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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-181188(P2017-181188A)
(43)【公開日】2017年10月5日
(54)【発明の名称】基板検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/25 20060101AFI20170908BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20170908BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20170908BHJP
【FI】
   G01B11/25 H
   G01N21/956 B
   H05K13/08 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-66092(P2016-66092)
(22)【出願日】2016年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】梅村 信行
(72)【発明者】
【氏名】加藤 章
(72)【発明者】
【氏名】大山 剛
(72)【発明者】
【氏名】坂井田 憲彦
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
5E353
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA14
2F065AA24
2F065AA58
2F065AA59
2F065CC01
2F065CC26
2F065FF02
2F065FF09
2F065GG04
2F065HH06
2F065HH14
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL28
2F065MM03
2F065QQ28
2F065QQ31
2F065QQ38
2G051AA65
2G051AB08
2G051AB14
2G051BA02
2G051BA20
2G051BC03
2G051BC06
2G051CA04
2G051CA08
2G051CB01
2G051CD01
2G051CD04
2G051EA14
2G051EA20
5E353EE02
5E353EE62
5E353EE63
5E353GG22
5E353KK02
5E353KK06
5E353KK13
5E353KK21
5E353KK24
5E353KK25
5E353MM04
5E353MM08
(57)【要約】
【課題】基板の両面検査に係る検査精度の向上を図ると共に、検査の高速化を図ることのできる基板検査装置を提供する。
【解決手段】基板検査装置1は、プリント基板P1の上面側の検査を行うための上面検査ユニット3と、プリント基板P1の下面側の検査を行うための下面検査ユニット4とを備えている。各検査ユニット3,4は、それぞれプリント基板P1に対し縞パターンを照射する検査照明3A,4A等と、プリント基板P1を撮像する検査カメラ3C,4Cとを備えている。そして、上面検査ユニット3によるプリント基板P1の上面側の検査処理と、下面検査ユニット4によるプリント基板P1の下面側の検査処理とを交互に行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表裏両面を検査する基板検査装置であって、
前記基板の表面側の所定の検査範囲に対し所定の光を照射可能な少なくとも1つの表面側照射手段と、
所定の光が照射された前記基板の表面側の所定の検査範囲を撮像可能な表面側撮像手段と、
前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段を前記基板の表面側の所定の検査範囲に対応する位置へ移動可能な表面側移動手段と、
前記基板の裏面側の所定の検査範囲に対し所定の光を照射可能な少なくとも1つの裏面側照射手段と、
所定の光が照射された前記基板の裏面側の所定の検査範囲を撮像可能な裏面側撮像手段と、
前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段を前記基板の裏面側の所定の検査範囲に対応する位置へ移動可能な裏面側移動手段と、
前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段によって行われる前記基板の表面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理により取得された少なくとも1つの画像データを基に当該検査範囲に係る検査を実行可能、かつ、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段によって行われる前記基板の裏面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理により取得された少なくとも1つの画像データを基に当該検査範囲に係る検査を実行可能な検査手段とを備え、
前記裏面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理を前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段により実行した後、
当該表面側照射手段及び表面側撮像手段を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、前記表面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理を前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段により実行し、
かつ、
前記表面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理を前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段により実行した後、
当該裏面側照射手段及び裏面側撮像手段を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、前記裏面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理を前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段により実行することにより、
前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理と、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理とを交互に実行可能としたことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段の移動期間中に、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段による画像取得処理を実行し、
かつ、
前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段の移動期間中に、前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段による画像取得処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲に対応する位置へ前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段を予め定めた検査順序に基づき順次移動させ、当該複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行すると共に、
前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲に対応する位置へ前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段を予め定めた検査順序に基づき順次移動させ、当該複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行する構成であって、
前記基板の表面側について、前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段が移動する経路が所定の起点からの最短経路となるよう前記検査順序が設定され、
及び/又は、
前記基板の裏面側について、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段が移動する経路が所定の起点からの最短経路となるよう前記検査順序が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記基板の表面において、位置合わせ用の特定対象を少なくとも1つ備えると共に、前記基板の裏面において、位置合わせ用の特定対象を少なくとも1つ備えた構成の下、
前記基板の表面側において、前記表面側撮像手段により前記少なくとも1つの特定対象を個別に撮像した後、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行し、
かつ、
前記基板の裏面側において、前記裏面側撮像手段により前記少なくとも1つの特定対象を個別に撮像した後、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記基板の表面側及び裏面側のうちの少なくとも一方において、
前記少なくとも1つの特定対象のうち最後に撮像する特定対象から最短距離にある検査範囲を、最初に前記画像取得処理を実行する検査範囲としたことを特徴とする請求項4に記載の基板検査装置。
【請求項6】
事前に把握した前記表面側撮像手段と前記裏面側撮像手段の相対位置関係を記憶する記憶手段を備え、
前記基板の表面側において前記表面側撮像手段により撮像された1つの前記特定対象の位置情報、及び、前記基板の裏面側において前記裏面側撮像手段により撮像された1つの前記特定対象の位置情報、
並びに、
前記記憶手段に記憶された前記表面側撮像手段と前記裏面側撮像手段の相対位置関係に基づき、
前記表面側撮像手段と前記基板の表面との相対位置関係、及び、前記裏面側撮像手段と前記基板の裏面との相対位置関係を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記表面側照射手段及び前記裏表面側照射手段の少なくとも1つは、前記所定の光として縞状の光強度分布を有するパターン光を照射可能に構成され、
前記検査手段は、
位相の異なる前記パターン光の下で撮像された複数の画像データを基に位相シフト法による三次元計測を実行可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板検査装置。
【請求項8】
前記基板は、クリーム半田が印刷されたプリント基板であること、又は、半田バンプが形成されたウエハ基板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等の表裏両面を検査する基板検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、表裏両面に電子部品が実装されるプリント基板は、ガラスエポキシ樹脂からなるベース基板の表裏両面に電極パターンを有し、これらがレジスト膜によって保護されている。
【0003】
かかるプリント基板に電子部品を実装する製造ラインにおいては、まずプリント基板の表裏両面の所定位置に対しクリーム半田が印刷される(半田印刷工程)。続いて、プリント基板の表裏両面の所定位置に対し接着剤が塗布される(接着剤塗布工程)。次に、プリント基板の表裏両面に対し電子部品が実装される(実装工程)。ここで、電子部品は、クリーム半田の粘性や接着剤によって仮止めされた状態となる。その後、プリント基板はリフロー炉へ導かれ、半田付けが行われる(リフロー工程)。
【0004】
このような製造ラインにおいては、例えば部品実装前にクリーム半田の印刷状態を検査する基板検査装置(半田印刷検査装置)や、部品実装後のプリント基板に係る検査を行う基板検査装置(実装検査装置)などが設けられている。
【0005】
かかる基板検査装置として、従来より、プリント基板の表裏両面を同時に検査可能な検査装置が知られている。
【0006】
しかしながら、表裏両面を同時に検査する基板検査装置においては、プリント基板の一方側の面に対し照射した光の一部が、プリント基板に貫通形成された孔部や、ベース基板を構成するガラスエポキシ樹脂などを透過して、プリント基板の他方側へ漏れてしまうおそれがある。その結果、プリント基板の他方側の面を検査する際に、一方側から漏れてくる光が影響して検査精度が低下するおそれがある。
【0007】
