240と、を含む。右表示板240は、左表示板230の右方に配置される。
【0091】
左表示板230は、前面231と、後面232と、周縁面233と、を含む。後面232は、開位置にある扉SDR(
図1を参照)に対向する。前面231は、後面232とは反対側に位置する。周縁面233は、前面231と後面232との間で、略矩形状の輪郭を形成する。
【0092】
周縁面233は、上縁面234と、下縁面235と、左縁面236と、右縁面237と、を含む。上縁面234は、青色LED列420Dに対向する。下縁面235は、上縁面234とは反対側に位置する。左縁面236は、上縁面234及び下縁面235の左端の間で略鉛直に延びる。右縁面237は、上縁面234及び下縁面235の右端の間で略鉛直に延び、右表示板240に全体的に面接触する。
【0093】
右表示板240は、前面241と、後面242と、周縁面243と、を含む。右表示板240の前面241は、左表示板230の前面231と略面一である。右表示板240の後面242は、左表示板230の後面232と略面一である。周縁面243は、前面241と後面242との間で、略矩形状の輪郭を形成する。
【0094】
周縁面243は、上縁面244と、下縁面245と、左縁面246と、右縁面247と、を含む。下縁面245は、赤色LED列430Dに対向する。上縁面244は、下縁面245とは反対側に位置する。右縁面247は、上縁面244及び下縁面245の右端の間で略鉛直に延びる。左縁面246は、上縁面244及び下縁面245の左端の間で略鉛直に延び、左表示板230の右縁面237に全体的に面接触する。左表示板230の右縁面237及び右表示板240の左縁面246は、左表示板230と右表示板240との間の境界を形成する。
【0095】
左表示板230の前面231は、右向きの矢印形状の図形(画像)を描く漏出部238を含む。青色LED列420Dからの青色光が、左表示板230の上縁面234に入射すると、青色光は、漏出部238を除く領域において、略全反射し、下縁面235に向けて内部伝播する。青色光の一部は、漏出部238において漏れ出る。漏出部238は、
図2を参照して説明された漏出部228と同様の形成技術に基づいて形成される。したがって、漏出部228に関する説明は、漏出部238に援用されてもよい。本実施形態において、第1漏出部は、漏出部238によって例示される。第1画像は、漏出部238によって描かれる右向きの矢印形状の図形(画像)によって例示される。第1表示板は、左表示板230によって例示される。
【0096】
右表示板240の前面241は、左向きの矢印形状の図形(画像)を描く漏出部248を含む。赤色LED列430Dからの赤色光が、右表示板240の下縁面245に入射すると、赤色光は、漏出部248を除く領域において、略全反射し、上縁面244に向けて内部伝播する。赤色光の一部は、漏出部248において漏れ出る。漏出部248は、
図2を参照して説明された漏出部228と同様の形成技術に基づいて形成される。したがって、漏出部228に関する説明は、漏出部248に援用されてもよい。本実施形態において、第2漏出部は、漏出部248によって例示される。第2画像は、漏出部248によって描かれる左向きの矢印形状の図形(画像)によって例示される。第2表示板は、右表示板240によって例示される。
【0097】
漏出部238が表す右向きの矢印は、扉SDR(
図1を参照)が、閉位置から開位置へ向かっていることを示す。青色LED列420Dからの青色光が、左表示板230の上縁面234に入射すると、漏出部238は、青色発光する。この結果、通行者は、青色で発光する矢印を視認し、扉SDRが、閉位置から開位置に向けて移動していることを確認することができる。
【0098】
漏出部248が表す左向きの矢印は、扉SDRが、開位置から閉位置へ向かっていることを示す。赤色LED列430Dからの赤色光が、右表示板240の下縁面245に入射すると、漏出部248は、赤色発光する。この結果、通行者は、赤色で発光する矢印を視認し、扉SDRが、開位置から閉位置に向けて移動していることを確認することができる。
【0099】
左表示板230の上縁面234は、右表示板240の上縁面244と略面一である。左表示板230の下縁面235は、右表示板240の下縁面245と略面一である。漏出部238は、下縁面235よりも上縁面234の近くに形成される。したがって、上縁面234へ入射した青色光は、高い強度で、漏出部238を発光させることができる。漏出部248は、上縁面244よりも下縁面245の近くに形成される。したがって、下縁面245へ入射した赤色光は、高い強度で、漏出部248を発光させることができる。
【0100】
