【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、地表面側の検査対象空気を導入して検査する検査部と、前記検査部での検査結果に応じて警報音を発生する警報音発生部とを備えた検査機本体と、
前記検査機本体の作動を制御する制御部と、
前記検査機本体を地表面に沿って移動操作する操作ハンドルと、が備えられている移動式検査機であって、
前記検査機本体が所定の検査姿勢にある状態で前記操作ハンドルを地表面側の収納位置に位置させた第1姿勢と、前記検査機本体が前記検査姿勢にある状態で前記操作ハンドルを前記収納位置よりも上方側の移動操作位置に位置させた第2姿勢と、前記第1姿勢及び前記第2姿勢とは異なる第3姿勢とに前記操作ハンドルの操作で姿勢変更自在に構成され、
前記制御部は、前記第3姿勢になったとき、前記警報音発生部から警報音を発生させない、又は、警報音の音量を設定音量よりも小さくする警報音量制御を実行する点にある。
【0008】
本構成によれば、検査機本体が上記検査姿勢にある状態で操作ハンドルを地表面側の収納位置に位置させた第1姿勢となって、コンパクトな収納が可能となる。一方、検査機本体が上記検査姿勢にある状態で操作ハンドルを上記収納位置よりも上方側の移動操作位置に位置させた第2姿勢となって、検査部により地表面側の検査対象空気の検査が可能となる。そして、このような検査時において、警報発生部により警報音が発生された場合には、上記第2姿勢から上記第3姿勢への姿勢変更が行われることで、上記警報音量制御を実行し、上記発生した警報音を消音又は音量低下させることができる。
【0009】
このように上記警報音量制御が実行される上記第3姿勢が、収納時の上記第2姿勢及び検査時の上記第2姿勢とは異なる姿勢とされており、更には、これら第1姿勢及び第2姿勢に対し操作ハンドルの操作で姿勢変更自在な姿勢とされている。
このことで、上記第3姿勢への姿勢変更が、検査時において操作ハンドルを把持した状態のままで当該操作ハンドルを操作するというような簡単に実行可能なものであるので、上記第2姿勢での検査時において警報音発生部により警報音が発生された場合に、迅速且つ正確に、上記第3姿勢への姿勢変更を行って上記警報音量制御を実行させ、警報音を消音又は音量低下させることができる。
【0010】
従って、本発明により、作業者が警報音を聴認した際には、迅速且つ正確に、その警報音を消音又は音量低下させることができる移動式検査機を提供することができる。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、前記第3姿勢は、前記検査機本体が前記検査姿勢以外の非検査姿勢となる姿勢に設定されている点にある。
【0012】
本構成によれば、検査時において、作業者は検査機本体を検査姿勢に維持するのが通常であることから、検査機本体がその検査姿勢以外の非検査姿勢となる第3姿勢は、作業者の意思がない限り通常の検査時ではなり難い姿勢となる。
よって、検査時において無意識に上記第3姿勢に姿勢変更されることが抑制されるので、無用な上記警報音量制御の実行を回避することができる。
また、上記非検査姿勢は上記検査姿勢と明確に区別し得る姿勢であることから、検査機本体が当該非検査姿勢となる上記第3姿勢への姿勢変更により上記警報音量制御が実行される状態が、明確に認識可能なものとなる。これにより、例えば作業者は、警報音が発生されたがその警報音が警報音量制御により一時的に消音中又は音量低下中であることを明確に認識でき、警報音の発生時に必要な対応等を確実に遂行することができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、前記検査部には、前記検査機本体の底面側で外部開放される空気捕集部が備えられ、
前記検査機本体の検査姿勢は、前記空気捕集部の周囲部が地表面に接した姿勢であり、
前記検査機本体の非検査姿勢は、前記空気捕集部の周囲部が地表面から浮いた姿勢である点にある。
【0014】
本構成によれば、上記第2姿勢での検査時では、検査機本体の姿勢が上記空気捕集部の周囲部が地表面に接した検査姿勢になるので、当該地表面側の検査対象空気が当該空気捕集部に適切に導入される。一方、上記第3姿勢での上記警報音量制御の実行時では、検査機本体の姿勢が上記空気捕集部の周囲部が地表面から浮いて地表面側の検査対象空気が当該空気捕集部に適切に導入されない非検査姿勢になるので、その非検査姿勢が検査姿勢と区別して明確になり、上記警報音量制御が実行される状態を正確に認識することができる。
【0015】
本発明の第4特徴構成は、前記第3姿勢には、前記検査機本体が前記空気捕集部の周囲部を地表面から浮かせた前記非検査姿勢にある状態で自立する姿勢が含まれている点にある。
【0016】
本構成によれば、上記第3姿勢での上記警報音量制御の実行時では、検査機本体が空気捕集部の周囲部を地表面から浮かせた上記非検査姿勢にある状態で自立することができる。このことで、上記警報音量制御の実行時において、作業者は、上記第3姿勢で自立させた状態で、操作ハンドルから手を離して、警報音の発生時に必要な対応等をスムーズに遂行することができる。
【0017】
本発明の第5特徴構成は、前記第3姿勢は、前記検査機本体の地表面に沿った移動操作が阻害される姿勢に設定されている点にある。
【0018】
本構成によれば、上記第2姿勢での検査時においては、無意識に上記第3姿勢への姿勢変更された場合でも、検査機本体の地表面に沿った移動操作が阻害されることでその姿勢変更を把握して是正することができ、結果、無用な上記警報音量制御の実行を回避することができる。更に、上記第3姿勢での警報音量制御の実行後に再度検査を行う際には、検査機本体の地表面に沿った移動操作を許容せるために、確実に上記第3姿勢から上記第2姿勢への姿勢変更が行われることになって、警報音量制御が確実に終了することになるので、警報音を消音又は音量低下したままでの検査を防止することができる。
【0019】
本発明の第6特徴構成は、前記第3姿勢は、前記操作ハンドルが前記第2姿勢の前記移動操作位置を基準にして前記第1姿勢の前記収納位置とは反対側に位置する姿勢に設定されている点にある。
【0020】
本構成によれば、検査時の上記第2姿勢において、収納状態に遷移させる場合には、移送操作位置にある操作ハンドルを地表面側の収納位置に変位させて上記第1姿勢へ姿勢変更するのに対し、警報音量制御を実行させる場合には、移動操作位置にある操作ハンドルを上記収納位置とは反対側の位置に変位させて上記第3姿勢へ姿勢変更することとなる。即ち、検査時の上記第2姿勢を基準に、収納のための上記第1姿勢への姿勢変更と、警報音量制御実行のための上記第3姿勢への姿勢変更とは、夫々の操作ハンドルの移動方向が互いに逆の方向となる。よって、検査時において、操作ハンドルの操作により、収納状態への遷移と警報音量制御の実行とを明確に区別して行うことができ、操作ハンドルの誤操作を防止することができる。
【0021】
本発明の第7特徴構成は、前記検査部の検査結果を表示する表示部が備えられ、
前記制御部は、前記第3姿勢になったとき、前記検査部及び前記表示部は作動状態に維持しながら前記警報音量制御を実行する点にある。
【0022】
本構成によれば、検査時に警報音発生部により警報音が発生された状態で、上記第3姿勢への姿勢変更により警報音量制御が実行され、その警報音が消音又は音量低下された場合であっても、検査部及び表示部は作動状態に維持されているので、作業者は、その表示部に表示された警報音の発生要因となった検査結果を確認して、適切な対応等を確実に遂行することができる。