このような不具合を緩和するため、近年では、プリント基板の表裏両側の照明ユニットの位置をオフセットしたり、プリント基板の表裏両側で同時に同色の照明による検査を行う検査装置なども提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−184022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の構成であっても、プリント基板の表裏両側で同時に光を照射する以上、僅かながらも反対側へ光が漏れる可能性があるため、依然として検査精度への影響が懸念される。
【0010】
例えば位相シフト法のように、位相の異なるパターン光の下で撮像した複数の画像データの輝度値の違いを基に三次元計測(検査)を行う構成においては、たとえ同色の光であっても、プリント基板の一方側の面を検査する際に、他方側から漏れてくる光が僅かでもあると、検査精度に多大な影響を与えるおそれがある。
【0011】
これに対し、仮にプリント基板の表面側の検査を完了した後、裏面側の検査を実行する構成とした場合には、検査時間の増加が懸念される。
【0012】
例えばプリント基板の表裏両面それぞれに検査範囲が多数設定されている場合には、検査時間が著しく増加するおそれがある(図9参照)。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の両面検査に係る検査精度の向上を図ると共に、検査の高速化を図ることのできる基板検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0015】
手段1.基板の表裏両面を検査する基板検査装置であって、
前記基板の表面側の所定の検査範囲に対し所定の光を照射可能な少なくとも1つの表面側照射手段と、
所定の光が照射された前記基板の表面側の所定の検査範囲を撮像可能な表面側撮像手段と、
前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段を前記基板の表面側の所定の検査範囲に対応する位置へ移動可能な表面側移動手段と、
前記基板の裏面側の所定の検査範囲に対し所定の光を照射可能な少なくとも1つの裏面側照射手段と、
所定の光が照射された前記基板の裏面側の所定の検査範囲を撮像可能な裏面側撮像手段と、
前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段を前記基板の裏面側の所定の検査範囲に対応する位置へ移動可能な裏面側移動手段と、
前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段によって行われる前記基板の表面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理により取得された少なくとも1つの画像データを基に当該検査範囲に係る検査を実行可能、かつ、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段によって行われる前記基板の裏面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理により取得された少なくとも1つの画像データを基に当該検査範囲に係る検査を実行可能な検査手段とを備え、
前記裏面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理(少なくとも1回の撮像処理)を前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段により実行した後、
当該表面側照射手段及び表面側撮像手段を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、前記表面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理(少なくとも1回の撮像処理)を前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段により実行し、
かつ、
前記表面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理(少なくとも1回の撮像処理)を前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段により実行した後、
当該裏面側照射手段及び裏面側撮像手段を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、前記裏面側照射手段からの光の照射を停止した状態で、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理(少なくとも1回の撮像処理)を前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段により実行することにより、
前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理と、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲のうちの1つの検査範囲に係る画像取得処理とを交互に実行可能としたことを特徴とする基板検査装置。
【0016】
上記手段1のように、基板の表面側に係る照射手段及び撮像手段と、基板の裏面側に係る照射手段及び撮像手段とを独立して駆動制御可能な構成の下では、検査効率の向上を図ることができる一方で、基板の表裏両面の検査期間が重なってしまう場合がある。かかる場合、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたような不具合が発生し得る。
【0017】
この点、上記手段1では、基板の表面側(又は裏面側)にて画像取得処理を実行した後、当該表面側(又は裏面側)の照射手段及び撮像手段を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、基板の裏面側(又は表面側)の画像取得処理を実行する構成となっている。
【0018】
つまり、基板の表面側に係る画像取得処理と、基板の裏面側に係る画像取得処理とを交互に繰り返すことで、基板の表面側の複数の検査範囲に係る画像取得処理と、基板の裏面側の複数の検査範囲に係る画像取得処理を同時期に行うことができる。
【0019】
従って、例えば基板の表面側の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を完了した後に、基板の裏面側の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を実行する場合などと比べて、基板の両面検査に係る検査の高速化を図ることができる。
【0020】
また、本手段によれば、基板の表面側(又は裏面側)の画像取得期間中に、裏面側(又は表面側)における光の照射を停止していることから、表面側(又は裏面側)へ光が漏れることがなく、精度の良い画像データを取得することができる。これにより、基板の両面検査に係る検査精度の向上を図ることができる。
【0021】
結果として、基板の両面検査に係る検査精度の向上を図ると共に、検査の高速化を図ることができる。
【0022】
手段2.前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段の移動期間中に、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段による画像取得処理を実行(完了)し、
かつ、
前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段の移動期間中に、前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段による画像取得処理を実行(完了)することを特徴とする手段1に記載の基板検査装置。
【0023】
上記手段2によれば、一方の照射手段及び撮像手段(例えば表面側照射手段及び表面側撮像手段)が次の検査範囲に対応する位置へ移動する期間を利用して、他方の照射手段及び撮像手段(例えば裏面側照射手段及び裏面側撮像手段)による画像取得処理を実行することとなる。
【0024】
これにより、基板の表面側(又は裏面側)全域の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を完了するのに最低限必要な時間(画像取得処理間の移動時間を含む)を延ばすことなく、基板の裏面側(又は表面側)全域の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を実行することができる。結果として、基板の両面検査に係る検査の高速化を図ることができる。
【0025】
手段3.前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲に対応する位置へ前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段を予め定めた検査順序に基づき順次移動させ、当該複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行すると共に、
前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲に対応する位置へ前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段を予め定めた検査順序に基づき順次移動させ、当該複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行する構成であって、
前記基板の表面側について、前記表面側照射手段及び前記表面側撮像手段が移動する経路が所定の起点からの最短経路となるよう前記検査順序が設定され、
及び/又は、
前記基板の裏面側について、前記裏面側照射手段及び前記裏面側撮像手段が移動する経路が所定の起点からの最短経路となるよう前記検査順序が設定されていることを特徴とする手段1又は2に記載の基板検査装置。
【0026】
上記手段3によれば、基板の表面側及び裏面側のうちの少なくとも一方において、照射手段及び撮像手段の移動経路が所定の起点(例えば予め定めた所定の検査範囲や、最後に撮像した認識マークなど)からの最短経路となるよう検査順序が設定されているため、さらなる検査の高速化を図ることができる。
【0027】
手段4.前記基板の表面において、位置合わせ用の特定対象(例えば認識マークやスルーホールなど)を少なくとも1つ備えると共に、前記基板の裏面において、位置合わせ用の特定対象(例えば認識マークやスルーホール)を少なくとも1つ備えた構成の下、
前記基板の表面側において、前記表面側撮像手段により前記少なくとも1つの特定対象を個別に撮像した後、前記基板の表面側に設定された複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行し、
かつ、
前記基板の裏面側において、前記裏面側撮像手段により前記少なくとも1つの特定対象を個別に撮像した後、前記基板の裏面側に設定された複数の検査範囲に係る画像取得処理を順次実行することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の基板検査装置。
【0028】
上記手段4によれば、特定対象を撮像して位置合わせを行うことにより、基板の両面検査に係る検査精度のさらなる向上を図ることができる。
【0029】
例えば「前記基板の表面側において前記表面側撮像手段により撮像された複数の前記特定対象の位置情報を基に、前記表面側撮像手段と前記基板の表面との相対位置関係を補正する表面側補正手段と、
前記基板の裏面側において前記裏面側撮像手段により撮像された複数の前記特定対象の位置情報を基に、前記裏面側撮像手段と前記基板の裏面との相対位置関係を補正する裏面側補正手段とを備えた」構成としてもよい。
【0030】
手段5.前記基板の表面側及び裏面側のうちの少なくとも一方において、
前記少なくとも1つの特定対象のうち最後に撮像する特定対象から最短距離にある検査範囲を、最初に前記画像取得処理を実行する検査範囲としたことを特徴とする手段4に記載の基板検査装置。
【0031】
上記手段5によれば、少なくとも1つの特定対象のうち最後に撮像する特定対象の最も近くに位置する検査範囲から検査を開始する構成となる。これにより、最初の検査範囲にて検査を開始するまでの時間を短くすることができ、検査の高速化を図ることができる。
【0032】
手段6.事前に把握した前記表面側撮像手段と前記裏面側撮像手段の相対位置関係(及び、前記基板の表面と裏面の相対位置関係)を記憶する記憶手段を備え、
前記基板の表面側において前記表面側撮像手段により撮像された1つの前記特定対象の位置情報、及び、前記基板の裏面側において前記裏面側撮像手段により撮像された1つの前記特定対象の位置情報、
並びに、
前記記憶手段に記憶された前記表面側撮像手段と前記裏面側撮像手段の相対位置関係(及び、前記基板の表面と裏面の相対位置関係)に基づき、
前記表面側撮像手段と前記基板の表面との相対位置関係、及び、前記裏面側撮像手段と前記基板の裏面との相対位置関係を補正する補正手段を備えたことを特徴とする手段4又は5に記載の基板検査装置。
【0033】