青色LED列420Dは、複数の青色発光ダイオード421Dを含む。青色発光ダイオード421Dは、左表示板230の上縁面234に対向する一方で、右表示板240の上縁面244には対向しない。したがって、青色光は、左表示板230の上縁面234に専ら入射する。
【0101】
赤色LED列430Dは、複数の赤色発光ダイオード431Dを含む。赤色発光ダイオード431Dは、右表示板240の下縁面245に対向する一方で、左表示板230の上縁面234には対向しない。したがって、赤色光は、右表示板240の下縁面245に専ら入射する。
【0102】
上述の如く、漏出部238,248は、垂直位置において相違する。加えて、漏出部238,248は、水平位置においても相違する。したがって、漏出部238は、青色光によって、専ら発光される。漏出部248は、赤色光によって専ら発光される。本実施形態において、第1方向は、垂直方向によって例示される。第2方向は、水平方向によって例示される。
【0103】
左表示板230から右表示板240へ向けて拡散伝播する青色光は、左表示板230の右縁面237及び右表示板240の左縁面246によって形成される境界で内部反射される。したがって、漏出部248は、青色光によっては発光されにくい。右表示板240から左表示板230へ向けて拡散伝播する赤色光は、左表示板230の右縁面237及び右表示板240の左縁面246によって形成される境界で内部反射される。したがって、漏出部238は、赤色光によっては発光されにくい。
【0104】
<第6実施形態>
設計者は、追加的な表示部(表示板及び光源)を用いて、防護柵が伝達する情報の種類を増加させてもよい。この場合、防護柵は、自動ドアの動作に関する動作情報だけでなく、企業広告や防護柵が設置されている建物の情報や当該建物に入っているテナントの情報などを表示することができる。第6実施形態において、追加的な表示部(表示板及び光源)を含む例示的な防護柵が説明される。
【0105】
図6は、第6実施形態の防護柵100Eの概略的な展開図である。
図1及び
図6を参照して、防護柵100Eが説明される。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的とする。これらの用語は、本実施形態の原理を何ら限定しない。第5実施形態の説明は、第5実施形態と同一の符号が付された要素に対して援用される。
【0106】
第1実施形態と同様に、防護柵100Eは、保持フレーム300(
図1を参照)を備える。第1実施形態の説明は、保持フレーム300に援用される。第5実施形態と同様に、防護柵100Eは、左表示板230と、右表示板240と、受信部510と、青色LED列420Dと、赤色LED列430Dと、を備える。第5実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0107】
防護柵100Eは、追加的な表示部の表示板250と、追加的なLED列440と、制御回路520Eと、を更に備える。第6実施形態と同様に、制御回路520Eは、扉SDR(
図1を参照)の移動方向に合わせて、青色LED列420D及び赤色LED列430Dのうち一方を点灯させる。第5実施形態の説明は、青色LED列420D及び赤色LED列430Dに対する制御に援用される。
【0108】
制御回路520Eは、LED列440を更に制御する。青色LED列420D及び赤色LED列430Dとは異なり、制御回路520Eは、LED列440の点灯動作を扉SDRの動作に連動させなくてもよい。たとえば、制御回路520Eは、LED列440を常時点灯させてもよい。代替的に、制御回路520Eは、所定の外部信号に応じて、LED列440の点灯を制御してもよい。本実施形態の原理は、LED列440に対する特定の制御に限定されない。
【0109】
表示板250は、左表示板230及び右表示板240それぞれよりも小さい。表示板250は、漏出部238,248に重ならないように、左表示板230及び右表示板240の前面231,241に重ねられる。本実施形態において、他の表示部および他の表示部の表示板は、表示板250によって例示される。
【0110】
表示板250は、前面251と、後面252と、周縁面253と、を含む。後面252は、左表示板230及び右表示板240の前面231,241に当接される。前面251は、後面252とは反対側に位置する。周縁面253は、前面251と後面252との間で、略矩形状の輪郭を形成する。
【0111】
周縁面253は、上縁面254と、下縁面255と、左縁面256と、右縁面257と、を含む。上縁面254は、LED列440に対向する。表示板250の上縁面254が、左表示板230及び右表示板240の上縁面234,244と略面一となるように、表示板250は、左表示板230及び右表示板240に重ねられてもよい。下縁面255は、上縁面254とは反対側に位置する。左縁面256は、上縁面254及び下縁面255の左端の間で略鉛直に延びる。右縁面257は、上縁面254及び下縁面255の右端の間で略鉛直に延びる。