上記手段6によれば、基板の表裏両面のうち一方の面の特定対象の位置情報を他方の面の位置情報として流用することにより、基板の表裏両面にてそれぞれ1つの特定対象を撮像するだけで(複数の特定対象を撮像することなく)位置補正を行うことができる。これにより、基板の両面検査に係る検査精度のさらなる向上を図ることができる。
【0034】
ひいては、基板の表裏両面にてそれぞれ複数の特定対象を撮像することなく、検査を開始することができるため、検査の高速化を図ることができる。
【0035】
例えば基板の表裏に位置ズレ(積層ズレやパターンのズレ等)がない場合には、キャリブレーション等により事前に求めた表面側撮像手段と裏面側撮像手段の相対位置関係(両者のオフセット量など)を基に上記補正を行うことができる。
【0036】
また、基板の表裏に位置ズレがある場合でも、例えば前工程(パターン検査工程等)において検出された基板の表裏の位置ズレ情報(基板の表面と裏面の相対位置関係)を事前に把握しておくことにより、上記補正を行うことができる。
【0037】
また、基板の表裏に貫通するスルーホールなどを位置合わせ用の特定対象とした場合には、基板の表裏の位置ズレを考慮することなく、上記補正を行うことができる。
【0038】
手段7.前記表面側照射手段及び前記裏表面側照射手段の少なくとも1つは、前記所定の光として縞状の光強度分布を有するパターン光を照射可能に構成され、
前記検査手段は、
位相の異なる前記パターン光の下で撮像された複数の画像データを基に位相シフト法による三次元計測を実行可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の基板検査装置。
【0039】
位相シフト法を利用した三次元計測を行う場合、上記「発明が解決しようとする課題」で述べたように、基板の一方側の面を検査する際に、他方側から漏れてくる光が僅かでもあると、検査精度に多大な影響を与えるおそれがある。
【0040】
また、位相シフト法を利用した三次元計測を行う場合には、1つの検査範囲について複数回撮像する必要があるため、仮に基板の表面側の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を完了した後に、基板の裏面側の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を実行する構成とした場合には、検査時間が著しく増加するおそれがある。
【0041】
つまり、上記手段7の構成下において、上記手段1の作用効果がより奏功することとなり、基板の両面検査に係る検査精度の向上を図ると共に、検査の高速化を図ることができる。
【0042】
手段8.前記基板は、クリーム半田が印刷されたプリント基板であること、又は、半田バンプが形成されたウエハ基板であることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の基板検査装置。
【0043】
上記手段8によれば、プリント基板に印刷されたクリーム半田、又は、ウエハ基板に形成された半田バンプの検査を行うことができる。つまり、クリーム半田又は半田バンプの検査において、上記各手段の作用効果が奏されることとなり、精度よく良否判定を行うことができる。結果として、半田印刷検査又は半田バンプ検査における検査精度の向上及び検査の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】基板検査装置を模式的に示す概略構成図である。
図2】プリント基板の部分拡大断面図である。
図3】基板検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】1つの検査範囲に係る画像取得処理を説明するためのタイミングチャートである。
図5】(a)〜(c)は、プリント基板の上下両面検査における上面検査ユニット及び下面検査ユニットの処理動作を説明するためのタイミングチャートである。
図6】プリント基板の上面側及び下面側の検査順序を説明するための説明図である。
図7】別の実施形態に係るプリント基板の上面側及び下面側の検査順序を説明するための説明図である。
図8】別の実施形態に係るプリント基板の上面側及び下面側の検査順序を説明するための説明図である。
図9】プリント基板の上下両面検査における従来の上面検査ユニット及び下面検査ユニットの処理動作を示すタイミングチャートである。
図10】別の実施形態に係る基板検査装置を模式的に示す概略構成図である。
図11】別の実施形態に係る二次元検査用の照明装置を示す部分拡大断面図である。
図12】下面検査カメラの保護カバー及びその検査機構の一例を模式的に示す概略構成図である。
図13】下面検査カメラの保護カバー及びその検査機構の一例を模式的に示す概略構成図である。
図14】下面検査カメラの保護カバー及びその検査機構の一例を模式的に示す概略構成図である。
図15】下面検査カメラの保護カバー及びその検査機構の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
〔第1実施形態〕
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず検査対象となるプリント基板の構成について詳しく説明する。本実施形態では、表裏両面に電子部品が実装される2層基板(両面基板)が検査対象となる。
【0046】
図2に示すように、プリント基板P1は、平板状をなし、ガラスエポキシ樹脂等からなるベース基板P2の表裏両面に、銅箔からなる電極パターンP3が設けられている。さらに、電極パターンP3の所定部位(ランドやパッドなど)上には、計測対象たるクリーム半田P4が印刷形成されている。このクリーム半田P4が印刷された領域を「半田印刷領域」ということにする。半田印刷領域以外の部分を「背景領域」と総称するが、この背景領域には、電極パターンP3が露出した領域(記号Pa)、ベース基板P2が露出した領域(記号Pb)、ベース基板P2上にレジスト膜P5がコーティングされた領域(記号Pc)、及び、電極パターンP3上にレジスト膜P5がコーティングされた領域(記号Pd)が含まれる。尚、レジスト膜P5は、所定配線部分以外にクリーム半田P4がのらないように、プリント基板P1の表裏両面にコーティングされるものである。
【0047】
また、プリント基板P1の表裏両面には、それぞれ位置合わせ用の特定対象として認識マークが付されている(図6等参照)。より詳しくは、プリント基板P1の表面側には、その四隅のうち所定の対角線上に並ぶ2つコーナー部において、それぞれ第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕が付されている。同様に、プリント基板P1の裏面側には、その四隅のうち所定の対角線上に並ぶ2つコーナー部において、それぞれ第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕が付されている。
【0048】
次にプリント基板P1を検査する基板検査装置1の構成について詳しく説明する。本実施形態に係る基板検査装置1は、電子部品が実装される前段階においてクリーム半田P4の印刷状態を検査する半田印刷検査装置として用いられるものである。図1は、基板検査装置1を模式的に示す概略構成図である。
【0049】
図1に示すように、基板検査装置1は、プリント基板P1の搬送や位置決め等を行う搬送機構2と、プリント基板P1の上面(表面)側の検査を行うための上面検査ユニット3と、プリント基板P1の下面(裏面)側の検査を行うための下面検査ユニット4と、搬送機構2や両検査ユニット3,4の駆動制御など基板検査装置1内における各種制御や画像処理、演算処理を実施するための制御装置6(図3参照)とを備えている。制御装置6が本実施形態における検査手段を構成する。
【0050】
搬送機構2は、プリント基板P1の搬送方向に沿って配置された一対の搬送レール2aと、各搬送レール2aに対し回転可能に配設された無端のコンベアベルト2bと、当該コンベアベルト2bを駆動するモータ等の駆動手段(図示略)と、プリント基板P1を所定位置に位置決めするためのチャック機構(図示略)と備え、制御装置6により駆動制御される。
【0051】
上記構成の下、基板検査装置1へ搬入されたプリント基板P1は、搬送方向と直交する幅方向の両側縁部がそれぞれ搬送レール2aに挿し込まれると共に、コンベアベルト2b上に載置される。続いて、コンベアベルト2bが動作を開始し、プリント基板P1が所定の検査位置まで搬送される。プリント基板P1が検査位置に達すると、コンベアベルト2bが停止すると共に、チャック機構が作動する。このチャック機構の動作により、コンベアベルト2bが押し上げられ、コンベアベルト2bと搬送レール2aの上辺部によってプリント基板P1の両側縁部が挟持された状態となる。これにより、プリント基板P1が検査位置に位置決め固定される。検査が終了すると、チャック機構による固定が解除されると共に、コンベアベルト2bが動作を開始する。これにより、プリント基板P1は、基板検査装置1から搬出される。勿論、搬送機構2の構成は、上記形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
【0052】
上面検査ユニット3は、搬送レール2a(プリント基板P1の搬送路)の上方に配設され、下面検査ユニット4は、搬送レール2a(プリント基板P1の搬送路)の下方に配設されている。
【0053】
上面検査ユニット3は、プリント基板P1の上面の所定の検査範囲に対し斜め上方から三次元計測用の所定の縞パターン(縞状の光強度分布を有するパターン光)を照射する表面側照射手段としての第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3Bと、プリント基板P1の上面の所定の検査範囲を真上から撮像する表面側撮像手段としての上面検査カメラ3Cと、X軸方向への移動を可能とするX軸移動機構3D(図3参照)と、Y軸方向への移動を可能とするY軸移動機構3E(図3参照)とを備え、制御装置6により駆動制御される。
【0054】
尚、プリント基板P1上面の「検査範囲」は、上面検査カメラ3Cの撮像視野(撮像範囲)KUの大きさを1単位としてプリント基板P1の上面(表面)に予め設定された複数のエリアのうちの1つのエリアである(図6上段参照)。
【0055】
制御装置6は、X軸移動機構3D及びY軸移動機構3Eを駆動制御することにより、上面検査ユニット3(撮像視野KU)を、検査位置に位置決め固定されたプリント基板P1の上面の任意の検査範囲の上方位置へ移動することができる。そして、プリント基板P1の上面に設定された複数の検査範囲に上面検査ユニット3を順次移動させつつ、当該検査範囲に係る検査を実行していくことで、プリント基板P1の上面全域の検査を実行する構成となっている(図6上段参照)。従って、X軸移動機構3D及びY軸移動機構3Eにより本実施形態における表面側移動手段が構成される。
【0056】
第1上面検査照明3Aは、所定の光を発する光源3Aaや、当該光源3Aaからの光を縞パターンに変換する格子板3Abを備え、制御装置6により駆動制御される。ここで、光源3Aaから発せられた光は集光レンズ(図示略)に導かれ、そこで平行光にされた後、格子板3Abを介して投影レンズ(図示略)に導かれ、プリント基板P1に対し縞パターンとして投影されることとなる。
【0057】
格子板3Abは、光を透過する直線状の透光部と、光を遮る直線状の遮光部とが、光源3Aaの光軸と直交する所定方向に交互に並んだ配置構成となっている。これにより、プリント基板P1に対し、矩形波状又は台形波状の光強度分布を有する縞パターンを投影することができる。本実施形態では、縞の方向がX軸方向に平行しかつY軸方向に直交する縞パターンが投影される。
【0058】
通常、格子板3Abを通過する光は完全な平行光でなく、透光部及び遮光部の境界部における回折作用等に起因して、縞パターンの「明部」及び「暗部」の境界部に中間階調域が生じ得るため、完全な矩形波にはならない。
【0059】
ここで、格子板3Abにおける透光部及び遮光部の配置間隔など、構成によっても異なるが、「明部」と「暗部」の境界部における中間階調域の輝度勾配が急峻な場合には、矩形波状の光強度分布を有する縞パターンとなり、中間階調域の輝度勾配が緩やかな場合には、台形波状の光強度分布を有する縞パターンとなる。
【0060】
さらに、第1上面検査照明3Aは、格子板3Abを移動するモータ等の駆動手段(図示略)を備えている。制御装置6は、当該駆動手段を駆動制御することにより、光源3Aaの光軸と直交する前記所定方向へ格子板3Abを一定速度で連続移動する処理を行うことができる。これにより、プリント基板P1に対し縞パターンがY軸方向に沿って移動していくように投影することができる。
【0061】
第2上面検査照明3Bは、所定の光を発する光源3Baや、当該光源3Baからの光を縞パターンに変換する格子板3Bbを備え、制御装置6により駆動制御される。尚、第2上面検査照明3B(光源3Baや格子板3Bbなど)に係る構成は、上記第1上面検査照明3Aと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
上面検査カメラ3Cは、レンズや撮像素子等を備えてなる。本実施形態では、撮像素子としてCCDセンサを採用している。
【0063】