【0112】
LED列440は、複数の発光ダイオード441を含む。複数の発光ダイオード441は、表示板250の上縁面254に向けて、光を出射する。複数の発光ダイオード441から出射される光の色相は、表示板250上で表示される画像の意匠に適合するように決定されてもよい。本実施形態の原理は、LED列440から出射される光の特定の色相に限定されない。本実施形態において、第3発光素子列は、LED列440によって例示される。複数の第3発光素子は、複数の発光ダイオード441によって例示される。第3光は、LED列440から出射される光によって例示される。第3入射部は、表示板250の上縁面254によって例示される。
【0113】
LED列440の複数の発光ダイオード441は、青色LED列420Dに略平行に並べられてもよい。この場合、LED列440及び青色LED列420Dは、狭い空間に配置されることができる。
【0114】
表示板250の前面251は、漏出部258を含む。LED列440からの光が、表示板250の上縁面254に入射すると、光は、漏出部258を除く領域において、略全反射し、下縁面255に向けて内部伝播する。光の一部は、漏出部258において漏れ出る。漏出部258は、矢印の図形(画像)を描く漏出部238,248と同様の方法で形成されてもよい。
【0115】
図6に示される漏出部258は、星形である。表示板250を設計する設計者は、漏出部に他の形状を与えてもよい。たとえば、設計者は、企業や商品のロゴマークが表されるように、漏出部258を形成してもよい。本実施形態の原理は、漏出部258の特定の形状に限定されない。本実施形態において、第3漏出部は、漏出部258によって例示される。第3画像は、漏出部258によって描かれる星形マークによって例示される。
【0116】
<第7実施形態>
設計者は、第6実施形態に関連して説明された設計原理に従って、様々な防護柵を設計することができる。第7実施形態において、例示的な防護柵が説明される。
【0117】
図7は、第7実施形態の防護柵100Fの概略的な正面図である。
図1、
図6及び
図7を参照して、防護柵100Fが説明される。
【0118】
防護柵100Fは、表示部200Fと、保持フレーム300Fと、を備える。保持フレーム300Fは、
図1を参照して説明された保持フレーム300に相当する。表示部200Fは、重畳された表示板260,270を含む。表示板260は、表示板270よりも大きい。表示板260は、
図6を参照して説明された左表示板230及び右表示板240に対応する。表示板270は、
図6を参照して説明された表示板250に対応する。
【0119】
表示板260は、水平方向に並べられた複数の矩形板(図示せず)から形成される。複数の矩形板それぞれは、
図6を参照して説明された左表示板230又は右表示板240に相当し、光導波路としての機能を有する。複数の矩形板は、ガラスやアクリルをベースとして形成されてもよい。表示板260上に描かれた矢印マーク261は、
図6を参照して説明された漏出部238,248に相当する。矢印マーク261は、光の供給下で発光する。
【0120】
表示板270は、表示板260に重ねられる。表示板270は、光導波路としての機能を有する矩形板から形成される。矩形板は、ガラスやアクリルをベースとして形成されてもよい。表示板270上に描かれたロゴマーク271は、
図6を参照して説明された漏出部258に相当する。ロゴマーク271は、光の供給下で発光する。
【0121】
保持フレーム300Fは、左支柱311Fと、右支柱312Fと、上桁部313と、下桁部314と、4つの保持爪321,322,323,324と、を含む。左支柱311Fは、表示板260の左縁に沿って立設される。右支柱312Fは、表示板260の右縁に沿って立設される。左支柱311F及び右支柱312Fそれぞれの下端は、床面FLRに固定される。
【0122】
図6を参照して説明された制御回路520Eは、左支柱311F及び/又は右支柱312Fに内蔵されてもよい。加えて、受信部510として用いられるコネクタ素子(図示せず)や受信機(図示せず)も、左支柱311F及び/又は右支柱312Fに取り付けられてもよい。
【0123】
保持爪321,322は、左支柱311Fから右方に突出し、表示板260の右縁近くの領域に接続される。保持爪323,324は、右支柱312Fから左方に突出し、表示板260の左縁近くの領域に接続される。保持爪322,324は、保持爪321,323の下方に位置する。表示板260は、保持爪321,322,323,324に連結されるので、左支柱311F及び右支柱312Fは、表示板260を適切に保持することができる。