上面検査カメラ3Cは、制御装置6により駆動制御される。より詳しくは、制御装置6は、格子板3Ab,3Bbの駆動手段に設けられたエンコーダ(図示略)からの信号に基づいて、格子板3Ab,3Bbの移動処理と同期をとりながら、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を実行する。
【0064】
上面検査カメラ3Cによって撮像された画像データは、当該上面検査カメラ3C内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で制御装置6に転送され、後述する画像データ記憶装置24に記憶される。そして、制御装置6は、当該画像データを基に、後述するような画像処理や演算処理等を実施する。
【0065】
上記上面検査ユニット3と同様に、下面検査ユニット4は、プリント基板P1の下面の所定の検査範囲に対し斜め下方から三次元計測用の所定の縞パターン(縞状の光強度分布を有するパターン光)を照射する裏面側照射手段としての第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4Bと、プリント基板P1の下面の所定の検査範囲を真下から撮像する裏面側撮像手段としての下面検査カメラ4Cと、X軸方向への移動を可能とするX軸移動機構4D(図3参照)と、Y軸方向への移動を可能とするY軸移動機構4E(図3参照)とを備え、制御装置6により駆動制御される。
【0066】
尚、プリント基板P1下面の「検査範囲」は、下面検査カメラ4Cの撮像視野(撮像範囲)KLの大きさを1単位としてプリント基板P1の下面(裏面)に予め設定された複数のエリアのうちの1つのエリアである(図6下段参照)。
【0067】
制御装置6は、X軸移動機構4D及びY軸移動機構4Eを駆動制御することにより、下面検査ユニット4(撮像視野KL)を、検査位置に位置決め固定されたプリント基板P1の下面の任意の検査範囲の下方位置へ移動することができる。そして、プリント基板P1の下面に設定された複数の検査範囲に下面検査ユニット4を順次移動させつつ、当該検査範囲に係る検査を実行していくことで、プリント基板P1の下面全域の検査を実行する構成となっている(図6下段参照)。従って、X軸移動機構4D及びY軸移動機構4Eにより本実施形態における裏面側移動手段が構成される。
【0068】
第1下面検査照明4Aは、所定の光を発する光源4Aaや、当該光源4Aaからの光を縞パターンに変換する格子板4Abを備え、制御装置6により駆動制御される。尚、第1下面検査照明4A(光源4Aaや格子板4Abなど)に係る構成は、上記第1上面検査照明3Aと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0069】
第2下面検査照明4Bは、所定の光を発する光源4Baや、当該光源4Baからの光を縞パターンに変換する格子板4Bbを備え、制御装置6により駆動制御される。尚、第2下面検査照明4B(光源4Baや格子板4Bbなど)に係る構成は、上記第1上面検査照明3Aと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
下面検査カメラ4Cは、レンズや撮像素子等を備えてなる。本実施形態では、撮像素子としてCCDセンサを採用している。尚、下面検査カメラ4Cに係る構成は、上記上面検査カメラ3Cと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0071】
次に制御装置6の電気的構成について図3を参照して説明する。図3に示すように、制御装置6は、基板検査装置1全体の制御を司るCPU及び入出力インターフェース21(以下、「CPU等21」という)、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される「入力手段」としての入力装置22、CRTや液晶などの表示画面を有する「表示手段」としての表示装置23、上面検査カメラ3C及び下面検査カメラ4Cにより撮像された画像データなどを記憶するための画像データ記憶装置24、各種演算結果を記憶するための演算結果記憶装置25、ガーバデータ(認識マークに関する情報を含む)などの各種情報を予め記憶しておくための記憶手段としての設定データ記憶装置26などを備えている。尚、これら各装置22〜26は、CPU等21に対し電気的に接続されている。
【0072】
設定データ記憶装置26には、プリント基板P1の上下両面にそれぞれ設定された複数の検査範囲及びその検査順序に関する情報が記憶されている。ここで「検査順序」とは、プリント基板P1の上面(又は下面)に設定された複数の検査範囲について、いかなる順序で検査していくかを定めたものである。すなわち、複数の検査範囲に対する上面検査カメラ3Cの撮像視野KU(又は下面検査カメラ4Cの撮像視野KL)の移動順序を定めたものである。
【0073】
尚、プリント基板P1の上下両面に係る複数の検査範囲及びその検査順序の設定は、ガーバデータ等を基にして事前に所定のプログラムにより自動で又は作業者により手動で行われる。より詳しくは、プリント基板P1の上面側(又は下面側)において、上面検査ユニット3(又は下面検査ユニット4)が移動する経路が所定の起点から最短経路となるように検査順序が設定される。
【0074】
本実施形態では、予め定められた所定の検査範囲を起点として検査順序が設定される。例えば図6に示したプリント基板P1の上面側の例においては、右上コーナー部の検査範囲を起点として検査順序が設定され、プリント基板P1の下面側の例においては、左上コーナー部の検査範囲を起点として検査順序が設定されている。
【0075】
これに代えて、例えばプリント基板P1の上面側(又は下面側)において、2つの認識マーク〔A〕,〔B〕(又は〔a〕,〔b〕)のうち最後に撮像される認識マークを起点として上面検査ユニット3(又は下面検査ユニット4)の移動経路が最短となる検査順序が設定される構成としてもよい。
【0076】
尚、図6において破線枠により囲まれた範囲が検査範囲又は撮像視野を示し、ここに付された数字「1」〜「15」が検査順序を示す。また、図6においては、上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の移動方向(移動経路)を矢印で示している。
【0077】
次に基板検査装置1によるプリント基板P1の検査ルーチンについて説明する。かかる検査ルーチンは、制御装置6(CPU等21)にて実行されるものである。
【0078】
本実施形態においては、プリント基板P1の上面側の所定の検査範囲に係る検査処理(上面検査カメラ3Cによる複数回の撮像処理からなる1回の画像取得処理)と、プリント基板P1の下面側の所定の検査範囲に係る検査処理(下面検査カメラ4Cによる複数回の撮像処理からなる1回の画像取得処理)とが交互に行われる。
【0079】
以下、図5(a),図6を参照しつつ詳しく説明する。図5(a)は、プリント基板P1の上面側の「1」番目〜「15」番目の検査範囲に係る検査処理(画像取得処理)と、下面側の「1」番目〜「15」番目の検査範囲に係る検査処理(画像取得処理)を行う際の上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の処理動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0080】
尚、図5(a)中の「A」及び「B」は、それぞれ図6に示すプリント基板P1の上面の第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕が撮像対象となっていることを示す。同様に、図5(a)中の「a」及び「b」は、それぞれ図6に示すプリント基板P1の下面の第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕が撮像対象となっていることを示す。また、図5(a)中の「1」〜「15」は、それぞれ図6に示すプリント基板P1の上下面の「1」番目〜「15」番目の検査範囲が撮像対象となっていることを示す。
【0081】
上述したように、基板検査装置1へ搬入されたプリント基板P1が所定の検査位置に位置決め固定されると、制御装置6は、まず上面検査ユニット3を移動させ、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUをプリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕に合わせると共に、下面検査ユニット4を移動させ、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLをプリント基板P1下面の第1認識マーク〔a〕に合わせる。
【0082】
続いて、制御装置6は、下面検査ユニット4(第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4B)からの光の照射を停止した状態で、第1上面検査照明3A又は第2上面検査照明3Bから光を照射して、プリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕を撮像する。
【0083】
尚、第1認識マーク〔A〕を撮像する際には、光源3Aaからの光を格子板3Abを介さずに照射することにより、縞パターンではない均一光を照射する構成となっている(以下、他の認識マークを撮像する際においても同様)。
【0084】
当該第1認識マーク〔A〕の撮像処理の終了と共に、制御装置6は、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0085】
同時に、制御装置6は、上面検査ユニット3(第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B)からの光の照射を停止した状態で、第1下面検査照明4A又は第2下面検査照明4Bから光を照射して、プリント基板P1下面の第1認識マーク〔a〕を撮像する。
【0086】
当該第1認識マーク〔a〕の撮像処理の終了と共に、制御装置6は、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0087】
その後、上面検査ユニット3の移動処理が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕に合わせられると、制御装置6は、下面検査ユニット4(第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4B)からの光の照射を停止した状態で、第1上面検査照明3A又は第2上面検査照明3Bから光を照射して、プリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕を撮像する。
【0088】
当該第2認識マーク〔B〕の撮像処理の終了と共に、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0089】
同時に、制御装置6は、上面検査ユニット3(第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B)からの光の照射を停止した状態で、第1下面検査照明4A又は第2下面検査照明4Bから光を照射して、プリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕を撮像する。
【0090】
当該第2認識マーク〔b〕の撮像処理の終了と共に、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0091】
尚、制御装置6は、プリント基板P1上面に関し、第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕の撮像処理が終了すると、上記移動処理の間に、前記撮像処理により取得した画像データに係る第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕の位置座標と、ガーバデータに係る第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕の位置座標とのズレを算出し、両者のズレを補正する。
【0092】
つまり、上面検査ユニット3(上面検査カメラ3C)とプリント基板P1上面との相対位置関係のズレを補正する。かかる処理機能により本実施形態における表面側補正手段が構成される。勿論、移動処理の間にズレ補正を行うのではなく、第2認識マーク〔B〕の撮像処理が終了し、ズレを補正した後、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する構成としてもよい。
【0093】
同様に、制御装置6は、プリント基板P1下面に関し、第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕の撮像処理が終了すると、上記移動処理の間に、前記撮像処理により取得した画像データに係る第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕の位置座標と、ガーバデータに係る第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕の位置座標とのズレを算出し、両者のズレを補正する。
【0094】
つまり、下面検査ユニット4(下面検査カメラ4C)とプリント基板P1下面との相対位置関係のズレを補正する。かかる処理機能により本実施形態における裏面側補正手段が構成される。勿論、移動処理の間にズレ補正を行うのではなく、第2認識マーク〔b〕の撮像処理が終了し、ズレを補正した後、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する構成としてもよい。
【0095】
その後、上面検査ユニット3の移動処理が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に合わせられると、制御装置6は、下面検査ユニット4(第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4B)からの光の照射を停止した状態で、第1上面検査照明3A又は第2上面検査照明3Bから縞パターンを照射して、プリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。かかる画像取得処理の詳細については後述する(他の検査範囲に係る画像取得処理についても同様)。
【0096】
この間(プリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理の実行期間中)に、下面検査ユニット4の上記移動処理(プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理)が完了し、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLがプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に合わせられる。
【0097】
その後、プリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理が終了すると、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0098】
同時に、制御装置6は、上面検査ユニット3(第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B)からの光の照射を停止した状態で、第1下面検査照明4A又は第2下面検査照明4Bから縞パターンを照射して、プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0099】
この間(プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理の実行期間中)に、上面検査ユニット3の上記移動処理(プリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理)が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に合わせられる。
【0100】
その後、プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理が終了すると、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0101】
同時に制御装置6は、下面検査ユニット4(第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4B)からの光の照射を停止した状態で、第1上面検査照明3A又は第2上面検査照明3Bから縞パターンを照射して、プリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0102】
この間(プリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に係る画像取得処理の実行期間中)に、下面検査ユニット4の上記移動処理(プリント基板P1下面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理)が完了し、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLがプリント基板P1下面の「2」番目の検査範囲に合わせられる。
【0103】
その後、プリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に係る画像取得処理が終了すると、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「3」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0104】
同時に制御装置6は、上面検査ユニット3(第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B)からの光の照射を停止した状態で、第1下面検査照明4A又は第2下面検査照明4Bから縞パターンを照射して、プリント基板P1下面の「2」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0105】
以降同様に、上面検査ユニット3によるプリント基板P1上面の「3」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理と、下面検査ユニット4によるプリント基板P1下面の「3」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理とが交互に実行されることにより、プリント基板P1の上下両面に係る検査が終了する。
【0106】
次に基板検査装置1によってプリント基板P1の上下面の各検査範囲ごとに行われる画像取得処理について説明する。かかる画像取得処理は、制御装置6(CPU等21)にて実行されるものである。
【0107】
本実施形態では、プリント基板P1の上面側の各検査範囲に係る検査において、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの位相を変化させつつ、位相の異なる縞パターンの下で4回の撮像処理を行った後、第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの位相を変化させつつ、位相の異なる縞パターンの下で4回の撮像処理を行い、計8通りの画像データを取得する画像取得処理を実行する。
【0108】
同様に、プリント基板P1の下面側の各検査範囲に係る検査において、第1下面検査照明4Aから照射される縞パターンの位相を変化させつつ、位相の異なる縞パターンの下で4回の撮像処理を行った後、第2下面検査照明4Bから照射される縞パターンの位相を変化させつつ、位相の異なる縞パターンの下で4回の撮像処理を行い、計8通りの画像データを取得する画像取得処理を実行する。
【0109】
以下、プリント基板P1の上面側の検査を例にして、各検査範囲ごとに行われる検査ルーチン(画像取得処理)について図4を参照しつつ詳しく説明する。
【0110】
制御装置6は、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の所定の検査範囲に合わせられると、第1上面検査照明3Aを駆動制御し、格子板3Abの位置を初期設定位置(所定位置に投影される縞パターンの位相が「0°」となる位置)に設定する。同時に、制御装置6は、第2上面検査照明3Bを駆動制御し、格子板3Bbの位置を初期設定位置(所定位置に投影される縞パターンの位相が「0°」となる位置)に設定する。
【0111】
かかる設定完了後、制御装置6は、第1上面検査照明3A及び上面検査カメラ3Cを駆動制御して、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下で1回目の撮像処理(露光処理)を開始する。
【0112】
詳しくは、制御装置6は、第1上面検査照明3Aの光源3Aaを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、格子板3Abの移動処理を開始する。これにより、検査範囲に投影される縞パターンがY軸方向に沿って一定速度で連続移動することとなる。
【0113】
そして、制御装置6は、縞パターンの照射開始(格子板3Abの移動開始)と同時に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。
【0114】
かかる1回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が0°〜45°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0115】
そして、1回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Aaからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行う。これにより、上面検査カメラ3Cから制御装置6へ画像データが転送される。ここで、制御装置6は、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0116】
一方、格子板3Abの移動処理は、1回目の撮像処理の終了後も終了せず、以後、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下での4回目の撮像処理が終了するまで途切れることなく継続して行われる。
【0117】
尚、プリント基板P1に投影される矩形波状又は台形波状の光強度分布を有する縞パターンを連続移動させ、これを連続して撮像(露光)することにより、正弦波状の光強度分布を有する画像データを取得することができる(特願2015−231661参照)。
【0118】
次に、1回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が90°となるタイミングで、制御装置6は、再び第1上面検査照明3Aの光源3Aaを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下での2回目の撮像処理が開始される。
【0119】
かかる2回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が90°〜135°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0120】
そして、2回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Aaからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0121】
2回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が180°となるタイミングで、制御装置6は、再び第1上面検査照明3Aの光源3Aaを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下での3回目の撮像処理が開始される。
【0122】
かかる3回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が180°〜225°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0123】
そして、3回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Aaからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0124】
3回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が270°となるタイミングで、制御装置6は、再び第1上面検査照明3Aの光源3Aaを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下での4回目の撮像処理が開始される。
【0125】
かかる4回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が270°〜315°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0126】
そして、4回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Aaからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。併せて、制御装置6は、格子板3Abの移動処理を終了する。
【0127】
4回目の撮像処理の終了から所定時間経過後(例えばデータ転送期間の終了後)、制御装置6は、第2上面検査照明3B及び上面検査カメラ3Cを駆動制御して、当該検査範囲に係る5回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での1回目の撮像処理)を開始する。
【0128】
詳しくは、制御装置6は、第2上面検査照明3Bの光源3Baを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、格子板3Bbの移動処理を開始する。これにより、検査範囲に投影される縞パターンがY軸方向に沿って一定速度で連続移動することとなる。