【0124】
上桁部313は、表示板260及び表示板270の上縁に沿って側方に延設される。下桁部314は、上桁部313の下方で、表示板260の下縁に沿って側方に延設される。
図6を参照して説明された青色LED列420D及びLED列440は、上桁部313に内蔵されてもよい。
図6を参照して説明された赤色LED列430Dは、下桁部314に内蔵されてもよい。
【0125】
保持フレーム300Fには、他の追加的な設備が取り付けられてもよい。たとえば、音を発するスピーカ(図示せず)が、保持フレーム300Fに組み込まれてもよい。この場合、保持フレーム300Fに内蔵された制御回路520Eは、青色LED列420D、赤色LED列430D及びLED列440に加えて、スピーカを制御してもよい。制御回路520Eは、方向信号に応じて、スピーカから音を出力してもよい。
【0126】
上述の様々な実施形態に関連して説明された防護柵は、様々な自動ドアに適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明された技術に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
100〜100F・・・・・・・・・・・・・・・防護柵
200,200A,200B,200F・・・・・表示部
210・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示面
221・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前面(光導波路部)
222・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・後面(光導波路部)
224・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上縁面(入射部、第1入射部)
225・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下縁面(入射部、第2入射部)
228,228B・・・・・・・・・・・・・・・漏出部
238・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・漏出部(第1漏出部)
248・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・漏出部(第2漏出部)
250・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・表示板(他の表示部、他の表示板)
258・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・漏出部(第3漏出部)
300,300F・・・・・・・・・・・・・・・保持フレーム
311,312,311F,312F・・・・・・支柱
313・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上桁部
314・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下桁部
400,400B・・・・・・・・・・・・・・・光源
411,421,421D・・・・・・・・・・・青色発光ダイオード(第1発光素子)
412,431,431D・・・・・・・・・・・赤色発光ダイオード(第2発光素子)
420,420D・・・・・・・・・・・・・・・青色LED列(第1発光素子列)
430,430D・・・・・・・・・・・・・・・赤色LED列(第2発光素子列)
440・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・LED列440(第3発光素子列)
441・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・発光ダイオード(第3発光素子)
510・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・受信部
520,520C,520E・・・・・・・・・・制御回路
AMD・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・自動ドア
SDR・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・扉
TRE・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・戸尻