【0129】
そして、制御装置6は、縞パターンの照射開始(格子板3Bbの移動開始)と同時に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。
【0130】
かかる5回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が0°〜45°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0131】
そして、5回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Baからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行う。これにより、上面検査カメラ3Cから制御装置6へ画像データが転送される。ここで、制御装置6は、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0132】
一方、格子板3Bbの移動処理は、5回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下で1回目の撮像処理)の終了後も終了せず、以後、当該検査範囲に係る8回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での4回目の撮像処理)が終了するまで途切れることなく継続して行われる。
【0133】
5回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が90°となるタイミングで、制御装置6は、再び第2上面検査照明3Bの光源3Baを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、当該検査範囲に係る6回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での2回目の撮像処理)が開始される。
【0134】
かかる6回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が90°〜135°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0135】
そして、6回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Baからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0136】
6回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が180°となるタイミングで、制御装置6は、再び第2上面検査照明3Bの光源3Baを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、当該検査範囲に係る7回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での3回目の撮像処理)が開始される。
【0137】
かかる7回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が180°〜225°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0138】
そして、7回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Baからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。
【0139】
7回目の撮像処理の終了から所定時間経過後、前記所定位置に投影され得る縞パターンの位相が270°となるタイミングで、制御装置6は、再び第2上面検査照明3Bの光源3Baを発光させ、縞パターンの照射を開始すると共に、上面検査カメラ3Cによる撮像処理を開始する。これにより、当該検査範囲に係る8回目の撮像処理(第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での4回目の撮像処理)が開始される。
【0140】
かかる8回目の撮像処理が開始されると、前記所定位置に投影される縞パターンの位相が270°〜315°まで変化する間、連続して露光が行われる。
【0141】
そして、8回目の撮像処理が終了すると、制御装置6は、光源3Baからの光の照射を停止すると共に、上面検査カメラ3Cにより撮像された画像データの読出しを行い、読み出した画像データを画像データ記憶装置24に記憶する。併せて、制御装置6は、格子板3Bbの移動処理を終了し、当該検査範囲に係る画像取得処理を終了する。
【0142】
上記画像取得処理(8回の撮像処理)を行うことにより、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下で撮像した4通りの画像データ、及び、第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下で撮像した4通りの画像データの計8通りの画像データが取得される。
【0143】
上述したように、本実施形態において、各縞パターンの下で撮像した4通りの画像データは、それぞれ正弦波状の光強度分布を有する縞パターンの位相を90°ずつシフトさせ撮像した4通りの画像データと同様の画像データとなる。
【0144】
そして、制御装置6は、各縞パターンの下で撮像した4通りの画像データ(各画素の輝度値)を基に公知の位相シフト法により三次元計測(高さ計測)を行い、かかる計測結果を演算結果記憶装置25に記憶する。尚、本実施形態では、2方向から縞パターンを照射して三次元計測を行っているため、縞パターンが照射されない影の部分が生じることを防止することができる。
【0145】
次に、制御装置6は、三次元計測結果(各座標における高さデータ)に基づき、クリーム半田P4の良否判定処理を行う。具体的に、制御装置6は、上記のように得られた検査範囲の計測結果に基づいて、基準面より高くなったクリーム半田P4の印刷範囲を検出し、この範囲内での各部位の高さを積分することにより、印刷されたクリーム半田P4の量を算出する。
【0146】
続いて、制御装置6は、このようにして求めたクリーム半田P4の位置、面積、高さ又は量等のデータを、予め設定データ記憶装置26に記憶されている基準データ(ガーバデータなど)と比較判定し、この比較結果が許容範囲内にあるか否かによって、その検査範囲におけるクリーム半田P4の印刷状態の良否を判定する。
【0147】
上記8回目の撮像処理の終了後、上記良否判定処理が行われている間に、制御装置6は、上面検査ユニット3を次の検査範囲へと移動させる。以降、上記一連の処理が、プリント基板P1の上面の全ての検査範囲で繰り返し行われることで、プリント基板P1の上面全体の検査が終了する。尚、プリント基板P1の下面側の検査の流れは、上面側の検査の流れと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0148】
以上詳述したように、本実施形態によれば、プリント基板P1の上面側(又は下面側)にて所定の検査範囲に係る画像取得処理を実行した後、上面検査ユニット3(又は下面検査ユニット4)を次の検査範囲に対応する位置へ移動させると共に、プリント基板P1の下面側(又は上面側)にて所定の検査範囲に係る画像取得処理を実行する構成となっている。
【0149】
つまり、プリント基板P1の上面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理と、プリント基板P1の下面側の所定の検査範囲に係る画像取得処理とを交互に繰り返すことで、プリント基板P1の上面側全域の複数の検査範囲に係る画像取得処理と、プリント基板P1の下面側全域の複数の検査範囲に係る画像取得処理を同時期に行うことができる。
【0150】
従って、図9に示す従来例のように、プリント基板P1の上面側全域の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を完了した後に、プリント基板P1の下面側全域の複数の検査範囲に係る全ての画像取得処理を実行する場合などと比べて、プリント基板P1の両面検査に係る検査の高速化を図ることができる。
【0151】
また、本実施形態では、プリント基板P1の上面側(又は下面側)の所定の検査範囲の画像取得期間中に、下面側(又は上面側)における光の照射を停止していることから、上面側(又は下面側)へ光が漏れることがなく、精度の良い画像データを取得することができる。これにより、プリント基板P1の両面検査に係る検査精度の向上を図ることができる。
【0152】
結果として、プリント基板P1の両面検査に係る検査精度の向上を図ると共に、検査の高速化を図ることができる。
【0153】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態について図5(b),図7を参照しつつ説明する。図5(b)は、本実施形態における上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の処理動作を説明するためのタイミングチャートであり、図7は、本実施形態におけるプリント基板P1の上面側及び下面側の検査順序(上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の移動経路)を説明するための説明図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0154】
第2実施形態では、プリント基板P1の上面側における検査順序(上面検査ユニット3の移動経路)が第1実施形態と異なる。一方、プリント基板P1の下面側における検査順序(下面検査ユニット4の移動経路)に関しては第1実施形態と同一となっている。
【0155】
制御装置6は、まず上面検査ユニット3を移動させ、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUをプリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕に合わせると共に、下面検査ユニット4を移動させ、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLをプリント基板P1下面の第1認識マーク〔a〕に合わせる。
【0156】
続いて、制御装置6は、プリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕を撮像する。そして、当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0157】
同時に、制御装置6は、プリント基板P1下面の第1認識マーク〔a〕を撮像する。そして、当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0158】
その後、上面検査ユニット3の移動処理が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕に合わせられると、制御装置6は、プリント基板P1上面の第2認識マーク〔B〕を撮像する。
【0159】
当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0160】
尚、本実施形態では、ここで第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔B〕から最短距離にある検査範囲を、最初に画像取得処理を実行する「1」番目の検査範囲としている。図7に示したプリント基板P1の上面側の例においては、左上コーナー部の検査範囲が「1」番目の検査範囲となっている。そして、当該「1」番目の検査範囲を起点として上面検査ユニット3の移動経路が最短経路となるように検査順序が設定されている。
【0161】
また、上面検査ユニット3の上記移動処理の開始と同時に、制御装置6は、プリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕を撮像する。そして、当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0162】
尚、本実施形態において、プリント基板P1の下面側については、第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔b〕から最短距離にある検査範囲が、最初に画像取得処理を実行する「1」番目の検査範囲となっておらず、プリント基板P1の下面側における検査順序(下面検査ユニット4の移動経路)に関しては第1実施形態と同一となっている。つまり、図7に示したプリント基板P1の下面側の例においては、左上コーナー部の検査範囲が「1」番目の検査範囲となっている。そして、当該「1」番目の検査範囲を起点として下面検査ユニット4の移動経路が最短経路となるように検査順序が設定されている。
【0163】
また、下面検査ユニット4の上記移動処理の開始と同時に、上面検査ユニット3の移動処理が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に合わせられると、制御装置6は、プリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0164】
そして、当該画像取得処理が終了すると、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0165】
その後、下面検査ユニット4の移動処理が完了し、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLがプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に合わせられると、制御装置6は、プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0166】
以降、第1実施形態と同様に、上面検査ユニット3によるプリント基板P1上面の「2」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理と、下面検査ユニット4によるプリント基板P1下面の「2」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理とが交互に実行されることにより、プリント基板P1の上下両面に係る検査が終了する。
【0167】
以上詳述したように、本実施形態によれば、プリント基板P1の上面側に関して、第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔B〕の最も近くに位置する検査範囲から検査を開始する構成となる。これにより、最初の検査範囲にて検査を開始するまでの時間を短くすることができ、検査の高速化を図ることができる。
【0168】
尚、上述したように、本実施形態において、プリント基板P1の下面側については、第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔b〕から最短距離にある検査範囲が、最初に画像取得処理を実行する「1」番目の検査範囲となっていないが、プリント基板P1の上面側に加えて、プリント基板P1の下面側における検査順序(下面検査ユニット4の移動経路)に関しても、第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔b〕の最も近くに位置する検査範囲から検査を開始する構成としてもよい。例えば図7に示したプリント基板P1の下面側の例においては、左下コーナー部の検査範囲を「1」番目の検査範囲としてもよい。
【0169】
また逆に、プリント基板P1の上面側における検査順序を第1実施形態と同一とすると共に、プリント基板P1の下面側における検査順序(下面検査ユニット4の移動経路)に関してのみ、第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕のうち最後に撮像する第2認識マーク〔b〕の最も近くに位置する検査範囲から検査を開始する構成としてもよい。
【0170】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態について図5(c),図8を参照しつつ説明する。図5(c)は、本実施形態における上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の処理動作を説明するためのタイミングチャートであり、図8は、本実施形態におけるプリント基板P1の上面側及び下面側の検査順序(上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の移動経路)を説明するための説明図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0171】
第3実施形態では、プリント基板P1の上下両面に係る位置補正及びこれに関する処理(認識マークの撮像手順など)が第1実施形態と異なる。
【0172】
制御装置6は、まず上面検査ユニット3を移動させ、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUをプリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕に合わせると共に、下面検査ユニット4を移動させ、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLをプリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕に合わせる。
【0173】
続いて、制御装置6は、プリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕を撮像する。そして、当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、プリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕を撮像する。
【0174】
そして、当該撮像処理の終了と共に、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始すると共に、下面検査ユニット4をプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0175】
尚、本実施形態では、プリント基板P1の上面側について、ここで第1認識マーク〔A〕から最短距離にある検査範囲を、最初に画像取得処理を実行する「1」番目の検査範囲としている。図8に示したプリント基板P1の上面側の例においては、右下コーナー部の検査範囲が「1」番目の検査範囲となっている。そして、当該「1」番目の検査範囲を起点として上面検査ユニット3の移動経路が最短経路となるように検査順序が設定されている。
【0176】
一方、プリント基板P1の下面側については、第2認識マーク〔b〕から最短距離にある検査範囲が、最初に画像取得処理を実行する「1」番目の検査範囲となっていない。図8に示したプリント基板P1の下面側の例においては、左上コーナー部の検査範囲が「1」番目の検査範囲となっている。そして、当該「1」番目の検査範囲を起点として下面検査ユニット4の移動経路が最短経路となるように検査順序が設定されている。
【0177】
また、制御装置6は、プリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕の撮像処理、及び、プリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕の撮像処理が終了すると、上記移動処理の間に、前記撮像処理により取得した画像データに係るプリント基板P1上面の第1認識マーク〔A〕の位置座標、及び、プリント基板P1下面の第2認識マーク〔b〕の位置座標、並びに、予め設定データ記憶装置26に記憶された上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4のオフセット量(上面検査カメラ3C及び下面検査カメラ4Cのオフセット量)を基に、ガーバデータを参酌して、上面検査ユニット3とプリント基板P1上面との相対位置関係のズレを補正すると共に、下面検査ユニット4とプリント基板P1下面との相対位置関係のズレを補正する。かかる処理機能により本実施形態における補正手段が構成される。尚、上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4のオフセット量は、検査開始前にキャリブレーション等により事前に求められたものである。
【0178】
その後、上面検査ユニット3の移動処理が完了し、上面検査カメラ3Cの撮像視野KUがプリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に合わせられると、制御装置6は、プリント基板P1上面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0179】
そして、当該画像取得処理が終了すると、制御装置6は、設定データ記憶装置26に記憶された検査順序に従って、上面検査ユニット3をプリント基板P1上面の「2」番目の検査範囲に対応する位置へ移動させる移動処理を開始する。
【0180】
これと同時に、下面検査ユニット4の移動処理が完了し、下面検査カメラ4Cの撮像視野KLがプリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に合わせられると、制御装置6は、プリント基板P1下面の「1」番目の検査範囲に係る画像取得処理を実行する。
【0181】
以降、第1実施形態と同様に、上面検査ユニット3によるプリント基板P1上面の「2」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理と、下面検査ユニット4によるプリント基板P1下面の「2」番目〜「15」番目の検査範囲に係る画像取得処理及びその間の移動処理とが交互に実行されることにより、プリント基板P1の上下両面に係る検査が終了する。
【0182】
以上詳述したように、本実施形態によれば、プリント基板P1の上下両面のうち一方の面の認識マークの位置情報を他方の面の位置情報として流用することにより、プリント基板P1の上下両面にてそれぞれ1つの認識マークを撮像するだけで(複数の認識マークを撮像することなく)位置補正を行うことができる。これにより、プリント基板P1の両面検査に係る検査精度のさらなる向上を図ることができる。
【0183】
ひいては、プリント基板P1の上下両面にてそれぞれ複数の認識マークを撮像することなく、検査を開始することができるため、検査の高速化を図ることができる。
【0184】
尚、本実施形態では、プリント基板P1の上下両面に位置ズレ(積層ズレやパターンのズレ等)がないことを前提として、上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4のオフセット量を基に上記補正を行う構成となっているが、仮にプリント基板P1の上下両面に位置ズレがある場合には、例えば前工程(パターン検査工程等)において検出されたプリント基板P1の表裏の位置ズレ情報(プリント基板P1の表面と裏面の相対位置関係)を事前にプリント基板P1の管理情報(シリアルナンバー等)と共に入手しておくことにより、上記補正を行うことができる。
【0185】
また、上記認識マークに代えて、プリント基板P1の表裏に貫通するスルーホールなどを位置合わせ用の特定対象として利用すれば、プリント基板P1の上下両面の位置ズレを考慮することなく、上記補正を行うことができる。
【0186】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0187】
(a)上記各実施形態では、基板検査装置を、プリント基板P1に印刷されたクリーム半田P4の印刷状態を検査する半田印刷検査装置に具体化したが、これに限らず、例えば基板上に印刷された半田バンプや、基板上に実装された電子部品など、他の対象を検査する構成に具体化してもよい。勿論、リフロー前の検査に限定されるものではなく、リフロー後の検査に利用される構成としてもよい。
【0188】
(b)上記各実施形態では、位相シフト法による三次元計測を行う上で、縞パターンの位相が90°ずつ異なる4通りの画像データを取得する構成となっているが、位相シフト回数及び位相シフト量は、これらに限定されるものではない。位相シフト法により三次元計測可能な他の位相シフト回数及び位相シフト量を採用してもよい。
【0189】
例えば位相が120°(又は90°)ずつ異なる3通りの画像データを取得して三次元計測を行う構成としてもよいし、位相が180°(又は90°)ずつ異なる2通りの画像データを取得して三次元計測を行う構成としてもよい。
【0190】
(c)上記各実施形態では、プリント基板P1に投影される矩形波状又は台形波状の光強度分布を有する縞パターンを連続移動させ、これを連続して撮像(露光)することにより、正弦波状の光強度分布を有する画像データを取得する構成となっている。
【0191】
ここで、連続して撮像する期間は、上記実施形態(位相45°移動相当分)に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
【0192】
また、連続して撮像(露光)する構成に限らず、従来同様、格子の位置を順次切替えながら、格子を停止させた状態で縞パターンを照射することにより、位相の異なる複数の画像データを取得する構成としてもよい。
【0193】
また、上記各実施形態では、光源からの光を縞パターンに変換する手段として格子板を採用しているが、これに限らず、例えば短冊状のラインごとに透過率或いは反射率を制御可能な液晶パネルなど他の手段を採用してもよい。液晶パネル等を用いることにより、格子板を連続移動させることなく、理想的な正弦波状の光強度分布を有する縞パターンを照射することが可能となる。
【0194】
(d)上記各実施形態では、位相シフト法により三次元計測を行う構成となっているが、これに限らず、例えば空間コード法など、他の三次元計測法を採用することとしてもよい。但し、クリーム半田P4など小さな計測対象を計測する場合には、位相シフト法など、計測精度の高い計測方法を採用することがより好ましい。
【0195】
(e)各照明から照射される光の種類など、照射手段に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
【0196】
例えば上記各実施形態では、プリント基板P1の検査を行うに際し、縞パターンを照射して三次元計測を行う構成となっているが、これに代えて又は加えて、二次元計測を行う構成としてもよい。
【0197】
例えば図10に示すように、上面検査ユニット3において、第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B並びに上面検査カメラ3Cに加えて、二次元検査用の照明装置71を備えると共に、下面検査ユニット4において、第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4B並びに下面検査カメラ4Cに加えて、二次元検査用の照明装置71を備えた構成としてもよい。
【0198】
図10,11に示すように、照明装置71は、プリント基板P1の一番近くに配置された第1リングライト72と、当該第1リングライト72の次にプリント基板P1の近くに配置された第2リングライト73と、プリント基板P1から最も離れた位置に配置された第3リングライト74とを備えている。
【0199】
各リングライト72〜74は、それぞれ赤色光、緑色光及び青色光の3色の単色光を切替え照射可能に構成されている。また、第1リングライト72は、プリント基板P1に対し大入射角(例えば74°)で光照射を行うように構成されている。第2リングライト73は、プリント基板P1に対し中入射角(例えば20°)で光照射を行うように構成されている。第3リングライト74は、プリント基板P1に対し小入射角(例えば0°)で光照射を行うように構成されている。
【0200】
そして、例えばプリント基板P1の上面側の所定の検査範囲に係る検査(画像取得処理)において、第1上面検査照明3Aから照射される縞パターンの下での複数回の撮像処理、及び、第2上面検査照明3Bから照射される縞パターンの下での複数回の撮像処理の少なくとも一方に加えて、全リングライト72〜74から照射される赤色光の下での1回の撮像処理、全リングライト72〜74から照射される青色光の下での1回の撮像処理、全リングライト72〜74から照射される緑色光の下での1回の撮像処理、第1リングライト72から大入射角で照射される単色光(例えば青色光)の下での1回の撮像処理、第2リングライト73から中入射角で照射される単色光(例えば緑色光)の下での1回の撮像処理、及び、第3リングライト74から小入射角で照射される単色光(例えば赤色光)の下での1回の撮像処理のうちの少なくとも1つの撮像処理を実行可能な構成としてもよい(プリント基板P1の下面側に関しても同様)。
【0201】
かかる構成の下、三次元計測に加え、半田印刷領域、電極領域、シルク印刷領域など各種領域の抽出や、異物の検出、クリーム半田P4の面積計測、位置ズレ判定、ブリッジ検出などの各種二次元計測を実施する構成としてもよい。
【0202】
また、第1上面検査照明3A及び第2上面検査照明3B、並びに、第1下面検査照明4A及び第2下面検査照明4Bを省略し、三次元計測を行わず、二次元計測のみ実施する構成としてもよい。
【0203】
また、上記各実施形態では、所定の検査範囲に係る1回の画像取得処理において複数の撮像処理を実行する構成となっているが、これに限らず、所定の検査範囲に係る1回の画像取得処理において撮像処理が1回だけ行われる構成としてもよい。
【0204】
(f)プリント基板P1の上下両面検査における上面検査ユニット及び下面検査ユニットの処理動作は、上記各実施形態(図5に示す例)に限定されるものではない。少なくともプリント基板P1の上面側(又は下面側)の所定の検査範囲に係る画像取得処理の実行期間中に、下面側(又は上面側)における光の照射が停止され、上面側(又は下面側)へ光が漏れることがない構成となっていれば、他のいかなる構成を採用してもよい。
【0205】
例えば上記実施形態では、各検査ユニット3,4の移動期間(一部を除く)が、各検査カメラ3C,4Cによる所定の検査範囲に係る1回の画像取得処理の実行期間よりも短く設定されているが、各検査ユニット3,4の移動期間が1回の画像取得処理の実行期間よりも長く設定された構成としてもよい。
【0206】
かかる場合、例えば上面検査ユニット3(上面検査カメラ3C)による所定の検査範囲に係る画像取得処理の終了後、当該上面検査ユニット3の移動処理を開始すると共に、下面検査ユニット4(下面検査カメラ4C)による撮像処理を開始し、当該撮像処理の終了後、上面検査ユニット3の移動処理の終了を待って、当該上面検査ユニット3による次の撮像処理を開始することとなる。又は、上面検査ユニット3による撮像処理の終了後、当該上面検査ユニット3の移動処理を開始すると共に、所定時間(例えば1msec)経過後に下面検査ユニット4による撮像処理を開始する構成としてもよい。
【0207】
尚、各検査ユニット3,4の移動処理に要する時間を比較的長めに設定できれば、各検査ユニット3,4の移動時の振動等を抑制することができる。結果として、振動等が撮像へ与える影響を低減することができ、検査精度の向上を図ることができる。
【0208】
(g)各検査範囲の画像取得処理における上面検査ユニット3及び下面検査ユニット4の処理動作は、上記各実施形態(図4に示す例)に限定されるものではない。
【0209】
例えば上記実施形態では、各検査カメラ3C,4Cにおけるデータ転送(読出)期間が、各検査カメラ3C,4Cによる1回の撮像処理の実行期間よりも短く設定されているが、データ転送期間が1回の撮像処理の実行期間よりも長く設定された構成としてもよい。
【0210】
かかる場合、例えば上面検査カメラ3Cによる撮像処理の終了後、当該上面検査カメラ3Cにおけるデータ転送を開始すると共に、下面検査カメラ4Cによる撮像処理を開始し、当該撮像処理の終了後、上面検査カメラ3Cにおけるデータ転送期間(撮像処理を実行できない期間)の終了を待って、当該上面検査カメラ3Cによる次の撮像処理を開始することとなる。又は、上面検査カメラ3Cによる撮像処理の終了後、当該上面検査カメラ3Cにおけるデータ転送を開始すると共に、所定時間(例えば1msec)経過後に下面検査カメラ4Cによる撮像処理を開始する構成としてもよい。
【0211】
勿論、格子板3Abなど各格子板に係る動作制御処理も各検査カメラ3C,4Cの撮像処理に合わせたものとなる。つまり、タイムラグがある場合には一旦停止して待機することとなる。
【0212】
(h)上記各実施形態では、各検査カメラ3C,4Cの撮像素子としてCCDセンサを採用しているが、撮像素子はこれに限定されるものではなく、例えばCMOSセンサなど、他の撮像素子を採用してもよい。
【0213】
尚、一般のCCDセンサ等を用いた場合には、データ転送中に次の撮像(露光)処理を行うことができないため、複数回撮像を行う場合には、撮像処理とデータ転送処理とを交互に繰り返すこととなる。
【0214】
これに対し、CMOSセンサや、データ転送中に露光可能な機能を持ったCCDセンサ等を用いた場合には、撮像処理とデータ転送処理とを一部で重複して行うことが可能となる。
【0215】
これを利用することにより、上述したようにデータ転送期間が1回の撮像処理の実行期間よりも長く設定されている場合には、例えば上面検査カメラ3Cによる撮像処理の終了後、当該上面検査カメラ3Cにおけるデータ転送を開始すると共に、下面検査カメラ4Cによる撮像処理を開始し、上面検査カメラ3Cにおけるデータ転送期間の終了を待つことなく、下面検査カメラ4Cによる撮像処理の終了と同時に、上面検査カメラ3Cによる次の撮像処理を開始することができる。
【0216】
(i)上記各実施形態では特に言及していないが、例えば図12に示すように、プリント基板P1の搬送路の下方に位置する下面検査カメラ4Cに保護カバー50を備えた構成としてもよい。
【0217】
プリント基板P1の搬送路の下方に位置する下面検査カメラ4Cには、プリント基板P1から落下する半田カス等の異物が付着するおそれがある。保護カバー50を備えることにより下面検査カメラ4Cに異物が付着するのを防止することができる。
【0218】
保護カバー50は、透明部材により構成されており、下面検査カメラ4Cは、保護カバー50を介してプリント基板P1の下面を撮像することができる。
【0219】
しかしながら、保護カバー50に汚れや異物が付着していると、検査に支障をきたすおそれがあるため、保護カバー50に異物等が付着しているか否かを検査するカバー検査機構を基板検査装置1に備えることが好ましい。以下、カバー検査機構の具体例について説明する。
【0220】
図12に示すように、下面検査カメラ4Cと保護カバー50はホルダ51により一体に組付けられている。そして、検査の終了したプリント基板P1が基板検査装置1から搬出された後、新たなプリント基板P1が基板検査装置1へ搬入されるまでの間において、図示しない駆動手段により、ホルダ51ごと下面検査カメラ4C及び保護カバー50を、プリント基板P1の搬送路の下方位置から外れる位置(カバー検査位置)へ移動する。
【0221】
カバー検査位置には、保護カバー50の上方に位置するように透過照明53が設けられている。そして、カメラ4Cのピントを保護カバー50に合わせた上で、透過照明53から照射され保護カバー50を透過した透過光をカメラ4Cにより撮像し異物検査を行う。
【0222】
また、図13に示す例のように、カバー検査位置において、保護カバー50の下方に入り込む透過照明55を備えると共に、保護カバー50の上方位置にカバー検査専用のカメラ56を備えた構成としてもよい。そして、透過照明55から照射され保護カバー50を透過した透過光をカメラ56により撮像し異物検査を行う。
【0223】
また、透過照明に代えて、反射照明を用いて異物検査を行う構成としてもよい。例えば図14に示すように、カバー検査位置において、保護カバー50の上方に位置する黒板60を備えると共に、保護カバー50に対し斜め下方より光を照射する反射照明61を備えた構成としてもよい。そして、カメラ4Cのピントを保護カバー50に合わせた上で、反射照明61から照射され保護カバー50にて反射した反射光をカメラ4Cにより撮像し異物検査を行う。
【0224】
また、図15に示す例のように、カバー検査位置において、保護カバー50の下方に入り込む黒板62と、保護カバー50の上方に位置するカバー検査専用のカメラ63と、保護カバー50に対し斜め上方より光を照射する反射照明64とを備えた構成としてもよい。そして、反射照明64から照射され保護カバー50にて反射した反射光をカメラ63により撮像し異物検査を行う。
【0225】
さらに、上記各種カバー検査機構に加え、保護カバー50から異物を除去する機構を備えた構成としてもよい。そして、上記各種カバー検査機構により保護カバー50上に異物等が検出された場合に、所定の異物除去機構が作動し、異物を除去する構成としてもよい。
【0226】
異物除去機構としては、例えば保護カバー50にエアーを吹付けて異物を吹き飛ばす機構や、ブラシ等により異物を掃き出す機構、保護カバー50に薄いフィルムをセットしておき、汚れたら順次剥がしていく機構(ティアオフ機能)、保護カバー50にロール状のフィルムをセットしておき、汚れたら順次巻き取っていく機構(ロールオフ機能)などが一例に挙げられる。
【0227】
尚、下面検査カメラ4Cのみを保護する保護カバー50に代えて、下面検査ユニット4全体を保護する保護カバーを設けた構成としてもよい。但し、下面検査ユニット4全体を保護する保護カバーは、異物検査における検査範囲が広く、検査時間も長くなるおそれがある。また、保護カバーのサイズも大きくなるため、装置が大型化しかつ重量も重くなるおそれがある。この点においては、下面検査カメラ4Cのみを保護する保護カバー50の方がより好ましい。
【0228】
(j)上記各実施形態では、位置合わせ用の特定対象として、プリント基板P1の表面側に第1認識マーク〔A〕及び第2認識マーク〔B〕が付され、プリント基板P1の裏面側に第1認識マーク〔a〕及び第2認識マーク〔b〕が付された構成となっている。
【0229】
特定対象の数や形状、大きさ、位置、種類など、特定対象の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えばプリント基板P1の表裏両面に認識マークを1箇所又は3箇所以上設けた構成としてもよい。また、プリント基板P1の表裏に貫通するスルーホールなどを位置合わせ用の特定対象としてもよい。場合によっては、回路用のスルーホールを兼用してもよい。また、電極パターンP3の一部を位置合わせ用の特定対象として利用してもよい。
【符号の説明】
【0230】
1…基板検査装置、2…搬送機構、3…上面検査ユニット、3A…第1上面検査照明、3B…第2上面検査照明、3C…上面検査カメラ、4…下面検査ユニット、4A…第1下面検査照明、4B…第2下面検査照明、4C…下面検査カメラ、6…制御装置、P1…プリント基板、P4…クリーム半田。
図1
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